JP4801238B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は絶縁表面を有する基板上に薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)で構成された回路を有する半導体装置およびその作製方法に関する。特に本発明は、画素部(または画素マトリクス回路)とその周辺に設けられる駆動回路を同一基板上に設けた液晶表示装置に代表される電気光学装置、および電気光学装置を搭載した電子機器に好適に利用できる。尚、本願明細書において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能する装置全般を指し、上記電気光学装置およびその電気光学装置を搭載した電子機器をその範疇に含んでいる。
【0002】
【従来の技術】
絶縁表面を有する基板上に、TFTで形成した回路を有する半導体装置の開発が進んでいる。アクティブマトリクス型液晶表示装置はその代表例としてよく知られている。特に結晶質シリコン膜で活性層を形成したTFT(以下、結晶質シリコンTFTと記す)は電界効果移動度が高いことから、いろいろな機能回路を形成することが可能であり、それを同一基板上に一体形成した上記電気光学装置が開発されている。
【0003】
例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置には、画像表示を行う画素部や、画像表示を行うための駆動回路などが設けられている。駆動回路はCMOS回路を基本として形成されるシフトレジスタ回路、レベルシフタ回路、バッファ回路、サンプリング回路などから構成され、このような回路が同一基板上に混載される。
【0004】
個別に見るとこれらの回路の動作条件は必ずしも同一ではなく、そのことからTFTに要求される特性も少なからず異なっている。例えば、画素部においては、nチャネル型TFTから成る画素TFTと保持容量を設けた構成であり、画素TFTをスイッチ素子として液晶に電圧を印加して駆動させるものである。液晶は交流で駆動させるので、フレーム反転駆動と呼ばれる方式が多く採用されている。この方式では消費電力を低く抑えるために、画素TFTに要求される特性は、オフ電流値(TFTがオフ動作時に流れるドレイン電流)を十分低くすることであった。一方、駆動回路のバッファ回路は高い駆動電圧が印加されるため、高電圧が印加されても壊れないように耐圧を高めておく必要があった。また電流駆動能力を高めるために、オン電流値(TFTがオン動作時に流れるドレイン電流)を十分確保する必要があった。
【0005】
しかし、結晶質シリコンTFTのオフ電流値は高くなりやすいといった問題点があった。また、ICなどで使われるMOSトランジスタと同様に、結晶質シリコンTFTにはオン電流値の低下といった劣化現象が観測される。その主たる原因はホットキャリア注入であり、ドレイン近傍の高電界によぅて発生したホットキャリアが劣化現象を引き起こすものと考えられている。
【0006】
オフ電流値を低減するためのTFTの構造として、低濃度ドレイン(LDD:Lightly Doped Drain)構造が知られている。この構造はチャネル形成領域と、高濃度に不純物元素を添加して形成するソース領域またはドレイン領域との間に低濃度に不純物元素を添加した領域を設けたものであり、この領域をLDD領域と呼んでいる。
【0007】
また、ホットキャリアによる劣化を防ぐための手段として、LDD領域をゲート絶縁膜を介してゲート電極と重なるように配置させた、いわゆるGOLD(Gate-drain Overlapped LDD)構造が知られている。このような構造とすることで、ドレイン近傍の高電界が緩和されてホットキャリア注入を防ぎ、劣化現象の防止に有効である。例えば、「Mutuko Hatano,Hajime Akimoto and Takeshi Sakai,IEDM97 TECHNICAL DIGEST,p523-526,1997」では、シリコンで形成したサイドウオールにより形成したGOLD構造を開示しているが、他の構造のTFTと比べ、きわめて優れた信頼性が得られることが確認されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、画素部の画素TFTと、シフトレジスタ回路やバッファ回路などの駆動回路のTFTとでは、その要求される特性は必ずしも同じではない。例えば、画素TFTにおいてはゲートに大きな逆バイアス(nチャネル型TFTでは負の電圧)が印加されるが、駆動回路のTFTは基本的に逆バイアス状態で動作することはない。また、動作速度に関しても、画素TFTは駆動回路のTFTの1/100以下で良い。
【0009】
また、GOLD構造はオン電流値の劣化を防ぐ効果は高いが、その反面、通常のLDD構造と比べてオフ電流値が大きくなってしまう問題があった。従って、画素TFTに適用するには好ましい構造ではなかった。逆に通常のLDD構造はオフ電流値を抑える効果は高いが、ドレイン近傍の電界を緩和してホットキャリア注入による劣化を防ぐ効果は低かった。このように、アクティブマトリクス型液晶表示装置のような動作条件の異なる複数の集積回路を有する半導体装置において、全てのTFTを同じ構造で形成することは必ずしも好ましくなかった。このような問題点は、特に結晶質シリコンTFTにおいて、その特性が高まり、またアクティブマトリクス型液晶表示装置に要求される性能が高まるほど顕在化してきた。
【0010】
本発明はこのような問題点を解決するための技術であり、半導体装置の各回路に配置されるTFTの構造を、回路の機能に応じて適切なものとすることにより、半導体装置の動作特性および信頼性を向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の構成は、同一の基板上に画素部と該画素部の駆動回路とを有する半導体装置において、前記画素部と前記駆動回路とには、活性層と、該活性層に設けられたLDD領域と、該活性層と前記基板との間に設けられたゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜と前記基板との間に設けられたゲート電極とを有するnチャネル型TFTを少なくとも備え、前記画素部のnチャネル型TFTのLDD領域は、該画素部のnチャネル型TFTのゲート電極と重ならないように配置され、前記駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域は、該駆動回路のnチャネル型TFTのゲート電極と重なるように配置され、前記駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域には、前記画素部のnチャネル型TFTのLDD領域よりも高い濃度でn型を付与する不純物元素が含まれることを特徴としている。
【0012】
また、前記駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域には、前記画素部のnチャネル型TFTのLDD領域に比べて2倍以上、10倍以下の濃度でn型を付与する不純物元素が含まれることを特徴としている。
【0013】
少なくとも、前記画素部のnチャネル型TFT上に有機樹脂膜が形成され、該有機樹脂膜上に形成された遮光膜と、該遮光膜に密接して形成された誘電体膜と、一部が前記遮光膜と重なるように設けられ前記画素部のnチャネル型TFTに接続する画素電極とから、容量を設けることを特徴とする。
【0014】
また、半導体装置の作製方法に関し、本発明の構成は、同一の基板上に画素部と該画素部の駆動回路とを有する半導体装置の作製方法において、前記画素部と前記駆動回路とに、活性層と、該活性層のLDD領域と、該活性層と前記基板との間に設けたゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜と前記基板との間に設けたゲート電極とを備えたnチャネル型TFTを形成する工程を有し、前記画素部のnチャネル型TFTのLDD領域は、該画素部のnチャネル型TFTのゲート電極と重ならないように配置され、前記駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域は、該駆動回路のnチャネル型TFTのゲート電極と重なるように配置され、前記駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域には、前記画素部のnチャネル型TFTのLDD領域よりも高い濃度でn型を付与する不純物元素を添加することを特徴としている。
【0015】
前記駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域に、前記画素部のnチャネル型TFTのLDD領域に比べて2倍以上、10倍以下の濃度でn型を付与する不純物元素を添加することを特徴としている。
【0016】
少なくとも、前記画素部のnチャネル型TFT上に有機樹脂膜を形成する工程と、該有機樹脂膜上に遮光膜を形成する工程と、該遮光膜に密接して誘電体膜を形成する工程と、一部が前記遮光膜と重なるように設けられ前記画素部のnチャネル型TFTに接続する画素電極を形成する工程とから容量を形成することを特徴としている。
【0017】
図5は本発明の構成を説明するための図であり、活性層と、その活性層に設けられたLDD領域と、その活性層の基板側に設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜と基板との間に設けられたゲート電極とを有するボトムゲート型または逆スタガ型のTFTにおいて、ゲート電極とLDD領域の位置関係を説明している。
【0018】
図5(A)において、チャネル形成領域503、LDD領域504、ドレイン領域505を有する活性層と、活性層の下にゲート絶縁膜502とゲート電極501が設けられた構成を示している。LDD領域504はゲート絶縁膜502を介してゲート電極501と重なるように設けられている。このようなLDD領域を本明細書中ではLovと記す。Lovはドレイン近傍で発生する高電界を緩和する作用があり、ホットキャリアによる劣化を防ぐことができ、駆動回路のnチャネル型TFTに用いるのに適している。
