JP5186073B2 - 撮像光学系 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像光学系に関し、特に、反射屈折光学系を用いた小型で高性能な撮像光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自由曲面等を用いたプリズム光学系については多くの提案がある。その中、絞りを挟んで複数の偏心プリズムを配置してなる撮像光学系については、特開平10−20196号、特開2000−19401〜19407、特開2000−111799〜111800、特開2000−121943等のものが提案されている。これらのものは、偏心プリズムの媒質は何れも同じものを用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、撮像光学系を小型にしていくと撮像素子のピクセルが小さく高精細になり、撮像光学系はそれに対応して諸収差を補正した高性能なものにする必要が出てくる。このような偏心プリズムを用いた撮像光学系において、絞りを光学系の中央付近に配置して対称性が良くなるようにすれば、コマ収差等は改善するが、屈折率の色分散に起因する倍率の色収差が問題となる。
【0004】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、絞りを挟んで複数の偏心プリズムを配置してなる撮像光学系において、特に倍率の色収差を始めとして諸収差を良好に補正した小型で高性能なものを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の撮像光学系は、絞りの両側にそれぞれ回転非対称な反射面を持つ少なくとも1つの偏心プリズムが配置され、中間像を結像しない撮像光学系において、絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質の光学的性質と絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質の光学的性質とが異なることを特徴とするものである。
【0006】
この場合に、絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質と絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数の差の絶対値Δνが、
5<Δν<80 ・・・(1)
を満たすことが望ましい。
【0007】
また、絞りより前側のパワーが負で、絞りより後側のパワーが正で、絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数が小さく、絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数がより大きいことが望ましい。
【0008】
以下、本発明のおいて上記構成をとる理由と作用について説明する。
【0009】
前記したように、絞りの両側にそれぞれ回転非対称な反射面を持つ少なくとも1つの偏心プリズムが配置され、中間像を結像しない撮像光学系においては、絞りが光学系の中央付近に配置されており、対称性が良くできるので、コマ収差等の単色収差は改善するが、各プリズムの入射面と射出面が何れも屈折面からなるために、屈折率の色分散に起因する色収差、特に、倍率の色収差は、プリズムの面形状として回転非対称な自由曲面形状としても補正しきれない。特に、光学系を小型化する場合、相対的に波長が大きくなり、倍率の色収差の収差補正が難しくなる。
【0010】
そこで、本発明においては、絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質の光学的性質と絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質の光学的性質とが異なるようにすることにより、色収差、特に、倍率色収差を補正するようにしている。このように絞りより前群の偏心プリズムの媒質の光学的性質と絞りより後の後群の偏心プリズムの媒質の光学的性質とを異なるようにすると、プリズムの屈折面での分散に基づく色収差、特に、倍率の色収差を良好に補正できるようになる。
【0011】
ここで、媒質の光学的性質とは、具体的に屈折率とアッベ数であるが、少なくとも何れか一方が異なることが必要である。
【0012】
また、典型的には、後記の実施例に示すように、絞りより前に1つの偏心プリズム、絞りより後に1つの偏心プリズムを持って本発明の撮像光学系は構成されるが、それぞれ複数の偏心プリズムで構成することも可能である。その場合、最低前群の1つのプリズムと後群の1つのプリズムの媒質の光学的性質が異なれば、色収差は補正可能になる。
【0013】
そして、より具体的には、その前群の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質と後群の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数の差の絶対値Δνが、
5<Δν<80 ・・・(1)
を満たすようにすることが望ましい。
【0014】
この条件の下限値の5を越えると、倍率の色収差を補正することが困難になる。また、上限値の80を越えると、倍率の色収差の補正には好ましいが、媒質の種類が少なくなり、他の収差補正が困難になる。
【0015】
より好ましくは、
10<Δν<60 ・・・(1−1)
を満たすようにすることが望ましい。
【0016】
さらに好ましくは、
20<Δν<40 ・・・(1−2)
を満たすようにすることが最も良い。
【0017】
ところで、電子撮像素子を用いて撮像する場合、結像光線が撮像面に略垂直に入射するテレセントリックな構成にする必要がある。その場合には、絞りより後の群のパワーは正とする必要がある。後群を正パワーとした場合、前群のパワーとしては、正でも負でもよいが、前群のパワーを正とすると、結像面が後群の中に潜り込むような形態になってしまうことが多い。そこで、レトロフォーカスタイプにして前群のパワーを負とすることが望ましい。
【0018】
このようなパワー配置で、絞りが系の真ん中にあることにより、入射する軸外主光線の像高が前群第1面の屈折面で最も高くなる。この面により高分散(アッベ数が相対的に小さい)の媒質を配置することにより、倍率の色収差を容易に補正することができるようになる。
【0019】
また、この場合に、絞りより前側の屈折力を有する要素の最も物体側の面、例えばカバーガラスを除いた偏心プリズムの入射面が正のパワー有すると、倍率色収差補正の作用をより高めることができる。
