JP4103430B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスモータによって車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。
【0003】
このような電動パワーステアリング装置において使用される電動モータとして、従来はブラシモータが多く用いられてきたが、近年は信頼性及び耐久性の向上や慣性の低減等の観点からブラシレスモータも使用されている。このブラシレスモータについては、以下のようにして正弦波電流によるフィードバック制御が行われる。
【0004】
ブラシレスモータは、通常、永久磁石からなる界磁としてのロータ(以下「回転界磁」ともいう)とU相、V相およびW相の3相コイルからなるステータとから構成され、操舵トルクに応じて設定される目標電流値をI*とすれば、各相のコイルに流すべき電流の指令値は次式で表される。
* u=I*sinθre …(1a)
* v=I*sin(θre−2π/3) …(1b)
* w=I*sin(θre−4π/3)=−i* u−i* v …(1c)
ここで、i* uはu相電流指令値、i* vはv相電流指令値、i* wはw相電流指令値であり、θreは、図8に示すようにu相コイルを基準として時計回りにとった回転界磁の角度(「電気角」と呼ばれる)である。
【0005】
ブラシレスモータに印加すべき電圧の指令値は、目標電流値とモータ電流の検出値との偏差に基づく制御演算によって算出されるが、位相遅れを低減するために、この制御演算ではd−q座標で電流指令値が表現され、d軸およびq軸電流指令値に基づき電圧指令値が算出される。ここで、d−q座標は、永久磁石からなる回転界磁(ロータ)と同期して回転する回転座標系であって、回転界磁の磁束方向をd軸とし、d軸と直交する方向をq軸とする。上記各相の電流指令値i* u、i* v、i* wは交流であるが、このd−q座標によれば電流指令値が直流となる。
【0006】
上記式(1a)〜(1c)で表現される各相の電流指令値をd−q座標で表すと次のようになる。
* d=0 …(2a)
* q=−√(3/2)I* …(2b)
ここで、i* dはd軸電流指令値、i* qはq軸電流指令値である。
【0007】
一方、モータ電流については、電流検出器でu相電流およびv相電流が検出されると、その検出結果からd軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iqが次式により算出される。
d=√2{ivsinθre−iusin(θre−2π/3)} …(3a)
q=√2{ivcosθre−iucos(θre−2π/3)} …(3b)
ここで、iuはu相電流検出値、ivはv相電流検出値であり、θreは上記電気角である。
【0008】
上記制御演算では、このようにして算出されたd軸電流の指令値i* dおよび検出値idとq軸電流の指令値i* qおよび検出値iqとに基づき、ブラシレスモータに対するフィードバック制御のためのd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qが次の演算(以下「PI制御演算」という)により算出される。
* d=Kp{ed+(1/Ti)∫eddt} …(4a)
* q=Kp{eq+(1/Ti)∫eqdt} …(4b)
d=i* d−id …(4c)
q=i* q−iq …(4d)
ここで、edはd軸電流における指令値と検出値との偏差(以下「d軸電流偏差」という)であり、eqはq軸電流における指令値と検出値との偏差(以下「q軸電流偏差」という)であり、Kpは比例ゲインであり、Tiは積分時間である。
【0009】
上記のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qをu相、v相、w相の電圧指令値v* u、v* v、v* wに変換すると、すなわち電圧指令値をd−q座標から3相交流座標へ変換すると、次式が得られる。
* u=√(2/3){v* dcosθre−v* qsinθre} …(5a)
* v=√(2/3){v* dcos(θre−2π/3)−v* qsin(θre−2π/3)} …(5b)
* w=−v* u−v* v …(5c)
【0010】
このようにしてu相電圧指令値v* u、v相電圧指令値v* v、w相電圧指令値v* wが得られると、それらの相電圧指令値v* u、v* v、v* wに応じたデューティ比のPWM信号が生成され、それらのPWM信号のデューティ比に応じてオン/オフするパワートランジスタを用いて構成されるモータ駆動回路により、それらのデューティ比に応じたu相、v相およびw相電圧がブラシレスモータに印加される。
【0011】
上記のような制御系において、ブラシレスモータが高回転で高負荷の状態であるときには、制御系の操作量である電圧指令値が大きくなるが、実際には電源電圧の制限を受けるため、電圧指令値を制限する必要がある。以下、この点につき説明する。
【0012】
上記式(5a)〜(5c)を変形すると、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wを下記のように表現することができる。
* u=−v* msin(θre+φ) …(6a)
* v=−v* msin(θre−2π/3+φ) …(6b)
* w=−v* msin(θre−4π/3+φ) …(6c)
* m=√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2} …(6d)
ここで、v* q≠0のときφ=tan-1{v* d/(−v* q)}であり、v* q=0のときφ=−π/2である。
【0013】
いま、各相電圧指令値の波形が常に正弦波になるようにするために、各相電圧指令値の振幅v* m
* m≦Ed/2 …(7)
に制限する。ここで、Edは電源電圧である。このとき、最大振幅時の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wは、
* u=−(Ed/2)sin(θre+φ) …(8a)
* v=−(Ed/2)sin(θre−2π/3+φ) …(8b)
* w=−(Ed/2)sin(θre−4π/3+φ) …(8c)
であって、例えば図9(a)に示すような波形となる。したがって、各相u、v、wの相間電圧v* uv、v* vw、v* wuは、
* uv=v* u−v* v=−(√3/2)Edsin(θre+π/6+φ) …(9a)
* vw=v* v−v* w=−(√3/2)Edsin(θre−π/2+φ) …(9b)
* wu=v* w−v* u=−(√3/2)Edsin(θre+5π/6+φ) …(9c)
