JP4507397B2 - ロック状態検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輪がロック状態に至ることを検出するロック状態検出装置およびロック状態検出に適用可能な車体速度検出装置に関するもので、特に横滑り防止装置等のようにマスタシリンダ(以下、M/Cという)の圧力の検出が行えるように構成されたブレーキ装置に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、2駆系の車両においては、各車輪の車輪速度から、以下のようにして車体速度の演算を行っている。
【0003】
まず、各車輪の車輪速度のうち最も大きなものを抽出し、この抽出された車輪速度の加減速度を演算する。そして、加減速度の変化割合として予測される勾配(車輪挙動として想定されうる勾配;例えば1G)をαとすると、車輪速度の加減速度が勾配αの範囲内である場合には、その車輪速度をそのまま車体速度として設定し、車輪速度の加減速度が勾配αの範囲を超える場合には、勾配αをその時の加減速度として、車輪速度からその時の加減速度分を加減算した値を車体速度として推定するようにしている。
【0004】
一方、4駆系の車両においては、前後加速度の検出を行うGセンサを備え、このGセンサの出力と各車輪の車輪速度とに基づいて車体速度の推定を行うようにしている。
【0005】
そして、算出された車体速度と車輪速度とから、スリップ率が高まって車輪がロック傾向に至っているか否かを判定するロック判定を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2駆系の車両においては、4輪が同時にロックした場合に、減速度が勾配α内で落ち込むと、精度よく車体速度を推定することができず、4輪のロック判定を行うことができない。
【0007】
一方、4駆系の車両においては、Gセンサを付加していることから、2駆系よりも精度良い車体速度の推定が行えるため、ロック判定を行うことが可能であるが、その分コスト高になるという問題がある。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、的確なロック判定が行えるロック状態検出装置を提供することを目的とする。また、ロック判定に用いられる車体速度を、Gセンサによらなくても精度良く推定できる車体速度検出装置を提供することも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、マスタシリンダ内の油圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段(51)と、マスタシリンダ内の油圧に基づいて各車輪の減速度変化量を推定する減速度変化量推定手段(64)と、車輪速度の検出を行う車輪速度検出手段(44)と、検出された車輪速度に基づいて車輪減速度の変化量を演算する車輪減速度変化量演算手段(45)と、減速度変化量推定手段で推定された推定値となる減速度変化量と車輪減速度変化量演算手段で演算された実際値となる減速度変化量とに基づいて、車輪がロック状態に至ることを検出するロック判定手段(67)と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
このように、マスタシリンダ内の油圧に基づいて各車輪の減速度変化量を推定すると共に、検出された車輪速度からも車輪減速度の変化量を演算し、推定値となる減速度変化量と実際値となる減速度変化量とに基づいて、車輪がロック状態に至ることを検出することができる。このようにマスタシリンダ内の油圧に基づいてロック判定が行われるようにすることで、的確なロック判定が行えるロック状態検出装置とすることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明においては、ABS制御中か否かを判定するABS制御判定手段と、ABS制御の増圧タイミングにおける増圧時間を演算する増圧時間演算手段(52)とを備え、減速度変化量推定手段は、ABS制御判定手段がABS制御中であると判定している場合に、マスタシリンダ内の油圧に加え、増圧時間演算手段が演算した増圧時間に基づいて、各車輪の減速度変化量を推定することを特徴としている。
【0015】
このように、マスタシリンダの油圧と増圧時間とに基づいて推定される各車輪の減速度変化量の推定値と、車輪速度から求められる各車輪の減速度変化量の実際値とに基づき、カスケードロックに関するロック判定を行うことが可能である。
【0016】
請求項3に記載の発明においては、ブレーキペダルの踏込状態を検出する踏込状態検出手段と、踏込状態検出手段が検出した踏込状態に基づいて、各車輪の減速度変化量を推定する減速度変化量推定手段と、車輪速度の検出を行う車輪速度検出手段と、車輪速度検出手段によって検出された車輪速度に基づいて車輪減速度の変化量を演算する車輪減速度変化量演算手段と、減速度変化量推定手段で推定された推定値となる減速度変化量と車輪減速度変化量演算手段で演算された実際値となる減速度変化量とに基づいて、車輪がロック状態に至ることを検出するロック判定手段と、を備えていることを特徴としている。
