JP4332772B2 - 燃料ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アウタギヤの内周側にインナギヤを偏心配置して構成したトロコイドギヤ式の燃料ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両に搭載する燃料ポンプの燃料吐出性能を高めるために、トロコイドギヤ式の燃料ポンプを採用することが検討されている。このトロコイドギヤ式の燃料ポンプは、図7に示すように、円筒型のポンプケーシング1内に回転自在に収容した内歯付きのアウタギヤ2の内周側に外歯付きのインナギヤ3を偏心配置すると共に、両ギヤ2,3を噛み合わせて両ギヤ2,3の歯間にポンプ室4を形成し、駆動モータ(図示せず)によりインナギヤ3を回転駆動してアウタギヤ2を回転させることで、両ギヤ2,3の歯間のポンプ室4を回転方向に移動させながら、該ポンプ室4の容積を連続的に増加・減少させて燃料を吸入・吐出するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなトロコイドギヤ式の燃料ポンプは、ポンプ室4の容積変化を繰り返すため、インナギヤ3の歯数に応じた周波数の吐出圧力脈動が発生し、その吐出圧力脈動により燃料タンク、燃料配管、車両のフロアパネル等を振動させて、騒音・振動が大きくなる欠点がある。このため、トロコイドギヤ式の燃料ポンプを用いる場合は、低騒音化・低振動化のために、燃料ポンプの外部に吐出圧力脈動低減装置を取り付けたり、車体に遮音材を張り付ける等の騒音対策を施す必要があり、コスト高になるという欠点がある。
【0004】
ところで、トロコイドギヤ式の燃料ポンプは、両ギヤ2,3の回転によりポンプ室4の容積が増加する領域でポンプ室4内に燃料を吸入した後、該ポンプ室4の容積が減少する領域でポンプ室4内の燃料を昇圧して吐出するようになっている。この際、ポンプ室4の容積が減少する吐出領域では、ポンプ室4内の燃料が加圧されて燃料圧力(燃圧)が上昇するため、その燃圧上昇によってアウタギヤ2に外径方向の荷重がかかる。このような燃圧上昇による外径方向の荷重は、ポンプ室4内の燃圧が低下する吸入領域(吸入ポート側)では発生しないため、アウタギヤ2に対する外径方向の荷重は、ポンプ室4の燃圧が上昇する吐出領域(吐出ポート側)のみに働き、これが偏荷重となって、アウタギヤ2の吐出ポート側の一部分がポンプケーシング1の内周面に強く押しつけられた状態となる。このため、ポンプケーシング1に対するアウタギヤ2の摺動抵抗(摩擦損失)が大きくなり、その分、駆動モータの負荷が大きくなって、消費電力が増加したり、燃料吐出性能の低下(ポンプ回転速度の低下)を招くという欠点がある。
【0005】
本発明はこれらの事情を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、吐出圧力の脈動による騒音・振動を低コストで低減できる燃料ポンプを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、内歯付きのアウタギヤの内周側に外歯付きのインナギヤを偏心配置すると共に、両ギヤを噛み合わせて両ギヤの歯間に形成したポンプ室を、両ギヤの回転により回転方向に移動させながら、該ポンプ室の容積を連続的に増加・減少させて燃料を吸入・吐出するように構成すると共に、前記ポンプ室内の燃料が吐出される吐出ポートを2箇所に形成し、これら2箇所の吐出ポートの吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干渉しながら合流するように構成した燃料ポンプにおいて、次のように構成したことを特徴とする。
【0015】
本発明は、2箇所の吐出ポートのうちの上流側吐出ポートの開始位置を、容積が最大となるポンプ室の終端近傍に設定し、該上流側吐出ポートの終端位置を、両ギヤが半位相移動した時に形成されるポンプ室終端近傍に設定し、下流側吐出ポートの開始位置を、上流側吐出ポート終端部から形成された1つめのポンプ室終端近傍に設定することを特徴とする。
【0016】
このようにすれば、2つの吐出ポートの吐出圧力脈動が互いに干渉して打ち消し合うようになり、吐出圧力脈動が大幅に低減されて、圧力脈動による騒音・振動が大幅に低減される。これにより、2つのポンプを設ける場合に比べて、部品点数を削減して構成を簡素化することができ、小型・軽量化及び低コスト化を実現することができる。
【0017】
この場合、請求項2のように、2箇所の吐出ポートのうちの上流側吐出ポートから回転方向に延びる連通溝部を設け、上流側吐出ポートを通過し終えたポンプ室が該連通溝部によって上流側吐出ポートと連通するように構成しても良い。このようにすれば、上流側吐出ポートを通過し終えたポンプ室で加圧される燃料の一部が連通溝部を逆流して上流側吐出ポートに流れ込むようになる。これにより、上流側吐出ポートでは、隣接する2つのポンプ室から吐出される位相のずれた2つの圧力脈動が干渉するようになり、その干渉効果によって上流側吐出ポートの吐出圧力脈動が低減される。
【0018】