【0020】
ここで、各偏心プリズムの入射面又は射出面の少なくとも何れか一方が曲面からなることが望ましい。
【0021】
各プリズムの屈折面である入射面又は射出面の少なくとも何れか一方を曲面で構成することにより、前群、後群のパワーの一部を担わせたり、収差補正の一部を担わせることができる。
【0022】
その場合に、その曲面としては、球面以外の回転対称非球面としてもよいが、回転非対称な面とすることにより、偏心により発生する収差を補正することができるようになる。
【0023】
ここで、偏心プリズムの反射面、屈折面に用いる回転非対称な曲面形状の面として、例えば自由曲面を用いることができる。なお、自由曲面とは以下の式で定義されるものである。この定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0024】
Figure 0005186073
ここで、(a)式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。
【0025】
球面項中、
c:頂点の曲率
k:コーニック定数(円錐定数)
r=√(X2 +Y2
である。
【0026】
自由曲面項は、
Figure 0005186073
ただし、Cj (jは2以上の整数)は係数である。
【0027】
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、Xの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。また、Yの奇数次項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。
【0028】
また、上記の回転非対称な曲面形状の面である自由曲面の他の定義式として、Zernike多項式により定義できる。この面の形状は以下の式(b)により定義する。その定義式(b)のZ軸がZernike多項式の軸となる。回転非対称面の定義は、X−Y面に対するZの軸の高さの極座標で定義され、RはX−Y面内のZ軸からの距離、AはZ軸回りの方位角で、X軸から測った回転角で表せられる。
【0029】
Figure 0005186073
ただし、Dm (mは2以上の整数)は係数である。なお、X軸方向に対称な光学系として設計するには、D4 ,D5 ,D6 、D10,D11,D12,D13,D14,D20,D21,D22…を利用する。
【0030】
上記定義式は、回転非対称な曲面形状の面の例示のために示したものであり、他のいかなる定義式に対しても同じ効果が得られることは言うまでもない。
【0031】
ところで、本発明による撮像光学系をその奥行き方向の厚さを小さくするには、絞りの中心を通り、撮像面の中心に到る光線を軸上主光線とするとき、物体空間での軸上主光線方向に対する絞りを通過するときの軸上主光線方向の偏角θが、
45°<θ<135° ・・・(2)
を満たすことが望ましい。
【0032】
ここで、上記定義の偏角θは、物体空間での軸上主光線の方向と絞りを通過するときの軸上主光線の方向が同じで平行な場合に0°で、反対向きで平行な場合に180°になるもので、この偏角θが上記条件(2)を満たすことにより、絞りより後の後群を前群と並べて配置できるので、撮像光学系の奥行き方向の厚さを薄く構成することが可能になる。その条件の上限の135°を越えると、後群が前群より前側に出て、また、下限の45°を越えると、逆に後群が前群より後ろ側に位置することになり、何れも奥行き方向の厚さを薄くすることができなくなる。
【0033】
特に、絞りより前側に反射面を1面のみ持つ1つの偏心プリズムが配置されて前群が構成される場合、
92°<θ<135° ・・・(3)
を満たすことが望ましい。
【0034】
この条件(3)の下限の92°より小さくなると、前群の偏心プリズムで発生した偏心収差の影響が大きく、非対称収差が補正できなくなる。上限の135°よりも大きくなると、前群の偏心プリズムと後群の偏心プリズムとの干渉が発生する。この干渉を避けようとすると、光学系が大きくなってしまう。
【0035】
より好ましくは、
95°<θ<125° ・・・(3−1)
を満たすようにすることが望ましい。
【0036】
さらに好ましくは、
98°<θ<115° ・・・(3−2)
を満たすようにすることが最も良い。
【0037】
次に、物体空間における光軸に沿った撮像光学系の厚さtを測ることを考える。物体空間における光軸に沿う軸をZ軸とするときに、本発明の撮像光学系のZ軸に沿って最も物体側に突出した点から物体から最も遠い点までのZ軸に沿って測った厚さを光学系の厚さtとし、この厚さtが以下の式を満たすことが望ましい。
【0038】
t<20mm ・・・(4)
この条件の上限の20mmを越えると、厚さが厚すぎ携帯性に欠けるものとなってしまう。
【0039】
より好ましくは、
t<10mm ・・・(4−1)
を満たすようにすることが望ましい。
【0040】
さらに好ましくは、
t<6.5mm ・・・(4−2)
を満たすようにすることが最も良い。
【0041】
なお、厚さが余り小さくなりすぎると、光の波長に比べて光学系が小さくなりすぎ、回折の影響で画像の品質が保てなくなる。
【0042】
また、以上のような本発明の撮像光学系と、その撮像光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、その電子撮像素子によって光電変換された電子信号を処理する処理手段と、操作者がその処理手段に入力したい情報信号を入力するための入力部と、その処理手段からの出力を表示する表示素子と、その処理手段からの出力を記録する記録媒体とを含み、その処理手段は、撮像光学系によって電子撮像素子に受光された物体像を表示素子に表示するように構成されている情報処理装置を本発明に基づいて構成することができる。
【0043】
この場合に、その入力部がキーボードにて構成され、撮像光学系と電子撮像素子とが表示素子の周辺部又はキーボードの周辺部に内蔵されているパソコン装置を本発明に基づいて構成することができる。
【0044】
また、以上のような本発明の撮像光学系と、その撮像光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、電話信号を送信及び受信するためのアンテナと、電話番号等の信号を入力するための入力部と、その電子撮像素子によって受光された物体像を送信可能な信号に変換する信号処理部とを含んでいる電話装置を本発明に基づいて構成することができる。
【0045】
