JP4493778B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に薄膜トランジスタで構成された能動回路を有する半導体装置およびその作製方法に関する。特に結晶質半導体層を用いた薄膜トランジスタを作製するのに好適に用いることができる。本発明は、薄膜トランジスタから成る集積回路をはじめ、アクティブマトリクス型表示装置やイメージセンサに代表される電気光学装置および電気光学装置を搭載した電子機器の作製に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
基板上にTFT(薄膜トランジスタ)を多数個配列させて、アクティブマトリクス型液晶表示装置に代表される半導体装置が開発されている。TFTで高移動度を実現するためには、その半導体層に結晶質半導体膜を用いることが好ましいと考えられている。TFTに利用される多結晶半導体の多くは、非晶質半導体膜をレーザーアニール法や熱アニール法で結晶化させて形成されるものであった。しかしながら、結晶化された結晶質半導体膜には多数の欠陥が内在してしまい、キャリアの移動度や寿命時間を著しく低下させる結果、TFTの電気的特性に悪影響を与えてしまった。
【0003】
このような結晶質半導体膜や層間絶縁膜に内在する欠陥をなくす方法として、水素化処理の方法は有効な手段として知られていた。水素化処理の方法には、プラズマ化させることによってできた水素で欠陥を中和するプラズマ水素化の方法や、水素雰囲気中で加熱処理を施す水素化の方法などがとられていた。これらの水素化の工程は適時TFTの作製工程の途中に組み込まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラズマを利用した水素化の方法では、効果的に水素を導入するために、結晶質半導体膜を直接プラズマに晒す結果、プラズマ中に同時に生成されるイオンの影響によって、結晶質半導体膜にダメージを与えてしまう問題点があった。このダメージを回復させるには、400〜600℃の熱処理が必要とされていたが、400℃以上に加熱すると結晶質半導体膜から水素が再放出されてしまう欠点を有していた。さらに、プラズマ水素化の方法では、その雰囲気中に窒素、酸素などの大気成分が残存しているとこれらの元素も同時にプラズマ化されて結晶質半導体膜を汚染してしまう懸念があった。
【0005】
また、ゲート電極の上層に形成した層間絶縁膜の表面側からプラズマ水素化処理を行ったとしても内在する欠陥はある程度中和することができるが、この方法で膜中へ導入される水素濃度は膜表面から内側に向かって減少する分布をもつので、その下層側にある結晶質半導体膜まで十分水素化することは困難であった。その他の方法として、水素雰囲気中で加熱処理をする方法は、水素化の効果を高めようとすると必然的に処理時間が長くかかってしまうといった問題点を有していた。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するものであり、結晶質半導体膜にダメージや汚染を与えることなく、効果的に水素化が施された高性能の半導体装置および半導体装置の作製方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置の作製方法は、基板上に所定の形状で形成された半導体層上に、水素を含有する第1の絶縁膜を形成する工程と、その後に水素雰囲気中、またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行うことに特徴を有している。第1の絶縁膜は、ゲート電極上に形成される層間絶縁膜であっても良く、この第1の絶縁膜を介して水素化を行うことで半導体層へのダメージや汚染の問題を回避することができる。そして、水素を含有する第1の絶縁膜に水素が供給される結果、第1の絶縁膜中の水素はその下層側にも拡散し半導体層の水素化が進行する。
【0008】
また、基板上に所定の形状で形成された半導体層上に、水素を含有する第1の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶縁膜に密接して第2の絶縁膜を形成し、その後に水素雰囲気中、またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行うことに特徴を有している。第2の絶縁膜の表面から供給された水素は第1の絶縁膜に拡散し、第1の絶縁膜中の水素はその下層側にも拡散し半導体層の水素化をすることができる。この場合、第1の絶縁膜を形成した後で、さらに水素またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行っておいても良い。
【0009】
また他の方法として、基板上に所定の形状で形成された半導体層上に、水素を含有する第1の絶縁膜を形成する工程と、その後に水素雰囲気中、またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行い、さらに第1の絶縁膜上に水素を含有する第3の絶縁膜を形成した後で、水素または窒素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を実施しても良い。第3の絶縁膜を窒酸化シリコン膜や、窒化シリコン膜などから成る緻密な膜で形成することにより、第1の絶縁膜から気相中へ離脱する水素を減らすことができ、半導体層の水素化をより確実に行うことができる。
【0010】
さらに望ましくは、基板上に所定の形状で形成された半導体層上に、水素を含有する第1の絶縁膜を形成する工程と、その後に水素雰囲気中、またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程と、第1の絶縁膜に密接して第2の絶縁膜を形成する工程と、その後に水素雰囲気中、またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行い、さらに第2の絶縁膜上に水素を含有する第3の絶縁膜を形成した後で、水素雰囲気中または窒素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を実施しても良い。このような構成にすることによって、水素雰囲気中、またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程で供給された水素は下層側に拡散し、半導体層の水素化を確実に行うことができる。
【0011】
第1の絶縁膜は、シラン、亜酸化窒素、アンモニア、から作製される窒酸化シリコン膜であることが望ましい。第2の絶縁膜は、シラン、亜酸化窒素、から作製される窒酸化シリコン膜であれば良い。また、第3の絶縁膜はシラン、亜酸化窒素、アンモニア、から作製される窒酸化シリコン膜、または、シラン、アンモニア、窒素、から作製される窒化シリコン膜であることが望ましい。このように作製される第1乃至第3の絶縁膜はいずれも膜中の炭素濃度が2×1019cm-3以下となる。
【0012】
従って、本発明の半導体装置の構成は、所定の形状に形成された半導体層上に、含有水素濃度が1atomic%以上30atomic%未満であり、かつ、含有窒素濃度が10atomic%以上25atomic%未満である窒酸化シリコン膜から成る第1の絶縁膜と、その第1の絶縁膜に接し、含有水素濃度が1atomic%以上30atomic%未満であり、かつ、含有窒素濃度が10atomic%以上25atomic%未満である窒酸化シリコン膜、または含有水素濃度が1atomic%以上30atomic%未満である窒化シリコン膜、から成る第3の絶縁膜とを有することを特徴としている。
【0013】
また、所定の形状に形成された半導体層上に、水素を1atomic%以上30atomic%未満含み、かつ含有窒素濃度が10atomic%以上25atomic%未満である窒酸化シリコン膜から成る第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜に接した、含有窒素濃度が10atomic%未満である窒酸化シリコン膜から成る第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜に接した、含有水素濃度が1atomic%以上30atomic%未満含み、かつ含有窒素濃度が10atomic%以上25atomic%未満である窒酸化シリコン膜、または含有水素濃度が1atomic%以上30atomic%未満含む窒化シリコン膜、から成る第3の絶縁膜とを有する構成としても良い。
【0014】
また、他の発明の構成は、所定の形状に形成された半導体層に接して形成されたゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜上の所定の位置に形成されたゲート電極と、を有する半導体装置において、ゲート絶縁膜とゲート電極に接して形成され、水素を1atomic%以上30atomic%未満含み、かつ含有窒素濃度が10atomic%以上25atomic%未満である窒酸化シリコン膜から成る第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜に接した、含有水素濃度が1atomic%以上30atomic%未満含み、かつ含有窒素濃度が10atomic%以上25atomic%未満である窒酸化シリコン膜、または含有水素濃度が1atomic%以上30atomic%未満含む窒化シリコン膜、から成る第3の絶縁膜とを有することを特徴としている。
【0015】
また、所定の形状に形成された半導体層に接して形成されたゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜上の所定の位置に形成されたゲート電極と、を有する半導体装置において、ゲート絶縁膜とゲート電極に接して形成され、水素を1atomic%以上30atomic%未満含み、かつ含有窒素濃度が10atomic%以上25atomic%未満である窒酸化シリコン膜から成る第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜に接した、含有窒素濃度が10atomic%未満である窒酸化シリコン膜から成る第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜に接した、含有水素濃度が1atomic%以上30atomic%未満含み、かつ含有窒素濃度が10atomic%以上25atomic%未満である窒酸化シリコン膜、または含有水素濃度が1atomic%以上30atomic%未満含む窒化シリコン膜、から成る第3の絶縁膜とを有する構成としても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図9を用いて説明する。図9(A)において基板901上に半導体層の下地膜902,903が窒酸化シリコン膜で形成されている。さらに所定の形状に形成された半導体層904が形成されている。半導体層には、非晶質半導体膜をレーザー結晶化法や熱結晶化法や、あるいは触媒元素を用いた結晶化法で作製される結晶質半導体膜が適用される。さらに、半導体層に密接してゲート絶縁膜905が形成され、ゲート絶縁膜上の所定の位置にゲート電極906が設けられる。
