JP4216523B2 - ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラに取付けることのできるユニットに関する。
【0002】
【発明の背景】
対物レンズと、この対物レンズを介して撮像対象物から導かれた像光により撮像を行う、例えばCCDである撮像手段とを有するカメラは広く普及している。
かかるカメラは、その小型化や価格低下が進み、現在では、携帯電話、或いはPDA(Personal Digital(Data) Assistants)などの携帯通信端末に内蔵されるまでになってきており、これに伴い従来にはなかった用途への応用がなされるようにもなってきている。
カメラを備えた携帯通信端末は、それが備えるメール送受信機能との組合せにより、カメラで撮像した画像を他者の携帯通信端末などへ送信できるようになっているのが一般的である。このような携帯通信端末を用いれば、撮像から画像(データ)の送信という一連の流れを一つの機器で極めて簡易に実行できるため、その人気が急速に高まってきている。
【0003】
しかしながら、従来のカメラの撮像手段で行える撮像は、縮小的画像(この明細書において、縮小的画像とは、その画像を撮像するときにおける対物レンズの光学倍率が1倍以下のものをいい、例えば、人物や景色を撮像して得られる通常の画像がこれに当たる。)の撮像のみとなっているのが一般的である。携帯通信端末に積むカメラは、大きさやコストについての制約が大きいため、縮小的画像の撮像以外の撮像を行えるようにした例は存在しない。
【0004】
縮小的画像の撮像を行えれば、人物、景色等についての通常の撮像一般を概ねカバーできるので、上記携帯通信端末は十分に有意義である。
しかしながら、既存のカメラで拡大的画像(この明細書において、拡大的画像とは、その画像を撮像するときにおける対物レンズの光学倍率が1倍より大きいものをいい、例えば、細い繊維や人の肌の微小部分などを拡大して撮像することにより得られた画像がこれに当たる。)の撮像をも一のカメラで行えるようになれば、新たな需要の喚起を行えるようになる可能性がある。携帯通信端末と組み合わせられたカメラであれば、新たな需要を喚起できる可能性は更に高まる。
【0005】
例えば、人の全身についての縮小的画像と、肌の一部についての拡大的画像とを一台の携帯通信端末で撮像可能であれば、肌上にできた病変についての拡大的画像と、その病変の位置を示す全身像についての縮小的画像との双方を撮像するなどして、病変の様子と身体における位置を把握する画像を撮像することができる。携帯通信端末にカメラが積まれているのであれば、上述の2種類の画像(データ)をそのままその携帯通信端末から送信することで、遠隔診断を簡易なものにできる可能性がある。
また、ある製品中の傷を撮像して傷の拡大的画像を得ると共に、その製品の全体像を撮像して当該製品の全体像の縮小的画像を得るといったことにより、その傷の詳細と製品中の位置の特定を行える画像を撮像することができる。携帯通信端末にカメラが積まれているのであれば、上記2種類の画像をそのままその携帯通信端末から送信することで、製品の不具合についての説明の手間を省けるようになるといった可能性がある。
あるいは、上述のような直接的な有意義さがなかったとしても、身近なものを撮像しただけの拡大的画像でも普段は気付かない面白さを持つことが良くあるから、縮小的画像と拡大的画像の双方を撮像できるカメラ、或いはこれを積んだ携帯通信端末が存在すれば、今までのカメラや携帯通信端末では与えられなかった娯楽性をユーザに与えられるようになる場合もある。
【0006】
このような観点から、本願発明者は、既存のカメラに取付けて用いられるユニットであって、このユニットがカメラに対して取付けられたときに、撮像手段で撮像される画像が拡大的画像となるようなものが存在すれば有意義であるとの知見を得るに至った。
また、本願発明者は、このユニットが広く普及するために求められる要素として、
(1)既存のカメラにそのまま取付けられるものであること、
(2)できる限り安価であること、
(3)拡大的画像の撮像を行わないときにはカメラから取り外せるようになっていること、
の3つが少なくとも必要であると認識している。
本発明は、このような3つの要素を充足するユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【発明の開示】
本発明は、以下のユニットを提供する。
【0008】
本発明のユニットは、対物レンズと、該対物レンズを介して撮像対象物からの像光が導かれるようにされていると共に、該像光により撮像を行う撮像手段と、を有しており、前記撮像手段では縮小的画像の撮像がなされるようになっているカメラに取付けて用いられるものである。
そして、このユニットは、ユニットがカメラに対して取付けられたときに、前記対物レンズとの組合せによって前記撮像手段で撮像される画像を拡大的画像とする拡大レンズと、前記撮像対象物の少なくとも撮像対象範囲を照明するものとされ、照明のためのエネルギー源を電気とする照明手段と、前記照明手段の電源と、を一体に備えており、また、これら拡大レンズ、照明手段、電源を、カメラに対して着脱自在に取付ける取付け手段を有してなる。
このユニットは、拡大的画像の撮像を可能とするための拡大レンズと、照明手段と、電源とを一体に備えている。したがって、これを取付け手段を用いて既存のカメラにそのまま取付けるだけで、そのカメラ自体には何らの変更、改造を行わなくとも、そのカメラで拡大的画像を撮像できるようになる。
上述の取付け手段は、拡大レンズ、照明手段、電源を、カメラに対して着脱自在に取付けるものであるから、このユニットは、拡大的画像の撮像を行わないときにはカメラから取り外せるようになっている。
また、このユニットは、撮像手段や、その制御を行うための機構を必要としないので、比較的安価なものとなる。
【0009】
本発明のユニットが取付けられるカメラは、携帯通信端末に内蔵されている場合がある。この場合の携帯通信端末は、PDA、携帯電話とすることができる。
【0010】
本発明のユニットは、その先端を撮像対象物に当接させることで、前記撮像対象物と、前記拡大レンズとの距離を、前記対物レンズ及び前記拡大レンズの両レンズの組合せによるピント位置が前記撮像対象物の撮像対象範囲に合う範囲内に保つに寄与するものとされた位置決め補助手段を備えていてもよい。
