JP2006113248A - 偏心反射光学系およびそれを用いた光学システム - Google Patents

偏心反射光学系およびそれを用いた光学システム Download PDF

Info

Publication number
JP2006113248A
JP2006113248A JP2004299819A JP2004299819A JP2006113248A JP 2006113248 A JP2006113248 A JP 2006113248A JP 2004299819 A JP2004299819 A JP 2004299819A JP 2004299819 A JP2004299819 A JP 2004299819A JP 2006113248 A JP2006113248 A JP 2006113248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
reflection
light
optical
decentered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004299819A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiyunko Takahashi
潤子 高橋
浩一 ▲高▼橋
Koichi Takahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2004299819A priority Critical patent/JP2006113248A/ja
Publication of JP2006113248A publication Critical patent/JP2006113248A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Telescopes (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Lenses (AREA)

Abstract

【課題】 偏心反射光学系およびそれを用いた光学システムにおいて、略平行光を入力光とする実質的なアフォーカル光学系を含み、光路内に射出瞳を形成し、例えば射出瞳の瞳位置、瞳径、像側NAや角倍率などを可変して入力光を像面に導くことにより、高効率で受光面に結合することができるようにする。
【解決手段】 略平行光の入力光20を、正のパワーを有する反射ミラー1、負のパワーを有する反射ミラー2で収束させて中間像12を形成してから正のパワーを有する反射ミラー3で略平行光を形成し、ガルバノミラー4で略平行光を集光レンズ5の光軸に沿って入射させ像面6に結像する偏心反射光学系50を構成する。そして、反射ミラー1に対して、反射ミラー2を平行移動して、中間像12の位置を可変し、それに応じて反射ミラー3を移動して反射ミラー1、2、3で構成されるアフォーカル光学系の角倍率を可変する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、偏心反射光学系およびそれを用いた光学システムに関し、例えば、望遠鏡、光通信、光情報記録等で焦点面にフォーカスを行う際に用いられる偏心反射光学系およびそれを用いた光学システムに関するものである。
小型の表示装置や撮像装置、天文学分野、空間の光通信分野等においては、反射光学系は屈折光学系に比べて優れた特性を有することが知られている。長所としては、色収差の発生がなく、反射分光特性が許容できる反射素材、反射膜であれば、非常に広い帯域をカバーすることができることが挙げられる。また、反射によって光路を折り畳むために光学系全体がコンパクトになり、同じ曲率であればパワーが屈折面の4倍になるため、曲率を小さくでき、収差の発生も抑えることが可能である。
例えば天文学分野等では、主鏡と副鏡の組み合わせを用いたカセグレン型、グレゴリアン型等の反射光学系が有名であるが、これらのミラーは共軸上に配置されているため、副鏡部分が遮蔽されてしまい、エネルギーのロスが避けられない。そこで、これらの反射面を互いに偏心または傾けて組み合わせたタイプの偏心反射光学系が考案されている。
このような偏心反射光学系は、複数の反射面が偏心または傾いて配置されるため、共軸光学系に比べて配置が複雑になっている。そのため、各反射面を精度よく設けられた基準面に突き当てて固定したものが知られている。
例えば、特許文献1には、プリズムの外周面に反射面を設けて複数の偏心反射面を一体化することで、互いの配置が固定された光学素子が記載されている。そして、この光学素子に基準面を設けて保持部材に対し位置決めすることが記載されている。
またこの光学素子をビデオカメラやスチールビデオカメラ、および複写機等に好適に用いることができることが記載されている。
特開平10−62690号公報(第6−10頁、図1−3)
しかしながら、上記のような従来の偏心反射光学系およびそれを用いた光学システムには以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、偏心反射面をプリズムに一体化するので、製造時の配置精度を保持することができるものの、製造時の配置誤差もそのまま保持され、光学系の性能がすべて製造時に決まってしまうという問題がある。すなわち、そのような光学素子を他の装置や光学システムに取り付ける場合、相手の装置や光学システムの必要に応じて光学系の性能を可変することができないという問題がある。
例えば、空間光通信装置では良好な通信を行うために、光アンテナで受光される受光光を受光器や受光側の光ファイバに向けて正確に導き、高効率で結合する必要がある。
また、アフォーカル光学系を用いて光路中に射出瞳を形成する場合には、瞳位置、瞳径、像側NAや角倍率などを、受光光を結合する光ファイバ径や追尾機構など装置の構成に応じて適宜可変できることが好ましい。
特許文献1に記載の光学素子では、製造誤差による結像性能の劣化を補正したり、取り付ける装置の構成に応じて瞳位置、瞳径、像側NAや角倍率などを可変したりできないという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、略平行光を入力光とする実質的なアフォーカル光学系を含み、光路内に射出瞳を形成し、例えば射出瞳の瞳位置、瞳径、像側NAや角倍率などを可変して入力光を像面に導くことにより、高効率で受光面に結合することができる偏心反射光学系およびそれを用いた光学システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の偏心反射光学系は、略平行光を入力光として中間像を形成する実質的なアフォーカル光学系を有する偏心反射光学系であって、偏心または傾いて配置された、パワーを有する複数の反射面を有し、該複数の反射面の少なくとも1つに、該反射面の偏心量および傾き量の少なくともいずれかを可変する移動機構を備えた構成とする。
このような構成によれば、移動機構により反射面の偏心量および傾き量の少なくともいずれかを可変することにより、反射面の配置誤差を修正して偏心収差を良好なものとしたり、反射面の位置、姿勢に依存する光学特性、例えば、射出瞳の瞳位置、瞳径やアフォーカル光学系の角倍率などを可変したりして、入力光を像面に導くことができる。
また、本発明の偏心反射光学系では、前記アフォーカル光学系が、前記入力光の軸上主光線に対して偏心または傾いて配置された、正のパワーを有する第1反射素子と、該第1反射素子により反射された前記軸上主光線に対して偏心または傾いて配置された、負のパワーを有する第2反射素子とを備えた構成とされることが好ましい。
