JP2003304697A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2003304697A
JP2003304697A JP2002106862A JP2002106862A JP2003304697A JP 2003304697 A JP2003304697 A JP 2003304697A JP 2002106862 A JP2002106862 A JP 2002106862A JP 2002106862 A JP2002106862 A JP 2002106862A JP 2003304697 A JP2003304697 A JP 2003304697A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動パワーステアリング装置におけるブラシ
レスモータの駆動において電源電圧を最大限まで利用で
きるようにする。 【解決手段】 第1制限処理部230は、d、q軸電流
偏差ed、eqに基づく比例積分制御演算によって算出さ
れたd軸、q軸電圧指令値v* d、v* qを、各相電圧指令
値の基本波成分の振幅v* mがv* m≦Ed/√3(Edは電源
電圧)となるように制限する。d−q/3相交流座標変
換部132は、制限後の電圧指令値v* d、v* qを相電圧
指令値(基本波成分)に変換する。第3次高調波成分演
算部202は、制限後の電圧指令値v* d、v* qと正弦波
値sin3θre(θreは電気角)から、振幅が基本波成分振
幅v* mの1/6である第3次高調波成分v* 3を算出する。
加算器221、222等は、第3次高調波成分v* 3を各
相電圧指令値(基本波成分)に加算することにより、モ
ータ6に印加すべき相電圧に対応する指令値v* u
* v、v* wを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレスモータ
によって車両のステアリング機構に操舵補助力を与える
電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、運転者がハンドル(ステアリ
ングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータ
を駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を
与える電動パワーステアリング装置が用いられている。
【0003】このような電動パワーステアリング装置に
おいて使用される電動モータとして、従来はブラシモー
タが多く用いられてきたが、近年は信頼性及び耐久性の
向上や慣性の低減等の観点からブラシレスモータも使用
されている。このブラシレスモータについては、以下の
ようにして正弦波電流によるフィードバック制御が行わ
れる。
【0004】ブラシレスモータは、通常、永久磁石から
なる界磁としてのロータ(以下「回転界磁」ともいう)
とU相、V相およびW相の3相コイルからなるステータ
とから構成され、操舵トルクに応じて設定される目標電
流値をI*とすれば、各相のコイルに流すべき電流の指
令値は次式で表される。 i* u=I*sinθre …(1a) i* v=I*sin(θre−2π/3) …(1b) i* w=I*sin(θre−4π/3)=−i* u−i* v …(1c) ここで、i* uはu相電流指令値、i* vはv相電流指令
値、i* wはw相電流指令値であり、θreは、図8に示す
ようにu相コイルを基準として時計回りにとった回転界
磁の角度(「電気角」と呼ばれる)である。
【0005】ブラシレスモータに印加すべき電圧の指令
値は、目標電流値とモータ電流の検出値との偏差に基づ
く制御演算によって算出されるが、位相遅れを低減する
ために、この制御演算ではd−q座標で電流指令値が表
現され、d軸およびq軸電流指令値に基づき電圧指令値
が算出される。ここで、d−q座標は、永久磁石からな
る回転界磁(ロータ)と同期して回転する回転座標系で
あって、回転界磁の磁束方向をd軸とし、d軸と直交す
る方向をq軸とする。上記各相の電流指令値i * u
* v、i* wは交流であるが、このd−q座標によれば電
流指令値が直流となる。
【0006】上記式(1a)〜(1c)で表現される各
相の電流指令値をd−q座標で表すと次のようになる。 i* d=0 …(2a) i* q=−√(3/2)I* …(2b) ここで、i* dはd軸電流指令値、i* qはq軸電流指令値
である。
【0007】一方、モータ電流については、電流検出器
でu相電流およびv相電流が検出されると、その検出結
果からd軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iqが次
式により算出される。 id=√2{ivsinθre−iusin(θre−2π/3)} …(3a) iq=√2{ivcosθre−iucos(θre−2π/3)} …(3b) ここで、iuはu相電流検出値、ivはv相電流検出値で
あり、θreは上記電気角である。
【0008】上記制御演算では、このようにして算出さ
れたd軸電流の指令値i* dおよび検出値idとq軸電流
の指令値i* qおよび検出値iqとに基づき、ブラシレス
モータに対するフィードバック制御のためのd軸電圧指
令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qが次の演算(以下
「PI制御演算」という)により算出される。 v* d=Kp{ed+(1/Ti)∫eddt} …(4a) v* q=Kp{eq+(1/Ti)∫eqdt} …(4b) ed=i* d−id …(4c) eq=i* q−iq …(4d) ここで、edはd軸電流における指令値と検出値との偏
差(以下「d軸電流偏差」という)であり、eqはq軸
電流における指令値と検出値との偏差(以下「q軸電流
偏差」という)であり、Kpは比例ゲインであり、Ti
は積分時間である。
【0009】上記のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧
指令値v* qをu相、v相、w相の電圧指令値v* u
* v、v* wに変換すると、すなわち電圧指令値をd−q
座標から3相交流座標へ変換すると、次式が得られる。 v* u=√(2/3){v* dcosθre−v* qsinθre} …(5a) v* v=√(2/3){v* dcos(θre−2π/3)−v* qsin(θre−2π/3)} …(5b) v* w=−v* u−v* v …(5c)
【0010】このようにしてu相電圧指令値v* u、v相
電圧指令値v* v、w相電圧指令値v * wが得られると、そ
れらの相電圧指令値v* u、v* v、v* wに応じたデューテ
ィ比のPWM信号が生成され、それらのPWM信号のデ
ューティ比に応じてオン/オフするパワートランジスタ
を用いて構成されるモータ駆動回路により、それらのデ
ューティ比に応じたu相、v相およびw相電圧がブラシ
レスモータに印加される。
【0011】上記のような制御系において、ブラシレス
モータが高回転で高負荷の状態であるときには、制御系
の操作量である電圧指令値が大きくなるが、実際には電
源電圧の制限を受けるため、電圧指令値を制限する必要
がある。以下、この点につき説明する。
【0012】上記式(5a)〜(5c)を変形すると、
各相電圧指令値v* u、v* v、v* wを下記のように表現す
ることができる。 v* u=−v* msin(θre+φ) …(6a) v* v=−v* msin(θre−2π/3+φ) …(6b) v* w=−v* msin(θre−4π/3+φ) …(6c) v* m=√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2} …(6d) ここで、v* q≠0のときφ=tan-1{v* d/(−v* q)}であ
