JP2000309196A - 転写用素子 - Google Patents

転写用素子

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JP2000309196A
JP2000309196A JP11118978A JP11897899A JP2000309196A JP 2000309196 A JP2000309196 A JP 2000309196A JP 11118978 A JP11118978 A JP 11118978A JP 11897899 A JP11897899 A JP 11897899A JP 2000309196 A JP2000309196 A JP 2000309196A
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liquid crystal
film
cholesteric liquid
adhesive
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JP11118978A
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Ryo Nishimura
涼 西村
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Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折光自体が円偏光や直線偏光のような特定
の偏光を生じうる新たな光学素子から構成される転写用
素子を提供する。 【解決手段】 支持基板/コレステリック液晶層/接着
剤層1/回折素子層/接着剤層2から少なくとも構成さ
れる転写用素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光性を有する回
折光を生じることができる新規光学素子から構成された
転写用素子に関する。
【0002】
【従来の技術】回折素子は、分光光学などの分野で光の
分光や光束の分割を行う目的で広く用いられている汎用
光学素子である。回折素子は、その形状からいくつかの
種類に分類され、光が透過する部分と透過しない部分を
周期的に配置した振幅型回折素子、透過性の高い材料に
周期的な溝を形成した位相型回折素子などに通常分類さ
れる。また、回折光の生じる方向に応じて透過型回折素
子、反射型回折素子と分類される場合もある。
【0003】上記の如き従来の回折素子では、自然光
(非偏光)を入射した際に得られる回折光は非偏光しか
得ることができない。分光光学などの分野で頻繁に用い
られるエリプソメーターのような偏光光学機器では、回
折光として非偏光しか得ることができないため、光源よ
り発した自然光を回折素子により分光し、さらにこれに
含まれる特定の偏光成分だけを利用するために、回折光
を偏光子を通して用いる方法が一般的に行われている。
この方法では、得られた回折光のうちの約50%以上が
偏光子に吸収されるために光量が半減するという問題が
あった。またそのために感度の高い検出器や光量の大き
な光源を用意する必要もあり、回折光自体が円偏光や直
線偏光のような特定の偏光となる回折素子の開発が求め
られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものであり、コレステリック液晶層および回折
素子層からなる光学素子が偏光回折素子として機能する
ことを見出すと共に、該光学素子を被転写物に対して容
易に転写することができる転写用素子を発明するに至っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、支持
基板/保護層/コレステリック液晶層/接着剤層1/回
折素子層/接着剤層2から少なくとも構成された転写用
素子に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明の光学積層体は、支持基板/保護層/コレス
テリック液晶層/接着剤層1/回折素子層/接着剤層2
から少なくとも構成されるものである。ここで支持基板
/保護層/コレステリック液晶層/接着剤層1/回折素
子層/接着剤層2とは、支持基板、保護層、コレステリ
ック液晶層、接着剤層1、回折素子層、接着剤層2の順
に積層された構成を意味する。なお支持基板と保護層と
の間、保護層とコレステリック液晶層との間には、それ
ぞれ中間層を有することもでき、例えば接着剤、剥離層
等を中間層として用いることができる。以下、順に本発
明の構成要素について説明する。
【0007】本発明の構成要素である支持基板とは、コ
レステリック液晶層の支持体として機能するものであ
り、コレステリック液晶層と回折素子層とからなる光学
素子が被転写物に転写された後、コレステリック液晶層
から支持基板は剥離除去される。このような機能を有す
る支持基板としては、例えばポリイミド、ポリアミドイ
ミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテル
エーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサル
ファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、
ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコ
ール、セルロース系プラスチックスや、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ノ
ルボルネン系樹脂などの鎖式または脂環式ポリオレフィ
ン等から形成されたプラスチックフィルムやシート等が
挙げられる。また支持基板としては、後述するコレステ
リック液晶性フィルム形成の際に用いることができる各
種配向基板をそのまま支持基板として利用することもで
きる。
【0008】また支持基板としては、プラスチックフィ
ルムやシートの表面にシリコン処理等の表面処理、また
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂あるいは
パラフィン系のワックスをコーティングしたもの等も支
持基板として使用することができる。さらには支持基板
となるプラスチックフィルムやシートに対して、エンボ
ス加工等の物理的変形処理、親水化処理、疎水化処理等
を行ったものも本発明の構成要素である支持基板として
使用することができる。
【0009】支持基板の膜厚は、通常8〜200μm、
好ましくは15〜150μm、さらに好ましくは20〜
100μmである。8μmより薄い場合、得られる転写
用素子のハンドリング性を悪化させる恐れがある。また
200μmより厚い場合には、剥離転写操作がスムーズ
に行えない可能性がある。なお支持基板は、被転写物に
コレステリック液晶層と回折素子層とからなる光学素子
が転写された際には除去されるものであり、その剥離界
面は通常、支持基板と保護層との界面間である。
【0010】本発明の構成要素である保護層とは、コレ
ステリック液晶層と回折素子層とからなる光学素子が被
転写物に転写された後、コレステリック液晶層を保護す
る目的のものである。保護層としては、紫外線吸収性お
よび/またはハードコート性を有するものであれば特に
限定されるものではない。例えば紫外線吸収剤およびハ
ードコート剤を含有した保護層形成材料をフィルム状
物、シート状物、薄膜状物、板状物に形成したものが挙
げられる。また紫外線吸収剤を含有した保護層形成材料
からなる紫外線吸収性を有した保護層(以下、紫外線吸
収層)と、ハードコート剤を含有した保護層形成材料か
らなるハードコート性を有した保護層(以下、ハードコ
ート層)との積層物を本発明でいう保護層として用いる
こともできる。また一般に市販されている紫外線カット
フィルムとハードコートフィルムとの積層物を保護層と
して用いることができる。また紫外線吸収層に各種ハー
ドコート剤を塗布して成膜した積層物も保護層として用
いることができる。ここで紫外線吸収層およびハードコ
ート層は、それぞれ2層以上から形成されてもよく、各
層はそれぞれ接着剤層等を介して積層することができ
る。
【0011】紫外線吸収剤としては、保護層形成材料に
相溶または分散できるものであれば特に制限はなく、例
えばベンゾフェノン系化合物、サルシレート系化合物、
ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合
物、シアノアクリレート系化合物等の有機系紫外線吸収
剤、酸化セシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機系紫
外線吸収剤を用いることができる。なかでも紫外線吸収
効率が高いベンゾフェノン系化合物が好適に用いられ
る。また紫外線吸収剤は、1種単独または複数種添加す
ることができる。保護層中の紫外線吸収剤の配合割合
は、使用する保護層形成材料により異なるが、通常0.
