JP4422432B2 - 偏心光学系およびそれを用いた光学システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏心光学系およびそれを用いた光学システムに関する。特に、焦点面にフォーカスを行う際に好適に用いることができる偏心光学系およびそれを用いた光学システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、適用分野によっては、反射光学系は屈折光学系に比べて優れた特性を有することが知られている。
反射光学系の長所としては、色収差が発生しないため、反射分光特性が許容できる反射素材、反射膜であれば、非常に広い帯域をカバーすることができること、光路が折り畳まれて光学系全体をコンパクトに構成しやすいこと、同じ曲率であればパワーが屈折面の4倍になるため曲率を小さくできるので収差の発生が抑えられること、などがある。
反射光学系として、例えば天文学分野などでは、主鏡と副鏡の組み合わせを用いたカセグレン型、グレゴリ型などの反射光学系が有名であるが、これらのミラーは共軸上に配置されているため、副鏡部分が遮蔽されてしまい、光量のロスが発生していた。
この点を改良するために、複数の反射面を互いに偏心、傾斜させて組み合わせたタイプの偏心光学系である反射型光学系が種々考案されている。このような反射型光学系として、例えば複数の反射ミラ−を有するものが特許文献1〜4に記載されている。
一方、複数の反射面を互いに偏心、傾斜させて組み合わせたプリズムタイプの偏心光学系である反射型光学系も種々考案されている(例えば、特許文献5、6)。
これらの偏心光学系は、それと受光器などを組み合わせた光学システムとして用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−146442号公報(図2)
【特許文献2】
特開2000−199852号公報(図1、4)
【特許文献3】
米国特許第4265510号明細書(図1、3)
【特許文献4】
米国特許第4834517号明細書(図2、4、6)
【特許文献5】
特開平8−122670号公報(第3−5頁、図3、4、6)
【特許文献6】
特開2000−321500号公報(第12−14頁、図1−12)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の偏心光学系およびそれを用いた光学システムには、以下のような問題があった。
特許文献1〜4に記載の技術では、表面反射面を有する反射ミラーを複数組み合わせて用いている。そのため、各反射面を精度よく配置するために、各反射ミラーの外周部と反射面との相対位置を高精度に加工する必要がある。また各反射ミラー間の相対位置を高精度に配備する必要がある。そのため組立時には、各反射ミラーの位置の調整を行うために非常に高精度の位置出し技術、あるいは位置出し機構が必要となる。その結果、光学部品の製造以外に、組立調整にもコストがかかり、全体としてのコストが高くなってしまうという問題があった。
また、特許文献5、6に記載の技術では、プリズムに入射面と射出面の透過面と2面あるいは3面の反射面が設けられ、入力光がプリズム内部で反射され、射出後に結像される構成を有している。このとき、プリズム内部の光路は、各反射面により3角形状に交差する光路とされている。
これらの場合には、プリズム内で光路が光軸の交点と2つの反射点で3角形状に交差することにより、光路が折り畳まれているので、ある程度は小型化が実現されている。ところが、例えば、入射瞳が大きく焦点距離が長い光学系を構成する場合には、光路長自体が長くなり、バックフォーカスが長くなるので、装置全体としては大型化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、画角を持って入射する略平行な光束の入力光を少なくとも一つの受光面に集光させる光学系において、入力光が受光面に到達するまでの光量損失が低減でき、比較的長い焦点距離を持ちながらも小型化することができ、さらに受光面に結像する光が高い解像力を有する偏心光学系を提供することを目的とする。
また、それを用いて高精度かつ高効率な光追尾のできる光学システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明では、略平行な光束を入力光とする偏心光学系であって、屈折率が1以上の媒質を有し、該媒質の境界面に5つの光学作用面が形成されたプリズムからなり、前記5つの光学作用面を、前記入力光が進む一つの光路に沿って順に第1面、第2面、…、第5面と称するとき、これら5つの光学作用面が、
前記第1面は前記入力光が透過する透過面とされ、前記第2面および前記第3面は前記媒質中を進む光束を前記媒質中に反射する内部反射面とされ、前記第4面は光路を透過光と反射光との2つの光路に分岐する分岐面とされ、該分岐面で分岐されたそれぞれの光路において実像が形成され、前記第5面は前記第4面で反射された反射光を透過する透過面とされるとともに、これら5つの光学作用面のうち少なくとも2面が回転非対称面により構成され、前記実像のうち少なくとも1つが前記プリズム外に形成される構成とする。
この発明によれば、第1面から入射された入力光は、第2面、第3面で順次内部反射され、第4面に到達する。そして、一つの光路においては、第4面で反射されて第5面に向かい、第5面を透過してプリズム外に出射される。また、もう一方の光路においては、第4面を透過してプリズム外に出射される。そして、いずれかの出射光により実像が形成される。
すなわち、分岐面により2つの光路に分岐して結像できるので、一方は少なくとも4つの光学作用面で収差補正され、他方は5つの光学作用面の組み合わせにより収差補正されるため、それぞれの光路において高性能な分岐結像光学系を形成することができる。
このような光路とするためには、5つの光学作用面が偏心または傾斜して、媒質を取り囲むように配置された偏心光学系とする必要がある。
したがって、共軸反射光学系のような光束のケラレが生じないので、そのようなケラレによる光量損失を防止できる。
そして、入力光が出射されるまでに屈折率1以上の媒質内で3回または2回反射されて折り畳まれるので、光路長に比してコンパクトな光学系とすることができる。また、反射面のパワーが媒質の屈折率を乗じられて比較的大きくなるため、各光学作用面の収差発生量を抑えることができるから、良好な結像性能を備えることができる。
また、5つの光学作用面がプリズムの媒質の境界面として一体化されているので、複数の反射ミラーを組み合わせた偏心反射光学系のように組立時に各光学作用面の光軸調整や位置出しを行うといった手間がかかることがなく、高精度でありながらも比較的簡単に配置できる。
また、5つの光学作用面のうち少なくとも2面は回転非対称面を用いて構成するので、特に偏心光学系の入射瞳中心を通過し結像面中心に到達する軸上主光線が偏心光学系に対し偏心して入射する場合、偏心によって発生する像の台形歪みや像面の傾きなどの偏心収差を補正することが可能となる。
【0009】
なお、本明細書では、光学作用面は、物体表面や媒質の境界面などの面に適宜の処理を施し、マクロに見て、光束に対して反射、屈折、干渉、偏光などの光学作用をなさしめるようにした面を意味する。すなわち、当業者が、例えば反射面、透過面、屈折面、レンズ面、フレネルレンズ面、プリズム面、フィルタ面、偏光面、光学面などと称している面状の光学要素の総称である。したがって、光学作用面を数える場合、例えばコーティングにおける多層膜界面などミクロに光学作用なさしめる個々の界面を数えるものではない。
【0010】
請求項に記載の発明では、請求項1に記載の偏心光学系において、前記第2面が正のパワーを有する回転非対称面からなる。
この発明によれば、略平行光として第1面に入射する入力光が比較的大径の光束径である第2面において、偏心して設けられた正のパワーを有する回転非対称面により反射される。したがって、収差補正能力に優れた回転非対称面とすることにより、後段における収差補正負荷を軽減して、結像性能の良好な光学系を構成することができる。
【0011】
請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の偏心光学系において、前記第3面が負のパワーを有する回転非対称面からなる。
この発明によれば、第3面が負のパワーを有するので、第1面で発生する球面収差およびコマ収差を補正することができる。さらに軸外光線に対してはペッツバール和を改善することができるので、特に入射光の画角が大きい場合には有効に作用し、結像性能を向上することができる。
また、回転非対称面からなるので、偏心収差を良好に補正することができる。
また、請求項4との組み合わせにより第2面を正、第3面を負とすることにより、望遠レンズタイプの光学系を構成し、焦点距離に対して結像位置までの距離を短くできるので、プリズムの小型化を実現できる。
【0013】
請求項に記載の発明では、請求項のいずれかに記載の偏心光学系において、前記第1面を透過し、前記第2面、前記第3面、および前記第4面でこの順に反射されて、前記第5面を透過する光路が形成され、前記第1面を透過し前記第2面に向かう軸上主光線に対して、前記第2面で反射された後、前記第3面で反射して前記第4面に向かう軸上主光線と、前記第4面で反射して前記第5面に向かう軸上主光線とがそれぞれ交差する位置関係にある構成とする。
この発明によれば、第1面を透過して第2面に向かう軸上主光線が、第3面を反射し第4面に向かう軸上主光線と第4面で反射して第5面に向かう軸上主光線とにそれぞれ交差して重なり合うように折り畳まれている。これによりプリズム内の媒質空間が有効活用されたコンパクトな構成とすることができる。
【0014】
