JP4306048B2 - 球状体揚送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、螺旋溝群が外周に形成された円柱体を回転させて球状体(パチンコ玉、ゴルフボール、野球ボール等)を揚送するための球状体揚送装置(以下、適宜「揚送装置」という)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでの揚送装置として、本出願人が出願した特願平9−233397号において提案した揚送装置(以下、「従来装置」という)201がある。図15に示す従来装置201は、外周面に螺旋溝群203が形成された円柱体205と、円柱体205の外周面を囲む案内部材207と、螺旋溝群203に球状体であるパチンコ玉を導入するための導入機構209と、を備え、螺旋溝群203が受け入れたパチンコ玉の露出部分に先の案内部材207が摩擦力を働かせ、この摩擦力と円柱体205の回転によりパチンコ玉を揚送するようになっている。導入機構209は、案内部材207の下方に位置し、各螺旋溝203が受け入れたパチンコ玉が通過できる隙間(空間部)を形成しながら、円柱体205の下端部を同心的に囲む短尺筒体211と、短尺筒体211の下端部で周方向に離間する導入孔群213と、短尺筒体211の内壁面の各導入孔213,213間に突出する案内片215と、を含み、パチンコ玉を各導入孔213から導入して各螺旋溝203に受け入れさせ、この各螺旋溝203が受け入れたパチンコ玉を円柱体205の回転により案内片215に沿って案内部材207の位置まで上昇させるようになっている。短尺筒体211は、その下端が駆動構造217の一部を構成する回転テーブル219に駆動連結されて、円柱体205と同方向に、かつ、円柱体205よりも低速で回転されるようになっている。従来装置は、短尺筒体211の回転によって短尺筒体211から見た円柱体205の回転速度が相対的に遅くなるので、これによって、パチンコ玉が螺旋溝群203に導入され易くなってパチンコ玉の揚送効率がよくなる、という特徴を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、短尺筒体211を回転させるように構成した結果、パチンコ玉の中に混入した異物やパチンコ玉に付着した汚れ等の予期せぬ原因によって短尺筒体211と円柱体205との間にパチンコ玉が詰まるおそれがある。パチンコ玉の詰まりは、円柱体205や短尺筒体211等の破損原因になりかねないので、何らかの対策が必要である。このような対策が必要なことは、パチンコ玉の揚送装置に限られるものではなく、ゴルフボールや野球ボール等の球状体の揚送装置についても事情は同じである。本発明が解決しようとする課題は、上述した不可避的な原因によってパチンコ玉(球状体)の詰まりが生じたときに、円柱体205や短尺筒体211等が破損することを未然に防止するようにすることによって、前述した従来装置の持つ利点を損なうことなく、さらに、使い勝手のよい揚送装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために本発明は、前述の本出願人提案の従来装置にさらに駆動構造と短尺筒体との駆動連結を解除するクラッチ構造を備えさせた。その詳しい内容については、次項以下において請求項ごとに説明する。なお、何れかの請求項の説明において記載した用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項の説明にも適用されるものとする。
【0005】
請求項1の発明の構成
請求項1の発明に係る球状体の揚送装置(以下、「請求項1の揚送装置」という)は、外周面に螺旋溝群が形成された円柱体と、円柱体を回転駆動するための円柱体駆動機構と、螺旋溝群に導入された球状体群を案内するための案内部材と、螺旋溝群に球状体群を導入するために前記円柱体の下端部を同心的に囲む短尺筒体と、を備えている。請求項1の揚送装置の特徴は、短尺筒体を回転駆動するための駆動構造と、短尺筒体と前記駆動構造とを連結するためのクラッチ構造と、を備え、クラッチ構造は、短尺筒体に加わった過負荷(設定した負荷以上の負荷)を検知したときに駆動構造との連結を解除するように構成され、前記円柱体駆動機構は、前記駆動構造との連結を解除した後であっても、前記円柱体を継続して回転するように構成されていることにある。「駆動構造」は、短尺筒体を回転駆動できるのであればどのような構造でもよく、短尺筒体を単独で回転駆動するように構成してもよいし、円柱体駆動機構と駆動源を共有するように構成してもよい。短尺筒体の回転方向は、円柱体の回転方向と同方向でも逆方向でもよいが、同方向とするのが一般的である。さらに、円柱体と短尺筒体との間の相対速度を遅くして螺旋溝群が球状体を導入し易くするために、短尺筒体の回転速度を円柱体の回転速度より低速で回転するように構成することが好ましい。「クラッチ構造」は、かみ合いクラッチや摩擦クラッチ等の機械式クラッチが一般的であるが、機械式クラッチ以外の流体クラッチや電磁クラッチなどを用いてもよい。なお、円柱体と円柱体駆動機構とを連結するための円柱体用クラッチ構造を必要に応じて設けてもよい。
【0006】
請求項1の発明の作用効果
請求項1の揚送装置の作用効果は、次のとおりである。円柱体駆動機構によって円柱体は回転駆動され、駆動構造によって短尺筒体が回転駆動される。短尺筒体は回転しながら円柱体の螺旋溝群に球状体を導入し、導入された球状体は円柱体の回転と案内部材との相互作用によって揚送される。短尺筒体に適正負荷が加わっている間は、駆動構造と短尺筒体とはクラッチ構造によって連結され続け、球状体の詰まりによって短尺筒体に過負荷が加わったときにこの過負荷を検知し両者間の連結を解除する。この解除によって短尺筒体は回転駆動されなくなり、短尺筒体の破損等が未然に防止される。さらに、クラッチ構造が駆動構造との連結を解除した後であっても、円柱体は継続して回転するように円柱体回転機構が構成されていることによって、円柱体外周面の螺旋溝群に導入された球状体は短尺筒体の回転と関係なく揚送される。球状体の詰まり具合によっては、円柱体と短尺筒体とが一体になって回転する場合もある。何れにしろ、円柱体の継続回転によって螺旋溝群内の球状体が揚送(排出)され、短尺筒体より上方の螺旋溝郡内の球状体がなくなる。これによって、詰まった球状体の取り除き等の作業を行なうために螺旋溝郡内の球状体を抜き取る作業が不要になる。