り、v* q=0のときφ=−π/2である。
【0013】いま、各相電圧指令値の波形が常に正弦波
になるようにするために、各相電圧指令値の振幅v* mを v* m≦Ed/2 …(7) に制限する。ここで、Edは電源電圧である。このと
き、最大振幅時の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wは、 v* u=−(Ed/2)sin(θre+φ) …(8a) v* v=−(Ed/2)sin(θre−2π/3+φ) …(8b) v* w=−(Ed/2)sin(θre−4π/3+φ) …(8c) であって、例えば図9(a)に示すような波形となる。
したがって、各相u、v、wの相間電圧v* uv、v* vw
* wuは、 v* uv=v* u−v* v=−(√3/2)Edsin(θre+π/6+φ) …(9a) v* vw=v* v−v* w=−(√3/2)Edsin(θre−π/2+φ) …(9b) v* wu=v* w−v* u=−(√3/2)Edsin(θre+5π/6+φ) …(9c) であって、例えば図9(b)に示すような波形となり、
これらの振幅はいずれも(√3/2)Edである。このため、
電源電圧を最大限すなわちEd/2−(−Ed/2)=E dまで
利用することができない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ブラシレスモータを使
用した従来の電動パワーステアリング装置では、モータ
が一定速度で回転している場合には、回転界磁の角度
(電気角)θreに対して正弦波状の相電流が流れるよう
に制御されるので、モータに印加すべき各相電圧(相電
圧指令値)も正弦波状となる。しかし、モータへの印加
電圧は電源電圧Edによって制約を受けるので、各相電
圧指令値が常に正弦波状になるようにしようとすると、
上記のように、各相電圧指令値の振幅v* mの最大値がE
d/2となり、相間電圧の振幅の最大値は(√3/2)Edとな
る。すなわち、ブラシレスモータを使用した従来の電動
パワーステアリング装置では、モータの駆動において電
源電圧を最大限Edまで利用することができないという
問題があった。
【0015】そこで、本発明では、ブラシレスモータが
使用される電動パワーステアリング装置であって、その
ブラシレスモータの駆動において電源電圧を最大限まで
利用することができる電動パワーステアリング装置を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明は、車両操舵のための操作手段に加えられる操舵ト
ルクに応じてブラシレスモータに相電圧を印加して当該
ブラシレスモータを駆動することにより、当該車両のス
テアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステア
リング装置であって、前記ブラシレスモータに印加すべ
き各相電圧の値を正弦波状の相電圧指令値として算出す
る制御演算手段と、前記制御演算手段により算出される
各相電圧指令値を表す正弦波の振幅を、前記ブラシレス
モータを駆動するための電源電圧Ed以下に制限する振
幅制限手段と、前記電源電圧Edに基づき、前記振幅制
限手段によって振幅が制限されている前記各相電圧指令
値を、中性点を0としたとき−Ed/2以上でEd/2以
下の範囲に制限するリミッタ処理を前記各相電圧指令値
に施すリミッタ手段と、前記リミッタ処理後の前記各相
電圧指令値に応じた各相電圧を前記ブラシレスモータに
印加するモータ駆動手段とを備えることを特徴とする。
【0017】このような第1の発明によれば、振幅が電
源電圧Ed以下の正弦波状の相電圧指令値が算出された
後、その各相電圧指令値を−Ed/2以上でEd/2以下
の範囲に制限するリミッタ処理が施されるので、ブラシ
レスモータが高回転で高負荷の状態であるときには、各
相電圧指令値は台形波状となる。ただし、異なる相の電
圧指令値が同一の値となる期間が生じることはない。こ
れにより、従来に比べてモータ出力が増大し、大きな操
舵補助力が得られる。また、この場合、相間電圧(線間
電圧)の振幅の最大値は電源電圧に等しくなるので、本
発明によれば、ブラシレスモータの駆動において電源電
圧を最大限まで利用することができることになる。
【0018】第2の発明は、車両操舵のための操作手段
に加えられる操舵トルクに応じてブラシレスモータに相
電圧を印加して当該ブラシレスモータを駆動することに
より、当該車両のステアリング機構に操舵補助力を与え
る電動パワーステアリング装置であって、前記ブラシレ
スモータに印加すべき各相電圧の値を、基本正弦波に第
3次高調波を重畳した波形の相電圧指令値として算出す
る制御演算手段と、前記制御演算手段により算出される
各相電圧指令値に応じた各相電圧を前記ブラシレスモー
タに印加するモータ駆動手段とを備えることを特徴とす
る。
【0019】このような第2の発明によれば、基本正弦
波に第3次高調波を重畳した波形の相電圧指令値が算出
されることにより、各相電圧指令値の絶対値を電源電圧
の1/2以下に抑えつつ各相電圧指令値における基本波
成分(基本正弦波)の振幅を従来よりも大きくすること
ができるので、ブラシレスモータの駆動において電源電
圧の利用率を向上させることができる。また、3相ブラ
シレスモータの場合、第3次高調波は線間電圧には現れ
ず、モータ電流に高調波成分が含まれないので、上記第
1の発明に比べ、トルクリップルや振動の発生を抑える
ことできる。
【0020】第3の発明は、第2の発明において、前記
制御演算手段は、前記ブラシレスモータに印加すべき各
相電圧における基本波成分の値を基本波相電圧指令値と
して算出する基本波成分演算手段と、前記基本波相電圧
指令値を表す正弦波に対する高調波成分であって当該正
弦波の振幅の1/6の振幅を有する第3次高調波成分を
算出する高調波成分演算手段と、前記基本波相電圧指令
値に前記第3次高調波成分を加算することにより前記各
相電圧指令値を算出する加算手段とを含むことを特徴と
する。
【0021】このような第3の発明によれば、基本正弦
波に対しその基本正弦波の振幅の1/6の振幅の第3次
高調波が重畳された波形の相電圧指令値が算出され、そ
の相電圧指令値に応じた相電圧がブラシレスモータに印
加される。これにより、各相電圧指令値を歪ませること
なく、各相電圧指令値に含まれる基本波成分(基本正弦
波)の振幅や線間電圧の振幅を大きくすることができ
る。
【0022】第4の発明は、第3の発明において、前記
基本波成分演算手段は、前記ブラシレスモータにおける
回転界磁の磁束方向であるd軸と当該d軸に直交するq
軸とからなる回転座標系であるd−q座標を導入し、前
記ブラシレスモータに印加すべき電圧の値を当該d−q
座標で表現したd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値
を、前記操舵トルクに応じて決まる目標電流値と前記ブ
ラシレスモータに流れる電流の検出値との偏差に基づき
算出するd軸およびq軸電流制御演算手段と、前記d軸
電圧指令値および前記q軸電圧指令値を前記ブラシレス
モータの各相の電圧値に変換することにより前記基本波
相電圧指令値を生成する座標変換手段とを含み、前記高
調波成分演算手段は、下記の式により前記第3次高調波
成分v* 3を算出することを特徴とする: v* 3=−(1/6)√(2/3)[{−v* q+4v* d 2* q/(v* d 2
+v* q 2)}sin3θre+{−v* d+4v* d* q 2/(v* d 2
* q 2)}cos3θre] ここで、v* dは前記d軸電圧指令値であり、v* qは前記