請求項に記載の発明では、請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、前記プリズムの外周方向における前記第1〜5面の配列が、前記第1面と前記第2面との間、前記第2面と前記第3面との間、前記第3面と前記第4面との間、および前記第4面と前記第5面との間に、それぞれ少なくとも1面は他の光学作用面が配されてなる。
この発明によれば、第n面から第(n+1)面(n=1,2,3,4)に向かう軸上主光線と他の2つの光学作用面間の軸上主光線とが交差する軸上主光線が2つ形成されるので、プリズム内の同じ空間をより多く利用することとなり、媒質空間が有効活用されたコンパクトな構成とすることができる。
【0015】
請求項に記載の発明では、請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、前記入力光の軸上主光線に直交する平面を傾き基準面として、前記第2面において軸上主光線と交差する位置での接平面の傾き角をθ1、前記第3面において軸上主光線と交差する位置での接平面の傾き角をθ2とするとき、下記条件式を満足する。
30°≦|θ2−θ1|≦80°
この発明によれば、軸上主光線と面の交点における接平面を光学作用面の傾き角を計る面と定義したときに、第2面および第3面が交差する面の傾き角|θ2−θ1|が上記条件式の範囲にある。一方、幾何学的には、この傾き角は、軸上主光線の第2面への入射角と第3面への入射角との和または差を与える。
そのため、傾き角|θ2−θ1|が上限値80°を超えて大きくなると、第2面または第3面の入射角が大きくなりすぎる。特にこれら偏心面がパワーを有する場合、軸上光線においてもコマ収差が発生する。そしてこの収差を補正するために第2面または第3面を回転非対称面にしても非対称性が大きくなるので軸外光線のコマ収差を除去することが困難になる。
また、傾き角|θ2−θ1|が下限値30°より小さくなると、ケラレを避けるようにレイアウトすることが困難になる。
【0016】
なお、傾き角|θ2−θ1|の範囲は、偏心光学系をより高性能とするためには、上記より狭い範囲とすることが好ましい。具体的には、
35°≦|θ2−θ1|≦70°
とすることがより好ましい。
さらに、
40°≦|θ2−θ1|≦60°
とすることが一層好ましい。
【0017】
請求項に記載の発明では、請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、前記入力光の軸上主光線に直交する平面を傾き基準面として、前記第4面において軸上主光線と交差する位置での接平面の傾き角をθ3、前記第5面において軸上主光線と交差する位置での接平面の傾き角をθ4とするとき、下記条件式を満足する。
|θ4−θ3|≦30°
この発明によれば、第4面および第5面が交差する面の傾き角|θ4−θ3|が上記条件式の範囲にある。
そのため、本条件式は、第4面と、一つの光路において像面側に出射光を射出する面である第5面の平行度が0〜30°の範囲にあることを規定するものである。これにより、焦点面における像面の倒れを小さいものとすることができ、小型で高性能な偏心光学系を構成することができる。
傾き角|θ4−θ3|が、上限値の30°を超えて大きくなると、第4面から第5面に向かう反射光が第5面で大きく屈折されて軸外収差が発生する。また焦点面における像面が大きく倒れるので、結像光を受光するための受光面をプリズムから離さなければならず、本偏心光学系を用いる装置が大型化してしまうものである。
【0018】
なお、傾き角|θ4−θ3|の範囲は、偏心光学系をより高性能とするためには、上記より狭い範囲とすることが好ましい。具体的には、
|θ4−θ3|≦20°
とすることがより好ましい。
【0019】
請求項に記載の発明では、請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、近軸焦点距離をFとするとき、下記条件式を満足する。
60(mm)≦F≦500(mm)
この発明によれば、近軸焦点距離Fの範囲を制限するので、偏心光学系を合理的な範囲で製作でき、小型化、低コスト化する0ことができる。
すなわち、近軸焦点距離Fが上限値500mmを超えて長いと、屈折率1以上の媒質を用い、光路を折り畳んでいても、加工が困難なほどプリズムが大きくなってしまる。また下限値60mmをよりも短いと、光路を折り畳む効果が十分に発揮できなくなる。そこでその間の値をとることによりそのような問題を確実に回避して、合理的な範囲で小型化、低コスト化を図るものである。
【0020】
なお、近軸焦点距離Fの長さは、よりコンパクト化、低コスト化の効果を顕著とするために上記より狭い範囲とすることが好ましい。具体的には、
80(mm)≦F≦400(mm)
とすることがより好ましい。
さらに、
100(mm)≦F≦300(mm)
とすることが一層好ましい。
【0021】
請求項に記載の発明では、請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、近軸焦点距離をF、入射瞳径をDとするとき、比F/Dが下記条件式を満足する。
2≦F/D≦15
この発明によれば、近軸焦点距離Fと入射瞳径Dとの比F/Dの範囲を条件式の範囲とするので、偏心光学系の形態をバランスのとれたものとすることができる。
すなわち、比F/Dが上限値15を超えて大きいと、入射瞳径に対して光路長が長くなりすぎるため、プリズムが大きくなるか、バックフォーカスが大きい光学系となり、コンパクトな光学系とすることができない。また下限値2より小さいと、焦点距離に対して入射光の光束径が大きくなりNAが大きくなる結果、球面収差、コマ収差などが大きくなり収差補正することが困難になってしまう。そこでその間の値をとることにより、それらの問題を回避して偏心光学系の形態をバランスのとれるようにするものである。
【0022】
なお、比F/Dは、偏心光学系をよりコンパクト化しつつ高性能とするために上記より狭い範囲とすることが好ましい。具体的には、
3≦F/D≦10
とすることがより好ましい。
さらに、
4≦F/D≦8
とすることが一層好ましい。
【0023】
請求項1に記載の発明では、請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、前記プリズム外に実像を形成した後の光束を略平行光束とするとともに所定位置に射出瞳を形成する正のパワーを有する光学素子とを備えた構成とする。
この発明によれば、請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系が有する作用に加え、正のパワーを有する光学素子により、偏心光学系の実像形成後の出射光を略平行光束として所定位置に射出瞳を形成するので、射出瞳位置を観察者の瞳孔とすることで、偏心光学系で拡大した虚像を観察する、いわゆる望遠鏡として用いることができる。
また、所定位置に射出瞳を形成するので、その位置に例えば反射ミラーなどの光学素子を配置する場合、入力光の入射画角が変化する場合でも光束は射出瞳内にとどまるから、光学素子をコンパクトに設けることができる。
【0024】
請求項1に記載の発明では、請求項1に記載の偏心光学系において、前記射出瞳を形成した後の光束を受光面に結像する集光手段を備えた構成とする。
この発明によれば、射出瞳を形成した後の光束を受光面に結像する集光手段を備えるから、受光面の面積に合わせて集光することができ、光量をロスすることなく高効率で受光することができる。
【0026】
請求項1に記載の発明では、請求項1〜1のいずれかに記載の偏心光学系において、前記第1面を透過し、前記第2面、前記第3面、および前記第4面でこの順に反射されて、前記第5面を透過する光路が形成され、前記第4面で反射して前記第5面に向かう軸上主光線が、前記第1面を透過し前記第2面に向かう軸上主光線と、前記第2面で反射して前記第3面に向かう軸上主光線とにそれぞれ交差する位置関係にある構成とする。
この発明によれば、分岐面が第4面に設けられるので、反射光は第1〜5面の光学作用を受け、透過光は第1〜4面の光学作用を受けるので、透過光であっても、第1〜4面によって収差補正され、良好な結像性能を備えることができる。
また、第4面を反射して第5面に向かう軸上主光線が、第1面を透過し第2面に向かう軸上主光線と第2面で反射して第3面に向かう軸上主光線とにそれぞれ交差して重なり合うように折り畳まれているので、プリズム内の媒質空間が有効活用されたコンパクトな構成とすることができる
【0027】
請求項1に記載の発明では、略平行な光束を入力光とする光学システムであって、請求項1または1に記載の偏心光学系と、該偏心光学系において前記射出瞳を形成する光束を該射出瞳位置近傍で偏向して受光面の少なくとも一つに導く光偏向手段とを有する集光ユニットと、前記受光面に導かれた光束の受光位置を検知して検出信号を出力する位置検出手段と、前記集光ユニットを移動可能に保持する移動機構と、前記位置検出手段の検出出力または前記光偏向手段の偏向量、あるいはその両方に応じて前記移動機構の移動量を制御する位置制御手段とを備える。
この発明によれば、光偏向手段により射出瞳を形成する光束を偏向して、受光面の一つに導くので、集光ユニットに設けられた偏心光学系に対して入力光の入射画角が変わった場合でも、受光面の適宜の位置に光束を導くことができる。そして、そのときの位置検出手段の検出出力または光偏向手段の偏向量、あるいはその両方に応じて、移動機構の移動量を制御できるから、集光ユニットの配置姿勢を入力光の入射画角が一定になるように制御して、その状態を保持することができる。
【0028】
請求項1に記載の発明では、請求項1に記載の光学システムにおいて、前記移動機構がジンバルステージを備える。
この発明によれば、ジンバルステージを備えるので、入力光の入射画角が2軸方向に変化する場合でも、集光ユニットの配置姿勢を入力光に追従させることができる。
【0029】
