JP4497064B2 - 車両の姿勢制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の姿勢制御装置に関するものである。
従来より、図6に示すように、車両100が旋回する場合、目標とする旋回半径よりも実際の旋回半径が小さくなる場合、即ちオーバステアが生じた場合に、旋回中心とは反対側の前車輪(前外輪)101に対する制動力F101を自動的に大きくすることで、車両100に対して図6中反時計方向のヨーモーメントYM100Aを発生させたり、図7に示すように、目標旋回半径よりも実際の旋回半径が大きくなる場合、即ちアンダーステアが生じた場合に、前外輪101,旋回中心側の前輪(前内輪)102および旋回中心側の後輪(後内輪)103を制動し、さらに、これらの車輪101,102,103に対する各制動力F101,F102,F103を、下式1の関係を満たすようにすることで、車両100に対して図7中時計方向のヨーモーメントYM100Bを発生させたりして、車両100が目標旋回半径に沿って走行できるようにするための制御(姿勢制御)に関する技術が存在する。
101<F102<F103・・・(1)
このような技術の一例としては、以下の特許文献1の技術が挙げられ、この特許文献1には、単に車両の姿勢制御を実行するのみならず、例えば、アクセルペダルの踏込量が大きい場合や操舵角速度などが小さい場合には、ドライバによる車両制御に余裕があるとみなし、姿勢制御が実行されにくくする旨が開示されている。
特許3303435号公報
しかしながら、特許文献1においては、あくまでもドライバによる操作に応じてドライバの余裕度を推測しているが、実際には、個々のドライバがどの程度余裕を持って運転しているのかを推定することは困難である。この場合、車両の安定性を重視する設定にせざるを得ないが、係る場合、姿勢制御による車両安定性を確保する必要のない場面においても、姿勢制御が実行されるような場合がある。
そして、必要以上に姿勢制御が実行されると、各車輪のブレーキ装置が頻繁に作動するため、ブレーキ装置の磨耗部品の寿命の低下を招き、また、モータスポーツなど高い速度で走行することを必要とする場面においては、高速走行の妨げとなってしまうという課題が生じている。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、車両の実際の走行状態に応じて、車両に必要な走行安定性を確保することができる、車両の姿勢制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両の姿勢制御装置(請求項1)は、車両の実際の旋回状態を示す実旋回相関値を検出する実旋回相関値検出手段と、該車両の目標とする旋回状態を示す目標旋回相関値を求める目標旋回相関値取得手段と、該実旋回相関値検出手段により検出された該実旋回相関値と該目標旋回相関値取得手段により検出された該目標旋回相関値との差が開始条件値よりも大きくなると、該実旋回相関値検出手段により検出された該実旋回相関値が該目標旋回相関値取得手段によって取得された該目標旋回相関値に近づくように該車両の各車輪に対して制動力を調整する制御である姿勢制御を実行する姿勢制御手段とを備えて構成する車両の姿勢制御装置において、該車両の前後方向加速度に相関する値である加速相関値を検出する加速相関値検出手段と、該姿勢制御手段の作動を規制する旨の要求を検出する規制要求検出手段と、該開始条件値の補正を行う開始条件値補正手段と、該開始条件値補正手段の作動を許可する作動許可手段とを備え、該姿勢制御手段に対する作動規制要求を該規制要求検出手段が検出した場合にのみ該作動許可手段が該開始条件値補正手段の作動を許可し、該開始条件値は、該開始条件値補正手段の作動が許可されない場合は該加速相関値によらず一定の値が設定される一方、該開始条件値補正手段の作動が許可される場合は該加速相関値が増大するに連れて該開始条件値の絶対値が大きくなるように補正されることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の車両の姿勢制御装置は、請求項1記載の内容において、該車両の前後方向加速度を実測する前後加速度センサが設けられ、該加速相関値検出手段は、該前後加速度センサの測定結果を該加速相関値とすることを特徴としている。
本発明の車両の姿勢制御装置によれば、車両の実際の走行状態に応じて、車両に必要な走行安定性を確保することができるので、車両の各車輪に対する制動力を個別に制御する姿勢制御が、必要以上に実行されることを防ぐことができる。また、車両の加速性の低下をできる限り抑制することもできる
