JP4228917B2 - 成形材料 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、耐オゾン性物品用成形材料、耐オゾン性物品、耐オゾン性射出成形品及び射出成形用材料に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造の分野では、ウェットプロセスに多量の薬液と水が用いられているが、その薬液等を移送する配管材や継ぎ手等の配管材類の成形材料には、耐薬品性、耐熱性に優れたフッ素樹脂が用いられている。
【0003】
フッ素樹脂としては、なかでも、テトラフルオロエチレン〔TFE〕とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕との共重合体〔PFA〕が汎用されており、特にTFEとパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕との共重合体は、耐薬品性、耐熱性に優れるほか、耐ストレスクラック性も良好であることから好適な成形材料として使用されている。PFAには大きな問題はなかったが、価格を抑制する面、共重合体の生産性向上の面から、PPVE単位の含有量が3.5質量%未満に抑えられているものが多く使用されている。
【0004】
フッ素樹脂を用いて成形する際、チューブ等の単純な形状の部品は押出成形で生産され、継ぎ手等の複雑な形状の部品は主に射出成形で生産されている。射出成形する場合、溶融粘度が高いタイプのフッ素樹脂に比べると耐ストレスクラック性は劣るが、主に成形時の生産性を上げるために、比較的溶融粘度が低いタイプのものが用いられている。射出成形用フッ素樹脂としては、例えば、PFAの場合、溶融粘度の指標であるメルトフローレート〔MFR〕が10g/10分以上のものが広く販売、使用されている。
【0005】
近年、半導体製造プロセスでは、ウエファや装置の洗浄、更に、レジストの剥離、表面親水化等、有機物の除去に強い分解力を有するオゾンを用いることが検討されている。
【0006】
オゾンは、以前からオゾン水として水道水の浄化や殺菌等に用いられてきたが、耐オゾンクラック性は、以下の理由により特に問題とならなかった。
【0007】
1.オゾン水におけるオゾンの濃度が高くても200ppm程度であるので、オゾンによる影響が限定的であったこと
【0008】
2.配管材類を通る水道水等への極微量の金属汚染を無視することができる場合、強度に問題がない点で金属製の配管材類が用いられてきたこと
【0009】
しかしながら、半導体製造プロセスでは、金属汚染を可能な限り減らす必要があるので、配管材類の成形材料としては樹脂を用いる必要があり、耐薬品性、耐熱性に優れている点で、フッ素樹脂を用いることが好ましい。
【0010】
また、最近の半導体製造プロセス、特にレジスト除去の工程では、処理効率を向上させるため、オゾンの活性を高める手段として、オゾンの濃度をオゾン水程度の200ppmから1000〜20万ppmに高めること、処理温度を通常の室温から80〜150℃に高めること、触媒として水蒸気を添加すること等が提案されている。このようにオゾンの使用条件が過酷になって配管材類やチャンバーへの負荷が高まっており、フッ素樹脂として従来のPFAを用いると、成形品内部にオゾンが浸透することによってクラックが発生し、このオゾンクラックによる力学強度の低下は避けられないという問題があった。
【0011】
オゾンクラックを防止する方法として、PFAに代えて更に耐オゾン性に優れるとされているポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕を使用することが挙げられるが、PTFEの成形体は透明性が低く、配管材類等として用いると内部の液の動きや液面が見えにくく視認性に欠けるという問題があった。また、PTFEは溶融加工ができず、複雑な形状の部品を作ろうとすると、ブロック成形体から切削加工を行う必要があり、産業廃棄物が多く発生し、成形加工にコストがかかるという問題があった。
【0012】
耐オゾン性を有する射出成形用フッ素樹脂として、融点が300〜310℃のPFAが市販されている。しかしながら、この市販品は耐屈曲疲労性を示すMIT値が20万回と不充分であり、また、耐オゾン性を有する理由はフッ素樹脂の純度が高いという点しか明らかにされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記現状に鑑み、特に半導体製造装置に使用する配管材や継ぎ手等の耐オゾン性に優れた物品、上記物品の製造に好適な耐オゾン性物品用成形材料、耐オゾン性射出成形品及び射出成形用材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、共重合体(A)からなり、メルトフローレートが0.1〜50g/10分である耐オゾン性物品用成形材料であって、上記共重合体(A)は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテルとからなる共重合体であり、パーフルオロビニルエーテル単位を3.5質量%以上含み、融点が295℃以上であり、不安定末端基が上記共重合体(A)中の炭素数1×10個あたり50個以下であるものであることを特徴とする耐オゾン性物品用成形材料である。以下、本発明の「耐オゾン性成形材料(I)」という。
【0014】
本発明は、また、共重合体(B)からなり、メルトフローレートが0.1〜50g/10分である耐オゾン性物品用成形材料であって、上記共重合体(B)は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)とからなる共重合体であり、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位を3.5〜6質量%含み、不安定末端基が上記共重合体(B)中の炭素数1×10個あたり50個以下であるものであることを特徴とする耐オゾン性物品用成形材料である。以下、本発明の「耐オゾン性成形材料(II)」という。
【0015】
本発明は、また、パーフルオロ樹脂からなる耐オゾン性射出成形品であって、上記パーフルオロ樹脂は、パーフルオロ重合体からなり、MIT値が20万回を超え、融点が230℃以上であり、不安定末端基が上記パーフルオロ重合体中の炭素数1×10個あたり50個以下であるものであることを特徴とする耐オゾン性射出成形品である。以下、本発明の「耐オゾン性射出成形品(i)」という。
【0016】
本発明は、また、パーフルオロ樹脂からなる耐オゾン性射出成形品であって、上記パーフルオロ樹脂は、パーフルオロ重合体からなり、MIT値が30万回以上であり、不安定末端基が上記パーフルオロ重合体中の炭素数1×10個あたり50個以下であるものであることを特徴とする耐オゾン性射出成形品である。以下、本発明の「耐オゾン性射出成形品(ii)」という。
【0017】
本発明は、また、耐オゾン性射出成形品(i)又は耐オゾン性射出成形品(ii)を製造するために用いられる射出成形用材料である。
【0018】
発明の詳細な開示
以下に本発明を詳細に説明する。
【0019】
酸化還元電位の高いオゾンに対しても化学的に安定な材料であるはずのテトラフルオロエチレン〔TFE〕とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕との共重合体〔PFA〕等のフッ素樹脂がオゾンクラックを生ずる原因として、フッ素樹脂の製造工程で不可避的に混入する不純物がオゾンにより分解されて発生する分解ガスや、オゾンが不純物の存在により触発されて自己分解して、化学反応式O+O=3Oにより発生する酸素ガスがフッ素樹脂を成形して得られる成形体内部に溜まり、それらのガスが成形体内部に閉じ込められているので高圧のガスの塊となり、ガスの膨張力で成形体を内部から物理的に引き裂くことによるものではないかと推定される。