q軸電圧指令値であり、θreは前記回転界磁の回転位置
を示す電気角である。
【0023】このような第4の発明によれば、d−q軸
座標に基づく電流制御において、基本波相電圧指令値に
重畳すべき第3次高調波成分を例えば四則演算と正弦波
ROMテーブルの参照とによって求めることができるの
で、第3次高調波成分v* 3の算出による演算負荷を小さ
くすることができる。
【0024】第5の発明は、第3または第4の発明おい
て、前記制御演算手段は、前記基本波相電圧指令値を表
す正弦波の振幅を、前記ブラシレスモータを駆動するた
めの電源電圧の1/√3以下に制限する振幅制限手段を
更に含むことを特徴とする。
【0025】このような第5の発明によれば、基本波相
電圧指令値の振幅が電源電圧の1/√3に制限されるこ
とにより、ブラシレスモータが高回転で高負荷の状態と
なっても各相電圧指令値を歪ませることなく、電源電圧
を最大限まで利用することができる。また、線間電圧に
は高調波成分が含まれないことから、モータ電流にも高
調波成分は含まれないので、トルクリップルや振動の発
生が抑えられる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。 <1.第1の実施形態> <1.1 全体構成>図1は、本発明の第1の実施形態
に係る電動パワーステアリング装置の構成を、それに関
連する車両構成と共に示す概略図である。この電動パワ
ーステアリング装置は、操舵のための操作手段としての
ハンドル(ステアリングホイール)100に一端が固着
されるステアリングシャフト102と、そのステアリン
グシャフト102の他端に連結されたラックピニオン機
構104と、ハンドル100の操作によってステアリン
グシャフト102に加えられる操舵トルクを検出するト
ルクセンサ3と、ハンドル操作(操舵操作)における運
転者の負荷を軽減するための操舵補助力を発生させるブ
ラシレスモータ6と、その操舵補助力をラック軸に伝達
するボールねじ駆動部11と、ブラシレスモータ6のロ
ータの回転位置を検出するレゾルバ等の位置検出センサ
12と、車載バッテリ8からイグニションスイッチ9を
介して電源の供給を受け、トルクセンサ3や車速センサ
4、位置検出センサ12からのセンサ信号に基づきモー
タ6の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)5と
を備えている。このような電動パワーステアリング装置
を搭載した車両において運転者がハンドル100を操作
すると、トルクセンサ3は、その操作による操舵トルク
を検出し、操舵トルクを示す操舵トルク信号Tsを出力
する。一方、車速センサ4は、車両の速度(車速)を検
出し、車速を示す車速信号Vsを出力する。制御装置と
してのECU5は、それら操舵トルク信号Tsおよび車
速信号Vsと、位置検出センサ12によって検出される
ロータの回転位置とに基づいて、モータ6を駆動する。
これによりモータ6は操舵補助力を発生し、この操舵補
助力がボールねじ駆動部11を介してラック軸に加えら
れることにより、操舵操作における運転者の負荷が軽減
される。すなわち、ハンドル操作によって加えられる操
舵トルクによる操舵力とモータ6の発生する操舵補助力
との和によって、ラック軸が往復運動を行う。ラック軸
の両端はタイロッドおよびナックルアームから成る連結
部材106を介して車輪108に連結されており、ラッ
ク軸の往復運動に応じて車輪108の向きが変わる。
【0027】<1.2 制御装置の構成>図2は、上記
電動パワーステアリング装置における制御装置であるE
CU5の構成を示すブロック図である。このECU5
は、位相補償器112とマイクロコンピュータ(以下
「マイコン」と略記する)10とモータ駆動部とから構
成される。マイコン10は、その内部のメモリに格納さ
れた所定のプログラムを実行することにより、目標電流
演算部114と指令電流方向指定部116と収斂性補正
部118と加算器120と減算器122、124とd軸
電流PI制御部126とq軸電流PI制御部128と第
1制限処理部130とd−q/3相交流座標変換部13
2と符号反転加算器134と第2制限処理部136と3
相交流/d−q座標変換部138と正弦波ROMテーブ
ル140とロータ角速度演算部142とからなるモータ
制御部として機能する。モータ駆動部は、モータ制御部
としてのマイコン10から出力される電圧指令値に基づ
き、u相、v相およびw相からなる3相のブラシレスモ
ータ6を駆動するハードウェア(回路)であって、3相
PWM変調部150と、モータ駆動回路152と、u相
電流検出器156と、v相電流検出器154と、ロータ
角度位置検出器162とから構成される。
【0028】本実施形態では、ハンドル100の操作に
よってステアリングシャフト102に加えられる操舵ト
ルクがトルクセンサ3によって検出され、トルクセンサ
3から出力される操舵トルク信号Tsが上記構成のEC
U5に入力されると共に、車速が車速センサ4によって
検出され、車速センサ4から出力される車速信号Vsも
ECU5に入力される。ECU5では、入力された操舵
トルク信号Tsに対して位相補償器112により位相補
償が施され、その位相補償後の信号は、目標電流演算部
114に入力される。一方、車速センサ4から出力され
る車速信号Vsは、ECU5における目標電流演算部1
14と収斂性補正部118とに入力される。また、モー
タ6に取り付けられた位置検出センサ12から出力され
るセンサ信号Srが、ECU5におけるロータ角度位置
検出器162に入力され、ロータ角度位置検出器162
は、モータ6のロータである回転界磁(永久磁石)の回
転位置すなわち電気角θreを示す信号を出力する(図8
参照)。この電気角θreを示す信号は、正弦波ROMテ
ーブル140とロータ角速度演算部142とに入力され
る。
【0029】目標電流演算部114は、上記操舵トルク
信号Tsと上記車速信号Vsとに基づき、モータ6に供
給すべき電流の値である目標電流値Itを算出する。具
体的には、適切な操舵補助力を発生させるためにモータ
6に供給すべき目標電流の値と操舵トルクとの関係を車
速をパラメータとして示すテーブル(「アシストテーブ
ル」と呼ばれる)が目標電流演算部114内に予め保持
されており、目標電流演算部114は、このアシストテ
ーブルを参照して目標電流値Itを設定する。ただし、
この目標電流値Itは、既述の式(2b)で表されるq
軸電流に相当する電流指令値を示す符号付きの値であっ
て、その正負は、操舵補助の方向、すなわち右方向操舵
を補助する方向のトルクをモータ6に発生させるべき
か、左方向操舵を補助する方向のトルクをモータ6に発
生させるべきかを示している。
【0030】指令電流方向指定部116は、上記目標電
流値Itの正負を示す信号すなわち操舵補助の方向を示
す信号(以下「方向信号」という)Sdirを生成し、こ
の方向信号Sdirは収斂性補正部118に入力される。
また、ロータ角速度演算部142は、ロータ角度に相当
する電気角θreを示す信号に基づきロータ角速度ωreを
算出し、このロータ角速度ωreを示す信号も収斂性補正
部118に入力される。収斂性補正部118は、これら
の信号と車速信号Vsとに基づき、車両収斂性を確保す
るための補償電流値icを算出する。加算器120は、
この補償電流値icを上記の目標電流値Itに加算し、
その結果得られる加算値をq軸電流指令値i* qとして出
力する。このq軸電流指令値i* qは、モータ6が発生す
べきトルクに対応する電流値であり、減算器124に入
力される。一方、d軸電流指令値i* dは、トルクに関与
しないのでi* d=0として、減算器122に入力され
る。
【0031】u相電流検出器156とv相電流検出器1
