JP4456110B2 - ニッケルまたはコバルトの浸出方法 - Google Patents

ニッケルまたはコバルトの浸出方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化鉱石からニッケルまたはコバルトを浸出する方法および回収する方法に関する。
ニッケル、コバルトを含有する酸化鉱石から、硫酸によりニッケル、コバルトを浸出する方法として、大気圧のもとでニッケル、コバルトを含む硫酸液を得る常圧浸出方法(非特許文献1、非特許文献2)と、高温高圧のもとでニッケル、コバルトを含む硫酸液を得る加圧浸出方法(非特許文献3)とが知られている。
Proc.Australas.Inst.Metall.No.265,March.1978 The metallurgical Society,1988 p447 Journal of Metals.March,1960,P206 ISIJ International Vol43(2003)No2 p181〜p186
しかしながら、非特許文献2に記載されているように、ニッケル、コバルト、マグネシウムおよび鉄を含有する酸化鉱石を大気圧のもとで硫酸により浸出すると、ニッケル、コバルトの他に鉄も同時に浸出し、ニッケル、コバルトをそれぞれ80重量%以上浸出させようとすると、鉄も15重量%以上浸出することとなる。一般に、ニッケル、コバルトを含有する酸化鉱石はニッケルの10〜40倍もの鉄を含んでいるため、同文献記載の方法では、浸出に必要な硫酸の消費量が多くなり、しかも浸出した液中の鉄濃度も高くなるため、鉄を除去するための処理費も多くなり、コストの面で課題が残されていた。
また、非特許文献4(常圧浸出に関する最近の研究報告)に記載されているように、CO/CO(30/70vol%)の混合ガス雰囲気および700℃の温度のもとで、ニッケルとコバルトを還元することにより金属化し、鉄をマグネタイトに変態させることにより、30℃〜70℃の温度でニッケルの80重量%〜90重量%、鉄の20重量%〜30重量%が浸出可能であることが報告されている。しかし、この方法は、700℃の温度で、しかも還元雰囲気下で浸出を行うことが要求され、エネルギー消費量が多く、実操業に用いるには多くの課題を残している。
一方、非特許文献3に記載されているように、高温高圧のもとで硫酸により酸化鉱石を加圧浸出すると、鉄の浸出が抑えられ、かつ、ニッケル、コバルトの高い浸出率が得られる。したがって、硫酸の使用量が少なくてすみ、また鉄を除去するための処理費も少なくなるが、高温高圧のもとでの硫酸浸出操業のため、オートクレーブが必要であり、オートクレーブの材質もチタン等の高価なものが必要となる。また大気圧のもとでの浸出に比べて、エネルギー消費量が増加する。さらには、オートクレーブの内壁にスケールが付着成長するため、これを除去するために、しばしば操業を中断する必要があり、稼働率の低下をもたらすことがあった。
さらに、上記文献記載の方法に共通の課題として、コバルトについて高い浸出率を安定的に得ることが困難であるという課題があった。ニッケル、コバルト、マグネシウムおよび鉄を含有する酸化鉱石の中には、3価のコバルト化合物が多く含まれているものがある。この3価のコバルト化合物は、硫酸により分解させることが困難であるため、これがコバルト浸出率向上の阻害要因となっていた。この結果、ニッケルの浸出率に比べて、コバルトの浸出率が低い場合が生じ、コバルトの回収率の低下をもたらすという課題を有していた。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ニッケルまたはコバルトと鉄とを含む酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを浸出する方法または回収する方法において、コバルトの浸出率や回収率を向上させることにある。
本発明によれば、ニッケルまたはコバルトと鉄とを含有する酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを浸出する方法であって、酸化鉱石に対し、鉄を含む還元剤と硫酸とを加え、ニッケルまたはコバルトを含む硫酸浸出溶液と、浸出残渣とを得る浸出工程を含むことを特徴とする浸出方法が提供される。
本発明によれば、鉄を含む還元剤を用いて酸化鉱石中のコバルト成分を還元する。このような還元剤を用いることで、工程の安定化を図りつつ、コバルトの浸出率の向上を図ることができる。
本発明によれば、ニッケルまたはコバルトと鉄とを含有する酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを浸出する方法であって、酸化鉱石を、小粒径酸化鉱石と、大粒径酸化鉱石とに分級する分級工程と、小粒径酸化鉱石に対し、還元剤および硫酸を加え、ニッケルまたはコバルトを含む硫酸浸出溶液と、浸出残渣とを得る浸出工程と、浸出残渣を含む硫酸浸出溶液と、大粒径酸化鉱石とを反応させて、ニッケルまたはコバルトを含む反応液と、鉄を含む反応残渣と、を得る反応工程とを含むことを特徴とする浸出方法が提供される。