であって、例えば図9(b)に示すような波形となり、これらの振幅はいずれも(√3/2)Edである。このため、電源電圧を最大限すなわちEd/2−(−Ed/2)=Edまで利用することができない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ブラシレスモータを使用した従来の電動パワーステアリング装置では、モータが一定速度で回転している場合には、回転界磁の角度(電気角)θreに対して正弦波状の相電流が流れるように制御されるので、モータに印加すべき各相電圧(相電圧指令値)も正弦波状となる。しかし、モータへの印加電圧は電源電圧Edによって制約を受けるので、各相電圧指令値が常に正弦波状になるようにしようとすると、上記のように、各相電圧指令値の振幅v* mの最大値がEd/2となり、相間電圧の振幅の最大値は(√3/2)Edとなる。すなわち、ブラシレスモータを使用した従来の電動パワーステアリング装置では、モータの駆動において電源電圧を最大限Edまで利用することができないという問題があった。
【0015】
そこで、本発明では、ブラシレスモータが使用される電動パワーステアリング装置であって、そのブラシレスモータの駆動において電源電圧を最大限まで利用することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、車両操舵のための操作手段に加えられる操舵トルクに応じてブラシレスモータに相電圧を印加して当該ブラシレスモータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧の値を、基本正弦波に第3次高調波を重畳した波形の相電圧指令値として算出する制御演算手段と、
前記制御演算手段により算出される各相電圧指令値に応じた各相電圧を前記ブラシレスモータに印加するモータ駆動手段とを備え、
前記制御演算手段は、
前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧における基本波成分の値を基本波相電圧指令値として算出する基本波成分演算手段と、
前記基本波相電圧指令値を表す正弦波に対する高調波成分であって当該正弦波の振幅の1/6の振幅を有する第3次高調波成分を算出する高調波成分演算手段と、
前記基本波相電圧指令値に前記第3次高調波成分を加算することにより前記各相電圧指令値を算出する加算手段とを含み、
前記基本波成分演算手段は、
前記ブラシレスモータにおける回転界磁の磁束方向であるd軸と当該d軸に直交するq軸とからなる回転座標系であるd−q座標を導入し、前記ブラシレスモータに印加すべき電圧の値を当該d−q座標で表現したd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値を、前記操舵トルクに応じて決まる目標電流値と前記ブラシレスモータに流れる電流の検出値との偏差に基づき算出するd軸およびq軸電流制御演算手段と、
前記d軸電圧指令値および前記q軸電圧指令値を前記ブラシレスモータの各相の電圧値に変換することにより前記基本波相電圧指令値を生成する座標変換手段とを含み、
前記高調波成分演算手段は、下記の式により前記第3次高調波成分v * 3 を算出することを特徴とする:
* 3 =− (1/6) (2/3) { −v * q +4v * d 2 * q ( * d 2 +v * q 2 )}sin3 θ re
{ −v * d +4v * d * q 2 ( * d 2 +v * q 2 )}cos3 θ re
ここで、v * d は前記d軸電圧指令値であり、v * q は前記q軸電圧指令値であり、θ re は前記回転界磁の回転位置を示す電気角である。
【0017】
このような第1の発明によれば、基本正弦波に第3次高調波を重畳した波形の相電圧指令値が算出されることにより、各相電圧指令値の絶対値を電源電圧の1/2以下に抑えつつ各相電圧指令値における基本波成分(基本正弦波)の振幅を従来よりも大きくすることができるので、ブラシレスモータの駆動において電源電圧の利用率を向上させることができる。また、3相ブラシレスモータの場合、第3次高調波は線間電圧には現れず、モータ電流に高調波成分が含まれないので、トルクリップルや振動の発生を抑えることできる。そして、d−q軸座標に基づく電流制御において、基本波相電圧指令値に重畳すべき第3次高調波成分を例えば四則演算と正弦波ROMテーブルの参照とによって求めることができるので、第3次高調波成分v * 3 の算出による演算負荷を小さくすることができる。
【0024】
第2の発明は、車両操舵のための操作手段に加えられる操舵トルクに応じてブラシレスモータに相電圧を印加して当該ブラシレスモータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧の値を、基本正弦波に第3次高調波を重畳した波形の相電圧指令値として算出する制御演算手段と、
前記制御演算手段により算出される各相電圧指令値に応じた各相電圧を前記ブラシレスモータに印加するモータ駆動手段とを備え、
前記制御演算手段は、
前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧における基本波成分の値を基本波相電圧指令値として算出する基本波成分演算手段と、
前記基本波相電圧指令値を表す正弦波に対する高調波成分であって当該正弦波の振幅の1/6の振幅を有する第3次高調波成分を算出する高調波成分演算手段と、
前記基本波相電圧指令値に前記第3次高調波成分を加算することにより前記各相電圧指令値を算出する加算手段と、
前記基本波相電圧指令値を表す正弦波の振幅を、前記ブラシレスモータを駆動するための電源電圧の1/√3以下に制限する振幅制限手段とを含むことを特徴とする。
【0025】
このような第2の発明によれば、基本正弦波に第3次高調波を重畳した波形の相電圧指令値が算出されることにより、各相電圧指令値の絶対値を電源電圧の1/2以下に抑えつつ各相電圧指令値における基本波成分(基本正弦波)の振幅を従来よりも大きくすることができるので、ブラシレスモータの駆動において電源電圧の利用率を向上させることができる。また、3相ブラシレスモータの場合、第3次高調波は線間電圧には現れず、モータ電流に高調波成分が含まれないので、トルクリップルや振動の発生を抑えることできる。そして、基本波相電圧指令値の振幅が電源電圧の1/√3に制限されることにより、ブラシレスモータが高回転で高負荷の状態となっても各相電圧指令値を歪ませることなく、電源電圧を最大限まで利用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.第1の実施形態>