このように、ブレーキペダルの踏み込み状態に基づいて、各車輪の減速度変化量を推定するようにしても、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0017】
例えば、請求項4に記載したように、踏込状態検出手段は、ブレーキペダルの踏込状態として、当該ブレーキペダルの踏込量および踏力のいずれかを検出することができる。また、このようなロック状態検出装置は、請求項5に記載したように、ブレーキペダルの踏み込み状態に応じて電動アクチュエータによる制動力を電気的に制御する電気ブレーキ装置に適用される。この場合、踏込状態検出手段では、ブレーキペダルの踏込状態として、電動アクチュエータへの通電量を検出することができる。
また、請求項6に記載したように、ロック判定手段では、減速度変化量の推定値と減速度変化量の実際値との差分が所定のしきい値よりも大きい場合に、車輪のカスケードロック状態に至ることを検出することができる。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、本発明の一実施形態におけるロック状態検出装置が適用されるブレーキ装置のブレーキ配管概略図を示す。以下、ブレーキ装置の基本構成を、図1に基づいて説明する。なお、本例では4輪車のうちの2輪に接続される第1配管系統についてのみ図示してあるが、第2配管系統に関しても同様である。
【0020】
図1に示すように、ブレーキペダル1は倍力装置2と接続されており、この倍力装置2によりブレーキ踏力等が倍力される。
【0021】
そして、倍力装置2は、倍力された踏力をM/C3に伝達するブッシュロッド等を有しており、このブッシュロッドがM/C3に配設されたマスタピストンを押圧することによりM/C圧が発生する。なお、これらブレーキペダル1、倍力装置2及びM/C3がブレーキ液圧発生手段に相当する。
【0022】
また、このM/C3には、M/C3内にブレーキ液を供給したり、M/C3内の余剰ブレーキ液を貯留するマスタリザーバ3aが接続されている。そして、M/C圧は、アンチロックブレーキ装置(以下、ABSという)を介して各車輪に備えられたホイールシリンダ(以下、W/Cという)4、5へ伝達されている。なお、各車輪には車輪速度センサ4a、5aが備えられており、この車輪速度センサ4a、5aから車輪の回転に応じた検出信号が出力されるようになっている。
【0023】
また、ブレーキ装置には、M/C3に接続する管路(主管路)Aが備えられている。この管路Aには比例制御弁(PV:プロポーショニングバルブ)22が備えられている。この比例制御弁22によって管路Aは2部位に分けられている。すなわち管路Aは、M/C3から比例制御弁22までの間においてM/C圧を受ける管路A1と、比例制御弁22から各W/C4、5までの間の管路A2に分けられる。
【0024】
この比例制御弁22は、通常、正方向にブレーキ液が流動する際には、ブレーキ液の基準圧を所定の減衰比率をもって下流側に伝達する作用を有している。そして、図1に示すように、比例制御弁22を逆接続することにより、管路A2側が基準圧となる。
【0025】
また、管路Aには、管路A内のブレーキ液圧に応じた検出信号を出力する圧力センサ23が備えられている。この圧力センサは、横滑り防止機能を有するブレーキ装置には一般的に装備されているものである。この圧力センサ23により、M/C圧の検出が行えるようになっている。
【0026】
また、管路A2において、管路Aは2つに分岐しており、開口する一方にはW/C4へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備えられ、他方にはW/C5へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
【0027】
これら増圧制御弁30、31は、ABS用の電子制御装置(以下、ECUという)により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、この2位置弁が連通状態に制御されているときには、M/C圧あるいはポンプのブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧を各W/C4、5に加えることができる。
【0028】
なお、ABS制御が実行されていないノーマルブレーキ時には、これら第1、第2の増圧制御弁30、31は常時連通状態に制御されている。なお、増圧制御弁30、31には、それぞれ安全弁30a、31aが並列に設けられており、ブレーキ踏み込みを止めてABS制御が終了したときにおいてW/C4、5側からブレーキ液を排除するようになっている。
【0029】