更に、請求項3のように、連通溝部の回転方向の長さは、該連通溝部が下流側吐出ポートに燃料を吐出するポンプ室と連通するように設定すると良い。このようにすれば、上流側吐出ポートと下流側吐出ポートとが、連通溝部とポンプ室を介して連通するようになるため、下流側吐出ポートでは、下流側吐出ポートに燃料を吐出するポンプ室の吐出圧力脈動に対して、上流側吐出ポートから連通溝部と該ポンプ室を介して伝搬する位相がほぼ半波長分ずれた圧力脈動が干渉するようになり、その干渉効果によって下流側吐出ポートの吐出圧力脈動が低減される。このようにして、2つの吐出ポートの吐出圧力脈動を共に低減させた状態で、これら2の吐出ポートの吐出圧力脈動がポンプ部の外部の流路でほぼ半波長ずれて干渉しながら合流するようになり、燃料ポンプ全体の吐出圧力脈動を更に効果的に低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1)]
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図6に基づいて説明する。ここで、図1は燃料ポンプのポンプ部12を破断して示す縦断面図、図2は図3のD−D断面図、図3は燃料ポンプの下面図、図4は図2のB−B断面図、図5は図2のC−C断面図、図6は図1のA−A断面図である。
【0021】
まず、図1に基づいてトロコイドギヤ式の燃料ポンプ全体の構成を概略的に説明する。燃料ポンプの円筒状のハウジング11内にトロコイドギヤ式のポンプ部12とモータ部13とが組み付けられている。ハウジング11の一端(下端)には、ポンプ部12の下面をカバーするポンプカバー14がかしめ等により固定され、このポンプカバー14に形成された燃料吸入口15から燃料タンク(図示せず)内の燃料がポンプ部12内に吸入される。ハウジング11の他端(上端)には、モータ部13をカバーするモータカバー16がかしめ等により固定され、このモータカバー16には、モータ部13に通電するためのコネクタ17と燃料吐出口18とが設けられている。ポンプ部12から吐出された燃料は、モータ部13のアーマチャ33とマグネット38との間の隙間を通って燃料吐出口18から吐出される。
【0022】
次に、図1乃至図6に基づいてトロコイドギヤ式のポンプ部12の構成を説明する。ポンプ部12のケーシングは、円筒ケーシング21の上下両側の開口部をケーシングカバー22と内部サイドカバー23で閉鎖して構成され、これら各部品がポンプカバー14と共にハウジング11内にねじ止め等により固定され、該ポンプカバー14と円筒ケーシング21との間に内部カバー23が挟み込まれている。このポンプ部12のケーシング内には、1つのアウタギヤ24と2つのインナギヤ25,26とが収納されている。尚、アウタギヤ24、インナギヤ25,26、内部サイドカバー23、円筒ケーシング21は、例えば鉄系の焼結金属等、耐摩耗性のある材料で形成され、また、ケーシングカバー22の内面(下面)と内部サイドカバー23の内面(上面)等の摺動面には、各ギヤ24〜26に対する摺動抵抗を低減するためにフッ素樹脂コーティング等の表面処理を施しても良い。
【0023】
図6に示すように、アウタギヤ24の内周側とインナギヤ25,26の外周側には、それぞれ内歯24aと外歯25a,26aが形成され、アウタギヤ24の歯数が奇数で、インナギヤ25,26の歯数がアウタギヤ24の歯数よりも1つ少ない偶数に形成されている。また、インナギヤ25,26の歯厚はアウタギヤ24の歯厚と同一に形成されている。
【0024】
アウタギヤ24は、円筒ケーシング21に形成された円形穴27内に回転自在に嵌合されている。アウタギヤ24の厚み寸法(軸方向寸法)は、円筒ケーシング21の厚み寸法よりもサイドクリアランス分だけ小さくなっている。アウタギヤ24の内周側には、該アウタギヤ24内のスペースを2等分する仕切壁28(図1及び図2参照)が形成されている。この仕切壁28は、アウタギヤ24に一体に形成したり、或は、別部品として形成した仕切壁28をアウタギヤ24の内周中央部に接合等により固定したり、或は、2分割された2つの分割アウタギヤ間に別部品の仕切壁を挟み込み、これら3部品を接合等により一体化してアウタギヤ24を形成するようにしても良い。
【0025】
アウタギヤ24の内周側には、2つのインナギヤ25,26が仕切壁28を挟んで重ね合わされて偏心配置され、アウタギヤ24に対する両インナギヤ25,26の偏心方向が互いに180°反対側にずらされている。そして、各ギヤ24,25,26の歯24a,25a,26aの噛合い又は接触によって、それらの歯間に多数のポンプ室29,30(図6参照)が形成されている。この場合、アウタギヤ24に対してインナギヤ25,26が偏心しているため、回転時に各ギヤ24,25,26の歯24a,25a,26aの噛合い量が連続的に増加・減少して、各ポンプ室29,30の容積が連続的に増加・減少する動作を1回転を周期として繰り返す。
【0026】
図1及び図2に示すように、インナギヤ25,26は、ケーシングカバー22とポンプカバー14のほぼ中央部に互いに180°反対側に偏心して圧入された円筒軸受31,32に回転自在に嵌合支持され、該円筒軸受31,32の内側にモータ部13のアーマチャ33の回転軸34が挿通されている。この回転軸34のDカット部がアウタギヤ24の仕切壁28の中心部に形成したD形連結穴35に挿通され、モータ部13の回転軸34とアウタギヤ24とが回転伝達可能に連結されている。