<1.1 全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関連する車両構成と共に示す概略図である。この電動パワーステアリング装置は、操舵のための操作手段としてのハンドル(ステアリングホイール)100に一端が固着されるステアリングシャフト102と、そのステアリングシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機構104と、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、ハンドル操作(操舵操作)における運転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生させるブラシレスモータ6と、その操舵補助力をラック軸に伝達するボールねじ駆動部11と、ブラシレスモータ6のロータの回転位置を検出するレゾルバ等の位置検出センサ12と、車載バッテリ8からイグニションスイッチ9を介して電源の供給を受け、トルクセンサ3や車速センサ4、位置検出センサ12からのセンサ信号に基づきモータ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5とを備えている。このような電動パワーステアリング装置を搭載した車両において運転者がハンドル100を操作すると、トルクセンサ3は、その操作による操舵トルクを検出し、操舵トルクを示す操舵トルク信号Tsを出力する。一方、車速センサ4は、車両の速度(車速)を検出し、車速を示す車速信号Vsを出力する。制御装置としてのECU5は、それら操舵トルク信号Tsおよび車速信号Vsと、位置検出センサ12によって検出されるロータの回転位置とに基づいて、モータ6を駆動する。これによりモータ6は操舵補助力を発生し、この操舵補助力がボールねじ駆動部11を介してラック軸に加えられることにより、操舵操作における運転者の負荷が軽減される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操舵トルクによる操舵力とモータ6の発生する操舵補助力との和によって、ラック軸が往復運動を行う。ラック軸の両端はタイロッドおよびナックルアームから成る連結部材106を介して車輪108に連結されており、ラック軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
【0027】
<1.2 制御装置の構成>
図2は、上記電動パワーステアリング装置における制御装置であるECU5の構成を示すブロック図である。このECU5は、位相補償器112とマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略記する)10とモータ駆動部とから構成される。マイコン10は、その内部のメモリに格納された所定のプログラムを実行することにより、目標電流演算部114と指令電流方向指定部116と収斂性補正部118と加算器120と減算器122、124とd軸電流PI制御部126とq軸電流PI制御部128と第1制限処理部130とd−q/3相交流座標変換部132と符号反転加算器134と第2制限処理部136と3相交流/d−q座標変換部138と正弦波ROMテーブル140とロータ角速度演算部142とからなるモータ制御部として機能する。モータ駆動部は、モータ制御部としてのマイコン10から出力される電圧指令値に基づき、u相、v相およびw相からなる3相のブラシレスモータ6を駆動するハードウェア(回路)であって、3相PWM変調部150と、モータ駆動回路152と、u相電流検出器156と、v相電流検出器154と、ロータ角度位置検出器162とから構成される。
【0028】
本実施形態では、ハンドル100の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクがトルクセンサ3によって検出され、トルクセンサ3から出力される操舵トルク信号Tsが上記構成のECU5に入力されると共に、車速が車速センサ4によって検出され、車速センサ4から出力される車速信号VsもECU5に入力される。ECU5では、入力された操舵トルク信号Tsに対して位相補償器112により位相補償が施され、その位相補償後の信号は、目標電流演算部114に入力される。一方、車速センサ4から出力される車速信号Vsは、ECU5における目標電流演算部114と収斂性補正部118とに入力される。また、モータ6に取り付けられた位置検出センサ12から出力されるセンサ信号Srが、ECU5におけるロータ角度位置検出器162に入力され、ロータ角度位置検出器162は、モータ6のロータである回転界磁(永久磁石)の回転位置すなわち電気角θreを示す信号を出力する(図8参照)。この電気角θreを示す信号は、正弦波ROMテーブル140とロータ角速度演算部142とに入力される。
【0029】
目標電流演算部114は、上記操舵トルク信号Tsと上記車速信号Vsとに基づき、モータ6に供給すべき電流の値である目標電流値Itを算出する。具体的には、適切な操舵補助力を発生させるためにモータ6に供給すべき目標電流の値と操舵トルクとの関係を車速をパラメータとして示すテーブル(「アシストテーブル」と呼ばれる)が目標電流演算部114内に予め保持されており、目標電流演算部114は、このアシストテーブルを参照して目標電流値Itを設定する。ただし、この目標電流値Itは、既述の式(2b)で表されるq軸電流に相当する電流指令値を示す符号付きの値であって、その正負は、操舵補助の方向、すなわち右方向操舵を補助する方向のトルクをモータ6に発生させるべきか、左方向操舵を補助する方向のトルクをモータ6に発生させるべきかを示している。
【0030】
指令電流方向指定部116は、上記目標電流値Itの正負を示す信号すなわち操舵補助の方向を示す信号(以下「方向信号」という)Sdirを生成し、この方向信号Sdirは収斂性補正部118に入力される。また、ロータ角速度演算部142は、ロータ角度に相当する電気角θreを示す信号に基づきロータ角速度ωreを算出し、このロータ角速度ωreを示す信号も収斂性補正部118に入力される。収斂性補正部118は、これらの信号と車速信号Vsとに基づき、車両収斂性を確保するための補償電流値icを算出する。加算器120は、この補償電流値icを上記の目標電流値Itに加算し、その結果得られる加算値をq軸電流指令値i* qとして出力する。このq軸電流指令値i* qは、モータ6が発生すべきトルクに対応する電流値であり、減算器124に入力される。一方、d軸電流指令値i* dは、トルクに関与しないのでi* d=0として、減算器122に入力される。
【0031】
u相電流検出器156とv相電流検出器154は、モータ駆動回路152からモータ6に供給される電流のうちu相電流とv相電流をそれぞれ検出し、u相電流検出値iuとv相電流検出値ivをそれぞれ出力する。正弦波ROMテーブル140は、角度θの各種の値とsinθの各種の値とを互いに対応付けて格納しており、ロータ角度位置検出器162からの信号の示す電気角θreに対応する正弦波値sinθreを出力する。3相交流/d−q座標変換部138は、この正弦波値sinθreを用いて、上記のu相電流検出値iuおよびv相電流検出値ivを、d−q座標上の値すなわちd軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iqに変換する。このようにして得られたd軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iqは、減算器122および減算器124にそれぞれ入力される。
【0032】
減算器122は、d軸電流指令値i* d=0と上記のd軸電流検出値idとの偏差であるd軸電流偏差ed=i* d−idを算出し、d軸電流PI制御部126は、このd軸電流偏差edに対する比例積分制御演算によってd軸電圧指令値v* dを求める。一方、減算器124は、加算器120から出力されるq軸電流指令値i* qと上記のq軸電流検出値iqとの偏差であるq軸電流偏差eq=i* q−iqを算出し、q軸電流PI制御部128は、このq軸電流偏差eqに対する比例積分制御演算によってq軸電圧指令値v* qを求める。