また、第1、第2の増圧制御弁30、31と各W/C4、5との間における管路Aとリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Bには、ABS用のECUにより連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁32、33がそれぞれ配設されている。これらの減圧制御弁32、33はノーマルブレーキ状態(ABS非作動時)では、常時遮断状態とされている。
【0030】
管路Aの比例制御弁22と増圧制御弁30、31とリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Cには回転式ポンプ10が安全弁10a、10bに挟まれて配設されている。また、この回転式ポンプ10にはモータ11が接続されており、このモータ11によって回転式ポンプ10は駆動される。さらに、この回転式ポンプ10が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、管路Cのうち回転式ポンプ10の吐出側にはダンパ12が配設されている。
【0031】
図2に、上記ブレーキ装置の制御を行うECU50の概略構成を示す。この図に示されるように、ECU50には、圧力センサ23からの検出信号や車輪速度センサ4a、5aからの検出信号が入力され、これらの検出信号に基づいてロック判定や車体速度の演算等が行われる。そして、ECU50での演算結果に基づいて各種制御弁30〜33の駆動やモータ11の駆動の制御が行われるようになっている。
【0032】
次に、上記構成のECU50によって行われるロック判定について説明する。図3に、ECU50に備えられるロック判定処理部のブロック構成を示す。このロック判定処理部が、本発明におけるロック状態検出装置に相当する。以下、図3に基づいてロック判定処理の説明を行う。
【0033】
まず、図3に従って、ロック判定処理部の構成について説明する。ロック判定処理部には、車輪制動力推定部41、各輪ブレーキ効力演算部42、車体減速度演算部43、車輪速度検出部44、車輪減速度演算部45、補正演算部46、車体速度演算部47、およびロック判定部48が備えられている。
【0034】
車輪制動力推定部41は車輪制動力推定手段に相当し、圧力センサ23によって検出されるM/C圧、すなわちブレーキペダル1の踏み込み状態に応じて発生するM/C圧に基づいて車輪制動力を推定するものであり、本実施形態の場合には、車輪制動力に相当する各車輪の油圧の推定を行うものである。
【0035】
この車輪制動力推定部41の構成の詳細を図4に示す。図4に示すように、車輪制動力推定部41には、M/C圧検出部51、増圧時間演算部52、減圧時間演算部53、比例制御弁特性演算部54、各車輪差圧演算部55、増圧量演算部56、減圧量演算部57、W/C圧推定部58、及び推定した各車輪のW/C圧を記憶しておく記憶手段としてのメモリ59が備えられている。
【0036】
M/C圧検出部51は、M/C圧検出手段に相当し、圧力センサ23からの検出信号に基づいてM/C圧の検出を行う。増圧時間演算部52および減圧時間演算部53は、ABS制御中における増圧時間若しくは減圧時間を演算するものである。これら増圧時間演算部52と減圧時間演算部53が、それぞれ増圧時間演算手段と減圧手段演算手段に相当する。また、比例制御弁特性演算部54は、M/C圧検出部51からの検出信号を受け、この検出信号に比例制御弁22の特性分を加味した信号を出力するものである。
【0037】
各車輪差圧演算部55は、M/C圧検出部51からの検出信号とメモリ59に記憶された前回の各車輪のW/C圧との差分からM/C圧とW/C圧との間の差圧量を求めるものである。増圧量演算部56は、各車輪差圧演算部55で求められたM/C圧とW/C圧との間の差圧量と増圧時間演算部52で演算された増圧時間とからW/C圧の増圧量を演算するものである。すなわち、ABS制御の増圧タイミングにおいては、増圧させる車輪に対応する増圧制御弁30、31を開弁してW/C圧を増圧させることになるが、W/C圧の増圧量は、現在のM/C圧と前回のW/C圧との間の差圧量および開弁時間(増圧パルスの幅)に依存するため、これらに基づいてW/C圧の増圧量の演算を行う。また、減圧量演算部57は、減圧時間演算部53で演算された減圧時間からW/C圧の減圧量を演算するものである。すなわち、ABS制御の減圧タイミングにおいては、減圧させる車輪に対応する減圧制御弁32、33を開弁してW/C圧を減圧させることになるが、W/C圧の減圧量は、前回の各輪のW/C圧と開弁時間(減圧パルスの幅)に依存するため、これらに基づいてW/C圧の減圧量の演算を行う。
【0038】
そして、W/C圧推定部58は、W/C圧推定手段に相当し、メモリ59に記憶されている前回のW/C圧と比例制御弁22の特性を加味したW/C圧、W/C圧の増圧量および減圧量に基づいて、各車輪におけるW/C圧を推定するものである。
【0039】