【0027】
モータ部13の回転軸34とアウタギヤ24との連結構造は、上記の構成に限定されず、図8及び図9に示すように、モータ部13の回転軸34のDカット部にカップリング60を挿入し、このカップリング60をアウタギヤ24の仕切壁28の中心部に形成したカップリング形状の連結穴61に挿入して回転駆動するようにしても良い。
【0028】
モータ部13によってアウタギヤ24が回転駆動されると、このアウタギヤ24と噛み合うインナギヤ25,26が互いに180°反対側に偏心した円筒軸受31,32を中心にして回転する。尚、モータ部13のアーマチャ33のラジアル方向の荷重は、回転軸34をケーシングカバー22の中心部に圧入されたラジアル軸受36に挿通することで支持され、該アーマチャ33のスラスト方向の荷重は、ポンプカバー14の中心部内側に圧入されたスラスト軸受37によって支持される。
【0029】
ポンプカバー14の燃料吸入口15から吸入した燃料は、2方向に分流して上下両側のインナギヤ25,26のポンプ室29,30に吸入される。つまり、燃料吸入口15から吸入した燃料の半分は、内部サイドカバー23に形成した吸入ポート39(図2参照)から下側のインナギヤ26のポンプ室30に吸入される。また、燃料吸入口15から吸入した残り半分の燃料は、ポンプカバー14の内面の燃料導入溝40(図2〜図4参照)→内部サイドカバー23の貫通穴41(図2参照)→円筒ケーシング21の貫通流路42(図2参照)→ケーシングカバー22内面の燃料導入溝43(図2及び図5参照)の経路で、上側のインナギヤ25のポンプ室29に吸入される。
【0030】
また、下側のインナギヤ26のポンプ室30から吐出される燃料は、内部サイドカバー23の吐出ポート45(図1参照)→ポンプカバー14の内面の吐出溝47(図1及び図4参照)→吐出流路48(図1参照)の経路でモータ部13側に吐出される。尚、吐出流路48は、内部サイドカバー23、円筒ケーシング21及びケーシングカバー22を上下方向に貫通するように形成されている。
【0031】
一方、上側のインナギヤ25のポンプ室29から吐出される燃料は、ケーシングカバー22の吐出ポート44(図1及び図5参照)からモータ部13側に吐出される。
【0032】
以上のように構成したトロコイドギヤ式の燃料ポンプでは、モータ部13が回転して、アウタギヤ24とインナギヤ25,26が回転すると、各ギヤ24,25,26の歯24a,25a,26aの噛み合い量が連続的に増加・減少し、各歯24a,25a,26a間に形成された各ポンプ室29,30の容積が連続的に増加・減少する動作を1回転を周期として繰り返す。これにより、容積が拡大するポンプ室29,30では、燃料を吸い込みながら燃料を移送し、容積が縮小するポンプ室29,30では、移送した燃料を吐出ポート44,45から吐出する。
【0033】
この際、ポンプ室29,30の容積が減少する吐出領域では、ポンプ室29,30内の燃料が加圧されて燃料圧力(燃圧)が上昇するため、その燃圧上昇によってアウタギヤ24に外径方向の荷重がかかる。このような燃圧上昇による外径方向の荷重は、ポンプ室29,30の燃圧が低下する吸入領域では発生しないため、アウタギヤ24に対する外径方向の荷重は、ポンプ室29,30の燃圧が上昇する吐出領域(吐出ポート44,45側)のみに働く。
【0034】
本実施形態では、アウタギヤ24の内周側に配置された2つのインナギヤ25,26は、各々の偏心方向が互いに180°反対側にずれているため、2つのインナギヤ25,26は、燃圧上昇側(吐出ポート44,45)が互いに180°反対側にずれる。これにより、1つのアウタギヤ24に対して、2つのインナギヤ25,26から燃圧上昇による外径方向の荷重F1,F2(図6参照)が互いに180°反対側に作用するため、アウタギヤ24に作用する外径方向の荷重F1,F2がバランスして、アウタギヤ24にほとんど偏荷重が作用しなくなる。このため、燃圧によってアウタギヤ24が円筒ケーシング21の内周面に強く押しつけられた状態とならず、円筒ケーシング21に対するアウタギヤ24の摺動抵抗(摩擦損失)が従来より小さくなり、その分、モータ部13の負荷が小さくなって、消費電力が少なくなる。しかも、アウタギヤ24内の2つのインナギヤ25,26で燃料を吸入・吐出するため、上述した摺動抵抗低減効果と相俟って、燃料吐出性能を効果的に高めることができる。
【0035】
一般に、トロコイドギヤ式の燃料ポンプは、インナギヤ25,26の歯数をアウタギヤ24の歯数より1つ少なくすれば良いが、駆動側のアウタギヤ24の歯数が偶数(従動側のインナギヤ25,26の歯数が奇数)であると、従動側の2つのインナギヤ25,26の回転位相が一致する。この状態では、従動側の2つのインナギヤ25,26の吐出圧力の脈動波の位相が一致して、一方のインナギヤの吐出圧力脈動波が山(谷)の時に他方も山(谷)となるため、2つのインナギヤ25,26の吐出圧力脈動が互いに増幅し合い、吐出圧力脈動による騒音・振動が大きくなってしまう。
【0036】