【0020】
本発明者らは、上述のようにオゾンを原因とする成形体内部に生ずるガスによるオゾンクラックの発生を防止するための方法を模索した結果、(1)ガスが成形体内部で発生してもガスの膨張力によって成形体が容易に引き裂かれないようにする方法、及び、(2)ガスの発生を極力抑える方法が有効と考え、更に検討を重ねた。
【0021】
(1)の方法を行う場合、フッ素樹脂の分子量を大きくするか、フッ素樹脂を柔らかくする、例えば、PFAの場合、PAVEの含有量を多くすることが考えられる。しかし、フッ素樹脂を柔らかくすると、成形加工時や成形体の使用時に外部からの不純物の浸入が増えキャリーオーバーが生じやすくなるほか、PAVEの含有量の増加等により結晶化度が小さくなり、フッ素樹脂の融点が下がるので耐熱性が損なわれてしまうとともにガスバリヤー性も低下し、オゾンの透過量が増大してしまう。また、外部から力を受けると成形体の形状変化が大きく、既存の半導体製造プロセス等との整合性が悪くなるほか、従来行われてきた、成形体を更に変形すること、例えば、チューブの末端を加工すること等ができなくなる。
【0022】
従って、(1)の方法だけでも耐オゾン性の向上という目的を達成し得るが、本来フッ素樹脂が有する物性や成形性が悪化してしまう。
【0023】
そこで本発明では、上記(1)の方法による改質はフッ素樹脂の物性や成形性を損なわない範囲に止め、これと上記(2)の方法を組合せ、フッ素樹脂の耐薬品性、耐熱性及び機械的特性を維持したまま耐オゾン性に優れた成形材料を提供する。
【0024】
本発明の耐オゾン性物品用成形材料は、耐オゾン性物品を成形することに特に適した成形材料であり、耐オゾン性物品の成形に好適に使用することができる成形材料である。
【0025】
本明細書において、上記「耐オゾン性」とは、オゾン1質量部に対して0.0001〜30質量部の水蒸気が添加されたオゾン濃度1000ppm以上のオゾンガスに、耐オゾン性物品、後述の耐オゾン性射出成形品等の成形体を曝露した際、成形体にクラックの発生がないこと、又は、成形体にクラックが発生した場合であっても、後述のオゾン曝露試験におけるクラックの測定方法により測定される長さ10μm以上のクラックの数が、成形体表面1mmあたり10個以下であることを意味する。
【0026】
本明細書において、上記耐オゾン性は、上記水蒸気が添加されたオゾンガスのオゾン濃度が上記範囲内であれば20万ppm以下の条件下で達成されるものであればよいが、オゾン濃度が5000ppm以上の条件下で達成されることが好ましく、オゾン濃度が10000ppm以上の条件下で達成されることがより好ましい。例えば、半導体製造プロセスにオゾンを用いる場合、上記水蒸気が添加されたオゾンガスのオゾン濃度は、通常、20万ppm以下であり、また、空気に紫外線照射することにより生成するオゾン濃度は、通常、200ppm以下である。なお、上記オゾン濃度は、水蒸気で希釈した後の値である。
【0027】
上記耐オゾン性は、また、上記水蒸気が添加されたオゾンガスの水蒸気量が上記範囲内であればオゾン1質量部に対して0.01質量部以上の条件下で達成されることが好ましく、0.1質量部以上の条件下で達成されることがより好ましい。例えば、半導体製造プロセスにオゾンを用いる場合、オゾンの活性を高めるため触媒として水蒸気が添加されているが、上記水蒸気が添加されたオゾンガスの水蒸気量は、通常、オゾン1質量部に対して0.01質量部以上である。
【0028】
本発明の耐オゾン性成形材料(I)は、共重合体(A)からなり、上記共重合体(A)は、テトラフルオロエチレン〔TFE〕とパーフルオロビニルエーテル〔PFVE〕とからなる共重合体である。
【0029】
上記共重合体(A)における上記PFVEとしては特に限定されず、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(ペンチルビニルエーテル)、パーフルオロ(ヘキシルビニルエーテル)、パーフルオロ(ヘプチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕;CF=CFO(CFCF(CF)O)CF、CF=CFO(CFCF(CF)O)CF、CF=CFO(CFCF(CF)O)CF、CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCF、CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCF、CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCF、CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCFCF、CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCFCF、CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCFCF等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)等が挙げられる。なかでも、TFEとの共重合性及び共重合体(A)に良好な耐熱性を与える点からPPVEが好ましい。
【0030】
上記共重合体(A)は、上述のようにTFEとPFVEとからなる共重合体であり、上記TFEとPFVEとからなる共重合体は、実質的にTFEとPFVEとの共重合体である。本明細書において、上記「実質的に」とは、例えば、共重合体(A)の場合、モノマー単位の大部分がTFE単位とPFVE単位とからなり、TFE単位とPFVE単位との合計が共重合体(A)のモノマー単位全量の95モル%以上であることを意味する。
【0031】
本明細書において、上記「TFE単位」、「PFVE単位」等の「モノマー単位」とは、上記共重合体(A)等の共重合体の分子構造の一部分であって、用いたモノマーに由来する部分を意味する。例えば、上記「TFE単位」はTFEに由来する部分、上記「PFVE単位」はPFVEに由来する部分を意味する。本明細書において、上記「TFE単位とPFVE単位との合計が共重合体(A)のモノマー単位全量の95モル%以上」とは、上記共重合体(A)の分子構造のうち、TFEに由来する部分及びPFVEに由来する部分が、共重合体(A)のTFE及びPFVEを含むモノマーに由来する部分全体の95モル%以上を占めることを意味する。
【0032】
上記共重合体(A)は、共重合体(A)の性質を大きく変えないのであれば、TFE単位及びPFVE単位以外にその他の共重合可能な単量体に由来する単位を5モル%以下含むものであってもよい。
【0033】
上記共重合体(A)は、PFVE単位を3.5質量%以上含むものである。3.5質量%未満であると、機械的強度及び耐熱性は上がるが、本発明が目的とする耐オゾンクラック性が得られない。好ましい下限は4.0質量%、更に好ましい下限は4.5質量%である。PFVEとしてPPVEを用いる場合は、4.0質量%を超えるものが好ましい。
【0034】
上記共重合体(A)におけるPFVE単位の含有量は、PFVEの種類や目的とする物品等によって異なり一概には決められないが、少なくとも、結晶の量が少なくエラストマー性を示すものは耐熱性の点から不適当であるので、上限は、通常、8質量%であり、好ましい上限は、6質量%である。PFVEとしてPPVEを用いる場合、上限は、通常、7質量%であり、好ましい上限は、6質量%である。
【0035】
本明細書において、上記「PFVE単位を3.5質量%以上含む」とは、上記共重合体(A)の分子構造上、上記共重合体(A)1分子の質量に対するPFVEに由来する部分の質量(%)の平均値が3.5%以上であることを意味する。
【0036】
本明細書において、上述のモノマー単位と、共重合体におけるモノマー単位のモル%及び質量%についての考え方は、上述したTFE及びPFVE以外のモノマーと、共重合体(A)以外の共重合体についても同様に適用する。