この位置決め補助手段は、拡大的画像の撮像を行う際に、その先端を撮像対象物に当接させて使用されるものである。この位置決め補助手段の存在により、このカメラによる拡大的画像の撮像は、位置決め補助手段の先端を撮像対象物の撮像対象範囲外に当接させた、安定した状態で行えるようになる。従って、拡大的画像の撮像中に、手振れによって撮像対象物が撮像対象範囲外に出てしまうといった不具合が生じにくい。
携帯通信端末に取付けられたカメラや、一般的なデジタルカメラの如き、手持ちタイプのカメラでは、撮像対象物からカメラを浮かせて撮像を行うと、手振れが生じる関係で、ピント位置の調整(焦点合せ)が極めて難しくなる。本発明のカメラであれば、手振れを軽減できるので、焦点合せについての困難を軽減できるようになる。
【0011】
本発明の位置決め補助手段は、上述のように、対物レンズ及び拡大レンズの両レンズの組合せによるピント位置が撮像対象物の撮像対象範囲に合う範囲内に保つに寄与するものであることを必要条件とする。
これは、例えば、1本の棒状体にて構成することができる。この場合、棒状体の光軸に沿う長さを、その先端を撮像対象物に当接したときの撮像対象物から対物レンズまでの距離が、撮像対象物の撮像対象範囲に対物レンズ及び拡大レンズの両レンズの組合せによるピント位置が合う範囲内となるような長さにしておけば良い。位置決め補助手段を1本の棒状体としたこの例では、位置決め補助手段と撮像対象物とは点接触を行う。点接触であるので、その先端を撮像対象物と接触させていたとしても、カメラ乃至携帯通信端末は、当該先端を中心としてピボット運動をしてしまう。しかしながら、カメラ、或いは携帯通信端末を撮像対象物から完全に浮かせて撮像を行う場合と比べれば、それでもなお、拡大的画像の撮像を安定した状態で容易に行えるようになる。
位置決め補助手段は、この他に、複数本、例えば、3本の棒状体にて構成することができる。棒状体が増えれば安定性は増すが、とりあえず3本の棒状体があれば、各棒状体の先端3点での点接触による3点支持を行った状態での拡大的画像の撮像を行えるようになる。これによれば、位置決め補助手段の先端を平面の撮像対象物に接触させた場合に、その撮像対象物と前記拡大レンズとの距離が一定に保たれるようになる。このような位置決め補助手段であれば、上述のごときピボット運動を行わないので、それを撮像対象物に当接させた場合、撮像対象物の撮像対象範囲から撮像手段までの距離を、安定した状態で、一定に保てるものになる。つまり、このような位置決め補助手段を採用すれば、その先端を撮像対象物に当接させることにより、撮像対象物の撮像対象範囲に自動的に対物レンズ及び拡大レンズの両レンズの組合せによるピント位置を合わせることが可能になり、また、手振れのない安定した状態にカメラを維持できることになるので、拡大的画像の撮像を益々容易にできる。
尚、このような機能(即ち、その先端を平面の撮像対象物に接触させた場合に、その撮像対象物と前記拡大レンズとの距離を一定にできると共に、カメラの安定性を維持できる機能)を持つ位置決め補助手段の先端形状の例としては、ある平面に対して3点以上での当接を行える形状、ある平面に対して直線+1点以上での接触を行える形状、ある平面に対して曲線での線接触を行える形状、ある平面に対して面接触を行える形状などを、挙げることができる。
【0012】
本発明における位置決め補助手段は、ユニットがカメラに取付けられたときに、拡大レンズの視野外に位置するのが基本であるが、実質的に撮像の邪魔にならないのであれば、拡大レンズの視野にかかるような位置にあっても構わない。
【0013】
本発明における位置決め補助手段の形状には、上述のように様々なバリエーションがある。
その一つとして、位置決め補助手段の前記先端に、拡大レンズの視野を確保するものであり、且つ前記撮像手段が拡大的画像を撮像する際の撮像対象範囲と略一致するような大きさとされた孔が設けられているものがある。
この位置決め補助手段は、その先端に開けられた孔が、撮像対象範囲に近い大きさとなっており、撮像対象範囲よりも過度に大きくなってはいない。このような構成は、その孔に収まっている範囲が撮像対象範囲と略一致するため、撮像対象範囲をユーザが直感的に理解し易いという以外に、以下のような利点をもたらす。
例えば、人の肌などの柔軟性のある物を撮像対象物として拡大的画像の撮像を行う場合、上記位置決め補助手段の孔を当該撮像対象物に当接させると、その孔の中に柔軟性のある撮像対象物が入り込み、当該撮像対象物に盛り上がりが生じる。この場合、盛り上がった撮像対象物は、対物レンズに近づくため、対物レンズ及び拡大レンズの両レンズの組合せによるピント位置は撮像対象物の撮像対象範囲上に来なくなってしまう。そこで、このカメラでは、上述のように、孔を小さくするようにしたのである。孔を小さくすることで、孔を撮像対象物に当接した場合の撮像対象物の上記盛り上がりを最小限に押さえられるようになるから、撮像対象物の撮像対象範囲を対物レンズ及び拡大レンズの両レンズの組合せによる被写界深度の中に収め易くなる。このようなことを考慮すると、孔の大きさは、例えば人の肌に位置決め補助手段先端の孔の外周を当接させた場合に生じる撮像対象物の盛り上がりが、対物レンズ及び拡大レンズの両レンズの組合せによる被写界深度の中に収まる程度にしておけば良いといえる。孔の形は、その縁が、撮像対象物における撮像対象範囲の外縁に略沿うようになっていても良い。尚、実質的に拡大的画像の撮像の邪魔にならないのであれば、撮像対象範囲に孔の縁が入り込むことは許容される。
尚、撮像手段の撮像対象範囲は、その形状を問わない。円形、矩形等、適当に選択できる。
撮像対象範囲が矩形とされる場合、上記孔は、撮像手段が拡大的画像を撮像する際の撮像対象範囲を略内接させる円形にすることが可能である。撮像手段の視野が円形であるのであれば、孔は、撮像手段の視野と略一致する視野と同心の円形とすることができる。
【0014】
位置決め補助手段は、例えば、筒状とされていても良い。位置決め補助手段を筒状とする場合、その先端に上述した孔を設けておくことができる。
筒状の位置決め補助手段を採用する場合、拡大レンズ、前記電源のうちの少なくとも一つは、筒状とされた位置決め補助手段の内側に設けられていてもよい。
【0015】
本発明における照明手段は、照明のためのエネルギーを電気とするものであり、電球、LEDなどにより構成することができる。尚、電球、LEDなどから光が導かれる光ファイバの端面により、照明手段を構成することも可能である。
照明手段はユニットのどの部分に設けられていても良い。例えば、位置決め補助手段に取付けることもできる。位置決め補助手段が上述のように筒状なのであれば、照明手段をその内部に設けることができる。
