JP3760827B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中に自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止する車線逸脱防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような車線逸脱防止装置としては、例えば特開平11−96497号公報に記載されるものがある。この車線逸脱防止装置は、自車両が走行車線から逸脱しそうになるのを判断し、走行車線の基準位置に対する自車両の走行位置の横ずれ量に応じて、運転者が容易に打ち勝てる程度の操舵制御トルクを操舵アクチュエータにより出力することで車線逸脱を防止するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の車線逸脱防止装置では、操舵アクチュエータを必要とするため、例えばアンチスキッド制御装置や駆動力制御装置を用いて各車輪の制動力或いは駆動力を制御し、その結果、車両にヨーモーメントを発生せしめて自車両の走行方向、或いは走行位置を制御することが考えられる。
【0004】
しかしながら、このように各車輪の制駆動力を制御して車線逸脱防止装置を構成しようとしたとき、この制駆動力制御によるヨーモーメントと実際の操舵によるヨーモーメントとが同一方向に作用すると、違和感がある。
本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発されたものであり、制駆動力を制御して車線逸脱を防止するにあたり、操舵によるヨーモーメントが制駆動力制御によるヨーモーメントと同一方向に作用しても違和感のない車線逸脱防止装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に係る車線逸脱防止装置は、自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記走行状態検出手段で検出された走行状態から自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを検出する逸脱判断手段と、前記逸脱判断手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、前記走行状態検出手段で検出された走行状態に応じて、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように各車輪の制駆動力制御量を算出する制駆動力制御量算出手段と、前記制駆動力制御量算出手段で算出された制駆動力制御量に応じて各車輪の制駆動力を制御する制駆動力制御手段と、操舵の状態量を検出する操舵状態量検出手段とを備え、前記制駆動力制御量算出手段は、前記操舵状態量検出手段で検出された操舵状態量に基づいて各車輪の制駆動力制御量を補正する制駆動力制御量補正手段とを備え、前記操舵状態量検出手段は、前記操舵状態量として操舵速度を検出し、前記制駆動力制御量補正手段は、前記操舵状態量が自車両の走行車線からの逸脱を抑制する方向であるとき、前記各車輪の制駆動力制御量によって発生するヨーモーメントと前記操舵状態量によって発生するヨーモーメントとの作用によって適正な車線逸脱防止制御が行われるように、操舵速度が大きいほど前記走行車線逸脱回避方向へのヨーモーメントが減少するように前記各車輪の制駆動力制御量を補正することを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明のうち請求項2に係る車線逸脱防止装置は、前記請求項1の発明において、前記制駆動力制御量補正手段は、前記操舵状態量検出手段で検出された操舵状態量が、自車両の走行車線からの逸脱を抑制するものであって、前記操舵速度が所定値より大きいとき、当該操舵速度が大きいほど前記走行車線逸脱回避方向へのヨーモーメントが減少するように前記各車輪の制駆動力制御量を補正することを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明のうち請求項3に係る車線逸脱防止装置は、前記請求項1又は2の発明において、前記制駆動力制御量補正手段は、前記操舵状態量検出手段で検出された操舵状態量から操舵によるヨーモーメントを推定し、その操舵によるヨーモーメントに応じて前記各車輪の制駆動力制御量を補正することを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のうち請求項4に係る車線逸脱防止装置は、前記請求項1乃至3の何れかの発明において、前記制駆動力制御量算出手段は、前記走行状態検出手段で検出された自車両の走行状態から推定される将来の自車両の走行車線に対する横変位と横変位限界値との差から目標ヨーモーメントを算出し、この目標ヨーモーメントに基づいて各車輪の制駆動力制御量を算出することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のうち請求項5に係る車線逸脱防止装置は、前記請求項4の発明において、前記制駆動力制御量補正手段は、前記操舵状態量検出手段で検出された操舵状態量から操舵によるヨーモーメントを推定し、その操舵によるヨーモーメントを前記制駆動力制御量算出手段で算出された目標ヨーモーメントから減じて目標ヨーモーメントを補正し、この補正された目標ヨーモーメントに基づいて各車輪の制駆動力制御量を補正することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のうち請求項6に係る車線逸脱防止装置は、前記請求項1乃至5の何れかの発明において、前記制駆動力制御手段は、少なくとも左右輪の制動力を個別に制御できることを特徴とするものである。