【0037】
上記共重合体(A)は、融点が295℃以上であるものである。本発明の耐オゾン性成形材料(I)を本発明が主な目的とする半導体製造装置に使用する場合、100℃以上、好ましくは150℃以上での耐熱性が要求される。また、共重合体(A)の融点はPFVE単位の含有量により変化し、PFVE単位の含有量が増えると融点は低下する。従って、この295℃という融点の下限は、PFVE単位の含有量の上限を規定するファクターともいえる。好ましい下限は、298℃である。
【0038】
PFVE単位の含有量が3.5質量%のものの融点は、PFVEの種類によって異なるが、通常、310℃である。
【0039】
本明細書において、融点は後述のように示差走査熱量計〔DSC〕を用いて試料を測定した値である。共重合体(A)の融点を測定する場合、本発明の耐オゾン性成形材料(I)は上記共重合体(A)を主成分とするので、耐オゾン性成形材料(I)について測定して得られた値と、共重合体(A)について測定して得られた値とは、実質的に同程度の値であり、試料としては、共重合体(A)又は共重合体(A)からなる耐オゾン性成形材料(I)を用いることができる。
【0040】
本発明の耐オゾン性成形材料(II)は、共重合体(B)からなり、上記共重合体(B)は、TFEとPPVEとからなる共重合体である。
【0041】
上記共重合体(B)は、上述のように、TFEとPPVEとからなる共重合体であり、上記TFEとPPVEとからなる共重合体は、実質的にTFEとPPVEとの共重合体である。上記共重合体(B)は、共重合体(B)の性質を大きく変えないのであれば、TFE単位及びPPVE単位以外にその他の共重合可能な単量体に由来する単位を5モル%以下含むものであってもよい。
【0042】
上記共重合体(B)は、PPVE単位を3.5〜6質量%含むものである。3.5質量%未満であると、機械的強度及び耐熱性は上がるが、本発明が目的とする耐オゾンクラック性が得られない。好ましくは、4質量%を超えるものである。上限は、通常、7質量%であるが、耐熱性の点から、6質量%であることが好ましい。
【0043】
上述のPPVE単位の含有量の上限から、上記共重合体(B)の融点について規定することができる。
【0044】
以下、上記共重合体(A)及び上記共重合体(B)に共通する性質について詳述する。
【0045】
上記共重合体(A)及び上記共重合体(B)は、メルトフローレート〔MFR〕が0.1〜50g/10分であるものである。MFR値は溶融成形性の指標であり、上記範囲内であれば良好な成形性が達成される。好ましい下限は、0.5g/10分であり、好ましい上限は、40g/10分である。また、MFR値は後述する耐屈曲疲労性にも影響を与えるファクターである。
【0046】
本明細書において、MFRは、後述のようにASTM D 2116−81に準拠して測定した値である。本発明の耐オゾン性成形材料(I)と耐オゾン性成形材料(II)とは、それぞれ上述の共重合体(A)又は共重合体(B)を主成分とするものであるので、上記共重合体(A)のMFR、及び、上記共重合体(B)のMFRは、実質的に耐オゾン性成形材料(I)のMFR、及び、耐オゾン性成形材料(II)のMFRと同程度の値である。上記耐オゾン性成形材料(I)から得た成形体と上記耐オゾン性成形材料(II)から得た成形体とを切断し、上記と同様にMFRを測定した値を、それぞれ上記共重合体(A)のMFRと上記共重合体(B)のMFRとすることも可能である。
【0047】
上記共重合体(A)は、不安定末端基が共重合体(A)中の炭素数1×10個あたり50個以下であり、上記共重合体(B)は、不安定末端基が共重合体(B)中の炭素数1×10個あたり50個以下であるものである。この不安定末端基の個数は、単に共重合体(A)及び共重合体(B)の安定化の程度を評価する基準になっているだけではなく、その低減化処理により共重合体(A)及び共重合体(B)に不可避的に存在する各種のオゾンクラックの原因となる不純物、例えば、重合開始剤残渣、連鎖移動剤残渣、低分子量物をも分解若しくは揮散させている程度、又は、オゾンに対して安定化させている程度を示す基準にもなっている。換言すれば、炭素原子1×10個あたりの不安定末端基の個数が50個以下の共重合体(A)、及び、炭素原子1×10個あたりの不安定末端基の個数が50個以下の共重合体(B)は、本発明の耐オゾン性成形材料(I)又は耐オゾン性成形材料(II)としてオゾンクラックの原因になる不純物の量が低減化されていることを示している。
【0048】
本発明の耐オゾン性成形材料(I)及び本発明の耐オゾン性成形材料(II)において、上述の(2)の方法、すなわち、ガスの発生を極力抑える方法は、それぞれ不安定末端基の個数が共重合体(A)中の炭素数1×10個あたり50個以下であること、及び、共重合体(B)中の炭素数1×10個あたり50個以下であることにより実現される。好ましい上限は、炭素原子1×10個あたり20個であり、より好ましい上限は、炭素原子1×10個あたり5個である。上記不安定末端基は、存在しなくてもよい。
【0049】
本明細書において、「不安定末端基」とは、−COF、−COOH free(遊離のCOOH)、−COOH bonded(会合しているCOOH)、−COOCH、−CONH及び−CHOHを意味する。これらの不安定末端基は後述のフッ素ガス処理により、最終的に−CFになる。本明細書において、上記不安定末端基における「末端」とは、通常、主鎖末端を意味する。
【0050】
上記共重合体(A)はパーフルオロ共重合体(a)に、上記共重合体(B)はパーフルオロ共重合体(b)にそれぞれ後述のフッ素ガス処理を行うことにより得られたものであることが好ましい。上記パーフルオロ共重合体(a)は、不安定末端基が上記パーフルオロ共重合体(a)中の炭素数1×10個あたり60個以上であるものである。上記パーフルオロ共重合体(b)は、不安定末端基が上記パーフルオロ共重合体(b)中の炭素数1×10個あたり60個以上であるものである。
【0051】
上記パーフルオロ共重合体(a)としては、不安定末端基が上記パーフルオロ共重合体(a)中の炭素数1×10個あたり60個以上であり、後述のフッ素ガス処理により共重合体(A)が得られるものであれば特に限定されないが、通常、共重合体(A)と同様のモノマー単位からなる共重合体である。
【0052】
上記パーフルオロ共重合体(b)としては、不安定末端基が上記パーフルオロ共重合体(b)中の炭素数1×10個あたり60個以上であり、後述のフッ素ガス処理により共重合体(B)が得られるものであれば特に限定されないが、通常、共重合体(B)と同様のモノマー単位からなる共重合体である。
【0053】
上記パーフルオロ共重合体(a)が有する不安定末端基、及び、パーフルオロ共重合体(b)が有する不安定末端基の数を低減化処理する方法としては特に限定されず、例えば、フッ素ガス処理、熱処理、超臨界ガス抽出処理等が挙げられるが、処理効率に優れている点、不安定末端基の一部又は全部が−CFに変換され安定末端基となる点からフッ素ガス処理が好ましい。
【0054】
上記フッ素ガス処理は、パーフルオロ共重合体(a)及びパーフルオロ共重合体(b)に対して施すものである。上記パーフルオロ共重合体(a)及びパーフルオロ共重合体(b)は、上記フッ素ガス処理を施すことにより、炭素原子1×10個あたりの不安定末端基の個数を50個以下に低減することができる。
【0055】
