JP4052279B2 - 減速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カーブ等を旋回走行する車両の減速制御を行うようにした減速制御装置に関するものである。
従来の減速制御装置としては、車両前方の道路形状と車両の運転状態とに基づいて目標ヨーモーメントを算出し、その目標ヨーモーメントを実現するように所定の車輪に制動力を付与することにより、カーブ旋回中にドライバの操作が実際の道路形状に対して不足している場合等において、車線逸脱を防止するというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−120711号公報(第3頁、図5)
しかしながら、上記従来の減速制御装置にあっては、左右の車輪に制動力差を与えることにより車両にヨーモーメントを発生させるヨー制御を行っているというだけのものであるので、車両をカーブ状態に適した車速まで減速させる減速制御を行うことができないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、旋回走行時において運転者に違和感を与えることなく適切な減速制御を行うことができる減速制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る減速制御装置は、カーブ状態検出手段で自車走行車線前方のカーブ状態を検出し、前記カーブ状態検出手段で検出したカーブ状態及び運転者による操舵状態に基づいて、減速制御量補正手段で前記減速制御手段による減速制御の制御量を補正する。
本発明によれば、自車走行車線のカーブ状態に応じて減速制御の制御量を補正するので、例えば、運転者の操舵が実際のカーブ状態に対して不足している場合には、減速制御量を大きく補正することにより、自車両に大きな制動力を発生させて、自車両をカーブ状態に適した車速まで減速させることができる等、旋回走行時における安定走行を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明における減速制御装置を後輪駆動車に適用した場合の概略構成図である。
図中1は、制動流体圧制御装置であって、各車輪2FL〜2RRの図示しない各ホイールシリンダに供給される制動流体圧を制御するように構成されている。つまり、通常は、ドライバによるブレーキペダルの踏込み量に応じて、マスタシリンダで昇圧された制動流体圧が各ホイールシリンダに供給されるようになっているが、マスタシリンダと各ホイールシリンダとの間に介挿された制動流体圧制御装置1によって、ブレーキペダルの操作とは別に各ホイールシリンダへの制動流体圧を制御するようになっている。
前記制動流体圧制御装置1は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものである。
この制動流体圧制御装置1は、後述する減速制御コントローラ10からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダの制動流体圧を制御する。
また、この車両には、自車両に発生するヨーレートφ′を検出するヨーレートセンサ11、図示しないステアリングホイールの操舵角δを検出する操舵角検出手段としての操舵角センサ12、各車輪2FL〜2RRの回転速度、いわゆる車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ13FL〜13RRが設けられ、それらの検出信号は前記減速制御コントローラ10に出力される。
また、この車両には、カーブ状態検出手段としてのナビゲーション装置15が設けられている。このナビゲーション装置15は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用して自車両位置を検出するように構成されており、全国地図情報装置15aや走行経路情報装置15bを備えている。
全国地図情報装置15aは、自車両が走行している前方の走行路の情報、走行路の形状情報(例えばカーブ路の半径)、走行路の勾配等の地形情報、交差点やトンネル等の環境情報を保持している。
また、全国地図情報装置15aは、走行路上に設定されたノード点の座標を示すノード点情報を保持している。ここで、ノード点は、車両が走行し得る走行経路上を点として示すものであり、すなわちノード列は車両が走行する直線又は曲線の走行経路を示すものになる。また、このノード点情報には、例えば道路の幅、道路の種別、交差点、トンネル、進入禁止路等の情報が付加されている。
また、走行路情報装置15bは、いわゆる道路に設置されているインフラストラクチャ(以下、インフラと称す)設備と情報の通信を行って走行路の環境を検出する。
このナビゲーション装置15は、全国地図情報装置15aが保持している情報から前記走行路のノード点(複数のある場合には複数のノード点)の座標を示すノード点情報(前方道路情報)を検索し、そのノード点情報を、自車両位置情報と共に減速制御コントローラ10に出力する。
図2は、減速制御コントローラ10の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、減速制御コントローラ10は、ナビゲーション装置15からのノード点情報に基づいて旋回半径R及び旋回方向を算出するナビゲーション情報処理部21と、ナビゲーション情報処理部21で算出された旋回半径Rに基づいて、自車両のコーナにおける道路形状目標車速としてのナビ目標車速Vrを算出するナビ目標車速算出部22と、旋回半径Rとナビ目標車速Vrとに基づいて、ナビ目標舵角δrを算出する目標舵角演算手段としてのナビ目標舵角算出部23と、ナビ目標舵角算出部23で算出されたナビ目標舵角δrと操舵角センサ12で検出された操舵角δとの偏差Δδを算出する舵角偏差演算手段としての舵角偏差算出部24とを備えている。
また、減速制御コントローラ10は、操舵角センサ12からの操舵角δと車輪速センサ13FL〜13RRからの車輪速VwFL〜VwRRとに基づいて、自車両に発生するヨーレートφ′sを推定するヨーレート推定部25と、このヨーレート推定部25で推定した推定ヨーレートφ′sと、ヨーレートセンサ11で検出された実ヨーレートφ′とのいずれか大きい方を選択し、これを、演算処理に用いるヨーレートセレクト値φ*とするヨーレートセレクト部26と、横加速度制限値Yg*を算出する横加速度制限値算出部27と、ヨーレートセレクト部26で算出したヨーレートセレクト値φ*と横加速度制限値算出部27で算出した横加速度制限値Yg*とに基づいて目標車速V*を算出する目標車速算出部28と、目標車速算出部28で算出した目標車速V*に基づいて目標減速度Xg*を算出する目標減速度算出部29と、この目標減速度算出部29で算出した目標減速度Xg*を実現するように制動流体圧制御装置1を駆動制御する減速制御演算部30とを備えている。
そして、前記横加速度制限値算出部27、前記目標減速度算出部29、前記減速制御演算部30はそれぞれ前記舵角偏差算出部24で算出された舵角偏差Δδに応じて出力値を設定するように構成されている。
次に、前記減速制御コントローラ10で行われる減速制御量設定処理手順を図3のフローチャートに従って説明する。この減速制御量設定処理は、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1で各種センサからの信号を読込む。
具体的には、ヨーレートセンサ11からの実ヨーレートφ′、操舵角センサ12からの操舵角δ、車輪速センサ13FL〜13RRからの車輪速度Vwi(i=FL〜RR)、ナビゲーション装置15からの自車両位置(X,Y)及び自車両前方の各ノード点Nj(j=1〜n、nは整数)のノード点情報(Xj,Yj,Lj)を読込む。
ここで、Xj,Yjはノード点の座標であり、Ljは自車両位置(X,Y)からそのノード点の位置(Xj,Yj)までの距離情報である。また、各ノード点Nj(j=1〜n)の間の関係は、jの値が大きいノード点Njほど自車両から遠くなる。
