JP4286927B2 - 荷物移載装置を備えた貨物車両および荷物移載方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シヤシフレーム上の荷台と、これとは別に設けられる架台との間で、荷物の移載ができるようにした、荷物移載装置を備えた貨物車両および荷物移載方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、脱着可能なコンテナ等の荷箱を備えた貨物車両において、その荷箱をその車両の荷台から降ろしたり、またその荷台上に積み込んだりするのに、その荷箱を、車両から離れてその荷台面より高い位置に保持すると共にその荷箱下に車両の荷台を進入させ、その後にその荷箱を昇降手段により昇降制御することにより行なうようにしたものは公知である(実公昭61−21306号公報、特開平9−165116号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前記従来公知のものでは、貨物車両の荷台面より荷箱を積み降ろしするのに、その貨物車両とは別に、荷箱を強制的に昇降作動させるための油圧シリンダ等の昇降手段が不可欠であり、そのため昇降機器、その駆動系等が必要となって大幅なコスト増を招くばかりでなく、その故障等によるメンテナンスも必要になるという問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、荷台を傾動できる貨物車両の固有の扛上機構を利用してその車両への荷物の積み降ろしを簡単、容易に行なうようにした、新規な荷物移載装置を備えた貨物車両および荷物移載方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的達成のため、本請求項1記載の発明は、 シヤシフレーム上に後方へ傾動可能に設けられる荷台と、この荷台をシヤシフレームに対して強制傾動させる扛上装置と、前記荷台上に格納して搭載することができると共に荷台から離れた地上に組み立ててその上面に荷物を地面と水平に搭載することのできる組立可能な架台と、この架台を荷台上に固縛するための固縛手段と、前記荷台上に着脱自在に固着されて荷台上に搭載される前記架台の後方への移動を阻止するストッパとを備え、前記架台は、上面に荷物を搭載すると共に前記荷台上に載置できるように板状に形成される架台本体と、この架台本体に略鉛直な起立位置と略水平な横倒位置とに選択的に抜差自在に取り付けられて、該架台本体を地面と水平に支持できる複数本の脚体とより構成されており、この架台が地上に設置されるとき、その架台本体下に、伏倒位置にある荷台の架台本体全長を越えての進入を可能にして、この荷台の傾動により前記脚体を地上から浮上させ、前記荷台に前記架台を、その全長に亘り搭載できるようにしたことを特徴としており、かかる特徴によれば、貨物車両の荷台傾動用の扛上装置を利用して、その荷台と、地上の架台との間で荷物の移載作業を行なうことができる。
【0006】
また前記目的達成のため、本請求項2記載の発明によれば、架台上に搭載される荷物を、貨物車両の傾動可能な荷台上に移載するようにした、荷物移載方法であって、荷物の載置面を有する架台本体と、この架台本体に抜差自在に組み付けられて該架台本体を地面と水平に支持できる複数本の脚体とを備えた架台を地上に設置し、荷物を地面と水平に搭載した前記架台本体下に、貨物車両の伏倒位置にある荷台を架台本体の全長を越えて進入させ、前記荷台上に着脱自在に固着されて前記架台の後方への移動を阻止するストッパにより、前記架台の荷台上での移動を阻止しながら前記荷台を後方へ傾動させ、これにより前記架台を荷物と共に傾動させて脚体を地上から浮上させ、前記脚体を架台本体から抜き取ったのち、荷台を伏倒させ、その荷台上に荷物を搭載するようにしたことを特徴としており、かかる特徴によれば、貨物車両の荷台傾動用の扛上装置を利用して、その荷台と、地上の架台との間での荷物の移載作業を行なうことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例について説明する。
【0008】
まず本発明の第1実施例を図1〜8を参照して説明するに、図1は、荷箱移載装置を備えた貨物車両の側面図、図2は、図1の2−2線に沿う貨物車両の一部の平面図、図3は、図2の3−3線に沿う部分拡大断面図、図4は、図2の4−4線に沿う部分拡大断面図、図5は、架台の使用時の斜視図、図6は、ストッパにより架台を係止した状態の斜視図、図7,8は貨物車両による荷物移載過程を示す図である。
【0009】