小粒径酸化鉱石は、大粒径酸化鉱石と比較し、コバルトの浸出が困難である。そこで上記構成においては、まず、小粒径酸化鉱石と大粒径酸化鉱石とを分級し、得られた小粒径酸化鉱石について浸出処理を行い、次いで、得られた硫酸浸出溶液と大粒径酸化鉱石とを反応させることによりニッケルまたはコバルトを含む反応液を得ている。このように、コバルトが浸出されにくい小粒径酸化鉱石を選別し、これらが、還元剤および硫酸の消費率が低い段階で系中に導入されるため、コバルトの浸出率を顕著に向上させることができる。
一方、大粒径酸化鉱石は、小粒径酸化鉱石と比較し、一般にマグネシウムを多く含んでいるため、上記のように反応工程で大粒径酸化鉱石が導入されることにより、反応工程における反応を効果的に促進することができる。
本発明において、浸出工程と反応工程とを、ともに90℃以上の温度下で行うことができる。こうすることにより、コバルトの浸出率をより向上させることができる。また、浸出工程と反応工程とを、ともに常圧下で行うことができる。こうすることにより、設備コストの上昇を抑制することができる。
本発明によれば、ニッケルまたはコバルトと鉄とを含有する酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを回収する方法であって、硫酸とナトリウム塩と還元剤とを加え、ニッケルまたはコバルトを含む硫酸浸出溶液と、浸出残渣と、を得る浸出工程と、浸出残渣を含む硫酸浸出溶液とマグネシウムとを反応させてpH調整し、ニッケルまたはコバルトを含む反応液と、鉄を含む反応残渣と、を得る反応工程と、反応残渣を含む反応液を、中和剤を使用して中和し、ニッケルまたはコバルトを含む中和液と、鉄を含む中和残渣と、を得る中和工程とを含むことを特徴とする回収方法が提供される。
本発明によれば、浸出工程において、硫酸とナトリウム塩と鉄とを化合させてナトロジャロサイトを生成すると同時に、硫酸と還元剤とを使用して、酸化鉱石中のコバルト成分を還元することによって、ニッケル、コバルトの浸出率の向上を図ることができる。また、反応工程において、マグネシウムを用いてpH調整することができる。中和工程の前で鉄を沈殿させることができるため、中和工程において鉄を処理するコスト上昇を抑制することができる。したがって、より効率的にニッケル、コバルトの回収率の向上を図ることができる。
また、浸出工程の前に、酸化鉱石を、小粒径酸化鉱石とマグネシウムを含む大粒径酸化鉱石とに分級する工程を含み、浸出工程において、前記小粒径酸化鉱石からニッケルまたはコバルトを浸出するとともに、反応工程において、浸出残渣を含む硫酸浸出溶液と、大粒径酸化鉱石に含有されるマグネシウムとを反応させてpH調整してもよい。こうすることにより、ニッケル、コバルトの回収コストを低減しつつ、ニッケル、コバルトの浸出率をさらに向上させることができる。
また、中和工程の後に、中和液と中和残渣とを、凝集剤を使用し、シックナーを用いて固液分離し、中和液と中和残渣とを分離する工程を、さらに含んでもよい。
また、浸出工程と反応工程とを、ともに90℃以上の温度下で行ってもよい。こうすることにより、コバルトの浸出率をより向上させることができる。また、浸出工程と反応工程とを、ともに常圧下で行ってもよい。こうすることにより、設備コストの上昇を抑制することができる。
なお、「常圧」とは常圧近傍をも含むものとする。
本発明によれば、ニッケルまたはコバルトと鉄とを含む酸化鉱石から、ニッケル、コバルトを浸出する方法または回収する方法において、硫酸と還元剤とを使用して酸化鉱石中のコバルト成分を還元することによって、ニッケル、コバルトの浸出率または回収率の向上を図ることができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
[図1]本発明の実施形態における工程を説明するためのフロー図である。
[図2]本発明の実施形態における工程を説明するためのフロー図である。
以下に本発明における実施形態について、図面および表を用いて説明する。なお、以下の記載において、使用量および添加量は、各物質の重量を基準とした使用量および添加量である。また、すべての図面において、同様な構成要素には、同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態においては、たとえば、表1に成分を記載した酸化鉱石などを使用することができる。表1に示す2種類の酸化鉱石は、それぞれ産地が異なる鉱山のものとすることができる。
(表1)
Figure 0004456110
第一の実施の形態
図1に、ニッケル、コバルトおよび鉄を含む酸化鉱石からニッケル、コバルトを回収するための工程図を示す。
以下、本実施形態における工程のフローを説明する。
はじめに、工程a(分級工程)において、酸化鉱石202を、オーバーサイズとアンダーサイズに分級し、アンダーサイズは用水207によりスラリー鉱石204とし、オーバーサイズは粉砕して粉砕品203とする。
次に、工程b(浸出工程)において、スラリー鉱石204に硫酸205と還元剤220を添加することにより、3価のコバルト酸化物を還元し、硫酸205により浸出し、ニッケル、コバルトを含む硫酸浸出液208と浸出残渣209とを得る。ここで、浸出残渣209には、スラリー鉱石204から浸出された鉄と硫酸205とナトリウム塩206とが反応して生成されたナトロジャロサイトが含まれている。
