JPH0976388A - 水浸透性複合シート - Google Patents

水浸透性複合シート

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JPH0976388A
JPH0976388A JP7239595A JP23959595A JPH0976388A JP H0976388 A JPH0976388 A JP H0976388A JP 7239595 A JP7239595 A JP 7239595A JP 23959595 A JP23959595 A JP 23959595A JP H0976388 A JPH0976388 A JP H0976388A
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water
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permeable composite
sheet
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JP7239595A
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Migaku Suzuki
磨 鈴木
Hiroaki Fukui
博章 福井
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NIPPON KYUSHUTAI GIJUTSU KENKY
Japan Absorbent Technology Institute
Original Assignee
NIPPON KYUSHUTAI GIJUTSU KENKY
Japan Absorbent Technology Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理的な開孔により透水性を与えたシート材
料では、その開孔を通じて内部の吸収体が脱落するとい
う不都合が生じるばかりでなく、疎水性シート材料に特
有の肌触りの悪さが伴う。 【解決手段】 疎水性材料からなるA層と、このA層に
隣接して配置された親水性材料からなるB層は、互いに
同一の易熱溶融性材料からなる共通成分を含み、この共
通成分を相互に全面的に、もしくは部分的に溶結化によ
り結合されている水浸透性複合シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面が疎水性であ
りながら、良好な水浸透性を有するシート材料に関す
る。この明細書において、「水浸透性」とは、シート材
料の表面は疎水性であるが、この表面に付着もしくは接
触した水あるいは水性液体が、その表面から背面側に速
やかに浸透する性質を意味するものとして使用される。
シート材料がその背面側で吸収体に接触していれば、表
面に付着した液体はシート材料をその表面側から背面側
に浸透して吸収体に吸収され、またシート材料自身が吸
収性を有する場合には、このシート材料に吸収される。
このような性質を持つシート材料は、肌衣や衛生用品の
ような製品の材料に最適である。
【0002】
【従来の技術】オムツ、ナプキン、失禁マット等に代表
される、いわゆる吸収体製品には、肌に接する表面層
は、濡れた感触を避けるために疎水性であり、しかもそ
の表面に接触した体液等の液体を内部に速やかに移動さ
せる水浸透性を有することが望まれる。しかし、この2
つの要求は相矛盾するものである。
【0003】このような矛盾を解消するために近年、表
面の残存水分率を下げて、使用中のドライ感を向上させ
ることができる材料として、漏斗状の大きな開孔構造を
持った疎水性シート、たとえばPE系材料からなるシー
トが多く用いられるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな物理的な開孔により水浸透性を与えたシート材料で
は、その開孔の断面積が、水の表面張力に打ち勝つだけ
の大きさであることが必要であるため、開孔を通じて内
部の吸収体、とくに粉末状の超吸収体が脱落するという
不都合が生じるばかりでなく、PE等の疎水性シート材
料に特有の肌触りの悪さが伴う等の大きな問題を残して
いる。
【0005】本発明者らは、このような問題の解決策と
して、熱溶融性樹脂の溶結化現象を利用して、疎水性シ
ートに部分的に親水性部分を共存させることにより導水
層を形成し、それによってきわめて安定した水浸透性と
表面ドライ感を維持しながら、肌触りの良好な水浸透性
複合シートを提案した(特願平7−29605号)。し
