JP4238429B2 - 移動体の走行支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は移動体の走行支援装置に関し、特に、異なる方向の複数の画像を1つの画面に一度に表示する移動体の走行支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車等における移動体において、運転者に対して走行上有意義な情報を提供する走行支援装置が提案されている。たとえば、車両の前方に装着されたカメラで、左方向と右方向とを撮影した画像を車内に装着されたディスプレイに表示するものがある。この走行支援装置は、特に見通しの悪い交差点において有用である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車内に装着されるディスプレイは、運転者が車両を走行させる際に見る視界からはずれた位置に装着されていることが多い。このため、運転者が走行中にディスプレイに気をとられると、その間運転者の視界が走行させるのに必要な範囲から外れてしまい危険である。したがって、運転者に視覚情報を提供する場合には、一見して表示内容が把握できる見やすい表示が行なわれるのが望ましい。また、運転者に提供する情報は、必要なときにのみ提供されればよく、不必要なときに提供されたのでは、かえって運転操作に支障をきたすことになる。
【0004】
さらに、見通しの悪い交差点などでは、歩行者や通過車両等、走行させる上で注意を必要とする情報は、運転者に積極的に提供することが望ましい。
【0005】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたものでその目的の1つは、異なる方向を撮影した複数の画像を1画面に表示する場合、複数の画像それぞれの撮影方向が一見してわかる見やすい画面を表示することができ、安全性を向上させた移動体の走行支援装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、所望のタイミングで異なる方向を撮影した複数の画像を表示することが可能な移動体の走行支援装置を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、移動体を走行させる上で注意を必要とする情報を提供することができる移動体の走行支援装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するためにこの発明のある局面に従うと、移動体の走行支援装置は、移動体に取付けられ、前記移動体の進行方向に対して右方向と左方向を撮像して右画像と左画像を出力する撮像手段と、移動体の現在位置を道路地図上にマークしたナビゲーション画像を出力するナビゲーション画像出力手段と、ナビゲーション画像出力手段が出力するナビゲーション画像上に撮像手段が出力する右画像と前記左画像を重ねた重畳画像を作成する合成手段と、合成手段が出力する重畳画像を表示するための表示手段とを備え、右画像と左画像のそれぞれは、高さ方向の長さが移動体の進行方向からの角度に比例して短くなる。
【0010】
好ましくは移動体の走行支援装置は、撮像手段と表示手段との間に設けられ、表示手段の表示を右画像と左画像を含む画像に切換えるための切換手段をさらに備える。
【0011】
さらに好ましくは移動体の走行支援装置は、移動体の道路地図上の位置に基づき移動体と交差点との間の距離を算出し、算出した距離に基づき移動体が交差点に接近していることを示す接近情報を出力する接近検知手段をさらに備え、切換手段は、接近検知手段から出力される接近情報に基づき、表示手段で表示する画像を切換えることを特徴とする。
【0012】
さらに好ましくは移動体の走行支援装置は、移動体の移動方向を示す指示信号を出力する指示部と、移動体の単位時間当りの移動距離を検出するための速度検出部とをさらに含み、切換手段は、指示部と速度検出部との出力に基づき、表示手段の表示を切換えることを特徴とする。
【0013】
さらに好ましくは移動体の走行支援装置は、右画像と左画像中から移動物体を検出するための移動物体検出手段をさらに含み、切換手段は、移動物体検出手段で移動物体が検出されたときに表示手段の表示を切換えることを特徴とする。
【0014】
さらに好ましくは移動体の走行支援装置は、移動物体検出手段で移動物体が検出されたことを報知するための報知手段をさらに備える。
【0015】
さらに好ましくは移動体の走行支援装置の報知手段は、右画像と左画像中から移動物体を検出するための移動物体検出手段と、移動物体検出手段で移動物体が検出されたことを報知するための報知手段とをさらに備える。
【0016】
さらに好ましくは移動体の走行支援装置の報知手段は、右画像と左画像中に含まれる移動物体に所定のマークを付して表示手段に表示することを特徴とする。
【0017】
これらの発明によれば、異なる方向を撮影した複数の画像それぞれの撮影方向が一見してわかる見やすい画面を表示することができ、安全性を向上させた移動体の走行支援装置を提供することができる。
【0018】
また、所望のタイミングで異なる方向を撮影した複数の画像を表示することが可能な移動体の走行支援装置を提供することができる。
【0019】
さらに、移動体を走行する上で注意を必要とする情報を提供することが可能な移動体の走行支援装置を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における走行支援装置について説明する。なお、図中同一符号は同一または相当する部材を示す。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における走行支援装置の概略構成を示すブロック図である。図1を参照して、移動体の走行支援装置は、異なる方向の複数の画像を撮像するための撮像部15と、ナビゲーションユニット50と、画像表示部17と、画像表示部17で表示する画像を切換えるための画像切換部10と、画像切換部10に切換信号を出力する切換スイッチ16とを含む。
【0022】