【0007】
請求項2の発明の構成
請求項2に記載した発明に係る球状体揚送装置(以下、「請求項2の揚送装置」という)は、請求項1の揚送装置の構成に限定が加わり、駆動構造は、短尺筒体を摺動(接触してすり動く)可能に載置するための回転テーブルを含み、クラッチ構造は、短尺筒体と回転テーブルとの間を連結するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明の作用効果
請求項2の揚送装置は、請求項1の揚送装置の作用効果に加え、クラッチ構造が短尺筒体と駆動構造との間に連結を解除した後は、回転テーブルは短尺筒体の下端面に接触しながら回転する、という作用効果を生じる。短尺筒体を摺動可能に載置できるように回転テーブルを構成したので、両者を物理的に遊離させることによって連結解除するような複雑なクラッチ構造を採用することが不要になる。すなわち、主としてパチンコ遊技場で用いられる揚送装置は、限られたスペース内に設置されることが多いので、比較的大きな占有面積を要する複雑なクラッチ構造を採用することは一般的に難しい。そこで、短尺筒体と回転テーブル(の上面)を接触させたまま連結解除できるようなクラッチ構造であれば、限られたスペース内でも設置できる、という利点がある。
【0009】
請求項3の発明の構成
請求項3に記載した発明に係る球状体揚送装置(以下、「請求項3の揚送装置」という)は、請求項2の揚送装置の構成、特にクラッチ構造の構成に限定が加わったものである。すなわち、請求項3の揚送装置は、請求項2の構成に加え、短尺筒体は、短尺筒体下端部から放射方向に延びる環状(平面視したときに略円形の)鍔部を含み、クラッチ構造は、環状鍔部に設けられた掛合部(切欠、凹み、孔等)と、回転テーブルに設けられた掛合機構部と、を含み、掛合機構部は、掛合部と掛合(機械的なかみ合い等)する突出掛合片と、突出掛合片を進退可能に支持する可動支持部材と、可動支持部材を少なくとも突出方向に付勢するための付勢手段(バネ部材等)と、を含み、掛合部と突出掛合片とは、加わった過負荷によって短尺筒体の回転速度と回転テーブルの回転速度との間に差が生じて掛合部と突出掛合片との相対位置がずれたときに、付勢手段の付勢力に抗しながら突出掛合片を後退方向に押し込むような形状に形成されていることを特徴とする。短尺筒体の回転速度と回転テーブルの回転速度との間の差は、短尺筒体の回転速度が回転テーブルの回転速度より速い場合と遅い場合の両者を含む趣旨である。
【0010】
請求項3の発明の作用効果
請求項3の揚送装置は、請求項2の揚送装置の作用効果に加え、短尺筒体と回転テーブル(駆動構造)との間の連結の断続が掛合部(環状鍔部)と回転テーブルの突出掛合片(掛合機構部)とによって行われる、という作用効果を生じる。正常負荷時の突出掛合片は、付勢手段によって突出方向に付勢され、これによって掛合部と掛合する。球状体の詰まりによって短尺筒体に過負荷が加わると、これによって短尺筒体の回転にブレーキがかかったり加速されたりして短尺筒体の回転速度と回転テーブルの回転速度との間に差が生じる。このため、掛合部と突出掛合片との相対位置にずれが生じるので、このずれによって突出掛合片は付勢手段の付勢力に抗しながら後退方向に押し込まれる。突出掛合片が押し込まれることによって掛合、すなわち連結が解除される。突出掛合片は、可動支持部材によって突出と後退ができるように支持されている。
【0011】
請求項4の発明の構成
請求項4に記載した発明に係る球状体揚送装置(以下、「請求項4の揚送装置」という)は、請求項3の揚送装置の構成、特にクラッチ構造の構成に限定が加わったものである。すなわち、請求項4の揚送装置は、請求項3の揚送装置の構成に限定が加わり、掛合部は、環状鍔部外周に形成された掛合凹部によって構成され、付勢手段は、前記突出掛合片両側部から側方に延びる可撓性を有する可撓アームによって構成されている。可動支持部材には、突出掛合片を進退方向にスライド可能に支持するための支持溝と、支持溝を横切って形成された両可撓アームを収納するための収納溝と、が形成されている。収納溝は、両可撓アームの両先端部が当接する両終端部を備えるとともに両先端部を支点として両可撓アームが撓みうる形状に形成され、突出掛合片は、両可撓アームの撓みに応じて生じる応力によって少なくとも突出方向に押圧されるように構成されている。
【0012】
請求項4の発明の作用効果
請求項4の揚送装置は、請求項3の揚送装置の作用効果に加え、次の作用効果を生じる。すなわち、短尺筒体と駆動構造との連結は、短尺筒体の環状鍔部外周に形成された掛合凹部と、この掛合凹部に掛合する突出掛合片とによって行われる。突出掛合片を突出方向、すなわち、掛合させる方向への付勢は、両可撓アームの内部に生じる応力によって行われる。両可撓アームの応力は、収納溝内で生じる両可撓アームの撓み(変形)に応じて発生する。
【0013】
請求項5の発明の構成
請求項5に記載した発明に係る球状体揚送装置(以下、「請求項5の揚送装置」という)は、請求項4の揚送装置の構成に限定が加わり、突出掛合片と両可撓アームとは、一体成形された可撓性合成樹脂材によって構成されていることを特徴とする。「一体成形」は、金型によって成形される場合と部材を削るなどして成形する場合の両者を含む概念である。可撓性合成樹脂材の例として、ジュラコン(商品名)と呼ばれる共重合系ポリアセタールがある。
【0014】
請求項5の発明の作用効果
請求項5の揚送装置は、請求項4の揚送装置の作用効果に加え、突出掛合片と両可撓アームとを一体成形したので、突出掛合片と付勢部材とを単純な構造によって構成することができるとともに、これらを別々に製造する場合に比べてコストを下げることができ組立の手間も省ける、という作用効果を生じる。
【0015】
請求項6の発明の構成