かしながら、この改良された水浸透性複合シートは、異
種の成分を溶結化させるための、温度、圧力条件の設定
が微妙で、工業的な規模での生産性の面で、更なる改善
が望まれている。
【0006】本発明は、上記のような実状に鑑みてなさ
れたもので、物理的な開孔を設けることなく、十分な水
浸透性を有すると共に、優れた表面ドライ感と肌触りを
もつ水浸透性複合シートを提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、疎水性
材料からなるウェブ状のA層と、このA層に隣接して配
置された親水性材料からなるB層とを備え、前記A層お
よび前記B層は、易熱溶融性材料からなる共通成分を含
み、前記A層および前記B層は、前記共通成分を相互に
全面的に、もしくは部分的に溶結化により形成された溶
結部において結合されており、これにより前記溶結部で
水浸透性を有していることを特徴とする水浸透性複合シ
ートが提供される。
【0008】A層およびB層の共通成分は、好ましくは
易熱溶融性の繊維状物質である。また易熱溶融性成分を
鞘、この鞘に対して熱安定性の高い成分を芯とするコン
ジュゲート繊維も有利に使用できる。
【0009】A層およびB層は、それぞれ元来が親水性
および疎水性のいずれの性質の繊維状物質で構成されて
もよいが、共に疎水性の素材からなっているが、B層の
みが親水性化処理されたものであってもよい。繊維状物
質とは、一般的な概念で繊維と呼ばれているものの他、
押出成形等の手段で成形された線状あるいはネット状の
形態の物質も包含する。
【0010】この明細書において、「溶結化」という用
語は、A層とB層をそれぞれ構成している繊維の少なく
とも一部が熱処理により流動を起こし、相互に溶け合っ
た後に冷却固化した状態を意味するものとして使用され
る。この溶結化により、A層の疎水性繊維と、B層の親
水性親水性とが相溶した共存状態が生成される。すなわ
ち相溶層には部分的に疎水性成分と親水性成分とが混在
するという特殊な状態を呈する。このため、本発明の水
浸透性複合シートでは、いわゆる逆戻り現象が起こるこ
とはなく、一方通行の水浸透性が発揮される。
【0011】A層およびB層に共通の繊維成分を存在さ
せる理由は、この共通成分同士の熱融着によって生じる
きわめて安定な相溶状態を得るということにあり、これ
により構造賦形も容易になると同時に、溶結化された部
分の面積および(または)密度を変えることで水の浸透
スピードのコントロールも可能になる。また共通成分の
存在のために、溶結化のための温度、圧力条件の設定が
容易になり、工業的な規模での生産ラインへの組み込み
に関しても、プロセス適性に優れている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、A層およびB層
を構成するのに適した材料、およびその適当な組合わせ
例としては、下記の表1に示すようなものが挙げられ
る。
【0013】
【表1】 上に掲げたような材料からなるA層およびB層は、その
全面にわたって、もしくは部分的に溶結化により結合さ
れる。
【0014】図1は、A層およびB層を重ね合わせ、こ
の両者を全面にわたって溶結化により結合させて、両者
間にA/B混在層を形成した水浸透性複合シートを示し
ている。また図2は、重ね合わされたA層およびB層を
部分的に溶結化して、A層およびB層が独立して存在す
る領域と、A/B混在層が存在する領域とをストライプ
状に設けた水浸透性複合シートを示している。さらに図
3は、疎水性のA層の一方の表面に、適当な面積のB層
を所望の分布で配置し、このB層をA層と溶結化させ
て、A層のみの領域と、A/B混在層が存在する領域と
を設けた水浸透性複合シートを示している。
【0015】図4は、PE/PETコンジュゲートスパ
ンボンド不織布のようなA層の一方の表面に、PEのよ
うな素材を押出成形することにより得られたネット状物
を表面のみを親水化処理したB層を重ね、この両者を溶
結化処理しすることにより構成された水浸透性複合シー
トを示している。また図5は、図4の例で用いられたP
Eネットに代えて、表面のみを親水化処理したPP発泡
体を拡幅したものをB層として使用して構成された水浸
透性複合シートを示している。このような表面親水化さ
れたネット状のB層を使用した場合には、ネットの目に
沿って水浸透性の領域が形成されることになる。
【0016】A層とB層との間の溶結化において、加熱
温度が高いほど、そして同一温度であれば圧力が大きい
ほど、形成された溶結化部の水浸透性が大きくなるが、
反面、表面性状はフィルムに近くなって風合いは硬くな