1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%であ
る。
【0012】またハードコート剤としては、保護層形成
材料に相溶または分散できるものであれば特に制限はな
く、例えばオルガノポリシロキサン系、光硬化型樹脂系
のアクリルオリゴマー系、ウレタンアクリレート系、エ
ポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、
熱硬化型樹脂系のアクリル−シリコン系、またはセラミ
ックス等の無機系化合物等を用いることができる。なか
でも成膜性等の観点からオルガノポリシロキサン系、光
硬化型樹脂系であるアクリルオリゴマー系のハードコー
ト剤が好適に用いられる。なおこれらのハードコート剤
は、無溶媒型、溶媒型のいずれであっても使用すること
ができる。
【0013】保護層形成材料には、紫外線吸収剤および
ハードコート剤の他に必要に応じてヒンダードアミンや
消光剤等の光安定剤、帯電防止剤、スベリ性改良剤、染
料、顔料、界面活性剤、微細なシリカやジルコニア等の
充填剤等の各種添加剤を配合することもできる。これら
各種添加剤の配合割合は、本発明の効果を損なわない範
囲であれば特に制限はないが、通常0.01〜10重量
%、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0014】また保護層を構成する紫外線吸収層は、先
に説明した保護層形成材料に紫外線吸収剤、必要に応じ
て光安定剤等を適宜配合したものを用いて形成すること
ができる。さらに一般に市販されている紫外線カットフ
ィルム等を紫外線吸収層として本発明に用いることもで
きる。
【0015】また保護層を構成するハードコート層は、
先に説明した保護層形成材料にハードコート剤、場合に
より各種添加剤を配合したものを用いて形成することも
できる。またハードコート層としては、上記ハードコー
ト剤を透明な支持フィルム上に塗布して形成したもので
あってもよい。透明な支持フィルムとしては、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイ
ド、アモルファスポリオレフィン、トリアセチルセルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート等から形成されるフィルム等を挙げることがで
きる。
【0016】紫外線吸収層とハードコート層とは接着剤
等を介して積層し、本発明でいう保護層とすることがで
きる。接着剤としては、後述する熱、光または電子線硬
化型の反応性接着剤等を用いることができる。また接着
剤として紫外線吸収剤を含有したものを用い、別に用意
したハードコート層をコレステリック液晶層に積層する
ことにより紫外線吸収性およびハードコート性を有した
保護層を形成することもできる。また接着剤には必要に
応じて染料、顔料、界面活性剤等を適宜添加してもよ
い。
【0017】さらにハードコート層としては、グラビア
インキ用ビヒクル樹脂等も好適に用いることができる。
グラビアインキ用ビヒクル樹脂としては、例えばニトロ
セルロース、エチルセルロース、ポリアミド樹脂、塩化
ビニル、塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリウ
レタン、ポリエステル等が挙げられる。またグラビアイ
ンキ用ビヒクル樹脂中に接着性向上や皮膜強度向上の為
に、例えばエステルガム、ダンマルガム、マレイン酸樹
脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、キ
シレン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂等のハードレジン
を配合してもよい。
【0018】またハードコート層の構成は、要求される
耐候性等に応じてハードコート層1層または複合層にす
ることができる。複合層としては、例えばオルガノポリ
シロキサンを含むハードコート層、光硬化型樹脂を含む
ハードコート層、熱硬化型樹脂を含むハードコート層、
無機化合物を含むハードコート層等、それぞれを組み合
わせて2層以上からなる複合層をハードコート層として
用いることもできる。
【0019】さらにハードコート性の度合い、すなわち
硬度としては本発明の転写用素子を構成する材質により
一概に決定できないが、JIS L 0849記載の試
験法に準じて評価を行った場合、変色の判定基準として
少なくとも3以上、好ましくは4以上であることが望ま
しい。
【0020】本発明の構成要素である保護層、また保護
層を構成する紫外線吸収層およびハードコート層の成膜
法は、通常ロールコート法、ディッピング法、グラビア
コート法、バーコード法、スピンコート法、スプレーコ
ート法、プリント法等の公知の方法を採用することがで
きる。これら方法によりコレステリック液晶層上、また
は支持フィルム上に成膜した後、使用した保護層形成材
料に応じた後処理を施すことにより保護層を形成するこ
とができる。また紫外線吸収層とハードコート層との複
合層からなる保護層の形成方法としては、例えば紫外線
吸収層に直接ハードコート剤を塗布形成する方法、接着
剤等を介して積層する方法等が挙げられる。
【0021】保護層の膜厚は、紫外線吸収性およびハー
ドコート性のそれぞれが求められる性能に応じて異なる
ため一概には言えないが、通常0.1〜100μm、好
ましくは1〜50μmである。また保護層が紫外線吸収
層およびハードコート層との複合層から形成される場合
も、各層の全膜厚が上記範囲に入ることが望ましい。
【0022】本発明の構成要素であるコレステリック液
晶層とは、コレステリック配向が固定化された例えばコ
レステリック液晶フィルム、シート、板状物であれば特
に制限されるものではない。またコレステリック液晶フ
ィルムは、高分子液晶、低分子液晶またはこれら混合物
等を主成分とするフィルム材料から形成することができ
る。
【0023】高分子液晶としては、コレステリック配向
が固定化できるものであれば特に制限はなく、主鎖型、
側鎖型高分子液晶等いずれでも使用することができる。
具体的にはポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエステルイミドなどの主鎖型液晶ポリマー、あ
るいはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマ
ロネート、ポリシロキサンなどの側鎖型液晶ポリマーな
どが挙げられる。なかでもコレステリック配向を形成す
る上で配向性が良く、合成も比較的容易である液晶性ポ
リエステルが望ましい。ポリマーの構成単位としては、
例えば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族ある
いは脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
【0024】また低分子液晶としては、例えばアクリロ
イル基、ビニル基やエポキシ基等の官能基を導入したビ
フェニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチル
ベン誘導体などを基本骨格としたものが挙げられる。ま
た低分子液晶としては、ライオトロピック性、サーモト
ロピック性のどちらも用いることができるが、サーモト
ロピック性を示すものが作業性、プロセス等の観点から
より好適である。
【0025】コレステリック配向を固定化する方法は公
知の方法、例えば高分子液晶をフィルム材料として用い
る場合には、配向基板上に高分子液晶を配した後、熱処
理等によってコレステリック液晶相を発現させ、その状
態から急冷してコレステリック配向を固定化する方法を
用いることができる。また低分子液晶をフィルム材料と
して用いる場合には、配向基板上に低分子液晶を配した
後、熱処理等によってコレステリック液晶相を発現さ
せ、その状態を維持したまま光、熱または電子線等によ
り架橋させてコレステリック配向を固定化する方法等を
適宜採用することができる。配向基板としては、コレス
テリック配向阻害になるものでなければ特に限定され
ず、例えばガラス基板またはプラスチックフィルム、プ
ラスチックシート等のプラスチック基板を例示すること
ができる。ガラス基板としては、ソーダガラス、シリカ
コートソーダガラス、ホウケイ酸ガラス基板等を例示と
して挙げることができる。またプラスチック基板として
は、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレン
サルファイド、アモルファスポリオレフィン、トリアセ
チルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート基板等を例示することができる。こ
れらの配向基板には必要に応じて一軸または二軸延伸操
作を適宜加えることもできる。さらに配向基板として、
本発明の構成要素である回折素子層を配向基板として用
いることもできる。
【0026】またコレステリック液晶層の耐熱性等を向
上させるために、フィルム材料に高分子液晶や低分子液
晶の他に例えばビスアジド化合物やグリシジルメタクリ
レート等の架橋剤を添加することもでき、これら架橋剤
を添加することによりコレステリック相を発現させた状
態で架橋させることもできる。さらにフィルム材料に
は、二色性色素、染料、顔料等の各種添加剤を適宜添加
することもできる。
【0027】本発明の構成要素であるコレステリック液
晶層の構成は、通常、コレステリック配向が固定化され
たコレステリック液晶フィルム1層からなる。また用途
や要求される光学特性に応じてコレステリック液晶フィ
ルムを複数層積層してなる構成であってもよい。
【0028】コレステリック液晶層の厚さは、通常0.
3〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好
ましくは0.7〜3μmである。この範囲を外れた場
合、後述する回折素子層との積層体における特異な光学
特性効果を発現できない恐れがある。なお複数層のコレ
ステリック液晶フィルムから構成される場合には、その
全フィルムの膜厚の合計が上記範囲に入ることが望まし
い。
【0029】本発明の構成要素である接着剤層1として
は、特に限定されるものではなく、従来公知の様々な
熱、光または電子線硬化型の反応性接着剤等を適宜用い
ることができる。中でも光または電子線硬化型の反応性
接着剤が好ましく用いられる。反応性接着剤としては、
光または電子線重合性を有するプレポリマーおよび/ま
たはモノマーに必要に応じて他の単官能、多官能性モノ
マー、各種ポリマー、安定剤、光重合開始剤、増感剤等
を配合して用いることができる。
【0030】光または電子線重合性を有するプレポリマ
ーとしては、具体的にはポリエステルアクリレート、ポ
リエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、ポリウレタンメタクリレート、エポキシアクリレー
ト、エポキシメタクリレート、ポリオールアクリレー
ト、ポリオールメタクリレート等を例示することができ
る。また光または電子線重合性を有するモノマーとして
は、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、2官
能アクリレート、2官能メタクリレート、3官能以上の
多官能アクリレート、多官能メタクリレート等が例示で
きる。またこれらは市販品を用いることもでき、例えば
アロニックス(アクリル系特殊モノマー、オリゴマー;
東亞合成(株)製)、ライトエステル(共栄社化学
(株)製)、ビスコート(大阪有機化学工業(株)製)
等も本発明に用いることができる。
【0031】また光重合開始剤としては、例えばベンゾ
フェノン誘導体類、アセトフェノン誘導体類、ベンゾイ
ン誘導体類、チオキサントン類、ミヒラーケトン、ベン
ジル誘導体類、トリアジン誘導体類、アシルホスフィン
オキシド類、アゾ化合物等を用いることができる。
【0032】本発明に用いることができる光または電子
線硬化型の反応性接着剤の粘度は、接着剤の加工温度等
により適宜選択するものであり一概にはいえないが、通
常25℃で10〜2000mPa・s、好ましくは50
〜1000mPa・s、さらに好ましくは100〜50
0mPa・sである。粘度が10mPa・sより低い場
合、所望の厚さが得られ難くなる。また2000mPa
・sより高い場合には、作業性が低下する恐れがあり望
ましくない。粘度が上記範囲から外れている場合には、
適宜、溶剤やモノマー割合を調整し所望の粘度にするこ
とが好ましい。
