JP4524536B2 - 電動式車輪駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の電動式車輪駆動装置は、四輪自動車、二輪自動車、ゴルフカート或は高齢者や障害者用の三輪或は四輪のカート、建設現場や輸送業界で使用する手押し式の一輪車乃至は四輪車等、各種車両を電動駆動式とする(電動により補助動力を付与する場合も含む)場合に使用する。
【0002】
【従来の技術】
電動自動車の駆動装置として、車輪を構成するホイールの内径側に電動モータを組み込み、この電動モータの駆動力をホイールに伝達する電動式車輪駆動装置が、特開平7−131961号公報、特開平9−23631号公報に記載されている様に、従来から知られている。このうちの特開平7−131961号公報に記載された構造の場合には、電動モータにより(減速機を介する事なく)直接ホイールを回転駆動する様に構成している。これに対して特開平9−23631号公報に記載された構造の場合には、電動モータの駆動力を、多段式の歯車式減速機を介して、ホイールに伝達する様に構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な従来の電動式車輪駆動装置のうち、特開平7−131961号公報に記載された構造の場合には、電動モータに大きな出力トルクを必要とする為、この電動モータとして、大型で重量が嵩むものを使用しなければならない。この為、コストが嵩むだけでなく、電動車両の走行性能を十分に確保する事も難しくなる。これに対して、特開平9−23631号公報に記載された構造の場合には、歯車式減速機を構成する歯車同士の噛合部で発生する騒音が大きくなり易く、電動車両の乗員等に不快感を与え易くなる。
本発明は、この様な事情に鑑みて、小型且つ軽量に構成でき、十分な走行性能を得易く、しかも運転時に発生する騒音が低い電動式車輪駆動装置を低コストで実現すべく発明したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動式車輪駆動装置は、ホイールの周囲にタイヤを支持して成る車輪と、この車輪を回転駆動する為にこのホイールの内径側に設けた駆動手段とを備える。
そして、この駆動手段は、電動モータと摩擦ローラ式減速機とを動力の伝達方向に関して互いに直列に接続して成るものである。
又、上記電動モータは、モータケースを有し、このモータケースの端部から回転駆動軸の先端部を軸方向に突出させたものである。
又、上記摩擦ローラ式減速機は、上記回転駆動軸の先端部の周囲に、この回転駆動軸に対し偏心した状態で、上記ホイールと共に回転自在に設けられた外輪と、この回転駆動軸の外周面である駆動側円筒面とこの外輪の内周面である被駆動側円筒面との間に存在する、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間内に配置され、それぞれの外周面を動力伝達用円筒面とした、少なくとも1個のガイドローラ及び少なくとも1個のウェッジローラとを備えたものである。
更に、上記モータケースは、基端部に底板部を有する有底筒状の主体と、この主体の先端開口部に被着固定した蓋板とを組み合わせて成るものであり、このうちの蓋板は、上記回転駆動軸の中間部先端寄り部分を挿通する為の通孔を有する。そして、上記モータケースは、上記回転駆動軸の先端部を覆う状態でこの蓋板に結合固定された連結板の中央部で上記蓋板と反対側面に突設した支持軸の外周面及び上記主体の先端部外周面と上記ホイールの内周面2個所位置との間に設けた転がり軸受により、このホイールを回転自在に支持している。
【0005】
【作用】
上述の様に構成する本発明の電動式車輪駆動装置により車輪を回転駆動する場合には、電動モータに通電する事により、この電動モータの回転駆動軸を回転させる。この回転駆動軸の回転は、ガイドローラ及びウェッジローラを介して外輪に伝わり、この外輪と共にホイールを回転させる。上記回転駆動軸と上記ガイドローラ及びウェッジローラとの間の動力伝達、並びに、これらガイドローラ及びウェッジローラと外輪との間の動力伝達は、何れも摩擦伝達により行なわれる為、動力伝達時に発生する騒音並びに振動は低い。又、上記ウェッジローラは、上記回転駆動軸から上記外輪に伝達するトルクの大きさに応じた力で、環状空間の幅が狭い部分に食い込む傾向となる。この為、上記回転駆動軸の外周面と上記ガイドローラ及びウェッジローラの外周面との当接部、並びに、これらガイドローラ及びウェッジローラの外周面と上記外輪の内周面との当接部の面圧は、何れも、上記トルクが大きくなる程高くなる。逆に言えば、このトルクが小さい場合には、上記各当接部の面圧が低い状態となる。この為、これら各当接部のトルク伝達を効率良く行なえる。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本発明の電動式車輪駆動装置は、ホイール1の周囲にタイヤ2を支持して成る車輪3と、この車輪3を回転駆動する為に、このホイール1の内径側に設けた駆動手段とを備える。そして、この駆動手段を図示しない懸架装置に支持する共に、この駆動手段の周囲に上記ホイール1を回転自在に支持する事により、上記車輪3を上記懸架装置に、回転自在に支持している。尚、図示の例では、上記ホイール1の内端部(車両の幅方向中央寄り端部で、図1の左端部)に、ディスクロータ等の制動用回転部材を支持固定する為の支持筒部4を設けている。