この場合、第1反射素子、第2反射素子により光路を折り畳んでコンパクトなアフォーカル光学系を形成することができる。
また、本発明の偏心反射光学系のうち、前記第1反射素子と前記第2反射素子とを備える構成では、前記アフォーカル光学系が、前記第2反射素子の像側に正のパワーを有する光学素子を備え、前記中間像が前記第2反射素子と前記光学素子との間に形成され、前記光学素子により射出瞳が形成される構成とされ、前記移動機構が、前記第1反射素子、前記第2反射素子および前記光学素子のうち少なくとも2つを、それぞれの所定方向に向けて平行移動するように構成されることが好ましい。
この場合、アフォーカル光学系からの出射光を光学素子により像面に集光する光学系とすることができる。そして、第1反射素子、第2反射素子および光学素子のうち少なくとも2つをそれぞれの所定方向に向けて平行移動するという簡単な移動機構を備えることで、射出瞳の瞳径およびアフォーカル光学系の角倍率を容易かつ高精度に可変することができる。
また、本発明の偏心反射光学系のうち、前記第1反射素子、前記第2反射素子および前記光学素子のうち少なくとも2つを、それぞれの所定方向に向けて平行移動する移動機構を備える構成では、前記移動機構が、前記第2反射素子と前記光学素子とを、その間の光路の軸上主光線に沿って相対的に平行移動可能に保持する第1移動ユニットと、該第1移動ユニットまたは前記第1反射素子を相対的に平行移動可能に保持する第2移動ユニットとからなる構成とすることが好ましい。
この場合、第2移動ユニットを平行移動することにより、第1反射素子と、第1移動ユニットに含まれる第2反射素子との素子間隔を変更することで、中間像の形成位置を可変できる。そして、第1移動ユニットにより、第2反射素子に対して光学素子を軸上主光線に沿って平行移動することにより、光学素子の焦点位置を中間像の移動位置に合致させる。それにより、射出瞳の瞳径およびアフォーカル光学系の角倍率を容易かつ高精度に可変することができる。
また、本発明の偏心反射光学系では、前記移動機構により、前記アフォーカル光学系の射出瞳の瞳径および角倍率を可変できるようにした構成とすることが好ましい。
この場合、射出瞳の瞳径を可変できるため、射出瞳位置に、例えば光偏向手段や集光手段などを配置する場合に、ケラレなどが起こらないようにすることができる。また、角倍率を可変できるため、像側のNAを変えることができ、例えば光ファイバなどの受光面に入力光を結合する際、集光手段のNAを変えることなく高効率に結合することができる。
また、本発明の偏心反射光学系では、前記アフォーカル光学系の射出瞳の近傍に回動可能な反射面が設けられている構成とすることが好ましい。
この場合、射出瞳の近傍を通る光を回動可能な反射面により偏向することができ、光の出射方向を変えたり、像面の位置を変えたりすることができる。そのため、例えば入力光に画角変動がある場合などであっても、画角変化を打ち消す方向に偏向方向を可変することで、像面における像高を一定に保つことができる。
本発明の光学システムでは、少なくとも外部からの略平行光を入力光として受光する受光装置を含む光学システムであって、前記受光装置が本発明の偏心反射光学系を備える構成とする。
このような構成によれば、本発明の偏心反射光学系を受光装置に備えるようにしたので、本発明の偏心反射光学系と同様の作用効果を有する光学システムとなる。このような光学システムとしては、例えば、追尾機能を有する空間光通信の受光装置または送光装置を兼ねた受光装置、望遠鏡、焦点面にフォーカスを行う観察システムなどを挙げることができる。
本発明の偏心反射光学系およびそれを用いた光学システムによれば、反射面の配置誤差を補正して結像性能の劣化を防止したり、反射面の位置、姿勢に依存する光学特性、例えば、射出瞳の瞳位置、瞳径やアフォーカル光学系の角倍率などを可変したりして、入力光を像面に導くことができるので、光学性能の劣化が少なく、高効率で受光面に結合することができるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施の形態の詳細について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る偏心反射光学系について説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る偏心反射光学系について説明するための軸上主光線を含む断面の構成および光路を説明する模式光路図である。図1(b)は、同じく本発明の第1の実施形態に係る偏心光学系の移動機構を動作させたときの光路の一例について説明するため模式光路図である。なお、図1(a)、(b)は、模式図のため、光を通すために必要な開口や部材の取付部などの図示は省略している。
本実施形態の偏心反射光学系50は、図1に示すように、反射ミラー1(第1反射素子)、反射ミラー2(第2反射素子)、反射ミラー3(光学素子)、ガルバノミラー4(回動可能な反射面)、集光レンズ5からなり、入射瞳となる開口絞り10により光束径が規制された略平行光である入力光20を像面6上に結像する結像光学系を形成している。
以下、説明の便宜上、後述する数値実施例に採用するXYZ直角座標系を参照して方向を表す場合がある。このXYZ直角座標系は、開口絞り10の中心を原点Oとして、原点Oを通り、開口絞り10に直交する軸上主光線20aが進む方向をZ軸正方向とし、紙面をY−Z平面とし、紙面の表から裏へ向かう方向をX軸正方向とし、X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とするものである。
反射ミラー1は、軸上主光線20aに対して偏心または傾いて配置された反射面1aを有する反射光学素子であり、開口絞り10とともに第1反射素子保持部11に固定されている。
反射面1aは、正のパワーを有しており、入力光20を入射方向に対して斜め方向に反射し、収束光とする反射面となっている。反射面1aの面形状は、偏心収差を低減するために適宜の自由曲面で構成される。例えば、傾斜方向に非対称とされた回転非対称面などが好適に採用できる。
反射ミラー2は、反射ミラー1で反射された軸上主光線20aに対して偏心または傾いて配置された反射面2aを有する反射光学素子であり、第2反射素子保持部8に固定されている。
反射面2aは、負のパワーを有しており、反射ミラー1で反射された光を略Z軸方向に反射して光路を折り畳む反射面となっている。そして、反射面2aで反射された光は、中間像12として結像される。
偏心反射光学系では、偏心または傾いて配置されたパワーを有する反射面により、偏心収差として、例えば非点収差、コマ収差などが発生し、偏心収差独特の弓形や台形のディストーション(像歪み)が生じる。本実施形態では、反射面2aに負のパワーを持たせることにより、これらの収差を補正することが可能となり、結像性能の良好な中間像12を形成できるようになっている。
反射面2aの面形状は、収差補正を良好に行うために、適宜の自由曲面で構成される。例えば、偏心収差を良好に補正するためには、傾斜方向に非対称とされた回転非対称面などが好適に採用できる。
反射ミラー3は、正のパワーを有し、反射ミラー2で反射された軸上主光線20aに対して偏心または傾いて配置される。そして、中間像12を形成してから発散する光を斜め方向に反射するとともに、略平行光に収束し、射出瞳13を形成する光学素子である。
このような反射ミラー1、2、3は、入力光20を縮径された略平行光にする実質的なアフォーカル光学系を形成している。