【0033】また光硬化型の反応性接着剤を用いた場
合、その接着剤の硬化方法としては公知の硬化手段、例
えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ、キセノンランプ等を使用することができ
る。また露光量は、用いる反応性接着剤の種類により異
なるため一概にはいえないが、通常50〜2000mJ
/cm2、好ましくは100〜1000mJ/cm2であ
る。
【0034】また電子線硬化型の反応性接着剤を用いた
場合、その接着剤の硬化方法としては、電子線の透過力
や硬化力により適宜選定されるものであり一概にはいえ
ないが、通常、加速電圧が50〜1000kV、好まし
くは100〜500kVの条件で照射して硬化すること
ができる。
【0035】接着剤層1の厚さは、用いられる用途やそ
の作業性等により異なるため一概にはいえないが、通常
0.5〜50μm、好ましくは1〜10μmである。ま
た接着剤層1の形成方法としては、後述する本発明の転
写用素子の製造方法により異なるが、例えばロールコー
ト法、ダイコート法、バーコート法、カーテンコート
法、エクストルージョンコート法、グラビアロールコー
ト法、スプレーコート法、スピンコート法等の公知の方
法を用いてコレステリック液晶層または回折素子層上等
に形成することができる。
【0036】本発明の構成要素である回折素子層として
は、層に透過率、厚み、屈折率の差等を設けることで回
折効果を持たせたものであれば特に限定されるものでは
ない。例えば表面に凹凸を設けたレリーフホログラムや
内部に屈折率差を設けた体積位相ホログラム等を好適に
用いることができる。また一般に市販されている例えば
Edmund Scientific社製Commer
cial Grade刻線式回折格子、透過型回折格子
フィルム、JOBIN YVON社製Ruled Gr
ating等などを用いることもできる。
【0037】レリーフホログラムを形成する材料として
は、例えば塩化ビニル、ポリエステル、アクリル系樹
脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂や、アクリル系
等の光硬化性樹脂などが挙げられる。またレリーフホロ
グラムには、回折像の見映えを良くするために、アルミ
ニウムの薄膜を蒸着等で設ける場合がある。このような
レリーフホログラムも回折素子層として用いることがで
きる。
【0038】体積位相ホログラムを形成する材料も特に
限定されるものではなく、例えば銀塩フィルム、重クロ
ム酸ゼラチン、感光性樹脂等を材料として用いることが
できる。回折素子層の厚さは、通常0.3〜20μm、
好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは0.7
〜3μmである。この範囲を外れた場合、コレステリッ
ク液晶層との積層体における特異な光学特性効果を有効
に発現できない恐れがある。本発明の構成要素である接
着剤層2は、被転写物と回折素子層との間の接着を目的
として形成されるものである。接着剤層2としては、特
に限定されるものではなく、従来公知の様々な粘・接着
剤、具体的にはホットメルト型接着剤、また本発明の構
成要素である接着剤層1で説明した光または電子線硬化
型の反応性接着剤等を適宜用いることができる。なかで
も転写時の作業性の観点からホットメルト型接着剤が本
発明では好適に用いられる。
【0039】ホットメルト型接着剤としては特に制限は
ないが、ホットメルトの作業温度が250℃以下、好ま
しくは80〜200℃、さらに好ましくは100〜16
0℃程度のものが作業性等の観点から望ましく用いられ
る。具体的には、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、熱可塑性ゴム系、ポリアクリル系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアセタール系樹脂、石油系樹脂、テル
ペン系樹脂、ロジン系樹脂等をベース樹脂とするホット
メルト接着剤を用いることができる。
【0040】接着剤層2の厚さは、用いられる用途やそ
の作業性等により異なるため一概にはいえないが、通常
0.5〜50μm、好ましくは1〜10μmである。ま
た接着剤層2の形成方法としては、後述する本発明の転
写用素子の製造方法により異なるが、例えばロールコー
ト法、ダイコート法、バーコート法、カーテンコート
法、エクストルージョンコート法、グラビアロールコー
ト法、スプレーコート法、スピンコート法等の公知の方
法を用いて回折素子層上等に形成することができる。
【0041】本発明の転写用素子を構成する支持基板と
コレステリック液晶層との間には中間層を有することも
できる。中間層としては、例えば接着剤層、離型層等を
挙げることができる。接着剤層としては、特に制限され
るものではないが、例えば先に説明した光または電子線
硬化型の反応性接着剤を適宜用いることができる。また
離型層としては、例えば熱により流動性を示すワック
ス、シリコーン、フッ素系離型剤等から形成することが
できる。なお本発明の転写用素子を構成する支持基板と
保護層との間には、接着剤層および離型層の2層を中間
層として構成することもできる。
【0042】本発明の転写用素子の製造方法としては、
(1)支持基板上に順次本発明の構成となるように積層
する、(2)表面にあらかじめ接着剤層を形成した支持
基板に、別途作製した残りの積層体を、加圧、加熱、硬
化等の手段を単独または組み合わせて貼合する、(3)
支持基板に、別途作製した残りの積層体を剥離性基板上
に用意しておき、支持基板側へ加圧、加熱、硬化等の手
段を単独または組み合わせて転写して剥離性基板を取り
除く、といった方法等が挙げられる。
【0043】ここで剥離性基板とは、剥離性を有し、自
己支持性を具備する基板であれば特に限定されず、該基
板としては、通常剥離性を有するプラスチックフィルム
が望ましく用いられる。またここでいう剥離性とは、接
着剤を介しコレステリック液晶性フィルム層と剥離性基
板を接着した状態において、接着剤と剥離性基板との界
面で剥離できることを意味する。このような剥離性基板
としては、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、