この対策として、本実施形態(1)では、駆動側のアウタギヤ24の歯数を奇数とし、従動側のインナギヤ25,26の歯数を駆動側のアウタギヤ24の歯数より1つ少ない偶数としている。これにより、従動側の2つのインナギヤ25,26の回転位相が半ピッチずれ、従動側の2つのインナギヤ25,26の吐出圧力の脈動波の位相が該脈動波の半周期分ずれる。その結果、一方のインナギヤの吐出圧力脈動波が山の時に他方が谷となり、2つのインナギヤ25,26の吐出圧力脈動が互いに干渉して打ち消し合うようになり、それによって、吐出圧力脈動が大幅に低減されて、吐出圧力脈動による騒音・振動が大幅に低減される。これにより、従来の騒音対策(吐出圧力脈動低減装置や遮音材等)が不要となり、低コストで低騒音・低振動を実現できる。
【0037】
尚、アウタギヤを製造する際に、予め、2分割された2つの分割アウタギヤ間に別部品の仕切壁を挟み込み、これら3部品を接合等により一体化するようにしても良いが、この場合、一方の分割アウタギヤを他方の分割アウタギヤに対して半ピッチずらした状態で仕切壁を挟み込んで一体化するようにしても良い。この場合には、上記実施形態とは反対に、アウタギヤの歯数を偶数とし、インナギヤの歯数をアウタギヤの歯数より1つ少ない奇数とすると良い。これにより、上記実施形態と同じく、2つのインナギヤの吐出圧力の脈動波の位相が該脈動波の半周期分ずれ、圧力脈動が大幅に低減される。
【0038】
[実施形態(2)]
前記実施形態(1)のポンプ部12は、1つのアウタギヤ24の内周側に2つのインナギヤ25,26を仕切壁28を挟んで重ね合わせた状態で配置することで2つのポンプを構成し、2つのポンプのアウタギヤ24を一体に形成したが、図10乃至図14に示す本発明の実施形態(2)のポンプ部62は、2つのポンプのアウタギヤ67(68)を別体に形成し、各アウタギヤ67(68)の内周側に1つのインナギヤ69(70)を配置したポンプを2つ重ね合わせるように配置している。
【0039】
以下、このポンプ部62の構成を具体的に説明する。ここで、図10は燃料ポンプのポンプ部62を破断して示す縦断面図、図11は図10のF−F断面図、図12は図10のG−G断面図、図13は図10のH−H断面図、図14は図10のI−I断面図である。但し、前記実施形態(1)と実質的に同じ部分については、同一符号を付して説明を簡略化する。
【0040】
本実施形態(2)では、図10に示すように、ポンプ部62のケーシングは、2つの円筒ケーシング63,64を中間プレート65を挟んで重ね合わせ、その上下両側の開口部をケーシングカバー22と内部サイドカバー23で閉鎖して構成し、これら各部品がポンプカバー14と共にハウジング11内にねじ66で締め付け固定されている。このポンプ部62のケーシング内の中間プレート65上側のスペースに、1つ目のポンプを構成する1対のアウタギヤ67とインナギヤ69が収納され、中間プレート65下側のスペースに、2つ目のポンプを構成する1対のアウタギヤ68とインナギヤ70が収納されている。
【0041】
図13及び図14に示すように、各円筒ケーシング63,64には、互いに180°反対側に偏心した位置に円形穴71,72が形成され、各円形穴71,72内に、それぞれアウタギヤ67,68が回転自在に嵌合されている。各アウタギヤ67,68の内周側に、それぞれインナギヤ69,70が偏心配置されている。本実施形態(2)では、2つのインナギヤ69,70が同軸上且つ同一位相で回転駆動されように配置され、各インナギヤ69,70に対する各アウタギヤ67,68の偏心方向が互いに180°反対側にずらされている。また、モータ部13によって回転駆動される駆動側のインナギヤ69,70の歯数が奇数で、従動側のアウタギヤ67,68の歯数が駆動側のインナギヤ69,70の歯数よりも1つ多い偶数に形成されている。
【0042】
図10に示すように、各インナギヤ69,70は、ポンプカバー14の中央部に圧入されたシャフト73に回転自在に嵌合支持され、各インナギヤ69,70とモータ部13の回転軸34とが、カップリング74を介して回転伝達可能に連結されている。モータ部13の回転軸34のDカット部がカップリング74の上部に形成したD形連結穴に挿通されることで回転軸34とカップリング74とが連結され、カップリング74の下部に下向きに形成した複数本の連結ピン91がインナギヤ69,70の連結穴に挿通されることでカップリング74とインナギヤ69,70とが連結されている。モータ部13によって各インナギヤ69,70が回転駆動されると、各インナギヤ69,70と噛み合うアウタギヤ67,68が互いに180°反対側に偏心した状態で回転する。尚、モータ部13のアーマチャ33のスラスト方向の荷重は、シャフト73の上面で支持される。
【0043】
前記実施形態(1)と同じように、ポンプカバー14の燃料吸入口15から吸入した燃料の半分は、内部サイドカバー23の吸入ポート39から下側のインナギヤ70のポンプ室76に吸入される。また、燃料吸入口15から吸入した残り半分の燃料は、ポンプカバー14の内面の燃料導入溝40(図10及び図11参照)→貫通流路77(図10、図13及び図14参照)→ケーシングカバー22内面の燃料導入溝43(図10及び図12参照)の経路で、上側のインナギヤ69のポンプ室75に吸入される。尚、貫通流路77は、内部サイドカバー23、円筒ケーシング64、中間プレート65及び円筒ケーシングカバー63を上下方向に貫通するように形成されている。