また、以上のような本発明の撮像光学系と、その撮像光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、その電子撮像素子によって光電変換された電子信号を処理する処理手段と、その電子撮像素子で受光された物体像を観察可能に表示する表示素子とを有し、電子撮像素子で受光された物体像の像情報を記録するための記録部材を内蔵又は挿脱するように構成され、その処理手段が、電子撮像素子に受光された物体像を表示素子に表示する表示処理機能と、電子撮像素子に受光された物体像を記録媒体に記録する記録処理機能とを有する電子カメラ装置を本発明に基づいて構成することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の撮像光学系の実施例1〜6について説明する。なお、実施例1については本願発明の参考例として掲載したものである。
【0047】
実施例1〜6の構成パラメータは下記に示すが、面番号は、物体から光学系の前群を経て、絞り2を通り、後群を通って撮像素子の配置される像面3へ向う順光線追跡の面番号として示してある。座標の取り方に関しては、図1に示すように、軸上主光線1を、絞り2の中心を通り、像面(撮像素子の撮像面)3中心に到る光線で定義する。そして、軸上主光線1と前群の第1面31の交点を偏心光学面の原点として、軸上主光線1に沿う方向をZ軸正方向とし、このZ軸と像面3中心を含む平面をY−Z平面とし、原点を通りY−Z平面に直交し、紙面の手前から裏面側に向かう方向をX軸正方向とし、X軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をY軸とする。また、光軸は紙面のY−Z面内で折り曲げられるものとする。
【0048】
そして、後記する構成パラメータ中において、偏心面については、光学系の原点の中心からその面の面頂位置の偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、その面の中心軸(自由曲面については、前記(a)式のZ軸)のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、面の中心軸とそのXYZ直交座標系を、まずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した面の中心軸を新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させると共に1度回転した座標系もY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その2度回転した面の中心軸を新たな座標系の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
【0049】
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には、面間隔が与えられており、その他、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
【0050】
また、本発明で用いられる自由曲面の面の形状は前記(a)式により定義し、その定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0051】
なお、データの記載されていない自由曲面に関する項は0である。屈折率については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。
【0052】
また、自由曲面の他の定義式として、前記の(b)式で与えられるZernike多項式がある。
【0053】
その他の面の例として、次の定義式(c)があげられる。
【0054】
Z=ΣΣCnmXY
例として、k=7(7次項)を考えると、展開したとき、以下の式で表せる。
【0055】
Figure 0005186073
なお、本発明の実施例では、前記(a)式を用いた自由曲面で面形状が表現されているが、上記(b)式、(c)式を用いても同様の作用効果を得られるのは言うまでもない。
【0056】
図1〜図6は、それぞれ本発明による実施例1〜6の撮像光学系のY−Z断面とその光路を示す図である。
【0057】
図1〜図5の実施例1〜5の撮像光学系は同じタイプのものであり、物体側から光の通る順に、絞り2より前の前群は、前面31と後面32が平行な平面からなるカバーガラス30と第1プリズム10からなり、絞り2より後の後群は、第2プリズム20からなり、その第2プリズム20の射出面24の直後に像面(結像面)3が位置する。これらの実施例においては、像面3に入射する軸上主光線1と物体空間での軸上主光線1の方向は平行で同じ方向である。
【0058】
そして、第1プリズム10は第1面11から第3面13で構成され、その第1面11は入射面、第2面12は反射面、第3面13は射出面であり、物体からの光線は、入射面11を透過し、反射面12で内面反射され、射出面13を透過し、また、第2プリズム20は第1面21から第4面24で構成され、その第1面21は入射面、第2面22は第1反射面、第3面23は第2反射面、第4面24は射出面であり、第1プリズム10から絞り2を経た光線は、入射面21を透過し、第1反射面22で内面反射され、第2反射面23で内面反射され、射出面24を透過して像面3上に結像する。この撮像光学系においては、絞り2は開口絞りを構成し、中間像を形成しない。また、第2プリズム20の第1面21と第2面22とがプリズム媒質を挟んで対向配置され、第3面23と第4面24とがプリズム媒質を挟んで対向配置され、第1面21と第2面22とを結ぶ光路が、第3面23と第4面24とを結ぶ光路とプリズム内で交差している。なお、実施例1〜5何れにおいても、第1プリズム10の第1面11〜第3面13、第2プリズム20の第1面21から第4面24は全て自由曲面からなる。
【0059】
ここで、図1の実施例1の水平半画角は25.2°、垂直半画角は19.44°、撮像面のサイズは3.2mm×2.4mm、焦点距離は3.4mm、Fナンバーは2.8であり、第1プリズム10、第2プリズム20は異なる種類のガラスからなり、2つのガラスプリズムを組み合わせて比較的小型な構成となっている。
【0060】
図2の実施例2の水平半画角は25.48°、垂直半画角は19.67°、撮像面のサイズは4.48mm×3.36mm、焦点距離は4.7mm、Fナンバーは2.8であり、第1プリズム10、第2プリズム20は異なる種類のガラスからなり、2つのガラスプリズムを組み合わせて比較的大型な構成となっている。
【0061】