4−メチルペンテン−1樹脂等のオレフィン系樹脂、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリケトンサルファイド、ポリスルフォン、ポリス
チレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレン
オキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリアリレート、ポリアセタール、
ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース
系プラスチック等が挙げられる。これらのプラスチック
フィルムはそれ自身を用いてもよいし、適度な剥離性を
持たせるためにこれらのプラスチックフィルム表面に、
シリコーンやフッ素樹脂をコートしたもの、有機薄膜ま
たは無機薄膜を形成したもの、化学的処理を施したも
の、蒸着や表面研磨等の物理的処理を施したものも用い
ることができる。
【0044】またコレステリック液晶層を剥離性基板に
転写する際に用いられる接着剤としては、特に限定され
るものではないが、望ましくは上述にて説明した熱、光
または電子線硬化型の反応性接着剤等を適宜用いること
ができる。
【0045】さらに上記製法例における剥離除去方法と
しては、例えば配向基板や剥離性基板のコーナー端部に
粘着テープを貼り付けて人為的に剥離する方法、ロール
等を用いて機械的に剥離する方法、構造材料全てに対す
る貧溶媒に浸積した後に機械的に剥離する方法、貧溶媒
中で超音波をあてて剥離する方法、配向基板または剥離
性基板とコレステリック液晶層との熱膨張係数の差を利
用し、温度変化を与えて剥離する方法等を適宜採用する
ことができる。
【0046】なお上記製造方法は、あくまでも例示であ
り本発明の転写用素子はこれらに限定されるものではな
い。
【0047】また本発明の転写用素子は、該素子を構成
する接着剤層2の種類にもよるが、例えばポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポ
リケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリ
スルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ
プロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルア
ルコール、ポリアセタール、ポリアリレート、セルロー
ス系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等
のシート、フィルムあるいは各種成型品、または紙、合
成紙等の紙類、金属箔、ガラス等の様々な被転写物に対
して支持基板からコレステリック液晶層と回折素子層と
からなる光学素子を転写することができる。また本発明
の構成要素である接着剤としてホットメルト型接着剤を
用いた場合には、加熱、加圧、衝撃を瞬時に加えること
ができるいわゆるホットスタンプ装置を用いた際には、
転写、剥離、除去の一連の操作が同時に、また瞬時に行
うことが可能である。
【0048】本発明の転写用素子は、回折光が円偏光性
を有するという、従来の光学部材には無い特異な効果を
有するコレステリック液晶層および回折素子層からなる
光学素子を被転写物に転写することができ、また転写さ
れた光学素子は新たな回折機能素子として応用範囲は極
めて広く、種々の光学用素子や光エレクトロニクス素
子、装飾用部材、偽造防止用素子等として使用すること
ができる。
【0049】具体的に光学用素子や光エレクトロニクス
素子としては、例えば支持基板として透明かつ等方なフ
ィルム、例えばフジタック(富士写真フィルム(株)
製)、コニカタック(コニカ(株)製)などのトリアセ
チルセルロースフィルム、TPXフィルム(三井化学
(株)製)、アートンフィルム(日本合成ゴム(株)
製)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン(株)製)、
アクリプレンフィルム(三菱レーヨン(株)製)等に本
発明の転写用素子を用いてコレステリック液晶層および
回折素子層からなる光学素子を転写し、光学積層体を得
ることによって様々な光学用途への展開を図ることが可
能である。例えば前記光学積層体をTN(twiste
d nematic)−LCD(Liquid Cry
stal Display)、STN(Super T
wisted Nematic)−LCD、ECB(E
lectrically Controlled Bi
refringence)−LCD、OMI(Opti
cal Mode Interference)−LC
D、OCB(Optically Compensat
ed Birefringence)−LCD、HAN
(Hybrid Aligned Nematic)−
LCD、IPS(In Plane Switchin
g)−LCD等の液晶ディスプレーに備えることによっ
て色補償および/または視野角改良された各種LCDを
得ることができる。また前記光学積層体を上記したよう
に分光された偏光を必要とする分光光学機器、回折現象
により特定の波長を得る偏光光学素子、光学フィルタ
ー、円偏光板、光拡散板等として用いることも可能であ
り、さらに1/4波長板と組み合わせることによって直
線偏光板を得ることもできる等、光学用素子や光エレク
トロニクス素子として従来にない光学効果を発現しうる
様々な光学部材を提供することができる。
【0050】装飾用部材としては、回折能による虹色呈
色効果とコレステリック液晶による色鮮やかな呈色効果
等を併せ持った新たな部材として、さまざまな製品等に
コレステリック液晶層と回折素子層とからなる光学素子
を転写することができる。また容易に該光学素子を転写
することができることから既存製品等に添付する、一体
化する等の方法によって、他の類似製品との差別化にも
大きく貢献することが期待できる。例えば、意匠性のあ
る回折パターンを組み込んだコレステリック液晶層と回
折素子層とからなる光学素子をガラス窓等に転写する
と、外部からはその視角によって回折素子層に起因する
回折パターンを伴ったコレステリック液晶特有の選択反
射が異なった色に見え、ファッション性に優れるものと
なる。また明るい外部からは内部が見え難く、それにも