つづいて、工程c(反応工程)において、浸出残渣209を含む硫酸浸出液208中のフリー硫酸と、分級工程で粉砕した粉砕品203に含有されるマグネシウムとを反応させることにより、フリー硫酸を消費しpHを調整し、反応液210と反応残渣211とを得る。このpH調整により、反応残渣211中にナトロジャロサイトを沈殿させることにより、反応液210中の鉄濃度を減少させることができる。
次に、工程d(中和工程)において、反応残渣211を含む反応液210に中和剤212を添加することでpHを調整し、中和液213と中和残渣214とを得る。ここで、前工程の反応工程において、ナトロジャロサイトを沈殿させて反応液210中の鉄濃度が減少しているので、中和剤212の添加量を低減することができる。
つづいて、工程e(固液分離工程)において、中和残渣214を含む中和液213に凝集剤215を添加し、シックナーを用いて固液分離することで、中和液213と中和残渣214とを分離する。
次に、中和液213をニッケル・コバルト回収工程に送り、ニッケル、コバルトを回収する。
以下、各工程について詳細を説明する。
工程a:分級工程
ニッケル、コバルト、マグネシウムおよび鉄を含有する、たとえば、産地が異なる鉱山から入手したNo1、No2の2種類の酸化鉱石202を、例えば振動振るいのような簡単な装置で、オーバーサイズとアンダーサイズとに分級し、アンダーサイズは用水207を用いてスラリー鉱石204とし、オーバーサイズは、例えばボールミルなどのような装置により粉砕品203とする。振動ふるいなどによる分級のサイズは、特にこだわらないが、工程安定性向上の観点から、たとえば、0.5mm以上2mm以下の振るい目などを用いることができる。
また、この酸化鉱石を0.5mm以上2mm以下程度のふるいで分級すると、アンダーサイズでは鉄含有量が高くなり、マグネシウム含有量が低くなる傾向を示し、反対にオーバーサイズでは鉄含有量が低くなり、マグネシウム含有量が高くなる傾向を示す。
用水207としては、通常用いられる、河川水、地下水の使用はもちろんのこと、海水を使用することができる。ここで、本実施形態に係る方法を採用するにあたり、コストなどの経済性を考慮すると、鉱山元で実施する場合があり得る。ここで、鉱山がある地域の地域性を考慮すると、必ずしも河川水、地下水等の用水を十分確保することが容易ではない場合もあり得るからである。また、用水207として海水を使用することにより、海水中に含まれるナトリウム塩を用いて、後工程である浸出工程および反応工程において、酸化鉱石から浸出された鉄の、浸出液中や反応液中における残存量を制御することができるという効果を得ることができる。
工程b:浸出工程
工程aで得られたスラリー鉱石204は、たとえば、常圧のもと、たとえば、90℃以上100℃以下の温度で、硫酸205と還元剤220を加えることによって浸出されることにより、ニッケル、コバルト、マグネシウムおよび鉄を含む硫酸浸出液208と浸出残渣209が得られる。
浸出温度を90℃以上とすることにより、スラリー鉱石204中のニッケル、コバルトの浸出速度を向上させることができる。これにより、スラリー鉱石中に含まれるニッケル、コバルトの浸出時間を短縮することができる。あわせて、ニッケル、コバルトの浸出率を上昇させることができる。また、100℃以下の温度でスラリー鉱石に含まれるニッケル、コバルトを浸出することにより、水の沸点以下の温度でニッケル、コバルトの浸出を行うことができる。そのため、ニッケル、コバルトの浸出に用いる装置の浸出容器を加圧しなくてよい。したがって、設備コストの上昇を抑制することができる。
なお、浸出温度は90℃以上としたが、たとえば70℃以上の範囲で適宜温度を選択してもよい。また、100℃超過のもとでスラリー鉱石204中のニッケル、コバルトを浸出させてもよい。また、常圧以外の圧力条件のもとで、スラリー鉱石204中のニッケル、コバルトを浸出させてもよい。
硫酸添加量は、酸化鉱石202の使用量に対して、0.5倍量以上0.8倍量以下とすることができる。硫酸を0.5倍量以上添加することにより、ニッケル、コバルトの浸出を十分に行うことができる。また、硫酸の添加量が0.8倍量付近において、ニッケル、コバルトの浸出率が平衡状態となる。このため、硫酸の添加量を0.8倍量以下とすることにより、過剰な硫酸(フリー硫酸)の発生量を抑制することができる。したがって、酸化鉱石からのニッケル、コバルトの浸出率を維持しつつ、ニッケル、コバルトの回収コストの上昇を抑制することができる。
還元剤220としては、たとえば、鉄粉、亜硫酸ナトリウム、あるいはこれらを混合したものなどが用いられる。このうち、鉄粉などの鉄を用いることができる。還元剤220として鉄粉を用いた場合には、より少ない使用量で、還元剤220としての高い効果を得ることができる。また、鉄粉は安価であるため、製造コストの上昇を抑制しつつ、ニッケル、コバルトの浸出率を安定的に向上させることができる。鉄粉の粒径としては、直径1mm程度のものを用いることができ、また、表面が酸化していないものを用いることができる。また、鉄粉以外でも、グラインダーによって細かくされた鉄屑などを用いてもよい。