図3の実施例3の水平半画角は25.2°、垂直半画角は19.44°、撮像面のサイズは3.2mm×2.4mm、焦点距離は3.4mm、Fナンバーは2.8であり、第1プリズム10はプラスチック、第2プリズム20はガラスからなり、プラスチックプリズムとガラスプリズムを組み合わせて比較的小型な構成となっている。
【0062】
図4の実施例4の水平半画角は25.48°、垂直半画角は19.67°、撮像面のサイズは4.48mm×3.36mm、焦点距離は4.7mm、Fナンバーは2.8であり、第1プリズム10、第2プリズム20は異なる種類のプラスチックからなり、2つのプラスチックを組み合わせて比較的大型な構成となっている。
【0063】
図5の実施例5の水平半画角は25.2°、垂直半画角は19.44°、撮像面のサイズは3.2mm×2.4mm、焦点距離は3.4mm、Fナンバーは2.8であり、第1プリズム10、第2プリズム20は異なる種類のプラスチックからなり、2つのプラスチックを組み合わせて比較的小型な構成となっている。
【0064】
図6の実施例6の撮像光学系は以上の実施例と異なるタイプのものであり、物体側から光の通る順に、絞り2より前の前群は、前面31と後面32が平行な平面からなるカバーガラス30と第1プリズム10からなり、絞り2より後の後群は、第2プリズム20からなり、その第2プリズム20の射出面24の直後に像面(結像面)3が位置する。この実施例においては、像面3に入射する軸上主光線1と物体空間での軸上主光線1の方向は平行で反対方向となる。
【0065】
そして、第1プリズム10は第1面11から第3面13で構成され、その第1面11は入射面、第2面12は反射面、第3面13は射出面であり、物体からの光線は、入射面11を透過し、反射面12で内面反射され、射出面13を透過し、また、第2プリズム20は第1面21から第4面24で構成され、その第1面21は入射面、第2面22は全反射面の第1反射面と射出面とを兼用する兼用面、第3面23は第2反射面、第4面24は第3反射面であり、第1プリズム10から絞り2を経た光線は、入射面21を透過し、第1反射面22で全反射され、第2反射面23で内面反射され、第3反射面24で内面反射され、今度は第2面22を透過して像面3上に結像する。この撮像光学系においては、絞り2は開口絞りを構成し、中間像を形成しない。また、第2プリズム20中では、光線が1回転して、第1面21と第2面22とを結ぶ光路が、第4面24と第2面22とを結ぶ光路とプリズム内で交差している。そして、第1プリズム10の第1面11〜第3面13、第2プリズム20の第1面21から第4面24は全て自由曲面からなる。
【0066】
ここで、図6の実施例6の水平半画角は25.2°、垂直半画角は19.44°、撮像面のサイズは3.2mm×2.5mm、焦点距離は3.4mm、Fナンバーは2.8であり、第1プリズム10、第2プリズム20は異なる種類のガラスからなる。
【0067】
以下に、実施例1〜8の数値データを示す。これら表中の“FFS”は自由曲面、“RE”は反射面を示す。
【0068】
Figure 0005186073
Figure 0005186073
Figure 0005186073
【0069】
Figure 0005186073
Figure 0005186073
Figure 0005186073
【0070】
Figure 0005186073
Figure 0005186073
Figure 0005186073
【0071】
Figure 0005186073
Figure 0005186073
Figure 0005186073
【0072】
Figure 0005186073
Figure 0005186073
Figure 0005186073
【0073】
Figure 0005186073
Figure 0005186073
Figure 0005186073
【0074】
次に、上記実施例1、6の横収差図をそれぞれ図7、図8に示す。これらの横収差図において、括弧内に示された数字は(水平(X方向)画角,垂直(Y方向)画角)を表し、その画角における横収差を示す。
【0075】
次に、上記各実施例の条件(1)、(3)、(4)に関する値を以下に示す。
【0076】
Figure 0005186073
【0077】
以上の実施例では、絞りの前後にそれぞれ1個の偏心プリズムを配置していたが、何れか一方あるいは両方に複数の偏心プリズムを配置してもよいし、偏心プリズム以外のミラーやレンズを配置してもよい。このような場合においても、絞りの前側にある何れかの偏心プリズムの媒質と、絞りの後側にある何れかの偏心プリズムの媒質とが異なっていればよい。
ところで、本発明の絞りの両側に配置する偏心プリズムとしては、図1〜図6に示したような内部反射回数が1回〜3回の偏心プリズムに限定されずに、内部反射回数が2回以上の公知の種々の偏心プリズムを用いることができる。その例を以下に示す。なお、何れも順光線追跡で遠方に位置する物体を瞳131を経て像面136に結像する偏心プリズムPとして説明するが、光路を逆にして像面136側から光線が入射し、瞳131側に結像する偏心プリズムPとしても使用することができる。
【0078】
図9の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、第3面134でZ字型の光路を形成するように内部反射し、第4面135に入射して屈折されて、像面136に結像する。
【0079】
図10の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、第3面134に入射して全反射し、第4面135に入射して内部反射し、再び第3面134に入射して今度は屈折されて、像面136に結像する。
【0080】
図11の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、第3面134に入射して内部反射し、第2面133に再度入射して内部反射し、第4面135に入射して屈折されて、像面136に結像する。
【0081】
図12の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134、第4面135からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、第3面134に入射して内部反射し、第2面133に再度入射して内部反射し、第4面135に入射して内部反射し、第2面133に再度入射して今度は屈折されて、像面136に結像する。
【0082】
図13の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、再び第1面132に入射して今度は全反射し、第3面134で内部反射し、三たび第1面132に入射して全反射し、第3面134に再度入射して今度は屈折されて、像面136に結像する。