請求項1に記載の発明では、請求項1または1に記載の光学システムにおいて、前記偏心光学系の実質的な絞りが前記集光ユニット外装と一体化された構成とする。
この発明によれば、偏心光学系の実質的な絞りが集光ユニット外装と一体化されているから、絞り部材を省くことができる。
【0030】
請求項16に記載の発明では、請求項1〜1のいずれかに記載の光学システムにおいて、前記位置検出手段が、前記受光面の一つと前記受光面の他の一つとにそれぞれ設けられ、前記位置制御手段が、前記位置検出手段の一方の検出出力に応じて前記移動機構を粗動させ、前記位置検出手段の他方の検出出力に応じて前記移動機構を微動させる。
この発明によれば、集光ユニットの粗動、微動が行えるので、広範囲の入射画角に対して高精度な位置制御を行うことが可能となる。
【0031】
請求項17に記載の発明では、請求項116のいずれかに記載の光学システムにおいて、前記位置検出手段が変調光検出手段を備え、空間光信号伝送における受光部を構成する。
この発明によれば、請求項116のいずれかに記載の光学システムと同様の作用効果を備えた空間光信号伝送における受光部とすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、実施形態が異なる場合でも、同一または相当する部材には同一符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系について説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系であるプリズムの形状と光路の一例について説明するための断面図である。図2は、同じく入射画角を変えた場合の光路について説明するための断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系であるプリズム1について説明する。
プリズム1は、略平行光束を入射して外部に結像するためのもので、屈折率1以上の媒質から構成される。そのような媒質としては、例えばガラス、合成樹脂などが採用できる。
そして媒質と空気との境界面には、透過面3、反射面4(内部反射面)、反射面5(内部反射面)、分岐面6、透過面7の5つの光学作用面を備える。そのため、各光学作用面の曲率を無視すれば、プリズム1は大略5角形状の断面を有する略角柱形状を有する。
図1(a)は、略平行光束である入射光束51(入力光)が図示左方向からプリズム1の透過面3に入射したときの軸上主光線50を含む断面を示している。光路は、入射画角0°、±0.5°の場合について、それぞれの光束を主光線と2本の従属光線により表現している。符号2は開口絞りを示す。
【0033】
図1(a)に示したように、5つの光学作用面は、プリズム1の外周方向の図示反時計回りに、透過面3、分岐面6、反射面4、透過面7、反射面5、の順に配列されている。その結果、入射光束51が、透過面3、反射面4、反射面5、分岐面6、透過面7にこの順に到達した後、像面8に結像する一つの光路が形成されている。以下では、この光路に沿う順番に従い、透過面3、反射面4、反射面5、分岐面6、透過面7をそれぞれ、第1面、第2面、第3面、第4面、第5面とも称する。
【0034】
このような構成によれば、第1面と第2面とが外周方向に隣り合うことはなく、それらに挟まれた領域には第3面および第5面ならびに第4面が存在する。また、第3面と第4面とが外周方向に隣り合うことがなく、それらに挟まれた領域には第1面および第4面ならびに第5面が存在する。また、第4面と第5面とが外周方向に隣り合うことがなく、それらに挟まれた領域には第1面および第3面ならびに第2面が存在する。
【0035】
その結果、第1面と第2面の間のプリズム1内には、第3面から第4面に向かう光路と、第4面から第5面に向かう光路とが存在するため、第1面から第2面に向かう光路の軸上主光線は、それら2つの光路の軸上主光線と交差する位置関係にある。同様に、第4面と第5面の間のプリズム1内には、第1面から第2面に向かう光路と、第2面から第3面に向かう光路とが存在するため、第4面から第5面に向かう光路の軸上主光線は、それら2つの光路の軸上主光線と交差する位置関係にある。
すなわち、これらの光路においては、第1面から第4面までの光路がプリズム1内で3角形状に折り畳まれ、さらに、第4面から第5面に向かう光路が、第1面から第2面へ向かう光路と第2面から第3面に向かう光路と交差して、プリズム1外に出射され像面8に結像するものである。すなわち、第1〜4面の光路で形成される第1の3角形状の折り畳みと、第2〜4面の光路で形成される第2の3角形状の折り畳みを有している。
したがって、第4面から第5面に向かう光路をプリズム1内に納めることにより、焦点距離が長く光路長が長くなる光学系であっても、光路が一つの3角形状に折り畳まれた従来のプリズムに比して、よりコンパクトで小型化可能な偏心光学系となっているものである。
【0036】
なお、本実施形態では、軸上主光線50が同一平面内にあるので、その平面内(図示の紙面内)で入射画角が変化しても光路は、上記のように交差する。一方、入射光束51が紙面と直交する面内で入射画角を有する場合には3次元の光路を進むことになる。その場合、上記で交差するとして説明した部分を、光路を紙面方向に投影したときに交差するようなねじれの位置関係にある、として読み替えれば、紙面垂直方向のプリズム1の厚みの範囲内で上記と同様に光路がコンパクトに折り畳まれていることが分かる。
以下では、説明を簡単にするために、2次元光路を中心に説明し、必要に応じて3次元光路について説明する。特に断らなければ、2次元光路について述べることは3次元光路にも容易に拡張できる。
【0037】
本実施形態では、5つの光学作用面のうち、少なくとも2面に回転非対称の曲面である自由曲面を採用する。
そこで、まず偏心光学系においてそのような回転非対称面を表現するための座標系と自由曲面式について説明する。
座標系は、図1(a)に示したように、物体側から開口絞り2、プリズム1に向う光線追跡で、入射側光軸を、軸上主光線50のうち絞り面を形成する開口絞り2の中心に直交しプリズム1の透過面3の中心に至る光線として定義する。そして光線追跡において、開口絞り2の中心を偏心光学系の偏心光学面の原点として(ただし、図示の座標軸は光路との重なりを避けるために原点位置をずらしている)、入射側光軸に沿う方向をZ軸方向とし、物体側から偏心光学系の開口絞り2に面した面に向かう方向をZ軸正方向とし、紙面をY−Z平面とし、紙面の表から裏へ向かう方向をX軸正方向とし、X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とする。
【0038】
傾き角は、X軸、Y軸、Z軸を中心とする傾き角をそれぞれα、β、γとしたとき、傾き角αとβの正はそれぞれX軸、Y軸の正方向に対して反時計回りを、傾き角γの正はZ軸の正方向に対して時計回りの角度と定義する。
そして、各光学作用面を座標系で表す場合、軸上主光線50を物体から像面に向かう方向で順光線追跡し、光学作用面と軸上主光線50が交差する点を原点として、X軸を紙面垂直方向に保って、Z軸が軸上主光線50に一致するように、Y、Z軸を回転させたローカル座標系で表す。
なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0039】
本実施形態で用いられる回転非対称の曲面の形状は、例えば、下記の式(a)により定義される自由曲面式で表現される。式(a)のZ軸が自由曲面の軸となる。
【数1】
Figure 0004422432
ここで、(a)式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。球面項中、Rは頂点の近軸曲率半径、kはコーニック定数(円錐定数)であり、r=√(X2 +Y2 )である。
【0040】
自由曲面項は、
【数2】
Figure 0004422432
ただし、C(jは1以上の整数)は係数である。
【0041】
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、本実施形態ではXの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。例えば、上記定義式(a)においては、C2 、C5 、C7 、C9 、C12、C14、C16、C18、C20、C23、C25、C27、C29、C31、C33、C35・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
【0042】
以下、各光学作用面についてより詳しく説明する。
透過面3(第1面)は、軸上主光線50に対して、X軸回りに偏心または傾いて配置することにより、入射光束51を屈折させて軸上主光線50をX軸回り方向に屈曲させるための光学作用面である。
透過面3は、例えば製作の容易な平面であってもよいが、入射光束51を収斂光束とし他の光学作用面のパワーを小さくして収差補正を容易にするためには、正のパワーを持たせることが好ましい。
正のパワーを持たせる場合、偏心収差を低減するためには、傾斜方向に非対称でY−Z面に関して対称な回転非対称な曲面である自由曲面とすることがより好ましい。
【0043】
反射面4(第2面)は、本偏心光学系の主な正のパワーを有する面とし、光路を第3面側に折り畳むことができるように、透過面3により屈曲された軸上主光線50に対して偏心して配置される。なお、この偏心量を、軸上主光線50と反射面4との交点における接平面と開口絞り2を含む平面とのなす傾き角θ1で表すことにする(図1(a)参照)。
反射面4は、所定の曲面に加工された媒質の境界面に適宜の反射膜コーティングを施すことにより製作できる。可能であれば第1面から反射面4に入射する光束が全反射するようにして、反射膜コーティングを省略してもよい。