【0044】
また、下側のインナギヤ70のポンプ室76から吐出される燃料は、内部サイドカバー23の吐出ポート45→ポンプカバー14の内面の吐出溝47(図11参照)→吐出流路78(図12〜図14参照)の経路でモータ部13側に吐出される。尚、吐出流路78は、内部サイドカバー23、円筒ケーシング64、中間プレート65、円筒ケーシング63及びケーシングカバー22を上下方向に貫通するように形成されている。一方、上側のインナギヤ69のポンプ室75から吐出される燃料は、ケーシングカバー22の吐出ポート44(図12参照)からモータ部13側に吐出される。
【0045】
以上説明した本実施形態(2)では、モータ部13によって同一位相で回転駆動される駆動側のインナギヤ69,70の歯数を奇数とし、従動側のアウタギヤ67,68の歯数をインナギヤ69,70の歯数より1つ多い偶数としたので、従動側の2つのアウタギヤ67,68の回転位相が半ピッチずれ、前記実施形態(1)と同じように、2つのポンプの吐出圧力脈動が互いに干渉して打ち消し合うようになり、吐出圧力脈動が大幅に低減されて、吐出圧力脈動による騒音・振動が大幅に低減される。これにより、従来の騒音対策(吐出圧力脈動低減装置や遮音材等)が不要となり、低コストで低騒音・低振動を実現できる。
【0046】
尚、一方のインナギヤを他方のインナギヤに対して半ピッチずらして回転させるようにしても良く、この場合は、上記実施形態(2)とは反対に、駆動側のインナギヤ69,70の歯数を偶数とし、従動側のアウタギヤ67,68の歯数をインナギヤ69,70の歯数より1つ多い奇数とすると良い。これにより、上記実施形態(2)と同じく、2つのポンプの吐出圧力の脈動波の位相が該脈動波の半波長分(半周期分)ずれ、吐出圧力脈動が大幅に低減される。
【0047】
また、上記実施形態(2)では、上下のポンプのアウタギヤ67,68の偏心方向が互いに180°反対側にずれているため、両ポンプ間で燃圧上昇側が互いに180°反対側にずれる。このため、両ポンプで外径方向の荷重が互いに180°反対側に作用して、燃料ポンプ全体として外径方向に作用する荷重をバランスさせることができ、燃料ポンプの振動を低減することができる。
【0048】
しかも、上記実施形態(2)では、2つの円筒ケーシング63,64間に挟んで固定した中間プレート65を、上下のポンプ間に介在させるようにしたので、上下のポンプ(アウタギヤ67,68)に作用する外径方向の荷重(燃圧)によってアウタギヤ67,68がこじり方向に傾動することを中間プレート65によって阻止することができ、アウタギヤ67,68の傾動による回転摺動抵抗の増加を防止することができる。
【0049】
また、上記実施形態(2)では、アウタギヤ67,68とインナギヤ69,70の歯厚を変えても、その分を、内部サイドカバー23の厚さ寸法変更で吸収して、ポンプ全長を一定に保つことができ、ポンプ全長を変えずに、歯厚を変えてポンプ吐出能力を変えることができる。このため、要求吐出能力の異なる種々のエンジンに対して共通サイズの燃料ポンプで対応することができ、燃料ポンプの取付部品(ブラケット等)を共通化することができる。
【0050】
尚、上記実施形態(2)では、2つのインナギヤ69,70を同軸上に配置して、インナギヤ69,70に対する2つのアウタギヤ67,68の偏心方向を互いに180°反対側にずらした構成としたが、2つのアウタギヤを同軸上に配置して、アウタギヤに対する2つのインナギヤの偏心方向を互いに180°反対側にずらした構成としても良い。この場合は、各アウタギヤの側面にそれぞれサイドカバーを一体化して、サイドカバーとモータ部の回転軸とを連結することで、モータ部により2つのアウタギヤをサイドカバーと共に同一位相で回転駆動する構成とし、駆動側のアウタギヤの歯数を奇数とし、従動側のインナギヤの歯数をアウタギヤの歯数より1つ少ない偶数とすれば良い。また、一方のアウタギヤを他方のアウタギヤに対して半ピッチずらして回転させるようにしても良く、この場合は、アウタギヤの歯数を偶数とし、インナギヤの歯数をアウタギヤの歯数より1つ少ない奇数とすれば良い。
【0051】
[実施形態(3)]
次に、図15乃至図19に基づいて本発明の実施形態(3)を説明する。ここで、図15は燃料ポンプのポンプ部79を破断して示す縦断面図、図16は図15のJ−J断面図、図17は図15のK−K断面図、図18は図15のL−L断面図、図19は図18のM−M線に沿って示すケーシングカバー22の断面図である。但し、前記実施形態(1)と実質的に同じ部分については、同一符号を付して説明を簡略化する。
【0052】