撮像部15は、車両の前方、たとえば前方バンパー上に設けられ、車両の進行方向に対して右方向と左方向との画像を1つのカメラで撮影することができる。ここで撮像部15の撮影範囲について説明する。図2は、撮像部15の撮影範囲を説明するための図である。図2を参照して、道幅が狭い道路と道幅の広い道路とが交差している交差点において、車両60が道幅の狭い道路から道幅の広い道路に進行する様子を示している。道幅の狭い道路の両側の障害物61,62により、運転者の視界63が制限される。このとき、車両60の前方のバンパー部分を道幅の広い道路に少しだけ進入させることにより、撮像部15で道幅の広い道路の右方向と左方向とを撮像することができる。この結果、運転者の視界から外れた領域であって、撮像部15で撮像できる領域64,65(図中ハッチングで示す)が生じる。本実施の形態における走行支援装置は、撮像部15で撮像した車両の進行方向に対して右方向と左方向の画像を画像表示部17に表示するものである。
【0023】
なお、撮像部15は、車両の進行方向に対して右方向と左方向の画像を撮像することができれば、右方向のみ撮像するカメラと左方向のみ撮像するカメラとの2つのカメラを用いるようにしてもよい。
【0024】
図1に戻って、画像表示部17は、車両内部に設けられるディスプレイであり、たとえば、液晶表示装置やCRT、さらに、プラズマディスプレイパネル等を用いることができる。
【0025】
ナビゲーションユニット50は、ナビゲーションユニット50全体を制御するための制御部51と、道路地図情報を記憶するための記憶部56と、車両の単位時間当りの移動距離を検出するための車速センサ52と、車両の進行する方位を検出するための方位センサ53と、車両の現在位置を検出するためのグローバルポジショニングシステム(GPS)54と、テレビジョン信号を受信するためのTVチューナ55とを含む。
【0026】
ナビゲーションユニット50は、GPS54から得られる情報に基づき、記憶部56に記憶されている道路地図上の位置を把握する。また、車速センサ52と角度センサ53との出力に基づき、車両の走行軌跡を検出することにより、車両の走行に伴い変化する道路地図上の位置を検出する。
【0027】
制御部51は、画像切換部10に対して、車両の現在位置を示すナビゲーション画像(図ではナビ画像と略して表す)を出力する。ナビゲーション画像とは、車両の現在位置を示すための画像であって、道路地図上の車両の現在位置に車両を示すマークを付した画像である。
【0028】
また、ナビゲーションユニット50は、GPS54と、車速センサ52と、方位センサ53との出力に基づき検出される道路地図上の現在位置に基づき、車両が交差点に接近しているか否かを検出する。車両が、記憶部56に記憶されている道路地図中の交差点に接近していると判断する条件は、▲1▼車両が記憶部56に記憶されている道路地図中の交差点に向かって進行していること、▲2▼車両の現在位置と交差点との距離が所定の距離より短くなったことである。この2つの条件が成立した場合に、接近情報を画像切換部10に出力する。所定の距離とは、たとえば、20[m]程度であり、車両が交差点に向かって進行しつつ減速を開始する程度の距離であればよい。
【0029】
また、ナビゲーションユニット50は、車両が交差点を通過したか否かを検出し、画像切換部10に出力していた接近情報をOFFにする。車両が交差点を通過したとの判断は、車両の現在位置と交差点との距離が、予め定められた所定の距離より大きくなったか否かである。
【0030】
車速センサ52は、制御部51に車速信号を出力するとともに、画像切換部10にも車速信号を出力する。切換部10は、撮像部15が出力する異なる方向の複数の画像からなる撮像画像と、ナビゲーションユニット50が出力するナビゲーション画像と、TV画像と合成画像とのいずれかを選択して画像表示部17に出力する。合成画像については後で詳しく説明する。
【0031】
また、画像切換部10は、ナビゲーションユニット50から受信する接近情報と車速信号とに基づき、ナビゲーション画像またはTV画像の出力を、撮像画像または合成画像の出力に切換える。画像切換部10で画像を切換える処理については後で詳しく説明する。
【0032】
切換SW16は、画像切換部10で出力する画像をマニュアル操作により切換えるためのスイッチである。画像切換部10における画像の切換は、切換SW16の切換信号が最も優先される。
【0033】
図3は、画像切換部の詳細な構成を示すブロック図である。図3を参照して、画像切換部10は、画像切換部全体を制御するための制御部11と、画像表示部17に出力する画像を切換える切換部12とを含む。切換部12は、撮像画像とナビゲーション画像とを合成するための合成部13を含む。
【0034】
制御部11には、ナビゲーションユニット50から出力される車速信号と接近情報とが入力される。制御部11は、受信した車速信号と接近情報とに基づき、切換部12に対して、画像表示部17に出力する画像を切換えるための切換信号を出力する。
【0035】
合成部13は、ナビゲーションユニット50が出力するナビゲーション画像と、撮像部15が出力する撮像画像とを合成した合成画像を作成する。合成画像は、ナビゲーション画像上に撮像画像を重ねた画像である。したがって、合成画像にはナビゲーション画像の一部と撮像画像とが含まれる。合成部13における撮像画像の合成は、ナビゲーション画像と撮像画像とを同期信号に基づき同期させ、所定のタイミングで撮像画像とナビゲーション画像との出力を切換えることにより、合成画像が作成される。
【0036】
切換部12は、入力されるナビゲーション画像、TV画像、撮像画像、および合成部13で合成された合成画像のいずれかの画像を、制御部11から受信する切換信号に基づき選択し、画像表示部17に出力する。切換部12で、画像表示部17に出力する画像を撮像画像とするか合成画像とするかは、図示しないディップスイッチ等により切換えることができる。
【0037】
なお、本実施の形態においては、画像切換部10をナビゲーションユニット50と別体として設けたが、画像切換部10をナビゲーションユニット50の内部に含む構成にしてもよい。この場合には、画像切換部10の制御部11と、ナビゲーションユニット50の制御部51とを1つにまとめることができる。
【0038】