なお反射面4は、光束を屈折率が1以上の媒質内部に反射する内部反射面とされているので、比較的小さな曲率でも大きなパワーを持たせることができる。
一方、反射面4は正パワーを有する屈曲反射面であるため、偏心による収差、すなわち偏心収差が発生する。この偏心収差を補正するためには、反射面4を回転非対称面とすることが好ましい。
【0044】
反射面5(第3面)は、反射面4で反射された収斂光を反射して第4面側に折り畳むことができるように、収斂光の軸上主光線50に対して偏心または傾いて配置される。反射面5の加工は、反射面4と同様に行うことができる。
なお、反射面5の偏心量または傾きを、軸上主光線50と反射面5の交点における接平面と開口絞り2を含む平面とのなす傾き角θ2で表したとき(図1(a)参照)、傾き角θ1とθ2との関係が、次式を満足するようにする。
30°≦|θ2−θ1|≦80° ・・・(1)
【0045】
反射面5の面形状は、製作が容易な平面反射面としてもよいが、他の光学作用面のパワーを小さくするためには正のパワーを持たせることが好ましい。例えば、反射面4との間でパワーを分配することができ、それぞれの面で発生する収差を低減しつつ入力光を集光することが可能となる。
あるいは透過面3および反射面4で発生する球面収差およびコマ収差を補正するために、負のパワーを持たせてもよい。負のパワーを持たせれば、軸外光束に対してペッツバール和を改善することができる。したがって、入力光の画角が大きい場合にも、良好な結像性能を得ることができる。
なお、パワーを持たせる場合には、偏心収差を補正するために回転非対称面とすることが好ましい。
【0046】
分岐面6(第4面)は、反射面5で反射された光束を、内部反射して透過面7に向う反射光と、プリズム1外部に透過して、像面9に結像する透過光(図1(b)参照)とに分岐する光学作用面であり、入射する光束の軸上主光線50に対して偏心または傾いて配置される。この偏心量または傾きを、軸上主光線50と分岐面6との交点における接平面と開口絞り2を含む平面とのなす傾き角θ3で表すことにする(図1(a)参照)。
分岐面6は、媒質の境界面に、内部入射光に対する反射率を制御する反射コーティング、ハーフミラーコーティングなどの表面処理を行うことにより製作することができる。
また、例えば反射率をあまり高くする必要がない場合などには、媒質の屈折率と空気の屈折率の差によって生じる反射によって、光路を分岐するようにして、反射コーティング、ハーフミラーコーティングなどの表面処理を省略してもよい。その場合には、手間のかかる表面処理が不要となるので安価に製作できるという利点がある。
【0047】
分岐面6の面形状は、必要に応じて、プリズム1の外側に向かって凸面または凹面にするか、平面にすることができる。
プリズム1の外側に向かって凸面にした場合には、通常1つの面で得られるパワーは反射側の方が大きいため、反射光の光路が透過光の光路に比べて短い焦点距離を持たせることができる。その場合、例えば、分岐面6の反射光を媒質内で結像させたり、透過面7の近傍に結像させたりすることができる。
プリズム1の外側に向かって凹面にした場合には、反射光の光路が透過光の光路に比べて長い焦点距離を持たせることができる。その場合、反射光を透過面7外の遠くに結像させることができる。
なお。このように分岐面6を凸面または凹面としてパワーを持たせる場合には、偏心収差を補正するために回転非対称面とすることが好ましい。
分岐面6を平面にした場合には、反射光、透過光の結像性能を略同等にすることができる。また平面にすれば、分岐面6を削り加工する場合にはその加工自体が、成形により製造する場合はその金型加工が平面加工となるので、製作が容易であり、コストダウンを図ることができる。
【0048】
透過面7(第5面)は、分岐面6の反射光を透過させてプリズム1の外部に射出する光学作用面である。そして、分岐面6と略平行または浅い角度で偏心または傾いて配置される。具体的には、この偏心量または傾きを、軸上主光線50と透過面7との交点における接平面と開口絞り2を含む平面とのなす傾き角θ4で表したとき図1(a)参照)、傾き角θ3とθ4との関係が、次式を満足するようにする。
|θ4−θ3|≦20° ・・・(2)
【0049】
透過面7の面形状は、分岐面6で反射された光束を適宜位置の像面8に結像させるために、正または負のパワーを持たせた面、あるいは平面とすることができる。
パワーを持たせた面とする場合、偏心収差を補正するためには、反射面4を回転非対称面とすることが好ましい。
また、平面とする場合、分岐面6と同様に製作が容易となりコストダウンを図ることができる。
【0050】
このような5つの光学作用面を備えることにより、プリズム1は、入射光束51を像面8、9に結像することができるようになっている。その際、光路長に比してコンパクトな構成とするために、各光学作用面のパワーを適宜設定することにより、偏心光学系の近軸焦点距離F(単位はmm)が次式を満足するように構成することが好ましい。
60(mm)≦F≦500(mm) ・・・(3)
【0051】
また、偏心光学系を光路長に比してバランスよい形態とするために、入射瞳径をD(単位はmm)として、比F/Dが次式を満足するように構成することが好ましい。入射瞳径Dは、開口絞り2の直径である。
2≦F/D≦15 ・・・(4)
【0052】
本実施形態のプリズム1の作用について偏心光学系の光路に沿って説明する。
入射光束51は、開口絞り2により光束径を入射瞳径Dの大きさに規制され、透過面3に入射する。
透過面3が軸上主光線50に対してX軸回りに偏心または傾いて配置されているので、入射光束51が屈曲されて入射光軸外に向かって進む。
そして、媒質内を進んで、反射面4に到達して内部反射される。反射面4が正のパワーを有し、X軸回りに偏心しているので、光束は集光されつつ、透過面3の図示時計回り方向(X軸回り正方向)の隣側に配列された反射面5に向かって進む。反射面5は透過面3に隣接しているので、透過面3を透過する光束が反射面5によりけられることはない。
【0053】
そして、反射面4で反射された光束は、反射面5で内部反射されて、反射面5の曲率に応じた光学作用を受けつつ、透過面3の図示反時計回り方向(X軸回り正方向)の隣側に配列された分岐面6に向かって進む。この光束は、その軸上主光線が透過面3から反射面4に向かう光束の軸上主光線と交差して進むので、プリズム1内で3角形状に折り畳まれている。なお、分岐面6は透過面3に隣接しているので、透過面3を透過する光束が分岐面6によりけられることはない。
【0054】
このような光路において反射面4と反射面5との間の傾きを表す傾き角|θ2−θ1|が、式(1)のような範囲に設定されることにより結像性能が良好となる。
上記範囲は、凹面鏡である反射面4へ軸上主光線50が斜め入射することにより発生するコマ収差を反射面4に非対称なパワーを持たせることにより補正する場合、軸外光線のコマ収差も良好に補正できる範囲を示す。傾き角|θ2−θ1|が80°を超えて大きくなると、反射面4に持たせるパワーの非対称性が大きくなりすぎ、軸外光線のコマ収差が補正困難になる。
また下限値を越えると、すなわち、傾き角|θ2−θ1|が30°よりも小さくなると反射面4と反射面5との面の対称性が著しく崩れ、補正しきれないほどの収差が発生してしまう。
【0055】
傾き角|θ2−θ1|の範囲は、より収差を低減し、良好な結像性能を得るためには、式(1)の範囲内でより狭くすることが好ましい。例えば、
35°≦|θ2−θ1|≦70° ・・・(5)
とすれば、より好ましい。また例えば、
40°≦|θ2−θ1|≦60° ・・・(6)
とすれば、一層好ましい。
【0056】
分岐面6により内部反射される光束は、図1(a)に示したように、分岐面6の曲率に応じた光学作用を受けつつ、反射面5と反射面4とに挟まれた透過面7に向かって、透過面3から反射面4に向かう光束の軸上主光線および反射面4から反射面5に向かう光束の軸上主光線と交差して進む。すなわち、反射面4、反射面5、分岐面6により3角形状に折り畳まれて媒質内部を進むものである。
透過面7に到達した光束は、透過面7の曲率と傾き角に応じた光学作用を受けつつ、プリズム1外部に射出され、このような光路における偏心光学系の焦点距離に応じた像面8に結像される。
【0057】
このような光路において分岐面6と透過面7との間の平行度を表す傾き角|θ4−θ3|が、式(2)のような範囲に設定され、略平行か浅い傾きに持つようにすることにより、焦点面における像面の倒れを小さくすることができ、結像性能が良好とすることができるとともに、偏心光学系を小型化することができる。すなわち、傾き角|θ4−θ3|が30°を超えて大きくなると、分岐面6から透過面7に向かう光束が透過面7で大きく屈折され、大きな軸外収差が発生し、像面の倒れが生じる。その結果、結像性能が劣化し、特に、像面8に受光器などを配置する場合、受光器をプリズム1から離れる方向に傾斜して配置しなければならないので、コンパクトな装置とすることができなくなるが、式(2)の条件の下では、それを回避できるものである。
【0058】
傾き角|θ4−θ3|の範囲は、より収差を低減し、像面の倒れを低減するためには、式(2)の上限値をより小さくすることが好ましい。例えば、
|θ4−θ3|≦20° ・・・(7)
とすれば、より好ましい。
【0059】
一方、分岐面6により透過される光束は、図1(b)に示したように、分岐面6の曲率に応じた光学作用を受けつつ、プリズム1外に射出され、このような光路における偏心光学系における焦点距離に応じた像面9に結像される。
【0060】
このようなプリズム1によれば、像面8に結像する光路が、屈折率1以上の媒質内で3回反射されて、コンパクトに折り畳まれているので、光路長の長い場合でもコンパクトな偏心光学系とすることができる。