還元剤220の添加量は、その種類に応じて適宜選択される。鉄粉を用いる場合は、酸化鉱石202の使用量に対して0.1重量%〜1重量%、特に0.2重量%〜0.5重量%の範囲で添加することができる。また、亜硫酸ナトリウムを使用する場合は、酸化鉱石202の使用量に対して1重量%〜10重量%、特に5重量%〜8重量%の範囲とすることができる。上記範囲で添加することにより、還元剤220としての鉄粉の効果を十分に発揮することが可能となり、ニッケル、コバルトの浸出率、特にコバルトの浸出率を効率的にさらに向上させることができる。したがって、コストの低減を図りつつ、ニッケル、コバルトの浸出率の更なる向上を図ることができる。
還元剤220を上記範囲で添加することにより、還元剤220の効果を十分に発揮することが可能となり、ニッケル、コバルトの浸出率、特にコバルトの浸出率を効率的に更に向上させることができる。したがって、鉄を除去するコストの低減を図りつつ、ニッケル、コバルトの回収率の更なる向上を図ることができる。
還元剤を加えることにより、ニッケル、コバルトの浸出率、特にコバルトの浸出率の向上に効果がある理由は、以下のように考えられる。
すなわち、酸化鉱石202中のコバルトは2価の酸化物(CoO)と3価の酸化物(Co)の形態で存在し、その存在比率は鉱石の産地によって異なっていると推定される。このようなコバルトと酸素との結合状態は、CoのほうがCoOより強く安定であり、硫酸205によって、スラリー鉱石204に含有される3価のコバルト酸化物におけるコバルトと酸素との結合を壊すことは容易ではない。そこで、硫酸205に加えて還元剤220を添加することにより、3価のコバルト酸化物におけるコバルトと酸素の結合力を弱め、コバルトの価数が3価から2価に還元され、硫酸205によるコバルトの浸出がより容易となったことによるものと推測される。
また、還元剤220として鉄粉を用いた場合には、より少ない還元剤220の使用量で、還元剤220として同じ効果を得ることができる。また、鉄粉は安価である。したがって、還元剤として鉄粉を用いた場合には、製造コストの上昇をより抑制しつつ、ニッケル、コバルトの回収率の向上を図ることができる。
また、工程bにおいて、分級工程において分級したアンダーサイズの鉱石を使用することにより以下の効果を得ることができる。すなわち、アンダーサイズの鉱石はオーバーサイズ鉱石の粉砕品203に比べて、酸化鉱石中のニッケル、コバルトが浸出されにくい。また、オーバーサイズ鉱石の粉砕品203は、アンダーサイズの鉱石と比較して、マグネシウムの含有率が高いため、浸出に用いるフリー硫酸を消費してしまう可能性がある。そのため、浸出工程において、アンダーサイズの鉱石を用いることと、過剰な硫酸量を用いることと、還元剤220により3価のコバルト酸化物を浸出されやすい2価のコバルト酸化物に還元することとを同時に行うことにより、酸化鉱石中のニッケル、コバルトをより多く浸出させることによって、ニッケル、コバルトの浸出率の更なる向上を図ることができる。
工程aで、用水に河川水、地下水を使用する場合は、工程bにおいて、たとえば、硫酸ナトリウムや塩化ナトリウムなどのようなナトリウム塩206を加える。ナトリウム塩206によるナトリウムの添加量は、酸化鉱石202の使用量に対して、0.01倍量〜0.05倍量程度とすることができる。一方、用水207に海水を使用する場合は、海水中にナトリウムが10g/l程度含有されているため、ナトリウム塩206を改めて加える必要はない。そのため、ニッケル、コバルトの回収コストの上昇を抑制しつつ、酸化鉱石からニッケル、コバルトを浸出することができる。
ここで、ナトリウム添加量が、0.01倍量以上であることにより、酸化鉱石から浸出された鉄が、硫酸浸出液208中の硫酸ナトリウムと反応することにより、硫酸浸出液208中の鉄の濃度を減少させることができる。
ナトリウムにより、硫酸浸出液208中の鉄の浸出を制御する理由は下記化学反応式(1)〜(3)によるものと考えられる。
Figure 0004456110
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すなわち、酸化鉱石中の鉄は過剰な硫酸により浸出されるが、硫酸浸出液中のナトリウムと化合することによりナトロジャロサイトが生成され、浸出された鉄の一部が沈殿する。そのため、酸化鉱石から浸出された鉄が浸出液中に含まれることによって、次工程である反応工程に持ち込まれる量の増加を抑制することができる。ゆえに、反応工程において、ナトロジャロサイトとして十分に沈殿除去させることができる。したがって、反応工程の次工程である中和工程において、中和液中の鉄を沈殿させるコストの上昇を抑制することができる。また、浸出工程において、ナトリウム塩206の添加によるナトロジャロサイトの生成と、還元剤220を添加することによって3価のコバルト酸化物を浸出されやすい2価のコバルト酸化物に還元することにより、硫酸205によるニッケル、コバルトの浸出率向上とを同時に行うことができる。この結果、酸化鉱石からニッケル、コバルトを回収するコストの上昇を抑制しつつ、より効率的に、ニッケル、コバルトを浸出することができる。
また、ナトリウム添加量が、0.05倍量付近において、ナトロジャロサイトの生成率および沈殿率が平衡状態となる。このため、ナトリウムの添加量を0.05倍量以下とすることにより、過剰なナトリウムの添加を抑制することができる。したがって、酸化鉱石から、ニッケル、コバルトを回収するコストの上昇を抑制しつつ、ニッケル、コバルトを浸出することができる。