次に、画像表示部17で表示される撮像画像について説明する。図4は、撮像部15が出力する撮像画像の一例を示す第1の図である。図4を参照して、撮像画像70は、車両の進行方向に対して右方向を撮像した右画像71aと、左方向を撮像した左画像71bとを含む。右画像71aと左画像71bとは、それぞれの画像の高さ方向の長さが、車両の進行方向からの角度に比例して長くなる形状となっている。右画像71aは、より右側の画像の高さ方向の長さが長くなり、左画像71bではより左側の画像の高さ方向の長さが長くなる形状となっている。
【0039】
また、右画像71aと左画像71bとは、分割部72により分割されている。さらに、右画像71aが右画像であることを示す矢印と「右」の文字からなる記号73aが右画像71aの上部に付され、左画像71bが左画像であることを示す矢印と「左」の文字からなる記号73bが左画像71bの上部に付されている。
【0040】
したがって、撮像画像70は、右画像71aと左画像71bの形状を、車両の進行方向からの角度に比例して画像の高さ方向の長さを長くするようにしたので、右画像71aと左画像71bとを撮像画像70から一見して判別することができる見やすい画像となっている。
【0041】
図5は、撮像部15が出力する撮像画像の一例を示す第2の図である。図5に示す撮像画像75は、図4に示した撮像画像70に代えて用いることができる。図5を参照して、図4に示した撮像画像70の右画像71aと左画像71bとが車両の進行方向からの角度に比例して画像の高さ方向の長さを長くしたのに対し、撮像画像75は、右画像と左画像とを車両の進行方向からの角度に比例して高さ方向の長さが短くなる形状としたものである。図5を参照して右画像76aは、より右側の画像の高さ方向の長さが短くなる形状となっており、左画像の76bはより左側の画像の高さ方向の長さが短くなる形状となっている。その他の構成については図5に示した撮像画像70と同じであるのでここでの説明は繰返さない。
【0042】
このように撮像画像75は、右画像76aと左画像76bとを、車両の進行方向からの角度に比例して画像の高さ方向の長さを短くする形状としたので、撮像画像75から右画像76aまたは左画像76bとを一目で判別することが可能となる。
【0043】
撮像画像70,75は、分割部72と記号73a,73bとが撮像部15に設けられる画像処理部によりスーパーインポーズされる。また、このスーパーインポーズを行なう画像処理部を画像切換部10に設けてもよい。また、撮像部15の光学系を構成するレンズから撮像素子までの間に、分割部72と記号73a,73bとを撮像画像に重ねて表示するためのマスクを挿入するようにしてもよい。
【0044】
なお、図4に示した撮像画像70と図5に示した撮像画像75とは、右画像と左画像とを車両の進行方向からの角度に比例して画像の高さ方向の長さを変化させた形状としたが、車両の進行方向からの角度と画像の高さ方向の長さとは正比例の関係にある必要はなく、反比例等車両の進行方向と画像の高さ方向の長さとが何らかの関係を有する形状とすることができる。
【0045】
図6は、撮像部15が出力する撮像画像の一例を示す第3の図である。図6を参照して、撮像画像85は、車両の進行方向(前方)を撮像した前画像88と、右方向を撮像した右画像86aと、左方向を撮像した左画像86bとを含む。前画像88、右画像86a、および左画像86bとは、分割部72によりそれぞれ分割されている。さらに、右画像86aが車両の右方向を撮像した画像であることを示す矢印と「右」の文字からなる記号73aが右画像86aの上部に表示され、左画像86bが左方向を撮像した画像であることを示す矢印と「右」の文字からなる記号73bが左画像86bの上部に表示され、前画像88が前方向を撮像した画像であることを示す「前方」の文字からなる記号73cが左画像88の上部に表示されている。
【0046】
前画像88は、たとえば、車両のルームミラー等に設置されたカメラで撮像して得られる画像であり、右画像86aと左画像86bとは、車両のバンパー等に設けられた右方向を撮像するカメラと左方向を撮像するカメラでそれぞれ撮像して得られる画像である。また、右画像86aと左画像86bとは、車両の前方のバンパーに設けられ、1つの撮像素子で車両の右方向と左方向とを同時に撮像可能なカメラで撮像して得られる画像である。
【0047】
右画像86aと左画像86bとは、車両の進行方向からの角度に比例して画像高さ方向の長さが長くなる形状となっている。したがって、撮像画像85は、一目で右画像86と左画像87と前画像88とを判別することができる形状で表示される。
【0048】
なお、右画像86a、左画像86b、および前画像88は、撮像部15または、画像切換部10に設けられる画像処理部により合成され、分割部72と矢印73a、73bとがスーパーインポーズされる。
【0049】
次に、合成部13で撮像画像とナビゲーション画像とを合成して作成される合成画像について説明する。図7は、合成部13で作成される合成画像の一例を示す図である。合成画像80は、ナビゲーション画像の一部の領域83と、車両の進行方向に対して右側を撮像した右画像81aと、左側を撮像した左画像81bとを含む。ナビゲーション画像の一部の領域83には、道路84と車両の地図上の位置を示すマーク82とを含む。領域83には、車両が進入しようとする交差点の名称が表示されている。
【0050】
右画像81aは、領域83における道路84の交差点部分を示す位置から始まり、右側に進むに従って高さ方向の長さが長くなり、途中から長くなる比率を大きくして高さ方向の長さがさらに長くなる形状を含む。これは、車両の進行方向からの角度に応じて画像の高さ方向の長さが長くなる部分を含むことになる。
【0051】
左画像81bは、道路84の交差点部分を示す位置から始まり左側に進に従って高さ方向の長さが長くなり、途中から長くなる比率を大きくして高さ方向の長さがさらに長くなる形状を含む。これは、左画像81bが車両の進行方向からの角度に応じて画像の高さ方向の長さが長くなる形状を含むことになる。
【0052】
このように合成画像80は、ナビゲーション画像83上に右画像81aと左画像81bとを、重ねた画像である。そして、右画像81aと左画像81bとは画像の高さ方向の長さが車両の進行方向からの角度に応じて変化する形状を含んでいる。したがって、合成画像80は、ナビゲーション画像83と右画像81aおよび左画像81bとを同時に表示することができ、さらに、右画像81aと左画像81bとを合成画像80から一目で判別できる形状で表示するようになっている。