【0033】
第1制限処理部130は、モータ6に印加すべき相電圧に対する振幅制限手段であるが、各相の電圧指令値が常に正弦波となるように各相電圧指令値の振幅v* mをv* m≦Ed/2(式(7))に制限していた従来とは異なり、上記のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qに対応する各相電圧指令値(式(6a)〜(6c)参照)の振幅v* mがv* m≦Edとなるように、上記のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制限する。
【0034】
d−q/3相交流座標変換部132は、第1制限処理部130による上記制限(リミッタ処理)の施された後のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを3相交流座標上の値であるu相電圧指令値v* uおよびv相電圧指令値v* vに変換する。そして、符号反転加算器134は、それらの相電圧指令値v* uおよびv* vからw相電圧指令値v* wを算出する。
【0035】
第2制限処理部136は、このようにして得られた各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに対するリミッタ手段であって、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wの振幅が中性点を0としたときEd/2を超えないように各相電圧指令値v* u、v* v、v* wを制限する(Edは電源電圧)。
【0036】
3相PWM変調部150は、第2制限処理部136による上記制限(リミッタ処理)の施された後の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wにそれぞれ応じたデューティ比のPWM信号Su、Sv、Swを生成する。
【0037】
モータ駆動回路152は、例えば電力用MOSトランジスタ等のスイッチング素子を用いて構成されるPWM電圧形インバータであって、各スイッチング素子を上記PWM信号Su、Sv、Swによってオン/オフさせることにより、ブラシレスモータ6に印加すべき各相電圧vu、vv、vwを生成する。これらの各相電圧vu、vv、vwは、ECU5から出力されてモータ6に印加される。この電圧印加に応じてモータ6の各相u、v、wのコイル(不図示)に電流が流れ、モータ6はその電流に応じて操舵補助のためのトルクTmを発生させる。
【0038】
モータ6に流れる電流のうちu相電流iuとv相電流ivは、既述のようにu相電流検出器156とv相電流検出器154によってそれぞれ検出され、3相交流/d−q座標変換部138によってd−q座標上の電流値id、iqに変換される。これらd−q座標上の電流値id、iqのうちd軸電流検出値idは減算器122に、q軸電流検出値iqは減算器124に、それぞれ入力される。これにより、所望の操舵補助力をモータ6によって発生させるべく、d軸電流検出値idがd軸電流指令値i* dに、q軸電流検出値iqがq軸電流指令値i* qにそれぞれ等しくなるように、フィードバック制御が行われる(この制御は「電流制御」と呼ばれる)。
【0039】
<1.3 電流制御動作>
上記のように本実施形態では、操舵トルクや車速に応じて適切な操舵補助が行われるようにモータ電流の目標値(d軸電流指令値i* dおよびq軸電流指令値i* q)が設定され、この目標値の電流がモータ6に流れるようにフィードバック制御が行われる。図3は、このような電流制御のためのマイコン10による演算(以下「電流制御演算」という)の手順を示すフローチャートである。マイコン10がこの電流制御演算を実行することにより、図2において点線で囲まれた部分に相当する電流制御部20のうちモータ駆動部以外の部分(以下「電流制御演算部」という)が実現される。以下、図2および図3を参照しつつ、本実施形態における電流制御演算部の動作(電流制御動作)について説明する。
【0040】
本実施形態では、イグニションスイッチ9がオンされると、ECU5が起動され、ECU5内のマイコン10は、図3に示した電流制御演算を繰り返し実行する。この電流制御演算においてマイコン10は以下のように動作する。
【0041】
まずマイコン10は、磁極位置を示す電気角θreをロータ角度位置検出器162から受け取り(ステップS12)、u相電流検出器156からu相電流検出値iuを、v相電流検出器154からv相電流検出値ivをそれぞれ受け取る(ステップS14)。次に、マイコン10内のメモリに格納された正弦波ROMテーブル140を参照して正弦波値sinθreを得て、この正弦波値sinθreとu相電流検出値iuおよびv相電流検出値ivとを用いて、式(3a)(3b)すなわち次式により、d軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iqを算出する(ステップS16)。
d=√2{ivsinθre−iusin(θre−2π/3)}
q=√2{ivcosθre−iucos(θre−2π/3)}
このステップS16により3相交流/d−q座標変換部138が実現される。
【0042】
次にマイコン10は、上記d軸電流検出値idと予め設定されたd軸電流指令値i* dとの偏差であるd軸電流偏差ed=i* d−idを算出して、このd軸電流偏差edに対する比例積分制御演算によってd軸電圧指令値v* dを求めると共に、上記q軸電流検出値iqと加算器120によって得られるq軸電流指令値i* qとの偏差であるq軸電流偏差eq=i* q−iqを算出して、このq軸電流偏差eqに対する比例積分制御演算によってq軸電圧指令値v* qを求める。すなわち、次式によりd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを算出する(ステップS18、S20)。
* d=Kp{ed+(1/Ti)∫eddt}
* q=Kp{eq+(1/Ti)∫eqdt}
ここで、Kpは比例ゲインであり、Tiは積分時間である。上記ステップS18により減算器122および124が実現され、ステップS20によりd軸電流PI制御部126およびq軸電流PI制御部128が実現される。
【0043】
次にマイコン10は、上記のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qに対応する各相電圧指令値(式(6a)〜(6c)参照)の振幅v* m
* m≦Ed …(10)
となるように、d軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制限する。具体的には、式(6d)に示すように
* m=√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2}
であるので、この式に基づき上記式(10)を満たすようにd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制限する(ステップS22)。このステップS22の処理であるリミッタ処理により第1制限処理部130が実現される。