浸出時間は、1時間以上10時間以下とすることができ、また、3時間以上6時間以下とすることができる。ここで、浸出工程に必要な設備は、たとえば、一般的に使用されているような攪拌機付の容器などで十分であり、その材質も、たとえば、ステンレスあるいは鋼材にゴムライニングしたものなどが用いられる。そのため、高温高圧による加圧浸出で使用する、たとえば、チタンライニングのオートクレーブのような高価な設備を用いることなく、酸化鉱石202からニッケル、コバルトを浸出させることができる。したがって、ニッケル、コバルトの回収に要するコストの上昇を抑制しつつ、ニッケル、コバルトを浸出することができる。
工程c:反応工程
工程bで得られた硫酸浸出液208および浸出残渣209と、工程aで得られたオーバーサイズ鉱石の粉砕品203とを、たとえば、大気圧のもとで、たとえば、90℃以上100℃以下の温度で、後述する式(4)〜(7)に基づいて反応させる。後述する反応式に基づき、ニッケル、コバルト、マグネシウムおよび少量の鉄を含む反応液210と反応残渣211とが得られる。
なお、本工程において、還元剤220を加えてもよい。この場合、工程bにおいては還元剤220を加えなくてもよいし、工程bと本工程の両方に加えてもよい。
ここで、還元剤220としては、たとえば、鉄粉、亜硫酸ナトリウム、あるいはこれらを混合したものなどが用いられる。鉄粉を用いる場合は、酸化鉱石202の使用量に対して0.1重量%以上1重量%以下、特に0.2重量%以上0.5重量%以下の範囲で添加することができる。ここで、鉄粉の粒径としては、直径1mm程度のものを用いることができ、また、表面が酸化していないものを用いることができる。また、亜硫酸ナトリウムを使用する場合は、酸化鉱石202の使用量に対して1重量%以上10重量%以下、特に5重量%以上8重量%以下の範囲とすることができる。
また、還元剤220として、鉄粉、亜硫酸ナトリウムあるいはこれらを混合したもの以外にも、たとえば、グラインダーによって細かくされた鉄屑などの鉄粉以外の鉄や、メタノール、エタノールなどのアルコール類、亜硫酸ガスなどの還元性のガスなど、他の還元剤を用いてもよい。
粉砕品203の添加方法は、そのまま固体で加えてもよいし、用水を用いてスラリーとして加えてもよい。本工程の用水は、河川水、地下水または海水のいずれを使用してもよい。また、これらの用水に硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムのようなナトリウム塩206を加えて使用しても良い。
ここで、反応温度が90℃以上であることにより、粉砕品203に含有されるニッケル、コバルトの浸出率を向上させることができる。また、工程bで浸出させた鉄をナトロジャロサイトとして沈殿除去する効率を向上させることができる。また、100℃以下の温度で反応させることにより、水の沸点以下の温度で、後述する化学式に基づく反応をさせることができる。このため、上記反応に用いる装置の反応容器を加圧しなくてもよい。したがって、設備コストの上昇を抑制することができる。
ここで、浸出温度が90度未満または100℃超過のもとで後述する化学式に基づく反応をさせてもよい。また、大気圧以外の圧力条件のもとで、後述する化学式に基づく反応をさせてもよい。
本実施形態においては、工程bにおける硫酸浸出液208の鉄濃度は30g/l〜90g/lであり、フリー硫酸は30g/l以上含有されているが、フリー硫酸と粉砕品203に含まれるマグネシウムとが反応することにより、反応前の硫酸浸出液208と比較して、鉄濃度は1/10以下、フリー硫酸も1/3以下に低下する。
この理由は、以下の化学反応式(4)〜(7)によるものと考えられる。
Figure 0004456110
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すなわち、式(4)によって、硫酸浸出液208中のフリー硫酸と粉砕品203に含まれるマグネシウムとが反応し、フリー硫酸の量が減少することによって、液中のpHが上昇する。このため、液中のpHの上昇にともない、式(5)〜(7)により、ナトロジャロサイトとゲーサイトが生成し、鉄が沈殿する。
ここで、酸化鉱石202に鉄とマグネシウムが含まれていることにより、より効率良く上記反応を起こさせることができる。たとえば、マグネシウム/鉄の成分比が0.125以上においては、酸化鉱石202に含有される鉄の量が比較的少ないため、式(1)により、浸出工程において酸化鉱石から浸出される鉄の量が比較的少なくなる。そのため、反応液中の鉄濃度も低くさせることができる。また、酸化鉱石202に含有されるマグネシウムの量が比較的多いため、硫酸浸出液208から反応工程に持ち込まれるフリー硫酸と反応するマグネシウムの量が比較的多くなる。このため、式(4)の反応により、マグネシウムを用いて、硫酸浸出液208中のフリー硫酸を十分に消費することができる。
上述したように、酸化鉱石202中に鉄とマグネシウムが含有されることにより、式(5)〜(7)による鉄の沈殿を十分に行うことができ、反応液210中に残存する鉄の濃度を減少させることができる。このため、反応液210中に残存し、中和工程に持ち込まれる鉄の量が減少する。したがって、中和工程において、鉄を沈殿させるために要するコストの上昇を抑制することができる。この結果、ニッケル、コバルトの回収に要するコストの上昇を抑制しつつ、ニッケル、コバルトを回収することができる。