請求項6に記載した発明に係る球状体揚送装置(以下、「請求項6の揚送装置」という)は、請求項3乃至5の何れかの揚送装置の構成に限定が加わり、付勢手段は、付勢力の大きさを可変設定できるように構成されていることを特徴とする。付勢力の大きさを可変設定する方法は、たとえば、付勢手段自体が付勢力を可変設定できるように構成する方法や、付勢手段を構成する部材の一部又は全部が相異なる付勢力の大きさに応じて複数種類用意しておき、この一部又は全部の部材を取り換えることによって付勢力を可変設定できるように構成する方法がある。
【0016】
請求項6の発明の作用効果
請求項6の揚送装置は、請求項3乃至5の何れかの揚送装置の作用効果に加え、付勢力の大きさを可変設定することによって、たとえば、揚送しようとする球状体の種類や表面状態(汚れ具合等)、湿度や温度等の使用環境に合わせることができる、という作用効果を生じる。すなわち、短尺筒体に加わる過負荷は、上述した球状体の種類や表面状態等によって異なるので、異なる過負荷に適切に対応することによって、構成部材の破損等を未然に防ぐことができる。
【0017
請求項7の発明の構成
請求項に記載した発明に係る球状体揚送装置(以下、「請求項の揚送装置」という)は、外周面に螺旋溝群が形成された円柱体と、前記円柱体を回転駆動するための円柱体駆動機構と、前記螺旋溝群に導入された球状体群を案内するための案内部材と、前記螺旋溝群に球状体群を導入するために前記円柱体の下端部を同心的に囲む短尺筒体と、を備えている。請求項7の揚送装置は、前記短尺筒体を回転駆動するための駆動構造と、前記短尺筒体と前記駆動構造とを連結するためのクラッチ構造と、を備え、前記クラッチ構造は、前記短尺筒体に加わった過負荷を検知したときに前記駆動構造との連結を解除するように構成され、クラッチ構造が駆動構造との連結を解除する際に、円柱体回転機構に含まれる駆動モータへの電力供給を遮断するように構成されていることを特徴とする。「電力供給を遮断する」ための方法として、たとえば、突出掛合片の後退運動を利用して直接間接に駆動モータの電源を遮断するように構成する方法がある。
【0018
請求項7の発明の作用効果
請求項の揚送装置の作用効果は、次のとおりである。円柱体駆動機構によって円柱体は回転駆動され、駆動構造によって短尺筒体が回転駆動される。短尺筒体は回転しながら円柱体の螺旋溝群に球状体を導入し、導入された球状体は円柱体の回転と案内部材との相互作用によって揚送される。短尺筒体に適正負荷が加わっている間は、駆動構造と短尺筒体とはクラッチ構造によって連結され続け、球状体の詰まりによって短尺筒体に過負荷が加わったときにこの過負荷を検知し両者間の連結を解除する。この解除によって短尺筒体は回転駆動されなくなり、短尺筒体の破損等が未然に防止される。さらに、クラッチ構造が駆動構造との連結を解除する際に駆動モータへの電力供給が遮断されるので、球状体が詰まってこれにより短尺筒体の回転速度が遅くなったときに円柱体の回転も自然停止する。これによって、円柱体の破損等をも未然に防ぐことができる、という作用効果が生じる。
【0019
【発明の実施の形態】
次に、各図を参照しながら、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。図1は本実施形態に係る揚送装置の斜視図であり、図2は揚送装置下端部の部分破断図である。図3は図2のX−X線を含む断面を矢印方向に見た概略図であり、図4はクラッチ構造の分解斜視図である。図5は図3のY−Y線を含む断面を矢印方向に見た外略図であり、図6は突出掛合片の平面図である。図7及び8は、クラッチ構造を、図3の紙面裏側から回転テーブルを省略して表した底面図であり、図9はクラッチ構造の作用を示す平面図である。図10は円柱体駆動機構(駆動構造)の概略図である。なお、以下の説明は、本実施形態に係る揚送装置がパチンコ玉の揚送装置であることを前提に行なう。
【002
揚送研磨装置の基本構造
図1(a)に示す揚送研磨装置1は、最下端に位置するベース18から縦方向に起立する外筒2と、外筒2の下端(ベース18の上面)に配したパチンコ玉供給用の周囲ボックス20と、周囲ボックス20のほぼ中央部に位置する導入手段16と、駆動源となるモータ(円柱体回転手段、短尺筒体回転手段)30とを備えている。外筒2は、図1(c)及び2に示すように、断面円形の内部空間部3を備え、この内部空間部3の中で円柱体8を回転させるようになっている。円柱体8は、その外周面に複数の螺旋溝10,10...を備えており、後述する駆動伝達手段により回転駆動されるようになっている。さらに、外筒2の内周面と円柱体8との間に円柱体8の周りに配した研磨シート(研磨部材)12がある。本実施形態の研磨シート12は、パチンコ玉を研磨するとともに上昇案内するための案内部材の役割を果たしている。研磨シート12は外筒2に簡単に取り外せるように固定してあり、取り外した使用済み研磨シート12は、リサイクルしやすいように、洗浄したり他の研磨シート12と交換できるようにしている。
【002
外筒の構成
図1(a),(b)及び2に示す外筒2は、外筒本体5と、この外筒本体5にヒンジ結合した片開きドア6を有し、片開きドア6は、部分的な開閉ができるように上中下三段に分割されている。図1(a)に示すように外筒2の上端には、玉送出ユニット14を簡単に取り外せるようにボルト(図示を省略)で固定され、円柱体8も取り付けや取り外し等が容易にできるようになっている。
【002
外筒下端部の構成
図1及び2に示すように外筒2の下方領域に、パチンコ玉を取り込むための導入手段16を設け、この導入手段16の回りを囲むように矩形の周囲ボックス20を配している。周囲ボックス20は、図1に示すようにベース18に固定してある。周囲ボックス20は、短尺筒体40を包囲するとともに円柱体8の中心側が外側よりも下位に(中央部)に向かって傾斜するすり鉢状の投入転動面21を備え、この投入転動面21の傾斜を利用して玉集め室19に入り込んだパチンコ玉をその中央部に位置する導入手段16の周辺に集めるようになっている。
【002
投入転動面の構成