【0044】
次にマイコン10は、正弦波ROMテーブル140を参照して得られる正弦波値sinθreと上記リミッタ処理後のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qとを用いて、各相の電圧指令値v* u、v* v、v* wを次式により算出する(ステップS24)。
* u=√(2/3){v* dcosθre−v* qsinθre
* v=√(2/3){v* dcos(θre−2π/3)−v* qsin(θre−2π/3)}
* w=−v* u−v* v
このステップS24により、d−q/3相交流座標変換部132と符号反転加算器134とが実現される。
【0045】
次にマイコン10は、このようにして得られた各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに対してリミッタ処理を施す(ステップS26)。すなわち、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wを、中性点を0としたとき次式のように制限する。
−Ed/2≦v* u≦Ed/2 …(11a)
−Ed/2≦v* v≦Ed/2 …(11b)
−Ed/2≦v* w≦Ed/2 …(11c)
ここで、Edは電源電圧である。このステップS26により、第2制限処理部136が実現される。上記式(11a)〜(11c)によるリミッタ処理後の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wはマイコン10から出力され(ステップS28)、1回分の電流制御演算が終了する。
【0046】
既述のように上記の電流制御演算は繰り返し実行され、モータ6には、3相PWM変調部150やモータ駆動回路152等からなるモータ駆動部により、マイコン10から出力される各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに応じた各相電圧vu、vv、vwが印加される。
【0047】
<1.4 作用および効果>
上記第1の実施形態によれば、モータ6が高回転で高負荷の状態であるときには、各相電圧指令値は台形波状となる。すなわち、モータ6の回転数や負荷が或る程度以上となると、第2制限処理部136でのリミッタ処理前の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wは、第1制限処理部130での振幅制限(式(10))により、図4(a)に示すような振幅v* m=Edの正弦波状となり、第2制限処理部136でのリミッタ処理(式(11a)〜(11c))の後の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wは、図4(b)に示すような台形波状となる。これにより、従来(図9)に比べてモータ出力が増大するので、大きな操舵補助力が得られる。また、この場合、相間電圧(線間電圧)v* uv=v* u−v* v、v* vw=v* v−v* w、v* wu=v* w−v* uも、図4(c)に示すような台形波状となる。すなわち、線間電圧の振幅の最大値はEdとなり、従来に比べて電圧利用率が向上し、モータ6の駆動において電源電圧を最大限まで利用することができる。ところで、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wが上記のように台形波状となった場合において、もし異なる相の電圧指令値が同一の値になる期間が存在すれば、モータ6に流れる電流による磁界が回転しない期間が生じることになる。しかし本実施形態では、第1制限処理部130により、v* m≦Ed(式(10))となるように振幅v* mが制限されていることから、図4(b)に示すように、異なる相の電圧指令値が同一となる期間は生じない。
【0048】
なお、上記第1の実施形態では3相ブラシレスモータ6の使用を前提としているが、3相以外の相数のブラシレスモータを使用した場合においても、上記と同様の構成により同様の効果が得られる。
【0049】
<2.第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、ブラシレスモータ6の駆動において電源電圧を最大限まで利用することができ、大きな操舵補助力を得ることができる。しかし、モータ6の高回転・高負荷時においてモータ6に印加される相間電圧(線間電圧)は台形波状となるため(図4(c))、モータ電流には高調波成分が含まれ、これは、トルクリップルや振動の発生や増加の原因となる。そこで以下では、トルクリップルや振動の発生を抑えつつブラシレスモータ6の駆動における電圧利用率を向上させた電動パワーステアリング装置を、本発明の第2の実施形態として説明する。
【0050】
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成は、上記第1の実施形態と同様であって図1に示す通りである。以下では、本実施形態における制御装置であるECU5の構成および動作を中心に説明する。
【0051】
図5は、本実施形態におけるECU5の構成を示すブロック図である。このECU5の構成のうち第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。本実施形態においても、ECU5は、位相補償器112とマイコン10とモータ駆動部とからなるが、電流制御のための構成が第1の実施形態と相違する。すなわち本実施形態では、マイコン10が所定のプログラムを実行することにより実現されるモータ制御部が、第1の実施形態と同様の構成要素に加えて、第3次高調波成分演算部202と加算器221、222とを更に備えると共に、符号反転加算器134に代えて加減算器224を備えている。また、第1制限処理部230によるリミッタ処理の内容も第1の実施形態における第1制限処理部130と相違する。
【0052】
<2.1 電流制御演算部の構成>
以下、本実施形態においてマイコン10によって実現されるモータ制御部のうち電流制御部30を構成する部分である電流制御演算部につき、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0053】
本実施形態では、モータ6に印加すべき相間電圧(線間電圧)の振幅を電源電圧Edまで確保すべく、式(6a)〜(6c)に示す各相電圧指令値v* u、v* v、v* wの基本正弦波にその第3次高調波を重畳する。すなわち、次式で示される各相電圧指令値v* u、v* v、v* wを使用する。
Figure 0004103430
ここで、v* q≠0のときφ=tan-1{v* d/(−v* q)}であり、v* q=0のときφ=−π/2である。また、sin3(θre+φ)=sin3(θre−2π/3+φ)=sin3(θre−4π/3+φ)であるので、線間電圧(相間電圧)には、第3次高調波は現れない。
【0054】
上記式(12a)〜(12c)で示される各相電圧指令値v* u、v* v、v* wが歪まないようにするには、