【0053】
次に、本実施の形態における走行支援装置において、画像切換部10で行なわれる画像切換処理について説明する。図8は、画像切換部10で行なわれる画像切換処理の流れを示すフローチャートである。図8を参照して、画像切換処理では、まず、ナビゲーションユニット50から出力される接近情報をもとに、車両が交差点に接近しているか否かが判断される(ステップS01)。ナビゲーションユニット50から送信される接近情報は、車両の位置と交差点との間の距離が所定の距離を下回ったときに出力される。ステップS01では、ナビゲーションユニット50から接近情報が出力されたことを検知すると、交差点に接近しているものと判断する。ここで、所定の距離とは、たとえば20[m]である。なお、所定の距離は20[m]に限定されるわけではなく、車両が交差点に接近した場合に、減速を開始する程度の距離であれば足りる。
【0054】
また、接近情報は、車両の現在位置と交差点との間の距離とすることもできる。この場合には、画像切換部10で車両の現在位置と交差点との間の距離が所定の距離となったことを判断することになる。
【0055】
ステップS01で交差点に接近していると判断した場合にはステップS02に進み、接近していないと判断した場合には処理を終了する。
【0056】
次のステップS02では、車速センサ52から出力される車速信号をもとに、車両の車速が所定の値(設定値)になったか否かが判断される。車速が設定値以下の場合にはステップS03に進み、そうでない場合には処理を終了する。設定値は、好ましくは5[km/h]であり、車両が停止する直前の速度を示す。設定値とされる速度は、5[km/h]に限定されるわけではなく、運転者が画像表示部17を見てもなお、車両を安全に走行することができる速度をいい、0[km/h]であってもよい。
【0057】
ステップS03では、撮像部15で撮像された撮像画像を含む画像が画像表示部17に出力される。撮像画像を含む画像とは、撮像画像そのものまたは合成画像である。撮像画像だけを画像表示部17に出力するようにしてもよいし、合成部13でナビゲーション画像と撮像画像とを合成した合成画像を画像表示部17に出力するようにしてもよい。たとえば、画像表示部17にナビゲーション画像を表示していた場合には、合成画像を画像表示部17に出力するようにし、画像表示部17でTV画像を表示していた場合または何も表示していなかった場合には、撮像画像を画像表示部17に出力するようにしてもよい。
【0058】
次のステップS04では、車両が交差点を通過したか否かが判断され、交差点を通過するまで待ち状態となる。交差点を通過したか否かは、ナビゲーションユニット50から出力される接近情報をもとに判断される。たとえば、ナビゲーションユニット50から出力される接近情報がOFFとなったときに交差点を通過したものと判断することができる。また、接近情報が車両と交差点との間の距離を示す場合には、接近情報が車両が交差点から遠ざかった情報、たとえばマイナスの情報として供給され、それにより車両が交差点を通過したことが判断できる。
【0059】
ステップS04で交差点を通過したと判断した場合には、ステップS05に進み、撮像画像または合成画像の画像表示部17への出力が中止されることにより、画像表示部17で表示される画像が切換えられる。
【0060】
以上説明した画像切換処理により、画像表示部17に表示される画像は次のように切換えられることになる。車両が交差点に接近する前にナビゲーション画像またはTV画像が表示されていた場合には、車両が交差点に接近し車速が所定の値よりも小さくなったときに撮像画像または合成画像が表示され、車両が交差点を通過したときにナビゲーション画像またはTV画像が表示される。また、車両が交差点に接近する前に何も表示されていなかった場合には、車両が交差点に接近し車速が所定の値以下となったときに撮像画像または合成画像が画像表示部17に表示され、その後車両が交差点を通過したときに撮像画像または合成画像の表示が中止されて画像表示部17には何も表示されなくなる。
【0061】
以上説明したように、第1の実施の形態における走行支援装置においては、撮像部15で撮像した撮像画像を車両の進行方向からの角度に応じて画像の縦方向の長さを変化させた形状で表示するようにしたので、撮像画像から右画像と左画像とを一目で判別することができる画像を表示することができる。その結果、運転者が画像表示部17に表示された画像を見る時間が短くなり、安全に車両を走行させることができる。
【0062】
また、撮像部15で撮像された撮像画像を必要なときに画像表示部17に表示させるようにしたので、運転者が画像表示部17への表示する画像を切換える操作を行なう必要がなく、安全に車両を走行させることができる。
【0063】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態における走行支援装置は、第1の実施の形態における走行支援装置の画像切換部10に改良を加えたものである。図9は、第2の実施の形態における走行支援装置の概略構成を示すブロック図である。図9を参照して、第2の実施の形態における走行支援装置は、画像切換部20と、撮像部15と、切換スイッチ16と、画像表示部17と、ナビゲーションユニット50と、車速センサ25と、指示器26とを含む。なお、ナビゲーションユニット50は、第1の実施の形態において説明したナビゲーションユニット50と同じであるので、ここでは簡略化して示している。ナビゲーションユニット50から画像切換部20には、ナビゲーション画像とTV画像とが出力される。画像切換部20には、車速センサ25から車両の単位時間当りの移動距離を示す車速信号が出力され、指示器26から、運転者が車両の進行方向を指示するための方向指示器が操作されたことを示すウインカ信号が画像切換部20に出力される。撮像部15と切換スイッチ16と画像表示部17とナビゲーションユニット50は、第1の実施の形態において説明したものと同様であるのでここでの説明は繰返さない。
【0064】
なお、車速センサ25は、ナビゲーションユニット50内に内蔵された車速センサ52を兼用することができる。さらに、画像切換部20は、ナビゲーションユニット50と別体に設けてあるが、ナビゲーションユニット50に含まれる構成としてもよい。
【0065】