なお、マグネシウム/鉄の成分比には上限はなく、たとえば、0.75以上であっても問題ない。なお、本実施形態において使用する酸化鉱石202は、鉄を20重量%以上50重量%以下含有し、マグネシウムを2.5重量%以上15重量%以下含有するリモナイト鉱石であることから、マグネシウム/鉄の成分比は0.75以上とはならない。
また、工程cでオーバーサイズの粉砕品203を使用する理由は、オーバーサイズの粉砕品203は、アンダーサイズよりもマグネシウムの含有量が高いため、式(4)〜(7)の反応が、より効果的に進むからである。反応時間は、3時間以上10時間以下とすることができ、また、4時間以上6時間以下とすることもでき、分級前の酸化鉱石を用いた場合よりも短い時間で式(4)〜(7)の反応を終了させることができる。ここで、オーバーサイズの粉砕品203には、ニッケル、コバルトが含有されているので、フリー硫酸をマグネシウムと反応させてpHを調整しつつ、粉砕品203中のニッケル、コバルトを浸出することができる。そのため、ニッケル、コバルトの回収率の更なる向上を図ることができる。したがって、ニッケル、コバルトの回収に要するコストの上昇を抑制しつつ、ニッケル、コバルトの回収率の更なる向上を図ることができる。
ここで、反応に必要な設備は、たとえば、一般的に使用されているような攪拌機付の容器などで十分であり、その材質も、たとえば、ステンレスあるいは鋼材にゴムライニングしたものなどで十分である。そのため、高温高圧による反応で使用する、たとえば、チタンライニングのオートクレーブのような高価な設備を用いることなく、本工程の反応をさせることができる。したがって、ニッケル、コバルトの回収に要するコストの上昇を抑制することができる。
さらに、本工程で、オーバーサイズの粉砕品と同時に、中和工程で使用するフェロニッケルスラグのうち、比較的ニッケル含有率の高いものを同時に使用してもよい。この場合、反応時の最終pHは3未満となる範囲で用いることができる。pHが3未満であることにより、液中にフリー硫酸が存在することによって、酸化鉱石からのニッケルの浸出効率低下を抑制することができるからである。
さらに、本工程で、たとえば、ニッケルの含有率が1重量%以下、マグネシウムの含有率が15重量%以上であって、通常はニッケル、コバルトの回収に用いられない、比較的ニッケル品位が低く、マグネシウム品位が高い酸化鉱石などを用いてもよい。なお、こういった酸化鉱石は、たとえば、ニッケル、コバルト鉱山の深い層などに存在することが多く、鉄の含有率が比較的低いという特徴を有する。したがって、上記酸化鉱石を工程cに用いることにより、ニッケル、コバルトを硫酸液中に浸出させつつ、マグネシウムでpH調整を行い、鉄の浸出量が増大するのを抑制することができる。この結果、ニッケル、コバルトの回収率を向上させつつ、ニッケル、コバルトの回収コストの低減を図ることができる。また、酸化鉱石以外であってもマグネシウムを含むものを用いてもよい。
ここで、工程cによりpH調整を行う際に、工程aにより分級したオーバーサイズのマグネシウムを含む酸化鉱石とともに、上記ニッケル品位が低く、マグネシウム品位が高い酸化鉱石を用いてもよい。
また、工程cによりpH調整を行う際に、工程aにより分級したオーバーサイズのマグネシウムを含む酸化鉱石とともに、酸化鉱石以外のマグネシウムを含むものを用いてもよい。
また、工程cによりpH調整を行う際に、上記ニッケル品位が低く、マグネシウム品位が高い酸化鉱石を用いるとともに、酸化鉱石以外のマグネシウムを含むものを用いてもよい。
また、工程cによりpH調整を行う際に、工程aにより分級したオーバーサイズのマグネシウムを含む酸化鉱石と、上記ニッケル品位が低く、マグネシウム品位が高い酸化鉱石と、酸化鉱石以外のマグネシウムを含むものを合わせて用いてもよい。
工程d:中和工程
工程cで得られた反応液210と反応残渣211と中和剤212を使用して、pHを2以上6以下とすることができ、また、pHを3以上5以下の範囲で中和反応させることができる。このことにより、鉄濃度が1g/l以下であるニッケル、コバルト、マグネシウムを含む中和液213と中和残渣214とが得られる。ここで、pHが2以上であることにより、鉄の沈殿を十分にすることができ、pHが6以下であることにより、ニッケル、コバルトの共沈を抑制しつつ、鉄のほとんどが沈殿除去される。したがって、ニッケル、コバルトの回収率を向上させることができる。
ここで、本工程における圧力には特に制限はなく、たとえば、大気圧のもとで、反応液210と反応残渣211と中和剤212を使用して中和反応をさせてもよいし、大気圧以外の圧力条件のもとで中和反応をさせてもよい。
中和剤212としては、一般的によく使用されている、アルカリ金属の水酸化物である水酸化ナトリウムなど、アルカリ金属の炭酸化物である炭酸ナトリウムなど、アルカリ土類金属の水酸化物である水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど、アルカリ土類金属の酸化物である酸化カルシウム、酸化マグネシウムなど、アルカリ土類金属の炭酸化物である炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどを使用することができる。また、表1に示すような成分のフェロニッケルスラグを使用することもできる。また、上記した中和剤を、1種類で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
