JP7327109B2 - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制動制御装置に関する。
特許文献1には、車両が低μ路を走行しているか否かを判定する判定処理を実行する制動制御装置の一例が記載されている。この制動制御装置では、車両の運転者の制動操作に基づく車両制動時において、車両の車体速度が判定速度未満であること、及び、駆動輪と従動輪との車輪速度差が判定速度差以上であることの双方が成立しているときに、車両が低μ路を走行しているとの判定がなされる。
なお、車体速度は、各車輪の車輪速度のうちの少なくとも1つの車輪速度に基づいて導出される。
特開平9-286315号公報
四輪駆動車が低μ路を走行する際の制動時に、全ての車輪において所定の減速スリップが発生する現象であるカスケードロックが発生することがある。カスケードロックが発生しているときには、全ての車輪の車輪速度が車体の減速度よりも急に低下するため、車体速度を適切に導出することができなくなる。また、前輪と後輪との車輪速度差が大きくならない。その結果、車両が低μ路を走行しているとの判定をなすことができない。そこで、四輪駆動車の制動時において、カスケードロックの発生を検知する技術が希求されている。
上記課題を解決するための車両の制動制御装置は、複数の車輪と、対応する車輪の速度である車輪速度に応じた検出信号を出力する複数の車輪速度センサと、車両の前後加速度に応じた検出信号を出力する前後加速度センサと、を備える車両に適用される。前記前後加速度センサの検出信号に基づいて導出される前記車両の前後方向の減速度を前後減速度検出値とし、前記車輪速度の減少速度を車輪減速度とし、前記車輪速度センサの検出信号に基づいて導出される車輪速度を車輪速度検出値とする。この場合、制動制御装置は、前記車輪速度検出値の減少速度を車輪減速度演算値として導出する車輪減速度導出部と、前記各車輪の前記車輪減速度演算値の平均値を車輪減速度平均値として導出する平均値導出部と、前記車輪減速度平均値と前記前後減速度検出値とを基に、前記各車輪の前記車輪減速度の平均値の増大速度が前記車両の前後方向の減速度の増大速度よりも大きい状態であるスリップ増大状態が判定時間以上発生しているか否かを判定する判定部と、車両制動時に前記スリップ増大状態が前記判定時間以上発生しているとの判定がなされたときに、カスケードロックの発生を検知する検知部と、を備える。
車両制動時にカスケードロックが発生した場合、一部の車輪のみで減速スリップが発生する場合と比較し、全ての車輪の車輪減速度の平均値の増大速度が大きくなるとともに、当該平均値の増大速度が大きい状態が継続する。そこで、上記構成では、車輪減速度平均値と前後減速度検出値とを基に、スリップ増大状態が判定時間以上発生しているか否かの判定が行われる。そして、車両制動時にスリップ増大状態が判定時間以上発生しているとの判定がなされたときに、カスケードロックの発生が検知される。
すなわち、上記構成によれば、車両制動時においてカスケードロックの発生を検知できるようになる。
実施形態の車両の制動制御装置の機能構成と、同制動制御装置を備える車両の概略構成とを示す図。 同制動制御装置が実行する処理ルーチンの1つを説明するフローチャート。 (a)、(b)及び(c)はカスケードロックが発生した場合のタイミングチャート。 同制動制御装置が実行する処理ルーチンの1つを説明するフローチャート。 同制動制御装置が実行する処理ルーチンの1つを説明するフローチャート。 (a)~(c)はカスケードロックの発生中にアンチロックブレーキ制御が開始される場合のタイミングチャート。
以下、車両の制動制御装置の一実施形態を図1~図6に従って説明する。
図1には、本実施形態の制動制御装置50を備える車両10が図示されている。車両10は、車輪として、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRを備えている。車両10は、全ての車輪FR,FL,RR,RLが駆動輪として機能する四輪駆動車である。車両10の駆動装置11から出力された駆動力がセンタデファレンシャル12に入力される。センタデファレンシャル12に入力された駆動力は、フロントデファレンシャル13側とリヤデファレンシャル14側とに分配される。フロントデファレンシャル13に入力された駆動力は、左前輪FLと右前輪FRとに分配される。リヤデファレンシャル14に入力された駆動力は、リヤデファレンシャル14によって左後輪RLと右後輪RRとに分配される。