次に、ステップS2では、車速Vを算出する。この車速Vは、車輪速センサ13FL〜13RRで検出した車輪速Vwiのうち、例えば、非駆動輪としての前輪の車輪速度VwFL、VwFRの平均値から、次式をもとに算出する。
V=(VwFL+VwFR)/2 ………(1)
なお、ここでは、前輪速度VwFL、VwFLに基づいて走行速度Vを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、車両に公知のアンチスキッド制御を行うABS制御装置が搭載されており、このABS制御装置によりアンチスキッド制御が行われている場合には、このアンチスキッド制御での処理過程で推定される推定車体速を用いるようにしてもよい。
また、本発明を前輪駆動車に適用した場合には、各車輪速度VwFL〜VwRRのうち、非駆動輪である後輪の車輪速度VwRL、VwRRの平均値から自車両の車速Vを算出すればよい。
次いで、ステップS3に移行して、図4に示す舵角偏差算出処理を行う。先ず、ステップS31で、前記ステップS1で読込んだノード情報に基づいて、各ノード点Njの旋回半径Rjを算出し、ステップS32に移行する。
ここで、旋回半径の算出方法にはいくつかの方法があるが、ここでは、連続する3点の座標に基づいて旋回半径を算出する。この場合、下記(2)式により旋回半径Rjを得る。
j=f(Xj−1,Yj−1,Xj,Yj,Xj+1,Yj+1) ………(2)
ここで、関数f( )は3点の座標(Xj−1,Yj−1)、(Xj,Yj)、(Xj+1,Yj+1)から旋回半径を算出する関数である。また、この関数f( )により算出した旋回半径Rjには正負の値があり、負の値の場合は左旋回であり、正の場合は右旋回である。
また、ノード点とカーブとの関係についていうと、カーブ内に1つのノード点が設定されている場合と、カーブ内に複数のノード点が設定されている場合がある。前述の方法の場合には、カーブ内に少なくとも3つのノード点が設定されていることが前提になる。
ステップS32では、得られた複数のノード点Njの中から、前記ステップS31で算出した旋回半径Rjを参照して、制御の対象とする目標ノード点の選択を行う。具体的には、旋回半径Rjが極小になる、又はコーナ起点のノード点であって、自車両に最も近いノード点を目標ノード点として選択する。
次にステップS33では、ナビ目標車速Vrを算出する。この処理は図2のナビ目標車速算出部22で行われ、具体的には、推定した路面摩擦係数μ、先に得た目標ノード点の旋回半径Rj及び予め設定された横加速度制限値Ygr*に基づいて、次式をもとに算出する。
Vr=μ×Ygr*×|Rj| ………(3)
ここで、横加速度制限値Ygr*は、例えば0.4Gとする。また、例えば、ドライバによる設定横加速度としてもよい。
この上記(3)式によれば、旋回半径Rjが大きくなるほどナビ目標車速Vrは大きく算出される。
なお、路面摩擦係数μの推定は、公知の手順で行うようにしてもよく、また、路面摩擦係数を検出するセンサを設け、このセンサの出力を路面摩擦係数推定値として用いるようにしてもよい。
次にステップS34では、ナビ目標舵角δrを算出する。この処理は図2のナビ目標舵角算出部23で行われ、具体的には、先に得た目標ノード点の旋回半径Rjとナビ目標車速Vrとに基づいて、次式をもとに算出し、ステップS35に移行する。
δr=(1+AV 2)(l/Rj) ………(4)
ここで、lはホイールベース、Aはスタビリティファクタである。
ステップS35では、ナビによる目標舵角δrと操舵角センサ12で検出されたドライバ舵角δとの偏差Δδを、次式をもとに算出してからステップS36に移行する。この処理は図2の舵角偏差算出部24で行われる。
Δδ=(δr−δ)C ………(5)
ここで、Cは所定の舵角偏差ゲインであり、通常は1に設定されている。また、上記(5)式により算出された舵角偏差ΔδがΔδ<0であるときには、Δδ=0とするものとする。
ステップS36では、前記ステップS35で算出した舵角偏差Δδが予め設定された偏差閾値ΔδTHより大きいか否かを判定し、Δδ>ΔδTHであるときには、ドライバ舵角δがナビ目標舵角δrに対して不足していると判断してステップS37に移行し、舵角補正フラグflg_strを“1”にセットしてから舵角偏差算出処理を終了し、所定のメインプログラムに復帰する。
一方、前記ステップS36の判定結果が、Δδ≦ΔδTHであるときには、ドライバによる十分な操舵がなされていると判断してステップS38に移行し、舵角補正フラグflg_strを“0”にリセットしてから舵角偏差算出処理を終了し、所定のメインプログラムに復帰する。
次に、図3のステップS4では、先ず、ヨーレートを推定する。ここでのヨーレートの推定は、一般的な手法により操舵角δと車速Vとに基づいて行う。そして、推定したヨーレート推定値φ′sと、ヨーレートセンサ11で検出された実ヨーレートφ′とからセレクトハイ(大きい方の値の選択)を行ってヨーレートセレクト値φ*(>0)とする。
一般的には、舵角から求まるヨーレート推定値の方が、ヨーレートセンサ11が検出したヨーレート実測値よりも早く検出できる。しかし、低摩擦係数路等の走行時に、ハンドルをあまり切らない状態でヨーレートが増加する方向に車両挙動が変化する場合(例えばスロースピンモードの場合)がある。このようなことから、ヨーレート推定値とヨーレート実測値とからセレクトハイを行うことで、ヨーレート実測値も選択可能にして、ヨーレート実測値の方が大きい値である場合には、このヨーレート実測値を選択し、減速制御を早期に介入できるようにする。
次に、ステップS5では、横加速度制限値Yg*を下記(6)式をもとに算出する。横加速度制限値Yg*は、カーブ内を車両が安定して走行するための目標横加速度の限界値である。
Yg*=Yga ………(6)
ここで、Ygaは目標横加速度であり、予め設定された所定値(例えば、0.45G)とする。
次にステップS6で、推定した路面摩擦係数μ、ヨーレートセレクト値φ*及び横加速度制限値Yg*に基づいて、下記(7)式をもとに目標車速V*を算出する。
*=μ×Yg*/φ* ………(7)
上記(7)式によれば、目標車速V*は、路面摩擦係数μが低いほど小さな値となって制御が介入されやすくなり、また、横加速度制限値Yg*が小さいほど小さな値となって制御が介入されやすくなり、ヨーレートセレクト値φ*が大きいほど小さな値となって制御が介入されやすくなるように設定される。
次いで、ステップS7に移行して、目標減速度Xg*を算出する。具体的には、前記ステップS2で算出した自車両の走行速度Vと、前記ステップS6で算出した目標車速V*との差に基づいて、下記(8)式をもとに算出する。
Xg*=ΔXg×(V−V*)/Δt ………(8)
ここで、ΔXgは所定のゲイン、Δtは所定時間であって、走行速度Vと目標車速V*との差を零にするまでの所要時間である。
つまり、目標減速度Xg*は、自車両の走行速度Vと目標車速V*との差が正の方向へ大きくなるほど大きく算出される。目標減速度Xg*は、Xg*>0であるときに減速側とする。
なお、ここでは、自車両の走行速度Vと目標車速V*との差に基づいて目標減速度Xg*を算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、自車両の走行速度Vと目標車速V*との差である速度偏差の差分を考慮して、下記(9)式をもとに目標減速度Xg*を算出するようにしてもよい。
Xg*={K1×(V−V*)+K2×Δ(V−V*)}/Δt ………(9)
ここで、K1及びK2は所定のゲイン、Δ(V−V*)は今回の速度偏差から1サンプリング前の速度偏差との差分である。
このように車速偏差の差分値を考慮することにより、例えば、比較的早い速度で操舵を行った場合には、ヨーレートセレクト値φ*の変化量に対する目標減速度Xg*の増加量も多くなる。よって、例えばドライバが速い操舵操作を行った場合、目標減速度がそれに応じて即座に反応して、瞬時に増加するようになる。この結果、ドライバの操舵操作に応じて素早く減速制御を行うことができる。