【0019】
図5(B)は、ゲート絶縁膜507上の活性層に、チャネル形成領域508、LDD領域509、ドレイン領域510が設けられている。LDD領域509は、ゲート電極506と重ならないように設けられている。このようなLDD領域を本明細書中ではLoffと記す。Loffはオフ電流値を低減させるのに効果的であり、画素部のnチャネル型TFTに用いるのに適している。
【0020】
以上の様に、本発明は画素部とその駆動回路とを有する半導体装置において、画素部にはLoffを有するnチャネル型TFTを設け、駆動回路にはLovを有するnチャネル型TFTを設けた構成とし、かつ、そのようなTFTをボトムゲート型または逆スタガ型で形成することに特徴がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、以下に示す実施例により詳細な説明を行う。
【0022】
[実施例1]
本発明の実施例を図1と図2を用いて説明する。ここでは、画素部とその周辺に設けられる駆動回路のTFTを同時に作製する方法について工程に従って詳細に説明する。
【0023】
(ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層の形成:図1(A))
図1(A)において、基板101には低アルカリガラス基板や石英基板を用いる。この基板101のTFTが形成される表面には、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜などの下地膜を形成しておいても良い(図示せず)。ゲート電極102〜104は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)から選ばれた元素またはいずれかを主成分とする材料を用い、スパッタ法や真空蒸着法などの公知の成膜法を用いて被膜を形成した後、端面がテーパ形状となるようにエッチング処理してパターン形成した。例えば、スパッタ法でTa膜を200nmの厚さに形成し、所定の形状にレジストマスクを形成した後、CF4とO2の混合ガスでプラズマエッチング処理をすれば所望の形状に加工することができた。また、ゲート電極は窒化タンタル(TaN)とTaまたは窒化タングステン(WN)とWの2層構造としても良い(図示せず)。図示はしてないがゲート電極に接続するゲート配線も同時に形成する。
【0024】
ゲート絶縁膜105は酸化シリコン、窒化シリコンを成分とする材料で、10〜200nm、好ましくは50〜150nmの厚さで形成する。例えばプラズマCVD法で、SiH4、NH3、N2を原料とした窒化シリコン膜105aを50nm、SiH4とN2Oを原料とした窒化酸化シリコン膜105bを75nmの厚さに積層形成してゲート絶縁膜としても良い。勿論、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜からなる一層としても何ら差し支えない。また、清浄な表面を得るために、ゲート絶縁膜の成膜の前にプラズマ水素処理を施すと良かった。
【0025】
次に、ゲート絶縁膜105に密接して、20〜150nmの厚さで非晶質シリコン膜をプラズマCVD法やスパッタ法などの公知の成膜法で形成した。非晶質シリコン膜の作製条件に限定されるものはないが、膜中に含まれる酸素、窒素の不純物元素を5×1018cm-3以下に低減させておくことが望ましい。また、ゲート絶縁膜と非晶質シリコン膜とは同じ成膜法で形成することが可能なので、両者を連続形成しても良い。ゲート絶縁膜を形成した後、一旦大気雰囲気に晒さないことでその表面の汚染を防ぐことが可能となり、作製するTFTの特性バラツキやしきい値電圧の変動を低減させることができる。そして公知の結晶化技術を使用して結晶質シリコン膜106を形成する。例えば、レーザー結晶化法や、熱結晶化法(固相成長法)、または触媒元素を用いる結晶化法を使用することができる。
【0026】
結晶質シリコン膜106には、nチャネル型TFTが形成される領域に、しきい値電圧を制御する目的で1×1016〜5×1017cm-3程度のボロン(B)を添加しておいても良い。ボロン(B)の添加はイオンドープ法で実施しても良いし、非晶質シリコン膜を成膜するときに同時に添加しておくこともできる。
【0027】
(スペーサ膜形成、n--領域の形成:図1(B))
次に、画素部のnチャネル型TFTのLDD領域を形成するために、n型を付与する不純物元素の添加を行った。まず、結晶質シリコン膜106の全面に酸化シリコン膜や窒化シリコン膜を100〜200nm、例えば120nmの厚さに形成した。この表面にフォトレジスト膜を全面に形成した後、裏面からの露光法によりゲート電極102〜104をマスクとしてフォトレジスト膜を感光させ、ゲート電極上にレジストマスクを形成した(図示せず)。このとき、露光時間や照射光強度を最適化することにより、ゲート電極とほぼ同じ幅にレジストマスクを形成することができた。そして、このレジストマスクを使用して不要な部分をエッチング除去し、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜から成る第1のスペーサ膜107〜109を形成した。さらに、この上に50nmの厚さで第2のスペーサ膜110を形成した。
【0028】
そして、第2のスペーサ膜110を介してその下側にある結晶質シリコン膜にn型を付与する不純物元素をイオンドープ法で添加した。こうして形成された不純物領域111〜115のリン(P)濃度は1×1017〜2.5×1018cm-3の範囲とすることが望ましく、ここでは、2×1017cm-3とした。本明細書中では、不純物領域111〜115に含まれるn型を付与する不純物元素の濃度を(n--)と表す。
【0029】
(n-領域とn+領域の形成:図1(C))
次にnチャネル型TFTにおいて、ソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域の形成と、駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域を形成する工程を行った。ここでは、通常の露光法でレジストによるマスク116〜118を形成した。マスク116は、少なくともpチャネル型TFTのチャネル形成領域となる部分を覆うように形成した。画素部のnチャネル型TFTに設けるマスク118は、チャネル形成領域とLDD領域となる部分を覆うように形成した。また、マスク117は、駆動回路のnチャネル型TFTのチャネル形成領域となる部分を覆うように形成した。そして、第2のスペーサ膜110を介してn型を付与する不純物元素が添加される不純物領域119〜123と、第2のスペーサ膜110と第1のスペーサ膜108とを介してn型を付与する不純物元素が添加される不純物領域124、125とをイオンドープ法(イオン注入法でも良い)で形成した。不純物領域119〜123には1×1020〜1×1021cm-3とすれば良く、ここでは5×1020cm-3の濃度で不純物元素を含ませた。この濃度を本明細書中では(n+)と表す。不純物領域124、125には2×1017〜5×1018cm-3の濃度で不純物元素を含ませれば良く、本実施例では、6×1017cm-3とした。この濃度を本明細書中では(n-)と表す。
【0030】
(p+領域の形成:図2(A))
次に、駆動回路のpチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域を形成するために、p型を付与する不純物元素を添加する工程を行った。ここでは、pチャネル型TFTのチャネル形成領域を確定するために、第2のスペーサ膜110上に新たなレジストマスク126を形成し、第1のスペーサ膜と第2のスペーサ膜に対してエッチング処理を施して新たなスペーサ膜129、130を形成すると共に結晶質シリコン膜の表面を露出させた。このとき、nチャネル型TFTが形成される領域はレジストマスク127、128で被覆した。そして、ジボラン(B26)を用いたイオンドープ法(イオン注入法を用いても良い)で不純物領域131、132を形成した。この領域のボロン(B)濃度は1.5×1020〜3×1021cm-3とすれば良く、ここでは1×1021cm-3とした。本明細書中では、ここで形成された不純物領域131、132に含まれるp型を付与する不純物元素の濃度を(p+)と表す。尚、図1(B)〜図1(C)で示したように、この不純物領域131、132の一部には、リン(P)が混在した領域が形成されるが、この工程で添加するボロン(B)濃度をその1.5〜3倍とすることでp型の導電性が確保され、TFTの特性に何ら影響を与えることはなかった。
【0031】
(第1の層間絶縁膜の形成、熱活性化の工程、水素化の工程:図2(B))
結晶質シリコン膜にそれぞれの不純物元素を選択的に添加したら、第1および第2のスペーサ膜を除去して、結晶質シリコン膜をエッチング処理により島状に分割し、後に第1の層間絶縁膜の一部となる保護絶縁膜150を形成した。保護絶縁膜150は窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜またはそれらを組み合わせた積層膜で形成すれば良い。また、膜厚は100〜400nmとすれば良い。
【0032】
その後、それぞれの濃度で添加されたn型またはp型を付与する不純物元素を活性化するために熱処理工程を行った。この工程はファーネスアニール法、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)などで行うことができる。ここではファーネスアニール法で活性化工程を行った。加熱処理は、窒素雰囲気中において300〜650℃、好ましくは500〜550℃、ここでは525℃で4時間の熱処理を行った。さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、活性層を水素化する工程を行った。この工程は熱的に励起された水素により活性層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0033】