車両10には、各車輪FL,FR,RL,RRに対して個別に制動機構20a,20b,20c,20dが設けられている。各制動機構20a~20dは、車輪FL,FR,RL,RRと一体回転する回転体22と、回転体22に押し付けられる摩擦材23とを有している。回転体22に摩擦材23を押し付ける力は、ホイールシリンダ21内の液圧が高いほど大きくなる。回転体22に摩擦材23を押し付ける力が大きいほど、車輪FL,FR,RL,RRに対する制動力が大きくなる。
車両10の制動装置30は、液圧発生装置31と、制動アクチュエータ32とを有している。液圧発生装置31は、ブレーキペダルなどの制動操作部材33が運転者によって操作されているときに、その操作量に応じた液圧を発生する。そして、運転者によって制動操作が行われている場合、液圧発生装置31で発生した液圧に応じた量のブレーキ液が各ホイールシリンダ21内に供給される。これにより、各車輪FL,FR,RL,RRに制動力が付与される。制動アクチュエータ32は、制動制御装置50による制御によって、各ホイールシリンダ21内の液圧を個別に調整することができる。すなわち、制動アクチュエータ32の作動によって各車輪FL,FR,RL,RRに対する制動力を個別に調整できる。
次に、制動制御装置50について説明する。
制動制御装置50には、各種のセンサから検出信号が入力される。センサとしては、制動スイッチ101、車輪速度センサ102a,102b,102c,102d、及び前後加速度センサ103を挙げることができる。制動スイッチ101は、制動操作部材33が操作されているか否かを検知するものであり、その検知結果に応じた信号を検出信号として出力する。車輪速度センサ102a~102dは、車輪FL,FR,RL,RR毎に設けられている。そして、車輪速度センサ102a~102dは、対応する車輪FL,FR,RL,RRの速度である車輪速度を検出し、その検出結果に応じた信号を検出信号として出力する。前後加速度センサ103は、車両10の前後方向の加速度である前後加速度を検出し、その検出結果に応じた信号を検出信号として出力する。
以降の記載において、車輪速度センサ102a~102dからの検出信号に基づいて制動制御装置50によって導出された車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度を、「車輪速度検出値VW」という。前後加速度センサ103からの検出信号に基づいて制動制御装置50によって導出された車両10の前後方向の減速度を、「前後減速度検出値Gx」という。なお、前後減速度検出値Gxは、前進している車両10が減速する場合、その減速度が大きいほど大きくなる。一方、前後減速度検出値Gxは、前進している車両10が加速する場合、その加速度が大きいほど小さくなる。例えば、水平路で車両10が加速する場合、前後減速度検出値Gxは負の値となり、車両10の加速度が大きいほど前後減速度検出値Gxの絶対値が大きくなる。すなわち、前後加速度センサ103からの検出信号に基づいて導出される車両10の前後加速度と、「-1」との積を前後減速度検出値Gxとして導出することができる。なお、制動制御装置50では、前後減速度検出値Gxを時間微分することにより、前後減速度検出値Gxの増大速度DGxが導出される。前後減速度検出値の増大速度DGxを、前後減速度検出値Gxの増大勾配ともいう。
制動制御装置50は、機能部として、車体速度導出部51、車輪減速度導出部52、平均値導出部53、判定部54、検知部55、スリップ量導出部56及びABS制御部57を有している。
車体速度導出部51は、各車輪FL,FR,RL,RRのうちの少なくとも1つの車輪の車輪速度検出値VWを基に、車両10の車体速度の推定値である推定車体速度VS0を導出する。本実施形態では、車体速度導出部51は、所定の制御サイクル毎に推定車体速度VS0を導出する。前回に導出された推定車体速度VS0を推定車体速度の前回値VS0(N-1)とし、今回に導出される推定車体速度VS0を推定車体速度の最新値VS0(N)とする。また、車輪速度検出値VWを時間微分した値を、「車輪速度微分値ΔVW」とする。この場合、車体速度導出部51は、推定車体速度の前回値VS0(N-1)と車輪速度微分値ΔVWとの和を推定車体速度の最新値VS0(N)として導出する。そのため、車輪速度検出値VWが高くなっているときには、車輪速度微分値ΔVWが正となるため、推定車体速度VS0が高くなる。一方、車輪速度検出値VWが低くなっているときには、車輪速度微分値ΔVWが負となるため、推定車体速度VS0が低くなる。