54は、モータ駆動回路152からモータ6に供給され
る電流のうちu相電流とv相電流をそれぞれ検出し、u
相電流検出値iuとv相電流検出値ivをそれぞれ出力す
る。正弦波ROMテーブル140は、角度θの各種の値
とsinθの各種の値とを互いに対応付けて格納してお
り、ロータ角度位置検出器162からの信号の示す電気
角θreに対応する正弦波値sinθreを出力する。3相交
流/d−q座標変換部138は、この正弦波値sinθre
を用いて、上記のu相電流検出値iuおよびv相電流検
出値ivを、d−q座標上の値すなわちd軸電流検出値
dおよびq軸電流検出値iqに変換する。このようにし
て得られたd軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iq
は、減算器122および減算器124にそれぞれ入力さ
れる。
【0032】減算器122は、d軸電流指令値i* d=0
と上記のd軸電流検出値idとの偏差であるd軸電流偏
差ed=i* d−idを算出し、d軸電流PI制御部126
は、このd軸電流偏差edに対する比例積分制御演算に
よってd軸電圧指令値v* dを求める。一方、減算器12
4は、加算器120から出力されるq軸電流指令値i * q
と上記のq軸電流検出値iqとの偏差であるq軸電流偏
差eq=i* q−iqを算出し、q軸電流PI制御部128
は、このq軸電流偏差eqに対する比例積分制御演算に
よってq軸電圧指令値v* qを求める。
【0033】第1制限処理部130は、モータ6に印加
すべき相電圧に対する振幅制限手段であるが、各相の電
圧指令値が常に正弦波となるように各相電圧指令値の振
幅v * mをv* m≦Ed/2(式(7))に制限していた従
来とは異なり、上記のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電
圧指令値v* qに対応する各相電圧指令値(式(6a)〜
(6c)参照)の振幅v* mがv* m≦Edとなるように、
上記のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* q
制限する。
【0034】d−q/3相交流座標変換部132は、第
1制限処理部130による上記制限(リミッタ処理)の
施された後のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値
* qを3相交流座標上の値であるu相電圧指令値v* u
よびv相電圧指令値v* vに変換する。そして、符号反転
加算器134は、それらの相電圧指令値v* uおよびv * v
からw相電圧指令値v* wを算出する。
【0035】第2制限処理部136は、このようにして
得られた各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに対するリミ
ッタ手段であって、各相電圧指令値v* u、v* v、v* w
振幅が中性点を0としたときEd/2を超えないように
各相電圧指令値v* u、v* v、v* wを制限する(Edは電
源電圧)。
【0036】3相PWM変調部150は、第2制限処理
部136による上記制限(リミッタ処理)の施された後
の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wにそれぞれ応じたデ
ューティ比のPWM信号Su、Sv、Swを生成する。
【0037】モータ駆動回路152は、例えば電力用M
OSトランジスタ等のスイッチング素子を用いて構成さ
れるPWM電圧形インバータであって、各スイッチング
素子を上記PWM信号Su、Sv、Swによってオン/
オフさせることにより、ブラシレスモータ6に印加すべ
き各相電圧vu、vv、vwを生成する。これらの各相電
圧vu、vv、vwは、ECU5から出力されてモータ6
に印加される。この電圧印加に応じてモータ6の各相
u、v、wのコイル(不図示)に電流が流れ、モータ6
はその電流に応じて操舵補助のためのトルクTmを発生
させる。
【0038】モータ6に流れる電流のうちu相電流iu
とv相電流ivは、既述のようにu相電流検出器156
とv相電流検出器154によってそれぞれ検出され、3
相交流/d−q座標変換部138によってd−q座標上
の電流値id、iqに変換される。これらd−q座標上の
電流値id、iqのうちd軸電流検出値idは減算器12
2に、q軸電流検出値iqは減算器124に、それぞれ
入力される。これにより、所望の操舵補助力をモータ6
によって発生させるべく、d軸電流検出値idがd軸電
流指令値i* dに、q軸電流検出値iqがq軸電流指令値
* qにそれぞれ等しくなるように、フィードバック制御
が行われる(この制御は「電流制御」と呼ばれる)。
【0039】<1.3 電流制御動作>上記のように本
実施形態では、操舵トルクや車速に応じて適切な操舵補
助が行われるようにモータ電流の目標値(d軸電流指令
値i* dおよびq軸電流指令値i * q)が設定され、この目
標値の電流がモータ6に流れるようにフィードバック制
御が行われる。図3は、このような電流制御のためのマ
イコン10による演算(以下「電流制御演算」という)
の手順を示すフローチャートである。マイコン10がこ
の電流制御演算を実行することにより、図2において点
線で囲まれた部分に相当する電流制御部20のうちモー
タ駆動部以外の部分(以下「電流制御演算部」という)
が実現される。以下、図2および図3を参照しつつ、本
実施形態における電流制御演算部の動作(電流制御動
作)について説明する。
【0040】本実施形態では、イグニションスイッチ9
がオンされると、ECU5が起動され、ECU5内のマ
イコン10は、図3に示した電流制御演算を繰り返し実
行する。この電流制御演算においてマイコン10は以下
のように動作する。
【0041】まずマイコン10は、磁極位置を示す電気
角θreをロータ角度位置検出器162から受け取り(ス
テップS12)、u相電流検出器156からu相電流検
出値iuを、v相電流検出器154からv相電流検出値
vをそれぞれ受け取る(ステップS14)。次に、マ
イコン10内のメモリに格納された正弦波ROMテーブ
ル140を参照して正弦波値sinθreを得て、この正弦
波値sinθreとu相電流検出値iuおよびv相電流検出値
vとを用いて、式(3a)(3b)すなわち次式によ
り、d軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iqを算出
する(ステップS16)。 id=√2{ivsinθre−iusin(θre−2π/3)} iq=√2{ivcosθre−iucos(θre−2π/3)} このステップS16により3相交流/d−q座標変換部
138が実現される。
【0042】次にマイコン10は、上記d軸電流検出値
dと予め設定されたd軸電流指令値i* dとの偏差であ
るd軸電流偏差ed=i* d−idを算出して、このd軸電
流偏差edに対する比例積分制御演算によってd軸電圧
指令値v* dを求めると共に、上記q軸電流検出値iq
加算器120によって得られるq軸電流指令値i* qとの
偏差であるq軸電流偏差eq=i* q−iqを算出して、こ
のq軸電流偏差eqに対する比例積分制御演算によって
q軸電圧指令値v* qを求める。すなわち、次式によりd
軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを算出する
(ステップS18、S20)。 v* d=Kp{ed+(1/Ti)∫eddt} v* q=Kp{eq+(1/Ti)∫eqdt} ここで、Kpは比例ゲインであり、Tiは積分時間であ
る。上記ステップS18により減算器122および12
4が実現され、ステップS20によりd軸電流PI制御