図1及び2に示すように、投入転動面21は、射出成形された合成樹脂によって構成され、前述したように周囲ボックス20の中央部に向かって傾斜しており、この傾斜を利用して玉集め室19に入り込んだ数珠つなぎ状態のパチンコ玉群をその中央部に位置する短尺筒体40の周辺に集めるようになっている。図2に示すように投入転動面21は、その中心側から外側に向かって、短尺筒体40を隣接包囲する(隣り合わせに囲む)下流転動面22と、段差部を構成する段差傾斜面23を介して下流転動面22を包囲する連結傾斜面24と、連結傾斜面24を包囲する上流転動面25と、を備え、各面は、短尺筒体40の軸線と同心状に形成されている。このような構成を備える投入転動面21は、上流転動面25上のパチンコ玉群の自重を連結傾斜面24と段差傾斜面23を介して下流転動面22上のパチンコ玉群に作用させて短尺筒体40方向に押圧するように構成されている。
【0024
円柱体の構成
図1(b)及び2に示す円柱体8は硬質の合成樹脂製であって、先に述べたように、その外周面に複数の螺旋溝10,10を備えている。各螺旋溝10は、円柱体8の外周面を削る(彫る)等により形成する方法が一般的であるが、円柱体8の外周に山筋を設けることにより山筋と山筋との間に螺旋溝10を形成する方法もある。なお、螺旋「溝」は、パチンコ玉の一部分を露出させ、他の部分を受け入れられるための実質的な通路を形成していればどのような形態であってもよい。たとえば、上述した山筋を一定間隔を介して突き刺したピン等によって構成してもよい。各螺旋溝10は、円柱体8の外周面を無駄なく利用して揚送効率を高めるために並列に配置している。並列に配置すれば、各螺旋溝10,10間を必要以上に疎にしなくて済むからである。
【0025
螺旋溝10の条数は、少なくとも1条あればよいが、パチンコ玉の直径とともに円柱体8の直径や螺旋溝10の傾斜角等を考慮して最も揚送効率が高くなるように設定する。本実施形態の螺旋溝10は10条としているが、6条乃至14条とするのが一般的といえる。この数字は、パチンコ遊技場における設置スペース等を考慮した上で、まず円柱体8の直径を設定し、この直径から導かれる円周の長さと、パチンコ玉の直径との関係から算出した数字である。螺旋溝10の条数を増やして揚送能力を高めようとするのであれば、円柱体8の直径を太くすればよいし、一方、設置スペースを小さくするのであれば、螺旋溝10の条数を減らして円柱体8の直径を細くすればよい。円柱体8の直径を細くすることにより揚送研磨効率が下がるが、この場合は、別のスペースを使って他の円柱体8を設置するなどして補うようにするとよい。なお、円柱体8は、一本の部材により形成してもよいが、組立や保守等の取り扱い等を考慮して1本の円柱体8を複数本の短尺円柱体に分割してもよい。
【0026
研磨シートの構成
図1(c)を参照しながら、研磨シート12について説明する。本実施形態の研磨シート12は、研磨効果を高めるために細い合成樹脂繊維を編み込んで形成したシート状の部材であり、厚み方向に弾力があり、この弾力を利用して研磨シート12からの摩擦力(押圧力)をパチンコ玉に働かせるようになっている。研磨シート12は、研磨シート12より硬い合成樹脂製の挿入板13の一方の面に貼り付け、あるいは熱溶着などの手段によって一体に形成されている。また、挿入板13の両面に研磨シート12を貼り付けておき、使用により一方が汚れたら裏返して他方を使用するようにしてもよい。挿入板13を使用したのは、外筒2の内周面と円柱体8の外周面との間の僅かな隙間に挿入する際に、弾力性のある研磨シート12だけでは挿入しづらいので、その案内役を果たさせて作業性を高めるためである。
【0027
導入手段(短尺筒体)の基本構成
図2を参照しながら、導入手段16について説明する。図2に示すように本実施形態の導入手段16は、短尺筒体40を主要部材として構成され、この短尺筒体40は、想像線で示す外筒2の下端領域において螺旋溝10に導入されたパチンコ玉が通過できる隙間を形成しながら円柱体8の下端部を同心的に囲むように構成されている。金属などに比べて加工が容易である等の理由から、本実施形態の短尺筒体40は合成樹脂材を素材とし、次に述べる部材群が一体に成形されてなるものである。すなわち、短尺筒体40は、その下端部の周方向に等間隔に並ぶ複数の導入孔44,44...と、隣接する内壁面の各導入孔44間の板部40pから突出する案内片45,45...(図示を省略する)と、その下端部から放射状(外方向)に延びる環状鍔部46と、を備えている。各導入孔44は周囲ボックス20内のパチンコ玉を各螺旋溝10内に導入するための孔であり、各案内片45は各螺旋溝10が受け入れたパチンコ玉を円柱体8の回転によって上昇案内するための部材である。環状鍔部46は、後述する回転テーブル56の上に摺動可能に載置されるようになっている。短尺筒体40は、図1に示すモータ30を駆動源とし、図2及び10に示すベルト32を介して回転軸33によって回転されるように構成されている。このように構成された短尺筒体40は、円柱体8の回転方向と同方向に、かつ、円柱体8の回転速度より低速で回転するようになっている。以下、各部材について詳しく説明する。
【0028
導入孔
図2に示すように各導入孔44は、複数条の螺旋溝群10,10を臨めるだけの高さ寸法と、パチンコ玉が通過できる幅寸法とを有する矩形状に形成されている。導入孔44は、少なくとも1個あればよいのであるが、本実施形態における導入孔44は、円柱体8の螺旋溝10を前述のように10条より多い17個としている。導入孔44の数は多ければ多いほど導入孔44と螺旋溝10との出会う確率が上がりパチンコ玉の導入効率をよくすることができると考えられるが、導入孔44の数を増やせばその分だけ短尺筒体40も大きくしなければならなくなる。パチンコ遊技場内の設置面積による制約等を考慮しながら行った発明者らの実験によれば17個が最適と思われるので、本実施形態では17個とした。導入孔44の個数を17個に限る必要がないことはもちろんであるが、螺旋溝10の条数を導入孔44の数より多くすると導入孔44からのパチンコ玉導入を受けられない螺旋溝10が発生して非効率なので、このようなことのないように導入孔44の数を円柱体8の螺旋溝10の条数より多くしておくことが好ましい。
【0029
環状鍔部の構成
