JP4309514B2 - 偏光回折素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光性を有する回折光を生じることができる偏光回折素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
回折素子は、分光光学などの分野で光の分光や光束の分割を行う目的で広く用いられている汎用光学素子である。回折素子は、その形状からいくつかの種類に分類され、光が透過する部分と透過しない部分を周期的に配置した振幅型回折素子、透過性の高い材料に周期的な溝を形成した位相型回折素子などに通常分類される。また、回折光の生じる方向に応じて透過型回折素子、反射型回折素子と分類される場合もある。
【0003】
上記の如き従来の回折素子では、自然光(非偏光)を入射した際に得られる回折光は非偏光しか得ることができない。分光光学などの分野で頻繁に用いられるエリプソメーターのような偏光光学機器では、回折光として非偏光しか得ることができないため、光源より発した自然光を回折素子により分光し、さらにこれに含まれる特定の偏光成分だけを利用するために、回折光を偏光子を通して用いる方法が一般的に行われている。この方法では、得られた回折光のうちの約50%以上が偏光子に吸収されるために光量が半減するという問題があった。またそのために感度の高い検出器や光量の大きな光源を用意する必要もあり、回折光自体が円偏光や直線偏光のような特定の偏光となる回折素子の開発が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するものであり、液晶層構造を制御することで、コレステリック液晶層の一部の領域に回折能を付与することに成功した。さらに詳しくは選択反射特性および円偏光特性のコレステリック液晶に特有な効果と、回折能を示す領域に起因する回折効果とを両立させることによって視認性、意匠性に優れた偏光回折素子を発明するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、支持基板上に形成された螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレステリック液晶層の表面の一部に回折パターンが転写された回折能を示す領域を有したコレステリック液晶層から少なくとも構成され、該回折能を示す領域が、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行でなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が形成され、当該液晶層の実膜厚が0.6〜6μmの範囲である偏光回折素子である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の偏光回折素子は、一部に回折能を示す領域を有するコレステリック液晶層から少なくとも構成されるものである。ここで回折能を示す領域とは、その領域を透過した光またはその領域で反射された光が、幾何学的には影になる部分に回り込むような効果を生じる領域を意味する。また回折能を示す領域の有無は、例えばレーザー光等をフィルムに入射し、直線的に透過または反射する光(0次光)以外に、ある角度をもって出射する光(高次光)の有無により確認することができる。また別法としては、原子間力顕微鏡や透過型電子顕微鏡などで液晶層の表面形状や断面形状を観察することにより、回折能を示す領域の有無を確認することができる。
【0007】
また本発明の偏光回折素子を構成するコレステリック液晶層における回折能を示す領域は、液晶層表面および/または液晶層内部のいずれの領域であってもよく、例えば液晶層表面の一部(液晶層表面領域)、液晶層内部の一部(液晶層内部領域)に有するものであってもよい。また回折能を示す領域は、単層のコレステリック液晶層の複数領域、例えばコレステリック液晶層の表裏面領域、複数の液晶層内部領域にそれぞれ有するものであってもよい。また回折能を示す領域は、例えばコレステリック液晶層表面や内部に均一な厚さを持った層状態として形成されていることは必ずしも必要とせず、液晶層表面や液晶層内部の少なくとも一部に該領域が形成されていればよい。例えば回折能を示す領域が、所望の図形、絵文字、数字、記号等の型を象るように有したものであってもよい。さらに回折能を示す領域を複数有する場合、全ての該領域が同じ回折能を示す必要性はなく、それぞれの領域において異なった回折能を示すものであってもよい。また回折能を示す領域の配向状態は、コレステリック液晶相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行ではないコレステリック配向、好ましくはコレステリック液晶相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行でなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレステリック配向を形成していることが望ましい。また回折能を示す領域以外においては、通常のコレステリック配向と同様の配向状態、すなわちコレステリック液晶相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔な螺旋構造を形成していることが望ましい。なお本発明でいうコレステリック液晶層表面とは、コレステリック液晶層単体において外部に接する部分を、また液晶層内部とは、外部に接する以外の部分をそれぞれ意味する。