部126およびq軸電流PI制御部128が実現され
る。
【0043】次にマイコン10は、上記のd軸電圧指令
値v* dおよびq軸電圧指令値v* qに対応する各相電圧指
令値(式(6a)〜(6c)参照)の振幅v* mが v* m≦Ed …(10) となるように、d軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令
値v* qを制限する。具体的には、式(6d)に示すよう
に v* m=√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2} であるので、この式に基づき上記式(10)を満たすよ
うにd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制
限する(ステップS22)。このステップS22の処理
であるリミッタ処理により第1制限処理部130が実現
される。
【0044】次にマイコン10は、正弦波ROMテーブ
ル140を参照して得られる正弦波値sinθreと上記リ
ミッタ処理後のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令
値v* qとを用いて、各相の電圧指令値v* u、v* v、v* w
を次式により算出する(ステップS24)。 v* u=√(2/3){v* dcosθre−v* qsinθre} v* v=√(2/3){v* dcos(θre−2π/3)−v* qsin(θre
−2π/3)} v* w=−v* u−v* v このステップS24により、d−q/3相交流座標変換
部132と符号反転加算器134とが実現される。
【0045】次にマイコン10は、このようにして得ら
れた各相電圧指令値v* u、v* v、v * wに対してリミッタ
処理を施す(ステップS26)。すなわち、各相電圧指
令値v* u、v* v、v* wを、中性点を0としたとき次式の
ように制限する。 −Ed/2≦v* u≦Ed/2 …(11a) −Ed/2≦v* v≦Ed/2 …(11b) −Ed/2≦v* w≦Ed/2 …(11c) ここで、Edは電源電圧である。このステップS26に
より、第2制限処理部136が実現される。上記式(1
1a)〜(11c)によるリミッタ処理後の各相電圧指
令値v* u、v* v、v* wはマイコン10から出力され(ス
テップS28)、1回分の電流制御演算が終了する。
【0046】既述のように上記の電流制御演算は繰り返
し実行され、モータ6には、3相PWM変調部150や
モータ駆動回路152等からなるモータ駆動部により、
マイコン10から出力される各相電圧指令値v* u
* v、v* wに応じた各相電圧vu、vv、vwが印加され
る。
【0047】<1.4 作用および効果>上記第1の実
施形態によれば、モータ6が高回転で高負荷の状態であ
るときには、各相電圧指令値は台形波状となる。すなわ
ち、モータ6の回転数や負荷が或る程度以上となると、
第2制限処理部136でのリミッタ処理前の各相電圧指
令値v* u、v* v、v* wは、第1制限処理部130での振
幅制限(式(10))により、図4(a)に示すような
振幅v* m=Edの正弦波状となり、第2制限処理部13
6でのリミッタ処理(式(11a)〜(11c))の後
の各相電圧指令値v * u、v* v、v* wは、図4(b)に示
すような台形波状となる。これにより、従来(図9)に
比べてモータ出力が増大するので、大きな操舵補助力が
得られる。また、この場合、相間電圧(線間電圧)v*
uv=v* u−v* v、v* vw=v* v−v* w、v* wu=v* w−v
* uも、図4(c)に示すような台形波状となる。すなわ
ち、線間電圧の振幅の最大値はEdとなり、従来に比べ
て電圧利用率が向上し、モータ6の駆動において電源電
圧を最大限まで利用することができる。ところで、各相
電圧指令値v* u、v* v、v* wが上記のように台形波状と
なった場合において、もし異なる相の電圧指令値が同一
の値になる期間が存在すれば、モータ6に流れる電流に
よる磁界が回転しない期間が生じることになる。しかし
本実施形態では、第1制限処理部130により、v* m
d(式(10))となるように振幅v* mが制限されて
いることから、図4(b)に示すように、異なる相の電
圧指令値が同一となる期間は生じない。
【0048】なお、上記第1の実施形態では3相ブラシ
レスモータ6の使用を前提としているが、3相以外の相
数のブラシレスモータを使用した場合においても、上記
と同様の構成により同様の効果が得られる。
【0049】<2.第2の実施形態>上記第1の実施形
態では、ブラシレスモータ6の駆動において電源電圧を
最大限まで利用することができ、大きな操舵補助力を得
ることができる。しかし、モータ6の高回転・高負荷時
においてモータ6に印加される相間電圧(線間電圧)は
台形波状となるため(図4(c))、モータ電流には高
調波成分が含まれ、これは、トルクリップルや振動の発
生や増加の原因となる。そこで以下では、トルクリップ
ルや振動の発生を抑えつつブラシレスモータ6の駆動に
おける電圧利用率を向上させた電動パワーステアリング
装置を、本発明の第2の実施形態として説明する。
【0050】本実施形態に係る電動パワーステアリング
装置の全体構成は、上記第1の実施形態と同様であって
図1に示す通りである。以下では、本実施形態における
制御装置であるECU5の構成および動作を中心に説明
する。
【0051】図5は、本実施形態におけるECU5の構
成を示すブロック図である。このECU5の構成のうち
第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して詳
しい説明を省略する。本実施形態においても、ECU5
は、位相補償器112とマイコン10とモータ駆動部と
からなるが、電流制御のための構成が第1の実施形態と
相違する。すなわち本実施形態では、マイコン10が所
定のプログラムを実行することにより実現されるモータ
制御部が、第1の実施形態と同様の構成要素に加えて、
第3次高調波成分演算部202と加算器221、222
とを更に備えると共に、符号反転加算器134に代えて
加減算器224を備えている。また、第1制限処理部2
30によるリミッタ処理の内容も第1の実施形態におけ
る第1制限処理部130と相違する。
【0052】<2.1 電流制御演算部の構成>以下、
本実施形態においてマイコン10によって実現されるモ
ータ制御部のうち電流制御部30を構成する部分である
電流制御演算部につき、第1の実施形態との相違点を中
心に説明する。
【0053】本実施形態では、モータ6に印加すべき相
間電圧(線間電圧)の振幅を電源電圧Edまで確保すべ
く、式(6a)〜(6c)に示す各相電圧指令値v* u
* v、v* wの基本正弦波にその第3次高調波を重畳す
る。すなわち、次式で示される各相電圧指令値v* u、v
* v、v* wを使用する。 v* u=−v* m{sin(θre+φ)+(1/6)sin3(θre+φ)} …(12a) v* v=−v* m{sin(θre−2π/3+φ)+(1/6)sin3(θre−2π/3+φ)} …(12b) v* w=−v* m{sin(θre−4π/3+φ)+(1/6)sin3(θre−4π/3+φ)} …(12c) v* m=√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2} …(12d) ここで、v* q≠0のときφ=tan-1{v* d/(−v* q)}であ
り、v* q=0のときφ=−π/2である。また、sin3
re+φ)=sin3(θre−2π/3+φ)=sin3(θre−4π/
3+φ)であるので、線間電圧(相間電圧)には、第3次