図2乃至5に基づいて、環状鍔部46について説明する。環状鍔部46は、前述したように短尺筒体40の下端部から放射状に延びており、図3に示すように上から見たときに環のような形(環状)に形成されている。短尺筒体40の下端面、すなわち、環状鍔部46の下端面は、回転テーブル56の上面に載置(載せ置く)ようになっており、載置した後に回転テーブル56上面と接触したまますり動けるよう(摺動可能)に滑らかな表面加工がなされている。回転テーブル56上には互いに等間隔に配された4個のクランプ48,48..がそれぞれネジ固定されている。図5から明らかなようにクランプ48は、回転テーブル56上に載置された環状鍔部46(短尺筒体40)が、回転テーブル56の上面において浮き上がったり横ずれしたりしないようにするために設けられたものである。環状鍔部46の外周47には、環状鍔部46の中心を対称の中心とする点対称位置にある2個の掛合凹部(掛合部)61,61が形成されている。掛合凹部61は、図5に示すように上から見てほぼ半円状に形成されており、後述するクラッチ構造60の構成要素の一部をなしている。掛合凹部61の形状を上述のようにほぼ半円状に形成した理由は、後述する突出掛合片63の説明のときに述べる。
【003
クラッチ構造の構成
図3乃至8に基づいて、クラッチ構造60について説明する。クラッチ構造60は、図3及び4に示すように、環状鍔部46の外周47に形成された掛合凹部(掛合部)61と、掛合機構部62によって概ね構成されている。図5に示すように掛合機構部62は、可動支持部材64と、突出掛合片63と、付勢手段として機能する可撓アーム68,68と、を備え、合成樹脂材によって構成された可動支持部材64には、支持溝65と、この支持溝65をほぼ直角に横切る収納溝66が切削形成されている。支持溝65は突出掛合片63を矢印A(図7及び8参照)で示す進退方向にスライド可能に支持するための溝であり、一定の幅をもって進退方向に延びている。収納溝66は両可撓アーム68,68を収納するための溝である。各可動支持部材64は、図3及び4に示すように、ネジ73,73によって、回転テーブル56に固定されている。
【003
収納溝の構成
図7及び8に示すように収納溝66は、支持溝65と交差する部分で一番幅広に形成され、支持溝65から離れるにしたがって先細り形状に形成されている。先細りした収納溝66の両側先端には、若干丸みを持たせた終端部67,67が形成され、収納溝66全体としてほぼ菱形になるように形成されている。収納溝66が菱形に形成したのは、収納した可撓アーム68,68をその中で撓ませ(弾性変形させ)、この撓みを元に戻すために可撓アーム68,68内に生じる応力を利用して後述する突出掛合片63を進退方向に押圧するようにするためである。詳しいことは、次項以下において説明する。
【003
突出掛合片の構成
図6を参照しながら、突出掛合片63ついて説明する。本実施形態における突出掛合片63は、ポリアセタール等の可撓性合成樹脂を付勢手段として機能する可撓アーム68,68とともに一体成形したものである。突出掛合片63と可撓アーム68,68とを別々に成形して組み立てるようにしてもよいが、そのようにすると構造が複雑になるとともに組立の手間が必要になるので一体成形する場合に比べて製造コストが高くなってしまう。製造コストをできるだけ低く抑えるために、両者を一体に成形することが好ましい。突出掛合片63は前方掛合片75と後方掛合片76によって構成され、両者間に切欠部77,77..が形成されている。切欠部群77を形成したのは、可撓アーム68,68の実質的長さを長くすることによって、これらをできるだけ撓みやすくするためである。すなわち、図6に示すように、切欠部群77が形成しなかった場合の各可撓アーム68は長さLsしか持たせられないことになるが、切欠部群77を形成することによって各可撓アーム6に長さLaを持たせることができる、というわけである。前方掛合片75先端の前方先端面78は、図6に示すように、上から見て円弧状に突出形成されている。前方先端面78を円弧状に形成したのは、前方掛合片75と掛合する環状鍔部46の掛合凹部61を、図3に示すようにほぼ半円状に形成したことと対応させ、両者の掛合と解除を円滑に行なわせるためである。この掛合と解除の作用は、本実施形態の作用効果の欄で詳しく説明する。
【003
可撓アームの構成
図6及び9に基づいて、可撓アーム68について説明する。可撓アーム68,68の形成方法は、上記した突出掛合片63の説明とともに説明した通りである。各可撓アーム68は、両先端部69,69に向かって先細り形状に形成され、両可撓アーム68,68を合わせると細長い菱形が形成される。両先端部69,69間の長さLfは、図9に示す収納溝66の両終端部67,67間の長さLgよりも短く設定され、この長さの違いによって収納溝66に収納されたときの突出掛合片63の両可撓アーム68,68の両先端部69,69が収納溝66の両終端部67,67と当接して両先端部69,69を支点として撓ませるように形成されている。また、各可撓アーム68の厚みTを相異ならせた複数種類の突出掛合片63,63...を用意しておき、クラッチ構造60を解除させるときの負荷(本明細書において「過負荷」という)を異なる突出掛合片63を互いに交換することによって調整できるようにしておくと、設置現場の設置状況やパチンコ玉以外の球状体を揚送するときの負荷調整が簡単になるので便利である。
【0034
駆動手段の構成
図2、3、10を参照しながら、駆動手段51について説明する。本実施形態の駆動手段51は、円柱体8を回転させる円柱体回転手段と、短尺筒体40を回転させる筒体回転手段との機能を兼ね備えている。まず、図10に破線で示すように、モータ30の出力軸31に第1の駆動ギア52を取り付ける。次いで、回転軸33を、第2の駆動ギア53の裏側に位置する第1の従動ギア54(破線で示す)に取り付ける。次いで、この第1の従動ギア54と第1の駆動ギア52とを歯付きベルトあるいはチェーン32で連結する。第1の従動ギア54の軸方向上段(図10の紙面手前側)に、第2の駆動ギア53を取り付ける。短尺筒体40の下端に固定した回転テーブル56の内周面に第2の従動ギア55を形成し、この回転テーブル56が内歯車として作用するように構成する。第2の従動ギア(内歯車)55と第2の駆動ギア53とを、第1のアイドルギア57及び第2のアイドルギア58を介して連結する。なお、上述した各ギアは、短尺筒体40が円柱体8の回転方向と同方向に、かつ、円柱体8の回転速度より低速で回転するように設定されている。このように設定したのは、円柱体8に対する短尺筒体40の相対速度を遅くすることによって、円柱体8の各螺旋溝10がパチンコ玉を受け入れやすくするためである。回転テーブル56は、上述したクラッチ構造60を介して短尺筒体40を回転させる。
