JP4113596B2 - 電気二重層コンデンサ用炭素材の製造法 - Google Patents

電気二重層コンデンサ用炭素材の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電容量の大きい電気二重層コンデンサ用の炭素材を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層コンデンサ(キャパシタ)の分極性電極材として、種々の炭素質原料からアルカリ賦活して得られる活性炭を用いる方法が提案されている。
【0003】
たとえば、国際公開WO91/12203号には、活性炭原料をアルカリ金属の水酸化物浴中700℃未満で熱処理して得られる高静電容量炭素質素材につき開示がある。ここで活性炭原料としては、一般に活性炭を製造するための炭素質原料であればいかなるものでもよく、その例としてはたとえばヤシ殻、木粉、石炭、樹脂などがあげられるとしてあり、実施例では、ヤシ殻、木粉、石炭、フェノール樹脂を炭化したものを用いている。アルカリ金属の水酸化物としては、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウムなどの水酸化物が用いられるとしてあるが、実施例では専ら水酸化ナトリウムを用いている。
【0004】
特開平8−162375号公報には、フェノール樹脂、フラン樹脂およびポリアクリロニトリル樹脂から選ばれる樹脂を炭化して炭素材とした後、溶融状態の水酸化カリウムを用いる賦活法で賦活した活性炭を主体とする分極性電極を用いた電気二重層コンデンサおよびその製造法が示されている。
【0005】
特開平8−51045号公報には、紙基材フェノール樹脂積層板を粉砕して温度500〜900℃で炭化処理した後、アルカリ金属水酸化物にて温度400〜900℃で賦活処理して得た炭素材からなる電気二重層キャパシタ用炭素材が示されている。比較例として、石油コークスを用いた場合(ただし炭化はしていない)についても示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の国際公開WO91/12203号には、原料素材として石油コークスまたは石炭ピッチコークスについて記載がない。
【0007】
特開平8−162375号公報には、石油コークスまたは石炭ピッチコークスを炭化したものを賦活のために用いることにつき記載がない。なおこの特開平8−162375号公報の実施例の[0022]の個所には炭化処理につき言及があるが、これはフェノール樹脂、フラン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、やしがら、おがくずの場合は炭化処理することを意味し、すでに炭化されている石油コークスをさらに炭化処理することを意味していない。というのは、この公報の[0008]における「フェノール樹脂、フラン樹脂及びポリアクリロニトリル樹脂から選ばれる一種以上を炭化処理した炭素材を、溶融状態の水酸化カリウムを用いる賦活処理法により賦活した活性炭を使用する。」の記載を受けて、[0009]では「この活性炭は、前記特定の樹脂を炭化処理して得られた炭素材と水酸化カリウムとを混合した状態で加熱し、溶融状態の水酸化カリウムの存在下で炭素材を賦活して得られる。この活性炭は、比表面積が大きいとともに、『上記石油コークスを溶融水酸化カリウムを用いる賦活処理法で賦活処理した従来の活性炭』と比べて表面官能基の濃度が低く、かつ出発原料に由来する重金属の不純物が少ないという特徴がある。」とあるからである。
【0008】
特開平8−51045号公報の比較例3には、石油コークスを水酸化カリウムで賦活した例が示されているが、これは石油コークスを炭化したものを賦活した例ではない。
【0009】
上に従来技術を引用したように、炭化品でない種々の炭素質原料から炭化処理を経て水酸化カリウム等でアルカリ賦活して得られる活性炭、あるいは石油コークスの如きすでに炭化されている炭素質原料を水酸化カリウム等でアルカリ賦活して得られる活性炭を、電気二重層コンデンサの分極性電極材として用いることは、すでに試みられていることである。
【0010】
しかしながら、このようにして得た活性炭は、単位容積当りの静電容量がなお低目であり、年々高まっていく高性能化の要求の下には、電気二重層コンデンサの分極性電極材としてなお改良を図らなければならない。