かかわらず内部からは外部の視認性がよい窓とすること
ができる。
【0051】偽造防止用素子としては、回折素子および
コレステリック液晶のそれぞれの偽造防止効果を併せ持
った新たな偽造防止フィルム、シール、ラベル等として
用いることができる。具体的には本発明の転写用素子を
用いて例えば自動車運転免許証、身分証明証、パスポー
ト、クレジットカード、プリペイドカード、各種金券、
ギフトカード、有価証券等のカード基板、台紙等にコレ
ステリック液晶層と回折素子層からなる光学素子を転写
することによって、該光学素子をカード基板、台紙等と
一体化するまたは一部に設ける、具体的には貼り付け
る、埋め込む、紙類に織り込むことができる。また本発
明の転写用素子を構成する該光学素子は、回折素子層の
視角特性による偽造防止効果とコレステリック液晶層の
波長選択反射性、円偏光選択反射性、色の視角依存性お
よびコレステリックカラーの美しい色による偽造防止効
果とを併せ持ったものである。したがって本発明の転写
用素子を構成するコレステリック液晶層と回折素子層か
らなる光学素子の偽造は非常に困難である。
【0052】これらの用途はほんの一例であり、本発明
の転写用素子は、従来、回折素子単体、コレステリック
液晶性フィルム単体が使用されている各種用途や、新た
な光学的効果を発現することが可能であること等から前
記用途以外の様々な用途に、その特異な光学効果を発現
するコレステリック液晶層と回折素子層からなる光学素
子を容易に被転写物に転写することができることから、
様々な用途において応用展開が可能である。
【0053】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】(参考例1:アクリロイル基を有する低分
子液晶の合成)蒸留精製したテトラヒドロフラン180
gに、4−(6−アクリロイロキシヘキシルオキシ)安
息香酸151.3g(518mmol)と2,6−ジタ
ーシャリブチル−4−メチルフェノール1.5gを溶解
したものに、ジイソプロピルエチルアミン70.1g
(543mmol)を加えた溶液を、メタンスルホニル
クロリド62.1g(543mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液中を−10℃に冷却した中に攪拌しながら滴
下した。滴下終了後、該反応液を0℃まで昇温してさら
に攪拌した後、メチルヒドロキノン29.87g(24
6mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。さ
らに反応液を攪拌し、4−ジメチルアミノピリジン3.
0g(25mmol)をトリエチルアミン62.4g
(617mmol)に溶解したものを滴下した。滴下
後、反応液を0℃で1時間攪拌後、室温に昇温して5時
間攪拌した。反応終了後、反応液を1000mlの酢酸
エチルで希釈し、分液ロートに移した後、1規定塩酸で
分液し、さらに有機層を1規定塩酸、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和硫酸マグネシウム水溶液で洗浄し
た。有機層に100gの無水硫酸マグネシウムを加えて
室温で1時間攪拌することにより脱水・乾燥し、硫酸マ
グネシウムを濾別後、ロータリーエバポレーターにより
濃縮してメチルヒドロキノン−ビス(4−(6−アクリ
ロイロキシヘキシルオキシ)安息香酸)エステルを粗生
成物として得た。該粗生成物を酢酸エチル/メタノール
により再結晶することによりメチルヒドロキノン−ビス
(4−(6−アクリロイロキシヘキシルオキシ)安息香
酸)エステルを146.9gを白色結晶として得た(収
率85.2%)。化合物I−1のGPCによる純度は9
8.7%であった。GPCは溶出溶媒としてテトラヒド
ロフランを用い、高速GPC用充填カラム(TSKge
l G−1000HXL)を装着した東ソー製GPC分
析装置CCP&8000(CP−8000、CO−80
00、UV−8000)により行った。
【0055】得られたメチルヒドロキノン−ビス(4−
(6−アクリロイロキシヘキシルオキシ)安息香酸)エ
ステルを偏光顕微鏡下メトラーホットステージで観察す
ると、室温では結晶相、85℃付近でネマチック相に転
移し、さらに加熱すると115℃付近で等方相となっ
た。
【0056】(参考例2)参考例1と同様の手法を用
い、4−(6−アクリロイロキシヘキシルオキシ)安息
香酸32.5g(111mmol)、4−シアノフェノ
ール12.6g(106mmol)から34.8gの4
−シアノフェノール−4−(6−アクリロイロキシヘキ
シルオキシ)安息香酸エステル(収率84%)を得た。
4−シアノフェノール−4−(6−アクリロイロキシヘ
キシルオキシ)安息香酸エステルのGPCによる純度は
99.3%であった。
【0057】(参考例3:高分子液晶の合成)テレフタ
ル酸49mmol、メチルヒドロキノン24mmol、
カテコール25mmol、(R)−2−メチル−1,4
−ブタンジオール1.7mmolおよび酢酸ナトリウム
100mgを用いて窒素雰囲気下で、180℃で1時
間、200℃で1時間、250℃で1時間と段階状に昇
温しながら重縮合を行った。ついで窒素を流しながら2
50℃で2時間重縮合を続け、さらに減圧下同温度で1
時間重縮合を行った。得られたポリマーをテトラクロロ
エタンに溶解後、メタノールで再沈澱を行い、精製ポリ
マー(芳香族系ポリエステル)を得た。得られたポリマ
ーの対数粘度は0.150、ガラス転移点は90℃であ
った。
【0058】得られたポリマーの各分析方法は以下の通
りである。 (1)ポリマーの対数粘度 ウベローデ型粘度計を用い、フェノール/テトラクロロ
エタン=60/40(重量比)溶媒中、濃度0.5g/
100ml,30℃で測定した。 (2)ガラス転移点(Tg) Du Pont 990 Thermal Analizer を使用して測定した。 (3)液晶相の同定 オリンパス光学(株)製BH2偏光顕微鏡を用いて観察
した。
【0059】(実施例1)参考例1で得たメチルヒドロ
キノン−ビス(4−(6−アクリロイロキシヘキシルオ
キシ)安息香酸)エステルを7.0g、参考例2で得ら
れた4−シアノフェノール−4−(6−アクリロイロキ
シヘキシルオキシ)安息香酸エステルを1.07g、キ
ラルドーパント液晶S−811(ロディック社製)1.