このように構成された車輪制動力推定部41による推定結果が、図3に示すように各輪ブレーキ効力演算部42に入力されるようになっている。このブレーキ効力演算部42により、推定されたW/C圧に基づいて各輪のブレーキ効力、つまりブレーキトルクの演算が行われれ、この各輪ブレーキ効力演算部42での演算結果が車体減速度演算部43に入力されるようになっている。
【0040】
車体減速度演算部43は車体減速度演算手段に相当する。この車体減速度演算部43では、演算されたブレーキ効力に基づいて車体減速度を推定する。例えば、演算された各車輪のブレーキ効力が大きければ、それだけ大きな車体減速度が得られ、逆に小さければ、小さな車体減速度した得られないということを関係づけたマップ等を用いて車体減速度の推定を行う。
【0041】
一方、車輪速度演算部44は車輪速度検出手段に相当し、車輪速度センサ4a、5aからの車輪速度信号に基づいて各輪の車輪速度の演算を行う。この車輪速度演算部44での演算結果は、車輪減速度演算部45に入力されるようになっている。また、車輪減速度演算部45は車輪減速度演算手段に相当し、この車輪減速度演算部45での演算結果に基づいて各輪の車輪減速度を演算するようになっている。
【0042】
そして、車体速度演算部47は車体速度演算手段に相当し、この車体速度演算部47により、車体減速度演算部43での演算結果と車輪減速度演算部45での演算結果とに基づいて推定車体速度の演算が行われ、さらに、ロック判定部48により、推定された車体速度と車輪減速度演算部43での演算結果に基づいてロック判定が成されるようになっている。
【0043】
なお、補正演算部46は、車体減速度演算部43と車輪減速度演算部45それぞれの演算結果に基づいて摩擦係数等の補正を行うものであり、例えば、ABS制御中でないときに、ブレーキパッドの摩擦係数、車両への積載量等の要因によるブレーキ効力の変動を補正するものである。
【0044】
続いて、上述のように構成されたロック判定処理部で実行されるロック判定処理について説明する。
【0045】
まず、ABS制御前におけるロック判定処理について説明する。ABS制御前においては、ABS制御時のように各車輪に対して増圧時間若しくは減圧時間が設定されないため、W/C圧推定部58では、M/C圧検出部51および比例制御弁特性演算部54からの信号に基づいて各輪におけるW/C圧の推定を行う。
【0046】
そして、このW/C圧推定部58において推定されたW/C圧に基づいて、各輪ブレーキ効力演算部42でブレーキ効力が演算され、さらに演算されたブレーキ効力に基づいて車体減速度が演算される。
【0047】
一方、車輪速度検出部44によって各車輪速度が検出されると、この検出値に基づいて車輪減速度演算部45で車輪減速度が演算される。そして、この車輪減速度と車体減速度演算部43で演算された車体減速度とに基づいて、車体速度演算部47で推定車体速度が演算され、さらに演算された推定車体速度と先の車体減速度とに基づいてロック判定が成される。
【0048】
次に、ABS制御中におけるロック判定処理について説明する。ABS制御における増圧タイミングの際には、増圧時間演算部52によって増圧が成される時間(増圧のパルス幅)が演算される。そして、各車輪差圧演算部55により、M/C圧検出部51で検出された現在のM/C圧とメモリ59に記憶された前回の各輪のW/C圧との差分が求められ、これによって求められる各車輪の差圧と増圧時間演算部52によって演算された増圧時間とに基づき、増圧量演算部56でW/C圧の増圧量が求められる。
【0049】
また、ABS制御における減圧タイミングの際には、減圧時間演算部53によって減圧が成される時間(減圧のパルス幅)が演算される。そして、減圧量演算部57により、減圧時間演算部53で演算された減圧時間とメモリ59に記憶された前回の各輪のW/C圧とに基づき、W/C圧の減圧量が求められる。
【0050】
そして、W/C圧推定部58にて、メモリ59に記憶された前回のW/C圧と増圧量演算部56や減圧量演算部58で求めたW/C圧の増圧量もしくは減圧量とに基づいて、W/C圧の推定が行われる。
【0051】
このようにしてW/C圧の推定が行われると、この推定値に基づいて上述したABS制御前と同様の動作が行われ、推定車体速度が演算されると共にロック判定が成される。
【0052】
このように、圧力センサ23によって検出されるM/C圧に基づいて推定車体速度の演算が行えるため、4輪が同時にロックした場合にGセンサによらなくても正確な推定車体速度を演算することができる。また、このように求められた正確な推定車体速度に基づいてロック判定を行っているため、的確なロック判定を行うことができる。
【0053】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、推定車体速度の演算と共にロック判定を行っているが、本実施形態では、M/C圧とABS制御における増圧時間および各車輪速度に基づき、いわゆるカスケードロック、すなわち4輪が同時にロックして減速度が勾配α内で落ち込むようなロック状態の判定を行う場合を説明する。