また、姿勢制御の実行を規制することが望まれているのか否かに応じて、姿勢制御の実行開始のトリガとなる開始条件値が変化するので、必要な場合に限って姿勢制御を的確に実行することができる。(請求項
また、車両の前後方向加速度を実測する前後加速度センサの測定結果を加速相関値とすることができるようになっているので、車両の実際の挙動に的確に対応して姿勢制御の実行制御を行なうことができる。(請求項
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る車両の姿勢制御装置について説明すると、図1はその全体構成を示す模式的なブロック図、図2は姿勢制御に用いられる制御マップを示す模式図、図3は開始条件値が変更された後の制御マップを示す模式図、図4は姿勢制御の内容を示すフローチャートである。
図1に示すように、車両10の前方(図1中左方)側には、エンジン11およびトランスミッション12が備えられ、このエンジン11によって生じたトルクがトランスミッション12およびドライブシャフト14L,14Rを介して左右前輪13L,13Rに対してそれぞれ伝達されるようになっている。また、このトランスミッション12には図示しないディファレンシャルギアボックスが内蔵され、車両10が旋回した場合に生じる左右前輪13L,13Rでの回転速度が吸収されるようになっている。
また、前輪13L,13Rおよび後輪15L,15Rの各車輪には、それぞれ、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rが設けられるとともに、これらのブレーキ装置16L,16R,17L,17Rによる各車輪13L,13R,15L,15Rに対する制動力をそれぞれ独立して制御する油圧制御ユニット19が設けられている。なお、この油圧制御ユニット19は後述するECU30からの指令を受けて作動するようになっている。
また、この車両10には、車両10のヨーレイトを検出し、このヨーレイトを示す信号をECU30に対して出力するヨーレイトセンサ21が設けられるとともに、車両10の前後方向の加速度を示す信号である前後G信号をECU30に対して出力する前後Gセンサ(前後加速度センサ)22が設けられている。
さらに、車両10のドライバによって操作されるステアリングホイール(図示略)の角度、即ち、舵角を検出する舵角センサ23が設けられるとともに、ブレーキペダルに対するドライバの踏力に応じて上昇するブレーキマスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ(油圧計測手段)24が設けられている。
また、各車輪13L,13R,15L,15Rのそれぞれには、車輪速度センサ25L,25R,26L,26Rが設けられ、各車輪13L,13R,15L,15Rの回転速度をそれぞれ検出できるようになっている。
また、この車両10には、ECU(電子制御ユニット;Electronic Controlled Unit)30が備えられており、このECU30は、いずれも図示しない、インターフェースユニット,CPU,メモリなど種々の機器が内蔵されて構成されている。そして、このECU30のメモリ内には、ソフトウェアプログラムとして、実ヨーレイト検出部(実ヨーレイト検出手段)31,目標ヨーレイト検出部(目標ヨーレイト検出手段)32,姿勢制御部(姿勢制御手段)33,前後加速検出部(加速相関値検出手段)34,開始条件値補正部(開始条件値補正手段)35および作動許可部(作動許可手段)36が内蔵されている。
さらに、このECU30のメモリには、姿勢制御部33の実行条件に関する制御マップであるオリジナルマップ37および補正後マップ38が記録されている。
これらのうち、実ヨーレイト検出部31は、ヨーレイトセンサ21によって検出されたヨーレイト(実ヨーレイト)を示す信号をヨーレイトセンサ21から読込み、車両10の実際の旋回状態を示す値である実旋回相関値として求めるものである。
また、目標ヨーレイト検出部32は、車輪速度センサ25L,25R,26L,26Rによって検出された各車輪13L,13R,15L,15Rの車輪速度と、舵角センサ23によって検出された舵角とに基づいて、ドライバが所望している方向に車両10が旋回するために必要なヨーレイト(目標ヨーレイト)を、車両10の目標とする旋回状態を示す目標旋回相関値として求めるものである。
また、この目標ヨーレイト検出部32は、実旋回相関値と目標旋回相関値とに基づいて、車両10にアンダーステア(「US」と記載する場合がある)が生じているのか、或いは、オーバステア(「OS」と記載する場合がある)が生じているのかを示すUS/OS指数を求めるようになっている。