【0017】
そして、ゲート絶縁膜905とゲート電極906を覆って第1の絶縁膜を窒酸化シリコン膜907で形成する。この窒酸化シリコン膜は、例えば、プラズマCVD法でシラン(SiH4)、亜酸化窒素(N2O)、アンモニア(NH3)を原料として厚さ0.1〜0.5μmの厚さに作製する。このように作製された窒酸化シリコン膜には作製時の基板温度にもよるが、水素が1〜30atomic%含まれ、また窒素は10〜25atomic%程度含まれている。(図9(B))
【0018】
その後1回目の水素化の工程を行うことが望ましい。水素化は、水素またはプラズマ化されることによって生成された水素を含む雰囲気中で水素化を行う。例えば、水素を含む雰囲気中で300〜550℃、好ましくは350〜450℃で1〜12時間処理すれば良い。または、水素、アンモニアなど非堆積性のガスで、圧力を1〜500Pa、基板温度を200〜500℃、好ましくは300〜450℃で5〜120分程度処理しても良い。ここで実施される1回目の水素化の工程は省略することも可能である。
【0019】
そして、第1の絶縁膜907に密接して第2の絶縁膜908を窒酸化シリコン膜で100〜500nmの厚さに形成する。この窒酸化シリコン膜はSiH4、N2Oから作製すれば良い(図9(C))。その後、第3の絶縁膜909を形成する。第3の絶縁膜は、プラズマCVD法を用いた窒酸化シリコン膜または窒化シリコン膜で作製されるもので、緻密な膜とするのが望ましい。また、第3の絶縁膜を形成するのに先立って、2回目の水素化の工程として、水素やアンモニアを導入したプラズマ水素処理を行っても良い。プラズマ水素化処理によって第2の絶縁膜中に水素が導入される。この工程はガス種を適宣選択するだけで第3の絶縁膜を形成する工程と連続して実施することができる。第3の絶縁膜の形成後に行われる3回目の水素化の工程は、水素または窒素を含む雰囲気中で300〜550℃、1〜12時間の加熱処理により行うことが望ましい。(図9(D))
【0020】
窒酸化シリコン膜や窒化シリコン膜中には水素が1〜30atomic%程度含まれている。膜中に含まれる水素はSi−H結合やN−H結合を形成しており、この様子はFT−IRで観測することができる。この水素は300℃以上の熱処理で膜の外に放出させることができる。図10は、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3を原料として300〜400℃の基板温度で作製された窒酸化シリコン膜を500℃で熱処理したときの水素結合の変化を示す。水素結合の変化は熱処理前後で主にSi−H結合を形成する水素が減少している。その水素の変化量は10〜30%程度であると見積もることができる。おそらくこれは弱い結合の水素から順に結合が切れて放出されていくものと考えられる。
【0021】
従って、図9(A)〜(D)の工程において、第1の絶縁膜、第2の絶縁膜、および第3の絶縁膜中に含まれる水素や、水素化処理によって新たに導入された水素は、300℃以上の加熱処理によってその領域から容易に移動させることができ、その水素の一部は半導体層に達して欠陥を中和させることができる。このとき、最上層となる第3の絶縁膜は窒酸化シリコン膜や窒化シリコン膜などから成る緻密な膜で形成しておくと良い。このような構成とすることで加熱処理によって水素が膜の外の気相中に放出させることが抑えられ、半導体層の水素化をさらに効果的に行うことができる。
【0022】
図15は本発明の他の実施形態を示す。基板1501上に下地膜1502、1503、半導体層1504、ゲート絶縁膜1505が形成され、その上に第1の絶縁膜1507と第3の絶縁膜1508が形成されている。第1の絶縁膜1507は水素含有量が1〜30atomic%の窒酸化シリコン膜であり、第3の絶縁膜1508は、プラズマCVD法を用いた窒酸化シリコン膜または窒化シリコン膜で作製される緻密な膜とするのが望ましい。また、第3の絶縁膜を形成するのに先立って水素やアンモニアを導入したプラズマ水素処理を行っても良い。プラズマ水素化処理によって第1の絶縁膜中に水素が導入される。その後、水素または窒素を含む雰囲気中で300〜550℃、1〜12時間の加熱処理により行うことにより半導体層への水素化を実現することができる。
【0023】
以上のように、本発明の実施形態によれば水素化の工程および加熱処理の工程によって、第3の絶縁膜から第2の絶縁膜へ、第2の絶縁膜から第1の絶縁膜へ、そして第1の絶縁膜から半導体層へと水素が拡散して半導体層の水素化を効果的に実現させることができる。
【0024】
【実施例】
[実施例1]
本発明の一実施例をCMOS回路の基本構成であるインバータ回路を例にとり、図1と図2を用いて詳細に説明する。図1(A)において、絶縁表面を有する基板101上に下地膜102、103が形成されている。下地膜102は含有窒素濃度が25atomic%以上、50atomic%未満の窒素リッチな窒酸化シリコン膜であり、その厚さを20〜100nm、代表的には50nmに形成すれば良い。下地膜103は含有窒素濃度が5atomic%以上、25atomic%未満の窒酸化シリコン膜であり、その厚さを50〜500nm、代表的には150〜200nmに形成すれば良い。この上に第1の島状半導体膜105と、第2の島状半導体膜104、およびゲート絶縁膜106を形成した。島状半導体膜は、非晶質半導体膜をレーザー結晶化や熱結晶化などの方法で作製された結晶質半導体膜を公知の技術で島状に分離形成したものである。ここでは、触媒元素を用いた結晶化の方法により、非晶質半導体膜から結晶質半導体膜を形成した。ここで適用できる半導体材料は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、またシリコンゲルマニウム合金、炭化シリコンがあり、その他にガリウム砒素などの化合物半導体材料を用いることもできる。半導体膜は10〜100nm、代表的には50nmの厚さで形成すれば良い。(図1(A))
【0025】
プラズマCVD法で作製される非晶質半導体膜には10〜40atomic%の割合で膜中に水素が含まれていて膜中の欠陥を中和させているが、結晶化の工程に伴ってこの水素の大部分は放出されてしまう。その結果、結晶粒中の欠陥は減少するものの結晶粒界には多数の欠陥が残存したままとなる。
【0026】
そして、第2の島状半導体膜104と、第1の島状半導体膜105のチャネル形成領域をレジストマスク107と108とを形成した。このとき、配線を形成する領域にもレジストマスク109を形成しておいても良い。そして、n型を付与する不純物元素を添加して不純物領域110、111を形成する工程を行った。ここでは、フォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法でリン(P)を添加した。不純物領域110、111に添加されるリンの濃度は、1×1016〜1×1019atoms/cm3の範囲にするのが好ましく、ここでは1×1018atoms/cm3とした。この領域の一部は、LDD領域として機能するものであった。(図1(B))
【0027】
そして、ゲート絶縁膜106の表面に5〜20nmの厚さのSi膜112、100〜200nmの厚さのWN(窒化タングステン)膜113、厚さ100〜200nmのW膜114を全面に形成した。これらの膜の形成方法に特別な限定方法はないが、例えばスパッタ法で形成すれば良い。Si膜112はWN膜113の下地との密着性を高めるために形成され、WN膜113はSi膜112とW膜114が反応し合金化するのを防ぐことができる。さらにWN膜113によってW膜114の結晶粒形を大きくし抵抗を下げるのに寄与することができる。(図1(C))
【0028】
次に、レジストマスク115〜118を形成した。レジストマスク115は、pチャネル型TFTのゲート電極を形成するためのものであり、レジストマスク117、118は、ゲート配線およびゲートバスラインやその周辺に設けられる引き回し配線を形成するためのものである。また、レジストマスク116は第1の島状半導体膜105の全面を覆って形成され、次の工程において、不純物が添加されるのを阻止するマスクとするために設けられた。そして、これらのレジストマスクを用いてドライエッチングを行い、第2のゲート電極119と、ゲート配線121と、引き回し配線122が形成された。これらのゲート電極および配線は先に成膜されたSi膜、WN膜、W膜が一体となつて形成される。エッチングは塩素系およびフッ素系のどちらのガスを用いても良く、エッチング後残渣が残る場合には、アッシング処理すると良かった。そして、レジストマスク115〜118をそのまま残して、pチャネル型TFTが形成される第2の島状半導体膜104の一部に、p型を付与する不純物元素を添加して不純物領域123、124を形成した。ここではボロンをその不純物元素として、ジボラン(B2H6)を用いてイオンドープ法で添加した。ボロンの添加濃度は2×1020atoms/cm3とした。そして、図1(D)に示すようにボロンが高濃度に添加された不純物領域123、124が形成された。
【0029】
次に、レジストマスク125〜127を形成してnチャネル型TFTの第1のゲート電極128を形成した。このとき第1のゲート電極128は、不純物領域110、111の一部とゲート絶縁膜を介して重なるように形成された。(図1(E))
【0030】
そしてレジストマスク129〜131を形成した。このレジストマスクを用い、ゲート絶縁膜106の一部をドライエッチングで除去して、島状半導体層104、105の一部を露出させた。レジストマスク130は第1のゲート電極128を覆って、さらに不純物領域110、111の一部と重なる形で形成した。この部分はLDD領域のオフセット量を決めるものであった。そして、n型を付与する不純物元素を添加して、nチャネル型TFTにおいてソース領域となる不純物領域138とドレイン領域となる不純物領域137が形成された。この領域のリンの濃度は1×1019〜1×1021atoms/cm3とするのが好ましく、ここでは1×1020atoms/cm3とした。また、同じ濃度でpチャネル型TFTを形成する第2の半導体層104の一部にもリンが添加された領域135、136が形成された。(図2(A))
【0031】