ただし、推定車体速度の最新値VS0(N)の導出に際しては、所定の上限ガード及び下限ガードが設定されている。すなわち、車輪速度微分値ΔVWが上限ガードよりも大きい場合、車体速度導出部51は、推定車体速度の前回値VS0(N-1)と上限ガードとの和を推定車体速度の最新値VS0(N)として導出する。一方、車輪速度微分値ΔVWが下限ガードよりも小さい場合、車体速度導出部51は、推定車体速度の前回値VS0(N-1)と下限ガードとの和を推定車体速度の最新値VS0(N)として導出する。
車輪減速度導出部52は、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪減速度演算値DVWを導出する。すなわち、車輪減速度導出部52は、車輪速度検出値VWの減少速度を車輪減速度演算値DVWとして導出する。例えば、車輪減速度導出部52は、車輪速度検出値VWを時間微分した値と「-1」との積を車輪減速度演算値DVWとして導出する。
平均値導出部53は、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪減速度演算値DVWの平均値を車輪減速度平均値DVWavとして導出する。さらに、平均値導出部53は、車輪減速度平均値DVWavを時間微分することにより、車輪減速度平均値DVWavの増大速度DDVWavを導出する。車輪減速度平均値の増大速度DDVWavを、車輪減速度平均値DVWavの増大勾配ともいう。
判定部54は、車輪減速度平均値DVWavと前後減速度検出値Gxとを基に、スリップ増大状態が判定時間TMcr以上発生しているか否かを判定する。スリップ増大状態とは、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪減速度の平均値の増大速度が車両10の前後方向の減速度の増大速度よりも大きい状態のことである。判定処理の具体的な内容については後述する。
検知部55は、車両制動時にスリップ増大状態が判定時間TMcr以上発生しているとの判定がなされたときに、カスケードロックの発生を検知する。カスケードロックとは、駆動装置11の駆動力が入力される駆動輪の何れにおいても所定の減速スリップが発生する現象のことである。車両10では、全ての車輪FL,FR,RL,RRが駆動輪である。そのため、車輪FL,FR,RL,RRの何れにおいても所定の減速スリップが発生している状態がカスケードロックである。
スリップ量導出部56は、検知部55によってカスケードロックの発生が検知された以降において、各車輪FL,FR,RL,RRのスリップ量SLPaを導出する。スリップ量SLPaとは、車輪FL,FR,RL,RRの減速スリップの度合いのことである。スリップ量SLPaの導出処理については後述する。
ABS制御部57は、検知部55によってカスケードロックの発生が検知された以降において、スリップ量導出部56によって導出されたスリップ量SLPaが増大することを条件に、車輪FL,FR,RL,RRに対する制動力の調整を通じて車輪FL,FR,RL,RRの減速スリップを抑制するアンチロックブレーキ制御を開始する。アンチロックブレーキ制御の開始を判定する処理については後述する。以降の記載において、アンチロックブレーキ制御を「ABS制御」という。
次に、図2を参照し、スリップ増大状態が判定時間TMcr以上発生しているか否かを判定するために判定部54が実行する処理ルーチンについて説明する。本処理ルーチンは、所定の制御サイクル毎に繰り返し実行される。
本処理ルーチンにおいて、ステップS11では、前後減速度検出値Gxが前後減速度判定値GxThよりも大きいか否かの判定が行われる。前後減速度判定値GxThは、車両制動によって車両10が減速しているか否かの判断基準として設定されている。前後減速度検出値Gxが前後減速度判定値GxTh以下である場合(S11:NO)、車両制動によって車両10が減速しているとの判定をなすことができないため、処理がステップS18に移行される。一方、前後減速度検出値Gxが前後減速度判定値GxThよりも大きい場合(S11:YES)、車両制動によって車両10が減速しているとの判定をなすことができるため、処理が次のステップS12に移行される。
ステップS12において、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavから前後減速度検出値の増大速度DGxを引いた値を導出差DD1とした場合、導出差DD1が第1導出差判定値DDTh1よりも大きいか否かの判定が行われる。導出差DD1が、偏差の一例である。第1導出差判定値DDTh1は、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavが前後減速度検出値の増大速度DGxよりも大きいか否かの判断基準として設定されている。例えば、第1導出差判定値DDTh1として、「0」を設定してもよいし、「0」よりも大きい値を設定してもよい。