照明手段には、必要なときのみ点灯させるようにするためスイッチが設けられていてもよい。
【0016】
本発明のユニットは、前記位置決め補助手段が前記撮像対象物へ当接させられており、前記撮像手段で拡大的画像が撮像される際に、前記撮像対象物の前記撮像対象範囲に、外部光が当たらないようにする遮光手段を備えてなるものとすることができる。このような遮光手段を備えるのであれば、拡大的画像が撮像される際に、自前の照明手段からの照明光のみを用いることができるようになるので、照明に関する条件を常に一定とした状態でその撮像を行えるようになる。これは、医療目的で拡大的画像を使用する場合など、異なる時間に撮像した画像の正確な対比が必要な場合に有用である。
遮光手段は、どのように構成されていても良い。位置決め補助手段と別体にされていても良いし、位置決め補助手段がこれを兼ねるようになっていても良い。特に位置決め補助手段が筒状である場合には、位置決め補助手段が遮光手段を兼ねるようにし易い。この場合、位置決め補助手段の素材を不透光性のものとしても良いし、位置決め補助手段の内外面の少なくとも一方に何らかの加工を施すことで、遮光機能を持つようにしても良い。
【0017】
本発明の取付け手段は、ユニットを、カメラに対して着脱自在に取付けるものである。
このようなものであれば、取付け手段はその具体的な構成を問わないが、例えば以下のように構成することができる。
取付け手段は、例えば、カメラに固定される第1部材と、ユニットに固定されるものであり、第1部材と着脱自在とされている第2部材とを含んでいてもよい。
【0018】
第1部材と、第2部材は、お互いを着脱自在に取付けられれば、その具体的な構成を問わないが、例えば、以下のように構成することができる。
前記第1部材を、前記対物レンズの光軸を囲むようにして前記カメラに固定される環状のベロクロテープとし、前記第2部材を、前記第1部材に対応する形状とされた環状のベロクロテープとすることができる。
或いは、前記第1部材を、前記対物レンズの光軸を囲むようにして前記カメラに固定される環状の金属板とし、前記第2部材は、前記第1部材に対応する形状とされ、前記金属板に対して固定できる環状の磁石とすることができる。この場合には、第1部材と第2部材の材質を逆転させることも可能である。
或いは、前記第1部材を、前記対物レンズの光軸を囲むようにして前記カメラに固定される環状体とし、前記第2部材を、前記第1部材に対応する形状とされた環状体とし、且つ前記第1部材、前記第2部材の対向する面の一方に取付け凹部が、他方に取付け凸部がそれぞれ設けられており、前記取付け凹部と前記取付け凸部とを嵌合させることで、前記第1部材と前記第2部材との着脱自在な取付けがなされるようになっているものとすることができる。
前記取付け凹部、及び前記取付け凸部はその具体的な形状を問わない。取付け凹部、取付け凸部のそれぞれを、複数ずつ設けることも可能である。また、取付け凹部、取付け凸部をともに、環状に形成された前記第1部材、前記第2部材の対向する面を一周するように、環状に形成することも可能である。
【0019】
本発明の取付け手段は、前記一体とされた拡大レンズ、照明手段、電源を、前記カメラに対して取付ける際に、前記拡大レンズと前記対物レンズの光軸を一致させるための軸合せ手段を有していてもよい。
本発明のユニットは、撮像手段で得られる拡大的画像の質を高めることを考慮すれば、拡大レンズと、対物レンズの光軸の一致を正確に行うのが好ましい。上述の軸合せ手段により、これが可能になる。
【0020】
軸合せ手段の具体的な構成は不問である。例えば、この軸合せ手段は、上述した第1部材、第2部材の対向する面の一方に設けられた軸合せ凹部と、他方に設けられた軸合せ凸部とを含んで構成することができる。この場合のユニットでは、軸合せ凹部と軸合せ凸部とを嵌合させることで、拡大レンズと前記対物レンズの光軸の一致がなされるようになっている。
軸合せ凹部、及び軸合せ凸部はその具体的な形状を問わない。軸合せ凹部、軸合せ凸部のそれぞれを、複数ずつ設けることも可能である。また、軸合せ凹部、軸合せ凸部をともに、環状に形成された前記第1部材、前記第2部材の対向する面を一周するように、環状に形成することも可能である。
軸合せ凹部、軸合せ凸部のそれぞれを、取付け凹部、取付け凸部のそれぞれと共用することも可能である。
【0021】
本発明のユニットは、また、前記撮像手段で拡大的画像が撮像される際に、撮像対象物とともに前記拡大的画像中に映り込むものであり、撮像された拡大的画像内での撮像対象物との対比により、その撮像対象物の大きさを知るための目安となる対比画像を、前記撮像手段へ投影する対比画像投影手段を備えていてもよい。
対比画像投影手段によれば、撮像した画像に映りこんだ撮像対象物と、対比画像とを対比することで、撮像対象物の大きさを概略で知ることができるようになり便利である。
対比画像投影手段は、対比画像を直接撮像手段へ投影するものであってもよいし、間接的に投影するものであってもよい。後者の場合であれば、撮像対象物から前記撮像手段までの光路中にその光路に対して傾斜して配されたハーフミラーを設けておき、対比画像投影手段が、このハーフミラーに対し、そこで反射された光が撮像手段へ向かうような角度で対比画像を投影するように構成することができる。このようにすれば、対比画像投影手段の配置場所についての自由度を高くすることができる。
対比画像は、撮像対象物の大きさを概略で知ることができるようなものであればどのようなものでもよい。例えば、目盛りを含むものとすることができる。この目盛りの色は、その中心波長が、撮像される肌(撮像対象となる肌)の色の中心波長と異なるものとすることができる。或いは、撮像素子としてよく使用されるCCDが反応する光の色である、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうち、緑色又は青色で、目盛りを表わすことができる。このような色は、その中心波長が肌の色(特に、黄色人種の肌の色、以下同じ。)からずれているのであるが、このような色で目盛りを表現することは、自動的な画像処理を行う場合に有効である。例えば、カメラで撮像された拡大的画像が肌の画像であり、それを、肌診断などのために自動的に画像処理する場合には、目盛りの画像を、それ以外の画像から自動的に識別できることが重要になる。このような場合、緑色、青色等の、その中心波長が肌の色からずれている色を目盛りの色として用いておけば、目盛りの画像をそれ以外の画像から自動的に抽出することが容易になる。そのような意味では、目盛りの色は、自動的な画像処理を行う場合に肌の画像から抽出しやすい色にしておけばよい。