【0083】
図14の場合は、偏心プリズムPは第1面132、第2面133、第3面134からなり、入射瞳131を通って入射した光は、第1面132で屈折して偏心プリズムPに入射し、第2面133で内部反射し、再び第1面132に入射して今度は全反射し、第3面134で内部反射し、三たび第1面132に入射して全反射し、再び第3面134に入射して内部反射し、四たび第1面132に入射して今度は屈折されて、像面136に結像する。
【0084】
さらには、後記の図16の第2プリズム20のように、第1面21から第4面24からなり、プリズム内で3回の反射をするものであってもよく、あるいは、後記の図17の第2プリズム20のように、第1面21から第3面23からなり、その第2面22が全反射面と射出面を兼用するプリズム内で2回の反射をするものであってもよく、あるいは、後記の図18の第2プリズム20のように、第1面21から第3面23からなり、その第1面21が入射面と全反射面を兼用するプリズム内で2回の反射をするものであってもよく、これらを絞り2の前側あるいは、後側の偏心プリズムとして用いるようにすることもできる。
【0085】
以下の図15〜図19に、前記実施例1〜6の場合とは異なるプリズムの組み合わせの本発明の撮像光学系を示す。ただし、数値データは省く。
【0086】
図15の場合は、第1プリズム10にも、実施例1〜5の第2プリズム20と同様の偏心プリズムを用いた例であり、第1プリズム10は第1面11から第4面14で構成され、その第1面11は入射面、第2面12は第1反射面、第3面13は第2反射面、第4面14は射出面であり、物体からの光線は、入射面11を透過し、第1反射面12で内面反射され、第2反射面13で内面反射され、射出面14を透過し、また、第2プリズム20は第1面21から第4面24で構成され、その第1面21は入射面、第2面22は第1反射面、第3面23は第2反射面、第4面24は射出面であり、第1プリズム10から絞り2を経た光線は、入射面21を透過し、第1反射面22で内面反射され、第2反射面23で内面反射され、射出面24を透過して像面3上に結像する。第1プリズム10、第2プリズム20共、その第1面11、21と第2面12、22とがプリズム媒質を挟んで対向配置され、第3面13、23と第4面14、24とがプリズム媒質を挟んで対向配置され、第1面11、21と第2面12、22とを結ぶ光路が、第3面13、23と第4面14、24とを結ぶ光路とプリズム内で交差している。
【0087】
図16の場合は、第1プリズム10は図15の場合と同じであり、第2プリズム20として、第1面21から第4面24でなり、その第1面21は入射面と第2反射面を兼用する兼用面、第2面22は第1反射面、第3面23は第3反射面、第4面24は射出面であり、第1プリズム10から絞り2を経た光線は、入射面21を透過し、第1反射面22で反射され、今度は第1面21で全反射され、第3反射面23で内面反射され、射出面24を透過して像面3上に結像する。この第2プリズム20においては、プリズム中で光線はM字型の光路を形成するように内部反射する。
【0088】
図17の場合は、第1プリズム10は前記実施例1〜6の場合と同じであり、第2プリズム20として、第1面21から第3面23でなり、その第1面21は入射面、第2面22は第1反射面と射出面を兼用する兼用面、第3面23は第2反射面であり、第1プリズム10から絞り2を経た光線は、入射面21を透過し、第1反射面22で全反射され、第2反射面23で内面反射され、今度は第2面22を透過して像面3上に結像する。
【0089】
図18の場合は、第1プリズム10は前記実施例1〜6の場合と同じであり、第2プリズム20として、第1面21から第3面23でなり、その第1面21は入射面と第2反射面を兼用する兼用面、第2面22は第1反射面、第3面23は射出面であり、第1プリズム10から絞り2を経た光線は、入射面21を透過し、第1反射面22で反射され、今度は第1面21で全反射され、射出面23を透過して像面3上に結像する。
【0090】
図19は、絞り2より前側に1つの偏心プリズム10を、絞り2より後側に2つの偏心プリズム20、20’を配置して本発明の撮像光学系を構成する場合を示す図であり、何れの偏心プリズム10、20、20’もプリズム内で1回の反射をする偏心プリズムを用いている。
【0091】
さて、以上のような本発明の撮像光学系は、物体像を形成しその像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけカメラに用いることができる。また、物体像を接眼レンズを通して観察する観察装置、とりわけカメラのファインダー部の対物光学系としても用いることが可能である。
【0092】
図20〜図22は、本発明の撮像光学系を電子カメラのファインダー部の対物光学系に組み込んだ構成の概念図を示す。図20は電子カメラ40の外観を示す前方斜視図、図21は同後方斜視図、図22は電子カメラ40の構成を示す断面図である。電子カメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影用対物光学系48を通して撮影が行われる。撮影用対物光学系48によって形成された物体像が、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフィルター51を介してCCD49の撮像面50上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段52を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。また、この処理手段52にはメモリ等が配置され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、このメモリは処理手段52と別体に設けらてもよいし、フロッピーディスク等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
【0093】