【0008】
本発明の偏光回折素子を構成するコレステリック液晶層の実膜厚は0.6〜6μm、好ましくは0.7〜5μm、さらに好ましくは0.8〜4μmである。コレステリック液晶層の実膜厚が0.6μmより薄い場合、コレステリック配向による選択反射特性、円偏光特性が低減する恐れがある。また6μmより厚い場合には、コレステリック配向による選択反射特性や円偏光特性が顕著に現れすぎる恐れがある。本発明の偏光回折素子は、上記の如き実膜厚を有するコレステリック液晶層から少なくとも構成されるものであることから、コレステリック配向に起因する選択反射特性、円偏光特性、また回折能を示す領域に起因する回折特性をバランス良く両立させた当該素子を得ることができるものであり、さらにその両方の光学特性を容易に確認できるものである。
【0009】
上記の如き回折能を示す領域および所望の実膜厚を有するコレステリック液晶層は、例えば高分子液晶、低分子液晶またはその混合物等を液晶材料としてコレステリック配向層を形成した後、コレステリック配向層に回折素子基板を貼り合わせ、熱および/または圧力を加えることによってコレステリック配向層に回折素子基板の回折パターンを転写する方法、または回折素子基板を配向基板として高分子液晶、低分子液晶またはその混合物からなる液晶材料をコレステリック配向させた後、その配向状態を維持したまま固定化する等の方法により得ることができる。
【0010】
コレステリック液晶層およびコレステリック配向層の液晶材料となる高分子液晶としては、コレステリック配向が固定化できるものであれば特に制限はなく、主鎖型、側鎖型高分子液晶等いずれでも使用することができる。具体的にはポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等の主鎖型液晶ポリマー、あるいはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサン等の側鎖型液晶ポリマーが挙げられる。なかでもコレステリック配向を形成する上で配向性が良く、合成も比較的容易である液晶性ポリエステルが望ましい。液晶性ポリエステルの構成単位としては、例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位等を好適な例として挙げることができる。
【0011】
また液晶材料となる低分子液晶としては、例えばアクリロイル基、ビニル基、エポキシ基等の官能基を導入したビフェニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン誘導体等を基本骨格とした液晶が挙げられる。また低分子液晶としては、ライオトロピック性、サーモトロピック性のどちらも用いることができるが、サーモトロピック性を示すものが作業性、プロセス等の観点からより好適である。
【0012】
また最終的に得られるコレステリック液晶層の耐熱性を向上させるために、液晶材料中に高分子液晶や低分子液晶等の他にコレステリック相の発現を妨げない範囲において、例えばビスアジド化合物やグリシジルメタクリレート等の架橋剤を添加することもでき、これら架橋剤を添加することによりコレステリック液晶相を発現させた状態で架橋させることもできる。さらに液晶材料中には、二色性色素、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ハードコート剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲において適宜添加することもできる。
【0013】
回折パターンを転写する前のコレステリック配向層は公知の方法、例えば高分子液晶を用いる場合には、例えば支持基板または基板上に形成された配向膜上に高分子液晶を配した後、熱処理等によってコレステリック液晶相を発現させ、その状態から急冷してコレステリック配向を固定化する方法等を採用することができる。また低分子液晶を用いる場合には、例えば支持基板または基板上に形成された配向膜上に低分子液晶を配した後、熱処理等によってコレステリック液晶相を発現させ、その状態を維持したまま光、熱または電子線等により架橋させてコレステリック配向を固定化する方法等を適宜採用することができる。
【0014】
回折パターンの転写に用いる、または上記の如き液晶材料を配向させる際の支持基板となる回折素子基板としては、金属や樹脂のような材料から形成された回折素子基板、フィルム表面に回折機能を付与したもの、あるいはフィルムに回折機能を有する薄膜を転写したもの等、およそ回折機能を有するものであれば如何なる材質、構成からなる回折素子基板であっても良い。なかでも取扱いの容易さや量産性を考えた場合、回折機能を有するフィルムまたはフィルム積層体を回折素子基板として用いることが本発明では望ましい。