射出瞳13の近傍には、反射ミラー3で反射された光の軸上主光線20aを所定方向に向けるためのガルバノミラー4が設けられている。
ガルバノミラー4は、平面である反射面4aを不図示の回動制御部により回動させ、反射ミラー3により反射された光を集光レンズ5の光軸に沿って入射できるようにした光偏向素子である。
集光レンズ5は、ガルバノミラー4で反射された略平行光を像面6に結像するための正のパワーを有する光学素子である。
反射ミラー3、集光レンズ5の位置と、ガルバノミラー4の回動中心位置は、集光光学系保持部9に対して固定されている。
第2反射素子保持部8と集光光学系保持部9とは、1軸方向に移動して、相対的な距離を可変できるように、第1移動ユニット7に設置されている。
本実施形態では、第2反射素子保持部8の位置が第1移動ユニット7に固定され、集光光学系保持部9が第1移動ユニット7に設けられた、例えば不図示の直動ステージなどの移動機構に保持されてZ軸方向(図示左右方向)に移動できるように構成されている。
第1移動ユニット7は、第2移動ユニット14を介して第1反射素子保持部11と結合されている。
第2移動ユニット14は、第1反射素子保持部11に固定されたベース14c上に図示Y軸方向に移動可能とされたスライダ14bが設けられ、スライダ14b上に、図示Z軸方向に移動可能とされたスライダ14aが設けられた構成とされる。そして、スライダ14b、14cを適宜距離移動させることで、YZ平面内で、第1反射素子保持部11に対して第1移動ユニット7を平行移動することができるようになっている。そしてそれぞれの間の相対距離を可変することができるようになっている。
第2移動ユニット14、集光光学系保持部9の移動は、手動で行うようにしてもよいし、適宜のアクチュエータ、モータなどにより自動で行うようにしてもよい。
次に、本実施形態の偏心反射光学系50の作用について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る偏心反射光学系の変倍時の軸上主光線を含む断面の光路図である。図2(a)、(b)、(c)は、後述する第1数値実施例のアフォーカル光学系の角倍率をそれぞれ、9.3、8.5、7.5に可変した場合に対応する。
偏心反射光学系50は、反射ミラー1で反射された軸上主光線20aに沿って反射ミラー2を平行移動することにより、それらの合成焦点距離を変え、反射ミラー2で反射された軸上主光線20a上で中間像12の位置を移動することができる。
そして、中間像12との相対距離を変えないように、反射ミラー2で反射された軸上主光線20a上で反射ミラー3を移動する。それにより中間像12を形成した後の発散光を反射ミラー3により収束して略平行光にすることができる。また、この略平行光により射出瞳13が形成される。
このとき、中間像12を形成する反射ミラー1、2の合成焦点距離が可変されているので、アフォーカル光学系の角倍率が可変される。
例えば、図2(a)の状態から、反射面2aを反射ミラー1で反射された軸上主光線20aに沿って図示矢印方向(Y軸負方向かつZ軸負方向)に移動するものとする。
このとき、図2(b)に示すように、反射ミラー1からより離れた位置で反射ミラー2の負のパワーが作用するので、反射ミラー1、2による合成焦点距離は小さくなる。このため、中間像12は、図示Z軸負方向に移動してより反射ミラー2に近づいた位置に、より像高の小さな像として形成される。そのため、中間像12から発散する光の発散角が増大し、所定距離だけ離れた反射面3a上での光束径が大きくなり、反射面3aにより形成される略平行光の光束径が大きくなる。したがって角倍率が低下し射出瞳径が大きくなるものである。
また、図2(c)に示すように、さらに反射ミラー2を移動すると、その傾向が顕著となる。
像側NAをNAIMとすると、集光レンズ5により構成される結像光学系の焦点距離fとアフォーカル光学系で形成された射出瞳径dとの間には、以下の関係がある。
NAIM≒(d/2)/f ・・・(1)
ここで、焦点距離fは固定のため、アフォーカル光学系の射出瞳径を可変とすることで、像側NAを変更することが可能となる。
例えば、像面に光ファイバを設置した場合、光ファイバは固有のNAを持っているが、像側NAをこの光ファイバのNAより小さくすることにより光ファイバのNAによる光量損失をなくすことができ、結合効率を向上することができる。したがって、設置する光ファイバに応じて最適な像側NAになるように、アフォーカル光学系の射出瞳径を設定することで、様々な光ファイバに対して結合効率の高い光学系を設定することが可能となる。
例えば、後述する第1数値実施例のような構成とすれば、射出瞳での角倍率が9.3〜7.5の範囲で可変することにより、像側NAを0.135〜0.168(集光レンズ5の焦点距離が12mmの場合)に可変できる偏心反射光学系が実現できる。
像側NAを変更するには、集光レンズ25の焦点距離を変えてもよいことは言うまでもない。ただし、集光レンズ25の焦点距離を変える場合、レンズ交換で対応すると像面6へのアライメントが必要になり、ズーム光学系を採用すると、レンズ枚数が増えてそれだけ光量が低下するものである。アフォーカル光学系だけで変更する場合には、このような問題は全く発生しないという利点がある。
なお、アフォーカル光学系の角倍率変更と、集光レンズ25の焦点距離の変更とを併用すれば、像側NAの可変範囲をより容易に広げることができるという利点がある。
反射ミラー2の移動は、第2移動ユニット14を用いて第1移動ユニット7を移動することにより行う。また、反射ミラー3の移動は第1移動ユニット7内で集光光学系保持部9を移動することにより行う。したがって、反射ミラー3、ガルバノミラー4、集光レンズ5は互いの相対的な位置関係を保った状態で移動される。
そのため、集光光学系保持部9を移動しても像面6上に入力光20の像が形成された状態とされる。入力光20の入射画角が変わる場合には、ガルバノミラー4を回動させることにより、反射ミラー3からの反射光を集光レンズ5の光軸に沿う方向に反射して、像面6上の一定位置に像を形成することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図3(a)は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る偏心反射光学系について説明するための軸上主光線を含む断面の構成および光路を説明する模式光路図である。図3(b)は、同じく本発明の第1の実施形態の変形例に係る偏心光学系の移動機構を動作させたときの光路の一例について説明するため模式光路図である。なお、図3(a)、(b)は、模式図のため、光を通すために必要な開口や部材の取付部などの図示を省略している。
本変形例の偏心反射光学系51は、上記実施形態の光学素子としてレンズを用いたものであり、本実施形態の偏心反射光学系50の反射ミラー1、反射ミラー2、反射ミラー3、集光レンズ5に代えて、反射ミラー21(第1反射素子)、反射ミラー22(第2反射素子)、集光レンズ23(光学素子)を備える。
反射ミラー21、反射ミラー22は、反射ミラー1、反射ミラー2と略同様に配置され、それぞれ正、負のパワーを有する自由曲面からなる反射面21a、22aが形成されている。反射面21a、22aの面形状は、全光学系の収差を最適化するための形状に設定されている。そして、これら反射ミラーにより、反射ミラー22と集光レンズ23との間の光路上に中間像12が形成されるようになっている。