その際、5つの光学作用面による偏心光学系の近軸焦点距離Fを式(3)の範囲とすれば、近軸焦点距離Fを500mm以下とするので、プリズム1自体の大きさを、高精度な回転非対称面を十分に加工できる程度の大きさにすることができる。また近軸焦点距離Fを60mm以上とするので、光路長が短くなりすぎて光路を折り畳む効果が十分に発揮できないということがない。その結果、十分折り畳み効果を発揮して、比較的長い光路長まで小型化できる偏心光学系を合理的な範囲で製作することができる。
したがって、例えば望遠鏡や空間光通信用の光学系など、比較的長い光路長を必要とする光学系に用いることにより、小型軽量化、低コスト化を図ることができるという利点がある。
【0061】
なお、光路長に比してよりバランスよく小型化、低コスト化を図るには、式(3)の範囲を狭めることが好ましい。例えば、
80(mm)≦F≦400(mm) ・・・(8)
とすることがより好ましい。
さらに、
100(mm)≦F≦300(mm) ・・・(9)
とすることが一層好ましい。
【0062】
また、近軸焦点距離Fと入射瞳径Dとの比F/Dを式(4)の範囲とすれば、比F/Dを15以下とするので、光路長が長すぎてプリズム1が大型化したり、あるいはバックフォーカスが長くなりすぎたりしないような偏心光学系とすることができる。また比F/Dを2以上とするので、焦点距離に比して光束径が大きくなり高いNAとなるために補正しきれないほどの球面収差やコマ収差が発生することがない偏心光学系とすることができる。その結果、プリズム1を光路長に比してバランスがよい形態としつつ、結像性能の優れたものとすることができる。
【0063】
なお、よりバランスのよい偏心光学系とするためには、比F/Dの範囲を狭めることが好ましい。例えば、
3≦F/D≦10 ・・・(10)
とすることがより好ましい。
さらに、
4≦F/D≦8 ・・・(11)
とすることが一層好ましい。
なお、上記条件式(1)〜(11)は、複数適宜組み合わせた構成とすることがより望ましい。
【0064】
また、5つの光学作用面のうち少なくとも2面は回転非対称面とするので、それらを軸上主光線50に対して従属光線の側に非対称な曲面として、組み合わせることにより高精度に偏心収差を補正することができるから、偏心収差の少ない偏心光学系とすることができる。
その際、5面全部を回転非対称面としてもよい。そのように回転非対称面の数を増やしていけば、それに応じてより高精度な収差補正が可能となる。また補正量が各光学作用面に分担される結果、個々の曲面が製作容易な形状となるという利点がある。
なお回転非対称面が2面で必要な偏心収差の補正が可能であれば、残りは製作の容易な回転対称面や平面を採用してもよい。そうすれば、製作費を低減することができる。特に平面を1〜2面設けることにより、格段に製作費を低減できる。
【0065】
また、本実施形態では、分岐面6により光路を分岐し、その際に、分岐面6の曲率や透過面7の曲率を変えることにより、分岐後の各光路における光学性能、例えば近軸焦点距離をそれぞれ同等としたり、差をつけたりすることができる。
したがって、像面8、9上の像の大きさや、入射光束51の入射画角が変化したときの像の移動量を、像面8、9においてそれぞれ異なる構成とすることができる。そのようにすれば、例えば、像面8、9上の結像位置を検出する位置検出手段を用いて、入射光束51の画角変化を異なる検出精度で検出することが可能となるという利点がある。
図2は、プリズム1において入射光束51の入射画角が0°、±3°の場合の分岐面6を透過する光路を説明するための光路図である。
【0066】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系であるプリズムの変形例の形状と光路について説明するための断面図である。なお、光路は、入射画角0°、±0.5°の場合について、それぞれの光束を主光線と2本の従属光線により表現している。
本変形例のプリズム22は、プリズム1の透過面3に代えて透過面23(第1面)を設け、反射面4に代えて反射面24(第2面)を設け、反射面5に代えて反射面25(第3面)を設け、分岐面6に代えて分岐面26(第4面)を設け、透過面7に代えて透過面27(第5面)を設けたものである。それぞれの光学作用面は上記と同様に偏心または傾いて配置され、それぞれの面形状は上記と同様の形状とされる。そして、同様に式(1)〜(4)を満たすことが好ましく、特に、式(5)〜(11)の中の適宜の組み合わせを満たすことがより好ましい。
一方、本変形例は、上記とは異なり、各光学作用面が、外周方向で図示反時計回り(X軸回り正方向)に透過面23、分岐面26、透過面27、反射面24、反射面25の順に配列されている。そして、外周方向における分岐面26と透過面27との間、および透過面27と反射面24との間に、それぞれ光学作用面として用いられない媒質境界面36、35が設けられている。このため、分岐面26から反射面17へ向かう光束の軸上主光線50は他の光束の軸上主光線50と交差しないようになっている。
【0067】
すなわち、本変形例による光路は、透過面23、反射面24、反射面25で3角形状に折り畳まれ、分岐面26により反射光と透過光とに光路を分岐された後、透過光がプリズム22の外部に射出されて像面34に結像する点では、上記と共通するが、分岐面26により反射された光束は他の光路を横断することなく透過面27を透過して、プリズム22の外部に射出され、像面28に結像される。
【0068】
このような構成をとることにより、分岐面26のパワーを大きくした場合でも像面28をプリズム22の外部に設けることができるという利点がある。また、透過面27から像面28に向かう射出光の光路を、入射光束51と略同方向に射出することができ、プリズム22の後方(図示右側)にスペースがある場合にはレイアウト上、好都合となる。
【0069】
なお、媒質境界面36、35のような光学作用面として利用されない境界面は、光線有効径が確保できるならば、プリズム1の場合にも適宜設けてもよい。そのような境界面は、例えばプリズム1を位置決めするための押し当て面や、角部の欠けなどを防止する面取りなどとして設けることもできる。
また入射瞳径に対して、折り曲げられた光軸を含む平面内でのプリズムの最大長Lは、
1.3<L/D<2.1 ・・・(12)
となるように構成しているため、非常にコンパクトな偏心光学系を実現している。
【0070】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系について説明するための概略断面図である。図5は、本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系の光路の一例を説明するための光路図である。なお、光路は、図5(a)では入射画角0°、±0.5°の場合について、図5(b)では、入射画角0°、±0.2°の場合について、それぞれの光束を主光線と2本の従属光線により表現している。
本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系40について説明する。
偏心光学系40は、入射光束51を受光素子29、33上に結像する偏心光学系であり、受光素子29、33の他に、本発明の第1実施形態に係る開口絞り2、プリズム10(偏心光学系)、反射ミラー30、反射光学素子31およびガルバノミラー32(光偏向手段)を備える。
【0071】
プリズム10は、第1の実施形態と同様のプリズムであって、プリズム外への射出光を適宜の集光手段を用いて集光できるものであれば、どのような構成でもよいが、一例として、プリズム1と略同様な構成を備え、第4面を透過した射出光を集光できるようにした例で説明する。
すなわち、図5(a)に示したように、プリズム1の透過面3に代えて透過面11(第1面)を設け、反射面4に代えて反射面12(第2面)を設け、反射面5に代えて反射面13(第3面)を設け、分岐面6に代えて分岐面14(第4面)を設け、透過面7に代えて透過面15(第5面)を設けたものである。それぞれの光学作用面は上記と同様に偏心または傾いて配置され、それぞれの面形状は上記と同様の形状とされる。そして、同様に式(1)〜(4)を満たすことが好ましく、特に、式(5)〜(11)の中の適宜の組み合わせを満たすことがより好ましい。
分岐面14で反射された光束は透過面15を透過してプリズム10の外部の近傍の像面16に結像され(以下、この光路を反射光路と称する)、分岐面14で透過される光束は、反射面17を設けて光路を折り畳める程度に分岐面14から離れた位置に結像される(以下、この光路を透過光路と称する)。
【0072】
反射ミラー30は、反射面17を備え、分岐面14から出射された光束を適宜方向に折り畳むためにプリズム10に対して位置が固定されたミラーである。分岐面14から射出される光束は、入射光束51に対して傾き角を有する方向に射出されるから、反射ミラー30の設置角度を適宜に設定することにより、入射光束51の方向に略沿う方向に光路を切り替えることができるようになっている。
【0073】
反射光学素子31は、透過光路において結像面より後側に配置され、結像後拡散する光束を略平行光束とするための正のパワーを有するコリメータ反射面18(正のパワーを有する光学素子)と、コリメータ反射面18で反射された光束が折り返されたときの略平行光束を所定の像面21に結像するため正のパワーを有する凹面反射面20(集光手段)を一体に設けた光学素子である。
コリメータ反射面18、凹面反射面20は、いずれも偏心収差を低減するために回転非対称面を採用することが好ましい。
このような反射光学素子31は、それぞれの反射面の面形状を、例えば、金属、光学ガラスやプラスチックなどの基体材料を削り出したり、可能な場合は金型成形したりして形成し、反射膜コーティングを施すことにより製作することができる。