本実施形態(3)では、図15に示すように、ポンプ部79のケーシングは、円筒ケーシング21の上下両側の開口部をケーシングカバー22とポンプカバー14で閉鎖して構成され、このポンプ部79のケーシング内に、1対のアウタギヤ80とインナギヤ81が収納されている。アウタギヤ80は、円筒ケーシング21の円形穴27内に回転自在に嵌合され、インナギヤ81は、モータ部13の回転軸34に嵌合支持されている。モータ部13の回転軸34とインナギヤ81とはカップリング82を介して回転伝達可能に連結され、モータ部13によってインナギヤ81が回転駆動されると、このインナギヤ81と噛み合うアウタギヤ80が回転する。
【0053】
図16に示すように、ポンプカバー14には、容積が拡大する複数のポンプ室83に連通するように吸入ポート84が形成され、燃料吸入口15から吸入した燃料は、吸入ポート84からポンプ室83に吸入される。
【0054】
一方、図17乃至図19に示すように、ケーシングカバー22には、容積が減少するポンプ室83に連通するように2つの吐出ポート85,86が形成され、ポンプ室83から吐出される燃料は、各吐出ポート85,86からモータ部13側に吐出される。各吐出ポート85,86は、以下に説明するように設けることで、吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干渉しながら合流するように構成されている。
【0055】
図17(a)は、吸入領域と吐出領域の境界領域のポンプ室83aの容積が最大となるときのインナギヤ81とアウタギヤ80の回転位置を示しており、図17(b)は、図17(a)の位置からインナギヤ81とアウタギヤ80が半ピッチ回転したときの状態を示している。図17(a)に示すように、1つ目の吐出ポート85(上流側吐出ポート)は、最大容積のポンプ室83aとその隣のポンプ室83bとの仕切り位置からほぼ半ピッチ分の長さにわたって形成されている。これにより、図17(a)に示すように、1つ目の吐出ポート85の開始位置は、容積が最大となるポンプ室83aの終端近傍となり、図17(b)に示すように、1つ目の吐出ポート85の終端位置は、両ギヤ80,81が半位相移動した時に形成されるポンプ室83aの終端近傍となる。
【0056】
また、2つ目の吐出ポート86(下流側吐出ポート)は、1つ目の吐出ポート85からほぼ1.5ピッチ分だけ回転方向に離れた位置に形成されている。これにより、図17(b)に示すように、2つ目の吐出ポート86の開始位置は、1つ目の吐出ポート85の終端部から形成された1つめのポンプ室83bの終端近傍となり、1つ目の吐出ポート85が最大容積のポンプ室83aに開口し始めてから、半ピッチ分遅れて、2つ目の吐出ポート86が最大容積のポンプ室83aの隣のポンプ室83bに開口し始めるようになっている。
【0057】
これにより、図17(a)に示す最大容積のポンプ室83a内の燃料の一部が1つ目の吐出ポート85から吐出され始めてから、半ピッチ分遅れて、2つ目の吐出ポート86から最大容積のポンプ室83aの隣のポンプ室83b内の残りの燃料が吐出されるようになる。その結果、2つの吐出ポート85,86の吐出圧力の上下動タイミングが半ピッチ分ずれ、2つの吐出ポート85,86の吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれた状態となる。
【0058】
尚、2つの吐出ポート85,86の間隔は、インナギヤ81とアウタギヤ80の歯数に応じて決めれば良く、歯数が変わっても、1つ目の吐出ポートの後に1つのポンプ室(歯間室)を形成できる位置に2つ目の吐出ポートを形成すれば良い。
【0059】
また、図19に示すように、吐出ポート85,86間には、ケーシングカバー22の下面(摺動面)22aに対して所定の段差(例えば0.2mm程度)をもった凹部87が形成されている。更に、吐出ポート86の入口部には、ポンプ室83側に向かって広がるテーパ部88が形成されている。
【0060】
以上説明した本実施形態(3)では、ポンプ室83内の燃料が吐出される吐出ポート85,86を、吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干渉しながら合流するように形成したので、2つの吐出ポート85,86の吐出圧力脈動が互いに干渉して打ち消し合うようになり、吐出圧力脈動が大幅に低減されて、吐出圧力脈動による騒音・振動が大幅に低減される。これにより、前記実施形態(1),(2)のように、2つのポンプを設けて吐出圧力脈動を低減する場合に比べて、部品点数を削減して構成を簡素化することができ、低騒音化・低振動化を実現しながら軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0061】
[実施形態(4)]
次に、本発明の実施形態(4)を図20乃至図25を用いて説明する。ここで、図20は燃料ポンプのポンプ部90を破断して示す縦断面図、図21は図20のN−N断面図、図22は図20のP−P断面図、図23は図20のQ−Q断面図、図24は図20のR−R断面図、図25は吐出ポート98,99及び連通溝部100の形成位置を説明するための図である。尚、前記実施形態(1)と実質的に同じ部分については、同一符号を付して説明を簡略化する。
【0062】