【0011】
本発明は、このような背景下において、従来に比し静電容量の点でさらに性能を一段と高めた電気二重層コンデンサ用炭素材を製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気二重層コンデンサ用炭素材の製造法は、
石油の重質留分を高温で熱分解して得られる固形の炭素を主成分とする製品である石油コークスまたは石炭を乾留してコークスを製造するときに副生するコールタールを蒸留したときの釜残であるコールタールピッチを炭化したものである石炭ピッチコークスからなる素材を炭化処理し、
その炭化処理後に、揮発分および水素と炭素の原子数比H/Cを測定して、炭化処理後の性状において揮発分が 1.6 3.4重量%でかつ水素と炭素の原子数比H/Cが0.12 0.25 条件を満足するようになした後、
その炭化処理後の素材をアルカリ金属水酸化物で賦活処理すること
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0014】
本発明においては、素材として、石油コークスまたは石炭ピッチコークスを用いる。石油コークスまたは石炭ピッチコークスを素材として用いることは、これらが低価格であること、安定して大量に入手できることなどの点で有利である。
【0015】
ここで石油コークスとは、石油の重質留分を500℃程度の高温で熱分解(コーキング)して得られる固形の炭素を主成分とする製品で、通常の石炭系のコークスに対して石油コークスと呼ぶ。石油コークスにはディレード・コーキング法によるものとフルイド・コーキング法によるものとがあり、現在においては前者によるものが大半を占めている。本発明においては、この石油コークスでコーカーから取り出されたままの状態である生石油コークスを用いることができる。ディレード・コーキング法により生産される生石油コークスは揮発分が10〜13重量%であり、フルイド・コーキング法により生産される生石油コークスは揮発分が4〜7重量%である。本発明においてはいずれの方法による生石油コークスを用いてもよいが、容易に入手が可能でかつ品質の安定したディレード・コーキング法により生産される生石油コークスが特に好適である。
【0016】
石炭を乾留してコークスを製造するときにコールタールが副生する。これを蒸留してタール軽油、カルボル油、ナフタリン油、洗浄油などを得るが、この際約70%が釜残のコールタールピッチとなる。このコールタールピッチを炭化したものが石炭ピッチコークス(単にピッチコークスとも言う)であり、現在では石油コークスと同じくほとんどディレード・コーキング法で作られる。このディレードコーカーから出てきた石炭ピッチコークスが生ピッチコークス(生コークスとも言う)であり、揮発分はたとえば5,6重量%から10重量%程度である。本発明においては、このディレードコーカーから出てきた生ピッチコークスである石炭ピッチコークスを用いることができる。
【0017】
そして本発明においては、このような特定の素材を炭化処理し、その炭化処理後に、揮発分および水素と炭素の原子数比H/Cを測定して、炭化処理後の性状において揮発分が 1.6 3.4重量%でかつ水素と炭素の原子数比H/Cが0.12 0.25である双方の条件を満足するようになす。炭化処理を行っても、揮発分が 3.4重量%を越えていたり、H/Cの原子数比が0.25を越えていたりするときは、たとえどちらか一方が上記の範囲にあっても、静電容量の向上の目的を充分には達しえない。また揮発分が 1.6重量%未満の場合や、水素と炭素の原子数比H/Cが0.12未満の場合は、たとえどちらか一方が上記の範囲内にあっても、炭化が過多になって、やはり静電容量の向上の目的を充分には達しえない。
【0018】
上記素材の炭化処理は、典型的には、該素材を不活性ガス雰囲気下に温度550〜900℃(好ましくは600〜900℃、さらに好ましくは650〜850℃)で加熱処理することによりなされる。加熱処理温度が余りに低いとき、あるいは余りに高いときには、静電容量の大きな炭素材が得られがたい。
【0019】
そして上述の揮発分および水素と炭素の原子数比H/Cの条件の双方を満足するように炭化処理を行った後は、その炭化処理後の素材をアルカリ金属水酸化物で賦活処理する。