【0015】
またここでいう回折素子とは、平面型ホログラムの原版等の回折光を生じる回折素子全てをその定義として含む。またその種類については、表面形状に由来する回折素子、いわゆる膜厚変調ホログラムのタイプであってもよいし、表面形状に因らない、または表面形状を屈折率分布に変換した位相素子、いわゆる屈折率変調ホログラムのタイプであっても良い。本発明においては、回折素子の回折パターン情報をより容易に液晶に付与することができる点から、膜厚変調ホログラムタイプの回折素子基板がより好適に用いられる。また屈折率変調タイプの回折素子基板であっても、表面形状に回折を生じる起伏を有したものであれば本発明に好適に用いることができる。
【0016】
また回折パターンの転写方法としては、例えば一般に用いられるヒートローラー、ラミネーター、ホットスタンプ、電熱板、サーマルヘッド等を用い、加圧および/または加温条件下にて行うことができる。加圧条件、加温条件は、用いられる高分子液晶や低分子液晶等の諸物性、回折素子基板の種類等によって異なり、一概には言えないが、通常、圧力0.01〜100MPa、好ましくは0.05〜80MPa、温度30〜400℃、好ましくは40〜300℃の範囲において用いられる液晶や基板等の種類によって適宜選択される。また回折パターンを転写する際には、加圧および加温を同時に加えられる条件下において転写することが本発明では望ましい。上記の如き加温および/または加圧条件下にて回折素子基板の回折パターンをコレステリック配向層に転写することによって、一部に回折能を示す領域を有したコレステリック液晶層を得ることができる。
【0017】
また回折素子基板を配向基板として用いる場合には、液晶材料を例えば溶液塗布、溶融塗布などの方法によって当該基板上に展開した後、熱処理し冷却する方法、または液晶材料によっては熱処理を行った後、光または電子線を照射する方法等によって、一部に回折能を示す領域を有したコレステリック液晶層を得ることができる。また液晶材料が接する回折素子基板表面にはラビング処理等の配向処理を適宜行うこともできる。
【0018】
以上の方法で得られるコレステリック液晶層を本発明の偏光回折素子は構成要素として有するものである。具体的な実施態様としては、例えばコレステリック液晶層が十分な自己支持性を有するものであれば、当該液晶層単体を偏光回折素子として各種用途に用いることができる。また自己支持性を有しない場合には、各種プラスチックフィルム・シート、ガラス基板、上質紙や合成紙等の紙類を支持基板として当該基板上に積層する、また配向基板上に形成したままの状態、さらには回折素子基板に積層・形成したままの状態のものを偏光回折素子として用いることができる。またコレステリック液晶層には、当該液晶層の表面に保護層を設けることもできる。保護層を設けることによって十分な自己支持性を有する場合には、保護層/コレステリック液晶層からなる積層体を偏光回折素子として各種用途に用いることができる。保護層としては、紫外線吸収性および/またはハードコート性を有するものであることが特に望ましい。例えば紫外線吸収剤およびハードコート剤を含有した保護層形成材料をフィルム状物、シート状物、薄膜状物、板状物に形成したものを保護層として用いることができる。また紫外線吸収剤を含有した保護層形成材料からなる紫外線吸収性を有した保護層(以下、紫外線吸収層)と、ハードコート剤を含有した保護層形成材料からなるハードコート性を有した保護層(以下、ハードコート層)との積層物を保護層として用いることもできる。また一般に市販されている紫外線カットフィルムやハードコートフィルム、また当該フィルムの積層物を保護層として用いることができる。また紫外線吸収層に各種ハードコート剤を塗布して成膜した積層物も保護層として用いることができる。ここで紫外線吸収層およびハードコート層は、それぞれ2層以上から形成されてもよく、各層はそれぞれ接着剤層等を介して積層することができる。
【0019】
保護層形成材料としては、光透過性が高いものが望ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)、ポリスチレン、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリスルフォン、セルロース系樹脂等に紫外線吸収剤および/またはハードコート剤を添加したものを用いることができる。また保護層としては、光または電子線硬化型の反応性接着剤に紫外線吸収剤および/またはハードコート剤を添加した接着剤組成物を用いることもでき、その接着剤組成物の硬化物を保護層とすることもできる。
【0020】