なお、このUS/OS指数は車両10の旋回方向によって正負が逆転するようになっており、本実施形態においては、車両10の旋回方向とUS/OS指数とは以下のような関係(1)および(2)にあるものとする。
・関係(1)−右旋回時
US/OS指数が正: アンダーステア状態
US/OS指数が負: オーバステア状態
・関係(2)−左旋回時
US/OS指数が正: オーバステア状態
US/OS指数が負: アンダーステア状態
したがって、目標ヨーレイト検出部42は、舵角センサ23により検出された舵角により車両10が右旋回中であると判定し且つUS/OS指数が正(US/OS指数>0)となっている場合には、車両10はアンダーステア状態にあると判定し、車両10が右旋回中であると判定し且つUS/OS指数が負(US/OS指数<0)となっている場合には、車両10はオーバステア状態にあると判定するようになっている。
他方、この目標ヨーレイト検出部42は、舵角センサ23により検出された舵角により車両10が左旋回中であると判定し且つUS/OS指数が正(US/OS指数>0)となっている場合には、車両10はオーバステア状態にあると判定し、また、車両10が左旋回中であると判定し且つUS/OS指数が負(US/OS指数<0)となっている場合には、車両10はアンダーステア状態にあると判定するようになっている。
また、姿勢制御部33は、後述する開始条件値よりも、US/OS指数の絶対値が大きくなると、実ヨーレイト検出部31により求められた実旋回相関値が、目標ヨーレイト検出部32により検出された目標旋回相関値と一致するように車両10の各車輪13L,13R,15L,15Rに対する制動力を個別に制御する姿勢制御を実行するものである。なお、この各車輪13L,13R,15L,15Rに対する制動は、姿勢制御部33からの指示を受けた油圧制御ユニット19が行なうようになっている。
また、この姿勢制御部33が姿勢制御を実行する場合には、このECU30に内蔵されたエンジン制御部(図示略)により、エンジン11の出力も抑制されるが、この技術は既に公知のものであるので、ここではその説明を省略する。なお、後述する加速優先スイッチ27がオンである場合には、エンジン11の出力抑制は行なわれないようになっている。
また、前後加速検出部34は、前後Gセンサ22によって実測された車両10の前後方向加速度を示す前後G信号を前後Gセンサ22から読込み、車両10の前後方向の加減速に相関する値である加速相関値を求めるものである。
ここで、姿勢制御の開始条件値について、図2に示すオリジナルマップ37の詳細図を用いて説明する。このオリジナルマップ37の縦軸にはUS/OS指数が規定され、他方、横軸には車両10の実際の前後加速度(加速相関値)が規定されている。また、このオリジナルマップ37は、アンダーステア抑制領域37Aと、姿勢制御非作動領域37Bと、オーバステア抑制領域37Cとに区分されている。
そして、このオリジナルマップ37には、車両10の前後加速度に関わらず不変のUS/OS指数である「US0」としてのUS側閾値(開始条件値)TH-US0と、車両10の前後加速度に関わらず不変のUS/OS指数である「OS0」としてのOS側閾値(開始条件値)TH-OS0とが設定されている。
つまり、US/OS指数の絶対値がUS側閾値TH-US0の絶対値よりも大きくなり、US/OS指数および前後加速度によって規定される制御点がアンダーステア抑制領域37A内に位置することとなった場合、姿勢制御部33が作動を開始し、車両10に生じているアンダーステアを抑制するヨーモーメントを発生させる姿勢制御であるアンダーステア抑制制御を実行するようになっている。
また、US/OS指数の絶対値がOS側閾値TH-OS0の絶対値よりも大きくなり、US/OS指数および前後加速度によって規定される制御点がオーバステア抑制領域37C内に位置することとなった場合、姿勢制御部33が作動し、車両10に生じているオーバステアを抑制するヨーモーメントを発生させる姿勢制御であるオーバステア抑制制御を実行するようになっている。
また、US/OS指数の絶対値がUS側閾値TH-US0の絶対値以下であり且つOS側閾値TH-OS0の絶対値以下である場合、即ち、US/OS指数および前後加速度によって規定される制御点が姿勢制御非作動領域37B内に位置する場合、姿勢制御部33は作動しないようになっている。