なお、このようにコリメータ反射面18と凹面反射面20とを一体化して製作すれば、互いの位置関係の調整を省略することができ、しかもコンパクトで低コストな素子とすることができる利点がある。あるいはコリメータ反射面18と凹面反射面20とを分割して製作して互いを所定位置に配置するようにしてもよい。この場合は、コリメータ反射面18と凹面反射面20とを別々に製作するので、反射面の形状によってはこの方が容易に製作できる場合がある。
【0074】
ガルバノミラー32は、コリメータ反射面18で反射された略平行光束が形成する射出瞳の近傍位置に平面からなる回動反射面19を備え、略平行光束を所定の偏向角で高速に偏向することが可能なものである。
【0075】
受光素子29、33は、それらの受光面が像面16、21に配置された受光センサである。例えば、望遠鏡などの用途においては、像をデジタル画像信号に光電変換してモニタなどの観察手段に伝送するためのCCD撮像素子(Charge-Coupled Device、電荷結合デバイス)や、光通信などの用途においては、像の光強度を光電変換してその波形データから、変調された信号を取り出すための光電変換素子などを採用することができる。
さらに、受光素子29、33の少なくとも一方には、入射光束51が2軸方向に入射画角を持つ場合に光束の結像位置を2次元的に検出して検出信号を出力する位置検出手段である位置検出受光器(Position Sensitive Detector, PSD)、4分割受光器(4分割PD)を採用することができる。PSD、4分割PDによる光束の位置検出を行うことは周知であるので詳しい説明は省略する。PSD、4分割PDは高精度でありながら比較的安価に位置検出手段を構成できる利点がある。
また、これらに代えて、CCD撮像素子のデジタル画像信号を適宜画像処理して、結像位置の位置検出を行うようにしてもよい。この場合には、画像の観察と位置検出とを同時に行うことができる。
また、受光素子29をCCDとし、広い位置検出を行い、受光素子33を4分割PDとし精密な位置検出を行うと同時に受光素子33を光通信の変調信号の受光器と兼用すれば、部品点数の少ない空間光通信用の光学系とすることができる。
【0076】
本実施形態の偏心光学系40の作用について説明する。
プリズム10の作用により、開口絞り2に入射した入射光束51がけられることなく、受光素子29および受光素子33に結像される。そして、プリズム10が光路長に比してコンパクトに構成することができるのに加えて、反射ミラー30で透過光路をコンパクトに折り畳むことができる。
【0077】
一方、受光素子29、33により、像面16、21の像を適宜の電気信号に変換して、像を観察したり、通信の信号を取り出したりすることができる。
その際、少なくとも一方を位置検出手段とすることにより、入射画角の変化を検出することができる。本実施形態で採用するPSDや4分割PDその検出信号により偏心光学系40の位置を修正するような制御を行う場合、物体の所定位置からの光束を受光できる。
【0078】
その際、ガルバノミラー32を備えるので、入射光束51の入射画角が変化しても、それに応じてガルバノミラー32の偏向角を変えることによっても、受光素子33の受光位置を一定に保つことができる。
このとき、ガルバノミラー32に入射する光束が略平行光光束であるから、回動反射面19の製作誤差や配置誤差などによっても、収差の発生を抑えることができて、良好な結像性能を得ることができる。
また、ガルバノミラー32を射出瞳の近傍に配置するので、入射画角が変化しても回動反射面19上の有効反射面が略一定となり、回動反射面19の大きさを小さくすることができる。その結果、小型で低コストの偏心光学系を構成することができる。
【0079】
このように本実施形態の偏心光学系40によれば、比較的光路長の長い光学系であっても、その入力光の光量損失が少なく、コンパクトでありながら結像性能に優れた偏心光学系により、複数の受光素子の受光面に結像することができる。したがって、それぞれの受光素子や受光面の結像性能を変えることにより、入力光を複数の用途に利用することできるという利点がある。
特に、光偏向手段を備えるので、入力光の入射画角が変化する場合でも、結像位置を一定に保持することができ、より安定した観察や信号受信に好適となるという利点がある。
【0080】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る光学システムについて説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る光学システムの概略構成について説明するための模式説明図である。
本発明の第3の実施形態に係る光学システム100について説明する。
光学システム100の概略構成は、集光ユニット60とジンバルステージ44(移動機構)とからなる。
【0081】
集光ユニット60は、筐体43(集光ユニット外装)、第2の実施形態に係る偏心光学系40、制御装置41(位置制御手段)、偏向制御手段32a、光源45、受光素子33、46、光路分割手段47、48、コリメートレンズ52、53、54、光学素子55および入力信号制御装置42を備える。
筐体43は、後述する各部材を一体に保持する保持部材と外装部材とを兼ねた部材であり、例えば、箱形などの適宜形状とされている。そして、その外表面の一部に入射光束51の入射瞳となる開口部である開口絞り43aが設けられている。すなわち、通常の使用状態において入射光束51が筐体43に照射されたとき、最初に入射光束51の光束径を規制する実質的な絞りとして設けられており、上記の開口絞り2を具現化する部材となっている。
開口絞り43aは、筐体43と別部材で形成されてもよく、厳密に筐体43の外表面に設ける必要もない。例えば、通常の使用状態において入射光束51をける恐れのない形状であれば、フレア光の入射を防止するフードなどが開口絞り43aの回りに設けてもよい。
また、開口絞り43aは、光学的に開口していればよく、例えば集光に必要な波長光を透過させるカバーガラスなどで覆ってもよい。
【0082】
偏心光学系40は、開口絞り43aが開口絞り2の位置となるように筐体43に適宜の支持部材(不図示)を介して固定される。偏心光学系40は、図4、5に示し、第2の実施形態に説明したとおりの構成を有するので、個々の説明は省略する。本実施形態では、第2の実施形態のプリズム部分を偏向光学系40とし、図6では模式的に表している。偏心光学系40を射出した光は反射ミラー30により偏向し結像する。結像後、光学素子55により略平行光とされ、その射出瞳位置に偏向器のガルバノミラー32が配置されている。
制御装置41は、受光素子29の光出力を入力信号として、受光素子29に結像される光束の結像位置を検出し、目標位置からのずれを演算して、集光ユニット60の位置ずれ量を算出して位置検出信号(検出出力)を生成するとともに、その算出結果に応じて集光ユニット60を移動させるための制御信号(検出出力)を生成するための装置である。
【0083】
偏向制御手段32aは、制御装置33aの位置検出信号に基づき、受光素子46上の結像位置のずれを補正すべく、ガルバノミラー32の偏向角を制御するための手段である。
入力信号制御装置42は、受光素子46で結像され、光電変換された電気信号に適宜の信号処理を施し、集光ユニット60外部の外部の機器に送出するための装置である。また、受光素子46が位置検出手段も兼ねる場合には、受光素子33を省略し、4分割PDとすることにより、位置検出信号を偏向制御手段32aにフィードバックし、ガルバノミラー32の微調整用の制御信号として用いてもよい。
また、特に空間光通信における受光部として用いるためには、受光素子33が変調光検出手段を兼ねるようにし入力信号制御装置42で変調光の適宜の波形処理を行うようにしてもよい。
また、光源45は、LD(半導体レーザ)であり図示しない出力制御装置からの信号に基づき、光信号を出力する。射出光はコリメートレンズ52により最適化され、受光時と逆に光路をたどって偏心光学系40の入射瞳から離れた場所にある同様の受光部に向けて光信号として送信される。ここで、受光素子、その他の関連部分を省略すれば、送信専用とすることができる。
【0084】
ジンバルステージ44は、集光ユニット60を2軸方向に姿勢制御可能に保持する移動機構であり、ティルト駆動部44aおよび水平回転駆動部44bが支持台44c上に保持され、ティルト駆動部44aと水平回転駆動部44bとの移動量を制御するための駆動制御手段44dを備えてなる。
水平回転駆動部44bとティルト駆動部44aは、それぞれ鉛直軸回りの回転と水平軸回りの所定角の回転とが可能とされ、それぞれの回転角制御可能な制御モータ(不図示)などによる機構により、駆動可能とされる。
駆動制御手段44dは、制御装置41が生成した制御信号に基づき、ティルト駆動部44a、水平回転駆動部44bの回転駆動量を算出して、所定の回転駆動を行うための手段である。
【0085】
本実施形態の光学システム100によれば、入射光束51が開口絞り43aに入射すると、受光素子29、33、46に結像する。そして受光素子46からは、入射光束51の搬送する入力信号を取り出して送出することができる。
その際、入射光束51の光路が変動したり、集光ユニット60の向きが不適切だったりすることにより開口絞り43aに対して入射画角を持つと、それぞれの結像位置がずれる。しかし本実施形態では、受光素子29上の結像位置のずれ量が制御装置41により検出されるので、駆動制御手段44dに渡される制御信号により、ジンバルステージ44を駆動することができ集光ユニット60の姿勢を制御することができる。
また受光素子33は、結像位置の微小なズレを検出し、制御装置33aにより位置検出信号を偏向制御手段32aに伝え、ガルバノミラー32がズレをなくすよう制御されることとなる。
【0086】