【0035
本実施形態の作用効果
図7乃至9を参照しながら、本実施形態の作用効果について説明する。なお、図9に示す収納溝66の形状及び可撓アーム68,68の撓む様子は、これらの部材の作用効果の理解を助けるために誇張して描いてある。図9において回転テーブル56が矢印At方向に回転すると、クラッチ構造60がこの駆動力を環状鍔部46に伝達してこの環状鍔部46を矢印Atと同方向の矢印Af方向に回転させる。このときクラッチ構造60を構成する前方掛合片75は、環状鍔部46に形成された掛合凹部61に掛合しており、前方掛合片75は撓みに応じて生じた両可撓アーム68,68の応力によって突出方向(掛合方向)に押圧されている。
【0036
ここで、短尺筒体40内でパチンコ玉が詰まった場合を想定して説明を続ける。短尺筒体40と投入転動面21との間にパチンコ玉が詰まって短尺筒体40に負荷が加わると、短尺筒体40すなわち環状鍔部46にはブレーキがかかって回転しづらくなる。この負荷が設定以上の負荷すなわち過負荷となると環状鍔部46の回転速度は回転テーブル56の回転速度より遅くなる。回転が遅くなると、仮想線で示すように環状鍔部46の掛合凹部61に対する相対位置にずれが生じる。このずれによって、前方先端面78が掛合凹部61の掛合端面61eに衝突し、その反作用によって前方先端面78は掛合端面61eから押圧力を受ける。前述したように掛合凹部61(掛合端面61e)の形状と前方掛合片75(前方先端面78)は、この押圧力を受けたときに可撓アーム(付勢手段)68,68の付勢力(矢印Ap)に抗しながら突出掛合片63(前方掛合片75)を後退方向(解除方向)に押し込むような形状になっているので、この押し込む力Arが付勢力Apより大きくなったときに、可撓アーム68,68を突出方向とは逆方向に撓ませて仮想線で示す位置に移動させつつ前方掛合片75を矢印Ab方向に後退させる。この後退によって、後方掛合片76が支持溝65外へ突出する。
【0037
なお、パチンコ玉の詰まりは上述した短尺筒体40と投入転動面21間だけでなく、短尺筒体40と円柱体8との間で起こる場合も考えられる。円柱体8の回転速度は短尺筒体40の回転速度よりも速いので、両者間でパチンコ玉が詰まると短尺筒体40の回転速度に加速が加わって回転テーブル56の回転速度より速くなる。このように短尺筒体40と回転テーブル56との間に速度差が生じると、環状鍔部46の掛合凹部61に対する相対位置のずれが生じる。このずれによって、前方先端面78が掛合凹部61の掛合端面61eに衝突し、その反作用によって前方先端面78は掛合端面61eから押圧力を受ける。その後の作用は、短尺筒体40と投入転動面21間にパチンコ玉が詰まった場合と同じである。
【0038
前方掛合片75を含む突出掛合片63の突出と移動は、可撓アーム68,68と、この突出掛合片63を進退(スライド)可能に支持する可動支持部材64支持溝65との働きによって実現する。後退した前方掛合片75を再び突出させて掛合凹部61と掛合させるには、後方掛合片76を指等で押圧して可撓アーム68,68を逆方向に撓ませればよい。なお、図9に仮想線で示すSWのアクチュエータSWaは、図の下方向に突出する後方掛合片76によって駆動されたときに図1と10に示すモータ30の電力供給を遮断し、円柱体8の回転を停止させるためのものである。本実施形態では、アクチュエータSWaが駆動されたとき、すなわち、短尺筒体40と投入傾斜面21又は短尺筒体40と円柱体8との間におけるパチンコ玉の詰まりが検出されたときに、即座に電力供給を遮断するように構成したが、遅延回路等を組み込むことによって検出後一定期間後に遮断するように構成してもよい。後者のように構成すると、短尺筒体40内においてパチンコ玉が詰まったときに、短尺筒体40内を点検する際に螺旋溝群10内が既に空になっているのでパチンコ玉を取り除く手間が省けるからである。
【0039
クラッチ構造の変形例
図11及び12を参照しながら、クラッチ構造の変形例(以下、「変形クラッチ構造」という)について説明する。図11は変形クラッチ構造の分解斜視図であり、図12は変形クラッチ構造の動作を示す平面図である。なお、図12では、筒体固定リング102を省略してある。変形クラッチ構造100について説明する。変形クラッチ構造100と、先に説明したクラッチ構造60との違いは掛合機構部62の可動支持部材64にある。可動支持部材64以外の部材、すなわち、可撓アーム68,68を備える突出掛合片63や、短尺筒体40の環状鍔部46に形成された掛合凹部61については、変形クラッチ構造100とクラッチ構造60との間に違いはない。したがって、変形クラッチ構造100を説明するに当たり、共通する部材については共通する部材名と部材番号を用い、異なる部材・構造についてのみ異なる部材名と部材番号を用いている。さらに、両構造に共通する部材については重複を避けるためにその説明を省略し、異なる部分についてだけ説明する。
【004
掛合機構部の構成
掛合機構部162は、アルミニウム製の可動支持プレート164と、突出掛合片63と、付勢手段として機能する可撓アーム68,68と、によって構成されている。可動支持プレート164全体は、図11に示すようにリング状に形成され、回転テーブル56の周縁に載置されるようになっている。可動支持プレート164には、支持溝165と、この支持溝165をほぼ直角に横切る収納溝166が切削形成されている。支持溝165はクラッチ構造60の支持溝65と、収納溝166は同じく収納溝66と、それぞれ同様な構造を備え作用を奏するように構成されている。
【004