【0007】
上記駆動手段は、電動モータ5と摩擦ローラ式減速機6とを動力の伝達方向に関して互いに直列に接続して成る。又、上記電動モータ5は、有底円筒状のモータケース7を有する。このモータケース7は、基端部(図1の左端部)に底板部8を有する有底円筒状の主体9と、この主体9の先端(図1の右端)開口部に被着固定した蓋板10とを組み合わせて成る。この主体9の周壁部11の外周面の中心軸と内周面の中心軸とは互いに偏心させて、この周壁部11の肉厚を、円周方向に関して不同にしている。この様な主体9の基端面複数個所にはねじ孔12を形成しており、図示しない懸架装置の構成部品を挿通した、やはり図示しない複数本のボルトをこれら各ねじ孔12に螺合し更に緊締する事により、上記主体9を上記懸架装置に結合固定自在としている。又、上記蓋板10の片面(図1の左面)には、上記主体9の先端開口部にがたつきなく嵌合自在な環状突部13を形成している。この環状突部13の中心と上記蓋板10の外周面の中心とは、上記周壁部11の外周面と内周面とが偏心しているのに合わせて、互いに偏心させている。この様な蓋板10は、上記環状突部13を上記主体9の先端開口部に内嵌した状態でこの主体9の先端開口部に付着し、更に複数本のねじ14により、この主体9に対し結合固定している。
【0008】
この様にしてこの主体9と上記蓋板10とを互いに結合固定して成る、上記モータケース7の両端部には、それぞれ支持孔15と通孔16とを、互いに同心に、且つ、上記周壁部11の内周面と同心に形成している。そして、上記支持孔15及び通孔16の内側に、前記電動モータ5を構成する回転駆動軸17の基端部(図1の左端部)及び中間部先端寄り(図1の右寄り)部分を、それぞれ回転自在に支持している。このうち、上記主体9の底板部8の中央部に設けた支持孔15の内側には、上記回転駆動軸17の基端部を、深溝型或はアンギュラ型の玉軸受の如き、ラジアル、アキシアル両方向の荷重を支承自在な転がり軸受18により、回転自在に支持している。これに対して、上記蓋板10の中央部に設けた通孔16の内側には、上記回転駆動軸17の中間部先端寄り部分を、深溝型或はアンギュラ型の玉軸受の如き、ラジアル、アキシアル両方向の荷重を支承自在な転がり軸受19により、回転自在に支持している。
【0009】
この様にして上記モータケース7に対し回転自在に支持された上記回転駆動軸17の中間部で、上記1対の転がり軸受18、19の間部分には、永久磁石等により構成したロータ20を、上記回転駆動軸17に対する回転を阻止した状態で外嵌支持している。これに対して、上記周壁部11の内周面で上記ロータ20の外周面に対向する部分には、ステータ21を支持固定している。そして、このステータ21に通電したり、上記ロータ20の位相を検出する為のセンサ22の信号を取り出したりする為の導線23、23を、上記底板部8の一部に形成した導出孔24を通じて外部に取り出している。
【0010】
又、前記蓋板10の他面(図1の右面)中央部で上記通孔16を囲む部分には環状凸部25を形成しており、この環状凸部25の先端面に、連結板26を結合固定している。この連結板26の両側面のうち、上記環状凸部25に対向する片面(図1の左面)の円周方向3個所位置には突部27、27を、この環状凸部25に向け同じだけ突出する状態で形成している。上記連結板26は、上記各突部27、27の先端面と上記環状凸部25の先端面とを互いに突き当てた状態で、3本のボルト28、28により、上記蓋板10に対し固定している。尚、図示の例では、上記各突部27、27の外周縁部と上記環状凸部25の外周縁部との間に印籠嵌合部を設けて、上記蓋板10に対する上記連結板26の径方向に関する位置決めを図っている。この様にしてこの連結板26を上記蓋板10に対し結合固定した状態で、上記3個所位置の突部27、27が前記回転駆動軸17の先端部周囲を覆う状態となる。又、この回転駆動軸17の先端は、上記連結板26の片面中央部に形成した凹孔29に緩く進入した状態となる。
【0011】