一般に、光学システム100で取り出すべき信号は、例えば望遠鏡のように倍率が大きかったり、光通信のように受光量のレベルの変動が信号ノイズとなったりして、入射画角の変動に敏感であることが多い。その結果、ジンバルステージ44だけで姿勢制御しようとすると、高精度で高速応答性の機構が必要となり、非常に高価な装置となる場合がある。
そこで、ジンバルステージ44による姿勢制御は、粗動として、制御目標から大きく外れた場合の移動を行うようにし、より精密な位置合わせは、偏向制御手段32aにより高速駆動可能なガルバノミラー32を制御して、受光素子33上の結像位置が一定となるようにしてもよい。そうすれば、高精度高速応答性の機構を設けなくとも、受光素子33に対して一定の位置に結像させることができ、常に安定した受光状態を維持することができる。
【0087】
したがって、本実施形態の光学システム100によれば、第1、第2の実施形態の偏心光学系の作用効果を備えるとともに、入力光を高精度かつ高効率な光追尾を行うことができる光学システムとすることができる。
【0088】
また、本実施形態では、反射光路と透過光路とで、焦点距離などの結像性能を変えることができるから、入射画角が変動したときの、受光素子29、33上の像の移動量を変えることができる。したがって、一方の受光素子で、広範囲の移動量を検知し、他方の受光素子で狭い範囲の移動量を検知するような構成とし、前者の検出信号をジンバルステージ44の粗動用の制御に用い、後者の検出信号を微動用の制御に用いるようにしてもよい。そうすれば、前者により広範囲の移動を迅速に行い、目標位置に近づいてから後者により精密な微動を行うことにより、全体として高精度な移動制御を行うことが可能となる。
【0089】
[実施例1]
次に、上記に説明した第1の実施形態の偏心光学系の第1の数値実施例を、図1(a)、(b)を参照して説明する。
下記に第1の数値実施例の、光学系の構成パラメータを示す。図1(a)、(b)に表記されたr、n(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータのr、nに対応する。また屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記している。
光路1は、分岐面6で反射される光束が進む光路(図1(a))であり、光路2は、分岐面6で透過される光束が光路(図1(b))である。
なお、自由曲面(FFS)および偏心のデータのうち、光路1、2に共通するものは、[]内に共通の番号を付して重複を避けた。
座標系などは上記に説明しているので説明は省略する。偏心の表示におけるα、β、γは、それぞれ上記に傾き角の方向として説明した方向の角度を示す。長さの単位は(mm)、角度の単位は(°)である。また、偏心の原点および回転中心は、データ中に適宜注記している。
また自由曲面(FFS面)は、上記に説明した式(a)で与えられる。なお、データの記載されていない自由曲面、非球面に関する項は0である。
【0090】
Figure 0004422432
Figure 0004422432
【0091】
Figure 0004422432
【0092】
なお、このようなプリズム1では、|θ2−θ1|=49.15(°)、|θ4−θ3|=13.42(°)であり、式(1)、(2)を満足している。さらに式(6)、(7)をも満たしている。
入射瞳D、半画角φ、φは、以下の通りである。
D=40(mm)、φ=0.5(°)、φ=0.5(°)
近軸焦点距離F、FY、全画角像高H、Hおよび比F/Dは以下の通りである。
Figure 0004422432
ここで添字X、Yは、それぞれ、X、Y軸方向に関する距離、またはX、Y軸回りの回転角を表すものとし、以下の実施例でも同様に表記する。
したがって、光路1、2ともに、式(3)、(4)を満足している。さらに式(9)、(11)をも満足している。
【0093】
また、図2に示したように、D=40(mm)、φ=3(°)、φ=3(°)の場合には、
=228.84(mm)、F=229.59(mm)
=24.17(mm)、H=24.06(mm)
F/D=5.730
である。
【0094】
以上に示したように、本実施例では透過面3、反射面4、反射面5、分岐面6、透過面7を偏心した回転非対称面としてプリズム1を構成することができた。
【0095】
[実施例2]
次に、上記に説明した第1の実施形態の偏心光学系の第2の数値実施例を、図3を参照して説明する。
下記に第2の数値実施例の、光学系の構成パラメータを示す。図3に表記されたr、n(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータのr、nに対応する。また屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記している。
光路1は、分岐面26で反射される光束が進む光路であり、光路2は、分岐面26で透過される光束が進む光路である。
座標系その他は実施例1と同様である。
【0096】
Figure 0004422432
Figure 0004422432
【0097】
Figure 0004422432
【0098】
なお、このようなプリズム22では、|θ2−θ1|=49.60(°)、|θ4−θ3|=15。80(°)であり、式(1)、(2)を満足している。さらに式(6)、(7)をも満たしている。
入射瞳D、半画角φ、φは、以下の通りである。
D=40(mm)、φ=0.5(°)、φ=0.5(°)
近軸焦点距離F、FY、全画角像高H、Hおよび比F/Dは以下の通りである。
Figure 0004422432
したがって、光路1、2ともに、式(3)、(4)を満足している。さらに式(9)、(11)をも満足している。
【0099】
以上に示したように、本実施例では、透過面23、反射面24、反射面25、分岐面26を偏心した回転非対称面として、透過面27を偏心した球面としてプリズム22を構成することができた。
【0100】
[実施例3]
次に、上記に説明した第2の実施形態の偏心光学系の第3の数値実施例を、図5(a)、(b)を参照して説明する。
下記に第3の数値実施例の、光学系の構成パラメータを示す。図5に表記されたr、n(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータのr、nに対応する。また屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記している。
光路1は、分岐面14で反射される光束が進む光路であり、光路2は、分岐面14で透過される光束が進む光路である。
座標系その他は実施例1と同様である。
【0101】
Figure 0004422432
Figure 0004422432
【0102】
Figure 0004422432
Figure 0004422432
【0103】
なお、このようなプリズム10では、|θ2−θ1|=48.28(°)、|θ4−θ3|=9.949(°)であり、式(1)、(2)を満足している。さらに式(6)、(7)をも満たしている。
入射瞳D、半画角φ、φは、以下の通りである。
D=40(mm)、φ=0.5(°)、φ=0.5(°)
図5(a)に対応する光路1の近軸焦点距離F、FY、全画角像高H、Hおよび比F/Dは以下の通りである。
Figure 0004422432
したがって、式(3)、(4)を満足している。さらに式(9)、(11)をも満足している。なお、光路2側の計算値は示さないが、同様に式(3)、(4)、さらに式(9)、(11)を満足できる構成となっている。
【0104】
以上に示したように、本実施例では、透過面11、反射面12、反射面13、分岐面14、透過面15を偏心した回転非対称面として偏心光学系であるプリズム10を構成することができた。
光路2では、集光手段であるコリメータ反射面18、凹面反射面20を回転非対称面として設け、反射面17、回動反射面19を配置することにより、分岐面14の透過光を像面21へ集光する偏心光学系を構成することができた。
【0105】
なお、上記第1および第2の実施形態の説明では、偏心光学系として、第4面を分岐面とする例で説明したが、2つの異なる光路を必要としない場合や、第4面または第5面を射出した後に、光路を分岐して、複数の光路を形成する場合には、第4面を分岐面としなくともよい。あるいは、分岐面としてもよいが、反射光、透過光のいずれかを用いるだけでもよい。
また、第4面を反射面として、第5面を射出された光束のみを利用したり、第4面を透過面として、第4面から射出された光束を利用したりしてもよい。その場合、第4面のコーティングはそれぞれ、透過率の低い反射コーティング、低反射コーティング(ARコーティング)が採用できる。
【0106】
また、上記第1および第2の実施形態の説明では、第4面を内部入射光に対する反射率を制御する反射コーティング、ハーフミラーコーティングを施して形成する例で説明したが、第4面を分岐面とするために他のコーティングを採用してもよい。
例えば、偏光ビームスプリッタコーティング(PBSコーティング)を行い、第4面に到達する光束の偏光状態に応じて分岐を行うようにしてもよい。入力光が第4面に至るまでに偏光状態に応じてPBSコーティングを変えることにより、分岐光量比を調整することができる。また必要なら適宜の偏光子などの偏光状態を偏光する光学素子を適宜の位置に配置してもよい。
また例えば、ダイクロイックビームスプリッタコーティングを行い、第4面に到達する光束の波長に応じて分岐を行うようにしてもよい。
【0107】
また、上記第2の実施形態の説明では、透過光路側に集光手段を設けた例で説明したが、装置の配置の都合により、反射光路側に集光手段を設けてもよい。その際、第4面の面形状によっては、反射光路側の光路長を長くして、集光手段を設けやすいように調整することができる。
【0108】