次いでステップS8に移行して、前記ステップS7で算出した目標減速度Xg*が正であるか否かを判定し、Xg*≦0であるときには、減速制御を行う必要はないと判断してステップS9に移行し、減速制御の解除処理を行ってステップS10に移行する。
このステップS9では、制動流体圧を制御しており、増圧制御による減速制御を行っている場合には、この増圧分が徐々に零になるように制動流体圧制御装置1を制御するための制御信号を生成する。また、増圧制御を行っていない場合には、引き続き制動流体圧の制御を行わないようにする。
そして、ステップS10では、制動流体圧の増圧制御により減速制御が行われているか否かを判断する減速制御作動フラグflg_brを、制動流体圧の増圧制御が行われていないことを意味する“0”にリセットしてから後述するステップS15に移行する。
一方、前記ステップS8の判定結果がXg*>0であるときには、減速制御を行う必要があるものと判断してステップS11に移行する。このステップS11では、舵角補正フラグflg_strが、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えていることを意味する“1”にセットされているか否かを判定し、flg_str=1であるときにはステップS12に移行する。
ステップS12では、舵角偏差Δδに応じてフィルタf(Ps)の傾きを変更し、ステップS13に移行する。ここで、フィルタf(Ps)は、後述するように目標減速度Xg*に基づいて算出される制動流体圧Psに対してフィルタ処理を施すことにより、目標制動液体圧P*を算出するためのものである。
図5は、フィルタf(Ps)の傾きを算出するためのマップであり、横軸は舵角偏差Δδ、縦軸はフィルタf(Ps)の傾きである。図5に示すように、舵角偏差Δδが比較的小さい領域では、フィルタf(Ps)の傾きは比較的小さい一定値に維持され、舵角偏差Δδが大きくなるほどこれに比例してフィルタf(Ps)の傾きも大きくなるように設定されている。
一方、前記ステップS11の判定結果がflg_str=0であるときには、そのままステップS13に移行する。
ステップS13では、実際の減速度が前記ステップS7で算出した目標減速度Xg*となるように、制動流体圧制御装置1を駆動制御するための制御信号を生成する。
具体的には、先ず、前記ステップS7で算出した目標減速度Xg*に基づいて、下記(10)式をもとに制動流体圧Psを算出する。
Ps=Xg*×S ………(10)
ここで、Sは減速度から液圧に換算するための所定のゲインである。そして、上記(10)式により算出された制動液体圧Psにフィルタ処理を施し、それを目標制動液体圧P*として算出すると共に、目標制動液体圧P*を実現するための制御信号を生成してステップS14に移行する。
*=f(Ps) ………(11)
なお、フィルタf(Ps)の傾きが大きいほど目標制動液体圧P*は大きい値に算出され、自車両に大きな減速度を発生させることになる。
ステップS14では、減速制御作動フラグflg_brが制動流体圧の増圧制御を行っていることを意味する“1”にセットしてステップS15に移行する。
そして、ステップS15では、前記ステップS9又はS13で生成された制御信号を制動流体圧制御装置1に出力してからタイマ割込み処理を終了し、所定のメインプログラムに復帰する。
次に、上記第1の実施形態の動作を、図6に示すタイムチャートをもとに説明する。
この図6において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)は舵角偏差Δδ、(d)は舵角補正フラグflg_strの状態、(e)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
今、運転者によるステアリング操作が行われていない状態で、自車両が直進路を走行中であるものとする。この場合には、操舵角δは略零を維持することになる。これにより、図2のステップS4でヨーレートセレクト値φ*が略零に算出され、ステップS6で目標車速V*が比較的大きい値に算出されて、ステップS7で負値となる目標減速度Xg*が算出される。そして、ステップS8の判定によりステップS9に移行するので、減速制御が介入されることなく運転者のアクセル及びブレーキ操作に応じた走行が継続される。
この状態から時刻t1で運転者が操舵を行って旋回走行に移行すると、自車両に発生するヨーレートセレクト値φ*が徐々に増加し、目標車速V*が徐々に小さい値に算出される。自車速Vが目標車速V*を上回らない間は、前記(8)式より目標減速度Xg*は負値として算出されるので、減速制御は行われないが、時刻t2で自車速Vが目標車速V*を上回ることにより目標減速度Xg*が正値となると、この目標減速度Xg*を実現するような目標制動液体圧P*が算出され、制動流体圧制御装置1によって制動流体圧の増圧制御が行われて自車両に減速度が発生することになる。
このとき、ドライバ舵角δが図6(a)の一点鎖線に示すナビ目標舵角δrと略一致しており、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えていないときには、運転者によるステアリング操作が道路形状に対して十分であると判断されるので、目標制動液体圧P*が補正されることなくヨーレートセレクト値φ*及び走行車速Vに応じた減速制御が行われる。
この状態からドライバ舵角δがナビ目標舵角δrに対して不足していき、時刻t3で操舵偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えたものとする。この場合には、舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされ、ステップS11の判定によりステップS12に移行して、フィルタf(Ps)の傾きが舵角偏差Δδに応じて変更され、変更されたフィルタf(Ps)の傾きに応じた目標制動液体圧P*が算出される。
図6(e)の二点鎖線は、フィルタf(Ps)の傾きを変更しない場合の目標制動液体圧P*の変化度合を示したものである。舵角偏差Δδが大きくなるほど、フィルタf(Ps)の傾きを大きい値に変更することより、目標制動液体圧P*の変化度合を大きくして、自車両に大きな減速力が発生することがわかる。
したがって、自車両が旋回走行しており、ドライバ舵角δが自車走行路のカーブ状態から算出されるナビ目標舵角δrに対して不足しているときには、舵角偏差Δδに応じてより大きな減速度が得られるように減速制御が行われるので、例えば、前方カーブが徐々に小さくなる場合において、運転者によるステアリングの切り増し操作が行われないことにより、車両が走行車線から逸脱傾向にある場合などでも、自車両を十分に減速させて安定走行を確保することができる。
このように、上記第1の実施形態では、旋回走行時において、自車両が安定走行することができる車速となるように減速制御を行い、さらに自車走行路のカーブ状態に応じて減速制御の制御量を設定するので、効果的に減速制御を行うことができ、自車両の車線逸脱を適切に防止することができる。
また、ナビゲーション装置によって検知した自車走行車線前方のカーブ状態と、横加速度とに基づくナビ目標車速から目標舵角を算出し、この目標舵角とドライバによる操舵角との偏差に応じて減速制御の制御量を変更するので、道路形状に対するドライバのステアリング操作不足を的確に把握して、より減速効果を得ることができる。
さらに、目標舵角とドライバ舵角との偏差が所定値を超えたときに、舵角偏差が大きくなるほど制動流体圧の増圧制御の変化度合を大きくして、減速制御の制御量を大きくする方向に変更するので、通常の減速制御による減速制御量の不足分を的確に判断して、自車両を十分に減速させることができると共に、走行車線からの逸脱を確実に防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、ドライバ舵角とナビ目標舵角との偏差が所定の閾値を超えたとき、横加速度制限値を補正することにより、減速制御の制御量を変更するようにしたものである。