【0054】
図5(a)、(b)に、カスケードロックが発生した場合における各車輪のW/C圧の変化に対する各車輪速度の変化、およびその時の各車輪減速度変化量の変化を示す。この図に示されるように、各車輪速度や各車輪減速度変化量は推定値と実際値とでズレが発生する。従って、これらの推定値と実際値との比較によりカスケードロックを判定することが可能である。
【0055】
図6に、カスケードロック判定が行われるカスケード判定処理部のブロック構成を示し、この図に基づいてカスケード判定処理の詳細を説明する。なお、ブレーキ装置の全体構成に関しては第1実施形態で示した図1と同様であるため、図1を参照する。
【0056】
まず、図6に基づいてカスケード判定処理部の構成を説明する。カスケード判定処理部には、M/C圧検出部61、増圧時間演算部62、増圧勾配演算部63、各車輪減速度変化量推定部64、車輪速度検出部65、各車輪減速度変化量演算部66、およびカスケードロック判定部67が備えられている。
【0057】
M/C圧検出部61、増圧時間演算部62、車輪速度検出部65は、第1実施形態の図4に示したM/C圧検出部51と増圧時間演算部52、図3に示した車輪速度検出部44と同様である。
【0058】
増圧勾配演算部63は、M/C圧検出部61によって検出されたM/C圧から例えば20気圧相当を差し引いた値と、増圧時間演算部62によって演算された増圧時間とからW/C圧の増圧勾配の演算を行う。すなわち、カスケードロックが発生する場合が低μ路面であることから、低μ路面であることを前提として、低μ路面において想定されるM/C圧である例えば20気圧相当を差し引き、その差し引いた値に基づいてW/C圧の増圧勾配を演算する。そして、車輪減速度変化量推定部64では、増圧勾配演算部63によって演算されたW/C圧の増圧勾配に基づいて各輪における車輪減速度変化量の推定値が求められ、車輪減速度変化量演算部66では、車輪速度検出部65で検出された各車輪速度に基づいて、各輪の実際の車輪減速度変化量が演算される。なお、これら車輪減速度変化量推定部64と車輪減速度変化量演算部66が、それぞれ減速度変化量推定手段と減速変化量演算手段に相当する。
【0059】
これら車輪減速度変化量推定部64による車輪減速度変化量の推定値と、車輪減速度変化量演算部66による車輪減速度変化量の実際値との差分が求められ、カスケードロック判定部でその差分が所定のしきい値よりも大きければカスケードロックとして判定されるようになっている。
【0060】
続いて、上述のように構成されたカスケードロック判定処理部で実行されるカスケードロック判定処理について説明する。
【0061】
まず、ABS制御前におけるカスケードロック判定について説明する。ABS制御前においては、ABS制御時のように各車輪に対して増圧時間が設定されていないため、増圧勾配演算部63により、M/C圧検出部61での検出値から20気圧相当を減じた値に基づいてW/C圧の増圧勾配が演算される。
【0062】
そして、この演算された増圧勾配に基づき、車輪減速度変化量推定部64で各車輪における減速度変化量が推定される。
【0063】
一方、車輪速度検出部65によって各車輪速度が検出されると、この検出値に基づいて車輪減速度変化量演算部66で各車輪における実際の減速度変化量が演算される。そして、この実際の車輪減速度変化量と車輪減速度変化量推定部64で推定された車輪減速度変化量との差分に基づき、カスケードロック判定部67でカスケードロック判定が成される。
【0064】
次に、ABS制御中におけるカスケードロック判定について説明する。ABS制御における増圧タイミングの際には、増圧時間演算部62によって増圧が成される時間(増圧のパルス幅)が演算される。そして、増圧勾配演算部63により、増圧が成される時間およびM/C圧検出部61での検出値から20気圧相当を減じた値に基づいてW/C圧の増圧勾配が演算される。
【0065】
そして、上述したABS制御前と同様に、車輪減速度変化量推定部64で各車輪の減速度変化量が推定されると共に、車輪減速度変化量演算部66で各車輪の実際の減速度変化量が演算され、これら減速度変化量の推定値と実際値とに基づいてカスケードロック判定部67によってカスケードロック判定が行われる。
【0066】
このように、圧力センサ23によって検出されるM/C圧に基づいてカスケードロック判定を行うことができるため、的確なロック判定を行うことが可能となる。
【0067】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、M/C3と各W/C4、5とを油圧配管で接続した油圧ブレーキ装置に本発明の一実施形態を適用したものを例に挙げて示したが、ブレーキペダルの踏み込み状態に応じた車輪制動力を推定できるものであれば他のものであってもよい。
【0068】
