JP4516457B2 - 酸化マグネシウム薄膜の改質方法 - Google Patents

酸化マグネシウム薄膜の改質方法 Download PDF

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本発明は、酸化マグネシウム薄膜、特に交流型プラズマディスプレイパネルの誘電体層の保護膜として用いられる酸化マグネシウム薄膜の改質方法に関する。
交流型プラズマディスプレイパネル(以下、AC型PDPという)は、表示電極(放電電極ともいう)、誘電体層、そして保護膜がこの順で積層されているフロントカバープレート(前面板ともいう)と、アドレス電極、隔壁、そして赤,緑,青の紫外線励起蛍光体からなる蛍光体層とが配設されたバックプレート(背面板ともいう)とを、それぞれ保護膜と蛍光体層とが放電ガスが充填された空間を挟んで互いに向き合うように配置した構成となっている。
フロントカバープレートの保護膜には、二次電子放出係数が高く、耐スパッタ性の高い酸化マグネシウムの薄膜が利用されている。この酸化マグネシウム保護膜の形成方法としては、一般に乾式プロセスと湿式プロセスとが知られている。
乾式プロセスとしては、EB蒸着法、スパッタ法、化学蒸着法(CVD法)が知られている。しかしながら、これらの乾式プロセスは、真空容器を必要とするため、大きなパネル基板を収容する真空容器を設置するのは困難であり、大面積化を考えると、コストや生産性の面で問題があった。
一方、湿式プロセスとしては、スピンコーティング法、スプレー法、ゾルゲル法、スクリーン印刷法等を利用した塗布法が知られている。例えば、酸化マグネシウムの前駆体である金属−有機化合物を含む溶液を塗布する方法(特許文献1)や、酸化マグネシウム粉末を、焼成後に酸化物となる液体バインダーに分散させ、酸化マグネシウム膜にする方法(特許文献2)が考えられていた。これらの方法は、前述の乾式プロセスに比較すると大きな真空容器を必要としないため、低コスト化が可能である。この様な背景から、近年、湿式プロセスである塗布法を利用して、酸化マグネシウム保護膜を形成するための研究が精力的に行われている。また、AC型PDPの放電特性を改善するために、塗布法により形成した酸化マグネシウム保護膜を改質することも検討されている。
特許文献3には、酸化マグネシウム保護膜の改質方法として、誘電体層の上に塗布法により形成した酸化マグネシウム薄膜を、酸素を含む雰囲気中(好ましくは、酸素を含む減圧雰囲気中)にて加熱する方法が開示されている。しかしながら、この特許文献3に開示されている方法によりAC型PDPの放電特性を改善するには、その実施例の結果を見ると、1300℃よりも高温で加熱する必要がある。
特開2001−31681号公報 特開平9−12940号公報 特開2002−75173号公報
本発明の目的は、塗布法により形成した酸化マグネシウム薄膜を、AC型PDPの誘電体層の保護膜として有利に用いることができるように改質できる方法を提供することにある。
本発明は、基体に塗布法により形成された酸化マグネシウム薄膜を減圧プラズマ雰囲気下にて100〜1200℃の温度に加熱することからなる交流型プラズマディスプレイパネルの保護膜用酸化マグネシウム薄膜の改質方法にある。
本発明はさらに、基体に塗布法により酸化マグネシウム薄膜を形成する工程、次いで形成した酸化マグネシウム薄膜を減圧プラズマ雰囲気下にて100〜1200℃の温度に加熱することからなる交流型プラズマディスプレイパネルの保護膜用酸化マグネシウム薄膜の製造方法にもある。
本発明の改質方法を利用して改質された酸化マグネシウム保護膜を有するAC型PDPは、放電開始電圧や放電維持電圧などの放電特性が改善される。
本発明の酸化マグネシウム薄膜の製造方法を利用することにより、放電開始電圧や放電維持電圧などの放電特性に優れたAC型PDPを有利に製造することができる。
以下に好ましい実施形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明において、改質処理の対象となる酸化マグネシウム薄膜は、基体に塗布法により形成された酸化マグネシウム薄膜である。特に、AC型PDPのフロントカバープレート(前面板)に塗布法により形成された酸化マグネシウム薄膜である。酸化マグネシウム薄膜の厚さは、0.05〜20μmの範囲にあることが好ましく、0.05〜5.0μmの範囲にあることが特に好ましい。
塗布法により酸化マグネシウム薄膜を形成するための塗布液としては、酸化マグネシウム粒子及び/又は熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物を、溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を用いることができる。