図7は、第2の実施形態における減速制御コントローラ10で実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートであって、前述した第1の実施形態における図3の減速制御量設定処理において、ステップS5の後に減速制御作動フラグflg_brが“1”にセットされているか否かを判定するステップS101と、前記ステップS101の判定結果がYesであるときに舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判断するステップS102と、前記ステップS102の判定がYesであるときに横加速度制限値Yg*を補正するための補正ゲインΔYgを算出するステップS103と、前記ステップS103で算出した補正ゲインΔYgに基づいて横加速度制限値Yg*を補正するステップS104とを追加し、ステップS11及びS12を削除したことを除いては図3と同様の処理を行い、図3との対応部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
すなわち、ステップS101で、前回のサンプリング処理において減速制御が行われており、減速制御作動フラグflg_brが、制動流体圧の増圧制御が行われていることを意味する“1”にセットされているか否かを判定し、flg_br=1であるときには、ステップS102に移行する。
ステップS102では、前記ステップS3の舵角偏差算出処理で設定される舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判定し、flg_str=1であるときには、ステップS103に移行する。
ステップS103では、図8に示す補正ゲインΔYg算出マップを参照し、舵角偏差Δδに応じて補正ゲインΔYgを算出して、ステップS104に移行する。この補正ゲインΔYg算出マップは、舵角偏差Δδが比較的小さい領域では補正ゲインΔYgが1に算出され、中程度の領域では舵角偏差Δδが大きくなるほど補正ゲインΔYgが小さくなるように算出され、比較的大きい領域では補正ゲインΔYgが比較的小さな一定値に算出されるように設定されている。このように、補正ゲインΔYgは0<ΔYg≦1を満足するように算出される。
ステップS104では、前記ステップS103で算出した補正ゲインΔYgを前記ステップS5で算出した横加速度制限値Yg*に乗算することにより、横加速度制限値Yg*を補正し、前記ステップS6に移行する。
Yg*=Yg*×ΔYg ………(12)
一方、前記ステップS101の判定結果がflg_br=0であるときには、横加速度制限値Yg*を補正する必要はないと判断して、そのまま前記ステップS6に移行する。また、前記ステップS102の判定結果がflg_str=0であるときにも、横加速度制限値Yg*を補正する必要はないと判断して、そのまま前記ステップS6に移行する。
次に、この第2の実施形態の動作を、図9及び図10に示すタイムチャートをもとに説明する。
この図9及び図10において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)は舵角偏差Δδ、(d)は舵角補正フラグflg_strの状態、(e)は横加速度制限値Yg*、(f)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
今、自車両がカーブに進入し、図9に示すように、時刻t11で運転者がステアリング操作を行ったものとする。そして、時刻t12で自車速Vが目標車速V*を上回ることにより、目標減速度Xg*が正値となると、減速制御作動フラグflg_br=1となって制動流体圧の増圧制御による減速制御が開始される。このとき、ドライバ舵角δがナビ目標舵角δrと略一致しており、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えていないときには、運転者によるステアリング操作が道路形状に対して十分であると判断されるので、目標制動液体圧P*が補正されることなくヨーレートセレクト値φ*及び走行車速Vに応じた減速制御が行われる。
この状態から、前方カーブが徐々に小さくなるにもかかわらず運転者によるステアリングの切り増しが行われない等により、ドライバ舵角δがナビ目標舵角δrに対して不足していき、時刻t13で舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えると、ステップS102の判定によりステップS103に移行して、舵角偏差Δδに応じた補正ゲインΔYgが算出される。このとき、舵角偏差Δδが大きいほど、補正ゲインΔYgは小さく設定されるので、横加速度制限値Yg*が減少補正される。したがって、前記(7)式より目標車速V*が小さく算出され、前記(8)式より目標減速度Xg*が大きく算出されるので、目標制動液体圧P*が大きく算出されて、自車両に大きな減速力が発生することになる。
図9(f)の二点鎖線は、横加速度制限値Yg*を変更しない場合の目標制動液体圧P*の変化状況を示したものである。舵角偏差Δδが大きくなるほど横加速度制限値Yg*を小さく設定することより、目標制動液体圧P*を大きくして、自車両に大きな減速力が発生することがわかる。
このように、自車両が旋回走行しており、ドライバ舵角δが自車走行路のカーブ状態から算出されるナビ目標舵角δrに対して不足しているときには、横加速度制限値Yg*を小さな値となるように補正することにより、より大きな減速度が得られるように減速制御が行われるので、例えば、前方カーブが徐々に小さくなる場合において、運転者によるステアリングの切り増し操作が行われないことにより、車両が走行車線から逸脱傾向にある場合などでも、自車両を十分に減速させて安定走行を確保することができる。
また、図10に示すように、自車両が旋回走行を行っている場合に、時刻t21でドライバ舵角δがナビ目標舵角δrに対して不足しており、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えたものとする。このとき、減速制御は行われておらず、減速制御作動フラグflg_br=0であるとすると、ステップS101の判定によりステップS6に移行するので、横加速度制限値Yg*は補正されない。
ここで、仮に横加速度制限値Yg*が小さく補正されたものとすると、前記(7)式より目標車速V*は小さく算出され、目標減速度Xg*が大きく算出されることになる。即ち、路面摩擦係数μ及びヨーレートセレクト値φ*が同じ値であっても、減速制御が介入するタイミングが早まることになり、運転者に対して違和感を与える可能性がある。
しかしながら、本実施形態においては、減速制御作動フラグflg_brの判定を行い、減速制御が作動されていない場合には、横加速度制限値Yg*の補正を行わないことにより、減速制御介入のタイミングが変更されることに起因する運転者の違和感を抑制することができる。
この状態から、時刻t22で目標減速度Xg*が正値となったものとする。この場合には、ステップS101の判定によりステップS102に移行し、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えているのでステップS103に移行して横加速度制限値Yg*の補正を行うための補正ゲインΔYgを算出する。そして、舵角偏差Δδに応じて算出された補正ゲインΔYgに基づいて横加速度制限値Yg*を減少補正することにより、目標車速V*を小さく算出し、目標制動液体圧P*を大きく算出して、自車両に大きな減速力を発生させる。
図10(f)の二点鎖線は、横加速度制限値Yg*を変更しない場合の目標制動液体圧P*の変化状況を示したものである。舵角偏差Δδが大きくなるほど横加速度制限値Yg*を小さく設定することより、減速制御の介入と同時に目標制動液体圧P*を大きくして、自車両に大きな減速力が発生することがわかる。
したがって、舵角偏差Δδが大きいときには、減速制御の介入と同時に横加速度制限値Yg*の補正を行って、目標制動液体圧P*を大きく算出するので、減速制御の介入タイミングを変更されることに起因する運転者への違和感を抑制することができると共に、減速制御の介入条件が成立したときには制御介入と同時に自車両を十分に減速させて、安定走行を確保することができる。