また、本発明のうち請求項7に係る車線逸脱防止装置は、前記請求項1乃至6の何れかの発明において、前記逸脱判断手段は、前記走行状態検出手段で検出された自車両の走行状態から推定される将来の自車両の走行車線に対する横変位が横変位限界値以上となったときに自車両が走行車線から逸脱傾向にあると判断することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の効果】
而して、本発明のうち請求項1に係る車線逸脱防止装置によれば、車線逸脱傾向が検出されると、検出された走行状態に応じて、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように各車輪の制駆動力制御量を算出し、その算出された制駆動力制御量に応じて各車輪の制駆動力を制御すると共に、検出された操舵状態量に基づいて各車輪の制駆動力制御量を補正する構成としたため、操舵によるヨーモーメントと制駆動力制御によるヨーモーメントとが同一方向に作用するときには制駆動力制御によるヨーモーメントを小さくするように補正することにより、違和感のない車線逸脱防止制御が可能となる。
【0012】
また、検出された操舵状態量が、自車両の走行車線からの逸脱を抑制する方向であるとき、前記各車輪の制駆動力制御量によって発生するヨーモーメントと前記操舵状態量によって発生するヨーモーメントとの作用によって適正な車線逸脱防止制御が行われるように、操舵速度が大きいほど走行車線逸脱回避方向へのヨーモーメントが減少するように各車輪の制駆動力制御量を補正する構成としたため、操舵によるヨーモーメントと制駆動力制御によるヨーモーメントとが同一方向に作用するときにも違和感のない車線逸脱防止制御を行うことができる。
また、本発明のうち請求項2に係る車線逸脱防止装置によれば、検出された操舵状態量が、自車両の走行車線からの逸脱を抑制するものであって、操舵速度が所定値より大きいとき、操舵速度が大きいほど走行車線逸脱回避方向へのヨーモーメントが減少するように各車輪の制駆動力制御量を補正する構成としたため、運転者が車線逸脱を抑制すべく操舵している場合により違和感のない車線逸脱防止制御を行うことができる。
【0013】
また、本発明のうち請求項3に係る車線逸脱防止装置によれば、検出された操舵状態量から操舵によるヨーモーメントを推定し、その操舵によるヨーモーメントに応じて各車輪の制駆動力制御量を補正する構成としたため、操舵によるヨーモーメントを制駆動力制御による車線逸脱防止制御に反映させ、より確実に違和感のない車線逸脱防止制御を行うことができる。
【0014】
また、本発明のうち請求項4に係る車線逸脱防止装置によれば、検出された自車両の走行状態から推定される将来の自車両の走行車線に対する横変位と横変位限界値との差から目標ヨーモーメントを算出し、この目標ヨーモーメントに基づいて各車輪の制駆動力制御量を算出する構成としたため、将来の自車両の車線逸脱傾向の大きさに応じて目標ヨーモーメントを算出し、これに基づいて各車輪の制駆動力制御量を算出することにより、車線逸脱傾向を適切に回避することが可能となる。
【0015】
また、本発明のうち請求項5に係る車線逸脱防止装置によれば、検出された操舵状態量から操舵によるヨーモーメントを推定し、その操舵によるヨーモーメントを算出された目標ヨーモーメントから減じて目標ヨーモーメントを補正し、この補正された目標ヨーモーメントに基づいて各車輪の制駆動力制御量を補正する構成としたため、操舵によるヨーモーメントを制駆動力制御による車線逸脱防止制御により的確に反映させ、より一層確実に違和感のない車線逸脱防止制御を行うことができる。
【0016】
また、本発明のうち請求項6に係る車線逸脱防止装置によれば、少なくとも左右輪の制動力を個別に制御できるようにしたため、左右輪の制動力を個別に制御して車両に発生するヨーモーメントを、車線逸脱回避方向への目標ヨーモーメントに一致させて車線逸脱傾向を回避することができる。
また、本発明のうち請求項7に係る車線逸脱防止装置によれば、検出された自車両の走行状態から推定される将来の自車両の走行車線に対する横変位が横変位限界値以上となったときに自車両が走行車線から逸脱傾向にあると判断する構成としたため、将来の自車両の車線逸脱傾向を的確に判断することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車線逸脱防止装置の第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の車線逸脱防止装置の一例を示す車両概略構成図である。この車両には、自動変速機及びコンベンショナルディファレンシャルギヤを搭載した後輪駆動車両であり、制動装置は、前後輪とも、左右輪の制動力を独立に制御可能としている。
【0018】
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は、運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じ、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧が、各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給されるようになっているが、このマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御回路7が介装されており、この制動流体圧制御回路7内で、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
【0019】