対比画像は、得られた拡大的画像の中のどの部分に位置するように投影されてもよい。例えば、拡大的画像の全体をメッシュ状に覆うようにされていても構わない。或いは、撮像手段によって得られた前記拡大的画像の外周付近の一部に前記対比画像が位置するようにされていても構わない。後者の場合であれば、画像の見易さという点で優れたものとなる。いずれの場合であっても、対比画像投影手段は、そのようなものとなるように、対比画像を投影する。
本発明の対比画像投影手段は、ユニットのどの部分にあってもよいが、位置決め補助手段が筒状になっているのであれば、筒状とされた前記位置決め補助手段の内側に設けることができる。
【0022】
本発明のユニットは、また、前記撮像手段で拡大的画像が撮像される際に、前記拡大レンズの視野内に位置して、撮像対象物とともに撮像されるものであり、撮像された拡大的画像内での撮像対象物との対比により、その撮像対象物の大きさを知るための目安となる対比手段を備えていてもよい。
これによっても、撮像した画像に映りこんだ撮像対象物と、対比手段とを対比することで、撮像対象物の大きさを概略で知ることができるようになり便利であるという、対比画像投影手段がある場合と同様の効果を得られるようになる。
尚、対比手段は、透明体に設けられていてもよい。ユニットが孔を有するのであれば、その孔内に設けられた、例えば板状に形成された透明体に設けられていてもよい。
【0023】
対比手段は、撮像対象物の大きさを概略で知ることができるようなものであればどのようなものでもよい。例えば、目盛りを含むものとすることができる。この目盛りは、対比画像投影手段の場合と同様の理由で、緑色や、青色など、その中心波長が、撮像される肌の色の中心波長と異なる色にすることができる。つまり、目盛りの色は、自動的な画像処理を行う場合に、目盛りの画像を、肌の画像から抽出しやすい色にしておけばよい。
【0024】
対比手段は、前記拡大的画像が撮像される際に撮像対象範囲にありさえすれば、どこにあっても構わない。例えば、前記対比手段は、前記拡大的画像が撮像される際に、前記撮像手段の撮像対象範囲の外周付近の一部に映りこむような位置に設けられていてもよい。このような位置にあれば、対比手段が撮像を実質的に邪魔しないようになる。
ユニットが位置決め補助手段を備える場合であれば、対比手段はこれに設けることができる。位置決め補助手段が筒状に形成されている場合であれば、対比手段は、筒状とされた前記位置決め補助手段の内側に設けることができる。
【0025】
本発明のユニットは、前記撮像手段で拡大的画像が撮像される際に、撮像対象物とともに前記拡大的画像中に映り込むものであり、撮像された拡大的画像の色の補正を行うために利用される、複数種類の基準色が配された色見本画像を、前記撮像手段へ投影する色見本画像投影手段を備えていてもよい。
この色見本画像投影手段は、以下のような利点をもたらす。
携帯通信端末、PDAに内蔵されるカメラや、或いはトイカメラと呼ばれるカメラなどの比較的安価なカメラは、色調整を自動的に行ういわゆるAWB(Automatic White Balance)機構を採用しているものが多い。これは全画面の色彩の平均を白に近づけようとする機構であり、画質調整を簡易に行えるというメリットがある反面、肌画像などにこれを用いると、処理後の画像が、単色、或いは無色に近い平板なものになってしまうというデメリットもある。カメラにこのような機構がついており、且つ携帯通信端末の撮像手段により得られたデータを、例えば肌診断に用いようとした場合にはこのようなデメリットは許容できないものとなる可能性がある。このようなデメリットは、カメラ側の性能向上により解消できるものであるが、安価であることを要求されるカメラではそれも叶わない場合がある。そこで、上述のごとき色見本画像投影手段が役に立つのである。上述のごとき色見本画像投影手段を用いて、拡大的画像の中に色見本画像を映し込んでおけば、拡大的画像の色調整を、かかる画像についての画像データを受け付けた他の装置で簡単に行えるようになる。
つまり、色見本画像投影手段は、ユニットが取付けられるカメラ以外の他の装置で、事後的な画質調整を行いやすくなるという利点を生むのである。
色見本画像投影手段は、色見本画像を撮像手段へ直接的に投影するものであってもよいし、間接的に投影するものであってもよい。後者の場合であれば、撮像対象物から前記撮像手段までの光路中にその光路に対して傾斜して配されたハーフミラーを設けておき、色見本画像投影手段が、このハーフミラーに対し、そこで反射された光が撮像手段へ向かうような角度で色見本画像を投影するように構成することができる。このようにすれば、色見本画像投影手段の配置場所についての自由度を高くすることができる。
本発明の色見本画像投影手段は、ユニットのどの部分にあってもよいが、位置決め補助手段が筒状になっているのであれば、筒状とされた前記位置決め補助手段の内側に設けることができる。
【0026】
本発明のユニットは、前記撮像手段で拡大的画像が撮像される際に、前記拡大レンズの視野内に位置して、撮像対象物とともに撮像されるものであり、撮像された拡大的画像の色の補正を行うために利用される、複数種類の基準色が配された色見本を備えていてもよい。
これによっても、色見本画像投影手段がある場合と同様の、ユニットが取付けられるカメラ以外の他の装置で、事後的な画質調整を行いやすくなる、という効果を得られる。
本発明の色見本は、ユニットのどの部分にあってもよい。尚、色見本は、透明体に設けられていてもよい。ユニットが孔を有するのであれば、その孔内に設けられた、例えば板状に形成された透明体に設けられていてもよい。ユニットが位置決め補助手段を備えており、これが筒状になっているのであれば、筒状とされた前記位置決め補助手段の内側に設けることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好ましい一実施形態につき説明を行う。
【0028】
本実施形態におけるユニットUは、既存のカメラに取付けて用いられる。この実施形態におけるカメラは、携帯通信端末に内蔵のものである。この実施形態における携帯通信端末は、図1に示したようなものであり、これには限られないが、携帯電話Kにより構成されている。
この携帯電話Kは、この実施形態では、インテリジェンスなものとされており、マイクロフォンとスピーカによって実現されるごく一般的な電話機能に加えて、少なくともメール機能を備えている。これら機能を実現するため、この携帯電話Kは、アンテナ及びディスプレイを備え、CPU、ROM、RAM、インタフェイスなどを内蔵しているが、これらはこの種の携帯電話Kに一般的なものなので、その説明を省略する。