さらに、ファインダー用光路44上には、ファインダー用対物光学系53が配置されており、このファインダー用対物光学系53は、カバーレンズ54、第1プリズム10、開口絞り2、第2プリズム20、フォーカス用レンズ66からなり、カバーレンズ54あるいは第1プリズム10から第2プリズム20までの結像光学系として、本発明による撮像光学系を用いている。また、カバー部材として用いられているカバーレンズ54は、負のパワーを有するレンズであり、画角を拡大している。また、第2プリズム20の後方に配置されているフォーカス用レンズ66は光軸の前後方向へ位置調節可能になっており、ファインダー用対物光学系53のピント調節に用いられる。このファインダー用対物光学系53によって結像面67上に形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。なお、視野枠57は、ポロプリズム55の第1反射面56と第2反射面58との間を分離し、その間に配置されている。このポロプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。
【0094】
このように構成されたカメラ40は、ファインダー用対物光学系53を少ない光学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、対物光学系53の光路自体を折り曲げて構成できるため、カメラ内部での配置の自由度が増し、設計上有利となる。
【0095】
なお、図22の構成において、撮影用対物光学系48の構成については言及しなかったが、撮影用対物光学系48としては屈折型同軸光学系の他に、本発明による2つ以上のプリズム10、20からなる何れかのタイプの撮像光学系を用いることも当然可能である。
【0096】
次に、図23は、本発明の撮像光学系を電子カメラ40の撮影部の撮影用対物光学系4
8に組み込んだ構成の概念図を示す。この場合は、撮影用光路42上に配置された撮影用対物光学系48に、第1プリズム10、開口絞り2、第2プリズム20からなる本発明による撮像光学系を用いている。この撮影用対物光学系48により形成された物体像は、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等のフィルター51を介してCCD49の撮像面50上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段52を介し、液晶表示素子(LCD)60上に電子像として表示される。また、この処理手段52は、CCD49で撮影された物体像を電子情報として記録する記録手段61の制御も行う。LCD60に表示された画像は、接眼光学系59を介して観察者眼球Eに導かれる。この接眼光学系59は偏心プリズムからなり、この例では、入射面62と、反射面63と、反射と屈折の兼用面64の3面から構成されている。また、2つの反射作用を持った面63、64の中、少なくとも一方の面、望ましくは両方の面が、光束にパワーを与え、かつ、偏心収差を補正する唯一の対称面を持つ面対称自由曲面にて構成されている。そして、この唯一の対称面は、撮影用対物光学系48のプリズム10、20が有する面対称自由曲面の唯一の対称面と略同一平面上に形成されている。また、この撮影用対物光学系48は他のレンズ(正レンズ、負レンズ)をプリズム10、20の物体側、プリズム間あるいは像側にその構成要素として含んでいてもよい。
【0097】
このように構成されたカメラ40は、撮影用対物光学系48を少ない光学部材で構成でき、高性能・低コスト化が実現できると共に、光学系全体を同一平面上に並べて配置できるため、この配置平面と垂直方向の厚みの簿型化が実現できる。
【0098】
なお、本例では、撮影用対物光学系48のカバー部材65はとして、平行平面板を配置しているが、前例と同様に、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
【0099】
ここで、カバー部材を設けずに、本発明の撮像光学系中の最も物体側に配置された面をカバー部材と兼用することもできる。
【0100】
次に、図24〜図26は本発明の撮像光学系を情報処理装置の一例であるパソコンに内蔵した構成を示す概念図である。
【0101】
図24はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図25はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図26は図24の状態の側面図である。図24〜図26に示されるように、パソコン300は、外部から繰作者が情報を入力するためのキーボード301と、図示を省略した情報処理手段や記録手段と、情報を操作者に表示するモニター302と、操作者自身や周辺の像を撮影するための撮影光学系303とを有している。ここで、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光学系303は、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限らず、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
【0102】
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、本発明の撮像光学系からなる対物光学系100と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。
【0103】
ここで、撮像素子チップ162上には付加的にlRカットフィルター180が貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物光学系100の鏡枠101の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物光学系100と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠101の先端には、対物光学系100を保護するためのカバーガラス102が配置されている。
【0104】
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力され、電子画像としてモニター302に表示される、図25には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔地から通信相手のパソコンに表示されることも可能である。
【0105】
次に、情報処理装置の他の例として電話、特に、その中でも持ち運びに便利な携帯電話に本発明の撮像光学系を内蔵した例を図27に示す。
【0106】