そして、ゲート絶縁膜106、第1および第2のゲート電極128、119、ゲート配線121、引き回し配線122の表面に第1の絶縁膜139をプラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3を用いて窒酸化シリコン膜で形成した。作製条件に何ら限定を受けるものはないが、成膜時の基板温度は200〜400℃として100〜500nmの厚さに形成した。いずれにしても、膜中水素濃度を1〜30atomic%、含有窒素量が10〜25atomic%となるようにするのが望ましい。ここではTEOSなどのガスを使用しないので膜中の炭素濃度は2次イオン質量分析法(SIMS)で測定してもその濃度は2×1019cm-3以下であった。
【0032】
そして、それぞれの濃度で添加されたn型またはp型を付与する不純物元素を活性化する工程を行った。この工程は、電気加熱炉を用いた熱アニール法や、前述のエキシマレーザーを用いたレーザーアニール法や、ハロゲンランプを用いたラピットサーマルアニール法(RTA法)で行えば良い。ここでは熱アニール法で活性化を行った。加熱処理は、窒素雰囲気中において300〜600℃、好ましくは450〜550℃、ここでは550℃、2時間の処理を行った。島状半導体層104、105中には結晶化の工程で用いた触媒元素が残存していたが、この熱処理工程で同時に、リンが添加された領域135〜138に偏析させ、チャネル形成領域からゲッタリングすることができた。
【0033】
しかしながら、550℃で熱処理を行なうと島状半導体層104、105や第1の絶縁膜139中の水素の一部は気相中に放出されてしまうので、ここで1回目の水素化の工程を行なうことが好ましい。この工程は、例えば、3〜100%の水素雰囲気中で300〜550℃、好ましくは350〜450℃の熱処理を1〜12時間行なえば良い。または、プラズマ化された水素を含む雰囲気中で200〜500℃の温度で5〜120分の処理を行なっても良い。第1の絶縁膜に供給された水素は拡散し、その一部は半導体層にも達するので水素化がここで実現される。(図2(B))
【0034】
そして、第2の絶縁膜140をプラズマCVD法でSiH4、N2Oを原料として基板温度200〜400℃で形成した。第1の絶縁膜139と第2の絶縁膜140はその後、所定のレジストマスクを形成して、エッチング処理によりそれぞれのTFTのソース領域と、ドレイン領域に達するコンタクトホールが形成した。そして、ソース電極141、142とドレイン電極143を形成した。図示していないが、本実施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含むAl膜300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成した3層構造の電極として用いた。
【0035】
さらに、第3の絶縁膜144を形成する工程を行なった。第3の絶縁膜は、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から形成される窒酸化シリコン膜、またはSiH4、N2、NH3から作製される窒化シリコン膜である。まず、膜の形成に先立ってN2O、N2、NH3等を導入してプラズマ水素化処理を実施した。ここでプラズマ化されることにより気相中で生成された水素は第2の絶縁膜中にも供給され、基板を200〜500℃に加熱しておけば、水素を第1の絶縁膜やさらにその下層側にも拡散させることができ、2回目の水素化の工程とすることができた。第3の絶縁膜の作製条件は特に限定されるものではないが、緻密な膜とすることが望ましい。最後に3回目の水素化の工程を水素または窒素を含む雰囲気中で300〜550℃の加熱処理を1〜12時間の加熱処理により行うことにより行なった。このとき水素は、第3の絶縁膜から第2の絶縁膜へ、第2の絶縁膜から第1の絶縁膜へ、そして第1の絶縁膜から半導体層へと水素が拡散して半導体層の水素化を効果的に実現させることができる。水素は膜中から気相中へも放出されるが、第3の絶縁膜を緻密な膜で形成しておけばある程度それを防止できたし、雰囲気中に水素を供給しておけばそれを補うこともできた。
【0036】
以上のような工程を経て、pチャネル型TFTは自己整合的(セルフアライン)に形成され、nチャネル型TFTは非自己整合的(ノンセルフアライン)に形成された。そして、CMOS回路のnチャネル型TFTにはチャネル形成領域150と、第1の不純物領域151、154と、第2の不純物領域152、153とが形成された。ここで、第2の不純物領域は、ゲート電極と重なる領域(GOLD領域)152a、153aと、ゲート電極と重ならない領域(LDD領域)152b、153bがそれぞれ形成された。そして、第1の不純物領域151はソース領域として、第1の不純物領域154はドレイン領域となった。一方、pチャネル型TFTは、チャネル形成領域145と、第3の不純物領域146〜149が形成された。第3の不純物領域のうち、チャネル形成領域と接する領域147、148にはボロンのみが添加されており、その外側の領域146、149にはボロンとリンが添加されている領域が形成されている。しかしこの領域のリン濃度はボロンの半分程度となっているので実質的にはp型である。そして、第3の不純物領域146、147はソース領域として、第3の不純物領域148、149はドレイン領域となった。(図2(C))
【0037】
また、図2(D)はインバータ回路の上面図を示し、TFT部分のA−A' 断面構造、ゲート配線部分のB−B' 断面構造,ゲートバスライン部分のC−C' 断面構造は、図2(C)と対応している。本発明において、ゲート電極とゲート配線とゲートバスラインとは、第1の導電層から形成されている。図1と図2では、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとを相補的組み合わせて成るCMOS回路を例にして示したが、nチャネル型TFTを用いたNMOS回路や、液晶表示装置の画素部、EL型表示装置、イメージセンサの読み取り回路などにも本願発明を適用することもできる。
【0038】
[実施例2]
本実施例では本発明の構成を図3〜図5を用い、画素部とその周辺に設けられる駆動回路の基本形態であるCMOS回路を同時に形成したアクティブマトリクス基板の作製方法について説明する。最初に、基板301上に第1の絶縁層として、窒素リッチな窒酸化シリコン膜302aを50〜500nm、代表的には100nmの厚さに形成し、さらに窒酸化シリコン膜302bを100〜500nm、代表的には200nmの厚さに形成した。窒素リッチな窒酸化シリコン膜302aは、含有する窒素濃度を25atomic%以上50atomic%未満となるようにした。窒酸化シリコン膜302bは、SiH4とN2OとNH3から作製されたものであった。さらに島状の結晶質半導体膜303、304、305と、ゲート絶縁膜306を形成した。島状の結晶質半導体膜は、非晶質半導体膜から触媒元素を使用した結晶化の方法で結晶質半導体膜を形成し、これを島状に分離加工したものであった。ゲート絶縁膜306は、SiH4とN2Oとから作製される窒酸化シリコン膜であり、ここでは10〜200nm、好ましくは50〜150nmの厚さで形成した。(図3(A))
【0039】
次に、島状半導体膜303と、島状半導体膜304、305のチャネル形成領域を覆うレジストマスク307〜311を形成した。このとき、配線を形成する領域にもレジストマスク309を形成しておいても良い。そして、n型を付与する不純物元素を添加して不純物領域312〜316を形成した。フォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法でリン(P)を添加した。この工程では、ゲート絶縁膜306を通してその下の島状半導体膜にリンを添加するために、加速電圧は65keVに設定した。島状半導体に添加されるリンの濃度は、1×1016〜1×1019atoms/cm3の範囲にするのが好ましく、ここでは1×1018atoms/cm3とした。そして、リンが添加された不純物領域312〜316が形成された。この領域の一部は、LDD領域として機能する不純物領域とされるものである。(図3(B))
【0040】
その後、レジストマスクを除去して、ゲート電極を形成するために窒化タンタル(TaN)膜317を10〜50nmの厚さに、さらにタンタル(Ta)膜318を100〜300nmの厚さにスパッタ法で形成した。ここではTaをスパッタ法で、ArとXeの混合ガスを用い形成した。(図3(C))
【0041】
次に、レジストマスク319〜324を形成し、pチャネル型TFTのゲート電極と、CMOS回路および画素部のゲート配線、ゲートバスラインを形成した。TaN膜317とTa膜318はドライエッチング法により不要な部分を除去した。TaN膜とTa膜のエッチングはCF4とO2の混合ガスにより行われた。そして、pチャネル型TFTのゲート電極325と、ゲート配線327と、引き回し配線328、329が形成された。そして、レジストマスク319〜324をそのまま残して、pチャネル型TFTが形成される島状半導体膜303の一部に、p型を付与する不純物元素を添加する工程を行った。ここではボロンをその不純物元素として、ジボラン(B2H6)を用いてイオンドープ法で添加した。この領域のボロン濃度は2×1020atoms/cm3とした。そして、図4(A)に示すようにボロンが高濃度に添加された不純物領域331、332が形成された。
【0042】
図4(A)で設けられたレジストマスクを除去した後、新たにレジストマスク333〜339を形成した。これはnチャネル型TFTのゲート電極を形成するためのものであり、ドライエッチング法によりゲート電極340〜342が形成された。このときゲート電極340〜342は不純物領域312〜316の一部と重なるように形成された。また、画素TFTが形成される半導体層305の領域には同時に保持容量電極343が形成された。(図4(B))
【0043】
そして、新たなレジストマスク344〜350を形成した。レジストマスク345、348、349はnチャネル型TFTのゲート電極340〜342と、第2の不純物領域の一部を覆う形で形成されるものであり、LDD領域のオフセット量を決めるものであった。そして、n型を付与する不純物元素を添加してソース領域となる不純物領域354、355とドレイン領域となる不純物領域353、356、357が形成された。また、pチャネル型TFTが形成される島状半導体層303の一部にもリンが添加された不純物領域351、352を形成した。しかしこの領域のリン濃度はボロン濃度の約1/2であり導電型はp型のままであった。この工程では、レジストマスク344〜350を用い、ゲート絶縁膜の一部をエッチング除去して半導体層の表面を露出させて不純物添加を行なった。(図4(C))
【0044】