紫外線吸収剤としては、保護層形成材料に相溶または分散できるものであれば特に制限はなく、例えばベンゾフェノン系化合物、サルシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物等の有機系紫外線吸収剤、酸化セシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤を用いることができる。なかでも紫外線吸収効率が高いベンゾフェノン系化合物が好適に用いられる。また紫外線吸収剤は、1種単独または複数種添加することができる。保護層中の紫外線吸収剤の配合割合は、使用する保護層形成材料により異なるが、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0021】
ハードコート剤としては、保護層形成材料に相溶または分散できるものであれば特に制限はなく、例えばオルガノポリシロキサン系、光硬化型樹脂系のアクリルオリゴマー系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、熱硬化型樹脂系のアクリル−シリコン系、またはセラミックス等の無機系化合物等を用いることができる。なかでも成膜性等の観点からオルガノポリシロキサン系、光硬化型樹脂系であるアクリルオリゴマー系のハードコート剤が好適に用いられる。なおこれらのハードコート剤は、無溶媒型、溶媒型のいずれであっても使用することができる。
【0022】
光または電子線硬化型の反応性接着剤としては、光または電子線重合性を有するプレポリマーおよび/またはモノマーに必要に応じて他の単官能、多官能性モノマー、各種ポリマー、安定剤、光重合開始剤、増感剤等を配合したものを用いることができる。
【0023】
光または電子線重合性を有するプレポリマーとしては、具体的にはポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ポリオールアクリレート、ポリオールメタクリレート等を例示することができる。また光または電子線重合性を有するモノマーとしては、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、2官能アクリレート、2官能メタクリレート、3官能以上の多官能アクリレート、多官能メタクリレート等が例示できる。またこれらは市販品を用いることもでき、例えばアロニックス(アクリル系特殊モノマー、オリゴマー;東亞合成社製)、ライトエステル(共栄社化学社製)、ビスコート(大阪有機化学工業社製)等を用いることができる。
【0024】
また光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン誘導体類、アセトフェノン誘導体類、ベンゾイン誘導体類、チオキサントン類、ミヒラーケトン、ベンジル誘導体類、トリアジン誘導体類、アシルホスフィンオキシド類、アゾ化合物等を用いることができる。
【0025】
保護層として用いることができる光または電子線硬化型の反応性接着剤の粘度は、接着剤の加工温度等により適宜選択するものであり一概にはいえないが、通常25℃で10〜2000mPa・s、好ましくは50〜1000mPa・s、さらに好ましくは100〜500mPa・sである。粘度が10mPa・sより低い場合、所望の厚さが得られ難くくなる。また2000mPa・sより高い場合には、作業性が低下する恐れがあり望ましくない。粘度が上記範囲から外れている場合には、適宜、溶剤やモノマー割合を調整し所望の粘度にすることが好ましい。
【0026】
光硬化型の反応性接着剤を用いた場合、その接着剤の硬化方法としては公知の硬化手段、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を使用することができる。また露光量は、用いる反応性接着剤の種類により異なるため一概にはいえないが、通常50〜2000mJ/cm2、好ましくは100〜1000mJ/cm2である。
【0027】
また電子線硬化型の反応性接着剤を用いた場合、その接着剤の硬化方法としては、電子線の透過力や硬化力により適宜選定されるものであり一概にはいえないが、通常、加速電圧が50〜1000kV、好ましくは100〜500kVの条件で照射して硬化することができる。
【0028】
また上記の如き保護層形成材料には、紫外線吸収剤およびハードコート剤の他に必要に応じてヒンダードアミンや消光剤等の光安定剤、帯電防止剤、スベリ性改良剤、染料、顔料、界面活性剤、微細なシリカやジルコニア等の充填剤等の各種添加剤を配合することもできる。これら各種添加剤の配合割合は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0029】
また保護層を構成する紫外線吸収層は、先に説明した保護層形成材料に紫外線吸収剤、必要に応じて光安定剤等を適宜配合したものを用いて形成することができる。さらに一般に市販されている紫外線カットフィルム等を紫外線吸収層として本発明に用いることもできる。