図10は、画像切換部20の詳細な構成を示すブロック図である。図10を参照して、画像切換部20は、制御部21と切換部12とを含む。切換部12は、合成部13を含む。切換部12と合成部13とは第1の実施の形態において説明したのと同様であるのでここでの説明は繰返さない。制御部21には、車速センサ25から出力される車速信号と指示器26から出力されるウインカ信号とが入力される。制御部21は車速信号とウインカ信号とに基づき、切換部12で画像表示部17に出力する画像を切換えることを指示するための切換信号を切換部12に出力する。
【0066】
次に、第2の実施の形態における走行支援装置の画像切換部20で行なわれる画像切換処理について説明する。図11は、画像切換部20で行なわれる画像切換処理の流れを示すフローチャートである。図11を参照して、指示器26からウインカ信号が出力されたか否かが判断される(ステップS11)。ウインカ信号が検出された場合にはステップS13に進み、検出されない場合にはステップS12に進む。ウインカ信号が検出された場合とは、その後車両が右折または左折するであろうことを示し、車両が交差点に接近しているものと判断することができる。
【0067】
ステップS12では、負の加速度の絶対値が所定の値(設定値1)以上か否かが判断される。負の加速度の絶対値が設定値1以上の場合にはステップS13に進み、そうでない場合にはステップS11に戻る。ステップS12では、車両の加速度が車速信号に基づき計算され、計算された加速度が負の加速度であるか否かの判断と、負の加速度の絶対値が設定値以上か否かの2つの判断がなされることになる。加速度が負の場合とは、車両が減速していることを示す。負の加速度の絶対値が設定値以上か否かの判断は、車両が停止しようとしているか否かを判断するものである。したがって、設定値1は、車両が停止するときの加速度を統計的に処理した経験値により設定することができる。
【0068】
ステップS13では、車速センサ25が出力する車速信号をもとに、車速が所定の値(設定値2)以下となったか否かが判断される。車速が設定値2以下の場合にはステップS14に進み、そうでない場合にはステップS11に戻る。ここで設定値2により示される速度は、たとえば5[km/h]であり、車両がほとんど停止した状態であって、運転者が画像表示部を見つつ安全に車両を走行することができる速度である。したがって、設定値は0[km/h]であってもよい。
【0069】
ステップS14では、撮像部15で撮像した撮像画像を含む画像を画像表示部17に出力し、画像表示部17で表示する画像を切換える。ここでの切換は、図8のステップS03で説明した画像の切換と同様である。
【0070】
次のステップS15では、車速が予め定められた所定の値(設定値3)以上か否かが判断される。車速が設定値3以上である場合はステップS17に進み、そうでない場合にはステップS16に進む。ここで設定値3は、たとえば、10〜20[km/h]程度の値でよく、車両が停止した状態から走行を開始したと判断できる速度とすればよい。
【0071】
ステップS16では、画像表示部17で表示する画像を撮像画像または合成画像に切換えてからの経過時間が、所定の値(設定時間)を超えたか否かが判断される。設定時間を超えた場合にはステップS17に進み、そうでない場合にはステップS15に進む。
【0072】
たとえば、車両が渋滞等によりのろのろ走行をする場合には、車速は設定値3を超えることがない。この場合には、画像表示部17に撮像画像または合成画像が表示されたままとなってしまう。ステップS16で画像表示部17に撮像画像または合成画像を表示する時間を制限するようにすることで、いつまでも画像表示部17に撮像画像または合成画像が表示された状態が続くのを防止することができる。
【0073】
ステップS17では、撮像画像または合成画像を画像表示部17に出力するのを中止し、ナビゲーション画像またはTV画像の表示または何も表示しない状態に切換える。
【0074】
以上説明したとおり、第2の実施の形態における走行支援装置においては、画像切換部20は、車速信号とウインカ信号とに基づき、画像表示部17に撮像部15で撮像した撮像画像を含む画像を表示するか否かを決定する。したがって、第2の実施の形態における走行支援装置は、第1の実施の形態における走行支援装置が有する効果に加えて、ナビゲーションユニット50から画像切換部20に出力する信号を少なくすることができるので、画像切換部10とナビゲーションユニット50との接続を容易にすることができる。
【0075】
[第3の実施の形態]
次に第3の実施の形態における走行支援装置について説明する。第3の実施の形態における走行支援装置は、第1の実施の形態における走行支援装置に画像処理部とスピーカとを付加したものである。
【0076】
図12は、第3の実施の形態における走行支援装置の概略構成を示すブロック図である。図12を参照して、走行支援装置は、第1の実施の形態における走行支援装置に、撮像部15が出力する撮像画像中から移動物体を検出するための画像処理部40と、画像処理部40が出力する検出信号に基づき警告音を発生するためのスピーカ41とを加えた構成である。
【0077】
画像処理部40は、撮像部15が出力する撮像画像から移動物体を検出する。移動物体を検出する処理については後で詳しく説明する。画像処理部40で撮像画像中に移動物体が検出された場合には、撮像画像中に移動物体が存在することを示す検出信号を画像切換部30とスピーカ41とに出力する。ここで出力する検出信号には、撮像画像中に移動物体が存在する旨と、移動物体の撮像画像における座標値とが含まれる。
【0078】
スピーカ41は、画像処理部40から検出信号を受信すると、警告音を発生する。また、警告音の代りに「移動物体が接近しています。注意して下さい」等の音声を発生するようにしてもよい。
【0079】
画像切換部30は、画像処理部40が出力する検出信号に基づき、撮像部15が出力する撮像画像に、その撮像画像中に含まれる移動物体にマークを付与する処理を行なう。その他の構成については第1の実施の形態において説明したのと同様であるのでここでの説明は繰返さない。
【0080】