ステップS12において、導出差DD1が第1導出差判定値DDTh1よりも大きい場合(YES)、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavが前後減速度検出値の増大速度DGxよりも大きいとの判定をなすことができるため、処理が次のステップS13に移行される。ステップS13において、カウンタ値CNTが「1」だけインクリメントされる。そして、処理がステップS16に移行される。一方、ステップS12において、導出差DD1が第1導出差判定値DDTh1以下である場合(NO)、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavが前後減速度検出値の増大速度DGxよりも大きいとの判定をなすことができないため、処理が次のステップS14に移行される。
ステップS14において、導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2以下であるか否かの判定が行われる。第2導出差判定値DDTh2は、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavが前後減速度検出値の増大速度DGx以下であるか否かの判断基準として設定されている。第2導出差判定値DDTh2として、第1導出差判定値DDTh1よりも小さい値が設定されている。第1導出差判定値DDTh1として「0」よりも大きい値が設定されている場合、第2導出差判定値DDTh2として、「0」以上の値を設定することが望ましい。導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2以下である場合(S14:YES)、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavが前後減速度検出値の増大速度DGx以下であるとの判定をなすことができるため、処理が次のステップS15に移行される。ステップS15において、カウンタ値CNTから「1」を引いた値と「0」とのうち、大きい方の値がカウンタ値CNTとして導出される。そして、処理がステップS16に移行される。一方、ステップS14において、導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2よりも大きい場合(NO)、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavが前後減速度検出値の増大速度DGx以下であるとの判定をなすことができないため、処理がステップS16に移行される。この場合、カウンタ値CNTが保持される。本実施形態では、上記のように、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavが前後減速度検出値の増大速度DGxよりも大きいとの判定をなすときにはカウンタ値CNTをインクリメントし、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavが前後減速度検出値の増大速度DGx以下であるとの判定をなすときにはカウンタ値CNTをデクリメントする更新処理が所定の制御サイクル毎に実行される。
ステップS16において、カウンタ値CNTがカウンタ判定値CNTTh以上であるか否かの判定が行われる。カウンタ判定値CNTThは、判定時間TMcrに対応したカウンタ値CNTである。そのため、本実施形態では、カウンタ値CNTがカウンタ判定値CNTTh以上であるときに、スリップ増大状態が判定時間TMcr以上発生しているとの判定をなすようにしている。そして、カウンタ値CNTがカウンタ判定値CNTTh以上である場合(S16:YES)、処理が次のステップS17に移行される。ステップS17において、状態フラグFLG1にオンがセットされる。すなわち、状態フラグFLG1は、スリップ増大状態が判定時間TMcr以上発生しているとの判定をなすときにオンがセットされる一方、スリップ増大状態が判定時間TMcr以上発生しているとの判定をなしていないときにオフがセットされるフラグである。その後、本処理ルーチンが一旦終了される。
一方、ステップS16において、カウンタ値CNTがカウンタ判定値CNTTh未満である場合(NO)、処理が次のステップS18に移行される。
ステップS18において、状態フラグFLG1にオフがセットされる。すなわち、スリップ増大状態が判定時間TMcr以上発生しているとの判定がなされない。そして、本処理ルーチンが一旦終了される。
図3を参照し、車両制動時にカスケードロックが発生している場合について説明する。