93g、フッ素系界面活性剤S−383(旭硝子社製)
を1.5mgおよび光重合開始剤であるイルガキュア9
07(チバ−ガイギー社商品名)をアクリロイル基結合
化合物に対して3重量%を、N−メチル−2−ピロリド
ンの10重量%溶液を調製した。このN−メチル−2−
ピロリドン溶液をラビング処理した厚さ75μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製)に、塗
布し、溶媒を乾燥させ、80℃で熱処理して液晶分子を
配向させた後、室温下において紫外線を照射して、ポリ
エチレンテレフタレートフィルム上のフィルムを得た。
【0060】得られたフィルムを分光器V−500(日
本分光製)により透過スペクトルを評価したところ、赤
外線領域に近い780nm近辺に選択反射に由来する透
過光の低下領域が見られ、このフィルムが赤色光の選択
反射を示すコレステリック液晶性フィルムであることが
確認できた。次いでコレステリック液晶性フィルムに光
硬化型のアクリル系オリゴマーであるアロニックスM−
240(東亞合成(株)製商品名)20.0重量%およ
びM−320(東亞合成(株)製商品名)10.0重量
%をそれぞれ添加した紫外線硬化型の接着剤(東亞合成
(株)製アロニックスUV−3630)を介してポリフ
ェニレンサルファイドフィルムに転写し、コレステリッ
ク液晶性フィルムから配向基板として用いたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを剥離除去した。
【0061】ポリエチレンテレフタレートフィルムを除
去したコレステリック液晶性フィルム上に、アクリル系
フォトポリマーを用いて作製した厚み10μmの体積位
相ホログラムからなる回折フィルム層を、紫外線硬化型
接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630
(商品名)に添加)で接着し、回折フィルム/接着剤層/
コレステリック液晶性フィルム/接着剤からなる保護層
/ポリフェニレンサルファイドフィルムからなる積層体
を得た。次いで回折フィルム上にホットメルト接着剤層
を形成し、転写用素子を得た。得られた転写用素子を、
10cm角、厚さ1mmのポリ塩化ビニル製のプラスチ
ックシートの上に、ホットスタンプ装置を用いて140
℃で転写した。
【0062】その結果、ポリ塩化ビニルシートの右隅に
約1cm角の、保護層を有したコレステリック液晶性フ
ィルムと回折フィルムとからなる光学素子を転写するこ
とができた。なお転写用素子の支持基板であるポリフェ
ニレンサルファイドフィルムは、ホットスタンプ時に保
護層となる接着剤層との界面で剥離された。またホット
メルト接着剤層は、ポリ塩化ビニルシートと強固に接着
されていた。転写後、保護層を有したコレステリック液
晶性フィルムと回折フィルムとからなる光学素子に光を
当てると、鮮やかな選択反射光と回折光が観察された。
【0063】(実施例2)ラビング処理した厚さ75μ
mのポリフェニレンサルファイドフィルム(東レ(株)
製)の上に、参考例3で得た芳香族系ポリエステルの2
0重量%N−メチル−2−ピロリドン溶液をスピンコー
ト法で塗布、乾燥し、200℃で5分間熱処理して、金
色の選択反射を呈するフィルムを得た。
【0064】同フィルムの反射光を測定したところ中心
波長が約600nm、選択反射波長帯域幅が100nm
であるコレステリック液晶性フィルムであることが確認
された。次いでコレステリック液晶性フィルムに光硬化
型のアクリル系オリゴマーであるアロニックスM−24
0(東亞合成(株)製商品名)20.0重量%、M−3
20(東亞合成(株)製商品名)10.0重量%および
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(シプロ化成製シーソー
ブ106)5重量%をそれぞれ添加した紫外線硬化型の
接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−363
0)を介してポリエチレンテレフタレートフィルムに転
写し、コレステリック液晶性フィルムから配向基板とし
て用いたポリフェニレンサルファイドフィルムを剥離除
去した。
【0065】ポリフェニレンサルファイドフィルムを除
去したコレステリック液晶性フィルム上に、アクリル系
フォトポリマーを用いて作製した厚み10μmの体積位
相ホログラムからなる回折フィルム層を、紫外線硬化型
接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630
(商品名))で接着し、回折フィルム/接着剤層/コレス
テリック液晶性フィルム/接着剤からなる保護層/ポリ
エチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を得
た。次いで回折フィルム上にホットメルト接着剤層を形
成し、転写用素子を得た。
【0066】この転写用素子を、10cm角、厚さ1m
mのポリ塩化ビニル製のプラスチックシート上に、ホッ
トスタンプ装置を用いて140℃で転写した。その結
果、ポリ塩化ビニル製のプラスチックシートの右隅に約
1cm角の、保護層を有したコレステリック液晶性フィ
ルムと回折フィルムとからなる光学素子を転写すること
ができた。なお転写用素子の支持基板であるポリエチレ
ンテレフタレートフィルムは、ホットスタンプ時にコレ
ステリック液晶性フィルムから剥離した。また接着層
は、ポリ塩化ビニルシートと強固に接着されていた。