図4(C)までの工程が終了したら、第1の絶縁膜358をプラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3を原料とした窒酸化シリコン膜で形成した。この窒酸化シリコン膜中の含有水素濃度は1〜30atomic%となるように形成することが望ましい。その後、この状態で窒素雰囲気中で400〜800℃、1〜24時間、例えば525℃で8時間の加熱処理を行った。この工程により添加されたn型及びp型を付与する不純物元素を活性化させることができた。さらに、リンが添加された領域351〜357がゲッタリングサイトとなり、結晶化の工程で残存していた触媒元素をこの領域に偏析させることができた。その結果、少なくともチャネル形成領域から触媒元素を除去するこができた。
【0045】
この熱処理の後に、1回目の水素化の工程を行なった。こでは3〜100%の水素雰囲気中で300〜500℃、好ましくは350〜450℃で2〜12時間の水素化処理の工程を行うと良い。または、200〜500℃、好ましくは300〜450℃の基板温度でプラズマ化させることによってできた水素で水素化処理をしても良い。いずれにしてもこの処理によって第1の絶縁膜に供給された水素は拡散し、その一部で半導体層の水素化を行なうことができた。(図5(A))
【0046】
そして第2の絶縁膜359をプラズマCVD法でSiH4、N2Oを原料として基板温度200〜400℃で形成した。第1の絶縁膜358と第2の絶縁膜359はその後、所定のレジストマスクを形成して、エッチング処理によりそれぞれのTFTのソース領域と、ドレイン領域に達するコンタクトホールを形成した。そして、ソース電極360、363とドレイン電極362、364を形成した。図示していないが、本実施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含むAl膜300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成した3層構造の電極として用いた。
【0047】
そしてこの上から、第3の絶縁膜365を形成した。第3の絶縁膜はプラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から形成される窒酸化シリコン膜、またはSiH4、N2、NH3から作製される窒化シリコン膜で形成すれば良い。まず、膜の形成に先立ってN2O、N2、NH3等を導入してプラズマ水素化処理により2回目の水素化の工程を行なった。プラズマ化されることにより気相中で生成された水素は第2の絶縁膜中にも供給され、基板を200〜400℃に加熱しておけば、水素を第1の絶縁膜やさらにその下層側にも拡散させることがでた。第3の絶縁膜の作製条件は特に限定されるものではないが、緻密な膜とすることが望ましい。最後に3回目の水素化の工程を水素または窒素を含む雰囲気中で300〜550℃の加熱処理を1〜12時間の加熱処理により行うことにより行なった。このとき水素は、第3の絶縁膜から第2の絶縁膜へ、第2の絶縁膜から第1の絶縁膜へ、そして第1の絶縁膜から半導体層へと水素が拡散して半導体層の水素化を効果的に実現させることができる。水素は膜中から気相中へも放出されるが、第3の絶縁膜を緻密な膜で形成しておけばある程度それを防止できたし、雰囲気中に水素を供給しておけばそれを補うこともできた。
【0048】
以上のような工程を経て、pチャネル型TFTは自己整合的(セルフアライン)に形成され、nチャネル型TFTは非自己整合的(ノンセルフアライン)に形成された。そして、CMOS回路のnチャネル型TFTにはチャネル形成領域371、第1の不純物領域373、374、第2の不純物領域372、373が形成された。ここで、第2の不純物領域は、ゲート電極と重なる領域(GOLD領域)372aとゲート電極と重ならない領域(LDD領域)372bが形成された。そして、第1の不純物領域373はソース領域として、第1の不純物領域374はドレイン領域となった。またpチャネル型TFTは、チャネル形成領域368、第3の不純物領域369、370が形成された。そして、第3の不純物領域369はソース領域として、第3の不純物領域370はドレイン領域となった。また、画素部のnチャネル型TFTはマルチゲート構造であり、チャネル形成領域374、375と第1の不純物領域377、378と第2の不純物領域376が形成された。ここで第2の不純物領域は、ゲート電極と重なる領域376aと重ならない領域376bとが形成された。また、画素部のnチャネル型TFTのドレイン側には、第2の不純物領域と同じ濃度でn型を付与する不純物元素が添加された、低濃度不純物領域379、ゲート絶縁膜306、保持容量電極343とが形成され、画素部に設けられる保持容量が同時に形成された。
【0049】
さらに第3の絶縁膜上に有機樹脂からなる層間絶縁膜366を約1000nmの厚さに形成した。有機樹脂膜としては、BCB、ポリイミド、アクリル、ポリイミドアミド等を使用することができる。有機樹脂膜を用いることの利点は、成膜方法が簡単である点や、比誘電率が低いので、寄生容量を低減できる点、平坦性に優れる点などが上げられる。なお上述した以外の有機樹脂膜を用いることもできる。ここでは、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用い、300℃で焼成して形成した。そして層間絶縁膜366にドレイン電極364に達するコンタクトホールを形成し、画素電極367を形成した。画素電極367は、透過型液晶表示装置とする場合には透明導電膜を用い、反射型の液晶表示装置とする場合には金属膜を用いれば良い。ここでは透過型の液晶表示装置とするために、酸化インジウム・スズ(ITO)膜を100nmの厚さにスパッタ法で形成した。こうして図5(B)に示すように、基板301上にCMOS回路と、画素部が形成されたアクティブマトリクス基板を作製することができた。
【0050】
[実施例3]
本実施例では、実施例2で作製されたアクティブマトリクス基板から、アクティブマトリクス型液晶表示装置を作製した例を図6用いて説明する。まず図5(B)の状態の基板に対し、配向膜401を形成した。通常液晶表示素子の配向膜にはポリイミド樹脂が多く用いられている。対向側の基板402には、透明導電膜403と、配向膜404とを形成した。配向膜は形成された後ラビング処理を施して液晶分子がある一定のプレチルト角を持って平行配向するようにした。上記の工程を経て、画素部と、CMOS回路が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とを、公知のセル組み工程によってシール材やスペーサ(共に図示せず)などを介して貼りあわせる。その後、両基板の間に液晶材料405を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止した。よって図6に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成した。
【0051】
次に本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示装置の構成を、図7と図8を用いて説明する。図7は本実施例のアクティブマトリクス基板の斜視図である。アクティブマトリクス基板は、ガラス基板301上に形成された、画素部701と、走査(ゲート)線駆動回路702と、信号(ソース)線駆動回路703で構成される。画素部の画素TFT700はnチャネル型TFTであり、周辺に設けられる駆動回路はCMOS回路を基本として構成されている。走査(ゲート)線駆動回路702と、信号(ソース)線駆動回路703はそれぞれゲート配線803とソース配線804で画素部701に接続されている。
【0052】
図8(A)は画素部701の上面図であり、ほぼ1画素の上面図である。画素部にはnチャネル型TFTが設けられている。ゲート配線803に連続して形成されるゲート電極803は、図示されていないゲート絶縁膜を介してその下の半導体層801と交差している。図示はしていないが、半導体層には、ソース領域、ドレイン領域、第1の不純物領域が形成されている。また、画素TFTのドレイン側には、半導体層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と同じ材料で形成された電極とから、保持容量807が形成されている。また、図8で示すA-A'に沿った断面構造は、図6に示す画素部の断面図に対応している。一方、図8(B)に示すCMOS回路では、ゲート配線328から延在するゲート電極325、340が図示されていないゲート絶縁膜を介してその下の半導体層303、304とそれぞれ交差している。図示はしていないが、同様にnチャネル型TFTの半導体層には、ソース領域、ドレイン領域、LDD領域が形成されている。また、pチャネル型TFTの半導体層にはソース領域とドレイン領域が形成されている。そして、その位置関係は、B―B‘に沿った断面構造は、図6に示す画素部の断面図に対応している。
【0053】
本実施例では、画素TFT700をダブルゲートの構造としているが、シングルゲートの構造でも良いし、トリプルゲートとしたマルチゲート構造にしても構わない。本実施例のアクティブマトリクス基板の構造は、本実施例の構造に限定されるものではない。本願発明の構造は、ゲート電極の構造と、ゲート絶縁膜を介して設けられた半導体層のソース領域と、ドレイン領域と、その他の不純物領域の構成に特徴があるので、それ以外の構成については実施者が適宣決定すれば良い。
【0054】
[実施例4]
図11〜図13を用いて本実施例を説明する。まず、基板601としてガラス基板、例えばコーニング社の#1737基板を用意した。そして、基板601上にゲート電極602を形成した。ここでは、スパッタ法を用いて、タンタル(Ta)膜を200nmの厚さに形成した。また、ゲート電極602を、窒化タンタル膜(膜厚50nm)とTa膜(膜厚250nm)の2層構造としても良い。Ta膜はスパッタ法でArガスを用い、Taをターゲットとして形成されるが、ArガスにXeガスを加えた混合ガスでスパッタすると内部応力の絶対値を2×109dyn/cm2以下にすることができた。(図11(A))
【0055】
そして、ゲート絶縁膜603、非晶質半導体層604を順次大気開放しないで連続形成した。ゲート絶縁膜は窒素リッチな窒酸化シリコン膜603a(膜厚50nm)と窒酸化シリコン膜(膜厚125nm)で形成した。窒素リッチな窒酸化シリコン膜603aはSiH4、N2O、NH3の混合ガスよりプラズマCVD法で作製された。また、非晶質半導体層604もプラズマCVD法を用い、20〜100nm、好ましくは40〜75nmの厚さに形成した。(図11(B))
【0056】