図3(a),(b),(c)に示すように、車両制動中におけるタイミングt11で全ての車輪FL,FR,RL,RRで減速スリップが発生する。すると、前後減速度検出値Gxがほとんど変化しないにも拘わらず、車輪減速度平均値DVWavが大きくなる。このとき、カスケードロックが発生している場合、タイミングt12で、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavから前後減速度検出値の増大速度DGxを引いた値である導出差DD1が第1導出差判定値DDTh1よりも大きくなる。
ここで、各車輪FL,FR,RL,RRのうちの一部の車輪のみで減速スリップが発生している場合、減速スリップがあまり発生していない車輪の車輪減速度は小さいため、カスケードロックが発生している場合と比較し、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavはそれほど大きくならない。そのため、カスケードロックが発生している場合と比較し、導出差DD1が第1導出差判定値DDTh1よりも大きくなりにくい。すなわち、カウンタ値CNTが大きくなりにくい。
そして、タイミングt13でカウンタ値CNTがカウンタ判定値CNTTh以上になるため、判定部54によって、スリップ増大状態が判定時間TMcr以上発生しているとの判定がなされる。すると、検知部55によって、カスケードロックの発生が検知される。
なお、前後加速度センサ103からの検出信号にはノイズ成分が重畳している。そのため、前後減速度検出値Gxには、当該ノイズ成分が重畳するため、その値が変動してしまう。その結果、実際にはスリップ増大状態であるにも拘わらず、一時的に前後減速度検出値の増大速度DGxが車輪減速度平均値の増大速度DDVWavよりも大きくなってしまうことがある。このように一時的に前後減速度検出値の増大速度DGxが車輪減速度平均値の増大速度DDVWavよりも大きくなったときにカウンタ値CNTを「0」にリセットする場合を考える。この場合、前後加速度センサ103からの検出信号にノイズ成分が重畳することに起因してカウンタ値CNTが「0」にリセットされる事象が頻発し、カウンタ値CNTがカウンタ判定値CNTTh以上になるのが遅れてしまうおそれがある。すなわち、カスケードロックの発生の検知が遅れるおそれがある。
この点、本実施形態では、導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2以下である期間では、制御サイクル毎にカウンタ値CNTが「1」だけデクリメントされるようになっている。そのため、導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2以下である状態が一時的なものである場合、導出差DD1が第1導出差判定値DDTh1より大きくなると、その時点からカウンタ値CNTのインクリメントが再開される。その結果、カウンタ値CNTがカウンタ判定値CNTTh以上になるのが遅延することを抑制できる。つまり、カスケードロックの発生の検知の遅れを抑制できる。
次に、図4を参照し、車輪FL,FR,RL,RRのスリップ量SLPaを導出するためにスリップ量導出部56が実行する処理ルーチンについて説明する。本処理ルーチンは、所定の制御サイクル毎に繰り返し実行される。
本処理ルーチンにおいて、ステップS21では、状態フラグFLG1にオンがセットされているか否かの判定が行われる。状態フラグFLG1にオフがセットされている場合(S21:NO)、カスケードロックの発生が検知されていないと判断できるため、処理が次のステップS22に移行される。ステップS22において、車輪FL,FR,RL,RRのスリップ量SLPaとして「0」が導出される。その後、本処理ルーチンが一旦終了される。
一方、ステップS21において、状態フラグFLG1にオンがセットされている場合(YES)、処理が次のステップS23に移行される。ステップS23において、車輪FL,FR,RL,RRの車輪減速度演算値DVWから前後減速度検出値Gxを引いた値が導出差DD2として導出される。続いて、次のステップS24において、スリップ量SLPaの前回値と導出差DD2との和が、車輪FL,FR,RL,RRのスリップ量SLPaとして導出される。すなわち、カスケードロックの発生が検知された以降においては、車輪減速度演算値DVWと前後減速度検出値Gxとの差が積算され、その積算値が車輪FL,FR,RL,RRのスリップ量SLPaとして導出される。このようにしてスリップ量SLPaが車輪FL,FR,RL,RR毎に導出されると、本処理ルーチンが一旦終了される。