上記フッ素ガス処理は、フッ素ガスを上記パーフルオロ共重合体(a)とパーフルオロ共重合体(b)とにそれぞれ接触させることにより行うことができる。上記フッ素ガス処理は粉末状のものに対して行ってもよいし、ペレット状のものに対して行ってもよい。粉末状態で行う場合、パーフルオロ共重合体(a)及びパーフルオロ共重合体(b)の製造時に不可避的に入ってくる、又は、混入する不純物、特に炭化水素系化合物の除去に有利である。ペレット状態で行う場合、ペレットはパーフルオロ共重合体(a)の粉末とパーフルオロ共重合体(b)の粉末とをそれぞれ溶融して製造するが、その溶融処理時に発生する熱分解産物を除去する点で有利である。従って、上記フッ素ガス処理は、本発明の耐オゾン性成形材料(I)及び本発明の耐オゾン性成形材料(II)内部の不純物をより一層少なくする観点からは、粉末状のもの及びペレット状のものの両方に対して行うことが好ましい。
【0056】
フッ素ガスと有機物との反応は激しい発熱反応であるため、危険の回避と反応制御の点から、フッ素ガスを窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスで希釈して使用することが好ましい。フッ素ガス濃度は、10〜25質量%程度が適当である。上記フッ素ガス処理は、この希釈フッ素ガスを、100〜250℃でパーフルオロ共重合体(a)とパーフルオロ共重合体(b)とにそれぞれ接触させて行う。上記フッ素ガス処理の温度の好ましい下限は、120℃であり、好ましい上限は、250℃である。フッ素ガス処理を行う時間は、通常、3〜16時間であり、好ましい下限は、4時間であり、好ましい上限は、12時間である。フッ素ガス処理は加圧状態で行ってもよいが、反応器内に置かれたパーフルオロ共重合体(a)とパーフルオロ共重合体(b)とにそれぞれ大気圧で希釈フッ素ガスを連続的又は間欠的に通しながら行うことが好ましい。また、フッ素ガス処理後にアンモニアガスで処理することにより、−COFが残存していてもより安定な−CONHに変換することができる。
【0057】
上述のフッ素ガス処理による不安定末端基の安定化処理としては、例えば、特公平4−83号公報に記載されている方法を用いることができる。しかしこの公報では、成形材料内部の不純物の減少や耐オゾンクラック性については全く触れられていない。従って、上記公報には耐オゾンクラック性に優れた成形材料は開示されていない。
【0058】
上記不安定末端基の数を低減化処理する方法として、上述の熱処理により行う場合、水蒸気の存在下、100℃以上の高温で湿潤熱処理を行うことができる。上記熱処理により不安定末端基の安定化を行うと、カルボキシル基由来の不安定末端基が比較的安定な−CFHとなる。上記熱処理は独立して行うことも可能であるが、ペレット化する際に押出機中で行うこともできる。しかしながら、上記熱処理は上記フッ素ガス処理と比べて処理効率が低く、処理効率を高めようとすると、半導体を製造する工程において忌避されるアルカリ金属塩を添加する必要があるので、上記不安定末端基の数を低減化処理する方法としては、フッ素ガス処理が好ましい。
【0059】
上記共重合体(A)及び上記共重合体(B)は、MIT値が下記式(1)を満たすものであることが好ましい。
【0060】
(MIT値)≧〔7×10×(MFR)−2〕 (1)
【0061】
上記MIT値は、耐屈曲疲労性の指標である。
【0062】
上記MIT値は分子量に依存し、一般に分子量が大きくなればMIT値も大きくなり、力学的なストレスに対する耐クラック性が向上するとともに、オゾン等に対する耐クラック性も向上する。しかしながら、上記共重合体(A)及び上記共重合体(B)は、通常、分子量が大きくなれば溶融流動性が低下し、成形加工性が悪くなる。そこで本発明者らは、MIT値と溶融流動性の指標であるMFRとの関係を実験的に研究し、耐オゾン性成形材料(I)及び耐オゾン性成形材料(II)について、MFRが上記の範囲でありかつMIT値が一般式(1)を満たすときには溶融加工性を維持したまま優れた耐クラック性が得られることを見出した。上記MIT値の上限は、上記共重合体(A)若しくは共重合体(B)の融点の下限値、又は、PFVE単位の含有量の上限値若しくはPPVE単位の含有量の上限値で決まる。
【0063】
本明細書において、MIT値は、後述のようにASTM D 2176−69に準拠して測定した値である。上記共重合体(A)のMIT値、及び、上記共重合体(B)のMIT値は、上記耐オゾン性成形材料(I)を用いて得られた成形体、及び、上記耐オゾン性成形材料(II)を用いて得られた成形体について測定した値である。本発明の耐オゾン性成形材料(I)と耐オゾン性成形材料(II)とは、それぞれ上述の共重合体(A)又は共重合体(B)を主成分とするものであるので、上記共重合体(A)のMIT値、及び、上記共重合体(B)のMIT値は、実質的に耐オゾン性成形材料(I)のMIT値、及び、耐オゾン性成形材料(II)のMIT値と同程度の値である。上記耐オゾン性成形材料(I)から得られた成形体と上記耐オゾン性成形材料(II)から得られた成形体とを切断し、上記と同様にMIT値を測定した値を、それぞれ上記共重合体(A)のMIT値と上記共重合体(B)のMIT値とすることも可能である。
【0064】
本発明の耐オゾン性成形材料(I)及び本発明の耐オゾン性成形材料(II)は、PFAが本来有する良好な耐熱性、耐溶剤性、溶融加工性に加え、優れた耐オゾンクラック性を有しており、それらの特性が要求される各種の物品に成形することができる。本発明の耐オゾン性成形材料(I)及び本発明の耐オゾン性成形材料(II)は、なかでも、半導体製造装置に用いる耐オゾン性物品の成形材料として好適に使用することができる。
【0065】
本発明の耐オゾン性成形材料(I)を用いて成形することにより得られる半導体製造装置用の耐オゾン性物品、及び、本発明の耐オゾン性成形材料(II)を用いて成形することにより得られる半導体製造装置用の耐オゾン性物品もまた、本発明の一つである。
【0066】
本明細書において「物品」とは、完成品に限らず成形品であれば特に限定されず、製品の全部又は一部に本発明の耐オゾン性成形材料(I)又は耐オゾン性成形材料(II)を適用したもの、例えば、配管材や容器等のライニング材等をも含むものである。
【0067】
上記物品の形状としては特に限定されず、例えば、シート、フィルム、丸棒、角棒、パイプ、チューブ、丸槽、角槽等の各種の形状が挙げられ、これらをそのまま、又は、更に加工して、各種の部品や製品を製造することができる。
【0068】
上記物品としては特に限定されず、例えば、オゾンに接触する各種の物品、なかでも半導体製造装置の配管材、継ぎ手、パッキン、バルブ、コック、コネクタ、ナット、容器、ウェハーキャリア、ウェハーボックス、ビーカー、フィルターハウジング、流量計、ポンプ等が挙げられ、これらのライニング材及びライニングされたもの等であってもよい。なかでも、半導体製造装置用配管材又は半導体製造装置用継ぎ手として用いることが好ましい。そのほか、ダイヤフラム、ベローズ、スリーブ等の成形材料としても期待することができる。これらの本発明の耐オゾン性物品は何れも、耐オゾン性に優れた物品であり、半導体装置に好適に用いられる。
【0069】
本発明の耐オゾン性成形材料(I)及び本発明の耐オゾン性成形材料(II)を上記物品に成形する方法としては特に限定されず、例えば、射出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法、押出成形法、ブロー成形法等が挙げられる。
【0070】
本発明の耐オゾン性成形材料(I)及び本発明の耐オゾン性成形材料(II)には、できるだけ分解ガスの原因になる添加剤は配合しないことが好ましいが、特殊な性能が要求される場合は、従来公知の添加剤を必要最小限の範囲で配合してもよい。このような添加剤としては、特開2001−151971号公報に示される球晶微小化剤、低分子量PTFE等が挙げられる。
【0071】
本発明の耐オゾン性射出成形品(i)は、パーフルオロ樹脂(以下、「パーフルオロ樹脂(C)」という)からなり、上記パーフルオロ樹脂(C)は、パーフルオロ重合体(以下、「パーフルオロ重合体(c)」という)からなるものである。
【0072】
上記パーフルオロ重合体(c)は、下記一般式
−(CF−CF−(CF−CFY)