また、開始条件値補正部35は、前後加速検出部34によって得られた加速相関値が増大するに連れて、上述した開始条件値を大きくなるように補正するものであって、より具体的には、後述する作動許可部36から作動許可を受けた場合のみ、補正後マップ38アクティブとすることで、姿勢制御部33が補正後マップ38を参照することを可能とし、オリジナルマップ37上に規定されていた開始条件値TH-US0,TH-OS0から、図3に示す補正後マップ38上に規定されている開始条件値TH-US1,TH-OS1に補正することができるようになっている。
この補正後マップ38について図3を用いて具体的に説明すると、図2に示すオリジナルマップ37と同様に、補正後マップ38の縦軸には車両10のUS/OS指数が規定され、他方、その横軸には車両10の前後加速度(加速相関値)が規定されている。
そして、この補正後マップ38には、オリジナルマップ37に規定されているUS側閾値TH-US0を補正することによって得られたUS側閾値TH-US1と、オリジナルマップ37に規定されているOS側閾値TH-OS0を補正することによって得られたOS側閾値TH-OS1とがそれぞれ開始条件値として設定されている。
この補正後のUS側閾値TH-US1の最大値はUS2であり、また、その最小値はUS1となるように設定されており、車両10の前後方向加速度が大きくなるほど徐々に最大値US2となるように設定され、車両10の前後方向加速度が小さくなるほど(即ち、車両前後方向の減速度が大きくなるほど)徐々に最小値US1となるように設定されている。
また、補正後のOS側閾値TH-OS1の最小値(即ち、OS側閾値TH-OS1の絶対値の最大値)はOS2であり、また、その最大値(即ち、OS側閾値TH-OS1の絶対値の最小値)はOS1となるように設定されており、車両10の前後方向加速度が大きくなるほど徐々に最小値OS2となるように設定され、車両10の前後方向加速度が小さくなるほど(即ち、車両の前後方向減速度が大きくなるほど)徐々に最大値OS1となるように設定されている。
また、作動許可部36は、加速優先スイッチ27がオンである場合にのみ開始条件値補正変更部35の作動を許可するものである。なお、この加速優先スイッチ(規制要求検出手段)27は、車両10のドライバによって操作されるスイッチであって図示しないインストルメントパネルに設けられ、ドライバが姿勢制御部33の作動を規制したい場合にオン状態にされ、逆にドライバが姿勢制御33を作動させたい場合にオフ状態にされるものである。
つまり、この加速優先スイッチ27がオンとなる場面とは、例えば、ドライバの運転技術が高く、当該ドライバが姿勢制御部33による車両10の姿勢制御を要していない場合や、モータスポーツにおいて車両10の安定性よりも加速性を優先したい場合などが想定される。
もっとも、ドライバが姿勢制御部33による姿勢制御を必要としていない場合であっても、車両10の安定性を最低限は確保する必要があるため、加速優先スイッチ27がオン状態になっていたとしても、完全に姿勢制御部33の作動を停止させるのではなく、姿勢制御が開始される条件が満たされにくく設定するようになっているのである。
本発明の一実施形態に係る車両の姿勢制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図4のフローチャートに示すように、まず、ステップS11において、ECU30の実ヨーレイト検出部31が、ヨーレイトセンサ21から信号を読込み、車両10の実際の旋回状態を示す実旋回相関値として取り扱われる実ヨーレイトを検出する。
その後、ステップS12において、目標ヨーレイト検出部32は、車輪速度センサ25L,25R,26L,26Rによって検出された各車輪13L,13R,15L,15Rの車輪速度と、舵角センサ23によって検出された舵角とに基づいて、車両10の目標とする旋回状態を示す目標旋回相関値として取り扱われる目標ヨーレイトを算出する。
さらに、ステップS13において、この目標ヨーレイト検出部32は、実旋回相関値と目標旋回相関値とに基づいてUS/OS指数を求める。このUS/OS指数は、上述したように、車両10がアンダーステア傾向にあるのか、或いは、オーバステア傾向にあるのかを示す値であって、その値が大きいほどアンダーステア傾向が強くなっていることを示すものである。
このとき、加速優先スイッチ27がオフ状態である場合には(ステップS14のNoルート)、作動許可部36が開始条件値補正変更部35の作動を禁止するため補正後マップ38はアクティブ状態とならず、このため、姿勢制御部33はオリジナルマップ37を参照する(ステップS15)。