活性層となる結晶質シリコン膜106を、非晶質シリコン膜から触媒元素を用いる結晶化の方法で作製した場合、結晶質シリコン膜106中には微量の触媒元素が残留した。勿論、そのような状態でもTFTを完成させ動作させることに問題はないが、残留する触媒元素を少なくともチャネル形成領域から除去する方がより好ましかった。この触媒元素を除去する手段の一つにリン(P)によるゲッタリング作用を利用する手段があった。ゲッタリングに必要なリン(P)の濃度は図1(C)で形成した不純物領域(n+)と同程度であり、ここで実施される活性化工程の熱処理により、nチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTのチャネル形成領域から、リン(P)が添加されている周辺の不純物領域へ触媒元素をゲッタリングをすることができた。
【0034】
(層間絶縁膜の形成、ソース・ドレイン配線の形成、パッシベーション膜の形成、画素電極の形成:図2(C))
活性化工程を終えたら、保護絶縁膜150の上に500〜1500nmの厚さの層間絶縁膜151を形成した。前記保護絶縁膜150と層間絶縁膜151とでなる積層膜を第1の層間絶縁膜とした。その後、それぞれのTFTのソース領域またはドレイン領域に達するコンタクトホールを形成して、ソース配線152、153、154と、ドレイン配線155、156を形成した。図示していないが、本実施例ではこの電極を、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成した3層構造の積層膜とした。
【0035】
保護絶縁膜150と層間絶縁膜151とは、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜などで形成すれば良いが、いずれにしても膜の内部応力を圧縮応力としておくと良かった。
【0036】
次に、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、または窒化酸化シリコン膜を用い、パッシベーション膜157を50〜500nm(代表的には100〜300nm)の厚さで形成した。その後、この状態で水素化処理を行うとTFTの特性向上に対して好ましい結果が得られた。例えば、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行うと良く、あるいはプラズマ水素化法を用いても同様の効果が得られた。なお、ここで後に画素電極とドレイン配線を接続するためのコンタクトホールを形成する位置において、パッシベーション膜157に開口部を形成しておいても良い。
【0037】
その後、有機樹脂膜からなる第2の層間絶縁膜158を約1μmの厚さに形成した。適用できる有機樹脂材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。ここでは、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用い、300℃で焼成して形成した。次に、画素部となる領域において、第2の層間絶縁膜158上に遮光膜159を形成した。遮光膜159はAl、Ti、Taから選ばれた一種または複数種の元素を主成分とする膜で、100〜300nmの厚さで成膜をし、所定の形状にパターン形成した。さらに、この上に第2の層間絶縁膜と同様に有機樹脂膜を用いて第3の層間絶縁膜160を形成した。第3の層間絶縁膜160の厚さは0.5〜1μmとした。そして、第3の層間絶縁膜160、第2の層間絶縁膜158、パッシベーション膜157にソース配線168に達するコンタクトホールを形成し、画素電極161を設けた。画素電極161は、透過型液晶表示装置とする場合には透明導電膜を用い、反射型の液晶表示装置とする場合には金属膜を用いれば良い。ここでは透過型の液晶表示装置とするために、酸化インジウム・スズ(ITO)膜を100nmの厚さにスパッタ法で形成した。
【0038】
以上の工程で、同一の基板上に画素部とその駆動回路とを有したアクティブマトリクス基板が形成される。駆動回路には、nチャネル型TFT163とpチャネル型TFT162が形成され、CMOS回路を基本としたロジック回路を形成することも可能である。画素部にはnチャネル型TFT164が形成され、さらに遮光膜159と第3の層間絶縁膜160と画素電極161とから保持容量165が形成されている。
【0039】
駆動回路のpチャネル型TFT162は、チャネル形成領域133、ソース領域134、ドレイン領域135を有している。nチャネル型TFT163は、チャネル形成領域136と、ソース領域139およびドレイン領域140と、ゲート電極と重なるLDD領域(Lov領域)137、138とを有している。画素部のnチャネル型TFT164には、チャネル形成領域141、142と、ソース領域147およびドレイン領域148、149と、ゲート電極と重ならないLDD領域(Loff)143〜146とを有している。駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域は、ドレイン近傍の高電界を緩和してホットキャリア注入によるオン電流値の劣化を防ぐことを主な目的として設けるものであり、そのために適したn型を付与する不純物元素の濃度は5×1017〜5×1018cm-3とすれば良かった。一方、画素部のnチャネル型TFTのLDD領域は、オフ電流値を低減することを主たる目的とするために設けられる。
【0040】
駆動回路のnチャネル型TFTのLov領域のチャネル長方向の長さは、チャネル長3〜8μmに対して0.5〜3.0μm、好ましくは1.0〜1.5μmとすれば良い。また、画素部のLoff領域のチャネル長方向の長さは、0.5〜3.5μm、代表的には1.5〜2.5μmとすれば良い。図2(C)では画素部のnチャネル型TFT164をダブルゲート構造として完成したが、シングルゲート構造でも良いし、複数のゲート電極を設けたマルチゲート構造としても差し支えない。
【0041】
以上の様に本発明は、画素部および駆動回路が要求する仕様に応じて各回路を構成するTFTの構造を最適化し、半導体装置の動作性能と信頼性を向上させることを可能とすることができた。具体的には、各回路仕様に応じてnチャネル型TFTのLDD領域の設計をそれぞれ異ならせ、Lov領域またはLoff領域を適宣設けることによって、同一の基板上にホットキャリア対策を重視したTFT構造と、低オフ電流値を重視したTFT構造とを実現した。
【0042】
[実施例2]
本実施例を図3と図4を用い、実施例1とは異なる方法で画素部とその周辺に設けられる駆動回路のTFTを同時に作製する場合について説明する。
【0043】
まず、実施例1と同様にして図1(B)に示す工程まで行い、基板101にゲート電極102〜104、ゲート配線(図示せず)、ゲート絶縁膜105、結晶質シリコン膜106を形成し、さらに、第1のスペーサ膜107〜109と第2のスペーサ膜110を設け、n--の濃度でn型を付与する元素が添加された不純物領域111〜115を形成した。
【0044】
そして、図3(A)に示すようにに駆動回路のpチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域となる結晶質シリコン膜の領域に、p型を付与する不純物元素を添加する工程を行った。まず、nチャネル型TFTが形成される領域はレジストマスク301、302で被覆した。そして、第1のスペーサ膜107をマスクとして、ジボラン(B26)を用いたイオンドープ法で不純物領域(p+)303、304を形成した。この領域のボロン(B)濃度は1×1021cm-3となるようにした。
【0045】
次に、実施例1と同様に、nチャネル型TFTにおいて、ソース領域またはドレイン領域として機能する不純物領域の形成と、駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域を形成する工程を行った。レジストによるマスク305〜307を形成し、イオンドープ法で第2のスペーサ膜110を通してn型を付与する不純物元素が添加される形成される不純物領域308〜311と、第2のスペーサ膜110と第1のスペーサ膜108とを介してn型を付与する不純物元素が添加される不純物領域312、313が形成した。不純物領域308〜311はn+の濃度とすべく、ここでは5×1020cm-3の濃度で不純物元素を含ませた。不純物領域312、313はn-の濃度とすべくここでは6×1017cm-3の濃度となるようにした。
【0046】
以降の工程は実施例1と同様にして行われ、図4(A)に示すように保護絶縁膜332を形成し、ファーネスアニール法で活性化工程を行った。さらに水素化処理を施した後、図4(B)に示すように層間絶縁膜333を形成し、前記保護絶縁膜332と2層構造で成る第1の層間絶縁膜を形成した。そして、ソース配線334〜336とドレイン配線337、338を形成し、パッシベーション膜339、第2の層間絶縁膜340を積層形成した。そして、第2の層間絶縁膜340上に遮光膜341を形成し、第3の層間絶縁膜342、ドレイン電極338に接続する画素電極343を設けた。
【0047】
以上の工程により、駆動回路のpチャネル型TFT344には、チャネル形成領域312、ソース領域313、ドレイン領域314を有している。nチャネル型TFT345には、チャネル形成領域315、Lov領域316、317とソース領域318、ドレイン領域319を有している。画素部のnチャネル型TFT346には、チャネル形成領域320、321と、Loff領域322〜325とを有している。さらに遮光膜341と第3の層間絶縁膜342と画素電極343とから、nチャネル型TFT346に接続する保持容量347が形成されている。
【0048】
[実施例3]
本実施例では実施例1と実施例2で示したTFTの活性層となる結晶質半導体膜を形成する工程について図11を用いて説明する。まず、基板(本実施例ではガラス基板)1101上に100〜400nmの厚さのゲート電極1102、1103を形成する。ゲート電極はAl、Ti、Ta、Mo、Wから選ばれた一種または複数種の元素を含む材料から形成し、端面がテーパー形状となるようにパターン形成する。また、図示していないが、前記材料の積層構造としても良い。例えば、基板側から窒化タンタル(TaN)とTaの2層構造としても良い。さらに、ゲート電極の表面に陽極酸化法などで酸化物を被覆形成しておいても良い。ゲート絶縁膜1104は、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜または窒酸化シリコン膜で形成し、その厚さは20〜200nm、好ましくは75〜125nmで形成する。そして、ゲート絶縁膜1104上に50nm厚の非晶質半導体膜(本実施例では非晶質シリコン膜)1105を大気解放しないで連続的に形成する。