【0020】
賦活処理は、アルカリ金属水酸化物を用いて行われる。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウムが特に好適であり、そのほか、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウムなどを用いることもできる。
【0021】
炭化物とアルカリ金属水酸化物との混合割合は、重量比で、1:0.5 〜1:10(好ましくは1:1〜1:5)とすることが多い。アルカリ金属水酸化物の過少は賦活不足を招き、その過多は得られる炭素材(活性炭)の脆化を招く。
【0022】
賦活処理に際しては、アルカリ金属水酸化物の固体またはその水溶液を用いる。固体を用いるときは、アルカリ金属水酸化物が吸湿性であることから、保管に際して空気中の湿分を遮断する必要があり、また賦活前の原料と均等に混ぜる操作が必要である。アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いるときは、市販されている水溶液を用いて、その水溶液に賦活前の原料を混入するだけでよい。ただし高温で賦活処理を行うので、その水溶液の水分を飛ばすだけの熱量をより多く必要とする。そこで、市販されている水溶液のうち最大の濃度のものを用いることが好ましい。
【0023】
賦活処理時の温度は400〜900℃、好ましくは600〜900℃、さらに好ましくは700〜900℃が適当であり、温度が余りに低いときは静電容量の大きな炭素材が得られがたく、一方温度が余りに高いときには装置の材質に大きな制約が加わるので実際的でなくなる。
【0024】
賦活処理後は、アルカリ洗浄、酸洗浄、脱水、粉砕、造粒などの精製工程や二次加工工程に供する。
【0025】
このようにして得た炭素材は、たとえば、BET比表面積が200〜2000m2/g程度、細孔容積が0.15〜0.80ml/g程度であるが、比表面積や細孔容積の値の如何にかかわらず、静電容量の大きな電気二重層コンデンサ用炭素材として好適に用いることができる。
【0026】
電気二重層コンデンサは、たとえば、(a) 上記で得た炭素材の粉末品、導電材料、バインダーおよび溶媒を混合してペースト状の混合物を調製してからシート状に成形して電極材料となし、該シート2枚をセパレータを介して重ねて外装容器に収容し、この中に電解液を注入する方法、(b) 上記で得た炭素材の粉末品と電解液との混合物を調製してペースト状となし、これをセパレータを介在させた状態で外装容器に収容する方法、(c) 上記で得た炭素材の粉末品に樹脂系粉末品(たとえばフェノール樹脂)を混合した後、高温(600〜1000℃)で熱処理して炭素成形体を作り、電解液を含浸させて、これをセパレータを介在させた状態で外装容器に収容する方法をはじめ、従来採用されている各種の方法により作製される。電解液としては、水溶液系電解液や非水溶媒系電解液が用いられる。
【0027】
〈作用〉
本発明の方法により得られる電気二重層コンデンサ用炭素材は、石油コークスまたは石炭ピッチコークスからなる素材を用い、該素材を炭化処理し、その炭化処理後に、揮発分および水素と炭素の原子数比H/Cを測定して、炭化処理後の性状において揮発分が 1.6 3.4重量%でかつ水素と炭素の原子数比H/Cが0.12 0.25の条件の双方を満足するようになした後、その炭化処理後の素材をアルカリ金属水酸化物で賦活処理することにより得ている。
【0028】
図1は、石油コークスまたは石炭ピッチコークスからなる素材を炭化処理したときの揮発分およびH/Cの変遷を模式的に示したグラフであり、縦軸が揮発分VM、横軸が水素と炭素の原子数比H/Cである。素材の段階の石油コークスまたは石炭ピッチコークスの特性値は図1の右上寄りにあるが、それを炭化していくと特性値はしだいに図の左下の方に移行し、炭化を徹底的に行うと左下のカルサインコークスとなる。そして電気二重層コンデンサ用にとって好適な炭素材は、図1の左下寄りに四角で示した特定の領域内にまで炭化を行った後、その炭化物をアルカリ金属水酸化物で賦活処理したものである。
【0029】