前記制動流体圧制御回路7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものであり、この実施形態では、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を、単独で増減圧することができるように構成されている。この制動流体圧制御回路7は、後述する制駆動力コントロールユニット8からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御する。
【0020】
また、この車両は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比、並びにスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL、5RRへの駆動トルクを制御する駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。エンジン9の運転状態制御は、例えば燃料噴射量や点火時期を制御することによって制御することができるし、同時にスロットル開度を制御することによっても制御することができる。なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で、駆動輪である後輪5RL、5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、前述した制駆動力コントロールユニット8から駆動トルクの指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値を参照しながら駆動輪トルクを制御する。
【0021】
また、この車両には、自車両の走行車線逸脱防止判断用に走行車線内の自車両の位置を検出するための外界認識センサとして、CCDカメラ13及びカメラコントローラ14を備えている。このカメラコントローラ14では、CCDカメラ13で捉えた自車両前方の撮像画像から、例えば白線等のレーンマーカを検出して走行車線を検出すると共に、その走行車線に対する自車両のヨー角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L等を算出することができるように構成されている。
【0022】
また、この車両には、自車両に発生する前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出する加速度センサ15、自車両に発生するヨーレートφ' を検出するヨーレートセンサ16、前記マスタシリンダ3の出力圧、所謂マスタシリンダ圧Pm を検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、即ちアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角δを検出する操舵角センサ19、各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi (i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RR、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20が備えられ、それらの検出信号は前記制駆動力コントロールユニット8に出力される。また、前記カメラコントローラ14で検出された走行車線に対する自車両のヨー角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L等や、駆動トルクコントロールユニット12で制御された駆動トルクTwも合わせて制駆動力コントロールユニット8に出力される。なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、何れも左方向を正方向とする。即ち、ヨーレートφ' や横加速度Yg、操舵角δ、ヨー角φは、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。
【0023】
次に、前記制駆動力コントロールユニット8で行われる演算処理のロジックについて、図2のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、例えば10msec. 毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
【0024】
この演算処理では、まずステップS1で、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットからの各種データを読込む。具体的には、前記各センサで検出された前後加速度Xg、横加速度Yg、ヨーレートφ' 、各車輪速度Vwi 、アクセル開度Acc、マスタシリンダ圧Pm 、操舵角δ、方向指示スイッチ信号、また駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTw、カメラコントローラ14からの走行車線に対する自車両のヨー角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅Lを読込む。
【0025】
次にステップS2に移行して、前記ステップS1で読込んだ各車輪速度Vwi のうち、非駆動輪である前左右輪速度VwFL、VwFRの平均値から自車両の走行速度Vを算出する。
次にステップS3に移行して、逸脱推定値として将来の推定横変位XSを算出する。具体的には、前記ステップS1で読込んだ自車両の走行車線に対するヨー角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線の曲率β及び前記ステップS2で算出した自車両の走行速度Vを用い、下記1式に従って将来の推定横変位XSを算出する。