可動支持プレート164は、先に説明したようにリング状に形成されており、その外径は回転テーブル56の外径とほぼ同径に形成され、その内径は短尺筒体40の環状鍔部46の外径より僅かに大きく形成されている。また、可動支持プレート164の厚みは、環状鍔部46の厚みより僅かに厚く形成されている。これらにより、可動支持プレート164を載置すると、回転テーブル56の中央部に中央凹部104が形成される。中央凹部104は、回転テーブル56とともに、又は、回転テーブル56に対して摺動しながら、回転可能に環状鍔部46を受け入れるためのものである。
【004
筒体固定リング102は、薄いアルミニウム製のリングであり、その外径は回転テーブル56の外径とほぼ同径であり、かつ、その内径は可動支持プレート164の内径より小さく短尺筒体40の外径より僅かに小さく形成されている。このように形成したのは、環状鍔部46を中央凹部104内に載置したときに筒体固定リング102の内周部を環状鍔部46の上方領域に突き出させ、これによって、環状鍔部46が中央凹部104から飛び出さないようにするのと、支持溝165と収納溝166内とを閉鎖して中にある突出掛合片63が外れないようにするためである。筒体固定リング102は、ネジ173によって可動支持プレート164とともに回転テーブル56に固定する。このように筒体固定リング102は、短尺筒体40を回転自在に固定する働きと、突出掛合片63を封入する働きを兼ね備えている。掛合機構部162の作用効果は、クラッチ機構部60の掛合機構部62の作用効果と基本的に同じである。図12(1)は変形クラッチ機構部100の作用状態を、図12(2)は同じく解除状態を示している。
【004
本実施形態の変形例
図13及び14を参照しながら、本実施形態の変形例(以下、「本変形例」という)について説明する。先に説明した本実施形態と本変形例との違いは、クラッチ構造の部分だけであるので、その部分についてだけ説明する。図13はクラッチ構造を含む短尺筒体40の部分破断図であり、図14は図13のクラッチ構造の拡大図である。
【0044
本変形例におけるクラッチ構造80は、環状鍔部97の厚み方向に貫通された貫通孔(掛合部)98と、この貫通孔98に環状鍔部97の下方領域に配された掛合機構部82とから概ね構成されている。掛合機構部82は、回転テーブル99に埋め込まれた支持部材86と、支持部材86に上下方向にスライド可能に支持された突出掛合片84と、突出掛合片84を突出方向(図の上方向)に押圧するためのコイルバネ(付勢部材)90と、コイルバネ90を下方から支持するためのバネ支持体88と、から概ね構成されている。
【0045
突出掛合片の構成
本変形例の突出掛合片84は、図14に示すように、その上端部に球面状の球面先端部84tと中空部84eとを備える砲弾形状に形成され、その下端部に放射状に延びるスライド鍔部84bが設けられている。中空部84e内には、バネ支持体88によって下方から支持されるコイルバネ90が差し込まれ、このコイルバネ90は、突出掛合片84を掛合方向(図の上方向)に押圧するように構成されている。バネ支持体88の内壁は、スライド鍔部84bの外周にスライド可能に当接して、突出掛合片84が上下動(突出と後退)するときの案内面としての役割を果たしている。
【0046
図14に示すのは、球面先端部84tが貫通孔98と掛合して回転テーブル99の回転を環状鍔部97に伝達している状態である。ここで、短尺筒体96と投入傾斜面(図示省略)との間にパチンコ玉が詰まって環状鍔部97に過負荷が加わると、これによって環状鍔部97の回転テーブル99に対する相対位置にずれが生じる。このずれによって、球面先端部84tは後退させられ、この後退によって突出掛合片84と貫通孔98との掛合関係が解除される。すなわち、環状鍔部97の回転が遅れると、貫通孔98の内壁98iが突出掛合片84の球面先端部84tをコイルバネ90の押圧力に抗しながら押し下げ、これによって掛合が解除される、というわけである。解除された後の球面先端部84tは、環状鍔部97の底面によって押し下げられたまま待機する。ここで、短尺筒体40が回転し続け球面先端部84tが貫通孔98に出会うと、球面先端部84tはコイルバネ90によって押し上げられて再び掛合する。この掛合後に引き続き環状鍔部97に過負荷が加わっているときは、上述した掛合解除が再度行われる。この掛合と解除は、パチンコ玉の詰まりが解消されるまで繰り返される。掛合が解除されると同時に、回転テーブル99等の電力を遮断して、解除後は回転しないように構成してもよい。なお、パチンコ玉の詰まりは、短尺筒体40と円柱体8との間で生じることもあり得る。この場合の短尺筒体40は、円柱体8の回転によって加速されて回転テーブル99の回転より速くなり、これによって両者間の相対位置にずれが生じる。このずれによって、球面先端部84tは後退させられ、この後退によって突出掛合片84と貫通孔98との掛合関係が解除される。
【0047
なお、本実施形態及び本変形例においては、パチンコ玉の揚送装置について説明したが、パチンコ玉以外の球状体、たとえば、ゴルフボールや野球ボールの揚送装置も、このパチンコ玉の揚送装置と同様な構成によって同様な作用効果を生じさせることができる。ただ、パチンコ玉とゴルフボールや野球ボール等とは、各々の直径や重さ、さらに、表面の状態(滑らか、小さな凹凸がある、縫い目がある等)等が球状体の種類によって違うので、これらの違いに合わせて部材の寸法や強度等を設定する必要がある。
【0048
【発明の効果】
各請求項に記載した発明によれば、不可避的な原因によって球状体の詰まりが生じたときに、円柱体や短尺筒体等の破損を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る揚送装置の斜視図である。
【図2】 揚送装置下端部の部分破断図である。
【図3】 図2のX−X線を含む断面を矢印方向に見た概略図である。
【図4】 クラッチ構造の分解斜視図である。
【図5】 図3のY−Y線を含む断面を矢印方向に見た概略図である。
【図6】 突出掛合片の平面図である。
【図7】 クラッチ構造を、図3の紙面裏側から回転テーブルを省略して表した底面図である。
【図8】 クラッチ構造を、図3の紙面裏側から回転テーブルを省略して表した底面図である。
【図9】 クラッチ構造の作用を示す平面図である。
【図10】 円柱体駆動機構(駆動構造)の概略図である。
【図11】 変形クラッチ構造の分解斜視図である。