携帯電話Kは、テンキーや方向キーを含む多数の入力キーK1を備えている。これら入力キーK1は、電話機能を使用する場合、及びメール機能を使用する場合に用いられるが、後述するカメラCを用いて撮像が行われる場合にも使用される。
この携帯電話Kは、カメラCを備えている。このカメラCは、対物レンズC1と、図3に示した撮像素子C2を備えている。対物レンズC1は、これには限られないが、携帯電話Kの正面中央から露出している。撮像素子C2は、対物レンズC1を介して撮像対象物から導かれた像光による撮像を行うものであり、この実施形態では、CCDにより構成されている。対物レンズC1は、複数のレンズの組合せにより構成されていても構わないが、この実施形態では、一のレンズにより構成されている。この携帯電話KのカメラCの撮像素子C2で撮像される画像は、携帯電話K単独で撮像が行われる場合には縮小的画像となるようにされている。対物レンズC1及び撮像素子C2は、縮小的画像の撮像が可能なように構成されている。
上述のごとき携帯電話Kとしては、例えばジェイフォン株式会社により製造、販売されている携帯電話であるJ-フォン(商標)を用いることができる。
【0029】
かかる携帯電話Kに取付けて用いるユニットUの斜視図を図2に示す。
ユニットUは、それを携帯電話Kに取付けることにより、携帯電話Kの撮像素子C2にて撮像される画像を拡大的画像とするものである。
【0030】
ユニットUは、本体10を備えている。
この実施形態におけるユニットUの本体10は、円筒形状とされている。
本体10の先端側にはテーパーが付されており、略円錐形状の当接部11とされている。当接部11の先端には、孔12が穿設されている。孔12は、本体10と同軸になっている。尚、孔12と本体10とが共有する軸上に光軸Lがある。
【0031】
ユニットUは、例えば樹脂で形成されている。必ずしもそうなっている必要はないが、この実施形態の本体10は、遮光機能を持っている。この遮光機能は、本体10を不透明な材質で形成する、或いは不透明な層(例えば、塗料による着色で形成された層)で被覆するなどして得ることができる。
【0032】
本体10の基端側には、第2部材13が設けられている。この第2部材13は、携帯電話Kに取付けられる第1部材14(図3参照。)と協働して本発明における取付け手段を構成するものであり、ユニットUの携帯電話Kに対する着脱自在な状態での取付けを実現するものである。
【0033】
この実施形態における第1部材14、第2部材13はともに、薄いベロクロテープである。第2部材13の形状は、本体10の基端面の形状に対応した環状(この実施形態では、円環状)であり、第1部材14の形状は、第2部材13の形状に対応した環状である。
携帯電話KのカメラCに含まれる対物レンズC1の光軸Lと同軸になるようにして、露出している対物レンズC1の周囲を囲むような状態で、携帯電話Kの表面に第1部材14を貼り付けておき、ここに第2部材13を固定することで、ユニットUの携帯電話Kに対する着脱自在な状態での取付けが実現される。
尚、第1部材14、第2部材13の対向する面の一方に、例えば樹脂や金属により適宜な形に形成された凸部Xを形成しておき、対向する面の他方に、上記凸部Xに対応する凹部Yを形成しておき、両ベロクロテープを固定させる際に、上記凸部Xを、凹部Yへ嵌め込むようにすることができる。例えば、図4に示したように、凸部Xと凹部Yを複数ずつ形成しておき、両ベロクロテープを固定させる際に、上記複数の凸部Xのそれぞれを、対応する凹部Yへ嵌め込むようにすることができる。このような凸部X、凹部Yが有れば、その円環の中心が対物レンズC1の光軸L上に正確に位置するようにして、第1部材14を携帯電話Kに固定しておきさえすれば、ユニットUを携帯電話Kに取付けたときに、対物レンズC1と拡大レンズ20の光軸合せが自動的に行われることになる。この凸部X、凹部Yは、それぞれ本発明の軸合せ凸部、軸合せ凹部にあたる。
凸部X、凹部Yの他の例を、図5に示す。この例における凸部X、凹部Yは、それぞれ円環状にされたベロクロテープの中心と同軸とされた円状に形成されている。
【0034】
第1部材14、第2部材13の他のバリエーションとして、例えば、以下のものがある。
まず、第2部材13を金属板に、第1部材14を磁石にすることができる。第2部材13の素材は、磁石に吸着するものとする。この場合の第1部材14、第2部材13の形状は、上述のベロクロテープを用いる場合と同様の環状(この実施形態では、円環状)にすることができる。ベロクロテープを用いる場合と同様にして、携帯電話Kに第1部材14を、ユニットUに第2部材13を固定しておくことで、ユニットUの携帯電話Kに対する着脱自在な状態での取付けが実現される。
尚、この場合の第1部材14、第2部材13の材料は、逆にすることもできるが、磁石が携帯電話Kに好ましくない影響を与える可能性もないとはいえないので、第2部材13を金属板に、第1部材14を磁石にするのが好ましい。
尚、第1部材14、第2部材13の対向する面の一方に凸部Xを、対向する面の他方に、上記凸部Xに対応する凹部Yを形成して、光軸合せが自動的に行われるようにできることは、第1部材14、第2部材13をベロクロテープにした場合と同様である。凸部X、凹部Yの形状は、第1部材14、第2部材13をベロクロテープにした場合と同様、適宜選択可能である。
他に、図6に示した如く、第1部材14、第2部材13の対向する面の一方に凹部15を、他方に凸部16をそれぞれ設けておくという手法が考えられる。第1部材14、第2部材13の素材は、樹脂、金属など適宜選択できる。この場合における第1部材14、第2部材13の形状も、ベロクロテープを用いる場合と同様の環状にすることができる。ベロクロテープを用いる場合と同様にして、携帯電話Kに第1部材14を、ユニットUに第2部材13を固定しておき、凹部15と凸部16とを嵌合させることにより、ユニットUの携帯電話Kに対する着脱自在な状態での取付けが実現される。凹部15と凸部16は、ユニットU使用時にユニットUが携帯電話Kから脱落せず、また着脱が無理なく行える程度の固さで、ユニットUを携帯電話Kに固定するように形成されている。凹部15と、凸部16の形状を、図7に示したようにすることも可能である。凹部15、凸部16は円環状であり、その中心は、光軸L上に位置する。