又、上記連結板26の他面(図1の右面)中央部には支持軸30を、上記蓋板10と反対側に突出する状態で突設している。そして、この支持軸30の外周面及び前記モータケース7の主体9の先端部外周面と、前記ホイール1の内周面2個所位置との間に設けた、深溝型或はアンギュラ型の玉軸受の如き、ラジアル、アキシアル両方向の荷重を支承自在な転がり軸受31a、31bにより、上記ホイール1を図示しない懸架装置に対し回転自在に支持している。この状態でこのホイール1は、上記主体9の外周面と同心に配置される。従って、このホイール1とこの主体9の内周面とは互いに偏心している。
【0012】
そして、この様な位置関係でこの主体9に対し回転自在に支持された、上記ホイール1の中間部内周面で上記回転駆動軸17の先端部周囲に位置する部分に、前記摩擦ローラ式減速機6を構成する為の外輪32を支持固定している。この為に本例の場合には、上記ホイール1の中間部に内嵌した保持リング33をこのホイール1に対し複数本のボルト34、34により結合固定すると共に、上記保持リング33の内径側にスプライン係合させた上記外輪32を、止め輪35により、図1に示した所定位置に抑え付けている。この状態でこの外輪32の内周面は、上記ホイール1と同心になり、上記回転駆動軸17の外周面とは互いに偏心した状態となる。従って、これら外輪32の内周面と回転駆動軸17の先端部外周面との間には、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間36が設けられる。
【0013】
この様な環状空間36内には、2個のガイドローラ37a、37bと1個のウェッジローラ38とを設置して、上記摩擦ローラ式減速機6を構成している。これら各ローラ37a、37b、38を設置する為に上記環状空間36部分には、3本の支持軸39a、39bを設けている。これら3本の支持軸39a、39bのうち、図1、2の下部及び図2の上部右側に位置する2本の支持軸39a、39aは、それぞれの両端部を前記蓋板10及び前記連結板26に形成した嵌合孔40、40に圧入固定している。従って、上記2本の支持軸39a、39aが、上記環状空間36内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。これに対して、上記3本の支持軸39a、39bのうち、図2の上部左側に位置する残り1本の支持軸39bは、両端部を上記蓋板10及び連結板26に対し、上記外輪32の円周方向及び直径方向に関する若干の変位可能に支持している。この為に、上記蓋板10及び連結板26の一部で上記1本の支持軸39bの両端部に整合する部分に、この支持軸39bの外径よりも大きな内径を有する支持孔41を形成し、これら各支持孔41に、上記支持軸39bの両端部を緩く係合させている。
【0014】
そして、上述の様に支持した各支持軸39a、39bの中間部周囲に、それぞれ上記各ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38を、それぞれラジアルニードル軸受42、42等の軸受により、回転自在に支持している。尚、上記連結板26を上記蓋板10に結合固定する為、この連結板26の片面に突設した、前記各突部27、27は、この連結板26の円周方向に関して、上記各ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38同士の間に存在する。言い換えれば、上記環状空間36内に上記各突部27、27と上記各ガイドローラ37a、37b又はウェッジローラ38とが、上記環状空間36の円周方向に関して交互に存在する。又、これら各ガイドローラ37a、37b又はウェッジローラ38の外周面と上記各突部27、27の円周方向側面とが干渉する(擦れ合う)事はない。
【0015】
この様にして、上記各支持軸39a、39bにより上記蓋板10と連結板26との間に回転自在に支持した、上記各ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38の外周面である、動力伝達用円筒面43、43は、それぞれ前記回転駆動軸17の先端部の外周面である駆動側円筒面44と前記外輪32の内周面である被駆動側円筒面45とに当接させている。前述した通り、上記各ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38を設置した上記環状空間36の径方向に関する幅は、円周方向に関して不同である。この様に、この環状空間36の幅寸法を円周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38の外径を異ならせている。