り、表面強度は向上する。逆に、温度および圧力が低い
と、風合いが損なわれることはなくなるが、水浸透性が
小さくなる傾向を示す。
【0017】このことは、同一の素材を使用しても、適
用する温度および圧力を調節することにより、種々の性
質をもつ水浸透性複合シートが得られることを意味し、
これらの条件を適当に組合わせることにより、用途に応
じた特性を持つ水浸透性複合シートを得ることができ
る。
【0018】A層とB層との間の溶結化において、形成
される溶結部の溶結化状態は、溶結化に必要な熱と圧力
をA層およびB層のどちら側から加えるかに大きく依存
する。
【0019】本発明の水浸透性複合シートの用途として
は、まずオムツ、ナプキン、失禁マット等の一般的な吸
収体製品の表面材が挙げられる。このような用途では、
表面の風合いと水浸透性とのバランスが重要であり、し
たがって比較的低温で、かつ軽度な加圧で溶結化を行っ
たものが適している。
【0020】図5および図6は、図について説明したよ
うな、A層とB層とを部分的に溶結化してA/B層を形
成した表面材1を適用したオムツを示している。図5、
図6において、符号2は表面材1に対向して設けられた
バックシート、3は吸収体、4は弾性体5の作用で立ち
上がるように設けられたスタンディングギャザー、6は
ウェストギャザー、7は連結具を示す。なお、表面材1
は、サイド部からスタンディングギャザー4を経て中央
部に至るまで、同一の疎水性素材で構成される。
【0021】また防塵性ワイプス、吸血マット、電子レ
ンジ用食品包装材などの用途には、表面の風合いより
も、水浸透性と表面のリントフリー性、および内部から
の塵の発生のないことが重要であり、したがって全面的
に、しかも疎水性のA層側から、表面がフィルム状にな
るまで充分に熱および圧力を与えて構成された水浸透性
複合シートが適している。
【0022】さらに生理用ナプキンの表面材のように、
ステインフリー性と多孔性のバランスが重要な場合に
は、図8および図9に示すように、A層およびB層を全
面にわたって溶結化してA/B層を形成した水浸透性複
合シートに、さらに立体的な断面を持つように開孔10
を設けたものが適している。この開孔10は、1層のP
Eフィルムに孔をあけただけのシートとは異なり、1m
m以下の比較的小さな開孔10によるきわめて安定な水
浸透性と同時に、非開孔部における通気性にもとづく水
蒸気の容易な移動から得られるムレ防止効果もを有して
おり、とくに女性や幼児の肌に対して優れた適性をも
つ。この開孔は、液の透過性を期待するというよりは、
凹凸効果により肌に対する密着性を避け、また体液に含
有される固形成分の分離効果を得ようとするもので、し
たがって開孔は表裏貫通する必要はなく、深いエンボス
でもよい。
【0023】また病院での利用を対象とするシーツやド
レープ類の用途では、抗菌性材料を組み合わせてから溶
結化を行うことにより、抗菌性を付与すると共に、表面
のポーラス構造をコントロールしてバイオバリヤー性を
付与することも可能である。
【0024】
【実施例】
(実施例1)A層の準備 PETを芯、PEを鞘とするコンジュゲート繊維からな
るスパンボンド不織布(ユニチカ製、商品名「エルベ
ス」)をA層として準備した。この不織布の構成デニー
ルは約2デニール、目付は20g/m2、目掛け比率は
0.09g/m3で、撥水性があり、常圧では水透過圧
は認められなかった。
【0025】B層の準備 PETを芯、PEを鞘とする2d×51mmの親水化さ
れたコンジュゲート繊維ステープル(クラレ製、商品名
「ソフィット」)からなる25g/m2のカードウェブ
を用いて、スポットボンド法によりサーマルボンド不織
布を調製した。この不織布は、目掛け比率0.06g/
3のソフトバルキーなもので、きわめて吸水性の優れ
たものであった。
【0026】A層とB層の溶結化 上記のA層とB層とを重ね合わせ、使い捨てオムツの表
面材とするために、図5に示したようなパターンに従っ
て、A/B混在層となるべき部分のみをB層側から、温
度130℃、圧力10kg/cm2で加熱、加圧した。
この結果、加熱、加圧を施した部分では、界面破壊を生
じる程度までほぼ完全に溶融、接合した。
【0027】オムツへの応用 上記の処理で得られた水浸透性複合シートに、通常のそ
の使い捨てオムツの表面材と同様にして、スタンディン
グギャザー4を形成し、これをバックシート2、吸収体
3および他の必要な要素と組み合わせてオムツを製造し
た。このオムツについて、80cc×3回の吸収試験を
行ったところ、溶結化処理したA/B混在層からはきわ
めて迅速に透水吸収が行われ、3回の吸収後もA層、B