高調波は現れない。
【0054】上記式(12a)〜(12c)で示される
各相電圧指令値v* u、v* v、v* wが歪まないようにする
には、 v* m{sinθre+(1/6)sin3θre}≦Ed/2 とすればよい。ところで、ロータ角度位置すなわち電気
角θreを変化させたときのsinθre+(1/6)sin3θreの最
大値は√3/2である。したがって、(√3/2)v* m≦Ed/
2、すなわち v* m≦Ed/√3 …(13) であればよい。上記式(13)を式(7)と比較すれば
わかるように、これは、相電圧指令値における基本正弦
波の振幅の制限値が従来の2/√3倍になることを意味す
る。なお、上記式(12a)〜(12c)において、基
本正弦波に重畳すべき第3次高調波の振幅が基本正弦波
の振幅の1/6となっているのは、このときに基本正弦波
と第3次高調波との合成波のピーク値が最も小さくなる
からである。
【0055】本実施形態における電流制御演算部は、上
記原理に基づき第1の実施形態とは下記のように相違す
る構成を有している。
【0056】本実施形態における振幅制限手段としての
第1制限処理部230は、上記式(13)すなわちv* m
≦Ed/√3を満たすようにd軸電圧指令値v* dおよびq
軸電圧指令値v* qを制限する。この点で本実施形態は、
式(10)すなわちv* m≦E dを満たすようにd軸電圧
指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制限する第1の
実施形態とは相違する。
【0057】また、本実施形態における第3次高調波成
分演算部202は、各相電圧指令値v* u、v* v、v* w
おける基本波成分に重畳すべき第3次高調波成分v
* 3を、第1制限処理部230による振幅制限(式(1
3))の処理後のd軸電圧指令値v * dおよびq軸電圧指
令値v* qから算出する。そして加算器221は、d−q
/3相交流座標変換部132によって得られるu相電圧
指令値(基本波成分)に当該第3次高調波成分v* 3を加
算し、加算器222は、d−q/3相交流座標変換部1
32によって得られるv相電圧指令値(基本波成分)に
当該第3次高調波成分v* 3を加算する。また、加減算器
224は、d−q/3相交流座標変換部132によって
得られるu相電圧指令値とv相電圧指令値とを符号反転
させて加算し、その加算値に当該第3次高調波成分v* 3
を加算する。このようにして、式(12a)〜(12
c)に示すように基本波成分に第3次高調波成分の重畳
された各相電圧指令値v* u、v* v、v* wが得られる。な
お、第3次高調波成分は上記のように第3次高調波成分
演算部202によって算出されるが、基本波成分を算出
する手段は、減算器122、124とd軸電流PI制御
部126とq軸電流PI制御部128とd−q/3相交
流座標変換部132と加減算器224の一部とによって
実現されている。
【0058】第2制限処理部136は、このようにして
得られた各相電圧指令値v* u、v* v、v* wの絶対値がE
d/2を超えないように各相電圧指令値v* u、v* v、v* w
に対してリミッタ処理を施す(Edは電源電圧)。ただ
し、本実施形態では第1制限処理部230により式(1
3)を満たすように各相電圧指令値の基本正弦波の振幅
が制限されることから、電流制御演算部が正常に動作し
ている限り、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wの絶対値
がEd/2を超えることはない。
【0059】第2制限処理部136による上記リミッタ
処理後の各相電圧指令値v* u、v* v、v* wは、電流制御
演算部(マイコン10)から出力される。3相PWM変
調部150やモータ駆動回路152等からなるモータ駆
動部は、これら各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに応じ
た各相電圧vu、vv、vwをモータ6に印加し、これに
よりモータ6が駆動される。
【0060】<2.2 電流制御動作>図6は、本実施
形態におけるマイコン10による電流制御演算の手順を
示すフローチャートである。マイコン10がこの電流制
御演算を実行することにより、図5において点線で囲ま
れた部分に相当する電流制御部30のうちモータ駆動部
以外の部分すなわち電流制御演算部が実現される。以
下、図5および図6を参照しつつ、本実施形態における
電流制御演算部の動作(電流制御動作)について説明す
る。
【0061】本実施形態においても、ECU5が起動さ
れると、ECU5内のマイコン10は、図6に示した電
流制御演算を繰り返し実行する。この電流制御演算にお
いてマイコン10は以下のように動作する。
【0062】図6に示した電流制御演算のルーチンが呼
び出されると、マイコン10は、第1の実施形態と同様
のステップS12〜S20を実行する。これにより、3
相交流/d−q座標変換部138と、減算器122およ
び124と、d軸電流PI制御部126と、q軸電流P
I制御部128とが実現される。これらの構成要素は第
1の実施形態の対応する構成要素と同様の機能を有し、
これらにより、次式で示されるd軸電圧指令値v* dおよ
びq軸電圧指令値v* qが得られる。 v* d=Kp{ed+(1/Ti)∫eddt} v* q=Kp{eq+(1/Ti)∫eqdt} ed=i* d−id、eq=i* q−iq ここで、Kpは比例ゲイン、Tiは積分時間であり、i
* dはd軸電流指令値、i dはd軸電流検出値であり、i*
qはq軸電流指令値、iqはq軸電流検出値である。
【0063】その後、マイコン10は、上記のd軸電圧
指令値v* dおよびq軸電圧指令値v * qに対応する各相電
圧指令値の振幅v* mが式(13)すなわち v* m≦Ed/√3 を満たすように、d軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指
令値v* qを制限する。具体的には、式(6d)に示すよ
うに v* m=√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2} であるので、この式に基づき式(13)を満たすように
d軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* qを制限す
る(ステップS32)。このステップS32のリミッタ
処理により第1制限処理部230が実現される。
【0064】次にマイコン10は、第1の実施形態と同
様にして、上記リミッタ処理後のd軸電圧指令値v* d
よびq軸電圧指令値v* qを3相交流座標上の値すなわち
各相電圧指令値に変換する(ステップS24)。すなわ
ち、次式により、基本波成分のみからなる相電圧指令値
(以下「基本波相電圧指令値」という)v* uf、v* vf
* wfを算出する。 v* uf=√(2/3){v* dcosθre−v* qsinθre} v* vf=√(2/3){v* dcos(θre−2π/3)−v* qsin(θre
−2π/3)} v* wf=−v* uf−v* vf
【0065】次に、マイコン10は、上記リミッタ処理
後のd軸電圧指令値v* dおよびq軸電圧指令値v* q
ら、次式により第3次高調波成分v* 3を算出する(ステ
ップS34)。 v* 3=(-1/6)√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2}sin3(θre+φ) …(16) ここで、v* q≠0のときφ=tan-1{v* d/(−v* q)}であ
り、v* q=0のときφ=−π/2である。
【0066】そしてマイコン10は、上記の第3次高調
波成分v* 3を上記の各基本波相電圧指令値v* uf