図27(a)は携帯電話400の正面図、図27(b)は側面図、図27(c)は撮影光学系405の断面図である。図27(a)〜(c)に示されるように、携帯電話400は、操作者の声を情報として入力するマイク部401と、通話相手の声を出力するスピーカ部402と、操作者が情報を入力する入力ダイアル403と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を表示するモニター404と、撮影光学系405と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ406と、画像情報や通信情報、入力信号等の処理を行う処理手段(図示せず)とを有している。ここで、モニター404は液晶表示素子である。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。この撮影光学系405は、撮影光路407上に配置された本発明の撮像光学系からなる対物光学系100と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらは、携帯電話400に内蔵されている。
【0107】
ここで、撮像素子チップ162上には付加的にlRカットフィルター180が貼り付けられて撮像ユニット160として一体に形成され、対物レンズ12の鏡枠13の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっているため、対物レンズ12と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠101の先端には、対物光学系100を保護するためのカバーガラス102が配置されている。
【0108】
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力され、電子画像としてモニター404に、又は、通信相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段には含まれている。
【0109】
以上の本発明の撮像光学系は、例えば次のように構成することができる。
【0110】
〔1〕 絞りの両側にそれぞれ回転非対称な反射面を持つ少なくとも1つの偏心プリズムが配置され、中間像を結像しない撮像光学系において、絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質の光学的性質と絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質の光学的性質とが異なることを特徴とする撮像光学系。
【0111】
〔2〕 前記絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質と前記絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数の差の絶対値Δνが、
5<Δν<80 ・・・(1)
を満たすことを特徴とする上記1記載の撮像光学系。
【0112】
〔3〕 絞りより前側のパワーが負で、絞りより後側のパワーが正で、前記絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数が小さく、前記絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数がより大きいことを特徴とする上記2記載の撮像光学系。
【0113】
〔4〕 絞りより前側の屈折力を有する要素の最も物体側の面が正のパワー有することを特徴とする上記3記載の撮像光学系。
【0114】
〔5〕 前記各偏心プリズムの入射面又は射出面の少なくとも何れか一方が曲面からなることを特徴とする上記1から4の何れか1項記載の撮像光学系。
【0115】
〔6〕 前記曲面が球面以外の面からなることを特徴とする上記5記載の撮像光学系。
【0116】
〔7〕 前記曲面が回転非対称な面からなることを特徴とする上記6記載の撮像光学系。
【0117】
〔8〕 前記絞りの中心を通り、撮像面の中心に到る光線を軸上主光線とするとき、物体空間での軸上主光線方向に対する前記絞りを通過するときの軸上主光線方向の偏角θが、
45°<θ<135° ・・・(2)
を満たすことを特徴とする上記1から7の何れか1項記載の撮像光学系。
【0118】
〔9〕 絞りより前側に反射面を1面のみ持つ1つの偏心プリズムが配置され、次の条件を満たすことを特徴とする上記8記載の撮像光学系。
【0119】
92°<θ<135° ・・・(3)
〔10〕 物体空間における光軸に沿う軸をZ軸とするときに、光学系のZ軸に沿って最も物体側に突出した点から物体から最も遠い点までのZ軸に沿って測った厚さをtとするとき、が以下の式を満たすこと特徴とする上記1から9の何れか1項記載の撮像光学系。
【0120】
t<20mm ・・・(4)
〔11〕 上記1から10の何れか1項記載の撮像光学系と、前記撮像光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、前記電子撮像素子によって光電変換された電子信号を処理する処理手段と、操作者が前記処理手段に入力したい情報信号を入力するための入力部と、前記処理手段からの出力を表示する表示素子と、前記処理手段からの出力を記録する記録媒体とを含み、
前記処理手段は、前記撮像光学系によって前記電子撮像素子に受光された物体像を前記表示素子に表示するように構成されていることを特徴とする情報処理装置。
【0121】
〔12〕 上記11において、
前記入力部がキーボードにて構成され、前記撮像光学系と前記電子撮像素子とが前記表示素子の周辺部又は前記キーボードの周辺部に内蔵されていることを特徴とするパソコン装置。
【0122】
〔13〕 上記1から10の何れか1項記載の撮像光学系と、前記撮像光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、電話信号を送信及び受信するためのアンテナと、電話番号等の信号を入力するための入力部と、前記電子撮像素子によって受光された物体像を送信可能な信号に変換する信号処理部とを含んでいることを特徴とする電話装置。
【0123】
〔14〕 上記1から10の何れか1項記載の撮像光学系と、前記撮像光学系によって形成された物体像を受光する位置に配置された電子撮像素子と、前記電子撮像素子によって光電変換された電子信号を処理する処理手段と、前記電子撮像素子で受光された物体像を観察可能に表示する表示素子とを有し、前記電子撮像素子で受光された物体像の像情報を記録するための記録部材を内蔵又は挿脱するように構成され、前記処理手段が、前記電子撮像素子に受光された物体像を前記表示素子に表示する表示処理機能と、前記電子撮像素子に受光された物体像を前記記録媒体に記録する記録処理機能とを有することを特徴とする電子カメラ装置。