層が分離することはなく、また吸収部のリウェットも、
1回目が0.2cc以下、2回目、3回目も1cc以下
という優れたものであった。
【0028】(実施例2)実施例1で用いられたものと
同じA層およびB層を重ね合わせ、140℃に加熱され
た表面フラットな1対のクロムメッキロール間を、ゲー
ジ圧3kg/cm 2の加圧下で通過させることにより、
A層およびB層の両側から加熱、加圧を施した。
【0029】これにより、表面がフィルム状に変化した
紙状のシートが得られた。このシートのA層およびB層
はほぼ完全に融着しており、安定した水浸透性を示し、
また液の逆流はほとんど認められなかった。また表面の
強度、耐リント性に優れ、セロハンテープテストでは1
級の耐リント性を示した。
【0030】食品包材としての応用 上記の全面溶結化シートのB層側に、厚さ20μmのP
Eフィルムを積層して3層体とし、これを用いて容量約
200ccの、1辺のみが解放されたマチ付き袋を作っ
た。
【0031】この袋内に、冷凍した中華饅頭を入れて開
口部を閉じ、通常の家庭用電子レンジで30分間加熱
し、そのまま20分間放置した後に開封したところ、内
容物表には水滴の付着やベタツキもなく、ふっくらとし
た状態を保っていた。
【0032】(実施例3)A層の準備 疎水性のPPスパンボンド不織布(18g/m2)を用
意する。
【0033】B層の準備 PE/PPからなる2d×51mmの鞘芯型コンジュゲ
ート繊維(チッソ社製商品名「ES繊維」)50%、お
よび界面活性剤処理により親水化された3d×51mm
の銀ゼオライト含有ポリエステル繊維(カネボウ社製商
品名「バクテキラー」)50%からなる、30g/m2
の均一混合カードウェブを調製する。
【0034】A層とB層の溶結化 上記A層の上に上記B層を重ね、表面温度120℃に加
熱されたクロムメッキロールとペーパーロールの組合わ
せからなるペアロール間を、A層が加熱ロールに接する
ように、ゲージ圧2kg/m2で加圧しながら、10m
/minの速度で通過させることにより溶結化を行っ
た。
【0035】この結果、A層表面はフィルム化し、また
B層表面は毛羽立ったバルキーな構造を有し、きわめて
急速に水を吸収した。またこのシートは、シェークフラ
スコ法による抗菌テストにおいて、顕著な抗菌性を示し
た。
【0036】オムツ表面材としての利用 本実施例のシートを、そのA層表面が身体に接する面と
なるような配置で、オムツのトップシートとして、市販
のものと同一構造の成人用オムツに組み込み、このオム
ツについて吸収テストを行った。30分の間隔をおいて
行った3回のスピードテストの結果は下記の通りであっ
た。
【0037】1回目 100cc:25sec 2回目 100cc:33sec 3回目 100cc:40sec なお、3回目の吸収後のリウェット値は1.2g/10
0cm2であり、きわめて良好な性能を示した。
【0038】オムツのクッション材としての利用 PPスパンボンドのトップシートの内側に吸収体を配置
した通常の構造の幼児用Mサイズのオムツにおいて、ト
ップシートと吸収体との間に、本実施例のシートをその
B層がトップシートに、A層が吸収体にそれぞれ接する
ように介挿し、このサンプルについて吸収テストを行っ
た。なおブランクは、本実施例のシートを有さない通常
のものである。
【0039】
【表2】 以上の結果から、本実施例のシートを組み込むことによ
り、吸収スピードが大幅に向上し、またリウェットが抑
制されていることが明らかである。
【0040】(実施例4)A層の準備 A層のためのシート材料として、紡績油剤をできるだけ
少なくした疎水性の2d×45mmのPP/PEコンジ
ュゲート繊維ステープル(チッソ社製商品名「ES繊
維」)50%と1.5d×45mmのPET繊維50%
のブレンド繊維から、目付15g/m2のカードウェブ
を調製した。
【0041】B層の準備 A層に用いられたものと同じPP/PEコンジュゲート
繊維ステープル30%と、1.2d×35mmのキトサ
ン含有レーヨン繊維(富士紡績製、商品名「キトポ
リ」)70%のブレンド繊維から、目付20g/m2
カードウェブを調製した。
【0042】つぎに、上記のA層とB層とを重ね合わ
せ、温度130℃の熱風コンベア中を通過させてA層お
よびB層を熱接合させた。
【0043】A層とB層の溶結化 上記の熱接合シートを、直径50cmの表面フラットな
加熱ローラにA層表面が接触するようにして通過させて
溶結化を行った。加熱ローラの表面温度は140℃、通
過速度は2秒/メートルであった。
【0044】この溶結化処理により、A層表面はフィル