ここで、フェロニッケルスラグとは、ニッケルが2重量%以上含有されているマグネシウムを含む鉱石を用いて、乾式製錬法によりフェロニッケルを製造する際に発生するマグネシウムを含むスラグのことをさす。乾式製錬法におけるフェロニッケルスラグの発生量は、ニッケル1に対して、30〜35倍量程度になるが、有効利用されているのはその一部である。
中和剤212として、たとえば、マグネシウムを含むフェロニッケルスラグを用いることにより、フェロニッケルスラグに含まれるマグネシウムを中和剤として有効利用することができつつ、反応液210と反応残渣211とを中和することができる。したがって、資源を有効活用するとともに、ニッケル、コバルトの回収コストの上昇を抑制しつつ、ニッケル、コバルトを回収することができる。
また、中和剤212としては、反応液210と反応残渣211を中和させることができれば、フェロニッケルスラグ以外の、たとえば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどを用いてもよい。
工程e:固液分離工程
工程dで得られた中和液213と中和残渣214は、凝集剤215を添加されることにより分離される。凝集剤215としては、たとえば、高分子凝集剤などが用いられる。この固液分離には、一般的に行われているシックナー方式が採用され、6段以上のシックナーによる向流洗浄方式を用いることができる。これにより、中和液中のニッケル、コバルトが、99重量%以上の高歩留まりで、かつ、鉄濃度が1g/l以下と鉄含有量の少ない、ニッケル、コバルト、マグネシウムを含む中和液213と中和残渣214とに容易に、効率よく固液分離される。
ここで、凝集剤215は、高分子凝集剤以外であっても、中和液213と中和残渣214とに分離させることができる凝集剤であればよい。
また、6段以上のシックナーによる向流洗浄方式以外の、他の固液分離装置を用いて、中和液213と中和残渣214とに固液分離してもよい。
このようにして得られた中和液213から、ニッケルとコバルトを回収する方法としては、中和液213に、たとえば、特開平6−81050号公報に記載された、水硫化ソーダ、硫化ソーダ、硫化アンモン、硫化水素などを添加して、ニッケルとコバルトの混合硫化物として沈殿回収する方法や、特開平12−234130号公報に記載された水酸化物、酸化物および炭酸化物を加えてニッケルとコバルトの混合水酸化物あるいは混合炭酸化物として沈殿回収する方法などが用いられる。
以上述べたプロセスにより、酸化鉱石からニッケルおよびコバルトが効率良く回収される。
以上、発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施形態を変形可能なことはもちろんである。
たとえば上記実施形態においては、ニッケル、コバルトを含む酸化鉱石を分級する工程aを実施したが、この工程aを省略してもよい。
また、上記実施形態においては、工程b(浸出工程)でナトリウム塩206を添加したが、これを添加しない方法としてもよい。図2は本実施形態に係る工程を説明するフロー図である。図2は、工程b(浸出工程)までを図示したものであり、その後、第一の実施形態で説明した工程c以降を行うことにより硫酸浸出液208と浸出残渣209を処理し、ニッケル、コバルトを回収する。このようにしても、上記実施の形態で述べたのと同様の効果が得られる。
また、上記実施形態においては、ニッケル、コバルトおよび鉄を含む酸化鉱石102からニッケルおよびコバルトを回収する形態について説明したが、ニッケルと鉄とを含む酸化鉱石からニッケルを回収してもよいし、コバルトと鉄とを含む酸化鉱石からコバルトを回収してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。また、以下の表2および表3における酸化鉱石の各成分は、酸化鉱石の重量を基準として、各成分を重量%で表した。
表2および表3に実施例および比較例の条件と結果を示す。
(表2)
Figure 0004456110
(表3)
Figure 0004456110
実施例1〜実施例5および比較例1においては、酸化鉱石No1(Ni:1.65%、Co:0.077%、Fe:25.4%、Mg:10.8%)を使用した。
実施例6〜実施例10および比較例2においては、酸化鉱石No1とは産地の鉱山が異なる酸化鉱石No2(Ni:1.71%、Co:0.2357%、Fe:22.7%、Mg:11.1%)を使用した。
(比較例1)
酸化鉱石No1を2mmのふるいで分級し、64重量%の−2mm酸化鉱石と36重量%の+2mm酸化鉱石を得た。+2mm酸化鉱石は、粉砕し全量−2mmとした。−2mm酸化鉱石は海水により28重量%濃度のスラリーとし、98重量%濃度の硫酸を分級前の全酸化鉱石量に対して0.73倍量加え、95℃の温度、大気圧のもとで6時間攪拌し浸出した。