そして、ステップS16において、目標ヨーレイト検出部32によって得られたUS/OS指数がUS側閾値TH-US0を上回っている場合には、姿勢制御部33がアンダーステア抑制のための姿勢制御を実行し、他方、US/OS指数がOS側閾値TH-OS0を下回っている場合には、オーバステア抑制のための姿勢制御を実行する。
一方、加速優先スイッチ27がオン状態である場合には(ステップS14のYesルート)、前後加速検出部34が、前後Gセンサ22によって計測された、車両10の前後方向加速度を示す前後G信号を読込み、車両10の前後方向の加減速に相関する値である加速相関値を求める。(ステップS17)
そして、ステップS18において、作動許可部36からその作動の許可を受けた開始条件値補正変更部35は、補正後マップ38をアクティブ状態にすることで、姿勢制御部33は、オリジナルマップ37ではなく、補正後マップ38を参照する。換言すれば、姿勢制御部33が参照する制御マップを、オリジナルマップ37から補正後マップ38への切換えることにより、開始条件値TH-US1,TH-OS1が、前後加速検出部34によって得られた加速相関値が増大するに連れて大きくなるように補正されるのである(ステップS18)。
そして、姿勢制御部33は、参照した補正後マップ38に基づいて姿勢制御を実行し(ステップS19およびS17)、より具体的には、目標ヨーレイト検出部32によって得られたUS/OS指数が補正後のUS側閾値TH-US1を上回っている場合にアンダーステア抑制のための姿勢制御を実行し、US/OS指数が補正後のOS側閾値TH-OS1を下回っている場合にオーバステア抑制のための姿勢制御を実行する。
ここで、もう少し具体的にオリジナルマップ37と補正後マップ38を用いて開始条件値の補正について説明する。
図2に示すように、前後加速度がa1であり且つUS/OS指数がUSAであり且つ加速優先スイッチ27がオフ状態である場合には、前後加速度a1,US/OS指数USAによって規定される制御点P1は、オリジナルマップ37上、非作動領域37B内に位置することとなり、姿勢制御部33は姿勢制御を実行しない。
他方、図3に示すように、前後加速度がa1であり且つUS/OS指数がUSAである場合、つまり、制御点P1点がなんら変化しない場合であったとしても、加速優先スイッチ27がオン状態である場合には、補正後マップ38上、この制御点P1はUS抑制領域38A内に位置することとなり、この場合、姿勢制御部33はアンダーステアを抑制するように姿勢制御を実行する。
このように、車両10の前後加速度が小さくなる、即ち、減速度が大きくなることによって失われた車両10の安定性を、姿勢制御の実行により補い、且つ、車両10に生じているアンダーステアを抑制することできる。
別の例を挙げて説明すると、図2に示すように、前後加速度がa1であり且つUS/OS指数がOSAであり且つ加速優先スイッチ27がオフ状態である場合には、前後加速度a1,US/OS指数OSAによって規定される制御点P2は、オリジナルマップ37上、非作動領域37B内に位置することとなり、姿勢制御部33は姿勢制御を実行しない。
他方、制御点P2が同じであっても、加速優先スイッチ27がオン状態である場合には、補正後マップ38上、この制御点P2は、OS抑制領域38C内に位置することとなり、姿勢制御部33がオーバステアを抑制するように姿勢制御を実行する。
このように、車両10の前後加速度が小さくなる、即ち、減速度が大きくなることによって失われた車両10の安定性を、姿勢制御の実行により補い、且つ、車両10に生じているオーバステアを抑制することできる。
さらに別の例を挙げて説明すると、図2に示すように、前後加速度がa2であり且つUS/OS指数がUSAであり且つ加速優先スイッチ27がオフ状態である場合、前後加速度a2,US/OS指数USAによって規定される制御点P3が、オリジナルマップ37上、US抑制領域37A内に位置することとなり、姿勢制御部33はアンダーステアを抑制するように姿勢制御を実行する。
他方、制御点P3が同じであっても、加速優先スイッチ27がオン状態である場合には、補正後マップ38上、この制御点P3は、非作動領域38B内に位置することとなり、姿勢制御部33は姿勢制御を実行しない。
つまり、前後加速度が増大していることにより、車両10の安定性は増加しているため、姿勢制御部33による姿勢制御の実行を停止することができ、これにより、車両10に必要な安定性を確保しながら、加速性能が低減することを防ぐことができる。また、各車輪13L,13R,15L,15Rのブレーキ装置16L,16R,17L,17Rが必要以上に作動することを防ぐことができるので、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rの磨耗部品の寿命を延ばすことができ、さらには、ブレーキ装置21L,21R,22L,22Rが作動する際に生じる熱量を低減することで、熱害の発生を抑制することもできる。