ム化されたが、全体としてフラットで柔らかく、しかも
毛羽立ちおよびリントの脱落がきわめて少ない。またこ
のシートは、優れた吸水性を示すとともに、抗菌性、と
くに耐MRSA性に優れたものであった。
【0045】病院用シーツおよびブランケットカバーと
しての応用 上記の水浸透性複合シートを病院用シーツおよびブラン
ケットカバーとして、20名の患者に使用するテストを
行った。テスト中、毛羽立ちなどの問題はなく、感触が
良好であるとの判定を得た。またテスト中に患者にMR
SA感染者は発生しなかった。
【0046】(実施例5)A層の準備 A層のための疎水性ウェブとして、PETを芯、PEを
鞘とするコンジュゲート繊維からなる20g/m2のス
パンボンド不織布(ユニチカ製、商品名「エルベス」)
を準備した。
【0047】B層の準備 またB層となるシート材料して、親水化処理した、2d
×45mmのPE/PETコンジュゲート繊維60%
と、3d×51mmの高吸収性繊維(カネボウ製、商品
名「ベルオアシス」)40%との混合カードウェブを、
熱風コンベア中で処理して、30g/m2のスルーエア
ーボンドの不織布を用意した。
【0048】A層とB層の溶結化 上記のA層およびB層を重ね合わせ、表面温度150℃
に加熱したクロムメッキロールとペーパーロールとの組
合わせロールとの間を、2kg/cm2の圧力で、A層
がクロムメッキ層に接するように通過させて、A層表面
がフィルム化し、B層側は不織布様の水浸透性複合シー
トを得た。
【0049】この水浸透性複合シートは、A層の表面か
ら裏面への水浸透性に優れており、また裏面に移動した
液はB層を構成する高吸収性繊維に吸収されるために、
A層表面は全くドライな状態を保つ一方通行の水浸透性
を示した。
【0050】ミートパッケージ、トレーへの応用 上記の水浸透性複合シートを、ポリスチロールの食品ト
レー上に、A層が上になるように敷き、その上に冷凍ス
テーキ用のカット牛肉を置き、ラップで包んだ。この状
態で室温で4時間放置して解凍を行った。解凍後の牛肉
にはドリップの発生もなく、変色も認められなかった。
【0051】(実施例6)A層の準備 A層のためのシート材料として、PPのフィブリル状バ
ーストファイバーを両表面層とし、PETのフィラメン
トウェブを芯層とし、各層を加熱、加圧により一体化さ
せた、3層構造の不織布(テイジン製、商品名「ユニセ
ル」)を用意した。
【0052】B層の準備 PPスパンボンド(12g/m2)に木材パルプ(80
g/m2)を水流交絡させて得られた不織布に、カルボ
キシメチル化処理を施して得られた、高吸水性不織布
(新王子製紙製、商品名「CM化テクセル」)を用意
し、これをB層のためのシート材料とした。
【0053】A層とB層の溶結化 上記のA層に、B層をそのスパンボンド面が接触するよ
うに重ね合わせ、A層とB層の両面から、約140℃に
加熱したアイロンを当てて溶結化処理を行った。ついで
フィルム状になったA層表面に凹凸化処理を施した。
【0054】得られた水浸透性複合シートは、透水速度
が速く、しかも吸水性についても優れた性能を示した。
【0055】超薄型サニタリーナプキンへの応用 上記の水浸透性複合シートのB層側に、防漏体としてP
Eフィルムを配し、サニタリーナプキンに対して一般に
行われているテストを行った。
【0056】人工血を使用したテストでは、吸収速度も
速く、再湿潤(リウェット)は0.1cc以下で、ステ
インフリー性にも優れ、特に1mmの薄さで充分な吸収
量を示した。
【0057】(実施例7)A層の準備 A層として、20g/m2のPE/PETコンジュゲー
トスパンボンド不織布(ユニチカ社製商品名「エルベ
ス」)を用意する。
【0058】B層の準備 ポリエーテル系連続気泡性ウレタンフォーム(発泡度約
40倍、密度26kg/m3)のシートに、粉末状超吸
収体ポリマー(SAP)を全面に散布し、その上に、親
水化処理された2d×45mmのPE/PET繊維(ク
ラレ社製商品名「ソフィット」)60%と、1.5d×
45mmのビスコースレーヨン繊維40%からなる、3
0g/m2のウェブを重ね、両者にードルパンチを施し
て、SAPがウレタンフォームの気泡内および各繊維間
の空隙内に封入された構造の吸収性シートを調製する。
【0059】A層とB層の溶結化 上記A層の上に上記B層を重ね、多数の微細な突起を有
する、テフロン加工されたステンレスロール(表面温度
120℃の加熱)と、表面フラットなクロムメッキロー
ル(非加熱)の組合わせからなるペアロール間を、A層
がステンレスロールに接するように、ゲージ圧6kg/
2で加圧しながら通過させることにより溶結化を行っ
た。