そして、450〜550℃で1時間の加熱処理を行った。この加熱処理によりゲート絶縁膜603と非晶質半導体層604とから水素が放出された。その後、非晶質半導体層604に対して、結晶化の工程を行い、結晶質半導体層605を形成した。ここでの結晶化の工程は、レーザー結晶化法や熱結晶化法を用いれば良い。レーザー結晶化法では、例えばKrFエキシマレーザー光(波長248nm)を用い、線状ビームを形成して、発振パルス周波数30Hz、レーザーエネルギー密度100〜500mJ/cm2、線状ビームのオーバーラップ率を96%として非晶質半導体層の結晶化を行った。(図11(C))
【0057】
次に、こうして形成された結晶質半導体層605に接して絶縁膜606を形成した。ここでは、窒酸化シリコン膜を200nmの厚さに形成した。その後、裏面からの露光を用いたパターニング法により、絶縁膜606に接したレジストマスク607を形成した。ここでは、ゲート電極602がマスクとなり、自己整合的にレジストマスク607を形成することができた。そして、図示したようにレジストマスクの大きさは、光の回り込みによって、わずかにゲート電極の幅より小さくなった(図11(D))。そして、レジストマスク607を用いて絶縁膜606をエッチングして、チャネル保護膜608を形成した後、レジストマスク607は除去した。この工程により、チャネル保護膜608と接する領域以外の結晶性半導体層605の表面を露呈させた。このチャネル保護膜608は、後の不純物添加の工程でチャネル領域に不純物が添加されることを防ぐ役目を果たした。(図11(E))
【0058】
次いで、フォトマスクを用いたパターニングによって、nチャネル型TFTの一部とpチャネル型TFTの領域を覆うレジストマスク609を形成し、結晶質半導体層605の表面が露呈している領域にn型を付与する不純物元素を添加する工程を行った。そして、第1の不純物領域(n+型領域)610aが形成された。本実施例では、n型を付与する不純物元素としてリンを用いたので、イオンドープ法においてフォスフィン(PH3)を用い、ドーズ量5×1014atoms/cm2、加速電圧10kVとした。また、上記レジストマスク609のパターンは実施者が適宣設定することによりn+型領域の幅が決定され、所望の幅を有するn-型領域、およびチャネル形成領域を容易に得ることができた。(図12(A))
【0059】
レジストマスク609を除去した後、第2の絶縁膜611aを形成した。ここでは、実施例2で示す窒酸化シリコン膜(膜厚50nm)をプラズマCVD法で作製した。(図12(B))次いで、マスク用絶縁膜611が表面に設けられた結晶質半導体層にn型を付与する不純物元素を添加する工程を行い、第2の不純物領域(n-型領域)612を形成した。但し、マスク用絶縁膜611を介してその下の結晶質半導体層に不純物を添加するために、マスク用絶縁膜611の厚さを考慮にいれ、適宣条件を設定する必要があった。ここでは、ドーズ量3×1013atoms/cm2、加速電圧60kVとした。こうして形成される第2の不純物領域612はLDD領域として機能した(図12(C))。
【0060】
次いで、nチャネル型TFTを覆うレジストマスク614を形成し、pチャネル型TFTが形成される領域にp型を付与する不純物元素を添加する工程を行った。ここでは、イオンドープ法でジボラン(B2H6)を用い、ボロン(B)を添加した。ドーズ量は4×1015atoms/cm2、加速電圧30kVとした(図12(D))。その後、レーザーアニールまたは熱アニールによる不純物元素の活性化の工程を行った。(図12(D))。その後、チャネル保護膜608とマスク用絶縁膜611をそのまま残し、公知のパターニング技術により結晶性半導体層を所望の形状にエッチングした(図13(A))。
【0061】
以上の工程を経て、nチャネル型TFTのソース領域615、ドレイン領域616、LDD領域617、618、チャネル形成領域619が形成され、pチャネル型TFTのソース領域621、ドレイン領域622、チャネル形成領域620が形成された。次いで、nチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTを覆って第1の絶縁膜623を形成した。第1の絶縁膜623はプラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3を用いた窒酸化シリコン膜から形成した。そして、膜中の含有水素濃度が1〜30atomic%となるように成膜時の基板温度は200〜400℃とし、100〜500nmの厚さに形成した。この状態で1回目の水素化の工程を行なった。この工程は、例えば、3〜100%の水素雰囲気中で300〜550℃、好ましくは350〜450℃の熱処理を1〜12時間行なえば良い。または、プラズマ化された水素を含む雰囲気中で同様の温度で10〜60分の処理を行なっても良い。第1の絶縁膜に供給された水素は拡散し、その一部は半導体層にも達するので水素化がここで実現される。(図13(B))
【0062】
そして、第2の絶縁膜624をプラズマCVD法でSiH4、N2Oを原料として基板温度200〜400℃で形成した(図13(C))。第1の絶縁膜623と第2の絶縁膜624はその後、所定のレジストマスクを形成して、エッチング処理によりそれぞれのTFTのソース領域と、ドレイン領域に達するコンタクトホールが形成した。そして、ソース電極625、627とドレイン電極626を形成した。図示していないが、本実施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含むAl膜300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成した3層構造の電極として用いた。
【0063】
さらに、第3の絶縁膜628を形成する工程を行なった。第3の絶縁膜は、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から形成される窒酸化シリコン膜、またはSiH4、N2、NH3から作製される窒化シリコン膜である。まず、膜の形成に先立ってH2、NH3等をプラズマCVD装置の反応室に導入してプラズマ水素化処理を実施した。ここでプラズマ化されることにより気相中で生成された水素は第2の絶縁膜中にも供給され、基板を200〜500℃に加熱しておけば、水素を第1の絶縁膜やさらにその下層側にも拡散させることができ、2回目の水素化の工程とすることができた。第3の絶縁膜の作製条件は特に限定されるものではないが、緻密な膜とすることが望ましい。最後に3回目の水素化の工程を水素または窒素を含む雰囲気中で300〜550℃の加熱処理を1〜12時間の加熱処理により行うことにより行なった。このとき水素は、第3の絶縁膜から第2の絶縁膜へ、第2の絶縁膜から第1の絶縁膜へ、そして第1の絶縁膜から半導体層へと水素が拡散して半導体層の水素化を効果的に実現させることができる。水素は膜中から気相中へも放出されるが、第3の絶縁膜を緻密な膜で形成しておけばある程度それを防止できたし、雰囲気中に水素を供給しておけばそれを補うこともできた。
【0064】
以上の工程により、pチャネル型TFTとnチャネル型TFTを同一基板上に逆スタガ型の構造で形成することができた。
【0065】
[実施例5]
実施例4の手順に従って、nチャネル型TFTを用いた液晶表示装置の画素部を形成した例について図14を用いて説明する。図14(A)に示すnチャネル型TFTは逆スタガ型でマルチゲートの構造である。基板側からゲート電極1402、ゲート絶縁膜1404、1405が形成され、半導体層にはチャネル形成領域1406、1409、LDD領域1407、1410、ソース領域1408、ドレイン領域1411が形成されている。第1の絶縁膜はSiH4、N2O、NH3から形成された窒酸化シリコン膜であり、第2の絶縁層はSiH4、N2Oから作製される窒酸化シリコン膜とした。さらにソース電極1418、ドレイン電極1419を形成し、第3の絶縁膜をSiH4、N2O、NH3から形成された窒酸化シリコン膜で形成した。水素化処理は実施例4と同様に第1の絶縁膜を形成した後、第2の絶縁層を形成した後、そして第3の絶縁層を形成した後に行なえば良い。
【0066】
また、図14(A)においてドレイン領域1411は、保持容量電極1403上に重なるように延在し、ゲート絶縁膜1403、1404を介して1画素毎に設けられる保持容量を形成している。このような画素部のほぼ1画素分の上面図を図14(B)に示す。図14(B)で用いた図番は図14(A)と対応させてある。そしてB−B' に沿った断面構造が図14(A)と対応している。
【0067】
[実施例6]
本実施例では、本発明をアクティブマトリクス型EL表示装置に適用した例を図16(A)と(B)で説明する。図16(A)はアクティブマトリクス型EL表示装置の回路図を示す。このEL表示装置は、基板10上に設けられた表示領域11、X方向周辺駆動回路12、Y方向周辺駆動回路13から成る。この表示領域11は、スイッチ用TFT14、コンデンサ15、電流制御用TFT16、有機EL素子17、X方向信号線18a、18b、電源線19a、19b、Y方向信号線20a、20b、20cなどにより構成される。
【0068】
また、図16(B)はアクティブマトリクス型EL表示装置の表示領域11の部分断面図である。ここでは、電流制御用TFT16と、有機EL素子17の一部を示す。電流制御用TFT16はnチャネル型TFTであり、実施例1と同様に作製される。そして、TFTが形成されない領域の絶縁膜を除去して有機EL素子17が設けられる。有機EL素子は、ITOなどからなる透明電極21と、透明電極上に形成された有機EL層23と、上部電極24などにより構成される。そして、電流制御用TFT16を覆って層間絶縁膜25が形成され、上部電極24上に接して共通電極26が設けられる。なお、電極22bは、電流制御用TFTのドレイン電極と透明電極21とを電気的に接続するために設けられている。また、電極22aは電極22bと透明電極21との密着性を保つために設けられたものである。
【0069】
また、本実施例では基板10上に接して有機EL素子17を設けた構造で示したが、特にこの構造に限定されるものではなく、例えば層間絶縁膜を介してTFT上方に有機EL素子17を設ける構造としても良い。
【0070】
[実施例7]
本実施例では、本発明のTFT回路によるアクティブマトリクス型液晶表示装置を組み込んだ半導体装置について図17で説明する。
【0071】
このような半導体装置には、携帯情報端末(電子手帳、モバイルコンピュータ、携帯電話等)、ビデオカメラ、スチルカメラ、パーソナルコンピュータ、テレビ等が挙げられる。それらの一例を図17に示す。
【0072】
図17(A)は携帯電話であり、本体9001、音声出力部9002、音声入力部9003、表示装置9004、操作スイッチ9005、アンテナ9006から構成されている。本願発明は音声出力部9002、音声入力部9003、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9004に適用することができる。