(式中、n及びmは、1以上の整数を表す。Yは、−OR又は−Rを表し、m個のYは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。R及びRは、パーフルオロアルキル基を表す。)で表される繰り返し単位を有する共重合体であり、通常、半結晶性である。上記R及びRは、重合性の面から、炭素数1〜7のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。上記Rは、−CF、−C、−C、−Cであることがより好ましい。上記Rは、−CF、−C、−Cであることがより好ましい。上記パーフルオロ重合体(c)は、上記一般式における−(CF−CF)−がTFEに由来し、上記一般式における−(CF−CFY)−が炭素数3以上のパーフルオロオレフィン又はPFVEに由来するものである。上記パーフルオロ重合体(c)は、3種以上のモノマーからなる共重合体であってもよい。
【0073】
上記パーフルオロ重合体(c)は、パーフルオロ重合体(c)の性質を大きく変えないのであれば、TFE単位と炭素数3以上のパーフルオロオレフィン単位とPFVE単位以外にその他の共重合可能な単量体に由来する単位を5モル%以下含むものであってもよい。
【0074】
上記パーフルオロ重合体(c)がTFE及びHFPからなる共重合体である場合、TFE単位を60〜95質量%、及び、HFP単位を5〜40質量%含むものが好ましい。TFE単位のより好ましい下限は、80質量%、更に好ましい下限は、85質量%であり、より好ましい上限は、92質量%、更に好ましい上限は、90質量%である。HFP単位のより好ましい下限は、8質量%、更に好ましい下限は、10質量%であり、より好ましい上限は、20質量%、更に好ましい上限は15質量%である。更に、PFVE単位を0.5〜2質量%含むこともできる。
【0075】
上記パーフルオロ重合体(c)は、TFE及びPFVEからなる共重合体であることが好ましい。上記PFVEとしては特に限定されず、例えば、共重合体(A)で上述したものと同じもの等が挙げられ、なかでも、PPVEが好ましい。
【0076】
上記パーフルオロ重合体(c)がTFE及びPFVEからなる共重合体である場合、TFE単位を99質量%以下、及び、PFVE単位を1質量%以上含むものが好ましい。PFVEとしてPPVEを用いる場合、TFE単位を85〜99質量%、及び、PFVE単位を1〜15質量%含むものが好ましい。TFE単位のより好ましい下限は、93質量%、更に好ましい下限は、94質量%であり、より好ましい上限は、98質量%、更に好ましい上限は、97質量%である。PPVE単位のより好ましい下限は、2質量%、更に好ましい下限は、3質量%であり、より好ましい上限は、7質量%、更に好ましい上限は、6質量%である。
【0077】
上記パーフルオロ樹脂(C)は、MIT値が20万回を超えるものである。20万回以下であると、オゾンクラック等の耐オゾン性が不充分である。好ましくは、30万回以上、より好ましくは、40万回以上である。上記パーフルオロ樹脂(C)は、上記MIT値が上記範囲内であれば500万回以下であっても、オゾンクラックの発生を防止し得る程度に耐屈曲疲労性を有する。
【0078】
上記パーフルオロ樹脂(C)は、融点が230℃以上であるものである。230℃未満であると、耐熱性に欠け、目的とする半導体製造装置で使用することができない。好ましい下限は、250℃、より好ましい下限は、295℃である。
【0079】
本発明の耐オゾン性射出成形品(ii)は、パーフルオロ樹脂(以下、「パーフルオロ樹脂(D)」という)からなり、上記パーフルオロ樹脂(D)は、パーフルオロ重合体(以下、「パーフルオロ重合体(d)」という)からなるものである。上記パーフルオロ重合体(d)としては、例えば、上述のパーフルオロ重合体(c)と同様のものが挙げられるが、TFE及びPFVEからなる共重合体であることが好ましく、上記PFVEは、PPVEであることが好ましい。
【0080】
上記パーフルオロ樹脂(D)は、MIT値が30万回以上であるものである。本発明の耐オゾン性射出成形品(ii)を半導体製造装置に使用する場合、30万回以上であることが好ましい。より好ましい下限は、40万回である。上記パーフルオロ樹脂(D)は、上記MIT値が上記範囲内であれば500万回以下であっても、オゾンクラックの発生を防止し得る程度に耐屈曲疲労性を有する。
【0081】
上記パーフルオロ樹脂(D)は、融点が295℃以上であることが好ましいが、上記範囲内に限定されるものではない。本発明の耐オゾン性射出成形品(ii)を、半導体製造装置に使用する場合、100℃以上、好ましくは150℃以上での耐熱性が要求されるので、より好ましい下限は、298℃である。
【0082】
以下、本発明の耐オゾン性射出成形品(i)及び本発明の耐オゾン性射出成形品(ii)に共通する性質について詳述する。
【0083】
上記パーフルオロ重合体(c)は、不安定末端基がパーフルオロ重合体(c)中の炭素数1×10個あたり50個以下であり、上記パーフルオロ重合体(d)は、パーフルオロ重合体(d)は、不安定末端基が中の炭素数1×10個あたり50個以下であるものである。この不安定末端基の個数は、上述の共重合体(A)及び共重合体(B)と同様、その低減化処理により本発明の耐オゾン性射出成形品(i)及び本発明の耐オゾン性射出成形品(ii)に不可避的に存在する不純物をも分解させている程度、又は、オゾンに対して安定化させている程度を示す基準にもなっている。好ましい上限は、炭素原子1×10個あたり6個である。上記不安定末端基は、存在しなくてもよい。上記不安定末端基の種類は、上述の共重合体(A)及び共重合体(B)が有し得る不安定末端基と同じものが挙げられる。
【0084】
上記パーフルオロ重合体(c)はパーフルオロ被処理重合体(c1)に、上記パーフルオロ重合体(d)はパーフルオロ被処理重合体(d1)にそれぞれ後述のフッ素ガス処理を行うことにより得られたものであることが好ましい。上記パーフルオロ被処理重合体(c1)は、不安定末端基が上記パーフルオロ被処理重合体(c1)中の炭素数1×10個あたり60個以上であるものである。上記パーフルオロ被処理重合体(d1)は、不安定末端基が上記パーフルオロ被処理重合体(d1)中の炭素数1×10個あたり60個以上であるものである。
【0085】
上記パーフルオロ被処理重合体(c1)としては、不安定末端基が上記パーフルオロ被処理重合体(c1)中の炭素数1×10個あたり60個以上であり、後述のフッ素ガス処理によりパーフルオロ重合体(c)が得られるものであれば特に限定されないが、通常、パーフルオロ重合体(c)と同様のモノマー単位からなる共重合体である。
【0086】
上記パーフルオロ被処理重合体(d1)としては、不安定末端基が上記パーフルオロ被処理重合体(d1)中の炭素数1×10個あたり60個以上であり、後述のフッ素ガス処理によりパーフルオロ重合体(d)が得られるものであれば特に限定されないが、通常、パーフルオロ重合体(d)と同様のモノマー単位からなる共重合体である。
【0087】
上記パーフルオロ被処理重合体(c1)が有する不安定末端基、及び、上記パーフルオロ被処理重合体(d1)が有する不安定末端基の数を低減化処理する方法としては特に限定されず、例えば、上述の共重合体(A)及び共重合体(B)の不安定末端基の数を低減化処理する方法と同様の方法等が挙げられるが、フッ素ガス処理が好ましい。
【0088】
上記フッ素ガス処理は、パーフルオロ被処理重合体(c1)及びパーフルオロ被処理重合体(d1)に対して施すものであり、上述のパーフルオロ共重合体(a)及びパーフルオロ共重合体(b)のフッ素ガス処理と同様に行うことができる。上記パーフルオロ被処理重合体(c1)及びパーフルオロ被処理重合体(d1)は、上記フッ素ガス処理を施すことにより、炭素原子1×10個あたりの不安定末端基の個数を50個以下にすることができる。
【0089】