* m{sinθre+(1/6)sin3θre}≦Ed/2
とすればよい。ところで、ロータ角度位置すなわち電気角θreを変化させたときのsinθre+(1/6)sin3θreの最大値は√3/2である。したがって、(√3/2)v* m≦Ed/2、すなわち
* m≦Ed/√3 …(13)
であればよい。上記式(13)を式(7)と比較すればわかるように、これは、相電圧指令値における基本正弦波の振幅の制限値が従来の2/√3倍になることを意味する。なお、上記式(12a)〜(12c)において、基本正弦波に重畳すべき第3次高調波の振幅が基本正弦波の振幅の1/6となっているのは、このときに基本正弦波と第3次高調波との合成波のピーク値が最も小さくなるからである。
【0055】
本実施形態における電流制御演算部は、上記原理に基づき第1の実施形態とは下記のように相違する構成を有している。
【0056】
本実施形態における振幅制限手段としての第1制限処理部230は、上記式(13)すなわちv* m≦Ed/√3を満たすようにd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制限する。この点で本実施形態は、式(10)すなわちv* m≦Edを満たすようにd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制限する第1の実施形態とは相違する。
【0057】
また、本実施形態における第3次高調波成分演算部202は、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wにおける基本波成分に重畳すべき第3次高調波成分v* 3を、第1制限処理部230による振幅制限(式(13))の処理後のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qから算出する。そして加算器221は、d−q/3相交流座標変換部132によって得られるu相電圧指令値(基本波成分)に当該第3次高調波成分v* 3を加算し、加算器222は、d−q/3相交流座標変換部132によって得られるv相電圧指令値(基本波成分)に当該第3次高調波成分v* 3を加算する。また、加減算器224は、d−q/3相交流座標変換部132によって得られるu相電圧指令値とv相電圧指令値とを符号反転させて加算し、その加算値に当該第3次高調波成分v* 3を加算する。このようにして、式(12a)〜(12c)に示すように基本波成分に第3次高調波成分の重畳された各相電圧指令値v* u、v* v、v* wが得られる。なお、第3次高調波成分は上記のように第3次高調波成分演算部202によって算出されるが、基本波成分を算出する手段は、減算器122、124とd軸電流PI制御部126とq軸電流PI制御部128とd−q/3相交流座標変換部132と加減算器224の一部とによって実現されている。
【0058】
第2制限処理部136は、このようにして得られた各相電圧指令値v* u、v* v、v* wの絶対値がEd/2を超えないように各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに対してリミッタ処理を施す(Edは電源電圧)。ただし、本実施形態では第1制限処理部230により式(13)を満たすように各相電圧指令値の基本正弦波の振幅が制限されることから、電流制御演算部が正常に動作している限り、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wの絶対値がEd/2を超えることはない。
【0059】
第2制限処理部136による上記リミッタ処理後の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wは、電流制御演算部(マイコン10)から出力される。3相PWM変調部150やモータ駆動回路152等からなるモータ駆動部は、これら各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに応じた各相電圧vu、vv、vwをモータ6に印加し、これによりモータ6が駆動される。
【0060】
<2.2 電流制御動作>
図6は、本実施形態におけるマイコン10による電流制御演算の手順を示すフローチャートである。マイコン10がこの電流制御演算を実行することにより、図5において点線で囲まれた部分に相当する電流制御部30のうちモータ駆動部以外の部分すなわち電流制御演算部が実現される。以下、図5および図6を参照しつつ、本実施形態における電流制御演算部の動作(電流制御動作)について説明する。
【0061】
本実施形態においても、ECU5が起動されると、ECU5内のマイコン10は、図6に示した電流制御演算を繰り返し実行する。この電流制御演算においてマイコン10は以下のように動作する。
【0062】
図6に示した電流制御演算のルーチンが呼び出されると、マイコン10は、第1の実施形態と同様のステップS12〜S20を実行する。これにより、3相交流/d−q座標変換部138と、減算器122および124と、d軸電流PI制御部126と、q軸電流PI制御部128とが実現される。これらの構成要素は第1の実施形態の対応する構成要素と同様の機能を有し、これらにより、次式で示されるd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qが得られる。
* d=Kp{ed+(1/Ti)∫eddt}
* q=Kp{eq+(1/Ti)∫eqdt}
d=i* d−id、eq=i* q−iq
ここで、Kpは比例ゲイン、Tiは積分時間であり、i* dはd軸電流指令値、idはd軸電流検出値であり、i* qはq軸電流指令値、iqはq軸電流検出値である。
【0063】
その後、マイコン10は、上記のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qに対応する各相電圧指令値の振幅v* mが式(13)すなわち
* m≦Ed/√3
を満たすように、d軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制限する。具体的には、式(6d)に示すように
* m=√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2}
であるので、この式に基づき式(13)を満たすようにd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制限する(ステップS32)。このステップS32のリミッタ処理により第1制限処理部230が実現される。
【0064】
次にマイコン10は、第1の実施形態と同様にして、上記リミッタ処理後のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを3相交流座標上の値すなわち各相電圧指令値に変換する(ステップS24)。すなわち、次式により、基本波成分のみからなる相電圧指令値(以下「基本波相電圧指令値」という)v* uf、v* vf、v* wfを算出する。
* uf=√(2/3){v* dcosθre−v* qsinθre