【0049】
次に、重量換算で10ppmの触媒元素(本実施例ではニッケル)を含む水溶液(酢酸ニッケル水溶液)をスピンコート法で塗布して、触媒元素含有層1106を非晶質半導体膜1105の全面に形成する。ここで使用可能な触媒元素は、ニッケル(Ni)以外にも、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、といった元素がある。また、本実施例ではスピンコート法でニッケルを添加する方法を用いたが、蒸着法やスパッタ法などにより触媒元素でなる薄膜(本実施例の場合はニッケル膜)を非晶質半導体膜上に形成する手段をとっても良い。(図11(A))
【0050】
次に、結晶化の前に400〜500℃で1時間程度の熱処理工程を行い、水素を膜中から脱離させた後、500〜650℃(好ましくは550〜570℃)で4〜12時間(好ましくは4〜6時間)の熱処理を行う。本実施例では、550℃で4時間の熱処理を行い、結晶質半導体膜(本実施例では結晶質シリコン膜)1107を形成する。(図11(B))
【0051】
以上のようにして形成された活性層1107は、結晶化を助長する触媒元素(ここではニッケル)を用いることによって、結晶性の優れた結晶質半導体膜を形成することができる。また、さらにその結晶性を高めるために、レーザー結晶化法を併用しても良い。例えば、XeFエキシマレーザー光(波長308nm)を用い、線状ビームを形成して、発振周波数5〜50Hz、エネルギー密度100〜500mJ/cm2として線状ビームのオーバーラップ割合を80〜98%として、図11(B)で作製された結晶質半導体膜1107に照射した。その結果、さらに結晶性の優れた結晶質半導体膜1108を形成することができた。
【0052】
このようにして基板1101上に作製された結晶質半導体膜を用い、実施例1〜実施例2に示した手順でTFTを作製すると良好な特性を得ることができる。TFTの特性は、代表的には電界効果移動度で表すことができるが、本実施例のようにして作製する結晶質半導体膜から形成するTFTの特性は、nチャネル型TFTで150〜220cm2/V・sec、pチャネル型TFTで90〜120cm2/V・secが得られ、しかも連続動作させても初期値からの特性劣化は殆ど観測されず、信頼性の観点からも優れた特性が得られた。
【0053】
[実施例4]
本実施例では、アクティブマトリクス基板の画素部のnチャネル型TFTに接続される保持容量の他の構成について図9と図10を用いて説明する。ここで、図9および図10の断面構造は実施例1で説明した作製工程に従って、有機樹脂膜から成る第2の層間絶縁膜158を形成するところまでは同一であるので、そこまでの構造は図1と図2で既に説明されている。従って、本実施例では実施例1と異なる点のみに注目して説明を行うこととする。
【0054】
図9(A)において、まず実施例1の工程に従って第2の層間絶縁膜158を形成したら、Al、Ta、Tiから選ばれた元素を含む材料で遮光膜201を形成する。そして、遮光膜201の表面に陽極酸化法により30〜150nm(好ましくは50〜75nm)の厚さの誘電体膜202(酸化膜)を形成する。
【0055】
陽極酸化法で誘電体膜202を形成する場合には、まず十分にアルカリイオン濃度の小さい酒石酸エチレングリコール溶液を作製した。これは15%の酒石酸アンモニウム水溶液とエチレングリコールとを2:8で混合した溶液であり、これにアンモニア水を加え、pHが7±0.5となるように調節した。そして、この溶液中に陰極となる白金電極を設け、遮光膜201が形成されている基板を溶液に浸し、遮光膜201を陽極として、一定(数mA〜数十mA)の直流電流を流した。溶液中の陰極と陽極との間の電圧は酸化物の成長に従い時間と共に変化するが、電流が一定となるように電圧を調整し、150Vとなったところでその電圧を保持することなく、或いはその保持時間を数秒〜数十秒として陽極酸化処理を終了させた。こうすることにより、遮光膜201が第2の層間絶縁膜に接する面にまで誘電体膜を回り込ませることなく形成することができる。
【0056】
ここでは遮光膜表面のみに誘電体膜を設ける構成としたが、誘電体膜をプラズマCVD法、熱CVD法またはスパッタ法などの気相法によって形成しても良い。その場合も膜厚は30〜150nm(好ましくは50〜75nm)とすることが好ましい。また、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、DLC(Diamond like carbon)膜または有機樹脂膜を用いても良い。さらに、これらを組み合わせた積層膜を用いても良い。
【0057】
その後、実施例1と同様に画素電極203を形成する。こうして、遮光膜201と画素電極203が誘電体膜202を介して重なった領域で保持容量204が形成される。
【0058】
図9(B)の構造は、図9(A)と同様に遮光膜201、誘電体膜202を形成した後、有機樹脂でなるスペーサー205を形成する。有機樹脂膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)から選ばれた膜を用いることができる。その後、スペーサー205、第2の層間絶縁膜158、パッシベーション膜157をエッチングしてコンタクトホールを形成し、実施例1と同一の材料で画素電極206を形成する。こうして、遮光膜201と画素電極206が酸化物202を介して重なった領域において保持容量207が形成される。このようにスペーサー205を設けることにより、遮光膜201と画素電極206との間で発生するショート(短絡)を防止することができる。
【0059】
図9(C)の構造は、図9(A)と同様に遮光膜201を形成し、遮光膜201の端部を覆うようにして有機樹脂でなるスペーサー208を形成する。有機樹脂としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、アクリル、BCB(ベンゾシクロブテン)から選ばれた膜を用いることができる。次に、陽極酸化法により遮光膜201の露出した表面に誘電体膜209を形成する。なお、スペーサー208と接した部分には誘電体膜は形成されない。そして、スペーサー208、第2の層間絶縁膜158、パッシベーション膜157をエッチングしてコンタクトホールを形成し、実施例1と同一の材料で画素電極210を形成する。こうして、遮光膜201と画素電極210が酸化物209を介して重なった領域において保持容量211が形成される。このようにスペーサー208を設けることにより、遮光膜201と画素電極210との間で発生するショート(短絡)を防止することができる。
【0060】
図10(A)では、まず実施例1の工程に従って第2の層間絶縁膜158を形成したら、その上に窒化シリコン膜、酸化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜などの材料で絶縁膜212を形成する。絶縁膜212は公知の成膜法で形成するが、そのなかでもスパッタ法を用いると良かった。以降は図9(A)と同様にして遮光膜、誘電体膜、画素電極を形成して保持容量213を設ける。絶縁膜212を設けることにより、遮光膜の下地との密着性が向上し、陽極酸化法で誘電体膜を形成するときに、遮光膜の下地との界面への誘電体膜の回り込み形成を防止できる。
【0061】
図10(B)では、同様に絶縁膜と遮光膜を形成した後、絶縁膜の遮光膜と密接しない領域をエッチング除去して、遮光膜の下に重なるように絶縁膜214を形成した。そして、画素電極215を設けた。このような構成にすることにより、遮光膜の下地との密着性が向上し、陽極酸化法で誘電体膜を形成するときに、遮光膜の下地との界面への誘電体膜の回り込み形成を防止でき、また、遮光膜が形成される画素領域の光の透過率を向上させることができる。
【0062】
図10で示した構成は、図9(B)と(C)で示したスペーサを設ける構成と組み合わせることも可能である。また、図9と図10で示した本実施例の構成は、実施例1または実施例2の構成と組み合わせることが可能である。
【0063】
[実施例5]
実施例1および実施例2に記載した画素部とその周辺に設けられる駆動回路のTFTを備えたアクティブマトリクス基板の作製方法において、活性層とする半導体膜、ゲート絶縁膜や層間絶縁膜および下地膜などの絶縁膜、ゲート電極、ソース配線、ドレイン配線および画素電極などの導電膜はいずれもスパッタ法を用いて作製することができる。スパッタ法を用いることの利点は、導電膜などの成膜においてDC(直流)放電方式が採用できるので大面積基板に均一な膜を形成するのに適している。また、非晶質シリコン膜や窒化シリコン膜などのシリコン系の材料を成膜するのに取り扱いに多大な注意を要するシラン(SiH4)を使用しなくて済み、作業の安全性が確保される。このような点は、特に生産の現場において非常にメリットとして生かすことができる。以下に、スパッタ法を用いた作製工程を実施例1に従い説明する。
【0064】
図1(A)のゲート電極102〜104はTa、Ti、W、Moなどのターゲット材を用い、公知のスパッタ法で容易に形成できる。W−MoやTa−Moなどの化合物材料とする場合には、同様に化合物のターゲットを用いれば良い。また、TaNやWNを形成する場合には、スパッタ雰囲気中にアルゴン(Ar)の他に窒素(N2)やアンモニア(NH3)を適宣添加すると作製することができる。また、スパッタ用のガスにArに加えヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)を加え、作製する被膜の内部応力を制御する方法もある。
【0065】
ゲート絶縁膜105に用いる窒化シリコン膜105aは、シリコン(Si)ターゲットを用い、Ar、N2、水素(H2)、NH3を適宣混合すれば形成できる。または、窒化シリコンのターゲット材を用いても同様に形成することができる。窒化酸化シリコン膜105bは、Siターゲットを用い、Ar、N2、H2、N2Oを適宣混合してスパッタすることにより作製する。