本実施形態(4)では、図20に示すように、ポンプ部90のケーシングは、円筒ケーシング21の上下両側の開口部をケーシングカバー22と内部サイドカバー23で閉鎖して構成され、このポンプ部90のケーシング内に、1対のアウタギヤ92とインナギヤ93が収納されている。インナギヤ93は、ケーシングカバー22に圧入されたラジアル軸受36に回転自在に嵌合支持され、該ラジアル軸受36の内側にモータ部13の回転軸34が挿通されている。本実施形態(4)では、図21に示すように、アウタギヤ92の歯数が6で、インナギヤ93の歯数が5となっている。
【0063】
図21に示すように、回転軸34のDカット部がカップリング94に挿入され、このカップリング94がインナギヤ93の中心部に形成されたカップリング形状の連結穴95に挿入されることで、モータ部13の回転軸34とインナギヤ93とがカップリング94を介して回転伝達可能に連結されている。
【0064】
また、図22に示すように、内部サイドカバー23には、吸入ポート97が形成され、燃料吸入口15から吸入した燃料は、吸入ポート97からポンプ室96に吸入される。
【0065】
一方、図23乃至図25に示すように、ケーシングカバー22には、容積が減少するポンプ室96に連通するように2つの吐出ポート98,99が形成され、ポンプ室96から吐出される燃料は、各吐出ポート98,99からモータ部13側に吐出される。
【0066】
図25(a)は、吸入領域と吐出領域の境界領域のポンプ室96aの容積が最大となるときのインナギヤ93とアウタギヤ92の回転位置を示しており、図25(b)は、図25(a)の位置からインナギヤ93とアウタギヤ92が半ピッチ回転したときの状態を示している。本実施形態(4)においても、前記実施形態(3)と同じように、上流側吐出ポート98は、図25(a)に示すように、最大容積のポンプ室96aとその隣のポンプ室96bとの仕切り位置からほぼ半ピッチ分の長さにわたって形成され、下流側吐出ポート99は、上流側吐出ポート98からほぼ1.5ピッチ分だけ回転方向に離れた位置に形成されている。これにより、図25(a)に示す最大容積のポンプ室96a内の燃料の一部が上流側吐出ポート98から吐出され始めてから、ほぼ半ピッチ分遅れて、下流側吐出ポート99から最大容積のポンプ室96aの隣のポンプ室96b内の残りの燃料が吐出され、2つの吐出ポート98,99の吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干渉しながら合流するように構成されている。
【0067】
本実施形態(4)では、各吐出ポート98,99の上流側及び下流側端部を絞り込まずに吐出ポート98,99全体を略四角形状に形成して、各吐出ポート98,99のポンプ室96に対する開口面積が大きくとれるようにしている。
【0068】
また、ケーシングカバー22には、ケーシングカバー22下面に対して所定の段差(例えば0.1mm)をもった連通溝部100が上流側吐出ポート98の下流側端部から回転方向に延びるように形成されている。これにより、図25(b)に示すように、上流側吐出ポート98を通過し終えたポンプ室96bが連通溝部100によって上流側吐出ポート98と連通されるようになっている。このポンプ室96bは、図25(a)に示す位置から半ピッチ移動して図25(b)に示す位置に至ると、該ポンプ室96bが下流側吐出ポート99と連通し始めるようになり、更に、図25(b)に示す位置から半ピッチ移動すると、図25(a)に示すポンプ室96cの位置まで移動する。
【0069】
この場合、連通溝部100の回転方向の長さは、該連通溝部100の先端部が下流側吐出ポート99に燃料を吐出するポンプ室96cと連通するように設定されている。これにより、図25(a)に示す回転位置において、上流側吐出ポート98と下流側吐出ポート99とが、連通溝部100とポンプ室96cを介して連通されるようになっている。
【0070】
以上のように構成したポンプ部90では、図25(a)に示すポンプ室96a内の燃料が上流側吐出ポート98から吐出され始めてから、半ピッチ分遅れて、図25(b)に示すポンプ室96b内の燃料が下流側吐出ポート99から吐出され、2つの吐出ポート98,99の吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干渉しながら合流する。
【0071】
その際、図25(b)に示すように、上流側吐出ポート98を通過し終えたポンプ室96bで加圧される燃料の一部が連通溝部100を逆流して上流側吐出ポート98に流れ込む。これにより、上流側吐出ポート98では、隣接する2つのポンプ室98a,98bから吐出される位相のずれた2つの圧力脈動が干渉するようになり、その干渉効果によって上流側吐出ポート98の吐出圧力脈動が低減される。
【0072】
更に、図25(a)に示すように、連通溝部100が下流側吐出ポート99に燃料を吐出するポンプ室96cと連通するように形成されているため、上流側吐出ポート98と下流側吐出ポート99とが、連通溝部100とポンプ室96cを介して連通される。これにより、下流側吐出ポート99では、下流側吐出ポート99に燃料を吐出するポンプ室96cの吐出圧力脈動と、上流側吐出ポート98から連通溝部100と該ポンプ室96cを介して伝搬する圧力脈動とが干渉するようになる。前述したように、上流側吐出ポート98から伝搬する圧力脈動は、下流側吐出ポート99の吐出圧力脈動よりもほぼ半波長進んでいるため、これら2つの圧力脈動の干渉により下流側吐出ポート99の吐出圧力脈動が効果的に低減される。