集光レンズ23は、正のパワーを有する両凸レンズであり、凸面23a、23bはそれぞれ非球面から構成されている。そして、反射ミラー22により反射された軸上主光線20aと光軸が一致するように集光光学系保持部9に配置される。そのため、集光光学系保持部9の位置を第1移動ユニット7内で移動することで、集光レンズ23の焦点位置を中間像12に一致させることができる。それにより、中間像12を形成した後の発散光を略平行光とすることができるようになっている。すなわち、反射ミラー21、22、集光レンズ23は実質的なアフォーカル光学系を構成している。
集光レンズ23により略平行とされた光は、集光レンズ23の略後側焦点位置に射出瞳13を形成する。そして、射出瞳13の近傍に配置されたガルバノミラー4により集光レンズ25の光軸に沿う方向に光路を折り曲げられる。本変形例では、集光レンズ25の光軸は、略Y軸方向に沿う方向に配置されている。
集光レンズ25は、ガルバノミラー4で反射された略平行光を集光して像面6に導くものである。
本変形例によれば、反射ミラー3に代えて集光レンズ23を用いるので、集光光学系保持部9内の光路が上記実施形態とは異なるものの、上記実施形態と同様の作用効果を備える。
図4は、本変形例の偏心反射光学系の変倍時の軸上主光線を含む断面の光路図である。図4(a)、(b)、(c)は、後述する第2数値実施例のアフォーカル光学系の角倍率をそれぞれ、9.9、7.7、6.8に可変した場合に対応する。
例えば、後述する第2数値実施例のような構成とすれば、射出瞳での角倍率が9.9〜6.8の範囲で可変することにより、像側NAを0.064〜0.086(集光レンズ25の焦点距離が20mmの場合)に可変できる偏心反射光学系が実現できる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る偏心反射光学系について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る偏心反射光学系について説明するための軸上主光線を含む断面の構成および光路を説明する模式光路図である。なお、図中のXYZ直角座標系は、第1の実施形態の場合と同様に定義される座標系である。
本実施形態の偏心反射光学系52は、図5に示すように、第1の実施形態の偏心反射光学系50の反射ミラー1、2、3、集光レンズ5に代えて、反射ミラー60(第1反射素子)、反射ミラー61(第2反射素子)、反射ミラー62(光学素子)、集光レンズ64を備え、入射瞳となる開口絞り10により光束径が規制された略平行光である入力光20を像面6上に結像するように構成されている。反射ミラー60、61、62は、実質的なアフォーカル光学系を構成している。
反射ミラー60、61、62、集光レンズ64は、第1の実施形態と同様の構成を有するので、説明は省略する。そして、第1の実施形態とは、反射ミラー60、61、62のそれぞれに移動機構70が設けられている点が異なっている。なお、符号32は、ガルバノミラー4を回動させるための回動制御部である。
移動機構70は、反射ミラー60、61、62を、それぞれ独立に平行移動および回動移動の少なくともいずれかを可能とすることで、それぞれの配置位置および姿勢を可変するための機構である。そして、必要に応じて適宜の方向への平行移動、回動移動ができるようになっている。例えば、それぞれY軸およびZ軸方向への平行移動と、X軸中心の回動移動とが可能となっている。
このような移動機構70は、例えば種々のステージ機構を組み合わせることで、適宜構成することができる。以下、そのような構成例について簡単に説明する。
図6(a)、(b)、(c)、(d−1)は、このような移動機構70を構成するための移動機構の例について説明するための正面説明図である。図6(d−2)は、図6(d−2)の側面説明図である。
2軸ステージ66(図6(a)参照)は、送り機構66a、66bにより反射面65を直交する2軸方向に移動するための機構である。送り機構66a、66bとしては、メカニカルステージやアクチュエータなどを採用することができる。
傾斜ステージ67(図6(b)参照)は、送り機構66aにより、ベース67cに対するステージ67bの傾斜角度を可変することで、ステージ67bに設けられた反射面65を紙面に直交する軸を中心として回動できるようにしたものである。
1軸移動傾斜ステージ68(図6(c)参照)は、図示上下方向に移動可能な1軸送り機構68b上に傾斜機構68aが設けられ、傾斜機構68a上に反射面65が設けられたものである。傾斜機構68aは、例えば円弧状の摺動面を有するゴニオステージ機構を採用することができる。
1軸移動傾斜ステージ69は、反射面65を保持する傾斜台69bが、支持台69c上でそれぞれ独立に駆動可能な4つのアクチュエータ69aにより保持された機構である。そして、アクチュエータ69aの図示水平方向の繰り出し量を可変することにより、反射面65の図示水平方向への平行移動可能とするとともに、傾斜角度を可変できるようになっている。
本実施形態の偏心反射光学系52によれば、移動機構70…により、反射ミラー60、61、62をそれぞれ独立に平行移動したり、回動移動したりすることができるので、それぞれの反射面に配置誤差があっても、移動機構70…により位置を補正することができる。そのため、像面での結像性能を向上し、像位置、瞳位置を変更することができる。
また、移動機構70…により、中間像12の位置を移動し、中間像12の位置に併せて反射ミラー62を移動することで、第1の実施形態と同様にアフォーカル光学系の角倍率を可変することもできる。また、第1の実施形態の各反射ミラーの移動ユニット取付部に採用することもできる。
このように本実施形態によれば、偏心反射光学系52内の光学素子の位置関係を移動機構70…により補正したり調整したりすることができるので、組立誤差による光学性能の劣化を改善したり、他の装置に組み込む場合に装置に併せて像面6の位置や像側NAを調整するなどして、偏心反射光学系52からの出射光を装置側に高効率に結合することができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る光学システムについて説明する。本実施形態の光学システムは、本発明の第1、2の実施形態に係る偏心反射光学系を用いた光学システムであり、例えば、光捕捉追尾機能を有する空間光通信装置として用いることができるものである。このような装置は、光源を備え偏心反射光学系を送受光に共用することで送受光可能な装置として容易に構成することができるが、以下では、簡単のために、受光装置部分のみについて説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る光学システムの一例の概略構成について説明するための断面模式図である。
本発明の第3の実施形態に係る光追尾装置100(光学システム)について説明する。光追尾装置100は、略平行な入力光を追尾可能に送受光する装置であって、特に空間光通信分野において好適に用いることができる装置である。
光追尾装置100の受光装置部分の概略構成は、筐体36、偏心反射光学系51、方向ずれ検知手段33、回動制御部32、追尾台35、粗追尾制御部34および受光部31からなる。
筐体36は、後述する各部材を一体に保持する保持部材と外装部材とを兼ねた部材であり、例えば、箱形などの適宜形状とされている。そして、その外表面の一部に入力光20の入射瞳となる開口部である開口絞り10が設けられている。
開口絞り10は、筐体36と別部材で形成されてもよく、また厳密に筐体36の外表面に設ける必要もない。例えば、フレア光の入射を防止するフードなどが開口絞り10の周りに設けられていてもよい。また、開口絞り10は、光学的に開口していればよく、例えば集光に必要な波長光を透過させるカバーガラスなどで覆ってもよい。