上記パーフルオロ樹脂(C)及び上記パーフルオロ樹脂(D)は、MFRが1〜30g/10分であるものが好ましい。1g/10分未満では、射出成形することが困難である。MFRが上記範囲内であれば、良好な射出成形性が得られる。好ましい下限は、4g/10分であり、好ましい上限は、10g/10分である。
【0090】
本発明の耐オゾン性射出成形品(i)及び本発明の耐オゾン性射出成形品(ii)は、パーフルオロ樹脂(C)及びパーフルオロ樹脂(D)が上述のように優れた耐オゾン性を有するので、何れも耐オゾン性が要求される射出成形品として好適に用いられる。
【0091】
本明細書において、「耐オゾン性射出成形品(i)」及び「耐オゾン性射出成形品(ii)」とは、完成品に限らず射出成形品であれば特に限定されず、製品の全部又は一部にパーフルオロ樹脂(C)又はパーフルオロ樹脂(D)を適用したもの、例えば、ライニングされた配管材や容器等をも含むものである。
【0092】
本発明の耐オゾン性射出成形品(i)及び本発明の耐オゾン性射出成形品(ii)の形状としては特に限定されず、例えば、上述の耐オゾン性物品と同様のものが挙げられ、これらをそのまま、又は、更に加工して、各種の部品や製品を製造することができる。
【0093】
本発明の耐オゾン性射出成形品(i)及び本発明の耐オゾン性射出成形品(ii)としては特に限定されず、例えば、上述の耐オゾン性物品と同様のものが挙げられるが、なかでも、半導体製造装置用配管材、半導体製造装置用継ぎ手として用いることが好ましい。本発明の耐オゾン性射出成形品(i)及び本発明の耐オゾン性射出成形品(ii)は、半導体製造装置用配管材の部品又は半導体製造装置用継ぎ手の部品であってもよい。
【0094】
本発明の射出成形用材料は、耐オゾン性射出成形品(i)又は耐オゾン性射出成形品(ii)を製造するために用いられるものである。
【0095】
本発明の射出成形用材料には、分解ガスの原因になる添加剤はできるだけ配合しない方が好ましいが、上述の耐オゾン性成形材料(I)及び耐オゾン性成形材料(II)に配合することができる添加剤を、同様に配合することができる。
【0096】
本発明の射出成形用材料は、フッ素樹脂が本来有する良好な耐熱性、耐溶剤性に加え、優れた耐オゾン性を有しており、それらの特性が要求される耐オゾン性射出成形品(i)及び耐オゾン性射出成形品(ii)に成形することができる。本発明の射出成形用材料は、パーフルオロ樹脂(C)及びパーフルオロ樹脂(D)が上述のように良好な溶融加工性を有するので、射出成形用の材料として用いることができる。
【0097】
以下、本発明の耐オゾン性成形材料(I)、耐オゾン性成形材料(II)、耐オゾン性射出成形品(i)及び耐オゾン性射出成形品(ii)を特定するために使用している各種のパラメータについて、その測定方法を説明する。実施例及び比較例におけるデータは、これらの測定方法で得られたものである。
【0098】
(PFVE単位の含有量)
19F−NMR法により、PFVE単位の含有量を測定する。
【0099】
(融点)
示差走査熱量計〔DSC〕(商品名:RDC220、セイコー電子社製)により試料を3mg用いて測定する。まず、200℃から350℃まで10℃/分で昇温して350℃で1分間保持した後、200℃まで10℃/分で降温して200℃で1分間保持し、再度10℃/分で350℃まで昇温する。このとき得られる融解曲線から融解ピーク温度(Tm)を求め、試料の融点とする。
【0100】
(MFR)
ASTM D 2116−81に準拠して、温度372℃、荷重5kgで測定を行う。
【0101】
(不安定末端基数)
試料を350℃にて圧縮成形し、厚さ0.25〜0.3mmのフィルムを作製する。このフィルムをフーリエ変換赤外分光分析装置〔FT−IR〕(商品名:1760X型、パーキンエルマー社製)により40回スキャンし、分析して赤外吸収スペクトルを得、完全にフッ素化されて不安定末端基が存在しないベーススペクトルとの差スペクトルを得る。この差スペクトルに現れる特定の末端基の吸収ピークから、下記式(2)に従って試料における炭素原子1×10個あたりの末端基数Nを算出する。
【0102】
N=I×K/t (2)
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚さ(mm)
【0103】
参考までに、本明細書における不安定末端基について、吸収周波数、モル吸光係数及び補正係数を表1に示す。また、モル吸光係数は低分子モデル化合物のFT−IR測定データから決定したものである。
【0104】
【表1】
Figure 0004228917
【0105】
(MIT値)
ASTM D 2176−69に準拠して、MIT式耐屈曲疲労試験機(東洋精機製作所社製)を用い、厚さ0.20〜0.23mmの圧縮成形されたフィルムから切出した試料に12.15N(1.25kgf)の荷重をかけ、屈曲速度178回/分、屈曲角度135度にて測定を行う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0106】
以下に実施例を揚げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。以下、「部」は、質量部を表す。
【0107】
合成例1
攪拌機を備えた水174部を収容し得るジャケット式オートクレーブに、脱炭酸及び脱ミネラルした水26.6部を仕込んだ。このオートクレーブ内部の空間を純窒素ガスで充分に置換した後真空にし、パーフルオロシクロブタン(以下、「C−318」という)30.4部、連鎖移動剤としてメタノール2.2部及びPPVE1.2部を仕込んだ。次いで攪拌しながらオートクレーブ内を35℃に保ち、TFEを圧入して内圧を0.58MPaGとした。重合開始剤としてジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート(以下、「NPP」という)0.022部を添加して重合を開始した。重合の進行とともにオートクレーブ内の圧力が低下するので、TFEを圧入して内圧を0.58MPaGに維持した。また、重合組成を均一にするためにPPVEも適宜追加した。
【0108】
重合開始から7.4時間後、攪拌を停止すると同時に未反応モノマー及びC−318を排出して重合を停止した。オートクレーブ内に生成している白色粉末を水洗し、150℃にて12時間乾燥して重合体生成物を得た。
【0109】
得られた重合体生成物をスクリュー押出機(商品名:PCM46、池貝社製)により360℃にて溶融押出してペレットを製造した。
【0110】
得られたペレットについて、共重合組成、融点、MFR及び重合体生成物の炭素原子10個あたりの不安定末端基数を測定したところ、次のとおりであった。
【0111】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=95.8/4.2
融点:305.3℃
MFR:15.8g/10分
不安定末端基数:合計297個
−CHOH=187個、−COF=33個、−COOCH=45個、−COOH free=16個、−COOH bonded=16個、−CONH=0個
【0112】
合成例2
重合反応前のメタノールの仕込み量を1.0部、PPVEの仕込み量を1.4部とし、NPPの仕込み量を0.014部とした以外は合成例1と同様にして31.4時間反応を行った後、水洗乾燥して重合体生成物を得、ペレットを製造した。
【0113】
このペレットについて、共重合組成、融点、MFR及び炭素原子10個あたりの不安定末端基数を測定したところ、次のとおりであった。
【0114】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=94.5/5.5
融点:300.9℃
MFR:14.6g/10分
不安定末端基数:合計182個
−CHOH=100個、−COF=29個、−COOCH=44個、−COOH free=8個、−COOH bonded=1個、−CONH=0個