【0066】
非晶質シリコン膜も同様に、Siターゲットを用い、Ar、H2をスパッタガスに用い作製する。また、非晶質シリコン膜中に微量にボロン(B)を添加したい場合には、あらかじめターゲット中に数十ppm〜数千ppmのボロン(B)を添加しておいても良いし、スパッタガス中にジボラン(B26)を添加することもできる。
【0067】
第1のスペーサ膜107〜109と第2のスペーサ膜110に用いる酸化シリコン膜は、酸化シリコン(または石英)をターゲット材にして、ArまたはArと酸素(O2)の混合ガスでスパッタすることにより作製できる。保護絶縁膜150、層間絶縁膜151、パッシベーション膜157に用いる窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜は前述のように作製すれば良い。
【0068】
ソース配線152〜154、及びドレイン配線155、156において、Alを用いる場合にはTi、Si、スカンジウム(Sc)、バナジウム(V)、Cuなどを0.01〜5重量%程度含有させるとヒロックの防止に効果的である。遮光膜159に用いるAl、Ta、Tiから選ばれた元素を含む材料や、画素電極161に用いるITO、ZnO、SnO2などはいずれも公知のスパッタ法で成膜すれば良い。
【0069】
このように、有機樹脂からなる第2の層間絶縁膜158と第3の層間絶縁膜160以外はいずれもスパッタ法を用いて膜形成が可能である。尚、詳細な実験条件は実施者が適宣決定すれば良い。
【0070】
[実施例6]
本実例では、アクティブマトリクス基板から、アクティブマトリクス型液晶表示装置を作製する工程を説明する。図6に示すように、実施例1で作製した図1(C)の状態のアクティブマトリクス基板に対し、配向膜601を形成する。通常液晶表示素子の配向膜にはポリイミド樹脂が多く用いられている。対向側の基板602には、透明導電膜603および配向膜604を形成した。配向膜を形成した後、ラビング処理を施して液晶分子がある一定のプレチルト角を持って配向するようにした。そして、画素部と、CMOS回路が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とを、公知のセル組み工程によってシール材やスペーサ(共に図示せず)などを介して貼りあわせる。その後、両基板の間に液晶材料605を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止した。液晶材料には公知の液晶材料を用いれば良い。このようにして図6に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成した。
【0071】
次にこのアクティブマトリクス型液晶表示装置の構成を、図7の斜視図および図8の上面図を用いて説明する。尚、図7と図8は、図1〜図2と図6の断面構造図と対応付けるため、共通の符号を用いている。また、図8で示すA―A’に沿った断面構造は、図2(C)に示す画素部の断面図に対応している。
【0072】
アクティブマトリクス基板は、ガラス基板101上に形成された、画素部701と、走査(ゲート)線駆動回路702と、信号(ソース)線駆動回路703で構成される。画素部にはnチャネル型TFT164が設けられ、周辺に設けられるドライバー回路はCMOS回路を基本として構成されている。走査(ゲート)線駆動回路702と、信号(ソース)線駆動回路703はそれぞれゲート配線104(ゲート電極に接続し、延在して形成される意味で同じ符号を用いて表す)とソース配線156で画素部701に接続されている。また、FPC731が外部入出力端子734に接続される。
【0073】
図8は画素部701の一部分(一画素)を示す上面図である。ゲート配線104は、図示されていないゲート絶縁膜を介してその下の活性層と交差している。図示はしていないが、活性層には、ソース領域、ドレイン領域、n--領域でなるLov領域とLoff領域が形成されている。また、166はソース配線154とソース領域147とのコンタクト部、167はドレイン配線156とドレイン領域149とのコンタクト部、168はドレイン配線156と画素電極161のコンタクト部である。保持容量165は、nチャネル型TFT164上で遮光膜159と画素電極161が重なる領域で形成される。
【0074】
なお、本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、実施例1で説明した構造と照らし合わせて説明したが、実施例1〜5のいずれの構成とも自由に組み合わせてアクティブマトリクス型液晶表示装置を作製することができる。
【0075】
[実施例7]
本発明を実施して作製された画素部や駆動回路を同一の基板上に一体形成したアクティブマトリクス基板は、さまざまな電気光学装置(アクティブマトリクス型液晶表示装置、アクティブマトリクス型EL表示装置、アクティブマトリクス型EC表示装置)に用いることができる。即ち、これらの電気光学装置を表示媒体として組み込んだ電子機器全てに本発明を実施できる。
【0076】
そのような電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯電話または電子書籍など)が上げられる。それらの一例を図12に示す。
【0077】
図12(A)は携帯電話であり、本体9001、音声出力部9002、音声入力部9003、表示装置9004、操作スイッチ9005、アンテナ9006から構成されている。本願発明は音声出力部9002、音声入力部9003、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9004に適用することができる。
【0078】
図12(B)はビデオカメラであり、本体9101、表示装置9102、音声入力部9103、操作スイッチ9104、バッテリー9105、受像部9106から成っている。本願発明は音声入力部9103、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9102、受像部9106に適用することができる。
【0079】
図12(C)はモバイルコンピュータであり、本体9201、カメラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成されている。本願発明は受像部9203、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9205に適用することができる。
【0080】
図12(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体9301、表示装置9302、アーム部9303で構成される。本願発明は表示装置9302に適用することができる。また、表示されていないが、その他の信号制御用回路に使用することもできる。
【0081】
図12(E)はリア型プロジェクターであり、本体9401、光源9402、表示装置9403、偏光ビームスプリッタ9404、リフレクター9405、9406、スクリーン9407で構成される。本発明は表示装置9403に適用することができる。
【0082】
図12(F)は携帯書籍であり、本体9501、表示装置9502、9503、記憶媒体9504、操作スイッチ9505、アンテナ9506から構成されており、ミニディスク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するものである。表示装置9502、9503は直視型の表示装置であり、本発明はこの適用することができる。
【0083】
図13(A)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体2401、表示部2402、スピーカ部2403、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本発明は表示部2402やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0084】
図13(B)はディスプレイであり、本体3101、支持台3102、表示部3103等を含む。本発明は表示部3103に適用することができる。本発明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)のディスプレイには有利である。
【0085】
図14(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置2601、スクリーン2602等を含む。本発明は投射装置2601の一部を構成する液晶表示装置2808やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0086】
図14(B)はリア型プロジェクターであり、本体2701、投射装置2702、ミラー2703、スクリーン2704等を含む。本発明は投射装置2702の一部を構成する液晶表示装置2808やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0087】
なお、図14(C)は、図14(A)及び図14(B)中における投射装置2601、2702の構造の一例を示した図である。投射装置2601、2702は、光源光学系2801、ミラー2802、2804〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズム2807、液晶表示装置2808、位相差板2809、投射光学系2810で構成される。投射光学系2810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図14(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0088】
また、図14(D)は、図14(C)中における光源光学系2801の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクター2811、光源2812、レンズアレイ2813、2814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816で構成される。なお、図14(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0089】