偏心反射光学系51は、第1の実施形態の変形例に係る偏心反射光学系である。図7では、図示を省略しているが、図3に示すような第1移動ユニット7、第2移動ユニット14を備えており、アフォーカル光学系の角倍率を可変できるようになっている。
反射面22aと中間像12との間には、反射面22aで反射された光の光路を分岐するためのビームスプリッタ26が設けられ、中間像12と略共役な位置に入力光20の入射方向ずれを検出するための位置検出器27が設けられている。
位置検出器27としては、例えば、CCD、PSD、4分割PDなど、受光位置を検出可能な位置検出センサが採用できる。
なお、ビームスプリッタ26、位置検出器27は、図3に示す第2反射素子保持部8に固定されており、位置検出器27は、反射ミラー22の移動とともに変化する中間像12の位置に追従して、受光面を移動できるようになっている。
ガルバノミラー4と集光レンズ25との間には、略平行光の光路を分岐するためのビームスプリッタ28が設けられている。
ビームスプリッタ26、28は、例えばハーフミラーコーティングを施したビームスプリッタプリズム、ハーフミラーや、偏光特性により光路を分岐する偏光ビームスプリッタ(PBS)や、波長特性により光路を分岐する光学素子などが採用できる。
ビームスプリッタ28で分岐された光の光路上には、正のパワーを有する集光レンズ29が配置され、位置検出器30上に所定光束径で集光できるようになっている。
位置検出器30は、ガルバノミラー4で反射された略平行光の方向ずれを検出するためのもので、例えば、CCD、PSD、4分割PDなど、受光位置を検出可能な位置検出センサが採用できる。
なお、ビームスプリッタ28、集光レンズ29、位置検出器30は、図3に示す集光光学系保持部9に固定され、集光レンズ23、ガルバノミラー4、集光レンズ25に対する位置関係を保って移動できるようになっている。
方向ずれ検知手段33は、位置検出器27、30により光束の受光位置−の位置ずれとして検出された検出出力を入射光の方向ずれ量に変換し、光追尾制御を行うためのものである。
すなわち、位置検出器27から送られた検出出力を方向ずれ量に換算して、その方向ずれを解消するために筐体36を移動させる制御信号を粗追尾制御部34に送ることとで、粗追尾制御を行い、位置検出器30から送られた検出出力を方向ずれ量に換算して、その方向ずれを解消するためにガルバノミラー4を回動させる制御信号を回動制御部32に送ることで、精追尾制御を行うことができるようになっている。
追尾台35は、筐体36を2軸方向に姿勢制御可能に保持する移動機構であり、ティルト駆動部35aおよび水平回転駆動部35bが支持台35c上に保持されてなる。
水平回転駆動部35bとティルト駆動部35aとは、それぞれ鉛直軸回りの回転と水平軸回りの所定角の回転とが可能とされ、それぞれの回転角を制御する制御モータ(不図示)などの機構により駆動される。それぞれの回転角は、粗追尾制御部34からの制御信号により制御されるようになっている。
粗追尾制御部34は、方向ずれ検知手段33が生成した制御信号に基づき、ティルト駆動部35a、水平回転駆動部35bの回転駆動量を算出して、所定の回転駆動を行うための手段である。
受光部31は、偏心反射光学系51の像面6に結像された光を外部に装置外部に送出するためのもので、本実施形態では、装置外部に接続された光ファイバのファイバ端面である。
本実施形態の光追尾装置100の受光装置部分によれば、入力光20の入射方向が適切な範囲にあれば、入力光20が開口絞り10に入射する。入力光20は、開口絞り10に比べて大きな光束径を有しており、通常の使用範囲では入射画角が変動しても開口絞り10が光束径の内部に位置する。そこで、開口絞り10に入射した入力光20は、偏心反射光学系51内の光路をたどって像面に結像し、受光部31に結合される。
そして、ビームスプリッタ28により分岐された光を位置検出器30により受光して、位置検出する。方向ずれ検知手段33は、位置検出器30の検出信号により、ガルバノミラー4で反射された光の方向ずれを検知し、その反射光が集光レンズ25の光軸に沿って入射するように、精追尾制御部32に制御信号を送出する。これにより、ガルバノミラー4の回動角度が制御され、反射光が受光部31の受光面の一定位置に結像されるように精追尾制御される。
また、位置検出器27により、入力光20の画角変化が検出されれば、方向ずれ検知手段33から、粗追尾制御部34に制御信号が送出され、追尾台35の姿勢が入力光20の入射方向に向けて制御される(粗追尾)。
このようにして、入力光20が光追尾され、受光部31により入力光20が受光される。したがって、受光部31が、例えばコア径10μm以下のきわめて細径化されている受光面を有する場合でも、常に安定した受光を行うことができる。
また、本実施形態では、偏心反射光学系51に含まれるアフォーカル光学系の角倍率を可変できるので、像側NAを適宜可変して、受光部31のNAより小さくすることにより、光量損失なく入力光20を受光部31に結像することができるものである。
したがって、例えば、受光部31を複数用意して入力光20の結合先を変更できるようにする場合など、受光部31のファイバNAが異なってもそれぞれに応じて像側NAを可変することで、いずれの結合先に対しても高効率の光結合を行うことができる。
なお、上記の第3の実施形態の説明では、光追尾装置100の受光装置部分について説明したが、送光装置部分は、例えば、略平行光の送光光を発生する光源と、送光光を偏心反射光学系51の軸上主光線上に合成するためのビームスプリッタを集光レンズ25とビームスプリッタ28との間の光路上に設けることで容易に構成できる。この場合、偏心反射光学系51は送光光を拡径する送光光学系を兼ねているものである。
また、上記の第3の実施形態の説明では、光学システムの受光装置を空間光通信装置の受光装置部分の例で説明したが、光学システムは、空間光通信装置に限定されるものではない。例えば、望遠鏡や光情報記録など、焦点面にフォーカスを行うための受光装置であれば、どのような装置であってものよい。例えば、空間光通信装置であっても、受光部31を精追尾の位置検出器30の受光部として用いることで、受光装置部分を精追尾機構のみに用い、光通信は送光装置部分のみで行うことで、追尾機能付き送光装置を構成するものであってもよい。
また、上記の第3の実施形態の説明では、第1の実施形態の変形例の偏心反射光学系を用いた光学システムの例について説明したが、第1、2の実施形態の偏心反射光学系であれば、他の構成を採用してもよく、その場合、それぞれの実施形態の作用効果を備える光学システムとすることができる。
また、上記の説明では、第1、2反射素子が正、負のパワーを有する反射ミラーである例で説明したが、反射型の回折光学素子(DOE)、反射型のホログラフィック光学素子(HOE)などの反射素子を用いてもよい。
また、上記の説明では、実質的なアフォーカル光学系が第1、第2反射素子を備える例で説明したが、実質的にアフォーカル光学系であり、パワーを有する複数の反射面により構成されるものであれば、このような構成に限定されるものではない。
また、上記の説明では、第2反射素子の像側に正のパワーを有する光学素子を設けることにより射出瞳が形成される例で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
次に、上記に説明した第1の実施形態の偏心反射光学系の第1数値実施例を、図2を参照して説明する。
下記に第1数値実施例の光学系の構成パラメータを示す。図2(a)に表記されたr、d(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータの曲率半径、面間隔dに対応する。