なお、図3(c)に一点鎖線で示す線L1は、カスケードロックの発生の検知時点であるタイミングt13における車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度検出値VWと、前後減速度検出値Gxとに基づいた状態量の推移である。タイミングt13における車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度検出値VWを第1状態量とした場合、この状態量は、第1状態量から前後減速度検出値Gxに応じた速度で減少している。そして、この状態量と車輪速度検出値VWとの差が、スリップ量SLPaに相当する。
次に、図5を参照し、カスケードロックの発生が検知されている状況下でABS制御の開始を決定するためにABS制御部57が実行する処理ルーチンについて説明する。本処理ルーチンは、車輪FL,FR,RL,RR単位で繰り返し実行される。ここでは、左前輪FLに対するABS制御の開始を決定する場合を例として説明する。
本処理ルーチンにおいて、ステップS31では、左前輪FLに対してABS制御が実施されている最中であるか否かの判定が行われる。左前輪FLに対してABS制御が実施されている最中である場合(S31:YES)、本処理ルーチンが一旦終了される。一方、左前輪FLに対してABS制御が実施されていない場合(S31:NO)、左前輪FL以外の他の車輪に対してABS制御が実施されているか否かに拘わらず、処理が次のステップS32に移行される。
ステップS32において、状態フラグFLG1にオンがセットされているか否かの判定が行われる。状態フラグFLG1にオフがセットされている場合(S32:NO)、カスケードロックの発生が検知されていないため、本処理ルーチンが一旦終了される。一方、状態フラグFLG1にオンがセットされている場合(S32:YES)、カスケードロックの発生が検知されているため、処理が次のステップS33に移行される。
ステップS33において、左前輪FLのスリップ量SLPaがスリップ量判定値SLPaTh以上であるか否かの判定が行われる。スリップ量判定値SLPaThは、スリップ量SLPaを基にABS制御を開始させるか否かを判断するための値である。本実施形態では、検知時点車体速度VS1と係数αとの積がスリップ量判定値SLPaThとして設定される。検知時点車体速度VS1は、カスケードロックの発生の検知時点の推定車体速度VS0である。すなわち、図3に示す例にあっては、タイミングt13の推定車体速度VS0が検知時点車体速度VS1となる。係数αとして、「0」よりも大きく且つ「1」未満の値が設定される。好ましくは、係数αとして、「0.1」よりも大きく且つ「0.2」未満の値が設定される。
ステップS33において、左前輪FLのスリップ量SLPaがスリップ量判定値SLPaTh未満である場合(NO)、本処理ルーチンが一旦終了される。すなわち、左前輪FLに対するABS制御が開始されない。一方、スリップ量SLPaがスリップ量判定値SLPaTh以上である場合(S33:YES)、処理が次のステップS34に移行される。ステップS34において、左前輪FLに対するABS制御が開始される。その後、本処理ルーチンが一旦終了される。
なお、左前輪FL以外の他の車輪に対するABS制御の開始を決定する場合の処理の流れは、左前輪FLの場合と同じであるため、詳細な説明を割愛する。
ちなみに、カスケードロックの発生が検知されていない場合、推定車体速度VS0と車輪速度検出値VWとの差であるスリップ量SLPがその判定値以上になったことを契機に、ABS制御が開始される。
次に、図6を参照し、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図6(a),(b),(c)に示すように、車両制動時にカスケードロックが発生すると、全ての車輪FL,FR,RL,RRにおいて車輪速度検出値VWが急激に小さくなる。このような場合、車輪速度検出値VWに基づいて導出される推定車体速度VS0は、実際の車体速度VSよりも下回ってしまう。
図6に示す例では、タイミングt21からは、車輪減速度平均値の増大速度DDVWavから前後減速度検出値の増大速度DGxを引いた値である導出差DD1が第1導出差判定値DDTh1よりも大きくなる。すなわち、スリップ増大状態であると判断されるようになる。そして、タイミングt22で、スリップ増大状態が判定時間TMcr以上発生しているとの判定がなされる。その結果、本実施形態では、車両制動時においてカスケードロックの発生を検知できる。