塗布液に用いる酸化マグネシウム粒子は、平均一次粒子径が50Å〜5μmの範囲にあることが好ましい。熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物は、大気中で熱分解して酸化マグネシウムを生成する無機マグネシウム化合物又は有機マグネシウム化合物であることが好ましい。無機マグネシウム化合物の例としては、マグネシウムの水酸化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩化物及び炭酸塩が挙げられる。有機マグネシウム化合物の例としては、シュウ酸マグネシウム、アセチルアセトネート化合物、あるいはメトキシド、エトキシド、ブトキシド等のマグネシウムアルコキシド類が挙げられる。酸化マグネシウム粒子及び/又は熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物の含有量は、塗布液の全組成物の質量を基準として1〜25質量%の範囲にあることが好ましい。
塗布液の溶媒には、水又はアルコールを用いることができる。アルコールは、一価アルコール及び二価アルコールであることが好ましい。一価アルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。また、二価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、モノエタノールアミン、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルグリコール等が挙げられる。
塗布液には、光学的、化学的あるいは熱的に重合あるいは固化する化合物もしくは組成物を添加することが好ましい。
光学的に重合あるいは硬化する化合物もしくは組成物としては、光を照射することで重合するネガ型の感光性樹脂組成物を用いることができる。ネガ型感光性樹脂組成物は、200〜480nmの光の照射により重合あるいは硬化する組成物であることが好ましい。塗布液の溶媒が水である場合は、ポリビニルアルコールやビニルモノマー等にけい皮酸基を反応させたポリけい皮酸類に光増感剤としてN−アセチル4−ニトロ−1−ナフチルアミンや2,4,6−トリニトロアニリンなどを添加したネガ型感光性樹脂組成物を有利に用いることができる。塗布液の溶媒がアルコールである場合にはフェノール樹脂にビスアジドを添加したネガ型感光性樹脂組成物を有利に使用することができる。ネガ型感光性樹脂組成物の添加量は、塗布液の全組成物の質量を基準として5〜90質量%の範囲にあることが好ましい。
ネガ型感光性樹脂組成物を重合硬化させるための光源としては、一般的に用いられているように、キセノン−水銀ランプ等が使用できる。
化学的に重合あるいは固化する化合物もしくは組成物としては、カルシウムイオンとイオン交換してゲル化するアルギン酸塩を用いることができる。アルギン酸塩の例としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等が挙げられる。アルギン酸塩は、塗布液の溶媒が水の場合に有利に使用できる。アルギン酸塩の添加量は、塗布液の全組成物の質量を基準として0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましい。
アルギン酸塩は、塩化カルシウム水溶液などのカルシウム塩水溶液に接触させることによってゲル化させることができる。アルギン酸塩のゲル化に用いる塩化カルシウム水溶液は濃度が0.5〜40質量%の範囲にあることが好ましい。
熱的に重合あるいは固化する化合物もしくは組成物としては、加熱によりエステル化する脂肪族二価アルコールと有機酸とからなる組成物を用いることができる。脂肪族二価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。有機酸の例としては、クエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられる。また、アルギン酸塩としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等が挙げられる。脂肪族二価アルコールは、塗布液の溶媒であってもよい。有機酸の配合割合は、肪族二価アルコール100質量部に対して70〜300質量部の範囲にあることが好ましい。有機酸の添加量は、塗布液の全組成物の質量を基準として30〜70質量%の範囲にあることが好ましい。
脂肪族二価アルコールと有機酸とからなる組成物は、60〜350℃、特に250〜350℃の加熱処理によりエステル化させることが好ましい。
酸化マグネシウム薄膜形成用の塗布液を基体上へ塗布する方法としては、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコート法、ロールコート法、メニスカスコート法、バーコート法、流延法等の公知の方法を用いることができる。塗布によって形成された塗布膜は、必要に応じて乾燥を行い、光学的、化学的あるいは熱的に重合あるいは固化する化合物もしくは組成物が添加されている場合は、光学的、化学的あるいは熱的に処理して固化させた後、450〜600℃に加熱処理することにより、均一で緻密な酸化マグネシウム薄膜を得ることができる。