図1に示すように、貨物車両Vは、そのシヤシフレーム1に固定されるサブフレーム2上に、荷台3が後方に傾動できるように搭載され、すなわちその荷台3の後端は、サブフレーム2の後端にリヤヒンジ21 を介して連結され、また荷台3の底部とサブフレーム2間には、扛上装置すなわちダンプシリンダ4が連結されており、このダンプシリンダ4の伸長作動により荷台3は後方に傾動され、またその収縮作動により荷台3はサブフレーム2上に伏倒される。
【0010】
前記荷台3は、平坦な荷受面31 の前縁に前壁32 を立設して構成され、前記荷受面31 上には、後に詳述する架台Sが格納状態で載置され、後述する固縛手段である固縛片12により固縛される。さらにこの荷受面31 上には、前記架台Sを挟んで荷箱Lが搭載される。荷箱Lは、紐条14等のロック手段により架台S上に脱着可能に固定される。
【0011】
前記架台Sは、格納して荷台3の荷受面31 上に収納可能であり、また荷台3から取り外して地上に組み立てることにより、荷物Lを地上の所定レベルに地面と水平に載置、保持するための荷物保持用の架台(図5参照)となるものであり、以下この架台Sの構造を主に図2〜6を参照して説明すると、この架台Sは、架台本体5と、4本の脚体6…とより構成されている。前記架台本体5は、貨物車両Vの荷受面31 上に載置できるように上下面の平坦な板状に形成されており、平面工字状の中央フレーム部51 の前後両端に、中空角筒パイプよりなる、さや部52 ,53 を互いに平行に溶接して構成されており、それらのさや部52 ,53 の両端にはそれぞれピン孔7が横方向に貫通して穿設されている。一方前記4本の脚体6…は、中空の角パイプより構成されていて、直状の脚部61 と、その一端に、それと直角に屈曲される差込部62 とよりL字状に形成されている。各脚体6の差込部62 には、その先部側に横ピン孔8が、またその基部側に縦ピン孔9が貫通して穿設されている。
【0012】
図2に示すように、4本の脚体6…は、それらの2本づつを架台本体5の両側に横倒した状態で、それらの差込部62 をそれぞれ前記さや部52 ,53 に差し込めば、4本の脚体6…は架台本体5の左右に分けて格納状態に組み込むことができる。そして図2,3に示すように、互いに一致するピン孔7,9にそれぞれロックピン10を差し込み、それらのピン10の内端に、割りピン等の抜止め片11を差し込むことにより、架台本体5と4本の脚体6…とよりなる架台を格納状態に固縛することができ、図2に示すように架台本体5と4本の脚体6…とよりなる架台Sは、荷台3の荷受面31 上に格納載置される。
【0013】
前述のようにして荷台3の荷受面31 上に格納載置された、架台本体5と4本の脚体6…よりなる架台Sは、固縛手段である4つの固縛片12…により荷台3に着脱自在に固縛される。各固縛片12は締付ネジ13を有する4つの固縛片12…により構成されている。前記固縛片12…は、図4に示すように断面チャンネル状に形成されていて、その上面に締付ネジ13が螺合されている。前記4つの固縛片12…は、架台Sの左右、前後において、その架台Sと荷台3の側縁に、それらをクランプするように差し込んだのち、締付ネジ13…を螺締すれば、架台Sは、それらの固縛片12…により荷台3に堅固に固縛され、貨物車両Vが走行等により振動してもその固縛が解除される心配がない。
【0014】
前記架台Sは、貨物車両Vから外して図5に示すように、地上の使用位置に地面と水平に設置することができるものであり、前記固縛片12…を外して架台Sを荷台3との固縛から解除したのち、ロックピン10…を抜いて架台本体5から4本の脚体6…を抜き取る。次にこれらの脚体6…を略鉛直位置に向きを変えて起立状態としてからそれらの脚体6…の差込部62 …を再び架台本体5のさや部52 ,53 にそれぞれ差し込み、互いに一致するピン孔7と、横ピン孔8とにそれぞれロックピン10…を差し込み、それらのピン10…の内端に抜止め片11…を差し込めば、この架台Sは、図5に示すように使用状態に組み付けられて4本の脚体6…により地上に支持させることができる。
【0015】
また荷台3の荷受面31 上の後部には、この荷台3を傾動したとき、前記架台Sがずり落ちることを防止するためのストッパ15が着脱自在に固着される。このストッパ15は図6に示すように断面L字状のアングル材により構成されており、その下面には複数のボルト孔16…が、その長手方向に沿って穿設されている。ところでこのストッパ15は、後に詳述する荷物Lの積替えを行なう時に、荷受面31 上に固着して使用されるものであり、通常は荷受面31 から外しておく。
【0016】
なお、このストッパ15は、荷台3の荷受面31 を、他の荷役作業等に使用する際に邪魔でなければ、荷台15に固着したままでもよい。