例えば、ブレーキペダルの踏み込み状態に応じて電気的に制動力を制御する電気ブレーキ装置にも本発明の一実施形態を適用することができる。この場合、圧力センサ23によってM/C圧を検出するのではなく、制動力を発生させる際に駆動するアクチュエータ(例えば、ディスクブレーキにおけるブレーキパッドを駆動するモータ等)への通電量を電流量検出手段によって検出する。このアクチュエータへの通電量及びブレーキパッドの摩擦係数等に依存するブレーキ効力に基づいて、車体減速度を推定することができ、この推定された車体減速度に基づいて精度よく推定車体速度を求めたり、ロック判定を行ったりすることが可能である。
【0069】
さらに、ブレーキペダルの踏み込み量、踏力等から車輪制動力を推定することも可能である。
【0070】
また、上記第1実施形態では、ロック状態検出装置を例に挙げて説明したが、図3に示すロック判定処理部のうちロック判定部48を除いた構成により、ロック判定に用いる車体速度を精度よく推定できる車体速度検出装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるロック状態検出装置が適用されるブレーキ装置の全体構成を示した図である。
【図2】図1に示すブレーキ装置のECU50の概略構成を示す図である。
【図3】図2に示すECU50に備えられるロック判定処理部の概略構成を示す図である。
【図4】図3に示す車輪制動力推定部41の詳細を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に示すカスケードロックの様子を表した図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるカスケードロック判定処理部の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
3…M/C、23…圧力センサ、41…車輪制動力推定部、
42…各輪ブレーキ効力演算部、43…車体減速度演算部、
44…車輪速度検出部、45…車輪減速度演算部、47…車体速度演算部、
48…ロック判定部。

Claims (6)

  1. マスタシリンダ内の油圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段(51)と
    記マスタシリンダ圧検出手段が検出したマスタシリンダ内の油圧に基づいて各車輪の減速度変化量を推定する減速度変化量推定手段(64)と、
    車輪速度の検出を行う車輪速度検出手段(44)と、
    前記車輪速度検出手段によって検出された車輪速度に基づいて車輪減速度の変化量を演算する車輪減速度変化量演算手段(45)と、
    前記減速度変化量推定手段で推定された推定値となる減速度変化量と前記車輪減速度変化量演算手段で演算された実際値となる減速度変化量とに基づいて、車輪がロック状態に至ることを検出するロック判定手段(67)と、を備えていることを特徴とするロック状態検出装置。
  2. ABS制御中か否かを判定するABS制御判定手段と、
    ABS制御の増圧タイミングにおける増圧時間を演算する増圧時間演算手段(52)とを備え、
    前記減速度変化量推定手段は、前記ABS制御判定手段がABS制御中であると判定している場合に、前記マスタシリンダ内の油圧に加え、前記増圧時間演算手段が演算した増圧時間に基づいて、各車輪の減速度変化量を推定することを特徴とする請求項1に記載のロック状態検出装置。
  3. ブレーキペダルの踏込状態を検出する踏込状態検出手段と、
    前記踏込状態検出手段が検出した踏込状態に基づいて、各車輪の減速度変化量を推定する減速度変化量推定手段と、
    車輪速度の検出を行う車輪速度検出手段と、
    前記車輪速度検出手段によって検出された車輪速度に基づいて車輪減速度の変化量を演算する車輪減速度変化量演算手段と、
    前記減速度変化量推定手段で推定された推定値となる減速度変化量と前記車輪減速度変化量演算手段で演算された実際値となる減速度変化量とに基づいて、車輪がロック状態に至ることを検出するロック判定手段と、を備えていることを特徴とするロック状態検出装置。
  4. 前記踏込状態検出手段は、前記ブレーキペダルの踏込状態として、当該ブレーキペダルの踏込量および踏力のいずれかを検出することを特徴とする請求項3に記載のロック状態検出装置。
  5. ブレーキペダルの踏み込み状態に応じて電動アクチュエータによる制動力を電気的に制御する電気ブレーキ装置に適用され、
    前記踏込状態検出手段は、前記ブレーキペダルの踏込状態として、前記電動アクチュエータへの通電量を検出することを特徴とする請求項3に記載のロック状態検出装置。
  6. 前記ロック判定手段は、減速度変化量の推定値と減速度変化量の実際値との差分が所定のしきい値よりも大きい場合に、車輪のカスケードロック状態に至ること検出していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のロック状態検出装置。
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