すると、タイミングt22以降では、車輪減速度演算値DVWと前後減速度検出値Gxとの差である導出差DD2が所定の制御サイクル毎に導出されるとともに、導出差DD2の積算値がスリップ量SLPaとして導出される。車輪FL,FR,RL,RRの減速スリップの度合いが大きくなるときには、車輪速度検出値VWは小さくなるため、スリップ量SLPaは大きくなる。そして、タイミングt23でスリップ量SLPaがスリップ量判定値SLPaTh以上になるため、スリップ量SLPaがスリップ量判定値SLPaTh以上になった車輪に対してABS制御が実施されるようになる。
すなわち、本実施形態では、カスケードロックが発生した場合であっても、車輪FL,FR,RL,RRの減速スリップの度合いに応じて変化するスリップ量SLPaを導出できる。図6(c)に示すようにカスケードロックが発生している場合、推定車体速度VS0が実際の車体速度VSよりも大きく下回るため、推定車体速度VS0と車輪速度検出値VWとの差であるスリップ量SLPは、車輪FL,FR,RL,RRの減速スリップの度合いが大きくなっても大きくなりにくい。そのため、スリップ量SLPではなくスリップ量SLPaを用いることにより、車輪FL,FR,RL,RRの減速スリップの度合いを適切に推測でき、ひいてはABS制御を開始させることができる。
なお、カスケードロックが発生している場合、推定車体速度VS0と実際の車体速度VSとの乖離が大きい。そのため、ABS制御の開始タイミングを決める判定値として、スリップ量判定値SLPaThが採用される。スリップ量判定値SLPaThは、検知時点車体速度VS1と係数αとの積と等しい。そのため、係数αとして適切な値を設定することにより、ABS制御の開始遅れや早期開始を抑制できる。
ちなみに、上記のようにABS制御が開始されると、車輪FL,FR,RL,RRの減速スリップが解消されるため、推定車体速度VS0と実際の車体速度VSとの乖離が解消される。その結果、車輪FL,FR,RL,RRのスリップ量SLPの導出精度が高くなる。その結果、当該スリップ量SLPを基に、車輪FL,FR,RL,RRの制動力を調整できるようになる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・検知時点車体速度VS1と係数αとの積とは異なる値を、スリップ量判定値SLPaThとして設定してもよい。例えば、検知時点車体速度VS1から所定の補正値を引いた値を、スリップ量判定値SLPaThとして設定してもよい。
・スリップ量判定値SLPaThを、予め設定された所定値で固定してもよい。
・カスケードロックの発生が検知された場合、スリップ量SLPaが規定時間以上増大し続けるときに、スリップ量SLPaが増大していると判断し、ABS制御を開始するようにしてもよい。
・第2導出差判定値DDTh2は、第1導出差判定値DDTh1と等しくてもよい。
・上記実施形態では、図2に示したように車輪減速度平均値の増大速度DDVWavと前後減速度検出値の増大速度DGxとの差である導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2以下であるときには、カウンタ値CNTをデクリメントしている。しかし、導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2以下であるときには、カウンタ値CNTを保持するようにしてもよい。この場合、導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2よりも小さい状態が所定時間以上継続した場合に、カウンタ値CNTを「0」にリセットすることが好ましい。
・導出差DD1が第1導出差判定値DDTh1よりも大きくなった時点から導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2以下になる時点までの間では、所定の制御サイクル毎にカウンタ値CNTをインクリメントするようにしてもよい。また、導出差DD1が第2導出差判定値DDTh2以下になった時点から導出差DD1が第1導出差判定値DDTh1よりも大きくなる時点までの間では、所定の制御サイクル毎にカウンタ値CNTをデクリメントするようにしてもよい。
・上記実施形態では、カスケードロックの発生を検知した以降において、スリップ量SLPaが増大した車輪FL,FR,RL,RRに対してABS制御を実施している。しかし、カスケードロックが発生している場合、全ての車輪FL,FR,RL,RRにおいて所定の減速スリップが発生している。そのため、カスケードロックの発生が検知されたタイミングで、全ての車輪FL,FR,RL,RRに対してABS制御を開始するようにしてもよい。この場合、上記実施形態の場合と比較し、判定時間TMcrを長くしてもよい、すなわちカウンタ判定値CNTThを大きくしてもよい。