本発明の改質処理方法では、上記の方法で製造された酸化マグネシウム薄膜を、減圧プラズマ雰囲気下にて100〜1200℃の温度に加熱する。
減圧プラズマ雰囲気とは、プラズマが生成している減圧雰囲気である。減圧プラズマ雰囲気の圧力は1.33〜1.3×103Paの範囲にあることが好ましい。プラズマを生成するガスは、酸化マグネシウムに対して還元性を示すガスであることが好ましい。プラズマ生成ガスは、水素ガスであることが特に好ましい。特に、減圧水素プラズマ雰囲気では、酸化マグネシウム薄膜の加熱温度を低く出来る効果が期待できるので、AC型PDPの酸化マグネシウム保護膜を製造するためには非常に有利である。
減圧プラズマガス雰囲気下にて改質処理を行う場合は、真空容器に、13.56MHzや2.45GHzの商用周波数のプラズマ電源を接続して、所定のガス圧で、減圧プラズマが生成できるものであれば利用できる。加熱温度は、200〜1000℃の範囲にあることが特に好ましい。加熱時間は30分から24時間の範囲で選択できる。通常は、10時間以下が望ましい。
次に本発明の実施例(ただし、実施例1〜3、実施例5〜7、実施例9〜11は本発明の実施例ではなく、参考例である)を示す。
[塗布液1]
エチレングリコール53質量部に硝酸マグネシウム六水和物6質量部を撹拌溶解した。この溶液にクエン酸41質量部を添加し、130℃で脱溶媒とエステル化反応により部分的に縮重合させて粘度を調整したものを、塗布液1として調製した。
この塗布液をガラス基板上にスピンコーティング法により塗布した。このガラス基板を250℃大気中で加熱処理して、塗布膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない塗布膜が得られた。次いで、ガラス基板を大気中500℃で1時間焼成した。得られた酸化マグネシウム薄膜は、膜厚は0.2μmで、外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。
[塗布液2]
フェノール系ノボラック樹脂に増感剤としてビスアジドを添加したネガ型光硬化型樹脂組成物とエタノールとを質量比で90:10となるように混合した混合液を調製した。この混合液88質量部に、気相法により作製された酸化マグネシウム粉末(宇部マテリアルズ(株)製、100A)10質量部、そして焼結助剤としてフッ化リチウムとフッ化ナトリウムとをそれぞれ1質量部ずつを分散させたものをボールミルにて混合分散して塗布液2を調製した。
この塗布液をガラス基板上にスピンコーティング法により塗布した。このガラス基板を100℃で30分予備乾燥した後、キセノン−水銀ランプを照射して、塗布膜を固化させた。クラック等のない均一な塗布膜が得られた。次いで、ガラス基板を大気中500℃で1時間焼成した。得られた酸化マグネシウム薄膜は、膜厚は0.2μmで、外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。
[塗布液3]
気相法により作製された酸化マグネシウム粉末(宇部マテリアルズ(株)製、100A)10質量部、そして焼結助剤としてフッ化リチウムとフッ化ナトリウムとをそれぞれ1質量部を、濃度0.5質量%のアルギン酸ナトリウム水溶液88質量部に分散させたものをボールミルにて混合分散して塗布液3を調製した。
この塗布液をガラス基板上にスピンコーティング法により塗布した。このガラス基板を濃度5質量%の塩化カルシウム水溶液に浸せきさせて、塗布膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない塗布膜が得られた。次いで、ガラス基板を大気中500℃で1時間焼成した。得られた酸化マグネシウム薄膜は、膜厚は2μmで、外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。
[評価用パネル]
酸化マグネシウム薄膜の改質効果の評価は、図1〜図3に示す構成の評価用パネルを使用して行なった。
図1は、評価パネルを上から見た図であり、図2は、図1の要部拡大図であり、図3は、図1のA−A線断面図である。
評価パネルは、ガラス基板1、ガラス基板1の上に形成された二本の電極線2a、2bからなる十組の放電電極3と、放電電極の電極線2a、2bを外部に接続するための取り付け用電極4a、4bとからなる電極パターン、そして電極パターンの放電電極部を覆うように形成された誘電体層5からなる。
ガラス基板1のサイズは縦:50mm×横:50mm、取り出し電極4a、4bの幅はそれぞれ10mmであり、放電電極3を構成する2本の電極線2a、2b(幅は何れも0.3mm)のギャップは0.1mmであり、各放電電極3のギャップは0.2mmである。電極線と取り付け用電極との接点部分は、幅0.5mmである。