このような凹部15は、本発明における取付け凹部に相当するのみならず、本発明における軸合せ凹部にも相当する。このような凸部16は、本発明における取付け凸部に相当するのみならず、本発明における軸合せ凸部にも相当する。
【0035】
この実施形態におけるユニットUの本体10の外側には、スイッチ17が設けられている。このスイッチ17は、後述の光源のON/OFFを切り替えるものである。スイッチ17の構成はどのような物でも良いが、この例ではプッシュ−プッシュ構造を採用することにより、それを押し込むたびに光源のON/OFFを切り替えられるようになっている。
【0036】
本体10の内部には、図3に示したように、拡大レンズ20が取付けられている。この実施形態の拡大レンズ20は、これには限られないが、凸レンズ1枚により構成されている。拡大レンズ20は、本体10の内部に固定されたマウント21を介して、本体10の内周面に固定されている。この実施形態におけるマウント21は、その外径が本体10の内径と同径とされ、且つ円形の孔がその中心に穿設されてなる円板である。孔の中に拡大レンズ20を嵌めたマウント21を本体10の内周面に固定することにより、拡大レンズ20の本体10に対する固定がなされている。
マウント21の前面には、この実施形態では6つとされた光源30が設けられている。この光源30は、これには限られないが、小型のLEDによって構成されている。光源30は、それが点灯している場合、撮像対象物の少なくとも撮像対象範囲を照明するようになっている。
マウント21近傍の本体10内周面には、本発明における電源に相当する電池40が設けられている。電池40は、光源30が発光する際のエネルギー源を提供する。上述のスイッチ17は、電池40と光源30との接続状態を変化させることで、光源30の発光状態を制御する。
【0037】
本体10は、本発明の位置決め補助手段に相当する。
ユニットUを携帯電話Kに取付けた、図3に示した如き状態で拡大的画像を撮像する場合には、本体10の当接部11先端を撮像対象物に当接させる。本体10の先端を撮像対象物に当接した状態で撮像を行えるので、手振れの問題が生じにくい。また、図3においてlで示された本体10の長さは、当接部11先端の孔12を撮像対象物へ当接させたときに、対物レンズC1及び拡大レンズ20の両レンズの組合せによるピント位置が、撮像対象物の撮像対象範囲に合う範囲内に保てるようにされている。したがって、孔12を撮像対象物に当接させれば、その孔12の中に位置する撮像対象物に対してピントが自動的に合うことになる。
尚、対物レンズC1及び拡大レンズ20の両レンズの組合せによるピント位置が撮像対象範囲からずれないようにするには、例えば本体10内に絞りを設けて焦点深度を深くすることが有用である。
この実施形態における孔12と、携帯電話K内の撮像素子C2の撮像対象範囲との関係は、図8(A)に示したようになっている。即ち、この実施形態における撮像対象範囲Sは矩形であり、孔12は、それを略内接させる円形となっている。もっとも、撮像対象範囲Sと、孔12の関係は、これには限られない。例えば、図8(B)に示すように、撮像対象範囲Sを矩形とすると共に、孔12を撮像対象範囲Sの外縁に略沿う矩形としたり、図8(C)に示すように、撮像対象範囲Sを円形とすると共に、孔12を撮像対象範囲Sの外縁に略沿う円形とすることもできる。
図8(C)又は図8(B)に示したように、孔12の縁を撮像対象範囲Sの外縁に沿わせるようにする場合、孔12の縁は、図8(C)に示したように撮像対象範囲Sの外縁にかかっても、図8(B)に示したように撮像対象範囲Sの外縁にかからなくてもよい。
【0038】
このユニットUの使用方法について説明する。
ユニットUは、携帯電話Kに取付けて用いられる。具体的には、その第2部材13を、携帯電話Kに予め取付けておいた第1部材14に固定することで、ユニットUの携帯電話Kへの固定をなす。
その状態で、携帯電話Kが備えるカメラCの機能をそのまま利用して撮像を行う。具体的には、本体10の当接部11先端を撮像対象物に当接させて撮像を行う。拡大レンズ20の存在により、撮像素子C2で撮像される画像が拡大的画像となる。この画像は、携帯電話Kが備えるカメラCの機能により、静止画、動画、或いはその双方から選択したものとなる。この場合の操作は、携帯電話Kの入力キーK1を用いて行う。
尚、撮像を行う場合には、スイッチ17を操作して、光源30を点灯させる。上述したように、ユニットUは遮光性を持っており、また当接部11先端の孔12を撮像対象物へ当接させたときに外部光が本体10の内部へ入らないようにされている。したがって、拡大的画像の撮像は、光源30からの光だけによるものとできる。
撮像により得られた画像についてのデータは、携帯電話Kの機能にもよるが、携帯電話Kが備える内部メモリに記録したり、携帯電話Kから外部へ出力したり、或いは携帯電話Kが備えるメール機能を用いて送信したりすることにより利用できる。
拡大的画像の撮像を行う必要がなくなったら、ユニットUを携帯電話Kから取り外す。
【0039】
ここまで、本発明によるユニットUの一実施形態について説明したが、上述のユニットUは、以下のように変更可能である。以下、変更例1〜6まで順次説明する。
【0040】
≪変更例1≫
このユニットは、構成、使用方法とも上述の一実施形態で説明したユニットと基本的に変わらない。
但し、以下のような目盛り110を備えている。
この目盛り110は、この実施形態においては、当接部11の内面の孔12の近傍に設けられている。この例における孔12は、図9(A)に示したように撮像対象範囲Sの外縁の一部に掛かるようになっており、目盛り110は、孔12の近傍であって、撮像対象範囲Sの外周付近の一部に含まれる範囲内に設けられている。この目盛り110は、この実施形態では、青色で表示されているが、中心波長が肌の色の中心波長からずれている色、乃至自動的な画像処理により肌以外のものとして抽出できるような色とされていてもよい。例えば、目盛り110の色は、緑色としておくことができる。目盛り110は、また、当接部11の内面全体を青色として、白抜きで表示されていてもよい。
目盛り110は、当接部11先端を撮像対象物に当接させて拡大的画像を撮像する場合、撮像対象物と共に撮像されて、撮像された拡大的画像内に位置することになる。拡大的画像内に映り込んだ目盛り110の画像を、撮像対象物の画像と対比することで、撮像対象物のおおよその大きさをその画像からだけで知ることができるようになる。
目盛り110が図9(A)のように設けられている場合に得られる拡大的画像は、図9(B)のようになる。白抜きの部分が孔12の内部から覗く撮像対象物の画像であり、網掛け部分が孔12の外側部分である。