【0017】
次に図7,8を参照して架台S上に載置され、紐条14でその架台Sに固縛されている荷物Lを、貨物車両Vの荷台3上に移載する過程について説明する。
【0018】
(1).図7(a)に示すように、貨物車両Vは、荷台3を伏倒させた状態で、架台Sに向けて後進させて架台S内に進入させ、その荷台3を架台Sの架台本体5の直下に位置させる。このとき荷台3の荷受面31 と架台Sの架台本体5の下面との間には、高さ間隙Hが形成されていて荷台3は自由に架台Sの下を移動し得る。
【0019】
(2).貨物車両Vの後端が架台Sの全長を越えて所定位置に達したところで、図7(b)に示すように、架台Sの後方で、荷台3の荷受面31 上に、ストッパ15を固着し、このストッパ15の前面を架台Sの後面に対面させる。
【0020】
なお、ストッパ15は、荷台3を架台Sに進入させる前に、荷受面31 に固着しておいてもよい。
【0021】
(3).図7(c)に示すように、ダンプシリンダ4を伸長作動して荷台3をヒンジ21 回りに後方に約15°傾動する。この荷台3の傾動により、荷物Lが、ロック手段である紐条14により固縛されている架台Sは、ストッパ15に衝合してその後方移動が阻止される。ここで架台Sの4本の脚体6…は、地上より浮上するので、この状態で作業員はこれらの脚体6…を架台本体5から抜き取る。これにより、図8(d)に示すように、荷台3は、その荷受面31 上に脚体6…の外された架台本体5を介して荷物Lを積載したまま下降が可能な状態となる。
【0022】
(4).脚体6…の抜取りを終了したら、ダンプシリンダ4の収縮作動により、荷物Lの積載された荷台3を下降して伏倒し、サブフレーム2上に設置する。ここで作業員は、抜き取っておいた4本の脚体6…を横向きにしてそれらを荷台3の両側から前述のようにして架台本体5に差し込んで固定し、最後に固縛片12…により架台Sを荷台3に固縛する。これにより、図8(e)に示すように、貨物車両Vは、荷物Lを積載すると共に架台Sを格納して走行姿勢となり、目的地へと走行する。
【0023】
また貨物車両V上の荷物Lを、地上の架台S上に積載するには、前記(1)〜(4)の作業を逆に行なえばよい。
【0024】
次に図9〜11を参照してこの発明の第2実施例について説明する。
【0025】
この第2実施例は、前記第1実施例におけるストッパと、架台の固縛手段が前記第1実施例のものと相違し、その他の構成は前記第1実施例のものと同じであり、前記第1実施例と同じものには同じ符号が付されている。
【0026】
図9は、架台Sを荷台3上に固縛した状態の部分平面図、図10は、図9の10−10線に沿う部分拡大断面図、図11は固縛手段の斜視図である。
【0027】
図9に示すように、荷台3上に載置される架台Sは、その前部左右および後部左右が固縛手段により荷台3に固縛される。この固縛手段は、荷台3の側縁にボルト止めされる断面チャンネル状の支柱20の一面に、アングル材よりなる第1固縛片21を横向きに溶接し、さらにその第1固縛片21内に第2固縛片22を縦向きにボルト等により着脱可能に固着して構成されている。アングル材よりなる各第1固縛片21は、そのアングル凹部が架台S側を向いており、その上面は架台Sと係合してその上下移動を抑止し、またその側面は架台Sの前面あるいは後面と衝合してその前後移動を抑止する。さらに前記第2固縛片22は、架台Sの左面あるいは右面と衝合してその左右移動を抑止する。
【0028】
前記前後の固縛手段のうち後側のものは、荷台3の傾動時の架台Sの後方移動を阻止するためのストッパ(前記第1実施例のストッパ15)に兼用できるものであって、そのストッパとして使用するときは、第1固縛片21から、第2固縛片22を外しておく。
【0029】
図12には、荷台3の傾動時に、架台Sの後方移動を阻止するストッパの変型例が示される。このストッパ15′は、荷台3の左右両側に着脱可能に固着される一対のブラケット15′1 、15′1 と、それら間に溶接される角筒パイプ15′2 により構成される。
【0030】
さらに図13には、荷台3の傾動時に、架台Sの後方移動を阻止するストッパの他の変型例が示される。この変型例では、ストッパ15″は、荷台3に伸縮シリンダ30を介して起伏可能に取り付けられ、使用時にその伸縮シリンダの伸長作動により荷台3上に起立される。