【0067】転写後、保護層を有したコレステリック液
晶性フィルムと回折フィルムとからなる光学素子に光を
当てると、転写前と同様に鮮やかな選択反射光と回折光
が観察された。ついで、ポリ塩化ビニルシート上の光学
素子の促進耐光性試験を島津製作所製キセノンアークラ
ンプ式耐光性試験機サンテスタCPSを用い、試料面放
射照度100W/m2(波長範囲300〜700n
m)、試験時間100時間という条件で行った。
【0068】試験の結果、光学素子の反射色と試験前の
反射色とを目視にて比較観察したところ、反射色に差異
が見られず、促進耐光性試験後でも回折パターンに起因
する虹色呈色特性とコレステリック液晶に特有の選択反
射特性が保たれていた。
【0069】次いでポリ塩化ビニルシート上の光学素子
の耐摩擦性試験をスガ試験機(株)製摩擦試験機FR−
I型を用いて行った。試験片として該積層体を保護層が
上面になるように固定し、摩擦子に乾燥状態の白綿布を
装着して試験片上10cmの間を50秒間50往復の摩
擦操作を行い、試験後のフィルムの保護層を目視観察し
たところ、保護層にほとんど傷は見られなかった。変色
の判定基準による評価は、4であった。
【0070】一方、アロニックスM−240、M−32
0およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤(シプロ化成製
シーソーブ106)を添加しない以外は全く同様に行っ
て得た光学素子では、促進耐光性試験後は回折パターン
に起因する虹色のコレステリック液晶に起因する選択反
射もほとんど認められなかった。また、耐摩擦性試験で
は、保護層に多数の傷が着き、全体が白濁したような状
態となった。
【0071】(実施例3)実施例2で得られた転写用素
子を用いて、A4サイズの紙の上に光学素子を転写する
ことを試みたところ、ポリ塩化ビニルシートを被転写物
としたときと同様、コレステリック液晶層に配向乱れや
割れ等、また回折フィルムや保護層にも割れ等が生じる
ことなく転写を行うことができた。また転写された保護
層を有したコレステリック液晶性フィルムと回折フィル
ムとからなる光学素子は、鮮やかな選択反射光と回折光
が観察された。
【0072】(実施例4)実施例2と同様に、ラビング
したポリフェニレンサルファイドフィルム上に金色の選
択反射を呈するコレステリック液晶性フィルムを得た。
次いでコレステリック液晶性フィルムに光硬化型のアク
リル系オリゴマーであるアロニックスM−240(東亞
合成(株)製商品名)20.0重量%、M−320(東
亞合成(株)製商品名)10.0重量%およびベンゾフ
ェノン系紫外線吸収剤(シプロ化成(株)製シーソーブ
106)5重量%をそれぞれ添加した紫外線硬化型の接
着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630)
を介してポリエチレンテレフタレートフィルムに転写
し、コレステリック液晶性フィルムから配向基板として
用いたポリフェニレンサルファイドフィルムを剥離除去
した。
【0073】ポリフェニレンサルファイドフィルムを除
去したコレステリック液晶性フィルム上に、アクリル系
フォトポリマーを用いて作製した厚み10μmの体積位
相ホログラムからなる回折フィルム層を、紫外線硬化型
接着剤(東亞合成(株)製アロニックスUV−3630
(商品名))で接着し、回折フィルム/接着剤層/コレス
テリック液晶性フィルム/接着剤からなる保護層/ポリ
エチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を得
た。次いで回折フィルム上にアクリル樹脂からなる粘着
層を形成し、転写用素子を作製した。
【0074】得られた転写用素子を、1cm角のサイズ
に切り出し、粘着層を介してガラス板に貼り合わせた。
次いで、転写用素子の支持基板であるポリエチレンテレ
フタレートフィルムにセロテープ(登録商標)を貼り、
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離除去した。
転写後の保護層を有したコレステリック液晶性フィルム
と回折フィルムとからなる光学素子に光を当てると、選
択反射光と同時に、回折光も観察された。また得られた
転写用素子を用い、同様にしてポリ塩化ビニルシートや
紙へ該光学素子を転写することができることを確認し
た。
【0075】
【発明の効果】本発明は、回折光が円偏光性を有すると
いった従来の光学素子には無い特異な特徴を有するコレ
ステリック液晶層と回折素子層とからなる光学素子を構
成要素とするものであり、該光学素子は新たな回折機能
素子としてその応用範囲は極めて広く、例えば光学用素
子、光エレクトロニクス素子、装飾用材料、偽造防止用
素子等として有用である。また本発明の転写用素子は、
特異な光学特性を示す該光学素子の特性を損なうことな
く、被転写物に容易に転写でき、またその作業性にも優
れている。また転写後の積層体は耐候性をはじめとする
各種耐性にも優れたものである。このようなことから本
発明の転写用素子は、種々の材料に特異な光学特性を付
与できる等、工業的価値が極めて高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板/保護層/コレステリック液
    晶層/接着剤層1/回折素子層/接着剤層2から少なく
    とも構成された転写用素子。
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