【0041】
≪変更例2≫
このユニットは、構成、使用方法とも上述の一実施形態で説明したユニットと基本的に変わらない。
但し、以下のような目盛り110を備えている。この目盛り110は、図10に示したように、孔12の内側に嵌められた、樹脂などの透明体にて形成された板状体111に、図11(A)に示したように描かれている。
目盛り110が図11(A)のようにされている場合に得られる拡大的画像は、図11(B)のようになる。図11(A)中の円が、孔12の内縁である。図11(B)のうち、円の内側が撮像対象物の画像である。
この変更例によっても、拡大的画像内に映り込んだ目盛り110の画像を撮像対象物の画像と対比することで、撮像対象物のおおよその大きさをその画像からだけで知ることができるようになる。目盛り110の色は、変更例1のユニットと同様とすることができる。
【0042】
≪変更例3≫
このユニットは、構成、使用方法とも上述の一実施形態で説明したユニットと基本的に変わらない。
但し、図12に示すように、本発明の対比画像投影手段に相当する目盛り投影装置121と、ハーフミラー122とを備えている。
ハーフミラー122は、撮像対象物から撮像素子C2までの光路中に、その光路に対して傾斜して配されている。
目盛り投影装置121は、例えば平板状に形成のバックライトの前面に目盛りの描かれた透明の板状体を配置してなるものであり、板状体に描かれた目盛りの画像を、バックライトからの光でハーフミラー122へ投影するものである。この目盛りの画像が、本発明でいう対比画像である。目盛りの画像は、変更例1と同様の色で表現しておくことができる。
ハーフミラー122へ投影された目盛りの画像は、撮像素子C2へと至り、撮像素子C2で拡大的画像が撮像される際に、撮像対象物とともに拡大的画像中に映り込む。目盛りの画像は、撮像された拡大的画像内での撮像対象物との対比により、その撮像対象物の大きさを知るための目安となる。
目盛り画像の映り込んだ画像の一例を、図13に示す。図13(A)、(B)内の円に囲まれた部分が、撮像された拡大的画像である。目盛りの画像は、図中123の符号で示されているが、例えば格子状に(図13(A))、例えば棒状に(図13(B))に映し出される。
この変更例におけるバックライトの電源は、光源30の電源と共通する電池40であり、バックライトは、スイッチ17の操作により、光源30と共にON/OFFされるようになっている。
【0043】
≪変更例4≫
このユニットは、構成、使用方法とも上述の一実施形態で説明したユニットと基本的に変わらない。
但し、以下のような色見本130を備えている。
この色見本130は、この実施形態においては、当接部11の内面の孔12の近傍に設けられている。この例における孔12は、図14(A)に示したように撮像対象範囲Sの外縁にかかるようになっており、色見本130は、孔12の近傍であって、撮像対象範囲Sの外周付近の一部に含まれる範囲内に設けられている。
この色見本130には、この実施形態では、複数種類の基準色が配されている。基準色は、撮像された拡大的画像の色の補正を行うにふさわしいものであれば色の種類やその数に特に制限はないが、この実施形態では、赤色R、緑色G、青色B、白色w、及び黒色bの5色となっている。
色見本130は、当接部11先端を撮像対象物に当接させて拡大的画像を撮像する場合、撮像対象物と共に撮像されて、撮像された拡大的画像内に位置することになる。拡大的画像内に映り込んだ色見本130の画像は、撮像された拡大的画像の色の補正を行うために利用される。
色見本130が図14(A)のように設けられている場合に得られる拡大的画像は、図14(B)のようになる。白抜きの部分が孔12の内部から覗く撮像対象物の画像であり、網掛け部分が孔12の外側部分であり、その中にある矩形の部分が映り込んだ色見本130である。
尚、この変更例4のユニットが持つ色見本130は、変更例1〜3のいずれかのユニットに応用してもよい。
【0044】
≪変更例5≫
このユニットは、構成、使用方法とも上述の一実施形態で説明したユニットと基本的に変わらない。
但し、以下のような色見本130を備えている。この色見本130は、図10に示したように、孔12の内側に嵌められた、樹脂などの透明体にて形成された板状体111に、図15(A)に示したように描かれている。
色見本130が図15(A)のように設けられている場合に得られる拡大的画像は、図15(B)のようになる。図15(A)に示された円が孔12の内縁であり、図15(B)に示された円の内側が、その孔12により撮像された画像となる。この画像中に、色見本130が映り込む。
この変更例で拡大的画像内に映り込んだ色見本130も、撮像された拡大的画像の色の補正を行うに際して利用される。
尚、この変更例5のユニットが持つ色見本130は、変更例1〜3のいずれかのユニットに応用してもよい。
【0045】
≪変更例6≫
このユニットは、構成、使用方法とも上述の一実施形態で説明したユニットと基本的に変わらない。
但し、図16に示すように、本発明の色見本画像投影手段に相当する色見本投影装置141と、ハーフミラー142とを備えている。
ハーフミラー142は、撮像対象物から撮像素子C2までの光路中に、その光路に対して傾斜して配されている。
色見本投影装置141は、例えば平板状に形成のバックライトの前面に色見本の描かれた透明の板状体を配置してなるものであり、板状体に描かれた色見本の画像を、バックライトからの光でハーフミラー142へ投影するものである。この色見本の画像が、本発明でいう色見本画像である。
色見本の画像は、この実施形態では、複数種類の基準色の画像を含むものとなっている。基準色は、撮像された拡大的画像の色の補正を行うにふさわしいものであれば色の種類やその数に特に制限はないが、この実施形態では、赤R、緑G、青B、白w、及び黒bの5色となっている。
ハーフミラー142へ投影された色見本の画像は、撮像素子C2へと至り、撮像素子C2で拡大的画像が撮像される際に、撮像対象物とともに拡大的画像中に映り込む。色見本の画像は、撮像された拡大的画像の色の補正を行うに際して利用される。
色見本画像の映り込んだ画像の一例を、図17に示す。図17内の円に囲まれた部分が、撮像された拡大的画像である。色見本の画像は、図中143の符号で示されている。
