JP4622338B2 - 酸化マグネシウム薄膜の形成方法 - Google Patents

酸化マグネシウム薄膜の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラスやセラミックスなどに塗布し、製膜することにより光学部品、電気電子部品、磁性材料部品等の基体との密着性、緻密性、保護性に優れた機能性薄膜の形成に有用な酸化マグネシウム薄膜形成用コーティング液を用いた酸化マグネシウム薄膜の形成方法に関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示パネル(LCD)等の平面型表示装置の開発はめざましく、これらの表示装置には、保護膜、透明電極膜、誘電体薄膜等の様々な金属酸化物薄膜が多く利用されている。表示装置に用いられている金属酸化物薄膜は、乾式プロセスとしては、物理蒸着法(PVD法)、化学蒸着法(CVD法)、湿式プロセスとしては、ゾルゲル法、スクリーン印刷法等が用いられてきた。
上記薄膜形成技術の内、乾式プロセスは、金属酸化膜を形成するための基板が大型であったり、複雑形状を有する場合、その形成が困難になる場合が多かった。更に、乾式プロセスでは、真空容器を必要とするため、装置および運転に高いコストを有するという欠点があった。
一方、湿式プロセスでは、ゾルゲル法が一般的に用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。この方法は、アルコール系の溶媒に原料を溶解した溶液をスピンコート法などで塗布し乾燥工程を経て焼成を行う。しかしながら、アルコール等の揮発性の高い溶媒を用いることから、乾燥工程においてコートした膜が収縮して、膜中に亀裂や気孔が発生し、焼成後の膜の剥離や欠陥の原因となることが多かった。
本発明は、焼成後の膜の剥離や欠陥の発生が少なく、均一で基体との密着性、緻密性、保護性に優れ尚且つ高い結晶性を有する酸化マグネシウム薄膜を形成する方法を提供することを目的とする。
特開2001−172006号公報 特開平9−110418号公報
本発明者らは、上述のような課題を解決するために鋭意研究を行った結果、乾燥時の膜の収縮を低減することで、膜中の亀裂や気孔をなくすことが出来、焼成後の膜の剥離や欠陥の発生を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は、酸化マグネシウム粒子及び/または熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物を分散あるいは溶解させた溶液にアルギン酸塩を含有させてなる酸化マグネシウム薄膜形成用コーティング液を基体上に塗布し、該コーティング膜を塩化カルシウム水溶液に浸漬して固化し、450〜600℃で熱処理することを特徴とする、酸化マグネシウム薄膜の形成方法に関するものである。
また、本発明は、前記熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物が、水酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、またはシュウ酸マグネシウムであることを特徴とする前記酸化マグネシウム薄膜の形成方法に関する。
本発明によれば、焼成後の膜の剥離や欠陥の発生を抑制できるので、均一で緻密な酸化マグネシウム薄膜が得られ、また膜厚を広い範囲で調節できるので、光学部品、電気電子部品、磁性材料部品等の基体との密着性、緻密性、保護性に優れ尚且つ高い結晶性を有する機能性薄膜として好適に利用できる。
以下に好ましい実施形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いる酸化マグネシウム薄膜形成用コーティング液は、酸化マグネシウム粒子及び/又は熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物を、溶媒に分散あるいは溶解させた溶液に、その溶液を光学的、化学的あるいは熱的反応により硬化させる化合物を1種以上混合して得られる。酸化マグネシウム粒子の好ましい平均粒径は、50Å〜5μmである。
また、熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物としては、大気中等で熱分解されることにより酸化マグネシウムを形成する無機金属化合物又は有機金属化合物が挙げられ、例えば、マグネシウムの水酸化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、塩化物、フッ化物、炭酸塩、シュウ酸塩、アセチルアセトネート化合物、あるいはメトキシド、エトキシド、ブトキシド等の金属アルコキシド類の少なくとも一種が挙げられる。熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物の、特に好ましい例として、水酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム及びシュウ酸マグネシウムが挙げられる。
酸化マグネシウム粒子及び/又は熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物を、分散あるいは溶解させる溶媒としては、水、アルコールを主成分とする溶媒、エチレングリコール類等が挙げられる。アルコールを主成分とする溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。また、エチレングリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、モノエタノールアミン、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルグリコール等が挙げられる。
上記の酸化マグネシウム粒子及び/又は熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物を分散あるいは溶解させた溶液を、光学的、化学的あるいは熱的に硬化させる化合物としては、脂肪族2価アルコールおよび有機酸、アルギン酸塩、又は光硬化性樹脂が挙げられる。脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等が、有機酸としては、クエン酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられる。また、アルギン酸塩としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等が挙げられる。光硬化性樹脂としては、光を照射することで重合反応が起き固化するいわゆるネガ型の樹脂を用いる。ネガ型の樹脂としては、ポリビニルアルコールやビニルモノマー等にけい皮酸基を反応させたポリけい皮酸類に光増感剤としてN−アセチル4−ニトロ1−ナフチルアミンや2,4,6−トリニトロアニリンなどを添加したものは、水溶媒を用いた場合に有効である。また、フェノール樹脂にビスアジドを添加したものは、アルコール系の溶媒を用いる場合に有効である。