さらに別の例を挙げて説明すると、図2に示すように、前後加速度がa2であり且つUS/OS指数がOSAであり且つ加速優先スイッチ27がオフである場合には、前後加速度a2,US/OS指数OSAによって規定される制御点P4が、オリジナルマップ37上、OS抑制領域37C内に位置することとなり、姿勢制御部33はオーバステアを抑制するように姿勢制御を実行する。
他方、制御点P4が同じであっても、加速優先スイッチ27がオン状態である場合には、補正後マップ38上、この制御点P4は、非作動領域38C内に位置することとなり、姿勢制御部33は姿勢制御を実行しない。
これにより、加速性能が低減することを防ぐことができ、また、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rの磨耗部品の寿命を延ばすことができる。
このように、本発明の一実施形態に係る車両の姿勢制御装置によれば、車両10の実際の走行状態に応じて、車両10に必要な走行安定性を確保することができるので、車両10の各車輪13L,13R,15L,15Rに対する制動力を個別に制御する姿勢制御が、必要以上に実行されることを防ぐことができる。
また、姿勢制御の実行を規制することが望まれているのか否かに応じて、姿勢制御の実行開始のトリガとなる開始条件値が変化するので、必要な場合に限って姿勢制御を的確に実行することができる。
さらに、車両10の前後方向加速度を実測する前後Gセンサ22の測定結果に基づいて加速相関値を求めるようになっているので、車両10の実際の挙動に的確に対応して姿勢制御を実行させることができ、換言すれば、不要な姿勢制御の実行を廃することができる。
これにより、車両10の加速性能の低減を抑制し、また、各車輪13L,13R,15L,15Rのブレーキ装置16L,16R,17L,17Rの磨耗部品の寿命を延ばすこともできるとともに、ブレーキ装置16L,16R,17L,17Rが発熱することを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態において、図3に示して説明した補正後マップ38における補正後のUS側閾値TH-US1およびOS側閾値TH-OS1は、US/OS指数=0となる中心線C1を挟んで略対称となる特性を有するように設定されていたが、このような場合に限定するものではない。
例えば、図5に示すように、US/OS指数=0となる中心線C2を挟んで非対称となるようにUS側閾値TH-US2およびOS側閾値TH-OS2が設定された補正後マップ41を用いるようにしても良い。
つまり、図3に示す補正後マップ38におけるOS側閾値TH-OS1の最小値はOS2で、また、その最大値はOS1となるように設定されており、車両10の前後方向加速度が大きくなるほど徐々に最小US/OS指数のOS2となるように設定され、車両10の前後方向加速度が小さくなるほど(即ち、車両の前後方向減速度が大きくなるほど)徐々に最大US/OS指数のOS1となるように設定されている。
これに対して、図5に示す補正後マップ41におけるOS側閾値TH-OS2の最小値はOS3で、また、その最大値はOS1となるように設定されており、車両10の前後方向加速度が大きくなるほど徐々に最小US/OS指数のOS3となるように設定され、車両10の前後方向加速度が小さくなるほど(即ち、車両の前後方向減速度が大きくなるほど)徐々に最大US/OS指数のOS1となるように設定されているものの、US/OS指数であるOS1とOS3とは近似するようになっている。
そして、この図5に示す補正後マップ41がアクティブ状態である場合には、姿勢制御部33はこの補正後マップ41を参照して車両10の姿勢制御を実行することとなり、この姿勢制御部33は、前後加速度に関わらず略一定となるように設定されたOS側閾値TH-OS2よりもUS/OS指数が小さくなった場合に、オーバステアを抑制する姿勢制御を実行するようになっている。
つまり、この図5に示す補正後マップ41を用いた車両10の姿勢制御においては、前後加速度の変化に応じて、車両10に生じたアンダーステアを抑制するための姿勢制御の実行し易さが変化し、他方、前後加速度の増大に関わらず、車両10に生じたオーバステアを抑制するための姿勢制御の実行し易さは略一定とすることができるようになっている。