このように、上記第2の実施形態では、目標舵角とドライバ舵角との偏差が所定値を超えたとき、舵角偏差が大きくなるほど横加速度制限値を小さく算出して、減速制御の制御量を大きくする方向に変更するので、通常の減速制御による減速制御量の不足分を的確に判断して、自車両を十分に減速させることができると共に、走行車線からの逸脱を確実に防止することができる。
また、目標舵角とドライバ舵角との偏差が所定値を超え、且つ制動流体圧の増圧制御による減速制御が行われているときに、舵角偏差に応じて横加速度制限値を小さな値に変更するので、減速制御の介入タイミングを変更することなく十分な減速効果を得ることができ、運転者に違和感を与えることなく安定した走行を行うことができる。
なお、上記第2の実施形態においては、前記(12)式に示すように、補正ゲインΔYgを前記ステップS5で算出した横加速度制限値Yg*に乗算する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、横加速度制限値Yg*から所定の補正値ΔYg1(>0)を減算することにより横加速度制限値Yg*を補正するようにしてもよい。
Yg*=Yg*−ΔYg1 ………(13)
ここで、補正値ΔYg1は舵角偏差Δδが大きくなるほど大きい値となるように設定する。このように補正することにより、舵角偏差Δδが大きいほど横加速度制限値Yg*を小さい値に補正して、減速制御量を大きくすることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、ドライバ舵角とナビ目標舵角との偏差が所定の閾値を超えたとき、目標減速度を補正することにより、減速制御の制御量を変更するようにしたものである。
図11は、第3の実施形態における減速制御コントローラ10で実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートであって、前述した第1の実施形態における図3の減速制御量設定処理において、ステップS7の後に減速制御作動フラグflg_brが“1”にセットされているか否かを判定するステップS201と、前記ステップS201の判定結果がYesであるときに舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判断するステップS202と、前記ステップS202の判定がYesであるときに目標減速度Xg*を補正するための補正ゲインΔXgを算出するステップS203と、前記ステップS203で算出した補正ゲインΔXgに基づいて目標減速度Xg*を補正するステップS204とを追加し、ステップS11及びS12を削除したことを除いては図3と同様の処理を行い、図3との対応部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
すなわち、ステップS201で、前回のサンプリング処理において、減速制御が行われており、減速制御作動フラグflg_brが、制動流体圧の増圧制御が行われていることを意味する“1”にセットされているか否かを判定し、flg_br=1であるときには、ステップS202に移行する。
ステップS202では、前記ステップS3の舵角偏差算出処理で設定された舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判定し、flg_str=1であるときには、ステップS203に移行する。
ステップS203では、図12に示す補正ゲインΔXg算出マップを参照し、舵角偏差Δδに応じて補正ゲインΔXgを算出し、ステップS204に移行する。この補正ゲインΔXg算出マップは、舵角偏差Δδが比較的小さい領域では補正ゲインΔXgが1に算出され、中程度の領域では舵角偏差Δδが大きくなるほど補正ゲインΔXgが大きくなるように算出され、比較的大きい領域では補正ゲインΔXgが比較的大きな一定値に算出されるように設定されている。このように、補正ゲインΔXgはΔXg≧1を満足するように算出される。
ステップS204では、前記ステップS203で算出した補正ゲインΔXgを前記ステップS7で算出した目標減速度Xg*に乗算することにより、目標減速度Xg*を補正し、前記ステップS8に移行する。
Xg*=Xg*×ΔXg ………(14)
一方、前記ステップS201の判定結果がflg_br=0であるときには、目標減速度Xg*を補正する必要はないと判断して、そのまま前記ステップS8に移行する。また、前記ステップS202の判定結果がflg_str=0であるときにも、目標減速度Xg*を補正する必要はないと判断して、そのまま前記ステップS8に移行する。
次に、この第3の実施形態の動作を、図13及び図14に示すタイムチャートをもとに説明する。
この図13及び図14において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)は舵角偏差Δδ、(d)は舵角補正フラグflg_strの状態、(e)は目標減速度Xg*、(f)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
今、自車両がカーブに進入し、図13に示すように、時刻t31で運転者がステアリング操作を行ったものとする。そして、時刻t32で自車速Vが目標車速V*を上回ることにより、目標減速度Xg*が正値となると、減速制御作動フラグflg_br=1となって減速制御が開始される。このとき、ドライバ舵角δがナビ目標舵角δrと略一致しており、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えていないときには、運転者によるステアリング操作が十分であると判断されるので、目標制動液体圧P*が補正されることなくヨーレートセレクト値φ*及び走行車速Vに応じた減速制御が行われる。
この状態から、前方カーブが徐々に小さくなるにもかかわらず運転者によるステアリングの切り増しが行われない等により、時刻t33で舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えると、ステップS202の判定によりステップS203に移行して、舵角偏差Δδに応じた補正ゲインΔXgが算出される。このとき、舵角偏差Δδが大きくなるほど、補正ゲインΔXgは大きく設定されるので、図13(e)の二点鎖線で示す通常値と比較して、目標減速度Xg*は大きく算出される。これにより、図13(f)に示すように、二点鎖線で示す通常値と比較して目標制動液体圧P*が大きく算出されて、自車両に大きな減速力が発生することになる。
このように、自車両が旋回走行しており、ドライバ舵角δが自車走行路のカーブ状態から算出されるナビ目標舵角δrに対して不足しているときには、目標減速度Xg*を大きな値となるように補正することにより、より大きな減速度が得られるように減速制御が行われるので、例えば、前方カーブが徐々に小さくなる場合において、運転者によるステアリングの切り増し操作が行われないことにより、車両が走行車線から逸脱傾向にある場合などでも、自車両を十分に減速させて安定走行を確保することができる。
また、図14に示すように、自車両が旋回走行を行っている場合に、時刻t41でドライバ舵角δがナビ目標舵角δrに対して不足しており、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えたものとする。このとき、減速制御は行われておらず、減速制御作動フラグflg_br=0であるとすると、ステップS201の判定によりステップS8に移行するので、目標減速度Xg*は補正されないようにする。
ここで、仮に目標減速度Xg*が大きく補正されたものとすると、路面摩擦係数μ及びヨーレートセレクト値φ*が同じ値であっても、減速制御が介入するタイミングが早まることになり、運転者に対して違和感を与える可能性がある。