評価対象の酸化マグネシウム薄膜は、誘電体層を覆うように形成する。
[放電特性の評価方法]
評価用パネルの取り付け用電極に高電圧パルス発生装置を取り付ける。評価用パネルを上部に観察窓が設けられている密閉容器に、評価用パネルの放電電極が観察窓から見える位置に設置する。密閉容器の内圧を0.13Pa(1×10-3Torr)以下まで減圧にする。続いて、密閉容器内にHe:95体積%、Xe:5体積%からなる混合ガスを容器内圧が大気圧となるまで充填する。この操作を3回繰り返した後、密閉容器の内圧を、混合ガスにて6.67×104Pa(500Torr)に調整する。その後、高電圧パルス発生装置により、評価用パネルの取り付け用電極に方形波形の電圧を加えて、放電状態を観察する。具体的には、電圧を徐々に増加させて行き、放電が開始した電圧を放電開始電圧とし、次に電圧を徐々に減少させて行き、放電電極の放電が、十組中で一組でも途切れる電圧を放電維持電圧とする。
[比較例1]
評価用パネルの所定の位置に、塗布液1をスピンコーティング法により塗布し、塗布膜を大気中250℃で処理した後、さらに大気中500℃で1時間焼成して、厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。この評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例1]
評価用パネルの所定の位置に、比較例1と同様にして、厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを加熱炉内に配置し、大気圧下、アンモニアを毎分100ミリリットルで流しながら、600℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
評価用パネルの所定の位置に、比較例1と同様にして、厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを加熱炉内に配置し、大気圧下、ヒドラジンを毎分100ミリリットルで流しながら、600℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例3]
評価用パネルの所定の位置に、比較例1と同様にして、厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを減圧加熱炉内に配置し、6.67Pa(0.05Torr)の減圧下にて、600℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例4]
評価用パネルの所定の位置に、比較例1と同様にして、厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを減圧プラズマ発生装置内に配置し、13.56MHzの減圧水素プラズマ(圧力:13Pa(0.1Torr))中で、300℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
評価用パネルの所定の位置に、塗布液2をスピンコーティング法により塗布し、塗布膜を100℃で30分予備乾燥し、次いでキセノン−水銀ランプを照射した後、500℃で1時間焼成して厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。この評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例5]
評価用パネルの所定の位置に、比較例2と同様にして、厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを加熱炉内に配置し、大気圧下、アンモニアを毎分100ミリリットルで流しながら、600℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例6]
評価用パネルの所定の位置に、比較例2と同様にして、厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを加熱炉内に配置し、大気圧下、ヒドラジンを毎分100ミリリットルで流しながら、600℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例7]
評価用パネルの所定の位置に、比較例2と同様にして、厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを減圧加熱炉内に配置し、6.67Paの減圧下にて、600℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例8]
評価用パネルの所定の位置に、比較例2と同様にして、厚さ0.2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを減圧プラズマ発生装置内に配置し、13.56MHzの減圧水素プラズマ(圧力:13pa(0.1Torr))中で、300℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例3]