* vf、v* wfに加算することにより、すなわち v* u=v* uf+v* 3* v=v* vf+v* 3* w=v* wf+v* 3 により、式(12a)〜(12c)で示される各相電圧
指令値v* u、v* v、v* wを得る(ステップS36)。
【0067】このような上記ステップS24、S34、
S36により、d−q/3相交流座標変換部132、第
3次高調波成分演算部202、加算器221、222、
および加減算器224が実現される。
【0068】しかし、上記式(16)に含まれる平方根
や逆正接関数の演算は大きな演算能力を必要とするた
め、上記式(16)をそのまま用いて第3次高調波成分
* 3を算出するのは困難である。そこで本実施形態で
は、式(16)を三角関数の公式を用いて以下のように
変形する。 v* 3=−(1/6)√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2}sin3(θre+φ) =−(1/6)√(2/3)√{v* d 2+(−v* q)2} ×{sin(3θre+φ)cos2φ+cos(3θre+φ)sin2φ} …(17) ここで、φ=tan-1{v* d/(−v* q)}より、 sinφ=v* d/√{v* d 2+(−v* q)2} …(18a) cosφ=−v* q/√{v* d 2+(−v* q)2} …(18b) であるので、 sin2φ=2sinφcosφ=−2v* d* q/(v* d 2+v* q 2) …(19a) cos2φ=1−2sin2φ=(−v* d 2+v* q 2)/(v* d 2+v* q 2) …(19b) となる。また、 −√{v* d 2+(−v* q)2}sin(3θre+φ)=−v* qsin3θre+v* dcos3θre …(20a) −√{v* d 2+(−v* q)2}cos(3θre+φ)=−v* qcos3θre−v* dsin3θre …(20b) である。したがって、式(19a)(19b)(20
a)(20b)を式(17)に代入することにより、次
式が得られる。 v* 3=−(1/6)√(2/3)[{−v* q+4v* d 2* q/(v* d 2+v* q 2)}sin3θre +{−v* d+4v* d* q 2/(v* d 2+v* q 2)}cos3θre] …(21) 上式より、第3次高調波成分v* 3を例えば四則演算と正
弦波ROMテーブルの参照とによって求めることができ
る。したがって、上記の第3次高調波成分v* 3の算出に
よるマイコン10の演算負荷を小さくすることができ
る。本実施形態においてステップS34によって実現さ
れる第3次高調波成分演算部202は、上記式(21)
を用いて第3次高調波成分v* 3を算出する。なお、v* d
=v* q=0のときはv* 3=0である。
【0069】上記のようにして第3次高調波成分v* 3
算出され、その第3次高調波成分v * 3の重畳された各相
電圧指令値v* u、v* v、v* wが得られると、マイコン1
0は、その各相電圧指令値v* u、v* v、v* wに対して第
1の実施形態と同様のリミッタ処理を施す(ステップS
26)。すなわち、各相電圧指令値v* u、v* v、v* w
次式のように制限する。 −Ed/2≦v* u≦Ed/2 −Ed/2≦v* v≦Ed/2 −Ed/2≦v* w≦Ed/2 ここで、Edは電源電圧である。このステップS26に
より、第2制限処理部136が実現される。この第2制
限処理部136によるリミッタ処理後の各相電圧指令値
* u、v* v、v* wはマイコン10から出力され(ステッ
プS28)、1回分の電流制御演算が終了する。
【0070】既述のように上記の電流制御演算は繰り返
し実行され、モータ6には、3相PWM変調部150や
モータ駆動回路152等からなるモータ駆動部により、
マイコン10から出力される各相電圧指令値v* u
* v、v* wに応じた各相電圧vu、vv、vwが印加され
る。
【0071】<2.3 作用および効果>上記第2の実
施形態によれば、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wにお
ける基本正弦波の振幅v* mに対する制限はv* m≦Ed/√
3であって(式(13))、従来(式(7))に比べて
制限値が2/√3倍となる。そして、モータ6が高回転で
高負荷の状態であって上記基本正弦波の振幅v* mが最大
となると、各相電圧指令値v* u、v* v、v* wは、式(1
2a)〜(12c)(13)より v* u=−(Ed/√3){sin(θre+φ)+(1/6)sin3(θre+φ)} v* v=−(Ed/√3){sin(θre−2π/3+φ)+(1/6)sin3(θre−2π/3+φ)} =−(Ed/√3){sin(θre−2π/3+φ)+(1/6)sin3(θre+φ)} v* w=−(Ed/√3){sin(θre−4π/3+φ)+(1/6)sin3(θre−4π/3+φ)} =−(Ed/√3){sin(θre−4π/3+φ)+(1/6)sin3(θre+φ)} となるので、各相u、v、wの相間電圧(線間電圧)v
* uv、v* vw、v* wuは、 v* uv=v* u−v* v=−Edsin(θre+π/6+φ) …(15a) v* vw=v* v−v* w=−Edsin(θre−π/2+φ) …(15b) v* wu=v* w−v* u=−Edsin(θre+5π/6+φ) …(15c) となり、各相間電圧v* uv、v* vw、v* wuの振幅は電源
電圧Edに等しくなる。したがって、本実施形態によれ
ば、電源電圧を最大限まで利用することができる。ただ
し、本実施形態におけるモータ出力は、従来よりも大き
いが、第1の実施形態よりも低く小さくなる(図4参
照)。
【0072】また、本実施形態によれば、相間電圧(線
間電圧)v* uv、v* vw、v* wuは基本波成分のみからな
り高調波成分を含まない(式(15a)〜(15
c))。これにより、モータ電流に含まれる高調波成分
が抑制されるので、トルクリップルや振動を増加させる
ことなく、モータ出力を従来よりも大きくすることがで
きる。
【0073】<2.4 変形例>既述のように、各相電
圧指令値において重畳すべき第3次高調波成分の振幅が
基本波成分の振幅の1/6となったときに相電圧指令値に
おける基本正弦波の振幅の制限値が最も大きくなる(振
幅に対する制限が最も緩くなる)が、重畳すべき第3次
高調波の振幅は必ずしも基本正弦波の振幅の1/6である
必要はない。例えば重畳すべき第3次高調波の振幅が基
本正弦波の振幅の1/3または1/4であっても、ブラシレス
モータの駆動において従来よりも電源電圧の利用率が向
上する。
【0074】また、上記第2の実施形態では、各相電圧
指令値の基本波成分に第3次高調波成分が重畳される
が、3の倍数かつ奇数の次数の高調波成分であれば他の
高調波成分を基本波成分に重畳してもよい。ただし、装
置の実現性と得られる効果とを勘案すれば、第3次高調
波成分のみの重畳が現実的である。
【0075】さらに、上記第2の実施形態では3相ブラ
シレスモータが使用されているが、一般にn相ブラシレ
スモータが使用された場合には、基本正弦波に第n次高
調波を重畳する構成とすることにより、同様の効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステ
アリング装置の構成をそれに関連する車両構成と共に示
す概略図である。
【図2】第1の実施形態に係る電動パワーステアリング
装置における制御装置であるECUの構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】第1の実施形態においてマイコンにより実行さ