ただし、図14に示したプロジェクターにおいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示しており、反射型の電気光学装置及びEL表示装置での適用例は図示していない。
【0090】
また、ここでは図示しなかったが、本発明はその他にも、カーナビゲーションシステムやイメージセンサパーソナルコンピュータの表示部に適用することも可能である。このように、本願発明の適用範囲はきわめて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜6のどのような組み合わせから成る構成を用いても実現することができる。
【0091】
[実施例8]
本実施例では、図2(C)で示すアクティブマトリクス基板を応用してエレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)材料を用いた自発光型の表示パネル(以下、EL表示装置と記す)を作製する例について説明する。図15(A)は本発明を用いたEL表示パネルの上面図である。図15(A)において、2010は基板、2011は画素部、2012はソース側駆動回路、2013はゲート側駆動回路であり、それぞれの駆動回路は配線2014、2016を経てFPC2017に至り外部機器へと接続される。
【0092】
図15(B)は図20(A)のA−A'断面を表す図であり、このとき少なくとも画素部上、好ましくは駆動回路及び画素部上に対向板2080を設ける。対向板2080はシール材2019でTFTとEL層が形成されているアクティブマトリクス基板と貼り合わされている。シール剤2019にはフィラー(図示せず)が混入されていて、このフィラーによりほぼ均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられている。さらに、シール材2019の外側とFPC2017の上面及び周辺は封止剤2081で密封する構造とする。封止剤2081はシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ブチルゴムなどの材料を用いる。
【0093】
このように、シール剤2019によりアクティブマトリクス基板2010と対向基板2080とが貼り合わされると、その間には空間が形成される。その空間には充填剤2083が充填される。この充填剤2083は対向板2080を接着する効果も合わせ持つ。充填剤2083はPVC(ポリビニルクロライド)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。また、EL層は水分をはじめ湿気に弱く劣化しやすいので、この充填剤2083の内部に酸化バリウムなどの乾燥剤を混入させておくと吸湿効果を保持できるので望ましい。また、EL層上に窒化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などで形成するパッシベーション膜2082を形成し、充填剤2083に含まれるアルカリ元素などによる腐蝕を防ぐ構造としていある。
【0094】
対向板2080にはガラス板、アルミニウム板、ステンレス板、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、マイラーフィルム(デュポン社の商品名)、ポリエステルフィルム、アクリルフィルムまたはアクリル板などを用いることができる。また、数十μmのアルミニウム箔をPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用い、耐湿性を高めることもできる。このようにして、EL素子は密閉された状態となり外気から遮断されている。
【0095】
また、図15(B)において基板2010、下地膜2021の上に駆動回路用TFT(但し、ここではnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを組み合わせたCMOS回路を図示している。)2022及び画素部用TFT2023(但し、ここではEL素子への電流を制御するTFTだけ図示している。)が形成されている。これらのTFTの内特にnチャネル型TFTにははホットキャリア効果によるオン電流の低下や、Vthシフトやバイアスストレスによる特性低下を防ぐため、本実施形態で示す構成のLDD領域が設けられている。
【0096】
例えば、駆動回路用TFT2022とし、図2(C)に示すCMOS回路のpチャネル型TFT162とnチャネル型TFT163を用いれば良い。また、画素部用TFT2023には図2(C)に示すnチャネル型TFT164またはそれと同様な構造を有するpチャネル型TFTを用いれば良い。
【0097】
但し、EL表示装置を作製するためのアクティブマトリクス基板を作製するためには画素電極2027上にEL材料を用いて自発光層2029を形成する。自発光層2029は公知のEL材料(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層または電子注入層)を自由に組み合わせて積層構造または単層構造とすれば良い。どのような構造とするかは公知の技術を用いれば良い。また、EL材料には低分子系材料と高分子系(ポリマー系)材料がある。低分子系材料を用いる場合は蒸着法を用いるが、高分子系材料を用いる場合には、スピンコート法、印刷法またはインクジェット法等の簡易な方法を用いることが可能である。
【0098】
自発光層2029はシャドーマスクを用いて蒸着法、またはインクジェット法、ディスペンサー法などで形成する。いずれにしても、画素毎に波長の異なる発光が可能な発光層(赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層)を形成することで、カラー表示が可能となる。その他にも、色変換層(CCM)とカラーフィルターを組み合わせた方式、白色発光層とカラーフィルターを組み合わせた方式があるがいずれの方法を用いても良い。勿論、単色発光のEL表示装置とすることもできる。
【0099】
自発光層2029を形成したら、その上に陰極2030を形成する。陰極2030と自発光層2029の界面に存在する水分や酸素は極力排除しておくことが望ましい。従って、真空中で自発光層2029と陰極2030を連続して形成するか、自発光層2029を不活性雰囲気で形成し、大気解放しないで真空中で陰極2030を形成するといった工夫が必要である。本実施例ではマルチチャンバー方式(クラスターツール方式)の成膜装置を用いることで上述のような成膜を可能とする。
【0100】
なお、本実施例では陰極2030として、LiF(フッ化リチウム)膜とAl(アルミニウム)膜の積層構造を用いる。具体的には自発光層2029上に蒸着法で1nm厚のLiF(フッ化リチウム)膜を形成し、その上に300nm厚のアルミニウム膜を形成する。勿論、公知の陰極材料であるMgAg電極を用いても良い。そして陰極2030は2031で示される領域において配線2016に接続される。配線2016は陰極2030に所定の電圧を与えるための電源供給線であり、異方性導電性ペースト材料2032を介してFPC2017に接続される。FPC2017上にはさらに樹脂層2080が形成され、この部分の接着強度を高めている。
【0101】
2031に示された領域において陰極2030と配線2016とを電気的に接続するために、層間絶縁膜2026及び絶縁膜2028にコンタクトホールを形成する必要がある。これらは層間絶縁膜2026のエッチング時(画素電極用コンタクトホールの形成時)や絶縁膜2028のエッチング時(EL層形成前の開口部の形成時)に形成しておけば良い。また、絶縁膜2028をエッチングする際に、層間絶縁膜2026まで一括でエッチングしても良い。この場合、層間絶縁膜2026と絶縁膜2028が同じ樹脂材料であれば、コンタクトホールの形状を良好なものとすることができる。
【0102】
また、配線2016はシール2019と基板2010との間を隙間(但し封止剤2081で塞がれている。)を通ってFPC2017に電気的に接続される。なお、ここでは配線2016について説明したが、他の配線2014、2015も同様にしてシーリング材2018の下を通ってFPC2017に電気的に接続される。
【0103】
ここで画素部のさらに詳細な断面構造を図21に、上面構造を図17(A)に、回路図を図17(B)に示す。図16(A)において、基板2101上に設けられたスイッチング用TFT2102は図2(C)の画素部のnチャネル型TFT164と同じ構造で形成される。ダブルゲート構造とすることで実質的に二つのTFTが直列された構造となり、オフ電流値を低減することができるという利点がある。なお、本実施例ではダブルゲート構造としているがトリプルゲート構造やそれ以上のゲート本数を持つマルチゲート構造でも良い。
【0104】
また、電流制御用TFT2103は図2(C)で示すCMOS回路のnチャネル型TFT163を用いて形成する。このとき、スイッチング用TFT2102のドレイン線2135は配線2136によって電流制御用TFTのゲート電極2137に電気的に接続されている。また、2138で示される配線は、スイッチング用TFT2102のゲート電極2139a、2139bを電気的に接続するゲート線である。
【0105】
電流制御用TFT2103やスイッチング用TFT2102を本発明の方法を用いて水素化すると、電界効果移動度、サブスレッショルド定数(S値)、オン電流などのTFTの主要特性を向上させることができ、また個々のTFTの特性のバラツキを低減させることができるので、EL表示素子を作製する上で非常に効果的である。上記の様な諸特性が向上することで階調表示を容易なものとし、TFTの特性のバラツキを低減させることで画像表示の斑をなくすことができ、表示品位を向上させることができる。
【0106】
また、本実施例では電流制御用TFT2103をシングルゲート構造で図示しているが、複数のTFTを直列につなげたマルチゲート構造としても良い。さらに、複数のTFTを並列につなげて実質的にチャネル形成領域を複数に分割し、熱の放射を高い効率で行えるようにした構造としても良い。このような構造は熱による劣化対策として有効である。