【0073】
図17(B)はビデオカメラであり、本体9101、表示装置9102、音声入力部9103、操作スイッチ9104、バッテリー9105、受像部9106から成っている。本願発明は音声入力部9103、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9102、受像部9106に適用することができる。
【0074】
図17(C)はモバイルコンピュータであり、本体9201、カメラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成されている。本願発明は受像部9203、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9205に適用することができる。
【0075】
図17(D)はヘッドマウントディスプレイであり、本体9301、表示装置9302、アーム部9303で構成される。本願発明は表示装置9302に適用することができる。また、表示されていないが、その他の信号制御用回路に使用することもできる。
【0076】
図17(E)はリア型プロジェクターであり、本体9401、光源9402、表示装置9403、偏光ビームスプリッタ9404、リフレクター9405、9406、スクリーン9407で構成される。本発明は表示装置9403に適用することができる。
【0077】
図17(F)は携帯書籍であり、本体9501、表示装置9502、9503、記憶媒体9504、操作スイッチ9505、アンテナ9506から構成されており、ミニディスク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するものである。表示装置9502、9503は直視型の表示装置であり、本発明はこの表示装置9502、9503に適用することができる。
【0078】
また、ここでは図示しなかったが、本発明はその他にも、カーナビゲーションシステムやイメージセンサパーソナルコンピュータの表示部に適用することも可能である。このように、本願発明の適用範囲はきわめて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0079】
[実施例8]
本実施例では、本発明のTFT回路によるアクティブマトリクス型液晶表示装置を組み込んだ半導体装置について図18と図19で説明する。
【0080】
図18(A)はパーソナルコンピュータであり、本体9601、画像入力部9602、表示装置9603、キーボード9604で構成される。本発明を用いて作製されたアクティブマトリクス型液晶表示装置またはEL表示装置で表示装置9603を形成することができる。
【0081】
図18(B)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体9701、表示装置9702、スピーカ部9703、記録媒体9704、操作スイッチ9705で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本発明を用いて作製されたアクティブマトリクス型液晶表示装置またはEL表示装置で表示装置9702を形成することができる。
【0082】
図18(C)はデジタルカメラであり、本体9801、表示装置9802、接眼部9803、操作スイッチ9804、受像部(図示しない)で構成される。本発明を用いて作製されたアクティブマトリクス型液晶表示装置またはEL表示装置で表示装置9802を形成することができる。
【0083】
図19(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置3601、スクリーン3602で構成される。本発明の液晶表示装置は投射装置3601に組み込んで使用することができる。
【0084】
図19(B)はリア型プロジェクターであり、本体3701、投射装置3702、ミラー3703、スクリーン3704で構成される。本発明の液晶表示装置は投射装置3702に組み込んで使用することができる。
【0085】
なお、図19(C)は、図19(A)及び図19(B)中における投射装置3601、3702の構造の一例を示した図である。投射装置3601、3702は、光源光学系3801、ミラー3802、3804〜3806、ダイクロイックミラー3803、プリズム3807、液晶表示装置3808、位相差板3809、投射光学系3810で構成される。投射光学系3810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図19(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0086】
また、図19(D)は、図19(C)中における光源光学系3801の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系3801は、リフレクター3811、光源3812、レンズアレイ3813、3814、偏光変換素子3815、集光レンズ3816で構成される。なお、図19(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0087】
[実施例9]
本実施例では、図5(B)で示すアクティブマトリクス基板を応用してエレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)材料を用いた自発光型の表示パネル(以下、EL表示装置と記す)を作製する例について説明する。図20(A)は本発明を用いたEL表示パネルの上面図である。図20(A)において、2010は基板、2011は画素部、2012はソース側駆動回路、2013はゲート側駆動回路であり、それぞれの駆動回路は配線2014、2016を経てFPC2017に至り外部機器へと接続される。
【0088】
図20(B)は図20(A)のA−A'断面を表す図であり、このとき少なくとも画素部上、好ましくは駆動回路及び画素部上に対向板2080を設ける。対向板2080はシール材2019でTFTとEL層が形成されているアクティブマトリクス基板と貼り合わされている。シール剤2019にはフィラー(図示せず)が混入されていて、このフィラーによりほぼ均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられている。さらに、シール材2019の外側とFPC2017の上面及び周辺は封止剤2081で密封する構造とする。封止剤2081はシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチルゴムなどの材料を用いる。
【0089】
このように、シール剤2019によりアクティブマトリクス基板2010と対向基板2080とが貼り合わされると、その間には空間が形成される。その空間には充填剤2083が充填される。この充填剤2083は対向板2080を接着する効果も合わせ持つ。充填剤2083はPVC(ポリビニルクロライド)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。また、EL層は水分をはじめ湿気に弱く劣化しやすいので、この充填剤2083の内部に酸化バリウムなどの乾燥剤を混入させておくと吸湿効果を保持できるので望ましい。また、EL層上に窒化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などで形成するパッシベーション膜2082を形成し、充填剤2083に含まれるアルカリ元素などによる腐蝕を防ぐ構造としていある。
【0090】
対向板2080にはガラス板、アルミニウム板、ステンレス板、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、マイラーフィルム(デュポン社の商品名)、ポリエステルフィルム、アクリルフィルムまたはアクリル板などを用いることができる。また、数十μmのアルミニウム箔をPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用い、耐湿性を高めることもできる。このようにして、EL素子は密閉された状態となり外気から遮断されている。
【0091】
また、図20(B)において基板2010、下地膜2021の上に駆動回路用TFT(但し、ここではnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを組み合わせたCMOS回路を図示している。)2022及び画素部用TFT2023(但し、ここではEL素子への電流を制御するTFTだけ図示している。)が形成されている。これらのTFTの内特にnチャネル型TFTにははホットキャリア効果によるオン電流の低下や、Vthシフトやバイアスストレスによる特性低下を防ぐため、本実施形態で示す構成のLDD領域が設けられている。
【0092】
例えば、駆動回路用TFT2022とし、図5(B)に示すCMOS回路のpチャネル型TFTとnチャネル型TFTを用いれば良い。また、画素部用TFT2023には図5(B)に示す画素TFT204またはそれと同様な構造を有するpチャネル型TFTを用いれば良い。
【0093】
但し、EL表示装置を作製するためのアクティブマトリクス基板を作製するためには画素電極2027上にEL材料を用いて自発光層2029を形成する。自発光層2029は公知のEL材料(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層または電子注入層)を自由に組み合わせて積層構造または単層構造とすれば良い。どのような構造とするかは公知の技術を用いれば良い。また、EL材料には低分子系材料と高分子系(ポリマー系)材料がある。低分子系材料を用いる場合は蒸着法を用いるが、高分子系材料を用いる場合には、スピンコート法、印刷法またはインクジェット法等の簡易な方法を用いることが可能である。
【0094】
自発光層2029はシャドーマスクを用いて蒸着法、またはインクジェット法、ディスペンサー法などで形成する。いずれにしても、画素毎に波長の異なる発光が可能な発光層(赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層)を形成することで、カラー表示が可能となる。その他にも、色変換層(CCM)とカラーフィルターを組み合わせた方式、白色発光層とカラーフィルターを組み合わせた方式があるがいずれの方法を用いても良い。勿論、単色発光のEL表示装置とすることもできる。
【0095】