また保護層を構成するハードコート層は、先に説明した保護層形成材料にハードコート剤、場合により各種添加剤を配合したものを用いて形成することができる。またハードコート層としては、上記ハードコート剤を透明な支持フィルム上に塗布して形成したものであってもよい。透明な支持フィルムとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、アモルファスポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等から形成されるフィルムを挙げることができる。
【0030】
紫外線吸収層とハードコート層とは接着剤等を介して積層したものを保護層とすることができるが、その際に用いられる接着剤としては、先に説明した光または電子線硬化型の反応性接着剤等を好適な例として挙げられる。また接着剤として紫外線吸収剤を含有したものを用い、別に用意したハードコート層を本発明のコレステリック液晶層に積層することにより保護層を形成することもできる。また接着剤には必要に応じて染料、顔料、界面活性剤等を適宜添加してもよい。
【0031】
さらにハードコート層としては、グラビアインキ用ビヒクル樹脂等も好適に用いることができる。グラビアインキ用ビヒクル樹脂としては、例えばニトロセルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル等が挙げられる。またグラビアインキ用ビヒクル樹脂中に接着性向上や皮膜強度向上の為に、例えばエステルガム、ダンマルガム、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂等のハードレジンを配合してもよい。
【0032】
またハードコート層の構成は、要求される耐候性等に応じてハードコート層1層または複合層にすることができる。複合層としては、例えばオルガノポリシロキサンを含むハードコート層、光硬化型樹脂を含むハードコート層、熱硬化型樹脂を含むハードコート層、無機化合物を含むハードコート層等、それぞれを組み合わせて2層以上からなる複合層をハードコート層として用いることもできる。
【0033】
本発明の偏光回折素子を構成するコレステリック液晶層に保護層となる紫外線吸収層および/またはハードコート層を成膜する方法としては、通常ロールコート法、ディッピング法、グラビアコート法、バーコード法、スピンコート法、スプレーコート法、プリント法等の公知の方法を採用することができる。これら方法によりコレステリック液晶層上に成膜した後、使用した保護層形成材料に応じた後処理を施すことにより保護層を形成することができる。また紫外線吸収層とハードコート層との複合層からなる保護層の形成方法としては、例えば紫外線吸収層に直接ハードコート剤を塗布形成する方法、接着剤等を介して積層する方法等が挙げられる。
【0034】
保護層の膜厚は、紫外線吸収性および/またはハードコート性のそれぞれが求められる性能に応じて異なるため一概には言えないが、通常0.1〜100μm、好ましくは1〜50μmである。また保護層が紫外線吸収層およびハードコート層との複合層から形成される場合も、各層の全膜厚が上記範囲に入ることが望ましい。
【0035】
本発明の偏光回折素子は、当該素子を構成するコレステリック液晶層の一部に回折能を示す領域を有していることから、回折光が円偏光性を有するという、従来の光学部材には無い特異な効果を有する。この効果により、例えばエリプソメーターのような偏光を必要とする分光光学機器に用いることにより、光の利用効率を極めて高くすることが可能となる。従来の偏光を必要とする分光光学機器では、光源より発した光を回折格子やプリズム等の分光素子を用いて波長ごとに分光した後に偏光子を透過させる、または偏光子を透過させた後に分光する必要があり偏光子が必須であった。この偏光子は、入射した光の約50%を吸収してしまい、また界面での反射が生じるために光の利用効率が極めて悪いといった問題があったが、本発明の偏光回折素子を用いることにより光の利用効率を極めて高く、理論的には約100%利用することが可能となる。また本発明の偏光回折素子は、通常の偏光板を用いることによって容易に回折光の透過および遮断をコントロールすることが可能である。通常、偏光性を有していない回折光では、どのような偏光板と組み合わせても完全に遮断することはできない。すなわち本発明の偏光回折素子では、例えば右偏光性を有する回折光は、左円偏光板を用いた時にのみ完全に遮断することができ、それ以外の偏光板を用いても完全な遮断を実現することができないものである。このような効果を有することから、例えば観察者が偏光板越しに回折像を観察する環境において、偏光板の状態を変化させることによって、回折像を暗視野から突然浮かび上がらせたり、また突然消失させたりすることが可能となる。
【0036】
以上のように本発明の偏光回折素子は、新たな回折機能素子として応用範囲は極めて広く、種々の光学用素子や光エレクトロニクス素子、装飾用部材、偽造防止用素子等として使用することができる。