* vf=√(2/3){v* dcos(θre−2π/3)−v* qsin(θre−2π/3)}
* wf=−v* uf−v* vf
【0065】
次に、マイコン10は、上記リミッタ処理後のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qから、次式により第3次高調波成分v* 3を算出する(ステップS34)。
* 3=(-1/6)√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2}sin3(θre+φ) …(16)
ここで、v* q≠0のときφ=tan-1{v* d/(−v* q)}であり、v* q=0のときφ=−π/2である。
【0066】
そしてマイコン10は、上記の第3次高調波成分v* 3を上記の各基本波相電圧指令値v* uf、v* vf、v* wfに加算することにより、すなわち
* u=v* uf+v* 3
* v=v* vf+v* 3
* w=v* wf+v* 3
により、式(12a)〜(12c)で示される各相電圧指令値v* u、v* v、v* wを得る(ステップS36)。
【0067】
このような上記ステップS24、S34、S36により、d−q/3相交流座標変換部132、第3次高調波成分演算部202、加算器221、222、および加減算器224が実現される。
【0068】
しかし、上記式(16)に含まれる平方根や逆正接関数の演算は大きな演算能力を必要とするため、上記式(16)をそのまま用いて第3次高調波成分v* 3を算出するのは困難である。そこで本実施形態では、式(16)を三角関数の公式を用いて以下のように変形する。
Figure 0004103430
ここで、φ=tan-1{v* d/(−v* q)}より、
sinφ=v* d/√{v* d 2+(−v* q)2} …(18a)
cosφ=−v* q/√{v* d 2+(−v* q)2} …(18b)
であるので、
sin2φ=2sinφcosφ=−2v* d* q/(v* d 2+v* q 2) …(19a)
cos2φ=1−2sin2φ=(−v* d 2+v* q 2)/(v* d 2+v* q 2) …(19b)
となる。また、
Figure 0004103430
である。したがって、式(19a)(19b)(20a)(20b)を式(17)に代入することにより、次式が得られる。
Figure 0004103430
上式より、第3次高調波成分v* 3を例えば四則演算と正弦波ROMテーブルの参照とによって求めることができる。したがって、上記の第3次高調波成分v* 3の算出によるマイコン10の演算負荷を小さくすることができる。本実施形態においてステップS34によって実現される第3次高調波成分演算部202は、上記式(21)を用いて第3次高調波成分v* 3を算出する。なお、v* d=v* q=0のときはv* 3=0である。
【0069】
上記のようにして第3次高調波成分v* 3が算出され、その第3次高調波成分v* 3の重畳された各相電圧指令値v* u、v* v、v* wが得られると、マイコン10は、その各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに対して第1の実施形態と同様のリミッタ処理を施す(ステップS26)。すなわち、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wを次式のように制限する。
−Ed/2≦v* u≦Ed/2
−Ed/2≦v* v≦Ed/2
−Ed/2≦v* w≦Ed/2
ここで、Edは電源電圧である。このステップS26により、第2制限処理部136が実現される。この第2制限処理部136によるリミッタ処理後の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wはマイコン10から出力され(ステップS28)、1回分の電流制御演算が終了する。
【0070】
既述のように上記の電流制御演算は繰り返し実行され、モータ6には、3相PWM変調部150やモータ駆動回路152等からなるモータ駆動部により、マイコン10から出力される各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに応じた各相電圧vu、vv、vwが印加される。
【0071】
<2.3 作用および効果>
上記第2の実施形態によれば、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wにおける基本正弦波の振幅v* mに対する制限はv* m≦Ed/√3であって(式(13))、従来(式(7))に比べて制限値が2/√3倍となる。そして、モータ6が高回転で高負荷の状態であって上記基本正弦波の振幅v* mが最大となると、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wは、式(12a)〜(12c)(13)より
Figure 0004103430
となるので、各相u、v、wの相間電圧(線間電圧)v* uv、v* vw、v* wuは、
* uv=v* u−v* v=−Edsin(θre+π/6+φ) …(15a)
* vw=v* v−v* w=−Edsin(θre−π/2+φ) …(15b)
* wu=v* w−v* u=−Edsin(θre+5π/6+φ) …(15c)
となり、各相間電圧v* uv、v* vw、v* wuの振幅は電源電圧Edに等しくなる。したがって、本実施形態によれば、電源電圧を最大限まで利用することができる。ただし、本実施形態におけるモータ出力は、従来よりも大きいが、第1の実施形態よりも低く小さくなる(図4参照)。
【0072】
また、本実施形態によれば、相間電圧(線間電圧)v* uv、v* vw、v* wuは基本波成分のみからなり高調波成分を含まない(式(15a)〜(15c))。これにより、モータ電流に含まれる高調波成分が抑制されるので、トルクリップルや振動を増加させることなく、モータ出力を従来よりも大きくすることができる。
【0073】
<2.4 変形例>
既述のように、各相電圧指令値において重畳すべき第3次高調波成分の振幅が基本波成分の振幅の1/6となったときに相電圧指令値における基本正弦波の振幅の制限値が最も大きくなる(振幅に対する制限が最も緩くなる)が、重畳すべき第3次高調波の振幅は必ずしも基本正弦波の振幅の1/6である必要はない。例えば重畳すべき第3次高調波の振幅が基本正弦波の振幅の1/3または1/4であっても、ブラシレスモータの駆動において従来よりも電源電圧の利用率が向上する。
【0074】
また、上記第2の実施形態では、各相電圧指令値の基本波成分に第3次高調波成分が重畳されるが、3の倍数かつ奇数の次数の高調波成分であれば他の高調波成分を基本波成分に重畳してもよい。ただし、装置の実現性と得られる効果とを勘案すれば、第3次高調波成分のみの重畳が現実的である。
【0075】
さらに、上記第2の実施形態では3相ブラシレスモータが使用されているが、一般にn相ブラシレスモータが使用された場合には、基本正弦波に第n次高調波を重畳する構成とすることにより、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示す概略図である。