自発光層2029を形成したら、その上に陰極2030を形成する。陰極2030と自発光層2029の界面に存在する水分や酸素は極力排除しておくことが望ましい。従って、真空中で自発光層2029と陰極2030を連続して形成するか、自発光層2029を不活性雰囲気で形成し、大気解放しないで真空中で陰極2030を形成するといった工夫が必要である。本実施例ではマルチチャンバー方式(クラスターツール方式)の成膜装置を用いることで上述のような成膜を可能とする。
【0096】
なお、本実施例では陰極2030として、LiF(フッ化リチウム)膜とAl(アルミニウム)膜の積層構造を用いる。具体的には自発光層2029上に蒸着法で1nm厚のLiF(フッ化リチウム)膜を形成し、その上に300nm厚のアルミニウム膜を形成する。勿論、公知の陰極材料であるMgAg電極を用いても良い。そして陰極2030は2031で示される領域において配線2016に接続される。配線2016は陰極2030に所定の電圧を与えるための電源供給線であり、異方性導電性ペースト材料2032を介してFPC2017に接続される。FPC2017上にはさらに樹脂層2080が形成され、この部分の接着強度を高めている。
【0097】
2031に示された領域において陰極2030と配線2016とを電気的に接続するために、層間絶縁膜2026及び絶縁膜2028にコンタクトホールを形成する必要がある。これらは層間絶縁膜2026のエッチング時(画素電極用コンタクトホールの形成時)や絶縁膜2028のエッチング時(EL層形成前の開口部の形成時)に形成しておけば良い。また、絶縁膜2028をエッチングする際に、層間絶縁膜2026まで一括でエッチングしても良い。この場合、層間絶縁膜2026と絶縁膜2028が同じ樹脂材料であれば、コンタクトホールの形状を良好なものとすることができる。
【0098】
また、配線2016はシール2019と基板2010との間を隙間(但し封止剤2081で塞がれている。)を通ってFPC2017に電気的に接続される。なお、ここでは配線2016について説明したが、他の配線2014、2015も同様にしてシーリング材2018の下を通ってFPC2017に電気的に接続される。
【0099】
ここで画素部のさらに詳細な断面構造を図21に、上面構造を図22(A)に、回路図を図22(B)に示す。図21(A)において、基板2101上に設けられたスイッチング用TFT2102は図5(B)の画素部のnチャネル型TFTと同じ構造で形成される。ダブルゲート構造とすることで実質的に二つのTFTが直列された構造となり、オフ電流値を低減することができるという利点がある。なお、本実施例ではダブルゲート構造としているがトリプルゲート構造やそれ以上のゲート本数を持つマルチゲート構造でも良い。
【0100】
また、電流制御用TFT2103は図5(B)で示すCMOS回路のnチャネル型TFTを用いて形成する。このとき、スイッチング用TFT2102のドレイン線2135は配線2136によって電流制御用TFTのゲート電極2137に電気的に接続されている。また、2138で示される配線は、スイッチング用TFT2102のゲート電極2139a、2139bを電気的に接続するゲート線である。
【0101】
電流制御用TFT2103やスイッチング用TFT2102を本発明の方法を用いて水素化すると、電界効果移動度、サブスレッショルド定数(S値)、オン電流などのTFTの主要特性を向上させることができ、また個々のTFTの特性のバラツキを低減させることができるので、EL表示素子を作製する上で非常に効果的である。上記の様な諸特性が向上することで階調表示を容易なものとし、TFTの特性のバラツキを低減させることで画像表示の斑をなくすことができ、表示品位を向上させることができる。
【0102】
また、本実施例では電流制御用TFT2103をシングルゲート構造で図示しているが、複数のTFTを直列につなげたマルチゲート構造としても良い。さらに、複数のTFTを並列につなげて実質的にチャネル形成領域を複数に分割し、熱の放射を高い効率で行えるようにした構造としても良い。このような構造は熱による劣化対策として有効である。
【0103】
また、図22(A)に示すように、電流制御用TFT2103のゲート電極2137となる配線は2104で示される領域で、電流制御用TFT2103のドレイン線2140と絶縁膜を介して重なる。このとき、2104で示される領域ではコンデンサが形成される。このコンデンサ2104は電流制御用TFT2103のゲートにかかる電圧を保持するためのコンデンサとして機能する。なお、ドレイン線2140は電流供給線(電源線)2201に接続され、常に一定の電圧が加えられている。
【0104】
スイッチング用TFT2102及び電流制御用TFT2103の上には第1パッシベーション膜2141が設けられ、その上に樹脂絶縁膜でなる平坦化膜2142が形成される。平坦化膜2142を用いてTFTによる段差を平坦化することは非常に重要である。後に形成される自発光層は非常に薄いため、段差が存在することによって発光不良を起こす場合がある。従って、EL層をできるだけ平坦面上に形成できるように画素電極を形成する前に平坦化しておくことが望ましい。
【0105】
また、2143は反射性の高い導電膜でなる画素電極(EL素子の陰極)であり、電流制御用TFT2103のドレインに電気的に接続される。画素電極2143としてはアルミニウム合金膜、銅合金膜または銀合金膜など低抵抗な導電膜またはそれらの積層膜を用いることが好ましい。勿論、他の導電膜との積層構造としても良い。また、絶縁膜(好ましくは樹脂)で形成されたバンク2144a、2144bにより形成された溝(画素に相当する)の中に発光層2144が形成される。なお、ここでは一画素しか図示していないが、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を作り分けても良い。発光層とする有機EL材料としてはπ共役ポリマー系材料を用いる。代表的なポリマー系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系、ポリビニルカルバゾール(PVK)系、ポリフルオレン系などが挙げられる。尚、PPV系有機EL材料としては様々な型のものがあるが、例えば「H. Shenk,H.Becker,O.Gelsen,E.Kluge,W.Kreuder,and H.Spreitzer,“Polymers for Light Emitting Diodes”,Euro Display,Proceedings,1999,p.33-37」や特開平10−92576号公報に記載されたような材料を用いれば良い。
【0106】
具体的な発光層としては、赤色に発光する発光層にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン若しくはポリアルキルフェニレンを用いれば良い。膜厚は30〜150nm(好ましくは40〜100nm)とすれば良い。但し、以上の例は発光層として用いることのできる有機EL材料の一例であって、これに限定する必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせてEL層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良い。例えば、本実施例ではポリマー系材料を発光層として用いる例を示したが、低分子系有機EL材料を用いても良い。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これらの有機EL材料や無機材料は公知の材料を用いることができる。
【0107】
本実施例では発光層2145の上にPEDOT(ポリチオフェン)またはPAni(ポリアニリン)でなる正孔注入層2146を設けた積層構造のEL層としている。そして、正孔注入層2146の上には透明導電膜でなる陽極2147が設けられる。本実施例の場合、発光層2145で生成された光は上面側に向かって(TFTの上方に向かって)放射されるため、陽極は透光性でなければならない。透明導電膜としては酸化インジウムと酸化スズとの化合物や酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いることができるが、耐熱性の低い発光層や正孔注入層を形成した後で形成するため、可能な限り低温で成膜できるものが好ましい。
【0108】
陽極2147まで形成された時点でEL素子2105が完成する。なお、ここでいうEL素子2105は、画素電極(陰極)2143、発光層2145、正孔注入層2146及び陽極2147で形成されたコンデンサを指す。図22(A)に示すように画素電極2143は画素の面積にほぼ一致するため、画素全体がEL素子として機能する。従って、発光の利用効率が非常に高く、明るい画像表示が可能となる。
【0109】
ところで、本実施例では、陽極2147の上にさらに第2パッシベーション膜2148を設けている。第2パッシベーション膜2148としては窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜が好ましい。この目的は、外部とEL素子とを遮断することであり、有機EL材料の酸化による劣化を防ぐ意味と、有機EL材料からの脱ガスを抑える意味との両方を併せ持つ。これによりEL表示装置の信頼性が高められる。
【0110】
以上のように本願発明のEL表示パネルは図22のような構造の画素からなる画素部を有し、スイッチング用TFTと電流制御用TFTとを有する。そして、本発明の水素化方法を用いて作製されたこれらのTFTはきわめて安定な特性を示し、EL表示装置において良好な画像表示を可能とする。
【0111】
図21(B)は自発光層からの光の放射方向が図21(A)と逆の例を示す。電流制御用TFT2601は図5(B)のCMOS回路のpチャネル型TFTを用いて形成する。作製プロセスは実施例2を参照すれば良い。本実施例では、画素電極(陽極)2150として透明導電膜を用いる。具体的には酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物でなる導電膜を用いる。勿論、酸化インジウムと酸化スズとの化合物でなる導電膜を用いても良い。
【0112】
そして、絶縁膜でなるバンク2151a、2151bが形成された後、溶液塗布によりポリビニルカルバゾールでなる発光層2152が形成される。その上にはカリウムアセチルアセトネート(acacKと表記される)でなる電子注入層2153、アルミニウム合金でなる陰極2154が形成される。この場合、陰極2154がパッシベーション膜としても機能する。こうしてEL素子2602が形成される。本実施例の場合、発光層2153で発生した光は、矢印で示されるようにTFTが形成された基板の方に向かって放射される。本実施例のような構造とする場合、電流制御用TFT2601はpチャネル型TFTで形成することが好ましい。そして、このようなEL表示素子は実施例7または8で示す半導体装置に適用することができる。