具体的に光学用素子や光エレクトロニクス素子としては、例えば透明かつ等方なフィルム、具体的にはフジタック(富士写真フィルム社製)、コニカタック(コニカ社製)などのトリアセチルセルロースフィルム、TPXフィルム(三井化学社製)、アートンフィルム(日本合成ゴム社製)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン社製)、アクリプレンフィルム(三菱レーヨン社製)等にコレステリック液晶層を積層して偏光回折素子とすることにより様々な光学用途への展開を図ることが可能である。例えば当該偏光回折素子をTN(twisted nematic)−LCD(Liquid Crystal Display)、STN(Super Twisted Nematic)−LCD、ECB(Electrically Controlled Birefringence)−LCD、OMI(Optical Mode Interference)−LCD、OCB(Optically Compensated Birefringence)−LCD、HAN(Hybrid Aligned Nematic)−LCD、IPS(In Plane Switching)−LCD等の液晶ディスプレーに備えることによって色補償および/または視野角改良された各種LCDを得ることができる。また本発明の偏光回折素子を上記したように分光された偏光を必要とする分光光学機器、回折現象により特定の波長を得る偏光光学素子、光学フィルター、円偏光板、光拡散板等として用いることも可能であり、さらに1/4波長板と組み合わせることによって直線偏光板を得ることもできる等、光学用素子や光エレクトロニクス素子として従来にない光学効果を発現しうる様々な光学部材を提供することができる。
【0037】
装飾用部材としては、回折能による虹色呈色効果とコレステリック液晶による色鮮やかな呈色効果等を併せ持った新たな意匠性フィルムをはじめ様々な意匠性成形材料等を得ることができる。また薄膜化できることから既存製品等に添付する、一体化する等の方法によって意匠性を付与し、他の類似製品との差別化にも大きく貢献することが期待できる。例えば、意匠性のある回折パターンを組み込んだ本発明の偏光回折素子をガラス窓等に張り付けると外部からはその視角によって前記回折パターンを伴ったコレステリック液晶特有の選択反射が異なった色に見えるなど、ファッション性に非常に優れたものとすることができる。また明るい外部からは内部が見え難く、それにもかかわらず内部からは外部の視認性がよい窓とすることもできる。
【0038】
偽造防止用素子としては、回折素子およびコレステリック液晶のそれぞれの偽造防止効果を併せ持った新たな偽造防止フィルム、シール、ラベル等として用いることができる。具体的には本発明の偏光回折素子を例えば自動車運転免許証、身分証明証、パスポート、クレジットカード、プリペイドカード、各種金券、ギフトカード、有価証券等と一体化する、または一部に設ける、具体的には貼り付ける、埋め込む、紙類に織り込むことによりその効果を発現できる。また本発明の偏光回折素子は、回折能を示す領域がコレステリック液晶層の一部に有するとともに、コレステリック液晶の波長選択反射性、円偏光選択反射性、色の視角依存性、コレステリックカラーの美しい色を呈する効果を併せ持ったものである。したがって本発明の偏光回折素子を偽造防止用素子として用いた場合、当該素子を構成するコレステリック液晶層の偽造は極めて困難であると言える。また偽造防止効果あわせて、回折素子の虹色呈色効果、コレステリック液晶の色鮮やかな呈色効果を有することから意匠性にも優れたものとなる。
【0039】
これらの用途はほんの一例であり、本発明の偏光回折素子は、従来、回折素子単体、コレステリック液晶性フィルム単体が使用されている各種用途や、新たな光学的効果を発現することが可能であること等から前記用途以外の様々な用途にも応用展開が可能である。
【0040】
【実施例】
以下に実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
テレフタル酸50mmol、ヒドロキシ安息香酸20mmol、カテコール20mmol、(R)−2−メチル−1,4−ブタンジオール10mmolおよび酢酸ナトリウム100mgを用いて窒素雰囲気下、180℃で1時間、200℃で1時間、250℃で1時間と段階状に昇温しながら重縮合反応を行った。
【0042】
次いで窒素を流しながら250℃で2時間重縮合反応を続け、さらに減圧下同温度で1時間重縮合を行った。得られたポリマーをテトラクロロエタンに溶解後、メタノールで再沈澱を行い、液晶性ポリエステルを得た。
【0043】
得られた液晶性ポリエステルのN−メチル−2−ピロリドン溶液(20重量%)を調製し、該溶液をラビング処理したポリフェニレンスルフィドフィルム上にスピンコート法で塗布した。塗布した後、乾燥処理を行いN−メチル−2−ピロリドンを除去し、ポリフェニレンスルフィドフィルム上に液晶性ポリエステルの塗布膜を形成した。触針膜厚計により乾燥処理後の塗布膜の膜厚を測定したところ約1μmであった。
【0044】
次いで該液晶性ポリエステルの塗布膜を200℃の加熱雰囲気において5分間熱処理を行い、室温下に冷却することによって、ポリフェニレンスルフィドフィルム上に金色の鏡面反射を呈する液晶性ポリエステルフィルムを得た。