【0124】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、特に倍率の色収差を始めとして諸収差を良好に補正した小型で高性能な複数の偏心プリズムからなる撮像光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の撮像光学系の断面と光路を示す図である。
【図2】本発明の実施例2の撮像光学系の断面と光路を示す図である。
【図3】本発明の実施例3の撮像光学系の断面と光路を示す図である。
【図4】本発明の実施例4の撮像光学系の断面と光路を示す図である。
【図5】本発明の実施例5の撮像光学系の断面と光路を示す図である。
【図6】本発明の実施例6の撮像光学系の断面と光路を示す図である。
【図7】実施例1の撮像光学系の横収差図である。
【図8】実施例6の撮像光学系の横収差図である。
【図9】本発明の撮像光学系に使用可能な偏心プリズムの1つの変形例を示す図である。
【図10】偏心プリズムの別の変形例を示す図である。
【図11】偏心プリズムの別の変形例を示す図である。
【図12】偏心プリズムの別の変形例を示す図である。
【図13】偏心プリズムの別の変形例を示す図である。
【図14】偏心プリズムの別の変形例を示す図である。
【図15】実施例1〜6とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の例を示す図である。
【図16】実施例1〜6とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の別の例を示す図である。
【図17】実施例1〜6とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の別の例を示す図である。
【図18】実施例1〜6とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の別の例を示す図である。
【図19】実施例1〜6とは異なるプリズムの組み合わせからなる本発明の撮像光学系の別の例を示す図である。
【図20】本発明の撮像光学系を適用した電子カメラの外観を示す前方斜視図である。
【図21】図20の電子カメラの後方斜視図である。
【図22】図20の電子カメラの構成を示す断面図である。
【図23】本発明の撮像光学系を適用した別の電子カメラの概念図である。
【図24】本発明の撮像光学系が対物光学系として組み込れたパソコンのカバーを開いた前方斜視図である。
【図25】パソコンの撮影光学系の断面図である。
【図26】図24の状態の側面図である。
【図27】本発明の撮像光学系が対物光学系として組み込れた携帯電話の正面図、側面図、その撮影光学系の断面図である。
【符号の説明】
1…開口絞り
2…軸上主光線(光軸)
3…像面(結像面)
10…第1プリズム
11…第1面
12…第2面
13…第3面
14…第4面
20…第2プリズム
20’…第3プリズム
21…第1面
22…第2面
23…第3面
24…第4面
30…カバーガラス
31…前面(第1面)
32…後面(第2面)
40…電子カメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッター
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
48…撮影用対物光学系
49…CCD
50…撮像面
51…フィルター
52…処理手段
53…ファインダー用対物光学系
54…カバーレンズ
55…ポロプリズム
56…第1反射面
57…視野枠
58…第2反射面
59…接眼光学系
60…液晶表示素子(LCD)
61…記録手段
62…入射面
63…反射面
64…反射と屈折の兼用面
65…カバー部材
66…フォーカス用レンズ
67…結像面
100…対物光学系
101…鏡枠
102…カバーガラス
131…瞳
132…第1面
133…第2面
134…第3面
135…第4面
136…像面
160…撮像ユニット
162…撮像素子チップ
166…端子
180…lRカットフィルター
300…パソコン
301…キーボード
302…モニター
303…撮影光学系
304…撮影光路
305…画像
400…携帯電話
401…マイク部
402…スピーカ部
403…入力ダイアル
404…モニター
405…撮影光学系
406…アンテナ
407…撮影光路
E…観察者眼球
P…偏心プリズム

Claims (3)

  1. 絞りの両側にそれぞれ回転非対称な反射面を持つ少なくとも1つの偏心プリズムが配置され、中間像を結像しない撮像光学系において、
    前記絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質の光学的性質と前記絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質の光学的性質とが異なり、
    前記絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムと前記絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムは、それぞれ回転非対称な透過面を有し、
    前記絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの反射面は反射のみ、透過面は透過のみを行う面であり、
    前記絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質と前記絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数の差の絶対値Δνが、以下の条件(1’)を満足する
    ことを特徴とする撮像光学系。
    5<Δν≦34.1228 ・・・(1’)
  2. 前記絞りより前側のパワーが負で、前記絞りより後側のパワーが正で、前記絞りより前の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数が小さく、前記絞りより後の少なくとも1つの偏心プリズムの媒質のアッベ数がより大きいことを特徴とする請求項1記載の撮像光学系。
  3. 前記絞りより前側に反射面を1面のみ持つ1つの偏心プリズムが配置され、
    前記絞りの中心を通り、撮像面の中心に到る光線を軸上主光線とするとき、物体空間での前記軸上主光線方向に対する前記絞りを通過するときの軸上主光線方向の偏角θが、
    92°<θ<135° ・・・(3)
    を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の撮像光学系。
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