しかしながら、本実施形態においては、減速制御作動フラグflg_brの判定を行い、減速制御が作動されていない場合には、目標減速度Xg*の補正を行わないことにより、減速制御介入のタイミングが変更されることに起因する運転者の違和感を抑制することができる。
この状態から、時刻t42で目標減速度Xg*が正値となったものとする。この場合には、ステップS201の判定によりステップS202に移行し、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えているのでステップS203に移行して目標減速度Xg*の補正を行うための補正ゲインΔXgを算出する。そして、舵角偏差Δδに応じて算出された補正ゲインΔXgに基づいて目標減速度Xg*を増加補正することにより、目標制動液体圧P*を大きく算出して、自車両に大きな減速力を発生させる。
図14(f)の二点鎖線は、目標減速度Xg*を変更しない場合の目標制動液体圧P*の変化状況を示したものである。舵角偏差Δδが大きくなるほど目標減速度Xg*を大きく設定することより、減速制御の介入と同時に目標制動液体圧P*を大きくして、自車両に大きな減速力が発生することがわかる。
したがって、舵角偏差Δδが大きいときには、減速制御の介入と同時に目標減速度Xg*の補正を行って、目標制動液体圧P*を大きく算出するので、減速制御の介入タイミングを変更されることに起因する運転者への違和感を防止することができると共に、減速制御の介入条件が成立したときには制御介入と同時に自車両を十分に減速させて、安定走行を確保することができる。
このように、上記第3の実施形態では、目標舵角とドライバ舵角との偏差が所定値を超えたとき、舵角偏差が大きくなるほど目標減速度を大きく算出して、減速制御の制御量を大きくする方向に変更するので、通常の減速制御による減速制御量の不足分を的確に判断して、自車両を十分に減速させることができると共に、走行車線からの逸脱を確実に防止することができる。
また、目標舵角とドライバ舵角との偏差が所定値を超え、且つ制動流体圧の増圧制御による減速制御が行われているときに、舵角偏差に応じて目標減速度を大きな値に変更するので、減速制御の介入タイミングを変更することなく十分な減速効果を得ることができ、運転者に違和感を与えることなく安定した走行を行うことができる。
なお、上記第3の実施形態においては、前記(14)式に示すように、補正ゲインΔXgを前記ステップS7で算出した目標減速度Xg*に乗算する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、目標減速度Xg*に所定の補正値ΔXg1(>0)を加算することにより目標減速度Xg*を補正するようにしてもよい。
Xg*=Xg*−ΔXg1 ………(15)
ここで、補正値ΔXg1は舵角偏差Δδが大きくなるほど大きい値となるように設定する。このように補正することにより、舵角偏差Δδが大きいほど目標減速度Xg*を大きい値に補正して、減速制御量を大きくすることができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態は、アクセルペダルを操作していないときにはブレーキ制御のみを行い、アクセルペダルを操作しているときにはスロットル制御のみを行い、さらにアクセルペダル操作中に舵角偏差が所定値を越えたときには、ブレーキ制御も行うようにしたものである。
この第4の実施形態における減速制御装置は、図15に示すように、上述した第1の実施形態における図1の減速制御装置において、ドライバによる図示しないアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ14が設けられていると共に、図示しないスロットルバルブのスロットル開度を制御可能なエンジン制御手段としてのエンジンスロットル制御装置3が設けられている。このエンジンスロットル制御装置3は、単独でスロットル開度を制御可能であるが、前述した減速制御コントローラ10からのスロットル開度指令値が入力されたときには、そのスロットル開度指令値に応じてスロットル開度を制御するように構成されている。
この図15において、制動流体圧制御装置1が制動流体圧制御手段に対応している。
図16は、第4の実施形態における前記減速制御コントローラ10で実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートであって、前述した第1の実施形態における図3の減速制御量設定処理において、ステップS7の後にアクセル操作が行われているかを判定するステップS301と、前記ステップS301の判定結果がYesであるときに舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判断するステップS302と、前記ステップS302の判定結果がNoであるときに減速制御を解除するステップS303と、減速制御作動フラグflg_brを“0”にリセットするステップS304と、スロットル制御を行うためのスロットル開度指令値を生成するステップS305と、制動流体圧制御装置1及びスロットル開度制御装置3へ制御信号を出力するステップS306と、前記ステップS302の判定結果がYesであるときに目標制動流体圧P*を算出するステップS307と、減速制御作動フラグflg_brを“1”にセットするステップS308とを追加し、ステップS11及びS12を削除したことを除いては図3と同様の処理を行い、図3との対応部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
すなわち、ステップS301で、アクセルセンサ14の検出信号に基づいてアクセル操作が行われているか否かを判定し、アクセル操作を行っていないときには前記ステップS8に移行し、アクセル操作を行っているときにはステップS302に移行する。ここで、例えば、アクセルセンサ14の検出信号に基づいてスロットル開度が5%以上であることが検出されたときに、アクセル操作を行っていると判断するものとする。
ステップS302では、前記ステップS3の舵角偏差算出処理で設定された舵角補正フラグflg_strが“1”にセットされているか否かを判定し、flg_str=0であるときには、ステップS303に移行する。
ステップS303では、前記ステップS9と同様に、減速制御の解除処理を行ってからステップS304に移行し、減速制御作動フラグflg_brを、減速制御を行っていないことを示す“0”にリセットする。
次にステップS305では、前記ステップS7で算出した目標減速度Xg*を実現するよう、スロットル開度を制御するためのスロットル開度指令値を生成する。そして、ステップS306に移行して、制動流体圧制御装置1及びスロットル開度制御装置3へ制御信号を出力してからタイマ割込み処理を終了し、所定のメインプログラムに復帰する。
一方、前記ステップS302の判定結果がflg_str=1であるときには、ステップS307に移行し、前記ステップS1と同様に、目標制動流体圧P*を算出してステップS308に移行する。ステップS308では、減速制御作動フラグflg_brを、減速制御を行っていることを示す“1”にセットして、前記ステップS305に移行する。
次に、この第4の実施形態の動作を、図17に示すタイムチャートをもとに説明する。
この図17において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)は運転者によるアクセル操作が行われているか否かを判定するドライバ介入フラグflg_drであって、flg_dr=1であるときにはアクセル操作が行われていることを意味し、逆にflg_dr=0であるときにはアクセル操作が行われていないことを意味する。
また、(d)はエンジン制御によるスロットル開度の制御が行われているか否かを判定するエンジン制御作動フラグflg_ecであって、flg_ec=1であるときにはエンジン制御によるスロットル開度の制御が行われていることを意味し、逆にflg_ec=0であるときにはエンジン制御が行われていないことを意味する。