【図12】 変形クラッチ構造の動作を示す平面図である。
【図13】 クラッチ構造を含む短尺筒体40の部分破断図である。
【図14】 図11のクラッチ構造の拡大図である。
【図15】 従来の揚送装置の概略図である。
【符号の説明】
1 揚送研磨装置
2 外筒
3 内部空間
5 外筒本体
6 片開きドア
8 円柱体
10 螺旋溝
12 研磨シート
13 挿入板
14 玉送出ユニット
15 排出ノズル
16 導入手段
18 ベース
19 玉集め室
20 周囲ボックス
21 投入転動面
22 下流転動面
23 段差傾斜面
24 連結傾斜面
25 上流転動面
30 駆動モータ
31 出力軸
32 ベルト
33 回転軸
40 短尺筒体
42 案内部材
44 導入孔
46 環状鍔部
47 外周
48 クランプ
51 駆動手段
52 第1の駆動ギア
53 第2の駆動ギア
54 第1の従動ギア
55 第2の従動ギア
56 回転テーブル
57 第1のアイドルギア
58 第2のアイドルギア
60 クラッチ構造
61 掛合凹部(掛合部)
62 掛合機構部
63 突出掛合片
64 可動支持部材
65 支持溝
66 収納溝
67 終端部
68 可撓アーム
69 先端部
73 ねじ
75 前方掛合片
76 後方掛合片
77 切欠部
78 前方先端面
80 クラッチ構造
82 掛合機構部
84 突出掛合片
84b スライド鍔部
84e 中空部
84t 球面先端部
90 コイルバネ
97 環状鍔部
98 貫通孔
99 回転テーブル
100 変形クラッチ構造
102 筒体固定リング
104 中央凹部
162 掛合機構部
164 可動支持プレート
165 支持溝
166 収納溝
201 従来装置
203 螺旋溝
205 円柱体
207 案内部材
209 導入機構
211 短尺筒体
213 導入孔
215 案内片
217 駆動構造
219 回転テーブル

Claims (7)

  1. 外周面に螺旋溝群が形成された円柱体と、
    前記円柱体を回転駆動するための円柱体駆動機構と、
    前記螺旋溝群に導入された球状体群を案内するための案内部材と、
    前記螺旋溝群に球状体群を導入するために前記円柱体の下端部を同心的に囲む短尺筒体と、を備える球状体揚送装置において、
    前記短尺筒体を回転駆動するための駆動構造と、
    前記短尺筒体と前記駆動構造とを連結するためのクラッチ構造と、を備え、
    前記クラッチ構造は、前記短尺筒体に加わった過負荷を検知したときに前記駆動構造との連結を解除するように構成され
    前記円柱体駆動機構は、前記駆動構造との連結を解除した後であっても、前記円柱体を継続して回転するように構成されている
    ことを特徴とする球状体揚送装置。
  2. 前記駆動構造は、前記短尺筒体を摺動可能に載置するための回転テーブルを含み、
    前記クラッチ構造は、前記短尺筒体と前記回転テーブルとの間を連結するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載した球状体揚送装置。
  3. 前記短尺筒体は、前記短尺筒体下端部から放射方向に延びる環状鍔部を含み、
    前記クラッチ構造は、前記環状鍔部に設けられた掛合部と、前記回転テーブルに設けられた掛合機構部と、を含み、
    前記掛合機構部は、前記掛合部と掛合する突出掛合片と、当該突出掛合片を進退可能に支持する可動支持部材と、当該可動支持部材を少なくとも突出方向に付勢するための付勢手段と、を含み、
    前記掛合部と前記突出掛合片とは、加わった過負荷によって前記短尺筒体の回転速度と前記回転テーブルの回転速度との間に差が生じて当該掛合部と当該突出掛合片との相対位置がずれたときに、前記付勢手段の付勢力に抗しながら当該突出掛合片を後退方向に押し込むような形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載した球状体揚送装置。
  4. 前記掛合部は、前記環状鍔部外周に形成された掛合凹部によって構成され、
    前記付勢手段は、前記突出掛合片両側部から側方に延びる可撓性を有する可撓アームによって構成され、
    前記可動支持部材には、前記突出掛合片を進退方向にスライド可能に支持するための支持溝と、当該支持溝を横切って形成された前記両可撓アームを収納するための収納溝と、が形成され、
    前記収納溝は、両可撓アームの両先端部が当接する両終端部を備えるとともに当該両先端部を支点として当該両可撓アームが撓みうる形状に形成され、
    前記突出掛合片は、前記両可撓アームの撓みに応じて生じる応力によって少なくとも突出方向に押圧されるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載した球状体揚送装置。
  5. 前記突出掛合片と前記両可撓アームとは、一体成形された可撓性合成樹脂材によって構成されていることを特徴とする請求項4に記載した球状体揚送装置。
  6. 前記付勢手段は、付勢力の大きさを可変設定できるように構成されていることを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載した球状体揚送装置。
  7. 外周面に螺旋溝群が形成された円柱体と、
    前記円柱体を回転駆動するための円柱体駆動機構と、
    前記螺旋溝群に導入された球状体群を案内するための案内部材と、
    前記螺旋溝群に球状体群を導入するために前記円柱体の下端部を同心的に囲む短尺筒体と、を備える球状体揚送装置において、
    前記短尺筒体を回転駆動するための駆動構造と、
    前記短尺筒体と前記駆動構造とを連結するためのクラッチ構造と、を備え、
    前記クラッチ構造は、前記短尺筒体に加わった過負荷を検知したときに前記駆動構造との連結を解除するように構成され、
    前記クラッチ構造が前記駆動構造との連結を解除する際に、前記円柱体回転機構に含まれる駆動モータへの電力供給を遮断するように構成されていることを特徴とする球状体揚送装置。
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