【0045】
同フィルムを日本分光社製紫外可視近赤外分光光度計V−570にて透過スペクトルを測定したところ、中心波長が約600nm、選択反射波長帯域幅が約110nmの選択反射を示すコレステリック配向が固定化されたコレステリック配向層が得られていることが確認された。このコレステリック配向層の配向状態を偏光顕微鏡観察およびフィルム断面の透過型電子顕微鏡観察したところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、また螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレステリック配向を形成していることが確認できた。
【0046】
得られたコレステリック配向層の上に、エドモンド・サイエンティフィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(刻線900本/mm)を、液晶面と回折面が向き合うように重ね、東京ラミネックス社製ラミネーターDX−350を用い、150℃、0.3MPa、ロール接触時間0.5秒の条件で加熱加圧を行った。次いで室温まで冷却後、刻線式回折格子フィルムを取り除いた。
【0047】
回折格子フィルムが重ねられていた液晶面を観察したところ、回折パターンに起因する虹色とコレステリック液晶に起因する金色の選択反射とが認められた。また回折格子フィルムが重ねられていた面を下にして同様に観察したところ、コレステリック液晶に起因する選択反射の輝度と回折パターンに起因する虹色の輝度がバランス良く観察された。
【0048】
この液晶層の配向状態を偏光顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察をしたところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層の表面領域に形成されていることが確認された。またそれ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレステリック配向が形成していることが確認された。ま多液晶層面内に垂直にHe−Neレーザー(波長632.8nm)を入射したところ、0゜および約±35゜の出射角にレーザー光が観察された。
【0049】
さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明下おいて右円偏光板(右円偏光のみ透過)を介して液晶層を観察したところ、虹色の反射回折光とコレステリック液晶に起因する金色の反射色が同時に観察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じであった。これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)を介して当該液晶層を観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回折光もコレステリック液晶に起因する金色の反射色も観察されなかった。
【0050】
以上のことより膜厚1μmのコレステリック配向層に回折格子フィルムの回折パターンを転写することにより、表面領域に回折能を示す領域を有したコレステリック液晶層が得られたことを確認し、また当該液晶層が偏光回折素子として機能することを確認した。
【0051】
(実施例2)
正の一軸ネマチック液晶性化合物であるメチルヒドロキノン ビス(4−(6−アクリロイロキシオヘキシルオキシ)安息香酸)エステルを6.42g、4−シアノフェノール 4−(6−アクリロイロキシオヘキシルオキシ)安息香酸エステルを0.98g、市販のキラルドーパント液晶S−811(ロディック社製)2.60gを量り取り、蒸留精製したN−メチル−2−ピロリドン90gに溶解した。該溶液にフッ素系界面活性剤S−383(旭硝子社製)を0.5mg、光反応開始剤イルガキュアー907(チバガイギー社製)0.3g、増感剤ジエチルチオキサントン0.1gを添加し、表面をレーヨン布によりラビング処理したポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(三菱ダイヤホイル社製)上にバーコーターを用いて塗布した。塗布後、該フィルムごと60℃に設定したクリーンオーブンに投入し15分乾燥を行った後、さらに80℃に設定したオーブン中で5分熱処理し、その温度から約1℃/分で50℃まで冷却することにより液晶層のコレステリック配向を完了させた。
次いで、PENフィルム上に形成した液晶層を50℃に設定したオーブンに投入し、酸素濃度250ppm以下の窒素雰囲気下においてオーブン設定温度まで放冷した後、その温度にてUV照射を行った。UV光源としては高圧水銀灯を使用し、照射強度は最大120W/cm2で、照射時間5秒間の積算照射量は135mJであった。照射後の液晶層はある程度硬化しており、硬化前に見られた流動性はなかったが、その表面硬度は鉛筆硬度にして6Bよりも低く、正確な硬度は測ることが出来なかった。