ここで、以下に用いる座標系と自由曲面式について説明する。
座標系は、図2(a)に示したように、物体側から開口絞り10、反射ミラー3に向う光線追跡で、入射側光軸を、軸上主光線20aのうち絞り面を形成する開口絞り10の中心に直交し、反射ミラー3に向かう光線として定義する。そして光線追跡において、開口絞り10の中心を偏心反射光学系50の偏心光学面の原点Oとして(ただし、図示の座標軸は光路との重なりを避けるために原点位置をずらしている)、入射側光軸に沿う方向をZ軸方向とし、物体側から偏心光学系の開口絞り10に向かう方向をZ軸正方向とし、紙面をY−Z平面とし、紙面の表から裏へ向かう方向をX軸正方向とし、X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とする。
傾き角は、X軸、Y軸、Z軸を中心とする傾き角をそれぞれα、β、γとしたとき、傾き角αとβの正はそれぞれX軸、Y軸の正方向に対して反時計回りを、傾き角γの正はZ軸の正方向に対して時計回りの角度と定義する。
そして、各光学作用面を座標系で表す場合、軸上主光線20aを物体から像面に向かう方向で順光線追跡し、光学作用面と軸上主光線20aが交差する点を原点として、X軸を紙面垂直方向に保って、Z軸が軸上主光線20aに一致するように、Y、Z軸を回転させたローカル座標系で表す。
なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
本実施例で用いられる回転非対称の曲面の形状は、例えば、下記の式(a)により定義される自由曲面式で表現される。式(a)のZ軸が自由曲面の軸となる。
Figure 2006113248
ここで、(a)式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。球面項中、Rは頂点の近軸曲率半径、kはコーニック定数(円錐定数)であり、r=√(X2 +Y2 )である。
自由曲面項は、
Figure 2006113248
ただし、C(jは1以上の整数)は係数である。
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、本実施形態ではXの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。例えば、上記定義式(a)においては、C2 、C5 、C7、C9 、C12、C14、C16、C18、C20、C23、C25、C27、C29、C31、C33、C35・・・の各項の係数を0にすることによって可能である。
また、本実施形態に用いられる非球面は、以下の定義式(b)で与えられる回転対称非球面である。
Figure 2006113248
ここで、h=√(X2 +Y2 )であり、cは頂点の近軸曲率半径、kはコーニック定数(円錐定数)、A、B、C、D、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次、…の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
偏心の表示におけるα、β、γは、それぞれ上記に傾き角の方向として説明した方向の角度を示す。長さの単位は(mm)、角度の単位は(°)である。また、偏心の原点および回転中心は、データ中に適宜注記している。
また自由曲面(FFS面)、非球面は、上記に説明した式(a)で与えられる。なお、データの記載されていない自由曲面、非球面に関する項は0である。
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 絞り面 d1 =40.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1]
3 ∞ d3 (Zoom) 偏心[2]
4 FFS[2] d4 = 0.00 偏心[3]
5 ∞ d5 = 0.00 偏心[4]
6 FFS[3] d6 = 0.00 偏心[5]
7 ∞ d7 = 0.00 偏心[6]
8 ∞ d8 = 5.00 偏心[7]
9 f12理想レンズ d9 =12.00
像 面 ∞ d10= 0.00

FFS[1]
4 -3.8092x10-36 -3.4297x10-38 8.0193x10-6
10 7.1693x10-611 -8.2051x10-913 -2.3187x10-8
15 -7.8537x10-9
FFS[2]
4 -8.3015x10-36 -7.4334x10-38 7.3943x10-5
10 6.2105x10-511 2.0113x10-613 4.2940x10-6
15 3.2207x10-6
FFS[3]
4 -1.2857x10-26 -1.2473x10-28 -1.1496x10-4
10 -1.1743x10-411 8.9483x10-813 -4.5646x10-6
15 -9.2413x10-617 -1.0209x10-8
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 18.01 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 36.02 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y -0.02 Z 0.32
α -18.06 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y y1(Zoom) Z z1(Zoom)
α -18.01 β 0.00 γ 0.00
偏心[5]
X 0.00 Y 0.00 Z 19.94
α 15.32 β 0.00 γ 0.00
偏心[6]
X 0.00 Y -12.75 Z -1.57
α a1(Zoom) β 0.00 γ 0.00
偏心[7]
X 0.00 Y -12.75 Z 18.43
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
ZOOM DATA
ズーム位置 Z
面間隔 d3 -50.00 -51.20 -53.00
偏心[4] y1 -15.45 -13.20 -10.53
偏心[4] z1 47.42 40.64 32.36
偏心[6] a1 15.36 15.31 15.34
ここで、ズーム位置Z、Z、Zは、それぞれ図2(a)、(b)、(c)の位置関係に対応する面間隔および偏心を示す。構成パラメータをこれらZOOM DATAのように可変したとき、射出瞳径、角倍率、像側NAは次のようになる。ただし、角倍率、像側NAは、Y軸方向の値を示す。また、像側NAの計算の際には、集光レンズ5に対応して焦点距離f=12mmの理想レンズが配置されたものとして計算している。
ズーム位置 Z
射出瞳径 φ3.27 φ3.59 φ4.04
角倍率(Y) 9.3 8.5 7.5
像側NA(Y) 0.135 0.148 0.168
次に、上記に説明した第1の実施形態の偏心反射光学系の変形例に対応する第2数値実施例を、図3を参照して説明する。
下記に第2数値実施例の光学系の構成パラメータを示す。図3(a)に表記されたr、d、n(iは整数)は、下記に示す光学系の構成パラメータの曲率半径、面間隔d、屈折率nに対応する。また屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記している。座標系その他は実施例1と同様である。
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 絞り面 d1 =28.00