本発明の炭素材がすぐれた静電容量を示す理由は、石油コークスまたは石炭ピッチコークスを用い、これを炭化処理することにより結晶化を適度に進ませ、その炭化処理後に、揮発分および水素と炭素の原子数比H/Cを測定して、炭化処理後の性状において揮発分および水素と炭素の原子数比H/Cが特定の条件を満足するようになし、さらにそれをアルカリ金属賦活という特定の賦活法により炭素材(活性炭)となしているため、電圧印加において活性炭表面の電子の流れが良くなり、電気二重層に有効に活用される界面が増大したためと思われる。
【0030】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下「部」、「%」とあるのは重量基準で示したものである。
【0031】
実施例
〈炭素材の製造〉
素材としての石油コークス(米国テキサコ社製のディレード生石油コークス)および石炭ピッチコークス(三菱化学株式会社製の生ピッチコークス)を、窒素ガス雰囲気下に、後述の表1に記載の所定の温度で所定時間炭化処理し、得られた炭化物の揮発分および水素と炭素の原子数比H/Cを測定した。
【0032】
ついで、炭化処理後の炭化物(または比較のための炭化処理を行う前の素材)100部を、水酸化カリウム(KOH)の48%濃度の水溶液にKOHが150部、170部、200部または300部となるように混合して混合物を調製し、窒素ガス雰囲気下に温度800℃で4時間または24時間賦活反応を行った。賦活反応後は、得られた炭素材(活性炭)をアルカリ洗浄および酸洗浄して該炭素材に含まれる金属を充分に除去し、ついで乾燥した。
【0033】
〈セルの組み立て〉
上記で得た炭素材(活性炭)を平均粒径10〜15μm に粉砕し、130℃で一夜乾燥した。この炭素材4g(80%)、ポリテトラフルオロエチレン粉末 0.5g(10%)およびカーボンブラック 0.5g(10%)を混練機に仕込み、乾燥状態のままペースト状態になるまで2時間以上混練した。ついでミニブレンダーで粉砕し、500μm のステンレス鋼製篩でふるって粒度を揃えた。次に、直径1インチの金型を用い、プレス後の厚みが 0.5mmになるように仕込み量を調節し、500kg/cm2の圧力でプレス成型して、電極を作製した。
【0034】
この電極を200℃で5時間以上真空乾燥した後、グローブボックス内で有機電解液(テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートのプロピレンカーボネート溶液、1モル/リットル)を真空含浸させた。ついでグローブボックス内で、図2に示したセルを組み立てた。セルを構成する各部材の意味は図2に付記してある。なおセパレータとセパレータ間の電極は、充電に必要な電解液を供給するために設けた。グローブボックス内で手締めしたセルに、50kg/cm2の圧をかけた状態でさらに手締めした。
【0035】
〈静電容量の測定〉
図2のセルを用い、20mAの定電流で 3.5Vの電圧まで充電し、その後 3.5Vの定電圧充電に切り換えた後、充電開始1時間後に10mAの定電流放電を行った。放電後の電流密度は1.88mA/cm2である。静電容量は、放電時のエネルギー量から、W=CV2 /2(Cは静電容量(F/cm3) 、Vは電圧(V) )の式により算出した。
【0036】
〈条件および結果〉
炭化処理条件、炭化物の特性と賦活条件、および静電容量の測定結果を、下記の表1に示す。表1に関する注釈は次の通りである。
・ 「実」は実施例、「比」は比較例である。
・ 「PCD 」は石油コークス(ディレード生石油コークス)、「PCF 」は石油コークス(フルイド生石油コークス)、「PCC 」は石油コークス(カルサイン)、「CPC」は石炭ピッチコークスである。
・ 「H/C」は水素/炭素原子数比、「KOH/C」は素材に対するKOHの重量比である。
・ 比較例1〜2は、炭化処理は行ったものの、炭化物の特性が本願規定の範囲から外れる場合である。
・ 比較例3〜6と比較例8〜9は、炭化処理を行っていないものを賦活処理した場合である。比較例7は、すでに炭化が完全に行われている市販のカルサインコークスを用いた場合である。なお比較例3〜9においては、入手した素材につき特別の炭化処理を行っていないが、素材の特性を便宜上「炭化物の特性」の欄に記載してある。
【0037】
【表1】

炭化処理条件 炭化物の特性 賦活処理条件
素材 温度 時間 揮発分 H/C 温度 時間 KOH/C 静電容量
( ) (hr) (%) (-) ( ) (hr) (-) (F/cm 3 )