【0115】
合成例3
重合反応前のメタノールの仕込み量を2.3部、PPVEの仕込み量を0.9部とし、NPPの仕込み量を0.021部とした以外は合成例1と同様にして7.1時間反応を行った後、水洗乾燥して重合体生成物を得、ペレットを製造した。
【0116】
このペレットについて、共重合組成、融点、MFR及び炭素原子10個あたりの不安定末端基数を測定したところ、次のとおりであった。
【0117】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=96.7/3.3
融点:309.5℃
MFR:15.2g/10分
不安定末端基数:合計314個
−CHOH=157個、−COF=59個、−COOCH=34個、−COOH free=39個、−COOH bonded=25個、−CONH=0個
【0118】
実施例1
合成例1で得られたペレットを容器に入れ、窒素ガスで20質量%に希釈したフッ素ガスを200℃にて常圧で10時間通してフッ素ガス処理した。
【0119】
得られたペレットについて、共重合組成、融点、MFR、炭素原子10個あたりの不安定末端基数及びMIT値を測定したところ、次のとおりであった。
【0120】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=95.8/4.2
融点:305.3℃
MFR:16.2g/10分
不安定末端基数:検出不能(合計1個未満)
MIT値(実測値):23718
【0121】
また、得られたフッ素ガス処理ペレットを350℃にて0.44MPaGの圧力で圧縮成形して厚さ1mmのシートを作製し、これから10×20mmに切出し、以下のオゾン曝露試験用の試料とした。
【0122】
(オゾン曝露試験)
オゾン発生装置(商品名:SGX−A11MN(改)、住友精機工業社製)で発生させたオゾンガス(オゾン/酸素=10/90容量%)をイオン交換水が入ったPFA製の容器に接続し、イオン交換水中にバブリングしてオゾンガスに水蒸気を添加した後、試料が入ったPFA製のセルに0.7リットル/分で室温にて通して試料を湿潤オゾンガスに曝露した。曝露を開始してから60日後、90日後及び120日後に試料を取り出し、表面をイオン交換水で軽くすすいだ後、透過型光学顕微鏡を用いて倍率100倍で試料表面から深さ5〜200μmの部分を観察し、標準スケールとともに撮影し、試料表面1mmあたりの長さ10μm以上のクラックの数を測定した。
【0123】
評価は、以下の基準で行った。
A:クラック数10個以下
B:クラック数10個超〜50個以下
C:クラック数50個超〜100個以下
D:クラック数100個超
【0124】
結果を表2に示す。
【0125】
比較例1
合成例1で得られたペレットを、フッ素ガス処理を行わずに用いた以外は実施例1と同様にしてMIT値を測定し、オゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表2に示す。
【0126】
実施例2
合成例2で得られたペレットを用いた以外は実施例1と同様にしてフッ素ガス処理を行い、フッ素ガス処理されたペレットを得た。得られたペレットについて共重合組成、融点、MFR及び炭素原子10個あたりの不安定末端基数を測定したところ、次のとおりであった。
【0127】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=94.5/5.5
融点:300.9℃
MFR:15.0g/10分
不安定末端基数:検出不能(合計1個未満)
MIT値(実測値):93722
【0128】
更に実施例1と同様にしてオゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表2に示す。
【0129】
実施例3
合成例2で得られたペレットを容器に入れ、窒素ガスで20質量%に希釈したフッ素ガスを120℃にて常圧で7時間通してフッ素ガス処理した後、70℃でアンモニアガスを5時間通した。
【0130】
得られたペレットについて、共重合組成、融点、MFR及び炭素原子10個あたりの不安定末端基数を測定したところ、次のとおりであった。
【0131】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=94.5/5.5
融点:300.9℃
MFR:14.8g/10分
不安定末端基数:合計28個
【0132】
−CHOH=0個、−COF=0個、−COOCH=0個、−COOH free=0個、−COOH bonded=0個、−CONH=28個
MIT値(実測値):95613
【0133】
更に実施例1と同様にしてオゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表2に示す。
【0134】
比較例2
合成例2で得られたペレットを、フッ素ガス処理を行わずに用いた以外は実施例1と同様にしてMIT値を測定し、オゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表2に示す。
【0135】
比較例3
合成例3で得られたペレットを、フッ素ガス処理を行わずに用いた以外は実施例1と同様にしてMIT値を測定し、オゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表2に示す。
【0136】
実施例4
実施例3でフッ素ガス処理されたペレットを用い、射出成形機(商品名:SG50、住友重機械工業社製)により、以下の条件で最小外径43mm、内径27.02mm、高さ30mmの袋ナットを射出成形により作製した。
【0137】
シリンダー温度:C1=360℃、C2=380℃、C3=400℃
ノズル温度:400℃
金型温度:200℃
保持圧力:49MPa(500kgf/cm
保持時間:20秒間
射出速度:3g/秒
【0138】
得られた袋ナットを実施例1と同様のオゾン曝露試験に供し、60日後、90日後及び120日後のナット外側面の平坦部表面のクラックを実施例1と同様にして観察評価した。結果を表2に示す。
【0139】
比較例4
合成例3で得られたペレットを、フッ素ガス処理を行わずに用いた以外は実施例1と同様にしてMIT値を測定し、また実施例4と同様にしてオゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表2に示す。
【0140】
【表2】
Figure 0004228917
【0141】
表2から、表中の値のように不安定末端基数が比較的少ない実施例1〜4では、オゾン曝露試験を行ってもほとんどクラックを生じなかったのに対し、不安定末端基数が比較的多い比較例1〜4では、多数のクラックを生じることがわかった。
【0142】
合成例4
攪拌機を備えた水174部を収容し得るジャケット式オートクレーブに、脱炭酸及び脱ミネラルした水26.6部を仕込んだ。このオートクレーブ内部の空間を純窒素ガスで充分に置換した後真空にし、C−318 30.4部、連鎖移動剤としてメタノール0.6部及びPPVE1.4部を仕込んだ。次いで攪拌しながらオートクレーブ内を35℃に保ち、TFEを圧入して内圧を0.58MPaGとした。重合開始剤としてNPP 0.014部を添加して重合を開始した。重合の進行とともにオートクレーブ内の圧力が低下するので、TFEを圧入して内圧を0.58MPaGに維持した。また、重合組成を均一にするためにPPVEも適宜追加した。
【0143】
重合開始から8時間後、攪拌を停止すると同時に未反応モノマー及びC−318を排出して重合を停止した。オートクレーブ内に生成している白色粉末を水洗し、150℃にて12時間乾燥して重合体生成物を得た。
【0144】
得られた重合体生成物をスクリュー押出機(商品名:PCM46、池貝社製)により360℃にて溶融押出してペレットを製造した。
【0145】