【0073】
従って、本実施形態(4)では、連通溝部100によって上流側吐出ポート98の吐出圧力脈動と下流側吐出ポート99の吐出圧力脈動を共に低減させた状態で、これら2の吐出ポート98,99の吐出圧力脈動がポンプ部90の外部の流路でほぼ半波長ずれて干渉しながら合流するようになり、ポンプ全体の吐出圧力脈動の低減効果を更に向上させることができ、吐出圧力脈動による騒音・振動を効果的に低減することができる。
【0074】
尚、本実施形態(4)では、連通溝部100の回転方向の長さを、該連通溝部100が下流側吐出ポート99に燃料を吐出するポンプ室96cと連通するように設定したが、連通溝部100の長さを短くして該ポンプ室96cに届かないようにしても良い。この場合でも、連通溝部100による上流側吐出ポート98の吐出圧力脈動の低減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)における燃料ポンプのポンプ部を破断して示す縦断面図
【図2】図3のD−D断面図
【図3】燃料ポンプの下面図
【図4】図2のB−B断面図
【図5】図2のC−C断面図
【図6】図1のA−A断面図
【図7】従来のトロコイドギヤ式の燃料ポンプの構造を説明する図
【図8】本発明の実施形態(1)の変形例における燃料ポンプのポンプ部を破断して示す縦断面図
【図9】図8のE−E断面図
【図10】本発明の実施形態(2)における燃料ポンプのポンプ部を破断して示す縦断面図
【図11】図10のF−F断面図
【図12】図10のG−G断面図
【図13】図10のH−H断面図
【図14】図10のI−I断面図
【図15】本発明の実施形態(3)における燃料ポンプのポンプ部を破断して示す縦断面図
【図16】図15のJ−J断面図
【図17】吐出ポートの形成位置を説明するための図で、(a)と(b)は半ピッチずれたギア回転位置の状態を示す図15のK−K断面図
【図18】図15のL−L断面図
【図19】図18のM−M線に沿って示すケーシングカバーの断面図
【図20】本発明の実施形態(4)における燃料ポンプのポンプ部を破断して示す縦断面図
【図21】図20のN−N断面図
【図22】図20のP−P断面図
【図23】図20のQ−Q断面図
【図24】図20のR−R断面図
【図25】吐出ポート及び連通溝部の形成位置を説明するための図で、(a)と(b)は半ピッチずれたギア回転位置の状態を示す図
【符号の説明】
11…ハウジング、12…ポンプ部、13…モータ部、14…ポンプカバー、15…燃料吸入口、18…燃料吐出口、21…円筒ケーシング、22…ケーシングカバー、23…内部サイドカバー、24…アウタギヤ、24a…内歯、25,26…インナギヤ、25a,26a…外歯、28…仕切壁、29,30…ポンプ室、31,32…円筒軸受、34…回転軸、39…吸入ポート、40…燃料導入溝,42…貫通流路、43…燃料導入溝、44,45…吐出ポート、47…吐出溝、48…吐出流路,62…ポンプ部、63,64…円筒ケーシング、65…中間プレート、67,68…アウタギヤ、69,70…インナギヤ、73…シャフト、75,76…ポンプ室、77…貫通流路、78…吐出流路、79…ポンプ部、80…アウタギヤ、81…インナギヤ、83…ポンプ室、84…吸入ポート、85,86…吐出ポート、90…ポンプ部、92…アウタギヤ、93…インナギヤ、97…吸入ポート、98,99…吐出ポート、100…連通溝部。
Claims (3)
- 内歯付きのアウタギヤの内周側に外歯付きのインナギヤを偏心配置すると共に、両ギヤを噛み合わせて両ギヤの歯間に形成したポンプ室を、両ギヤの回転により回転方向に移動させながら、該ポンプ室の容積を連続的に増加・減少させて燃料を吸入・吐出するように構成すると共に、前記ポンプ室内の燃料が吐出される吐出ポートを2箇所に形成し、これら2箇所の吐出ポートの吐出圧力脈動の位相がほぼ半波長分ずれて干渉しながら合流するように構成した燃料ポンプにおいて、
前記2箇所の吐出ポートのうちの上流側吐出ポートの開始位置は、容積が最大となるポンプ室の終端近傍に設定され、該上流側吐出ポートの終端位置は、両ギヤが半位相移動した時に形成されるポンプ室終端近傍に設定され、
下流側吐出ポートの開始位置は、上流側吐出ポート終端部から形成された1つめのポンプ室終端近傍に設定されていることを特徴とする燃料ポンプ。 - 前記2箇所の吐出ポートのうちの上流側吐出ポートから回転方向に延びる連通溝部を設け、前記上流側吐出ポートを通過し終えたポンプ室が前記連通溝部によって前記上流側吐出ポートと連通するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ。
- 前記連通溝部の回転方向の長さは、該連通溝部が下流側吐出ポートに燃料を吐出するポンプ室と連通するように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料ポンプ。
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