即ち、上記ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38のうち、それぞれ上記外輪32に対し回転駆動軸17の先端部が偏心している側(図1、2の上側)に位置するウェッジローラ38及びガイドローラ37bの外径を、互いに同じにすると共に比較的小径にしている。これに対し、上記外輪32に対し回転駆動軸17の先端部が偏心しているのと反対側(図1、2の下側)に位置するガイドローラ37aの外径を、上記ウェッジローラ38及びガイドローラ37bの外径よりも大きくしている。そして、上記ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38の外周面である上記各動力伝達用円筒面43、43を、それぞれ上記駆動側、被駆動側円筒面44、45に当接させている。
【0016】
尚、上記各ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38のうち、各ガイドローラ37a、37bを支持した支持軸39a、39aの両端部は、前述の様に、前記蓋板10及び連結板26に対し(環状空間36内に)固定している。これに対して、上記ウェッジローラ38を支持した支持軸39bは、やはり前述した様に上記蓋板10及び連結板26に対し(環状空間36内に)、円周方向及び直径方向に関する若干の変位を可能に支持している。従って、上記ウェッジローラ38も、上記環状空間36内で円周方向及び直径方向に若干の変位可能である。そして、前記蓋板10及び連結板26のシリンダ孔46内に設置した、圧縮ばね等の弾性材47により、上記ウェッジローラ38を支持した支持軸39bを、これら支持軸39bに回転自在に支持したウェッジローラ38を前記環状空間36の幅の狭い部分に向け移動させるべく、弾性的に軽く押圧している。
【0017】
上述の様に構成する本発明の電動式車輪駆動装置により車輪を回転駆動する場合には、電動モータ5に通電する事により、この電動モータ5の回転駆動軸17を、図2の時計方向に回転させる。この回転駆動軸17の回転は、上記各ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38を介して前記外輪32に伝わり、これら各ローラ37a、37b、38を、図2の反時計方向に回転させる。更にこれら各ローラ37a、37b、38の回転は、上記外輪32に伝わり、この外輪32を上記ホイール1と共に、図2の反時計方向に回転させる。上記回転駆動軸17と上記ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38との間の動力伝達、並びに、これらガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38と上記外輪32との間の動力伝達は、何れも摩擦伝達により行なわれる為、動力伝達時に発生する騒音並びに振動は低い。
【0018】
又、上記ウェッジローラ38は、上記回転駆動軸17から上記外輪32に伝達するトルクの大きさに応じた力で、前記環状空間36の幅が狭い部分(図2の上部中央部分)に食い込む傾向となる。この為、上記回転駆動軸17の外周面である駆動側円筒面44と上記ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38の外周面である動力伝達用円筒面43、43との当接部、並びに、これら各動力伝達用円筒面43、43と上記外輪32の内周面である被駆動側円筒面45との当接部の面圧は、何れも、上記トルクが大きくなる程高くなる。逆に言えば、このトルクが小さい場合には、上記各当接部の面圧が低い状態となる。この為、これら各当接部の面圧を、伝達すべきトルクに合わせた適正値にして、トルク伝達を効率良く行なえる。
【0019】
即ち、上記回転駆動軸17の先端部が図2で時計方向に回転し、上記外輪32を同じく反時計方向に回転させる際には、上記ウェッジローラ38が、上記回転駆動軸17の先端部の外周面である駆動側円筒面44及び上記外輪32の内周面である被駆動側円筒面45から、前記弾性材47による押圧力と同方向の力を受けて、上記環状空間36の幅の狭い部分、即ち、図2の上部中央に向け移動する傾向となる。
【0020】
この結果、上記ウェッジローラ38の外周面である動力伝達用円筒面43が、上記駆動側円筒面44と上記被駆動側円筒面45とを強く押圧する。そして、この動力伝達用円筒面43と上記駆動側円筒面44との当接部である内径側当接部48、及び、この動力伝達用円筒面43と上記被駆動側円筒面45との当接部である外径側当接部49の当接圧が高くなる。この様に上記ウェッジローラ38に関する内径側、外径側両当接部48、49の当接圧が高くなると、このウェッジローラ38の外周面である動力伝達用円筒面43により押圧される、上記回転駆動軸17及び上記外輪32が、弾性変形や組み付け隙間により、直径方向に僅かに変位する。この結果、前記各ガイドローラ37a、37bに関する内径側、外径側両当接部48、49の当接圧が高くなる。そして、これら各内径側、外径側両当接部48、49での摩擦係合に基き、上記回転駆動軸17の先端部の回転力を、上記ガイドローラ37a、37b及びウェッジローラ38を介して上記外輪32に伝達自在となる。