【0031】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。たとえば前記実施例ではストッパは、貨物車両の、架台への進入後に、荷台に取り付け、もしくは使用位置に起立するようにしているが、荷台上に使用状態で取り付けたままにしておいてもよく、また架台本体と脚体とを格納位置あるいは使用位置にロックするためのロック手段は、前記ロックピンに代えて従来公知のロック手段を用いてもよいことは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、請求項各項記載の発明によれば、貨物車両の荷台の傾動用の扛上装置を利用して、その荷台と、架台との間で荷物の移載作業を行なうことができるので、従来のような架台上での荷物の昇降駆動手段が不要となり、荷物の移載作業コストを大幅に低減することができ、またその作業を簡単容易かつ安全に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】荷箱移載装置を備えた貨物車両の側面図
【図2】図1の2−2線に沿う貨物車両の一部平面図
【図3】図2の3−3線に沿う部分拡大断面図
【図4】図2の4−4線に沿う部分拡大断面図
【図5】架台の使用時の斜視図
【図6】ストッパにより架台を係止した状態の斜視図
【図7】貨物車両による荷物移載過程を示す図
【図8】貨物車両による荷物移載過程を示す図
【図9】架台を荷台3上に固縛した状態の部分平面図(第2実施例)
【図10】図9の10−10線に沿う部分拡大断面図(第2実施例)
【図11】固縛手段の斜視図(第2実施例)
【図12】ストッパの斜視図(変型例)
【図13】ストッパの側面図(他の変型例)
【符号の説明】
1・・・・・・・シヤシフレーム
3・・・・・・・荷台
4・・・・・・・ダンプシリンダ(扛上装置)
5・・・・・・・架台本体
6・・・・・・・脚体
12・・・・・・固縛片(固縛手段)
15・・・・・・ストッパ
15′・・・・・ストッパ
15″・・・・・ストッパ
20・・・・・・支柱(固縛手段)
21・・・・・・第1固縛片(固縛手段)
22・・・・・・第2固縛片(固縛手段)
L・・・・・・・荷物
S・・・・・・・架台
V・・・・・・・貨物車両
Claims (2)
- シヤシフレーム(1)上に後方へ傾動可能に設けられる荷台(3)と、この荷台(3)をシヤシフレーム(1)に対して強制傾動させる扛上装置(4)と、前記荷台(3)上に格納して搭載することができると共に荷台(3)から離れた地上に組み立ててその上面に荷物(L)を地面と水平に搭載することのできる組立可能な架台(S)と、この架台(S)を荷台(3)上に固縛するための固縛手段(12;20,21,22)と、前記荷台(3)上に着脱自在に固着されて荷台(3)上に搭載される前記架台(S)の後方への移動を阻止するストッパ(15;15′;15″)とを備え、
前記架台(S)は、上面に荷物(L)を搭載すると共に前記荷台(3)上に載置できるように板状に形成される架台本体(5)と、この架台本体(5)に略鉛直な起立位置と略水平な横倒位置とに選択的に抜差自在に取り付けられて、該架台本体(5)を地面と水平に支持できる複数本の脚体(6)とより構成されており、この架台(S)が地上に設置されるとき、その架台本体(5)下に、伏倒位置にある荷台(3)の架台本体(5)全長を越えての進入を可能にして、この荷台(3)の傾動により前記脚体(6)を地上から浮上させ、前記荷台(3)に前記架台(S)を、その全長に亘り搭載できるようにしたことを特徴とする、荷物移載装置を備えた貨物車両。 - 架台(S)上に搭載される荷物(L)を、貨物車両(V)の傾動可能な荷台(3)上に移載するようにした、荷物移載方法であって、
荷物(L)の載置面を有する架台本体(5)と、この架台本体(5)に抜差自在に組み付けられて該架台本体(5)を地面と水平に支持できる複数本の脚体(6)とを備えた架台(S)を地上に設置し、
荷物(L)を地面と水平に搭載した前記架台本体(5)下に、貨物車両(V)の伏倒位置にある荷台(3)を架台本体(5)の全長を越えて進入させ、
前記荷台(3)上に着脱自在に固着されて前記架台(S)の後方への移動を阻止するストッパ(15;15′;15″)により、前記架台(S)の荷台(3)上での移動を阻止しながら前記荷台(3)を後方へ傾動させ、これにより前記架台(S)を荷物(L)と共に傾動させて脚体(6)を地上から浮上させ、
前記脚体(6)を架台本体(5)から抜き取ったのち、荷台(3)を伏倒させ、その荷台(3)上に荷物(L)を搭載するようにしたことを特徴とする、荷物移載方法。
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JPH11321432A JPH11321432A (ja) | 1999-11-24 |
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