さらに、(e)舵角偏差Δδ、(f)は舵角補正フラグflg_strの状態、(g)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
今、自車両がカーブに進入し、図17に示すように、時刻t51で運転者がステアリング操作を行ったものとする。そして、時刻t52で自車速Vが目標車速V*を上回ることにより、目標減速度Xg*が正値となると、減速制御作動フラグflg_br=1となって減速制御が開始される。なお、このとき運転者はアクセル操作を行っていないので、スロットル開度の制御は行われず、制動流体圧制御による減速制御のみが行われる。
この状態から時刻t53で、運転者がアクセル操作を行うと共に舵角偏差Δδが生じたものとする。この場合には、ステップS301からステップS302に移行し、舵角偏差Δδは偏差閾値ΔδTHを超えていないので、ステップS302の判定によりステップS303に移行して、制動流体圧制御による減速制御を解除する。これにより、図17(g)に示すように、目標制動液体圧P*は徐々に小さくなっていくが、ステップS305でスロットル開度を閉方向に制御することにより、引き続き減速制御が行われる。
そして、その後、前方カーブが徐々に小さくなるにもかかわらず運転者によるステアリングの切り増しが行われない等により、時刻t54で舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えると、ステップS302の判定によりステップS307に移行し、目標制動液体圧P*が算出されて制動流体圧制御による減速制御を再開し、自車両を減速させる。なお、このときスロットル開度の制御も同時に行われる。
このように、上記第4の実施形態では、運転者がアクセル操作を行っているときには、基本的にスロットル開度制御のみによる減速制御を行い、運転者がアクセル操作を行っており、且つドライバ舵角δが自車走行路のカーブ状態から算出されるナビ目標舵角δrに対して不足しているときには、スロットル開度制御と共に制動流体圧制御も行うので、例えば、前方カーブが徐々に小さくなる場合において、運転者によるステアリングの切り増し操作が行われないことにより、車両が走行車線から逸脱傾向にある場合などでも、自車両を十分に減速させて安定走行を確保することができる。
なお、上記第4の実施形態においては、制動流体圧制御による減速制御を行う際に、上述した第1の実施形態のように、舵角偏差Δδに応じてフィルタf(Ps)の傾きを変更することにより、制動流体圧の変化度合を変更するようにしてもよい。これにより、より減速効果を得ることができる。
また、上記第4の実施形態においては、上述した第2の実施形態のように、舵角偏差Δδに応じて横加速度制限値Yg*を変更するようにしてもよい。これにより、より減速効果を得ることができる。
さらに、上記第4の実施形態においては、上述した第3の実施形態のように、舵角偏差Δδに応じて目標減速度Xg*を変更するようにしてもよい。これにより、より減速効果を得ることができる。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
この第5の実施形態は、第4の実施形態において、アクセルペダルの踏込み量に応じて舵角偏差を大きく算出することにより、減速制御量を変更するタイミングを変更するようにしたものである。
図18は、第5の実施形態における舵角偏差算出処理を示すフローチャートであって、前述した第4の実施形態における図4の舵角偏差算出処理において、ステップS34の後にアクセル操作が行われているかを判定するステップS401と、前記ステップS401の判定結果がYesであるときに、アクセル操作量に応じて舵角偏差ゲインCを変更するステップS402とを追加したことを除いては図4と同様の処理を行い、図4との対応部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
すなわち、ステップS401でアクセルセンサ14の検出信号に基づいてアクセル操作が行われているか否かを判定し、アクセル操作を行っていないときには前記ステップS35に移行し、アクセル操作を行っているときにはステップS402に移行する。ここで、例えば、アクセルセンサ14の検出信号に基づいてスロットル開度が5%以上であることが検出されたときに、アクセル操作を行っていると判断する。
ステップS402では、図19に示す舵角偏差ゲイン算出マップを参照し、アクセル操作量に応じて舵角偏差ゲインCを算出して前記ステップS35に移行する。この舵角偏差ゲイン算出マップは、横軸にアクセル開度Acc、縦軸に舵角偏差ゲインCをとり、アクセル開度Accが比較的小さいときには舵角偏差ゲインCは1に維持され、アクセル開度Accが所定値を超えるとアクセル開度Accが増加するほどこれに比例して舵角偏差ゲインCも増加するように設定されている。
次に、この第5の実施形態の動作を、図20に示すタイムチャートをもとに説明する。
この図20において、(a)は操舵角センサ12で検出される操舵角δ、(b)は減速制御作動フラグflg_brの状態、(c)はドライバ介入フラグflg_drの状態、(d)はエンジン制御作動フラグflg_ecの状態、(e)舵角偏差Δδ、(f)は舵角補正フラグflg_strの状態、(g)は目標制動液体圧P*の変化状況を示している。
今、自車両がカーブに進入し、図20に示すように、時刻t61で運転者がステアリング操作を行ったものとする。そして、時刻t62で自車速Vが目標車速V*を上回ることにより、目標減速度Xg*が正値となると、減速制御作動フラグflg_br=1となって減速制御が開始される。なお、このとき運転者はアクセル操作を行っていないので、スロットル開度の制御は行われず、制動流体圧制御による減速制御のみが行われる。
この状態から時刻t63で、運転者がアクセル操作を行ったものとする。この場合には、ステップS401からステップS402に移行してアクセル開度Accに応じて舵角偏差ゲインCを算出し、この舵角偏差ゲインCに基づいて舵角偏差Δδを算出する。この舵角偏差Δδは偏差閾値ΔδTHを超えていないので、ステップS302の判定によりステップS303に移行して、制動流体圧制御による減速制御を解除する。これにより、図20(g)に示すように、目標制動液体圧P*は徐々に小さくなっていくが、ステップS305でスロットル開度を閉方向に制御することにより、引き続き減速制御が行われる。
そして、その後、時刻t64で舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えると、ステップS302の判定によりステップS307に移行し、目標制動液体圧P*が算出されて制動流体圧制御による減速制御を再開し、自車両を減速させる。なお、このときスロットル開度の制御も同時に行われる。
このように、運転者によるアクセル操作が行われているときには、アクセル開度Accに応じて舵角偏差ゲインCを変更して舵角偏差Δδを算出するので、例えば、アクセルペダルの踏込み量が大きいときには、舵角偏差Δδがより大きい値に算出されるので、減速制御が介入されやすくなる方向へ変更される。
つまり、アクセル開度Accに応じて舵角偏差ゲインCを変更する場合には、図20(e)の実線に示すように、図20(e)の破線に示す舵角偏差ゲインCの変更がない場合と比較して、舵角偏差Δδは大きく算出されることになる。そのため、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超える、即ち舵角補正フラグflg_strの立つタイミングが早まることになる。これにより、図20(g)実線に示すように、図20(e)の破線に示す舵角偏差ゲインCの変更がない場合と比較して、制動流体圧の増圧制御による減速制御の再開を早めることができる。
このように、上記第5の実施形態では、運転者がアクセル操作を行っているときには、アクセル開度に応じて舵角偏差ゲインを変更することにより、舵角偏差量を大きく算出するので、運転者がアクセル操作を行っていない場合と比較して、制動流体圧の増圧制御による減速制御が介入するタイミングを早めることができ、より安定した旋回走行を確保することができる。