・制動制御装置50は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェアなどの1つ以上の専用のハードウェア回路又はこれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。専用のハードウェアとしては、例えば、特定用途向け集積回路であるASICを挙げることができる。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわち記憶媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
10…車両
50…制動制御装置
51…車体速度導出部
52…車輪減速度導出部
53…平均値導出部
54…判定部
55…検知部
56…スリップ量導出部
57…ABS制御部
102a~102d…車輪速度センサ
103…前後加速度センサ
FL,FR,RL,RR…車輪

Claims (5)

  1. 複数の車輪と、対応する車輪の速度である車輪速度に応じた検出信号を出力する複数の車輪速度センサと、車両の前後加速度に応じた検出信号を出力する前後加速度センサと、を備える車両に適用され、
    前記前後加速度センサの検出信号に基づいて導出される前記車両の前後方向の減速度を前後減速度検出値とし、前記車輪速度の減少速度を車輪減速度とし、前記車輪速度センサの検出信号に基づいて導出される車輪速度を車輪速度検出値とした場合、
    前記車輪速度検出値の減少速度を車輪減速度演算値として導出する車輪減速度導出部と、
    前記各車輪の前記車輪減速度演算値の平均値を車輪減速度平均値として導出する平均値導出部と、
    前記車輪減速度平均値と前記前後減速度検出値とを基に、前記各車輪の前記車輪減速度の平均値の増大速度が前記車両の前後方向の減速度の増大速度よりも大きい状態であるスリップ増大状態が判定時間以上発生しているか否かを判定する判定部と、
    車両制動時に前記スリップ増大状態が前記判定時間以上発生しているとの判定がなされたときに、カスケードロックの発生を検知する検知部と、を備える
    車両の制動制御装置。
  2. 前記判定部は、
    前記車輪減速度平均値の増大速度が前記前後減速度検出値の増大速度よりも大きいとの判定をなすときにはカウンタ値をインクリメントし、前記車輪減速度平均値の増大速度が前記前後減速度検出値の増大速度以下であるとの判定をなすときには前記カウンタ値をデクリメントする更新処理を所定の制御サイクル毎に実行し、
    前記カウンタ値がカウンタ判定値以上になったときに、前記スリップ増大状態が前記判定時間以上発生しているとの判定をなす
    請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 前記判定部は、前記更新処理において、
    前記車輪減速度平均値の増大速度から前記前後減速度検出値の増大速度を引いた値である偏差が、「0」以上の第1導出差判定値よりも大きいときに、前記車輪減速度平均値の増大速度が前記前後減速度検出値の増大速度よりも大きいとの判定をなし、
    前記偏差が、前記第1導出差判定値以下の第2導出差偏差以下であるときに、前記車輪減速度平均値の増大速度が前記前後減速度検出値の増大速度以下であるとの判定をなす
    請求項2に記載の車両の制動制御装置。
  4. カスケードロックの発生が検知された以降では、前記車輪減速度演算値と前記前後減速度検出値との差を積算し、その積算値を前記車輪のスリップ量として導出するスリップ量導出部と、
    カスケードロックの発生が検知された以降において、前記スリップ量が増大することを条件に、前記車輪の制動力の調整を通じて当該車輪の減速スリップを抑制するアンチロックブレーキ制御を開始するABS制御部と、を備える
    請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
  5. 前記各車輪のうちの少なくとも1つの車輪の前記車輪速度検出値を基に、前記車両の推定車体速度を導出する車体速度導出部を備え、
    カスケードロックの発生の検知時点の前記推定車体速度を検知時点車体速度とした場合、
    前記ABS制御部は、前記スリップ量が前記検知時点車体速度と係数との積以上になったときに、前記アンチロックブレーキ制御を開始する
    請求項4に記載の車両の制動制御装置。
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