実1 PCD 800 4.0 1.6 0.12 800 24 2.0 26.7
実2 PCD 800 4.0 1.6 0.12 800 24 3.0 25.0
実3 PCD 800 0.5 3.4 0.22 800 24 1.5 25.6
実4 PCD 800 0.5 3.4 0.22 800 24 2.0 26.0
実5 PCD 800 0.5 3.4 0.22 800 4 2.0 25.8
実6 PCD 700 12.0 3.4 0.25 800 24 1.5 26.0
実7 PC D 700 12.0 3.4 0.25 800 24 2.0 26.6
比1 PCD 700 1.0 7.3 0.39 800 24 1.5 22.4
比2 PCD 700 1.0 7.3 0.39 800 24 2.0 22.2
比3 PCD - - 11.5 0.50 800 24 1.5 22.1
比4 PCD - - 11.5 0.50 800 24 2.0 19.7
比5 PCF - - 7.8 0.27 800 24 1.5 22.9
比6 PCF - - 7.8 0.27 800 24 2.0 22.3
比7 PC C - - 0.9 0.00 800 24 2.0 11.6
実8 CPC 750 1.0 3.3 0.18 800 24 2.0 26.0
比8 CPC - - 5.3 0.36 800 24 1.5 22.4
比9 CPC - - 5.3 0.36 800 24 2.0 22.8
【0038】
〈解析〉
表1から、石油コークスまたは石炭ピッチコークスを炭化処理し、その炭化処理後に、揮発分および水素と炭素の原子数比H/Cを測定して、炭化処理後の性状において揮発分が 1.6 3.4%以下で水素と炭素の原子数比H/Cが0.12 0.25の条件を満足するようにしたときは(実施例1〜8)、大きな静電容量が得られることがわかる。ただし、炭化処理を行っても、揮発分または水素と炭素の原子数比H/Cが上記の条件を満たさないときは、静電容量の向上が望みえない(比較例1〜2)。また石油コークスまたは石炭ピッチコークスを素材として用いても、炭化処理を経ることなくKOH賦活したときには、やはり静電容量の向上が望みえない(比較例3〜6、比較例8〜9)。比較例7は石油コークス(カルサイン)を素材として用いたものであるが、すでに炭化が進みすぎているため、これをKOH賦活しても静電容量は極めて小さい。
【0039】
なお、表1には記載していないが、フェノール樹脂を温度700℃で4時間炭化して揮発分 3.0重量%、H/C 3.0とした後、温度800℃、KOH/C= 1.7でKOH賦活したときは、静電容量の測定結果は20.7F/cm3 にすぎなかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明の方法により得られる炭素材は、CV2 /2で表わされるエネルギー密度が高く、電気二重層コンデンサ用炭素材としてすぐれている。従って、本発明によれば、従来のこの目的の炭素材に比し、静電容量の点でさらに性能を一段と高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 石油コークスまたは石炭ピッチコークスからなる素材を炭化処理したときの揮発分VMおよび水素と炭素の原子数比H/Cの変遷を模式的に示したグラフである。
【図2】 実施例において使用した電気二重層コンデンサ用のセルの構造図である。

Claims (1)

  1. 石油の重質留分を高温で熱分解して得られる固形の炭素を主成分とする製品である石油コークスまたは石炭を乾留してコークスを製造するときに副生するコールタールを蒸留したときの釜残であるコールタールピッチを炭化したものである石炭ピッチコークスからなる素材を炭化処理し、
    その炭化処理後に、揮発分および水素と炭素の原子数比H/Cを測定して、炭化処理後の性状において揮発分が 1.6 3.4重量%でかつ水素と炭素の原子数比H/Cが0.12 0.25 条件を満足するようになした後、
    その炭化処理後の素材をアルカリ金属水酸化物で賦活処理すること
    を特徴とする電気二重層コンデンサ用炭素材の製造法。
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