なお、上記第5の実施形態においては、アクセル開度Accに応じて舵角偏差ゲインCを変更することにより、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えやすくなるように補正する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、アクセル開度Accに応じて偏差閾値ΔδTHを小さい値に変更することにより、舵角偏差Δδが偏差閾値ΔδTHを超えやすくなるように補正するようにしてもよい。
本発明の実施形態を示す概略構成図である。 図1の減速制御コントローラの具体例を示すブロック図である。 図1の減速制御コントローラで実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートである。 図2の舵角偏差算出処理を示すフローチャートである。 フィルタf(Ps)の傾き算出マップである。 第1の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第2の実施形態における減速制御コントローラで実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートである。 補正ゲインΔYg算出マップである。 第2の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第2の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第3の実施形態における減速制御コントローラで実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートである。 補正ゲインΔXg算出マップである。 第3の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第3の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 本発明の第4の実施形態を示す概略構成図である。 第4の実施形態における減速制御コントローラで実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第5の実施形態における減速制御コントローラで実行される減速制御量設定処理を示すフローチャートである。 舵角偏差ゲインC算出マップである。 第5の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。
符号の説明
1 制動液体圧制御装置
3 エンジンスロットル制御装置
10 減速制御コントローラ
11 ヨーレートセンサ
12 操舵角センサ
13FL〜13RR 車輪速センサ
14 アクセルセンサ
15 ナビゲーション装置
15a 全国地図情報装置
15b 走行路情報装置

Claims (12)

  1. 自車速が車両の旋回走行状況に基づいて定められる目標車速を超えたとき、自車速を当該目標車速まで減速する減速制御を行う減速制御手段を備えた減速制御装置において、
    自車走行車線前方のカーブ状態を検出するカーブ状態検出手段と、該カーブ状態検出手段で検出したカーブ状態及び運転者による操舵状態に応じて、前記減速制御手段による減速制御の制御量を補正する減速制御量補正手段とを備えていることを特徴とする減速制御装置。
  2. 運転者による操舵状態として操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記カーブ状態検出手段で検出したカーブ状態に基づいて目標舵角を算出する目標舵角演算手段と、該目標舵角演算手段で算出した目標舵角と前記操舵角検出手段で検出した操舵角との偏差を算出する舵角偏差演算手段とを有し、前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差演算手段で算出した舵角偏差に応じて前記減速制御手段による減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項1に記載の減速制御装置。
  3. 前記目標舵角演算手段は、前記カーブ状態検出手段で検出したカーブ状態と所定の横加速度設定値とに基づいて、自車走行車線前方のカーブを前記所定の横加速度設定値で走行するための道路形状対応目標車速を算出し、該道路形状対応目標車速に基づいて目標舵角を算出することを特徴とする請求項2に記載の減速制御装置。
  4. 前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差演算手段で算出した舵角偏差が所定値を超えたとき、前記カーブ状態に応じて減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項2又は3に記載の減速制御装置。
  5. 前記減速制御手段は、制動流体圧を制御することにより減速制御を行い、前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が所定値を超えたとき、前記制動流体圧の変化度合を増加する方向に変更することで減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項4に記載の減速制御装置。
  6. 前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が大きいほど、前記制動流体圧の変化度合を増加する方向に変更することを特徴とする請求項5に記載の減速制御装置。
  7. 前記減速制御手段は、所定の横加速度制限値を下回る旋回走行状況となるように減速制御量を設定するものであって、前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が所定値を超えたとき、前記横加速度制限値を小さな値に変更することで減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の減速制御装置。
  8. 前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が大きいほど、前記横加速度制限値を小さな値に変更することを特徴とする請求項7に記載の減速制御装置。
  9. 前記減速制御手段は、車両の旋回走行状況に基づいて目標減速度を算出し、当該目標減速度を実現するように減速制御量を設定するものであって、前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が所定値を超えたとき、前記目標減速度を大きな値に変更することで減速制御の制御量を補正することを特徴とする請求項4乃至8の何れか一項に記載の減速制御装置。
  10. 前記減速制御量補正手段は、前記舵角偏差が大きいほど、前記目標減速度を大きな値に変更することを特徴とする請求項9に記載の減速制御装置。
  11. 前記減速制御手段は、制動流体圧を制御する制動流体圧制御手段と、スロットル開度を制御するエンジン制御手段とを有し、アクセルペダル非操作中は前記制動流体圧制御手段の制動流体圧に対する減速制御量を設定し、アクセルペダル操作中は前記エンジン制御手段のスロットル開度に対する減速制御量を設定し、アクセルペダル操作中に前記舵角偏差が所定値を超えたとき、前記スロットル開度及び前記制動流体圧に対する減速制御量を設定するように構成されていることを特徴とする請求項2乃至10の何れか一項に記載の減速制御装置。
  12. 前記減速制御量補正手段は、アクセルペダル操作中は、アクセルペダルの踏込み量が大きいほど前記舵角偏差が所定値を超えやすくなる方向に当該舵角偏差を補正することで、前記制動流体圧制御手段による減速制御を介入し易くすることを特徴とする請求項11に記載の減速制御装置。
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