【0060】この結果、未処理の状態では約8mmであ
った厚さが、溶結化後には約2.2mmと、約1/4に
圧縮された。得られた吸収性シートにおいて、A層およ
びB層は、両者に含有されていたPEが相互に融着して
緊密に接合され、A層側から高速に吸水する性質を有し
ていた。
【0061】吸水テスト 本実施例のシートをそのA層側を上にして空の水槽の底
に置き、上から大量の水を一気に注入して自由吸収テス
トを行った。シートは、膨潤して厚さが約15mmと7
倍近くまで増大したが、手で持ち上げても破断すること
はなく、コンニャク状の保形性を示した。
【0062】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の水浸透性
複合シートは、疎水性材料からなるA層と、このA層に
隣接して配置された親水性材料からなるB層は、互いに
同一の易熱溶融性材料からなる共通成分を含み、この共
通成分を相互に全面的に、もしくは部分的に溶結化によ
り結合されているので、十分な水浸透性を有すると共
に、優れた表面ドライ感と肌触りをもつという優れた特
性を有する。
【0063】したがって本発明の水浸透性複合シート
は、オムツのような一般的な吸収体製品に広く利用でき
るほか、病院用シーツやブランケットカバーとして応用
でき、さらに食品包材やミートパッケージやトレー等の
食品関係を含む広い範囲で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様例による水浸透性複合
シートを示す部分縦断面図。
【図2】本発明の第2の実施態様例による水浸透性複合
シートを示す部分縦断面図。
【図3】本発明の第3の実施態様例による水浸透性複合
シートを示す部分縦断面図。
【図4】本発明の第4の実施態様例による水浸透性複合
シートを示す部分縦断面図。
【図5】本発明の第5の実施態様例による水浸透性複合
シートを示す部分縦断面図。
【図6】本発明の第6の実施態様例による水浸透性複合
シートを用いた使い捨てオムツの平面図。
【図7】図6のオムツのVIII−VIII線における
概略的縦断面図。
【図8】本発明の第7の実施態様例による水浸透性複合
シートを示す部分縦断面図。
【図9】図6の水浸透性複合シートの部分縦断面図。
【符号の説明】
A A層 B B層 A/B A/B混合層 1 トップシート 2 バックシート 3 吸収体 4 スタンディングギャザー 5 弾性体 6 ウェストギャザー 7 連結具

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性材料からなるウェブ状のA層と、
    このA層に隣接して配置された親水性材料からなるB層
    とを備え、 前記A層および前記B層は、易熱溶融性材料からなる共
    通成分を含み、 前記A層および前記B層は、前記共通成分を相互に全面
    的に、もしくは部分的に溶結化により形成された溶結部
    において結合されており、 これにより前記溶結部で水浸透性を有していることを特
    徴とする水浸透性複合シート。
  2. 【請求項2】 前記共通成分が、易熱溶融性の繊維状物
    質である請求項1に記載の水浸透性複合シート。
  3. 【請求項3】 前記共通成分が、易熱溶融性成分を鞘、
    この鞘に対して熱安定性の高い成分を芯とするコンジュ
    ゲート繊維である請求項1または2に記載の水浸透性複
    合シート。
  4. 【請求項4】 前記A層および前記B層が互いに同一構
    成の繊維状物質で構成され、前記B層のみが親水性化処
    理されたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の水浸透性複合シート。
  5. 【請求項5】 前記溶結部に設けられた開孔を有してい
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の水浸透性複合シ
    ート。
  6. 【請求項6】 前記B層に高吸水性成分を含有し、これ
    により吸水能力を増大させた請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の水浸透性複合シート。
  7. 【請求項7】 前記B層に抗菌成分を含有し、これによ
    り抗菌効果が賦与されている請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の水浸透性複合シート。
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