れる電流制御演算を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態におけるブラシレスモータの制
御のための相電圧指令値およびその相電圧指令値に対応
する相間電圧を示す電圧波形図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る電動パワーステ
アリング装置におけるECU(制御装置)の構成を示す
ブロック図である。
【図6】第2の実施形態においてマイコンにより実行さ
れる電流制御演算を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態におけるブラシレスモータの制
御ための相電圧指令値およびその相電圧指令値に対応す
る相間電圧を示す電圧波形図である。
【図8】3相ブラシレスモータにおける3相交流座標と
d−q座標とを説明するための模式図である。
【図9】従来のブラシレスモータの制御のための相電圧
指令値およびその相電圧指令値に対応する相間電圧を示
す電圧波形図である。
【符号の説明】
3 …トルクセンサ 4 …車速センサ 5 …電子制御ユニット(ECU) 6 …ブラシレスモータ 8 …バッテリ 11 …ボールねじ駆動部 12 …位置検出センサ 10 …マイクロコンピュータ(モータ制御部、制御
演算手段) 20、30 …電流制御部 114 …目標電流演算部 122、124 …減算器 126 …d軸電流PI制御部 128 …q軸電流PI制御部 130、230 …第1制限処理部(振幅制限手段) 132 …d−q/3相交流座標変換部 136 …第2制限処理部(リミッタ手段) 138 …3相交流/d−q座標変換部 150 …3相PWM変調部 152 …モータ駆動回路 202 …第3次高調波成分演算部 Ts …操舵トルク信号 i* d …d軸電流指令値 i* q …q軸電流指令値 id …d軸電流検出値 iq …q軸電流検出値 ed …d軸電流偏差 eq …q軸電流偏差 v* d …d軸電圧指令値 v* q …q軸電圧指令値 v* u …u相電圧指令値 v* v …v相電圧指令値 v* w …w相電圧指令値 θre …電気角(ロータ角度位置)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 137:00 H02P 6/02 351A Fターム(参考) 3D032 CC50 DA15 DA23 DA63 DA64 DC01 DC02 DC17 DC29 DC34 DD02 DD06 DD10 DD17 EA01 EB11 EC23 GG01 3D033 CA13 CA16 CA20 CA21 5H560 AA08 BB04 BB12 DA02 DB20 DC03 DC12 DC13 EB01 RR04 SS02 TT15 XA02 XA04 XA11 XA12 XA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両操舵のための操作手段に加えられる
    操舵トルクに応じてブラシレスモータに相電圧を印加し
    て当該ブラシレスモータを駆動することにより、当該車
    両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワー
    ステアリング装置であって、 前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧の値を正弦
    波状の相電圧指令値として算出する制御演算手段と、 前記制御演算手段により算出される各相電圧指令値を表
    す正弦波の振幅を、前記ブラシレスモータを駆動するた
    めの電源電圧Ed以下に制限する振幅制限手段と、 前記電源電圧Edに基づき、前記振幅制限手段によって
    振幅が制限されている前記各相電圧指令値を、中性点を
    0としたとき−Ed/2以上でEd/2以下の範囲に制限
    するリミッタ処理を前記各相電圧指令値に施すリミッタ
    手段と、 前記リミッタ処理後の前記各相電圧指令値に応じた各相
    電圧を前記ブラシレスモータに印加するモータ駆動手段
    とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装
    置。
  2. 【請求項2】 車両操舵のための操作手段に加えられる
    操舵トルクに応じてブラシレスモータに相電圧を印加し
    て当該ブラシレスモータを駆動することにより、当該車
    両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワー
    ステアリング装置であって、 前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧の値を、基
    本正弦波に第3次高調波を重畳した波形の相電圧指令値
    として算出する制御演算手段と、 前記制御演算手段により算出される各相電圧指令値に応
    じた各相電圧を前記ブラシレスモータに印加するモータ
    駆動手段とを備えることを特徴とする電動パワーステア
    リング装置。
  3. 【請求項3】 前記制御演算手段は、 前記ブラシレスモータに印加すべき各相電圧における基
    本波成分の値を基本波相電圧指令値として算出する基本
    波成分演算手段と、 前記基本波相電圧指令値を表す正弦波に対する高調波成
    分であって当該正弦波の振幅の1/6の振幅を有する第
    3次高調波成分を算出する高調波成分演算手段と、 前記基本波相電圧指令値に前記第3次高調波成分を加算
    することにより前記各相電圧指令値を算出する加算手段
    とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の電動パワ
    ーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記基本波成分演算手段は、 前記ブラシレスモータにおける回転界磁の磁束方向であ
    るd軸と当該d軸に直交するq軸とからなる回転座標系
    であるd−q座標を導入し、前記ブラシレスモータに印
    加すべき電圧の値を当該d−q座標で表現したd軸電圧
    指令値およびq軸電圧指令値を、前記操舵トルクに応じ
    て決まる目標電流値と前記ブラシレスモータに流れる電
    流の検出値との偏差に基づき算出するd軸およびq軸電
    流制御演算手段と、 前記d軸電圧指令値および前記q軸電圧指令値を前記ブ
    ラシレスモータの各相の電圧値に変換することにより前
    記基本波相電圧指令値を生成する座標変換手段とを含
    み、 前記高調波成分演算手段は、下記の式により前記第3次
    高調波成分v* 3を算出することを特徴とする、請求項3
    に記載の電動パワーステアリング装置: v* 3=−(1/6)√(2/3)[{−v* q+4v* d 2* q/(v* d 2
    +v* q 2)}sin3θre+{−v* d+4v* d* q 2/(v* d 2
    * q 2)}cos3θre] ここで、v* dは前記d軸電圧指令値であり、v* qは前記
    q軸電圧指令値であり、θreは前記回転界磁の回転位置
    を示す電気角である。
  5. 【請求項5】 前記制御演算手段は、前記基本波相電圧
    指令値を表す正弦波の振幅を、前記ブラシレスモータを
    駆動するための電源電圧の1/√3以下に制限する振幅
    制限手段を更に含むことを特徴とする、請求項3または
    4に記載の電動パワーステアリング装置。
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