得られたペレットについて、共重合組成、融点、MFR、炭素原子10個あたりの不安定末端基数及びMIT値を測定したところ、次のとおりであった。
【0146】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=94.5/5.5
融点:301.8℃
MFR:6.8g/10分
不安定末端基数:合計235個
−CHOH=150個、−COF=28個、−COOCH=35個、−COOH free=12個、−COOH bonded=10個、−CONH=0個
MIT値(実測値):419000
【0147】
実験例5
合成例4で得られたペレットを容器に入れ、窒素ガスで20質量%に希釈したフッ素ガスを120℃にて常圧で7時間通してフッ素ガス処理した後、70℃でアンモニアガスを5時間通した。
【0148】
得られたペレットについて、共重合組成、融点、MFR、炭素原子10個あたりの不安定末端基数及びMIT値を測定したところ、次のとおりであった。
【0149】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=94.5/5.5
融点:301.8℃
MFR:6.4g/10分
不安定末端基数:合計22個
−CHOH=0個、−COF=0個、−COOCH=0個、−COOH free=0個、−COOH bonded=0個、−CONH=22個
MIT値(実測値):427000
【0150】
また、実施例4と同様にしてオゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表3に示す。
【0151】
実験例6
合成例4で得られたペレットを容器に入れ、窒素ガスで20質量%に希釈したフッ素ガスを200℃にて常圧で10時間通してフッ素ガス処理した。
【0152】
得られたペレットについて、共重合組成、融点、MFR、炭素原子10個あたりの不安定末端基数及びMIT値を測定したところ、次のとおりであった。
【0153】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=94.5/5.5
融点:301.8℃
MFR:6.9g/10分
不安定末端基数:検出不能(合計1個未満)
MIT値(実測値):415000
【0154】
また、実施例4と同様にしてオゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表3に示す。
【0155】
合成例5
重合反応前のメタノールの仕込み量を0.4部、PPVEの仕込み量を0.9部とし、NPPの仕込み量を0.013部とした以外は合成例4と同様にして7時間反応を行った後、水洗乾燥して重合体生成物を得、ペレットを製造した。
【0156】
このペレットについて、共重合組成、融点、MFR及び炭素原子10個あたりの不安定末端基数を測定したところ、次のとおりであった。
【0157】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=96.7/3.3
融点:309.7℃
MFR:6.5g/10分
不安定末端基数:合計241個
−CHOH=145個、−COF=30個、−COOCH=45個、−COOH free=13個、−COOH bonded=8個、−CONH=0個
【0158】
比較例5
合成例5で得られたペレットを容器に入れ、窒素ガスで20質量%に希釈したフッ素ガスを200℃にて常圧で10時間通してフッ素ガス処理した。
【0159】
得られたペレットについて、共重合組成、融点、MFR、炭素原子10個あたりの不安定末端基数及びMIT値を測定したところ、次のとおりであった。
【0160】
共重合組成(質量%):TFE/PPVE=96.7/3.3
融点:309.7℃
MFR:6.7g/10分
不安定末端基数:検出不能(合計1個未満)
MIT値(実測値):178000
【0161】
また、実施例4と同様にしてオゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表3に示す。
【0162】
比較例6
合成例4で得られたペレットをそのまま用いて実施例4と同様にしてオゾン曝露試験用試料を作製し、オゾン曝露試験を行った。結果を表3に示す。
【0163】
【表3】
Figure 0004228917
【0164】
表3から、表中の値のように不安定末端基数が比較的少なく、比較的高いMIT値を有するペレットを用いた実験例5及び実験例6では、オゾン曝露試験を行っても120日間ほとんどクラックを生じなかったのに対し、比較的低いMIT値を有するペレットを用いた比較例5、不安定末端基数が比較的多いペレットを用いた比較例6では、日数が経つにつれ多数のクラックを生じることがわかった。また、比較例6は、MIT値がより低い比較例5に比べて、多数のクラックを生じることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明の耐オゾン性物品用成形材料、耐オゾン性物品、耐オゾン性射出成形品及び射出成形用材料は、上述の構成を有するので、耐オゾン性に優れた物品、特に半導体製造装置に使用する配管材や継ぎ手等の物品を製造することができる。

Claims (9)

  1. 共重合体(A)からなり、メルトフローレートが14.8〜50g/10分である成形材料であって、
    前記共重合体(A)は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテルとからなる共重合体であり、パーフルオロビニルエーテル単位を4質量%以上含み、融点が295℃以上であり、不安定末端基が前記共重合体(A)中の炭素数1×10個あたり50個以下であるものである
    ことを特徴とする成形材料。
  2. 共重合体(A)は、パーフルオロ共重合体(a)にフッ素ガス処理を行うことにより得られたものであり、
    前記パーフルオロ共重合体(a)は、不安定末端基が前記パーフルオロ共重合体(a)中の炭素数1×10個あたり60個以上であるものである
    請求項1記載の成形材料。
  3. 不安定末端基は、共重合体(A)中の炭素数1×10個あたり20個以下である請求項1又は2記載の成形材料。
  4. 不安定末端基は、共重合体(A)中の炭素数1×10個あたり5個以下である請求項1又は2記載の成形材料。
  5. 共重合体(B)からなり、メルトフローレートが14.8〜50g/10分である成形材料であって、
    前記共重合体(B)は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)とからなる共重合体であり、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位を4〜6質量%含み、不安定末端基が前記共重合体(B)中の炭素数1×10 個あたり50個以下であるものである
    ことを特徴とする成形材料。
  6. 共重合体(B)は、パーフルオロ共重合体(b)にフッ素ガス処理を行うことにより得られたものであり、
    前記パーフルオロ共重合体(b)は、不安定末端基が前記パーフルオロ共重合体(b)中の炭素数1×10 個あたり60個以上であるものである
    請求項5記載の成形材料。
  7. 不安定末端基は、共重合体(B)中の炭素数1×10 個あたり20個以下である請求項5又は6記載の成形材料。
  8. 不安定末端基は、共重合体(B)中の炭素数1×10 個あたり5個以下である請求項5又は6記載の成形材料。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7、又は記載の成形材料を用いて成形することにより得られ、半導体製造装置用配管材又は半導体製造装置用継ぎ手である半導体製造装置用の物品。
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