2 FFS[1] d2 = 0.00 偏心[1]
3 ∞ d3 (Zoom) 偏心[2]
4 FFS[2] d4 = 0.00 偏心[3]
5 ∞ d5 = 0.00 偏心[4]
6 非球面[1] d6 = 2.10 偏心[5] n1 = 1.5163 ν1 = 64.1
7 非球面[2] d7 =18.75
8 ∞ d8 = 5.00
9 f20理想レンズ d9 =20.00 偏心[6]
像 面 ∞ d10= 0.00

非球面[1]
曲率半径 13.58
k 0.00
A -8.0354x10-4 B 9.4459x10-5 C -1.6708x10-6
非球面[2]
曲率半径 -17.36
k 0.0
A -6.2668x10-4 B 9.4619x10-5 C -1.5552x10-6
FFS[1]
4 -2.6012x10-36 -2.3721x10-38 5.2657x10-6
10 4.7703x10-611 -7.2125x10-913 -1.8918x10-8
15 -1.5547x10-868 7.0000x10-1
FFS[2]
4 -6.1697x10-36 -5.6068x10-38 5.4946x10-5
10 4.7946x10-511 6.9109x10-713 1.5606x10-6
15 7.7369x10-868 7.0000x10-1
偏心[1]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 17.21 β 0.00 γ 0.00
偏心[2]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 34.43 β 0.00 γ 0.00
偏心[3]
X 0.00 Y -0.08 Z -0.18
α -17.57 β 0.00 γ 0.00
偏心[4]
X 0.00 Y y1(Zoom) Z z1(Zoom)
α -17.21 β 0.00 γ 0.00
偏心[5]
X 0.00 Y 0.00 Z 15.32
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心[6]
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
ZOOM DATA
ズーム位置 Z
面間隔 d3 -34.92 -36.87 -38.02
偏心[4] y1 -13.17 -8.72 -6.93
偏心[4] z1 42.42 28.19 22.45
ここで、ズーム位置Z、Z、Zは、それぞれ図4(a)、(b)、(c)の位置関係に対応する面間隔および偏心を示す。構成パラメータをこれらZOOM DATAのように可変したとき、射出瞳径、角倍率、像側NAは次のようになる。ただし、角倍率、像側NAは、Y軸方向の値を示す。また、像側NAの計算の際には、集光レンズ25に対応して焦点距離f=20mmの理想レンズが配置されたものとして計算している。
ズーム位置 Z
射出瞳径 φ2.4 φ3.1 φ3.5
角倍率(Y) 9.9 7.7 6.8
像側NA(Y) 0.064 0.077 0.086
本発明の第1の実施形態に係る偏心反射光学系について説明するための軸上主光線を含む断面の構成および光路を説明する模式光路図およびその移動機構を動作させたときの光路の一例について説明するため模式光路図である。 本発明の第1の実施形態に係る偏心反射光学系の変倍時の軸上主光線を含む断面の光路図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る偏心反射光学系について説明するための軸上主光線を含む断面の構成および光路を説明する模式光路図およびその移動機構を動作させたときの光路の一例について説明するため模式光路図である。 本発明の第1の実施形態の本変形例に係る偏心反射光学系の変倍時の軸上主光線を含む断面の光路図である。 本発明の第2の実施形態に係る偏心反射光学系について説明するための軸上主光線を含む断面の構成および光路を説明する模式光路図である。 本発明の第2の実施形態に係る移動機構の例について説明するための正面説明図および側面説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る光学システムについて説明するための模式説明図である。
符号の説明
1、21、60 反射ミラー(第1反射素子)
1a、2a、3a、21a、22a、60a、61a、62a 反射面
2、22、61 反射ミラー(第2反射素子)
3、62 反射ミラー(光学素子)
4 ガルバノミラー(回動可能な反射面)
5、25、64 集光レンズ
6 像面
7 第1移動ユニット
8 第2反射素子保持部
9 集光光学系保持部
10 開口絞り
11 第1反射素子保持部
12 中間像
13 射出瞳
14 第2移動ユニット
20 入力光
23 集光レンズ(光学素子)
26、28 ビームスプリッタ
27、30 位置検出器
31 受光部
32 回動制御部
33 方向ずれ検知手段
34 粗追尾制御部
35 追尾台
50、51、52 偏心反射光学系
70 移動機構
100 光追尾装置(光学システム)

Claims (7)

  1. 略平行光を入力光として中間像を形成する実質的なアフォーカル光学系を有する偏心反射光学系であって、
    偏心または傾いて配置された、パワーを有する複数の反射面を有し、該複数の反射面の少なくとも1つに、該反射面の偏心量および傾き量の少なくともいずれかを可変する移動機構を備えたことを特徴とする偏心反射光学系。
  2. 前記アフォーカル光学系が、
    前記入力光の軸上主光線に対して偏心または傾いて配置された、正のパワーを有する第1反射素子と、
    該第1反射素子により反射された前記軸上主光線に対して偏心または傾いて配置された、負のパワーを有する第2反射素子とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の偏心反射光学系。
  3. 前記アフォーカル光学系が、
    前記第2反射素子の像側に正のパワーを有する光学素子を備え、
    前記中間像が前記第2反射素子と前記光学素子との間に形成され、前記光学素子により射出瞳が形成される構成とされ、
    前記移動機構が、
    前記第1反射素子、前記第2反射素子および前記光学素子のうち少なくとも2つを、それぞれの所定方向に向けて平行移動するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の偏心反射光学系。
  4. 前記移動機構が、
    前記第2反射素子と前記光学素子とを、その間の光路の軸上主光線に沿って相対的に平行移動可能に保持する第1移動ユニットと、
    該第1移動ユニットまたは前記第1反射素子を相対的に平行移動可能に保持する第2移動ユニットとからなることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の偏心反射光学系。
  5. 前記移動機構により、前記アフォーカル光学系の射出瞳の瞳径および角倍率を可変できるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏心反射光学系。
  6. 前記アフォーカル光学系の射出瞳の近傍に回動可能な反射面が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏心反射光学系。
  7. 少なくとも外部からの略平行光を入力光として受光する受光装置を含む光学システムであって、