本発明においては、前記酸化マグネシウム薄膜形成用コーティング液を、基体上に塗布し、光学的、化学的あるいは熱的に硬化させてコーティング膜を固化した後、熱処理することにより、均一で緻密な酸化マグネシウム薄膜が得られる。
酸化マグネシウム薄膜形成用コーティング液を基体上へ塗布する方法としては、任意の方法でよく、例えば、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコート法、ロールコート法、メニスカスコート法、バーコート法、流延法等の手法が適用できる。塗布によって形成されたコーティング膜は、必要に応じて乾燥を行い、光学的、化学的あるいは熱的固化方法により、硬化させてクラックや気泡のない緻密な有機物薄膜を形成する。
固化方法として、アルギン酸塩の水溶液の場合は、コーティング液を0.5〜40wt%の塩化カルシウム水溶液で処理することで、有機化合物が固化した緻密なコーティング膜を形成させることが出来る。また、脂肪族2価アルコールと有機酸の溶液を用いる場合は、60〜110℃で30分〜5時間程度乾燥した後、250〜350℃で加熱処理することで緻密な有機物薄膜が形成される。また、固化剤として、光硬化型樹脂を用いる場合は、200〜480nmの光を使用する。光源としては、一般的に用いられているように、キセノン−水銀ランプ等が使用できる。
次いで、上記により得られた有機物薄膜を、450〜600℃に加熱処理することにより、均一で緻密な酸化マグネシウム薄膜が得られる。
本発明においては、スピンコーティング装置等のコーティング条件を調整することにより、所定厚さのコーティング液膜が得られる。このコーティング液膜を硬化させるプロセスを経ることにより硬化した緻密な有機薄膜を得ることが出来る。これを焼成することで目的とする酸化マグネシウム薄膜を製造できる。つまり、コーティング液膜を調節することで得られる酸化マグネシウム薄膜の膜厚を広い範囲で調節できるという効果が得られる。
本発明のコーティング液から得られる酸化マグネシウム薄膜は、プラズマディスプレイ用に保護膜、透明電極膜、誘電体薄膜等として好適に用いられる。
(実施例1)
気相法により作製された酸化マグネシウム粉末(宇部マテリアル製、100A)10重量%と焼結助剤としてフッ化リチウムとフッ化ナトリウムをそれぞれ1重量%を、0.5重量%のアルギン酸ナトリウムを添加した水に分散させたものをボールミルにて混合分散してコーティング液を調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、5重量%の塩化カルシウム水溶液に浸せきさせてコーティング膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない膜が得られた。この状態で、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。回折ピークの半値幅が小さいほどその結晶性が高いことを示す。このマグネシア薄膜の(200)ピークの半値幅は、2.56°であった。
(実施例2)
気相法により作製された酸化マグネシウム粉末(宇部マテリアル製、100A)と水酸化マグネシウムをモル比で50:50になるように調製した粉末10重量%と焼結助剤としてフッ化リチウムとフッ化ナトリウムをそれぞれ1重量%を、0.5重量%のアルギン酸ナトリウムを添加した水に分散させたものをボールミルにて混合分散してコーティング液を調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、5重量%の塩化カルシウム水溶液に浸せきさせてコーティング膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない膜が得られた。この状態で、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。このマグネシア薄膜の(200)ピークの半値幅は、2.68°であった。
(実施例3)
酢酸マグネシウム四水和物10重量%を、0.5重量%のアルギン酸ナトリウムを添加した水に溶解させたものをコーティング液として調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、5重量%の塩化カルシウム水溶液に浸せきさせてコーティング膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない膜が得られた。この状態で、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。このマグネシア薄膜の(200)ピークの半値幅は、1.25°であった。
(実施例4)
硝酸マグネシウム六水和物10重量%を、0.5重量%のアルギン酸ナトリウムを添加した水に溶解させたものをコーティング液として調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、5重量%の塩化カルシウム水溶液に浸せきさせてコーティング膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない膜が得られた。この状態で、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。このマグネシア薄膜の(200)ピークの半値幅は、2.79°であった。
参考例1
エチレングリコール46重量%に硝酸マグネシウム六水和物19重量%を撹拌溶解した。この溶液にクエン酸35wt%を添加し、130℃で脱溶媒とエステル化反応で一部分縮重合したものを、コーティング溶液として調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、250℃大気中で処理することにより、コーティング膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない膜が得られた。この状態で、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。その時の(200)ピークの半値幅は、2.73°であった。
参考例2
エチレングリコール47重量%に酢酸マグネシウム四水和物16重量%を撹拌溶解した。この溶液にクエン酸37wt%を添加し、130℃で脱溶媒とエステル化反応で一部分縮重合したものを、コーティング溶液として調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、250℃大気中で処理することにより、コーティング膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない膜が得られた。この状態で、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。その時の(200)ピークの半値幅は、1.11°であった。