評価用パネルの所定の位置に、塗布液3をスピンコーティング法により塗布し、塗布膜を濃度5質量%の塩化カルシウム水溶液に浸せきさせた後、大気中500℃で1時間焼成して、厚さ2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。この評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例9]
評価用パネルの所定の位置に、比較例3と同様にして、厚さ2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを加熱炉内に配置し、大気圧下、アンモニアを毎分100ミリリットルで流しながら、600℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例10]
評価用パネルの所定の位置に、比較例3と同様にして、厚さ2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを加熱炉内に配置し、大気圧下、ヒドラジンを毎分100ミリリットルで流しながら、600℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例11]
評価用パネルの所定の位置に、比較例3と同様にして、厚さ2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを減圧加熱炉内に配置し、6.67Paの減圧下にて、600℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例12]
評価用パネルの所定の位置に、比較例3と同様にして、厚さ2μmの酸化マグネシウム薄膜を形成した。次いで、この評価用パネルを減圧プラズマ発生装置内に配置し、13.56MHzの減圧水素プラズマ(圧力:13pa(0.1Torr))中で、300℃で2時間加熱処理した。得られた評価用パネルについて、前記の放電特性の評価方法に従い、放電開始電圧、放電維持電圧を測定した。その結果を表1に示す。

表1
────────────────────────────────────────
改質処理条件 放電開始 放電維持
電圧(V) 電圧(V)
────────────────────────────────────────
比較例1 未処理 240 175
実施例1 アンモニア 600℃×2時間 192 140
実施例2 ヒドラジン 600℃×2時間 182 133
実施例3 減圧下 600℃×2時間 175 127
実施例4 減圧水素プラズマ 300℃×2時間 168 123
────────────────────────────────────────
比較例2 未処理 245 181
実施例5 アンモニア 600℃×2時間 196 145
実施例6 ヒドラジン 600℃×2時間 189 139
実施例7 減圧下 600℃×2時間 181 134
実施例8 減圧水素プラズマ 300℃×2時間 174 126
────────────────────────────────────────
比較例3 未処理 238 170
実施例9 アンモニア 600℃×2時間 188 134
実施例10 ヒドラジン 600℃×2時間 179 128
実施例11 減圧下 600℃×2時間 172 122
実施例12 減圧水素プラズマ 300℃×2時間 164 117
────────────────────────────────────────
表1の結果を見れば、還元性ガス雰囲気下、減圧下及び減圧プラズマ雰囲気下で加熱処理を施した酸化マグネシウム薄膜は、いずれも未処理のものより放電開始電圧と放電維持電圧とが共に低くなっていることが分かる。これは、AC型PDPの低消費電力化、駆動回路の省力化に有効である。
本実施例で使用した評価パネルを上から見た図である。 図1の要部拡大図である。 図1のA−A線断面図である。
符号の説明
1 ガラス基板
2a、2b 電極線
3 放電電極
4a、4b 取り付け用電極
5 誘電体層

Claims (2)

  1. 基体に塗布法により形成された酸化マグネシウム薄膜を減圧プラズマ雰囲気下にて100〜1200℃の温度に加熱することからなる交流型プラズマディスプレイパネルの保護膜用酸化マグネシウム薄膜の改質方法。
  2. 基体に塗布法により酸化マグネシウム薄膜を形成する工程、次いで形成した酸化マグネシウム薄膜を減圧プラズマ雰囲気下にて100〜1200℃の温度に加熱することからなる交流型プラズマディスプレイパネルの保護膜用酸化マグネシウム薄膜の製造方法。
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