UV照射後の液晶層をPENフィルムごとラビング方向が長手になるような10cm×3cmの長方形に切り出し、また市販のエンボス版フィルムJ52,989(エドモンド・サイエンティフィック・ジャパン社製)を、回折格子の格子方位が長手になるような12cm×5cmの長方形に切り出した。切り出したPENフィルム上の液晶層の液晶面とエンボス版フィルムの回折格子面が接するように重ね合わせ、一方の短辺をセロテープで固定し、該短辺を先頭にして熱ラミネート装置DX−350(東ラミ社製)に通した。熱ラミネートは、ラミネートロールの温度が72℃で行い、サンプルの移動速度は毎秒30mmであった。熱ラミネート後、液晶層とエンボス版フィルムは一体となって密着し積層体を成していた。該積層体を室温まで冷却し、室温にて液晶層側にエレクトロンビーム(EB)照射を行った。EB照射は、アイエレクトロンビーム社製のEB照射装置を用い、室温下、酸素濃度0.20%の雰囲気において、加速電圧30kVにて照射を行った。EB照射後、積層体からフィルム長手方向に沿ってエンボス版フィルムを剥離除去した。PENフィルム上に残されたEB照射後の液晶層は硬化しており、その表面硬度は鉛筆硬度にして2H程度であった。また触針式膜厚計により、エンボスされていない部位の膜厚を測定したところ約4μmであった。当該液晶層を日本分光社製紫外可視近赤外分光光度計V−570にて透過スペクトルを測定したところ、中心波長が約580nm、選択反射波長帯域幅が約40nmの選択反射を示すコレステリック配向が固定化されていることが確認された。
また液晶層を目視観察したところ、コレステリック配向に起因する反射光とは別に、フィルム長手方向を12時方位に見たときに3時、9時の方位から斜めに見た場合に、回折格子に特徴的な虹色の光が観察された。またエンボス版フィルムが重ねられていた面を下にして液晶層を同様に観察したところ、コレステリック液晶に起因する選択反射の輝度と回折パターンに起因する虹色の輝度がバランス良く観察された。
【0052】
この液晶層の配向状態を偏光顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察をしたところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層の表面領域に形成されていることが確認された。またそれ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレステリック配向が形成していることが確認された。
さらに該液晶面にPENフィルム側から垂直にHe/Neレーザーを入射したところ、0゜および約±9゜の出射角に0次および±1次の回折光が観察された。
さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明下において左円偏光板(左円偏光のみ透過)を介して当該液晶層を観察したところ、虹色の反射回折光とコレステリック液晶に起因する非常に鮮やかな黄色の反射色が同時に観察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じであった。これに対し右円偏光板(右円偏光のみ透過)を介して液晶層を観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回折光もコレステリック液晶に起因する黄色の反射色も観察されなかった。
【0053】
以上のことより膜厚が約4μmのコレステリック液晶層の表面領域に回折能を示す領域が形成されていることを確認し、また当該液晶層が偏光回折素子として機能することを確認した。
【0054】
【発明の効果】
本発明の偏光回折素子は、コレステリック配向による選択反射特性および円偏光特性、また回折能を示す領域に起因する回折特性を併せ持ったものであり、なおかつその両特性をバランス良く両立した光学効果を発現しうるものである。またこのような光学効果を有することから、回折機能素子としてその応用範囲は極めて広く、例えば液晶ディスプレー等の光学素子、光エレクトロニクス素子、装飾用材料、偽造防止用素子等の光学部材として好適に用いることができる等、工業的価値が極めて高い。

Claims (1)

  1. 支持基板上に形成された螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔なコレステリック液晶層の表面の一部に回折パターンが転写された回折能を示す領域を有したコレステリック液晶層から少なくとも構成され、該回折能を示す領域が、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行でなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が形成され、当該液晶層の実膜厚が0.6〜6μmの範囲である偏光回折素子。
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