尚、この変更例6のユニットが持つ色見本投影装置141、及びハーフミラー142は、変更例1〜3のいずれかのユニットに応用してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、カメラに何らの変更を行わなくても、縮小的画像の撮像しかできないカメラで拡大的画像の撮像を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるユニットが取付けられる携帯電話の一例を示す正面図。
【図2】 本発明の好ましい一実施形態によるユニットを示す斜視図。
【図3】 本発明の好ましい一実施形態によるユニットが、図1で示した携帯電話に取付けられた状態を示す透視側面図。
【図4】 図2で示したユニットに含まれる第1部材、第2部材の一例を示す斜視図。
【図5】 図2で示したユニットに含まれる第1部材、第2部材の一例を示す斜視図。
【図6】 図2で示したユニットに含まれる第1部材、第2部材の一例を示す斜視図。
【図7】 図2で示したユニットに含まれる第1部材、第2部材の一例を示す斜視図。
【図8】 図2で示したユニットの孔と撮像対象範囲の関係を示す図。
【図9】 (A)は、図2で示したユニットの変更例1における孔を内側から覗いた図、(B)はこのようなユニットを用いて撮像された拡大的画像の一例を示す図。
【図10】 図2で示したユニットの変更例2又は5によるユニットが、図1で示した携帯電話に取付けられた状態を示す透視側面図。
【図11】 (A)は、変更例2のユニットにおける孔を内側から覗いた図、(B)はこのようなユニットを用いて撮像された拡大的画像の一例を示す図。
【図12】 図2で示したユニットの変更例3によるユニットが、図1で示した携帯電話に取付けられた状態を示す透視側面図。
【図13】 (A)、(B)は、変更例3のユニットを用いて撮像された拡大的画像の一例を示す図。
【図14】 (A)は、図2で示したユニットの変更例4における孔を内側から覗いた図、(B)はこのようなユニットを用いて撮像された拡大的画像の一例を示す図。
【図15】 (A)は、変更例5のユニットにおける孔を内側から覗いた図、(B)はこのようなユニットを用いて撮像された拡大的画像の一例を示す図。
【図16】 図2で示したユニットの変更例6によるユニットが、図1で示した携帯電話に取付けられた状態を示す透視側面図。
【図17】 変更例6のユニットを用いて撮像された拡大的画像の一例を示す図。
【符号の説明】
10 本体
12 孔
13 第2部材
14 第1部材
15 凹部
16 凸部
20 拡大レンズ
30 光源
40 電池
110 目盛り
121 目盛り投影装置
122 ハーフミラー
130 色見本
141 色見本投影装置
142 ハーフミラー
U ユニット
K 携帯電話
C カメラ
X 凸部
Y 凹部
C1 対物レンズ
C2 撮像素子
Claims (13)
- 対物レンズと、該対物レンズを介して撮像対象物からの像光が導かれるようにされていると共に、該像光により撮像を行う撮像手段と、を有しており、前記撮像手段では縮小的画像の撮像がなされるようになっているカメラに取付けて用いられるユニットであって、
このユニットがカメラに対して取付けられたときに、前記対物レンズとの組合せによって前記撮像手段で撮像される画像を拡大的画像とする拡大レンズと、
前記撮像対象物の少なくとも撮像対象範囲を照明するものとされ、照明のためのエネルギー源を電気とする照明手段と、
前記照明手段の電源と、
を一体に備えており、
一体とされたこれら拡大レンズ、照明手段、電源を、カメラに対して着脱自在に取付ける取付け手段を有してなるとともに、
前記撮像手段で拡大的画像が撮像される際に、前記拡大レンズの視野内に位置して、撮像対象物とともに撮像されるものであり、撮像された拡大的画像の色の補正を行うために利用される、複数種類の基準色が配された色見本を備えている、
ユニット。 - その先端を撮像対象物に当接させることで、前記撮像対象物と、前記拡大レンズとの距離を、前記対物レンズ及び前記拡大レンズの両レンズの組合せによるピント位置が前記撮像対象物の撮像対象範囲に合う範囲内に保つに寄与するものとされた位置決め補助手段を備えてなる、
請求項1記載のユニット。 - 前記位置決め補助手段の前記先端には、前記拡大レンズの視野を確保するものであり、且つ前記撮像手段が拡大的画像を撮像する際の撮像対象範囲と略一致するような大きさとされた孔が設けられている、
請求項2記載のユニット。 - 前記撮像手段の前記撮像対象範囲が矩形であり、前記孔は、前記撮像手段が拡大的画像を撮像する際の前記撮像対象範囲を略内接させる円形である、
請求項3記載のユニット。 - 前記孔が、前記撮像手段が拡大的画像を撮像する際の前記撮像対象範囲の外縁に略沿うようになっている、
請求項3記載のユニット。 - 前記位置決め補助手段は筒状とされており、且つその先端に前記孔が設けられている、
請求項3記載のユニット。 - 前記照明手段は、筒状とされた前記位置決め補助手段の内側に設けられている、
請求項6記載のユニット。 - 前記拡大レンズ、及び前記電源は、筒状とされた前記位置決め補助手段の内側に設けられている、
請求項6記載のユニット。 - 前記位置決め補助手段が前記撮像対象物に当接されており、前記撮像手段で拡大的画像が撮像される際に、前記撮像対象物の前記撮像対象範囲に、外部光が当たらないようにする遮光手段を備えてなる、
請求項2記載のユニット。 - 筒状とされた前記位置決め補助手段は、それが前記撮像対象物に当接されており、前記撮像手段で拡大的画像が撮像される際に、前記撮像対象物の前記撮像対象範囲に、外部光が当たらないようにする遮光機能を備えるものとなっている、
請求項6記載のユニット。 - その先端を撮像対象物に当接させることで、前記撮像対象物と、前記拡大レンズとの距離を、前記対物レンズ及び前記拡大レンズの両レンズの組合せによるピント位置が前記撮像対象物の撮像対象範囲に合う範囲内に保つに寄与するものとされた位置決め補助手段を備え、
前記位置決め補助手段は筒状とされており、且つその先端には、前記拡大レンズの視野を確保するものであり、且つ前記撮像手段が拡大的画像を撮像する際の撮像対象範囲と略一致するような大きさとされた孔が設けられており、
前記色見本は、筒状とされた前記位置決め補助手段の内側に設けられている、
請求項1記載のユニット。 - 前記カメラは、携帯通信端末に内蔵のものであり、前記ユニットは、前記携帯通信端末に取付けられるようになっている、
請求項1記載のユニット。 - 前記携帯通信端末は、携帯電話である、
請求項12記載のユニット。
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