【0021】
上述の様にして、上記ウェッジローラ38を上記環状空間36の幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記回転駆動軸17の先端部から上記外輪32に伝達する回転駆動力の大きさに応じて変化する。そして、この力が大きくなる程、上記内径側、外径側両当接部48、49の当接圧が高くなる。従って、この様な作用に基づき、上記伝達する回転駆動力に応じた当接圧を自動的に選定して、摩擦ローラ式減速機の伝達効率を確保できる。尚、本例の場合には、上記外輪32の回転速度が上記回転駆動軸17の回転速度に見合う速度、即ち、この回転駆動軸17の回転速度に摩擦ローラ式減速機6の減速比を掛けた速度よりも速くなった場合には、この摩擦ローラ式変速機6の接続が断たれる。即ち、この場合には、上記ウェッジローラ38が、前記弾性材47の弾力に抗して、上記環状空間36の幅の広い側(図2の左下側)に変位する。この結果、上記内径側、外径側両当接部48、49の当接圧が低下若しくは喪失して、上記外輪32の回転が上記回転駆動軸17にまでは伝わらなくなる。従って、本例の構造は、前記車輪3を一方向にのみ回転駆動する場合に適切な構造である。
【0022】
次に、図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例は、車輪3(図1参照)を両方向に回転駆動自在な構造に就いて示している。従って、本例の構造は、回転方向の変換自在な電動モータ5(図1参照)と組み合わせて実施する。この様な本例の構造の場合には、摩擦ローラ式減速機6aを構成する3個のローラとして、1個のガイドローラ37と2個のウェッジローラ38a、38bとを使用している。このうち、環状空間36のうちで最も幅が広くなった部分に設置したローラを、比較的大径で設置位置が変化しないガイドローラ37としている。これに対して、上記環状空間36の幅が最も狭くなった部分を挟んで設けた1対のローラを、それぞれ比較的小径で円周方向及び直径方向に関する若干の変位を可能にしたウェッジローラ38a、38bとしている。そして、これら各ウェッジローラ38a、38bを支持した各支持軸39b、39bを、上記環状空間36の最も幅が狭くなった部分に向け、互いに逆方向に弾性的に押圧している。
【0023】
上述の様に構成する本例の構造の場合には、回転駆動軸17が図3で時計方向に回転する場合には、同図で左側のウェッジローラ38aが上記環状空間36の幅が狭くなった部分に食い込む。これに対して、上記回転駆動軸17が図3で反時計方向に回転する場合には、同図で右側のウェッジローラ38bが上記環状空間36の幅が狭くなった部分に食い込む。又、本例の場合には、これら各ウェッジローラ38a、38bを支持した支持軸39b、39bの両端部を支持する為、蓋板10及び連結板26(図1参照)に形成した支持孔41a、41aの、上記環状空間36の円周方向に関する長さを規制している。具体的には、これら各支持孔41a、41aのうち、上記環状空間36の幅が広い側(図3の下側)の端部の位置を、前述した第1例の場合よりも、この環状空間36の最も幅が狭くなった位置に近づけている。そして、上記各ウェッジローラ38a、38bが、上記環状空間36の幅の広い側に過度に退避しない様にしている。
【0024】
上述の様に構成する本例の場合には、上記回転駆動軸17が何れの方向に回転する場合でも、何れかのウェッジローラ38a(38b)が上記環状空間36の幅の狭い部分に食い込み、当該ウェッジローラ38a(38b)に関する内径側、外径側各当接部48、49の当接圧を高める。一方、上記環状空間36の幅の狭い部分から退避する方向に変位するウェッジローラ38b(38a)に関しても、その退避量は限られる。この結果、両ウェッジローラ38a、38b及び前記ガイドローラ37に関して、内径側、外径側各当接部48、49の当接圧が十分に上昇し、上記回転駆動軸17から外輪32にまで、動力を効率良く伝達できる。尚、本例の構造の場合には、前記摩擦ローラ式減速機6aが、上記回転駆動軸17と上記外輪32との間で両方向の回転を伝達するので、電動モータ5として発電機能を備えたものを使用する事により、制動時に車輪3(図1参照)側の回転を上記電動モータ5に伝達して発電する、所謂エネルギ回収システムを構成する事もできる。この様に、回転駆動軸17から外輪32への両方向の動力伝達を可能にした点以外は、前述した第1例の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