【0107】
また、図17(A)に示すように、電流制御用TFT2103のゲート電極2137となる配線は2104で示される領域で、電流制御用TFT2103のドレイン線2140と絶縁膜を介して重なる。このとき、2104で示される領域ではコンデンサが形成される。このコンデンサ2104は電流制御用TFT2103のゲートにかかる電圧を保持するためのコンデンサとして機能する。なお、ドレイン線2140は電流供給線(電源線)2201に接続され、常に一定の電圧が加えられている。
【0108】
スイッチング用TFT2102及び電流制御用TFT2103の上には第1パッシベーション膜2141が設けられ、その上に樹脂絶縁膜でなる平坦化膜2142が形成される。平坦化膜2142を用いてTFTによる段差を平坦化することは非常に重要である。後に形成される自発光層は非常に薄いため、段差が存在することによって発光不良を起こす場合がある。従って、EL層をできるだけ平坦面上に形成できるように画素電極を形成する前に平坦化しておくことが望ましい。
【0109】
また、2143は反射性の高い導電膜でなる画素電極(EL素子の陰極)であり、電流制御用TFT2103のドレインに電気的に接続される。画素電極2143としてはアルミニウム合金膜、銅合金膜または銀合金膜など低抵抗な導電膜またはそれらの積層膜を用いることが好ましい。勿論、他の導電膜との積層構造としても良い。また、絶縁膜(好ましくは樹脂)で形成されたバンク2144a、2144bにより形成された溝(画素に相当する)の中に発光層2144が形成される。なお、ここでは一画素しか図示していないが、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色に対応した発光層を作り分けても良い。発光層とする有機EL材料としてはπ共役ポリマー系材料を用いる。代表的なポリマー系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)系、ポリビニルカルバゾール(PVK)系、ポリフルオレン系などが挙げられる。尚、PPV系有機EL材料としては様々な型のものがあるが、例えば「H. Shenk,H.Becker,O.Gelsen,E.Kluge,W.Kreuder,and H.Spreitzer,“Polymers for Light Emitting Diodes”,Euro Display,Proceedings,1999,p.33-37」や特開平10−92576号公報に記載されたような材料を用いれば良い。
【0110】
具体的な発光層としては、赤色に発光する発光層にはシアノポリフェニレンビニレン、緑色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン、青色に発光する発光層にはポリフェニレンビニレン若しくはポリアルキルフェニレンを用いれば良い。膜厚は30〜150nm(好ましくは40〜100nm)とすれば良い。但し、以上の例は発光層として用いることのできる有機EL材料の一例であって、これに限定する必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせてEL層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良い。例えば、本実施例ではポリマー系材料を発光層として用いる例を示したが、低分子系有機EL材料を用いても良い。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これらの有機EL材料や無機材料は公知の材料を用いることができる。
【0111】
本実施例では発光層2145の上にPEDOT(ポリチオフェン)またはPAni(ポリアニリン)でなる正孔注入層2146を設けた積層構造のEL層としている。そして、正孔注入層2146の上には透明導電膜でなる陽極2147が設けられる。本実施例の場合、発光層2145で生成された光は上面側に向かって(TFTの上方に向かって)放射されるため、陽極は透光性でなければならない。透明導電膜としては酸化インジウムと酸化スズとの化合物や酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いることができるが、耐熱性の低い発光層や正孔注入層を形成した後で形成するため、可能な限り低温で成膜できるものが好ましい。
【0112】
陽極2147まで形成された時点でEL素子2105が完成する。なお、ここでいうEL素子2105は、画素電極(陰極)2143、発光層2145、正孔注入層2146及び陽極2147で形成されたコンデンサを指す。図17(A)に示すように画素電極2143は画素の面積にほぼ一致するため、画素全体がEL素子として機能する。従って、発光の利用効率が非常に高く、明るい画像表示が可能となる。
【0113】
ところで、本実施例では、陽極2147の上にさらに第2パッシベーション膜2148を設けている。第2パッシベーション膜2148としては窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜が好ましい。この目的は、外部とEL素子とを遮断することであり、有機EL材料の酸化による劣化を防ぐ意味と、有機EL材料からの脱ガスを抑える意味との両方を併せ持つ。これによりEL表示装置の信頼性が高められる。
【0114】
以上のように本願発明のEL表示パネルは図22のような構造の画素からなる画素部を有し、スイッチング用TFTと電流制御用TFTとを有する。そして、本発明の水素化方法を用いて作製されたこれらのTFTはきわめて安定な特性を示し、EL表示装置において良好な画像表示を可能とする。
【0115】
図16(B)は自発光層からの光の放射方向が図16(A)と逆の例を示す。電流制御用TFT2601は図2(C)のCMOS回路のpチャネル型TFT162を用いて形成する。作製プロセスは実施例1を参照すれば良い。本実施例では、画素電極(陽極)2150として透明導電膜を用いる。具体的には酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物でなる導電膜を用いる。勿論、酸化インジウムと酸化スズとの化合物でなる導電膜を用いても良い。
【0116】
そして、絶縁膜でなるバンク2151a、2151bが形成された後、溶液塗布によりポリビニルカルバゾールでなる発光層2152が形成される。その上にはカリウムアセチルアセトネート(acacKと表記される)でなる電子注入層2153、アルミニウム合金でなる陰極2154が形成される。この場合、陰極2154がパッシベーション膜としても機能する。こうしてEL素子2602が形成される。本実施例の場合、発光層2153で発生した光は、矢印で示されるようにTFTが形成された基板の方に向かって放射される。本実施例のような構造とする場合、電流制御用TFT2601はpチャネル型TFTで形成することが好ましい。そして、このようなEL表示素子は実施例7で示す半導体装置に適用することができる。
【0117】
[実施例9]
本実施例では、図17(B)に示した回路図とは異なる構造の画素とした場合の例について図18に示す。なお、本実施例において、2701はスイッチング用TFT2702のソース配線、2703はスイッチング用TFT2702のゲート配線、2704は電流制御用TFT、2705はコンデンサ、2706、2708は電流供給線、2707はEL素子とする。
【0118】
図18(A)は、二つの画素間で電流供給線2706を共通とした場合の例である。即ち、二つの画素が電流供給線2706を中心に線対称となるように形成されている点に特徴がある。この場合、電源供給線の本数を減らすことができるため、画素部をさらに高精細化することができる。
【0119】
また、図18(B)は、電流供給線2708をゲート配線2703と平行に設けた場合の例である。なお、図18(B)では電流供給線2708とゲート配線2703とが重ならないように設けた構造となっているが、両者が異なる層に形成される配線であれば、絶縁膜を介して重なるように設けることもできる。この場合、電源供給線2708とゲート配線2703とで専有面積を共有させることができるため、画素部をさらに高精細化することができる。
【0120】
また、図18(C)は、図18(B)の構造と同様に電流供給線2708をゲート配線2703と平行に設け、さらに、二つの画素を電流供給線2708を中心に線対称となるように形成する点に特徴がある。また、電流供給線2708をゲート配線2703のいずれか一方と重なるように設けることも有効である。この場合、電源供給線の本数を減らすことができるため、画素部をさらに高精細化することができる。図18(B)では電流制御用TFT2704のゲートにかかる電圧を保持するためにコンデンサ2705を設ける構造としているが、コンデンサ2705を省略することも可能である。
【0121】
電流制御用TFT2704として図16(A)に示すような本願発明のnチャネル型TFTを用いているため、ゲート絶縁膜を介してゲート電極と重なるように設けられたLDD領域を有している。この重なり合った領域には一般的にゲート容量と呼ばれる寄生容量が形成されるが、本実施例ではこの寄生容量をコンデンサ2705の代わりとして積極的に用いる点に特徴がある。この寄生容量のキャパシタンスは上記ゲート電極とLDD領域とが重なり合った面積で変化するため、その重なり合った領域に含まれるLDD領域の長さによって決まる。また、図18(A)、(B)、(C)の構造においても同様にコンデンサ2705を省略することは可能である。
【0122】
【発明の効果】
本発明を用いることで、同一の基板上に複数の機能回路が形成された半導体装置(ここでは具体的には電気光学装置)において、その機能回路が要求する仕様に応じて適切な性能のTFTを配置することが可能となり、その動作特性や信頼性を大幅に向上させることができる。
【0123】