このようにして得られた硫酸浸出液と浸出残渣に、+2mm酸化鉱石の粉砕品を海水により40重量%濃度のスラリーとして加え、95℃の温度、大気圧のもとで6時間攪拌し反応した。常圧反応後の浸出率を調べたところ、Ni:88.9%、Co:63.6%、Fe:5.7%、Mg:87.8%であり、また常圧反応液の濃度は、Ni:5.53g/l、Co:0.20g/l、Fe:4.32g/l、Mg:38.38g/lであった。ニッケルの浸出率は良好であるが、コバルトの浸出率は不十分であった。
[実施例1]
浸出工程に鉄粉を全酸化鉱石量に対して0.003倍量加えた以外は比較例1と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。この時のニッケルの浸出率は89.0重量%と比較例1とほぼ同じであったが、コバルトの浸出率は80.2重量%に上昇した。
[実施例2]
浸出工程に亜硫酸ナトリウムを全酸化鉱石に対して0.05倍量加えた以外は比較例1と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。
[実施例3]
用水に河川水、ナトリウム塩としてNaSOを全酸化鉱石に対して0.025倍量加え、浸出工程に鉄粉を全酸化鉱石に対して0.005倍量加えた以外は、比較例1と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。
[実施例4]
用水に河川水、ナトリウム塩としてNaClを全酸化鉱石に対して0.025倍量加え、反応工程に亜硫酸ナトリウムを全酸化鉱石に対して0.08倍量加えた以外は、比較例1と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。
[実施例5]
反応工程に鉄粉を全酸化鉱石量に対して0.005倍量加えた以外は比較例1と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。以上酸化鉱石No1において、鉄粉または亜硫酸ナトリウムを加えることにより、コバルトの浸出率において15重量%〜20重量%の改善が得られた。
(比較例2)
酸化鉱石No2を2mmの振るいで分級し、61重量%の−2mm酸化鉱石と39重量%の+2mm酸化鉱石を得た。+2mm酸化鉱石は、粉砕し全量−2mmとした。−2mm酸化鉱石は海水により28重量%濃度のスラリーとし、98重量%濃度の硫酸を分級前の全酸化鉱石量に対して0.73倍量加え、95℃の温度、大気圧のもとで6時間攪拌し浸出した。このようにして得られた硫酸浸出液および浸出残渣の混合物に、+2mm酸化鉱石の粉砕品を海水により40重量%濃度のスラリーとして加え、95℃の温度、大気圧のもとで6時間攪拌し反応した。
反応後の浸出率を調べたところ、Ni:87.0%、Co:13.3%、Fe:4.5%、Mg:80.4%であり、また反応液の濃度は、Ni:6.56g/l、Co:0.17g/l、Fe:4.39g/l、Mg:35.30g/lであった。ニッケルの浸出率は良好であるが、コバルトの浸出率は不十分であった。
[実施例6]
浸出工程に鉄粉を、全酸化鉱石量に対して0.003倍量加えた以外は、比較例2と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。このとき、ニッケルの浸出率は92.2重量%、コバルトの浸出率は87.0重量%となり、ニッケルは約5重量%、コバルトにおいては約74重量%の大幅な浸出率の上昇が得られた。
[実施例7]
浸出工程に亜硫酸ナトリウムを全酸化鉱石に対して0.05倍量加えた以外は比較例2と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。
[実施例8]
用水に河川水、ナトリウム塩としてNaSOを全酸化鉱石に対して0.025倍量加え、浸出工程に鉄粉を全酸化鉱石に対して0.005倍量加えた以外は、比較例2と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。
[実施例9]
用水に河川水、ナトリウム塩としてNaClを全酸化鉱石に対して0.025倍量加え、反応工程に亜硫酸ナトリウムを全酸化鉱石に対して0.08倍量加えた以外は、比較例2と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。
[実施例10]
反応工程に鉄粉を全酸化鉱石量に対して0.005倍量加えた以外は比較例2と同じ酸化鉱石を使用し、同じ条件で実施した。
以上、酸化鉱石No1とは、産地が異なる酸化鉱石No2において、鉄粉または亜硫酸ナトリウムを加えることにより、ニッケルの浸出率が改善し、コバルトの浸出率においては64重量%〜82重量%もの大幅な浸出率の上昇が得られた。

Claims (3)

  1. ニッケルまたはコバルトと鉄とを含有する酸化鉱石から、ニッケルまたはコバルトを浸出する方法であって、
    前記酸化鉱石に対し、鉄を含む還元剤と硫酸とを加え、ニッケルまたはコバルトを含む硫酸浸出溶液と、浸出残渣とを得る浸出工程を含むことを特徴とする浸出方法。
  2. 請求項1に記載の浸出方法において、
    前記浸出工程を、90℃以上の温度下で行うことを特徴とする浸出方法。
  3. 請求項1または2に記載の浸出方法において、
    前記浸出工程を、常圧下で行うことを特徴とする浸出方法。
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