【0113】
[実施例10]
本実施例では、図22(B)に示した回路図とは異なる構造の画素とした場合の例について図23に示す。なお、本実施例において、2701はスイッチング用TFT2702のソース配線、2703はスイッチング用TFT2702のゲート配線、2704は電流制御用TFT、2705はコンデンサ、2706、2708は電流供給線、2707はEL素子とする。
【0114】
図23(A)は、二つの画素間で電流供給線2706を共通とした場合の例である。即ち、二つの画素が電流供給線2706を中心に線対称となるように形成されている点に特徴がある。この場合、電源供給線の本数を減らすことができるため、画素部をさらに高精細化することができる。
【0115】
また、図23(B)は、電流供給線2708をゲート配線2703と平行に設けた場合の例である。なお、図23(B)では電流供給線2708とゲート配線2703とが重ならないように設けた構造となっているが、両者が異なる層に形成される配線であれば、絶縁膜を介して重なるように設けることもできる。この場合、電源供給線2708とゲート配線2703とで専有面積を共有させることができるため、画素部をさらに高精細化することができる。
【0116】
また、図23(C)は、図23(B)の構造と同様に電流供給線2708をゲート配線2703と平行に設け、さらに、二つの画素を電流供給線2708を中心に線対称となるように形成する点に特徴がある。また、電流供給線2708をゲート配線2703のいずれか一方と重なるように設けることも有効である。この場合、電源供給線の本数を減らすことができるため、画素部をさらに高精細化することができる。図23(B)では電流制御用TFT2704のゲートにかかる電圧を保持するためにコンデンサ2705を設ける構造としているが、コンデンサ2705を省略することも可能である。
【0117】
電流制御用TFT2705として図21(A)に示すような本願発明のnチャネル型TFTを用いているため、ゲート絶縁膜を介してゲート電極と重なるように設けられたLDD領域を有している。この重なり合った領域には一般的にゲート容量と呼ばれる寄生容量が形成されるが、本実施例ではこの寄生容量をコンデンサ2705の代わりとして積極的に用いる点に特徴がある。この寄生容量のキャパシタンスは上記ゲート電極とLDD領域とが重なり合った面積で変化するため、その重なり合った領域に含まれるLDD領域の長さによって決まる。また、図23(A)、(B)、(C)の構造においても同様にコンデンサ2705を省略することは可能である。
【0118】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の絶縁膜の表面から水素化を行なうことにより、半導体層へのダメージや汚染の影響を回避することができ、第1の絶縁膜に供給された水素はその下層側にも拡散するので、半導体層の欠陥をその水素で中和することができる。また、所定の形状に形成された半導体層上に、水素を含有する第1の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶縁膜に密接して第2の絶縁膜を形成し、その後に水素またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行うことにより、第2の絶縁膜の表面から供給された水素は第1の絶縁膜に拡散し、第1の絶縁膜中で過剰となった水素はその下層側にも拡散し半導体層の水素化をすることができる。
【0119】
また、所定の形状に形成された半導体層上に、水素を含有する第1の絶縁膜を形成する工程と、その後に水素またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行い、さらに第1の絶縁膜上に水素を含有する第3の絶縁膜を形成した後で、水素または窒素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を実施しすることにより同様の効果が得られる。また他の方法として、所定の形状に形成された半導体層上に、水素を含有する第1の絶縁膜を形成する工程と、その後に水素またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行い、さらに第1の絶縁膜上に水素を含有する第3の絶縁膜を形成した後で、水素または窒素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を実施しても同様な効果が得られる。さらに望ましくは、所定の形状に形成された半導体層上に、水素を含有する第1の絶縁膜を形成する工程と、その後に水素またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行う工程と、第1の絶縁膜に密接して第2の絶縁膜を形成する工程と、その後にその後に水素またはプラズマ化されることにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を行い、さらに第2の絶縁膜上に水素を含有する第3の絶縁膜を形成した後で、水素または窒素を含む雰囲気中で加熱処理を施す工程を実施しても同様な効果が得られる。
【0120】
本発明の方法で水素化が行われた半導体層を用いて作製されたTFTはきわめて優れた特性を示し、このようなTFTはまざまな半導体装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 TFTの作製工程を示す断面図。
【図2】 TFTの作製工程を示す断面図、CMOS回路の上面図。
【図3】 アクティブマトリクス基板の作製工程を示す断面図。
【図4】 アクティブマトリクス基板の作製工程を示す断面図。
【図5】 アクティブマトリクス基板の作製工程を示す断面図。
【図6】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の断面図。
【図7】 アクティブマトリクス基板の斜視図。
【図8】 画素部の上面図、CMOS回路の上面図。
【図9】 本発明の実施形態を説明する図。
【図10】 窒酸化シリコン膜の含有水素濃度が熱処理により変化することを示すグラフ。
【図11】 TFTの作製工程を示す断面図。
【図12】 TFTの作製工程を示す断面図。
【図13】 TFTの作製工程を示す断面図。
【図14】 画素部の断面図、および上面図。
【図15】 本発明の実施形態を説明する図。
【図16】 ELパネルの回路図、断面構造図。
【図17】 半導体装置の一例を示す図。
【図18】 半導体装置の一例を示す図。
【図19】 投影型液晶表示装置の構成を示す図。
【図20】 EL表示装置の構造を示す上面図及び断面図。
【図21】 EL表示装置の画素部の断面図。
【図22】 EL表示装置の画素部の上面図と回路図。
【図23】 EL表示装置の画素部の回路図の例。
【符号の説明】
301・・基板
302・・下地膜
303〜305・・半導体層
306・・ゲート絶縁膜
325、340、341、342・・ゲート電極
327・・ゲート配線
328、329・・引き回し配線
343・・保持容量電極
358・・第1の絶縁膜
359・・第2の絶縁膜
365・・第3の絶縁膜
Claims (12)
- 半導体層上に水素を含有する第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜に接して第2の絶縁膜を形成した後、
水素雰囲気中またはプラズマ化することにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施し、
前記第2の絶縁膜に接して水素を含有する第3の絶縁膜を形成した後、
水素または窒素を含む雰囲気中で加熱処理を施すことを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 半導体層上に水素を含有する第1の絶縁膜を形成した後、
水素雰囲気中またはプラズマ化することにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施し、
前記第1の絶縁膜に接して第2の絶縁膜を形成した後、
水素雰囲気中またはプラズマ化することにより生成された水素を含む雰囲気中で加熱処理を施し、
前記第2の絶縁膜に接して水素を含有する第3の絶縁膜を形成した後、
水素または窒素を含む雰囲気中で加熱処理を施すことを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 請求項1または請求項2において、前記第1の絶縁膜が、窒酸化シリコン膜から形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項3において、前記第1の絶縁膜は、シラン、亜酸化窒素、及びアンモニアから形成されること特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、前記第2の絶縁膜が、窒酸化シリコン膜から形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項5において、前記第2の絶縁膜は、シラン、及び亜酸化窒素から形成されること特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、前記第3の絶縁膜が、窒酸化シリコン膜または窒化シリコン膜から形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項7において、前記第3の絶縁膜は、シラン、亜酸化窒素、及びアンモニア、またはシラン、窒素、及びアンモニアから形成されること特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、第1の絶縁膜、第2の絶縁膜、第3の絶縁膜は、それぞれの含有炭素濃度が2×1019cm−3以下であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至請求項9のいずれか一において、前記第1の絶縁膜の膜厚は100〜500nmであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか一において、前記第2の絶縁膜の膜厚は100〜500nmであることを特徴とする半導体装置の作製方法。
- 請求項1乃至請求項11のいずれか一において、前記半導体層は、非晶質半導体膜をレーザ結晶化法、熱結晶化法、または触媒元素を用いた結晶化法で結晶化した結晶質半導体膜を用いて形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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