なお、画像切換部と画像処理部とをナビゲーションユニット50と別体に設けたが、画像切換部30と画像処理部40とをナビゲーションユニット50に含む構成とすることもできる。また、第3の実施の形態においては、第1の実施の形態における走行支援装置に画像処理部40とスピーカ41とを加えた構成としたが、第2の実施の形態における走行支援装置に画像処理部40とスピーカ41とを加えた構成とすることもできる。
【0081】
図13は、画像切換部30の詳細な構成を示すブロック図である。図13を参照して、画像切換部30は、画像切換部30の全体を制御するための制御部31と、撮像画像、ナビゲーション画像、TV画像を入力し、画像表示部17に表示するための画像を切換えるための切換部32とを含む。
【0082】
制御部31は、ナビゲーションユニット50が出力する接近情報と車速信号とに基づき、画像表示部17で表示する画像を決定し、切換信号を切換部32に出力する。また、制御部31は、画像処理部40が出力する検出信号に基づき、切換部32のマーク付与部33にマーカー付与信号を出力する。マーカー付与信号には、撮像画像中の移動物体の座標値が含まれる。
【0083】
切換部32は、制御部31が出力する切換信号に従って、画像表示部17に出力する画像を、撮像画像、ナビゲーション画像、TV画像、合成画像のいずれかに切換える。また、切換部32は、ナビゲーション画像の上に撮像画像を重ねた合成画像を作成するための合成部13と、撮像画像または合成画像に含まれる移動物体にマークを付与するマーク付与部33とを含む。
【0084】
マーク付与部33は、制御部31が出力するマーカー付与信号に基づき、撮像画像中の移動物体に所定のマークを付与する。
【0085】
図14は、マーク付与部33で移動物体にマークが付された撮像画像を示す図である。図14を参照して、撮像画像70中の右画像71aは、人物90とその人物を囲むマーク91とを含む。
【0086】
マーク91は、画像表示部17がカラー画像を表示可能であれば、マーク91の色をたとえば赤色等の運転者が認識しやすい色とすればよい。このようにすることで、運転者が右方向から人物90が近づいて来るのを即座に認識することができる。
【0087】
マーク91は、四角形で示したが、形状はこれに限られず丸形や三角形あるいは多角形等の印にすることができる。さらに、マーク91に代えて、人物90の輝度を高めて表示するようにしてもよい。撮像画像中に含まれる移動物体の輝度を上げることにより、撮像画像から輝度の高い部分を即座に判別することができるので、撮像画像中に含まれる移動物体を即座に認識することができる。
【0088】
次に、第3の実施の形態における走行支援装置で行なわれる画像切換処理について説明する。図15は、画像切換部30で行なわれる画像切換処理の流れを示すフローチャートである。図15を参照して、画像切換処理では、まず、ナビゲーションユニット50が出力する接近情報に基づき車両が交差点に接近したか否かが判断される(ステップS21)。車両が交差点に接近していると判断された場合にはステップS22に進み、そうでない場合には処理を終了する。
【0089】
ステップS22では、ナビゲーションユニット50が出力する車速信号に基づき車速が予め定められた所定の値(設定値)以下か否かが判断される。設定値は、好ましくは0〜5[km/h]であり、運転者が画像表示部17を見つつ、安全に車両を走行することができる速度である。
【0090】
ステップS23では、画像処理部40が出力する検出信号に基づき、撮像部15が出力する撮像画像に移動物体が含まれるか否かを判断する。移動物体が含まれる場合にはステップS24に進み、そうでない場合には処理を終了する。
【0091】
ステップS24では、画像表示部17に表示する画像を、撮像部15が出力する撮像画像を含む画像に切換える。撮像画像を含む画像とは、撮像部15が出力する撮像画像または、合成部13でナビゲーション画像に撮像画像を重ねた合成画像のいずれかである。ここでの撮像画像は、マーク付与部33により撮像画像中に含まれる移動物体にマークが付された画像である。画像表示部17に出力する画像を、撮像画像とするか合成画像とするかは、画像切換部に設けられたディップスイッチ等により切換えられる。また、画像表示部17でナビゲーション画像を表示している場合に合成画像を、TV画像を表示している場合または何も表示していない場合には撮像画像を表示するようにしてもよい。
【0092】
次のステップS25では、ドライバへの警告が行なわれる。ドライバへの警告としては、画像表示部17に表示される撮像画像中の移動物体にマークを付すことにより行なわれる。また、そのマークを点滅させたりしてもよい。これにより、運転者が移動物体が右方向または左方向にあることを画像表示部17を見てすぐに判断することができる。
【0093】
また、ここでは、移動物体にマークを付すようにしたが、マークを付すことなく、移動物体の輝度を高めてハイライト表示にしてもよい。
【0094】
さらに、画像表示部17に表示される移動物体にマークを付したり、そのマークを点滅させたり、または、移動物体自体をハイライト表示にしたりするとともに、スピーカ41から警告音を発生させる。また、警告音の代りに、「移動物体が接近しています。注意して下さい」等の音声を出力するしてもよい。
【0095】
次のステップS26では、車両が交差点を通過したか否かが判断される。車両が交差点を通過したか否かの判断は、ナビゲーションユニット50が出力する接近情報に基づき判断される。これについては上述したのでここでは説明を繰返さない。ステップS25の処理は、車両が交差点を通過するまで行なわれることになる。
【0096】
次のステップS27では、画像表示部17に表示する画像を、撮像画像を含まない画像に切換える。画像の切換は、画像切換部30から撮像画像または合成画像を画像表示部17に出力するのを中止することにより行なわれる。車両が交差点に接近する前に画像表示部17にナビゲーション画像またはTV画像が表示されていた場合には、車両が交差点に接近する前に表示されていた元のナビゲーション画像またはTV画像に切換える。また、車両が交差点に接近する前に画像表示部に何も表示されていなかった場合には、撮像画像または合成画像を画像表示部17で表示するのを中止する。
【0097】