また、上記の第1〜3の実施形態の説明では、プリズム外に2つの像面が形成される例で説明したが、プリズム外の光路に分岐面を設けて、複数の光路に分岐し、複数の像面を設けてもよい。そうすれば、それぞれの像面に受光素子や位置検出手段を配置することができるから、それらの出力を用いてさらに高精度の位置検出などを行うことができるという利点がある。
【0109】
また、上記第3の実施形態の説明では、制御装置41、入力信号制御装置42、偏向制御手段32aが集光ユニット60内にある例で説明したが、これらは、集光ユニット60とは別個に配置してもよいことは言うまでもない。
また、駆動制御手段44dは、支持台44c上に配置されても別個に配置されてもよい。さらには、集光ユニット60内に配置されていてもよい。
【0110】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明に係る偏心光学系によれば、偏心または傾いて設けられた5つの光学作用面を有し、そのうち少なくとも2つの光学作用面が回転非対称面であるプリズムを用いることにより、画角を持って入射する略平行な光束の入力光を少なくとも一つの受光面に集光させる光学系であって、入力光が受光面に到達するまでの光量損失が低減でき、比較的長い焦点距離を持ちながらも小型化することができ、さらに受光面に結像する光が高い解像力を有する偏心光学系とすることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る光学システムによれば、本発明に係る偏心光学系を用いることにより、高精度かつ高効率な光追尾のできる光学システムを構築することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系であるプリズムの形状と光路の一例について説明するための断面図である。
【図2】 同じく入力光の入射画角を変えた場合の光路について説明するための断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系であるプリズムの変形例の形状と光路について説明するための断面図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系について説明するための概略断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態に係る偏心光学系の光路の一例を説明するための光路図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態に係る光学システムの概略構成について説明するための模式説明図である。
【符号の説明】
1、10、22 プリズム(偏心光学系)
2、43a 開口絞り
3、11、23 透過面(第1面)
4、12、24 透過面(第2面)
5、13、25 反射面(第3面)
6、14、26 分岐面(第4面)
7、15、27 透過面(第5面)
8、9、16、28、34 像面
17 反射面
18 コリメータ反射面(正のパワーを有する光学素子)
19 回動反射面
20 凹面反射面(集光手段)
29、33、46 受光素子
30 反射ミラー
31 反射光学素子
32 ガルバノミラー(光偏向手段)
33a 制御装置
40 偏心光学系
41 制御装置(位置制御手段)
42 入力信号制御装置
43 筐体(集光ユニット外装)
44 ジンバルステージ(移動機構)
44d 駆動制御手段
47、48 光路分割手段
50 軸上主光線
51 入射光束(入力光)
52、53、54 コリメートレンズ
55 光学素子
60 集光ユニット
100 光学システム

Claims (17)

  1. 略平行な光束を入力光とする偏心光学系であって、
    屈折率が1以上の媒質を有し、該媒質の境界面に5つの光学作用面が形成されたプリズムからなり、
    前記5つの光学作用面を前記入力光が進む一つの光路に沿って順に第1面、第2面、…、第5面と称するとき、これら5つの光学作用面が、
    前記第1面は前記入力光が透過する透過面とされ、前記第2面および前記第3面は前記媒質中を進む光束を前記媒質中に反射する内部反射面とされ、前記第4面は光路を透過光と反射光との2つの光路に分岐する分岐面とされ、該分岐面で分岐されたそれぞれの光路において実像が形成され、前記第5面は前記第4面で反射された反射光を透過する透過面とされるとともに、これら5つの光学作用面のうち少なくとも2面が回転非対称面により構成され、
    前記実像のうち少なくとも1つが前記プリズム外に形成されるように構成されたことを特徴とする偏心光学系。
  2. 請求項1に記載の偏心光学系において、
    前記第2面が正のパワーを有する回転非対称面からなることを特徴とする偏心光学系。
  3. 請求項1または2に記載の偏心光学系において、
    前記第3面が負のパワーを有する回転非対称面からなることを特徴とする偏心光学系。
  4. 請求項のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記第1面を透過し、前記第2面、前記第3面、および前記第4面でこの順に反射されて、前記第5面を透過する光路が形成され、
    前記第1面を透過し前記第2面に向かう軸上主光線に対して、前記第2面で反射された後、前記第3面で反射して前記第4面に向かう軸上主光線と、前記第4面で反射して前記第5面に向かう軸上主光線とがそれぞれ交差する位置関係にあることを特徴とする偏心光学系。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記プリズムの外周方向における前記第1〜5面の配列が、
    前記第1面と前記第2面との間、前記第2面と前記第3面との間、前記第3面と前記第4面との間、および前記第4面と前記第5面との間に、それぞれ少なくとも1面は他の光学作用面が配されてなることを特徴とする偏心光学系。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記入力光の軸上主光線に直交する平面を傾き基準面として、前記第2面において軸上主光線と交差する位置での接平面の傾き角をθ1、前記第3面において軸上主光線と交差する位置での接平面の傾き角をθ2とするとき、下記条件式を満足することを特徴とする偏心光学系。
    30°≦|θ2−θ1|≦80°
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記入力光の軸上主光線に直交する平面を傾き基準面として、前記第4面において軸上主光線と交差する位置での接平面の傾き角をθ3、前記第5面において軸上主光線と交差する位置での接平面の傾き角をθ4とするとき、下記条件式を満足することを特徴とする偏心光学系。
    |θ4−θ3|≦30°
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、
    近軸焦点距離をFとするとき、下記条件式を満足することを特徴とする偏心光学系。
    60(mm)≦F≦500(mm)
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、
    近軸焦点距離をF、入射瞳径をDとするとき、比F/Dが下記条件式を満足することを特徴とする偏心光学系。
    2≦F/D≦15
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記プリズム外に実像を形成した後の光束を略平行光束とするとともに所定位置に射出瞳を形成する正のパワーを有する光学素子とを備えたことを特徴とする偏心光学系。
  11. 請求項1に記載の偏心光学系において、
    前記射出瞳を形成した後の光束を受光面に結像する集光手段を備えたことを特徴とする偏心光学系。
  12. 請求項1〜1のいずれかに記載の偏心光学系において、
    前記第1面を透過し、前記第2面、前記第3面、および前記第4面でこの順に反射されて、前記第5面を透過する光路が形成され、
    前記第4面で反射して前記第5面に向かう軸上主光線が、前記第1面を透過し前記第2面に向かう軸上主光線と、前記第2面で反射して前記第3面に向かう軸上主光線とにそれぞれ交差する位置関係にあることを特徴とする偏心光学系。
  13. 略平行な光束を入力光とする光学システムであって、
    請求項1または1に記載の偏心光学系と、
    該偏心光学系において前記射出瞳を形成する光束を該射出瞳位置近傍で偏向して受光面の少なくとも一つに導く光偏向手段とを有する集光ユニットと、
    前記受光面に導かれた光束の受光位置を検知して検出信号を出力する位置検出手段と、前記集光ユニットを移動可能に保持する移動機構と、
    前記位置検出手段の検出出力または前記光偏向手段の偏向量、あるいはその両方に応じて前記移動機構の移動量を制御する位置制御手段とを備えることを特徴とする光学システム。
  14. 請求項1に記載の光学システムにおいて、
    前記移動機構がジンバルステージを備えることを特徴とする光学システム。
  15. 請求項1または1に記載の光学システムにおいて、
    前記偏心光学系の実質的な絞りが前記集光ユニット外装と一体化されたことを特徴とする光学システム。
  16. 請求項1〜1のいずれかに記載の光学システムにおいて、
    前記位置検出手段が、前記受光面の一つと前記受光面の他の一つとにそれぞれ設けられ、
    前記位置制御手段が、前記位置検出手段の一方の検出出力に応じて前記移動機構を粗動させ、前記位置検出手段の他方の検出出力に応じて前記光偏向手段を微動させることを特徴とする光学システム。
  17. 請求項116のいずれかに記載の光学システムにおいて、
    前記位置検出手段が変調光検出手段を備え、空間光信号伝送における受光部を構成することを特徴とする光学システム。
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