【図2】第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置における制御装置であるECUの構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態においてマイコンにより実行される電流制御演算を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態におけるブラシレスモータの制御のための相電圧指令値およびその相電圧指令値に対応する相間電圧を示す電圧波形図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る電動パワーステアリング装置におけるECU(制御装置)の構成を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態においてマイコンにより実行される電流制御演算を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態におけるブラシレスモータの制御ための相電圧指令値およびその相電圧指令値に対応する相間電圧を示す電圧波形図である。
【図8】3相ブラシレスモータにおける3相交流座標とd−q座標とを説明するための模式図である。
【図9】従来のブラシレスモータの制御のための相電圧指令値およびその相電圧指令値に対応する相間電圧を示す電圧波形図である。
【符号の説明】
3 …トルクセンサ
4 …車速センサ
5 …電子制御ユニット(ECU)
6 …ブラシレスモータ
8 …バッテリ
11 …ボールねじ駆動部
12 …位置検出センサ
10 …マイクロコンピュータ(モータ制御部、制御演算手段)
20、30 …電流制御部
114 …目標電流演算部
122、124 …減算器
126 …d軸電流PI制御部
128 …q軸電流PI制御部
130、230 …第1制限処理部(振幅制限手段)
132 …d−q/3相交流座標変換部
136 …第2制限処理部(リミッタ手段)
138 …3相交流/d−q座標変換部
150 …3相PWM変調部
152 …モータ駆動回路
202 …第3次高調波成分演算部
Ts …操舵トルク信号
* d …d軸電流指令値
* q …q軸電流指令値
d …d軸電流検出値
q …q軸電流検出値
d …d軸電流偏差
q …q軸電流偏差
* d …d軸電圧指令値
* q …q軸電圧指令値
* u …u相電圧指令値
* v …v相電圧指令値
* w …w相電圧指令値
θre …電気角(ロータ角度位置)

Claims (3)

  1. 車両操舵のための操作手段に加えられる操舵トルクに応じてブラシレスモータに相電圧を印加して当該ブラシレスモータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
    前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧の値を、基本正弦波に第3次高調波を重畳した波形の相電圧指令値として算出する制御演算手段と、
    前記制御演算手段により算出される各相電圧指令値に応じた各相電圧を前記ブラシレスモータに印加するモータ駆動手段とを備え、
    前記制御演算手段は、
    前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧における基本波成分の値を基本波相電圧指令値として算出する基本波成分演算手段と、
    前記基本波相電圧指令値を表す正弦波に対する高調波成分であって当該正弦波の振幅の1/6の振幅を有する第3次高調波成分を算出する高調波成分演算手段と、
    前記基本波相電圧指令値に前記第3次高調波成分を加算することにより前記各相電圧指令値を算出する加算手段とを含み、
    前記基本波成分演算手段は、
    前記ブラシレスモータにおける回転界磁の磁束方向であるd軸と当該d軸に直交するq軸とからなる回転座標系であるd−q座標を導入し、前記ブラシレスモータに印加すべき電圧の値を当該d−q座標で表現したd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値を、前記操舵トルクに応じて決まる目標電流値と前記ブラシレスモータに流れる電流の検出値との偏差に基づき算出するd軸およびq軸電流制御演算手段と、
    前記d軸電圧指令値および前記q軸電圧指令値を前記ブラシレスモータの各相の電圧値に変換することにより前記基本波相電圧指令値を生成する座標変換手段とを含み、
    前記高調波成分演算手段は、下記の式により前記第3次高調波成分v* 3を算出することを特徴とする電動パワーステアリング装置:
    * 3=−(1/6)√(2/3)[{−v* q+4v* d 2* q/(v* d 2+v* q 2)}sin3θre
    +{−v* d+4v* d* q 2/(v* d 2+v* q 2)}cos3θre
    ここで、v* dは前記d軸電圧指令値であり、v* qは前記q軸電圧指令値であり、θreは前記回転界磁の回転位置を示す電気角である。
  2. 前記制御演算手段は、前記基本波相電圧指令値を表す正弦波の振幅を、前記ブラシレスモータを駆動するための電源電圧の1/√3以下に制限する振幅制限手段を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 車両操舵のための操作手段に加えられる操舵トルクに応じてブラシレスモータに相電圧を印加して当該ブラシレスモータを駆動することにより、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
    前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧の値を、基本正弦波に第3次高調波を重畳した波形の相電圧指令値として算出する制御演算手段と、
    前記制御演算手段により算出される各相電圧指令値に応じた各相電圧を前記ブラシレスモータに印加するモータ駆動手段とを備え、
    前記制御演算手段は、
    前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧における基本波成分の値を基本波相電圧指令値として算出する基本波成分演算手段と、
    前記基本波相電圧指令値を表す正弦波に対する高調波成分であって当該正弦波の振幅の1/6の振幅を有する第3次高調波成分を算出する高調波成分演算手段と、
    前記基本波相電圧指令値に前記第3次高調波成分を加算することにより前記各相電圧指令値を算出する加算手段と、
    前記基本波相電圧指令値を表す正弦波の振幅を、前記ブラシレスモータを駆動するための電源電圧の1/√3以下に制限する振幅制限手段と
    を含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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