参考例3
エチレングリコール54重量%に水酸化マグネシウム六水和物5重量%を撹拌溶解した。この溶液にクエン酸41wt%を添加し、130℃で脱溶媒とエステル化反応で一部分縮重合したものを、コーティング溶液として調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、250℃大気中で処理することにより、コーティング膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない膜が得られた。この状態で、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。その時の(200)ピークの半値幅は、2.85°であった。
参考例4
エチレングリコール55重量%にマグネシウムエトキシド3重量%を撹拌溶解した。この溶液にクエン酸43wt%を添加し、130℃で脱溶媒とエステル化反応で一部分縮重合したものを、コーティング溶液として調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、250℃大気中で処理することにより、コーティング膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない膜が得られた。この状態で、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。その時の(200)ピークの半値幅は、1.40°であった。
参考例5
エチレングリコール53重量%にマグネシウムアセチルアセトネート6重量%を撹拌溶解した。この溶液にクエン酸41wt%を添加し、130℃で脱溶媒とエステル化反応で一部分縮重合したものを、コーティング溶液として調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、250℃大気中で処理することにより、コーティング膜を固化させた。この時点で、乾燥収縮のない膜が得られた。この状態で、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。その時の(200)ピークの半値幅は、1.80°であった。
参考例6
フェノール系ノボラック樹脂に増感剤としてビスアジドを添加したネガ型光硬化型樹脂とエタノールを重量で90:10の溶液を調製した。これに、気相法により作製された酸化マグネシウム粉末(宇部マテリアル製、100A)10重量%と焼結助剤としてフッ化リチウムとフッ化ナトリウムをそれぞれ1重量%を分散させたものをボールミルにて混合分散してコーティング液を調製した。このコーティング液をガラス基板にスピンコート法によりコートした。このコーティング膜を100℃で30分予備乾燥した。その後、キセノン−水銀ランプを照射し、クラック等のない均一なコーティング膜が得られた。これを、500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。このマグネシア薄膜の(200)ピークの半値幅は、2.64°であった。
参考例7
フェノール系ノボラック樹脂に増感剤としてビスアジドを添加したネガ型光硬化型樹脂とエタノールを重量で90:10の溶液を調製した。これに、硝酸マグネシウム六水和物10重量%を10重量%溶解したコーティング液を調製した。このコーティング液をガラス基板にスピンコート法によりコートした。このコーティング膜を100℃で30分予備乾燥した。その後、キセノン−ハロゲンランプを照射し、クラック等のない均一なコーティング膜が得られた。これを、500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離がなく、スコッチテープによる付着力試験でも剥離することがなく良好であった。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。その時の(200)ピークの半値幅は、2.72°であった。
(比較例1)
気相法により作製された酸化マグネシウム粉末(宇部マテリアル製、100A)10重量%と焼結助剤としてフッ化リチウムとフッ化ナトリウムをそれぞれ1重量%を水に分散させたものをボールミルにて混合分散してコーティング液を調製した。このコーティング液をガラス基板上にスピンコート法によりコートした。このガラス基板を、大気中500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離が多く、スコッチテープによる付着力試験では容易に剥離した。得られたマグネシア薄膜の薄膜X線回折法により分析はできなかった。
(比較例2)
2−メトキシエタノール溶液にマグネシウムエトキシド(Mg(OC)を1重量%を溶解したゾル−ゲルコーティング液を調製した。このコーティング液をガラス基板にスピンコート法によりコートした。このコーティング膜を100℃で30分予備乾燥した後、500℃で1時間焼成した。得られた薄膜の外観は、膜割れや剥離が多く、スコッチテープによる付着力試験では容易に剥離した。得られたマグネシア薄膜の薄膜X線回折法により分析はできなかった。
(比較例3)
多結晶マグネシア 蒸着材としてマグネシア 純度99.95%、相対密度98%の焼結ペレットを用意した。ペレットの大きさは5mmφ、1.6mmtである。このガラス基板に形成された誘電体ガラス層の上に、電子ビーム蒸着法により、膜厚が500Åのマグネシア 膜を形成した。成膜条件は到達真空度が1.0×10−4Pa、酸素ガス分圧が1.0×10−2Pa、基板温度が200℃、成膜速度が20Å/秒である。得られたマグネシア薄膜を薄膜X線回折法により分析した。その時の(200)ピークの半値幅は、1.09°であった。

Claims (2)

  1. 酸化マグネシウム粒子及び/または熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物を分散あるいは溶解させた溶液にアルギン酸塩を含有させてなる酸化マグネシウム薄膜形成用コーティング液を基体上に塗布し、該コーティング膜を塩化カルシウム水溶液に浸漬して固化し、450〜600℃で熱処理することを特徴とする、酸化マグネシウム薄膜の形成方法
  2. 熱分解により酸化マグネシウムを形成する化合物が、水酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、またはシュウ酸マグネシウムであることを特徴とする請求項1記載の酸化マグネシウム薄膜の形成方法。
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