    前記受光装置が請求項1〜6のいずれかに記載の偏心反射光学系を備えることを特徴とする光学システム。
JP2004299819A 2004-10-14 2004-10-14 偏心反射光学系およびそれを用いた光学システム Withdrawn JP2006113248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004299819A JP2006113248A (ja) 2004-10-14 2004-10-14 偏心反射光学系およびそれを用いた光学システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004299819A JP2006113248A (ja) 2004-10-14 2004-10-14 偏心反射光学系およびそれを用いた光学システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006113248A true JP2006113248A (ja) 2006-04-27

Family

ID=36381824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004299819A Withdrawn JP2006113248A (ja) 2004-10-14 2004-10-14 偏心反射光学系およびそれを用いた光学システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006113248A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008129338A (ja) * 2006-11-21 2008-06-05 Olympus Corp 光源装置および光源装置の調整方法
CN101980229A (zh) * 2010-10-12 2011-02-23 武汉大学 基于单摄像机和镜面反射的空间跟踪定位方法
JP2012528748A (ja) * 2009-06-03 2012-11-15 シンクレア システムズ インターナショナル エルエルシー 光印字可能な材料の直接結像のための光学系
EP3588165A1 (en) * 2018-06-27 2020-01-01 Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO Afocal in-field pointing telescope system
CN114815203A (zh) * 2022-04-11 2022-07-29 北京理工大学 一种大相对孔径离轴四反射式非轴向变焦成像光学***

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008129338A (ja) * 2006-11-21 2008-06-05 Olympus Corp 光源装置および光源装置の調整方法
JP2012528748A (ja) * 2009-06-03 2012-11-15 シンクレア システムズ インターナショナル エルエルシー 光印字可能な材料の直接結像のための光学系
CN101980229A (zh) * 2010-10-12 2011-02-23 武汉大学 基于单摄像机和镜面反射的空间跟踪定位方法
EP3588165A1 (en) * 2018-06-27 2020-01-01 Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO Afocal in-field pointing telescope system
WO2020005060A1 (en) * 2018-06-27 2020-01-02 Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno Afocal in-field pointing telescope system
US11774734B2 (en) 2018-06-27 2023-10-03 Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno Focal in-field pointing telescope system
CN114815203A (zh) * 2022-04-11 2022-07-29 北京理工大学 一种大相对孔径离轴四反射式非轴向变焦成像光学***

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4422432B2 (ja) 偏心光学系およびそれを用いた光学システム
JP4637532B2 (ja) 偏心光学系とそれを用いた光学システム
US6603608B2 (en) Variable focal length optical element and optical system using the same
US20050013021A1 (en) Decentered optical system, light transmitting device, light receiving device, and optical system
US6301064B1 (en) Optical apparatus
US6166866A (en) Reflecting type optical system
JP4611111B2 (ja) 光学系
JP3625339B2 (ja) ズーム光学系及びそれを用いた撮像装置
US6097550A (en) Optical system and image taking apparatus
KR20120039653A (ko) 다중 시야를 갖는 익스트림 브로드밴드 컴팩트 광학 시스템
JP2005020175A (ja) 光検出装置及び光学システム
US6760164B2 (en) Optical system
KR101707874B1 (ko) 촬상 광학계
JP5379154B2 (ja) デュアル焦点距離レンズ系
JP2007109923A (ja) 光検出装置およびそれを用いた光通信システム
US6426841B1 (en) Optical apparatus
US20050237642A1 (en) Decentering optical system, optical transmitting device, optical receiving device, and optical system
JP2006113248A (ja) 偏心反射光学系およびそれを用いた光学システム
JP2005003804A (ja) 偏心光学系、送光装置、受光装置および光学システム
JP2007052366A (ja) 反射光学系およびそれを用いた光学システム
JP2006173688A (ja) 空間光伝送装置
US20220137276A1 (en) Imaging apparatus
JP2005031449A (ja) 偏心光学系、送光装置、受光装置および光学システム
US12019225B2 (en) Optical system, optical apparatus, imaging apparatus, and method for manufacturing optical system and imaging apparatus
US20220082745A1 (en) Imaging apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080108