【0025】
尚、何れの実施の形態の場合でも、摩擦ローラ式減速機6、6aの減速比は、回転駆動軸17の先端部の外径と外輪32の内径との比を変える事により、任意に調節可能である。電動自動車用の電動式車輪駆動装置に組み込む摩擦ローラ式減速機6、6aを考えた場合、上記減速比は3〜9程度の範囲で設定可能である。しかも、この程度の減速比を得るのであれば、上記回転駆動軸17の先端部の外径を小さくする事により十分に対応可能である為、減速比を大きくする事に伴って上記摩擦ローラ式減速機6、6aが大型化する事はない。従って、電動モータ5として、高速型で小型・軽量のものを使用する事ができて、上記電動式車輪駆動装置全体としての小型・軽量化も図れる。この為、前記ディスクロータ等の制動用部品と共に、限られた空間内に設置しなければならない、上記電動式車輪駆動装置の設計の容易化を図れる。又、ばね付きの懸架装置を有する自動車に組み込む場合、所謂ばね下荷重の軽減により、乗り心地や走行安定性を中心とする電動自動車の走行性能の向上にも寄与できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、小型且つ軽量に構成でき、十分な走行性能を得易く、しかも運転時に発生する騒音が低い電動式車輪駆動装置を低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】一部を省略して示す、図1のA−A断面図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。
【符号の説明】
1 ホイール
2 タイヤ
3 車輪
4 支持筒部
5 電動モータ
6、6a 摩擦ローラ式減速機
7 モータケース
8 底板部
9 主体
10 蓋板
11 周壁部
12 ねじ孔
13 環状突部
14 ねじ
15 支持孔
16 通孔
17 回転駆動軸
18 転がり軸受
19 転がり軸受
20 ロータ
21 ステータ
22 センサ
23 導線
24 導出孔
25 環状凸部
26 連結板
27 突部
28 ボルト
29 凹孔
30 支持軸
31a、31b 転がり軸受
32 外輪
33 保持リング
34 ボルト
35 止め輪
36 環状空間
37、37a、37b ガイドローラ
38、38a、38b ウェッジローラ
39a、39b 支持軸
40 嵌合孔
41、41a 支持孔
42 ラジアルニードル軸受
43 動力伝達用円筒面
44 駆動側円筒面
45 被駆動側円筒面
46 シリンダ孔
47 弾性材
48 内径側当接部
49 外径側当接部

Claims (2)

  1. ホイールの周囲にタイヤを支持して成る車輪と、この車輪を回転駆動する為にこのホイールの内径側に設けた駆動手段とを備え、
    この駆動手段は、電動モータと摩擦ローラ式減速機とを動力の伝達方向に関して互いに直列に接続して成るものであり、
    上記電動モータは、モータケースを有し、このモータケースの端部から回転駆動軸の先端部を軸方向に突出させたものであり、
    上記摩擦ローラ式減速機は、上記回転駆動軸の先端部の周囲に、この回転駆動軸に対し偏心した状態で、上記ホイールと共に回転自在に設けられた外輪と、この回転駆動軸の外周面である駆動側円筒面とこの外輪の内周面である被駆動側円筒面との間に存在する、径方向に関する幅が円周方向に関して不同である環状空間内に配置され、それぞれの外周面を動力伝達用円筒面とした、少なくとも1個のガイドローラ及び少なくとも1個のウェッジローラとを備えたものであり、
    上記モータケースは、基端部に底板部を有する有底筒状の主体と、この主体の先端開口部に被着固定した蓋板とを組み合わせて成るものであり、このうちの蓋板は、上記回転駆動軸の中間部先端寄り部分を挿通する為の通孔を有するものであり、上記回転駆動軸の先端部を覆う状態でこの蓋板に結合固定された連結板の中央部で上記蓋板と反対側面に突設した支持軸の外周面及び上記主体の先端部外周面と上記ホイールの内周面2個所位置との間に設けた転がり軸受により、このホイールを回転自在に支持している、
    電動式車輪駆動装置。
  2. モータケースの周壁部の外周面の中心軸と内周面の中心軸とが互いに偏心しており、上記周壁部の径方向に関する厚さが、円周方向に関して漸次変化している、 請求項1に記載した電動式車輪駆動装置。
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