次に、画像処理部40で行なわれる移動物体の検出処理について説明する。図16は、画像処理部40で行なわれる移動物体の検出処理の流れを示すフローチャートである。図16を参照して、画像処理部40では、撮像部15が出力する撮像画像から直近の1フレーム分の画像データ1を取込む(ステップS31)。そして、T秒前の1フレーム分の画像データ0を取込み、画像データ1と画像データ0とを比較する(ステップS32)。
【0098】
ここで、時間Tは、画像データ1と画像データ0とを比較することにより、移動物体を検出することができる時間が設定される。たとえば、車と人とでは移動する速度が異なるので、車を検出する場合と、人を検出する場合とで時間Tを異ならせるようにしてもよい。
【0099】
次のステップS33では、車両が移動中か否かが判断される。車両が移動中であれば、ステップS34に進み、移動中でなければステップS35に進む。これは、車両自体が移動している場合の移動物体の検出と、車両が移動していない場合の移動物体の検出とで、処理を異ならせることにより、処理速度を速めるためである。すなわち、車両が移動していないときの移動物体の検出の方が、処理が簡単であるため処理速度が速くなる。
【0100】
ステップS34では、車両が移動中における移動物体の検出のための前処理が行なわれる。画像データ1と画像データ0とを比較した結果得られる比較データから車両の移動に伴う画像データ中の静止物体の移動が削除される。すなわち、車両のまわりの環境中におかれる物体であって、環境に対して静止している物体が削除される。これは、車両が移動することにより、画像データ1と画像データ0との間で、静止物体が映る位置が異なってくる。しかし、静止物体であれば、移動ベクトルは同じであるため、これをもとに画像データ1と画像データ0とを比較した比較データから静止物体を削除することができる。
【0101】
次のステップS35では、画像データ1と画像データ0との比較データから抽出された移動物体のうち、自車方向へ向かうベクトル成分を持つ移動物体があるか否かが判断される。自車方向へ向かうベクトル成分を持つ移動物体がある場合にはステップS36に進み、そうでない場合には処理を終了する。
【0102】
次のステップS36では、自車方向へ向かうベクトル成分を持つ移動物体を検出し、移動物体が撮像画像中に含まれる旨と、その移動物体の座標データとを含む検出信号を画像切換部30およびスピーカ41に出力する。
【0103】
この移動物体の検出処理は、撮像部15が出力する撮像画像の右画像と左画像との両画像について行なわれる。そして、ステップS35で自車方向へ向かうべく成分については、右画像と左画像とではベクトルの方向が異なるのみで、他の処理については同様の処理を行なうことができる。
【0104】
なお、本実施の形態においては、撮像画像中に移動物体が存在するときに、移動物体にマークを付した撮像画像の表示に切換えるようにした。しかしながら、画像表示部17で撮像画像を表示している場合に、その撮像画像中に移動物体が現れたときに、その移動物体にマークを付して表示するようにしてもよい。
【0105】
以上説明したとおり第3の実施の形態における走行支援装置においては、第1の実施の形態における走行支援装置が有する効果に加えて、撮像部15が出力する撮像画像に移動物体が含まれるときにのみ画像表示部17で表示する画像を撮像画像または合成画像に切換えるようにしたので、より適切なタイミングで画像表示部17で表示する画像を切換えることができる。
【0106】
また、画像表示部17で表示する撮像画像に移動物体が存在する場合には、移動物体にマーキングして表示するようにしたので、運転者は、画像表示部17を見てすぐに移動物体が近くに存在することを認識することができる。
【0107】
また、移動物体の中でも、車両に近付いてくる移動物体があるときのみ、画像表示部17に表示するようにしたので、車両を進行させる危険性がより高いときにのみ運転者に必要な画像を提供することができる。なお、撮像部15はフロントグリル102またはボンネット上部に取付けてもよい。
<撮像部の説明>
次に、撮像部15について詳細に説明する。図17は、撮像部15が搭載された車両の一部を示す斜視図である。図17を参照して、車両にはグリル102と、ナンバープレート104と、バンパー106とが設けられており、撮像部15はバンパー106に取付けられている。また、図17において矢印に示される方向は車両の進行方向である。
【0108】
図18は、図17の撮像部15の原理を説明するための図である。図を参照して、撮像部には2つのミラーM1,M2が設けられており、カメラ113の一部分にはミラーM1,M2の2つの反射面により反射された、車両の左方向からの光が入射され、カメラ113の一部分には反射面により反射させない車両の右方向からの光が入射される。
【0109】
このような構成により、1台のカメラ113で車両の右方向からの画像と左方向からの画像とを撮像することが可能である。
【0110】
図19は、撮像部15の構成をその上部から見た平面図である。図を参照して、マウント部材115にミラーM1,M2とカメラ113とが取付けられている。また、カメラ113は撮像素子SEと撮像用レンズ(結像レンズ)Lとから構成されている。ミラーM1の端部はレンズLの光軸OP上に位置するように配置されている。これにより、図面の光軸OPを境としてレンズLの一部には車両の進行方向に対して右方向からの画像が入射される。これに対してレンズLの一部にはミラーM1,M2により反射された車両の進行方向に対して左方向からの画像が入射される。
【0111】
図19において、右方向の画像の撮像範囲をARで示し、左方向の画像の撮像範囲をALで示している。また、図19においては2つのミラーM1,M2で装置を構成することとしたが、2つのプリズムで2つの反射面を構成することとしてもよい。
【0112】
以上説明した撮像部15は、図19に示されるように車両の進行方向に対して右側の画像はミラーにより反射させずに直接撮像することができ、左方向の画像はミラーにより2回反射させることで、ユーザにとって違和感のない画像として撮像することができる。
【0113】
また、車両の運転手にとって右方向からの画像がよく見えた方が好ましいため、右方向からの画像に対してはミラーを用いず直接撮影を行ない、左方向からの画像に対してのみミラーを用いた撮影を行なうことが望ましい。すなわち、右方向からの画像はミラーを用いず直接撮像することができるため、良好な画質の画像を得ることができる。
【0114】