特に、LDD領域が設けられたボトムゲート型または逆スタガ型のTFTにおいて、画素部のnチャネル型TFTのLDD領域をn--の濃度でかつLoffのみとして形成することにより、大幅にオフ電流値を低減でき、画素部の低消費電力化に寄与することができる。また、駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域をn-の濃度でかつLovのみとして形成することにより、電流駆動能力を高め、かつ、ホットキャリアによる劣化を防ぎ、オン電流値の劣化を低減することができる。
【0124】
また、そのような電気光学装置を表示媒体として有する半導体装置(ここでは具体的に電子機器)の動作性能と信頼性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画素部、駆動回路の作製工程を示す断面図。
【図2】 画素部、駆動回路の作製工程を示す断面図。
【図3】 画素部、駆動回路の作製工程を示す断面図。
【図4】 画素部、駆動回路の作製工程を示す断面図。
【図5】 ゲート電極とLDD領域の位置関係を説明する図。
【図6】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の断面構造図。
【図7】 アクティブマトリクス型液晶表示装置の斜視図。
【図8】 画素部の上面図。
【図9】 保持容量の構成を示す断面図。
【図10】 保持容量の構成を示す断面図。
【図11】 結晶質半導体層の作製工程を示す断面図。
【図12】 半導体装置の一例を示す図。
【図13】 半導体装置の一例を示す図。
【図14】 プロジェクタの一例を示す図。
【図15】 EL表示装置の構造を示す上面図及び断面図。
【図16】 EL表示装置の画素部の断面図。
【図17】 EL表示装置の画素部の上面図と回路図。
【図18】 EL表示装置の画素部の回路図の例。
【符号の説明】
101 基板
102〜104 ゲート電極
105 ゲート絶縁膜
106 結晶質シリコン膜
107〜109 第1のスペーサ膜
110 第2のスペーサ膜
150、332 保護絶縁膜
151、333 層間絶縁膜
152〜154、334〜336 ソース配線
155、156、337、338 ドレイン配線
157、339 パッシベーション膜
158、340 第2の層間絶縁膜
159、341 遮光膜
160、342 第3の層間絶縁膜
161、343 画素電極

Claims (5)

  1. 同一の基板上に、nチャネル型の第1のTFTを有する画素部と、nチャネル型の第2のTFTを有する駆動回路とを含む半導体装置の作製方法であって、
    前記基板上に、第1のLDD領域を有する第1の活性層と、前記第1の活性層と前記基板の間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜と前記基板の間に設けられた第1のゲート電極とを含む前記第1のTFTを形成するとともに、前記第1のLDD領域に比較してn型を付与する不純物元素を高い濃度で含む第2のLDD領域を有する第2の活性層と、前記第2の活性層と前記基板との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜と前記基板との間に設けられた第2のゲート電極とを含む前記第2のTFTを形成する工程と、
    少なくとも前記第1のTFT上に有機樹脂膜を形成する工程と、
    前記有機樹脂膜上に、アルミニウム、タンタル、チタンから選ばれた一種または複数種を含む遮光膜を形成する工程と、
    陽極酸化法により、前記遮光膜の表面に誘電体膜を形成する工程と、
    前記遮光膜及び前記誘電体膜の端部を覆うように、有機樹脂からなるスペーサを形成する工程と、
    前記誘電体膜及び前記スペーサを介して一部が前記遮光膜と重なるように、前記第1のTFTに電気的に接続する画素電極を形成する工程とを有し、
    前記第1のLDD領域は、前記第1のゲート電極と重ならないように配置され、
    前記第2のLDD領域は、前記第2のゲート電極と重なるように配置されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 同一の基板上に、nチャネル型の第1のTFTを有する画素部と、nチャネル型の第2のTFTを有する駆動回路とを含む半導体装置の作製方法であって、
    前記基板上に、第1のLDD領域を有する第1の活性層と、前記第1の活性層と前記基板の間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜と前記基板の間に設けられた第1のゲート電極とを含む前記第1のTFTを形成するとともに、前記第1のLDD領域に比較してn型を付与する不純物元素を高い濃度で含む第2のLDD領域を有する第2の活性層と、前記第2の活性層と前記基板との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜と前記基板との間に設けられた第2のゲート電極とを含む前記第2のTFTを形成する工程と、
    少なくとも前記第1のTFT上に有機樹脂膜を形成する工程と、
    前記有機樹脂膜上に、アルミニウム、タンタル、チタンから選ばれた一種または複数種を含む遮光膜を形成する工程と、
    前記遮光膜の端部を覆うように、有機樹脂からなるスペーサを形成する工程と、
    陽極酸化法により、露出された前記遮光膜の表面に誘電体膜を形成する工程と、
    前記誘電体膜または前記スペーサを介して一部が前記遮光膜と重なるように、前記第1のTFTに電気的に接続する画素電極を形成する工程とを有し、
    前記第1のLDD領域は、前記第1のゲート電極と重ならないように配置され、
    前記第2のLDD領域は、前記第2のゲート電極と重なるように配置されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記有機樹脂膜と前記遮光膜との間に、窒化シリコン、酸化シリコン、または窒化酸化シリコンからなる絶縁膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 同一の基板上に、nチャネル型の第1のTFTを有する画素部と、nチャネル型の第2のTFTを有する駆動回路とを含む半導体装置の作製方法であって、
    前記基板上に、第1のLDD領域を有する第1の活性層と、前記第1の活性層と前記基板の間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜と前記基板の間に設けられた第1のゲート電極とを含む前記第1のTFTを形成するとともに、前記第1のLDD領域に比較してn型を付与する不純物元素を高い濃度で含む第2のLDD領域を有する第2の活性層と、前記第2の活性層と前記基板との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜と前記基板との間に設けられた第2のゲート電極とを含む前記第2のTFTを形成する工程と、
    少なくとも前記第1のTFT上に有機樹脂膜を形成する工程と、
    前記有機樹脂膜上に、窒化シリコン、酸化シリコン、または窒化酸化シリコンからなる絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、アルミニウム、タンタル、チタンから選ばれた一種または複数種を含む遮光膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜のうち、前記遮光膜と重ならない領域を除去した後、陽極酸化法により、前記遮光膜の表面に誘電体膜を形成する工程と、
    前記遮光膜及び前記誘電体膜の端部を覆うように、有機樹脂からなるスペーサを形成する工程と、
    前記誘電体膜及び前記スペーサを介して一部が前記遮光膜と重なるように、前記第1のTFTに電気的に接続する画素電極を形成する工程とを有し、
    前記第1のLDD領域は、前記第1のゲート電極と重ならないように配置され、
    前記第2のLDD領域は、前記第2のゲート電極と重なるように配置されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 同一の基板上に、nチャネル型の第1のTFTを有する画素部と、nチャネル型の第2のTFTを有する駆動回路とを含む半導体装置の作製方法であって、
    前記基板上に、第1のLDD領域を有する第1の活性層と、前記第1の活性層と前記基板の間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜と前記基板の間に設けられた第1のゲート電極とを含む前記第1のTFTを形成するとともに、前記第1のLDD領域に比較してn型を付与する不純物元素を高い濃度で含む第2のLDD領域を有する第2の活性層と、前記第2の活性層と前記基板との間に設けられた第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜と前記基板との間に設けられた第2のゲート電極とを含む前記第2のTFTを形成する工程と、
    少なくとも前記第1のTFT上に有機樹脂膜を形成する工程と、
    前記有機樹脂膜上に、窒化シリコン、酸化シリコン、または窒化酸化シリコンからなる絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、アルミニウム、タンタル、チタンから選ばれた一種または複数種を含む遮光膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜のうち、前記遮光膜と重ならない領域を除去した後、前記遮光膜の端部を覆うように、有機樹脂からなるスペーサを形成する工程と、
    陽極酸化法により、露出された前記遮光膜の表面に誘電体膜を形成する工程と、
    前記誘電体膜または前記スペーサを介して一部が前記遮光膜と重なるように、前記第1のTFTに電気的に接続する画素電極を形成する工程とを有し、
    前記第1のLDD領域は、前記第1のゲート電極と重ならないように配置され、
    前記第2のLDD領域は、前記第2のゲート電極と重なるように配置されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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