このように、開始条件値であるUS側閾値およびOS側閾値をそれぞれ独立して車両10の特性に応じて設定することにより、車両10の安定性を必要に応じて確保しながら、加速性を高めることができ、さらに、各車輪13L,13R,15L,15Rにおけるブレーキ装置16L,16R,17L,17Rの部品寿命を長くすることができ、熱害の発生を抑制することができる。
また、上述の実施形態においては、開始条件値補正部35が、補正後マップ38アクティブとすることで、姿勢制御部33が参照する制御マップをオリジナルマップ37から補正後マップ38に切り替え、この結果、開始条件値が大きくなるように補正される場合について説明したが、これに限定するものではない。例えば、制御マップを1つのみを備え、前後加速検出部34によって検出された加速相関値が増大するに連れて、この制御マップに規定された開始条件値そのものを可変とするようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、車両10が、いわゆるFF車である場合に着いて説明したが、このような場合に限定されるわけではなく、FR車,MR車,4WD車,RR車など、いずれの場合であっても良い。
本発明の一実施形態に係る車両の姿勢制御装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の一実施形態に係る車両の姿勢制御装置による姿勢制御に用いられる制御マップを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る車両の姿勢制御装置による姿勢制御に用いられる制御マップを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る車両の姿勢制御装置による姿勢制御の内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る車両の姿勢制御装置による姿勢制御に用いられる制御マップの変形例を示す模式図である。 一般的な車両の姿勢制御の作用を示す模式図であって、車両にオーバステアが生じている場合を示す。 一般的な車両の姿勢制御の作用を示す模式図であって、車両にアンダーステアが生じている場合を示す。
符号の説明
10 車両
22 前後加速度センサ
31 実ヨーレイト検出部(実旋回相関値検出手段)
32 目標ヨーレイト検出部(目標旋回相関値取得手段)
33 姿勢制御部(姿勢制御手段)
34 前後加速検出部(加速相関値検出手段)
35 開始条件補正部(開始条件値補正手段)
27 加速優先スイッチ(規制要求検出手段)
36 作動許可部(作動許可手段)
H-US1,TH-OS1,TH-US2,TH-OS2 開始条件値

Claims (2)

  1. 車両の実際の旋回状態を示す実旋回相関値を検出する実旋回相関値検出手段と、
    該車両の目標とする旋回状態を示す目標旋回相関値を求める目標旋回相関値取得手段と、
    実旋回相関値検出手段により検出された該実旋回相関値と該目標旋回相関値取得手段により検出された該目標旋回相関値との差が開始条件値よりも大きくなると、該実旋回相関値検出手段により検出された該実旋回相関値が該目標旋回相関値取得手段によって取得された該目標旋回相関値に近づくように該車両の各車輪に対して制動力を調整する制御である姿勢制御を実行する姿勢制御手段とを備えて構成する車両の姿勢制御装置において、
    該車両の前後方向加速度に相関する値である加速相関値を検出する加速相関値検出手段と、
    該姿勢制御手段の作動を規制する旨の要求を検出する規制要求検出手段と、
    該開始条件値の補正を行う開始条件値補正手段と、
    該開始条件値補正手段の作動を許可する作動許可手段とを備え、
    該姿勢制御手段に対する作動規制要求を該規制要求検出手段が検出した場合にのみ該作動許可手段が該開始条件値補正手段の作動を許可し、
    該開始条件値は、該開始条件値補正手段の作動が許可されない場合は該加速相関値によらず一定の値が設定される一方、該開始条件値補正手段の作動が許可される場合は該加速相関値が増大するに連れて該開始条件値の絶対値が大きくなるように補正される
    ことを特徴とする、車両の姿勢制御装置。
  2. 該車両の前後方向加速度を実測する前後加速度センサが設けられ、
    該加速相関値検出手段は、該前後加速度センサの測定結果を該加速相関値とする
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両の姿勢制御装置。
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