さらに、反射部材が少なくてすむため、低コストで装置を構成することができる。また、マウント部材115にミラーM1,M2やカメラ113を取付けるだけで装置を構成することができるため、低コストであり、また光学系の調整が容易である。
<撮像部の変形例の説明>
図20は、撮像部15の変形例の構成を示す斜視図である。この変形例においては、車両の進行方向に対して左右の画像を、ミラーM4,M5でそれぞれ反射させ、さらにミラーM3で反射させた後カメラ113に入射させることで、ユーザにとって違和感のない画像を得るものである。
【0115】
図21は、撮像部15の変形例の分解斜視図である。図に示されるように、撮像部はカバー部材201と前述のミラーM3,M4,M5と、カメラ113とベース部材203とから構成される。車両の右方向からの光はミラーM4およびミラーM3を介してカメラ113に入射する。一方、車両の左方向からの光はミラーM5およびミラーM3を介してカメラ113に入射する。
【0116】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態における走行支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 撮像部15の撮像範囲を説明するための図である。
【図3】 画像切換部10の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】 撮像部15が出力する撮像画像の一例を示す第1の図である。
【図5】 撮像部15が出力する撮像画像の一例を示す第2の図である。
【図6】 撮像部15が出力する撮像画像の一例を示す第3の図である。
【図7】 合成部13で構成される合成画像の一例を示す図である。
【図8】 画像切換部10で行なわれる画像切換処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】 第2の実施の形態における走行支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】 第2の実施の形態における画像切換部20の詳細な構成を示すブロック図である。
【図11】 第2の実施の形態における画像切換部20で行なわれる画像切換処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】 第3の実施の形態における走行支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】 第3の実施の形態における画像切換部30の詳細な構成を示すブロック図である。
【図14】 マーク付与部33で移動物体にマークが付された撮像画像を示す図である。
【図15】 第3の実施の形態における画像切換部30で行なわれる画像切換処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】 第3の実施の形態における画像処理部40で行なわれる移動体の検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】 撮像部15が取付けられた車両の斜視図である。
【図18】 撮像部の原理を説明するための図である。
【図19】 撮像部の構成を示す平面図である。
【図20】 撮像部の変形例の構成を示す斜視図である。
【図21】 撮像部の変形例の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 画像切換部、11 制御部、12 切換部、13 合成部、15 撮像部、16 切換スイッチ、17 画像表示部、50 ナビゲーションユニット、20,30 画像切換部、33 マーク付与部。
Claims (8)
- 移動体に取付けられ、前記移動体の進行方向に対して右方向と左方向を撮像して右画像と左画像を出力する撮像手段と、
前記移動体の現在位置を道路地図上にマークしたナビゲーション画像を出力するナビゲーション画像出力手段と、
前記ナビゲーション画像出力手段が出力する前記ナビゲーション画像上に前記撮像手段が出力する前記右画像と前記左画像を重ねた重畳画像を作成する合成手段と、
前記合成手段が出力する前記重畳画像を表示するための表示手段とを備え、
前記右画像と前記左画像のそれぞれは、高さ方向の長さが移動体の進行方向からの角度に比例して短くなる、移動体の走行支援装置。 - 前記撮像手段と前記表示手段との間に設けられ、前記表示手段の表示を前記右画像と前記左画像を含む画像に切換えるための切換手段をさらに備えた、請求項1に記載の移動体の走行支援装置。
- 前記移動体の前記道路地図上の位置に基づき前記移動体と交差点との間の距離を算出し、算出した距離に基づき前記移動体が前記交差点に接近していることを示す接近情報を出力する接近検知手段をさらに備え、
前記切換手段は、前記接近検知手段から出力される前記接近情報に基づき、前記表示手段で表示する画像を切換えることを特徴とする、請求項2に記載の移動体の走行支援装置。 - 前記移動体の移動方向を示す指示信号を出力する指示部と、
前記移動体の単位時間当りの移動距離を検出するための速度検出部とをさらに含み、
前記切換手段は、前記指示部と前記速度検出部との出力に基づき、前記表示手段の表示を切換えることを特徴とする、請求項2に記載の移動体の走行支援装置。 - 前記右画像と前記左画像中から移動物体を検出するための移動物体検出手段をさらに含み、
前記切換手段は、前記移動物体検出手段で移動物体が検出されたときに前記表示手段の表示を切換えることを特徴とする、請求項2に記載の移動体の走行支援装置。 - 前記移動物体検出手段で移動物体が検出されたことを報知するための報知手段をさらに備えた、請求項5に記載の移動体の走行支援装置。
- 前記右画像と前記左画像中から移動物体を検出するための移動物体検出手段と、
前記移動物体検出手段で移動物体が検出されたことを報知するための報知手段とをさらに備えた、請求項1に記載の移動体の走行支援装置。 - 前記報知手段は、前記右画像と前記左画像中に含まれる前記移動物体に所定のマークを付して前記表示手段に表示することを特徴とする、請求項6または7に記載の移動体の走行支援装置。
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