【0026】
XS=Tt×V×(φ+Tt×V×β)+X ……… (1)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、車頭時間Ttに自車両の走行速度Vを乗じると前方注視距離になる。つまり、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位XSとなる。後述するように、本実施形態では、この将来の推定横変位XSが所定の横変位限界値以上となるときに自車両は走行車線を逸脱する可能性がある、或いは逸脱傾向にあると判断するのである。
【0027】
次にステップS4に移行して、旋回状態の判断を行う。具体的には、前記ステップS1で読込んだ横加速度Xgの絶対値が正値の所定値Xg0 以上であるときに急旋回状態であると判断し、車両不安定フラグFCSをセットする。また、急旋回状態でないときには車両不安定フラグFCSはリセットする。なお、これに付加して、前記ステップS1で読込んだヨーレートφ' と、自車両の走行速度V及び操舵角δから求まる目標ヨーレートとを比較して、自車両のステア状態、所謂オーバステアかアンダステアかの判定を行い、それらの判定結果を考慮して車両不安定フラグFCSを設定するようにしてもよい。
【0028】
次にステップS5に移行して、車線変更をしているか否かという運転者の意図判断を行う。具体的には、前記ステップS1で読込んだ操舵角δ及び方向指示スイッチの少なくとも何れか一方から判定される自車両の進行方向(左右方向)と、前記ステップS3で算出された推定横変位XSの符号(左方向が正)から判定される自車両の進行方向とが一致するときには、意図的な車線変更であると判断して車線変更判断フラグFLCをセットする。また、両者が一致しないときには車線変更判断フラグFLCはリセット状態とする。
【0029】
次にステップS6に移行して、自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを警報するか否かの判断を行う。具体的には、前記ステップS3で算出した逸脱推定値としての将来の推定横変位の絶対値|XS|が、前記ステップS1で読込んだ走行車線幅Lの半分値から自車両の車幅L0 の半分値を減じた横変位限界値XC 以上であるときに警報するとし、そうでないときには警報しないものとする。なお、前記推定横変位の絶対値|XS|と横変位限界値XC との間には若干の余裕値を持たせてもよい。また、警報のハンチングを防止するために閾値にヒステリシスを設けてもよい。
【0030】
次にステップS7に移行して、自車両が走行車線から逸脱傾向にあるか否かの判断を行う。具体的には、前記ステップS6と同様に、前記ステップS3で算出した逸脱推定値としての将来の推定横変位の絶対値|XS|が、前記横変位限界値XC 以上であるときに自車両が走行車線から逸脱傾向にあるとして逸脱判断フラグFLDをセットし、そうでないときには自車両は走行車線から逸脱傾向にはないとして逸脱判断フラグFLDをリセット状態とする。但し、前記ステップS4で設定した車両不安定フラグF C Sがセット状態にあるとき、或いは前記ステップS5で設定した車線変更判断フラグFLCがセット状態にあるときには、車線逸脱防止制御を行わないので、これらの場合には、前記将来の推定横変位の絶対値|XS|が横変位限界値XC 以上であっても逸脱判断フラグFLDをリセット状態とする。
【0031】
次にステップS8に移行して、目標ヨーモーメント基準値を算出設定する。ここでは、前記逸脱判断フラグFLDがセットされているときにだけ目標ヨーモーメント基準値MS0を設定するので、当該逸脱判断フラグFLDがセットされているときには、車両諸元から決まる比例係数K1 と、図3に示す車両走行速度Vに応じて設定される比例係数K2 と、前記ステップS3で算出された将来の推定横変位XSと、前記横変位限界値XC とを用いて、下記2式に従って目標ヨーモーメント基準値MS0を算出する。
【0032】
MS0=−K1 ×K2 ×(XS−XC ) ……… (2)
なお、前記逸脱判断フラグFLDがリセット状態にあるときには目標ヨーモーメント基準値MS0は“0”とする。
次にステップS10に移行して、目標ヨーモーメントの補正を行う。具体的には、図4の制御マップに従って、前記ステップS1で読込んだ操舵角δの微分値、即ち操舵速度dδに応じた補正係数Kddを算出設定し、その補正係数Kddを前記ステップS8で算出した目標ヨーモーメント基準値MS0に乗じて目標ヨーモーメントMS を算出する。ここで、前記補正係数Kddを算出設定するための制御マップは、自車両が左方向に逸脱しようとしている(図4a)か、右方向に逸脱しようとしている(図4b)かに応じて変わる。即ち、左方向に逸脱しようとしているときには、図4aに示すように、操舵速度dδが比較的絶対値の小さい負の第2の所定値(−dδ2 )以上の領域、つまり現状維持或いは現状から更に左操舵しているときには補正係数Kddは“1”一定であり、操舵速度dδが比較的絶対値の大きい負の第1の所定値(−dδ1 )以下の領域、つまり現状から速やかに右操舵しているときには補正係数Kddは“0”一定であり、前記負の第2の所定値(−dδ2 )から負の第1の所定値(−dδ1 )までの領域では、操舵速度dδの減少と共に補正係数Kddがリニアに小さくなるように設定されている。一方、右方向に逸脱しようとしているときには、図4bに示すように、操舵速度dδが比較的絶対値の小さい正の第2の所定値dδ2 以上の領域、つまり現状維持或いは現状から更に右操舵しているときには補正係数Kddは“1”一定であり、操舵速度dδが比較的絶対値の大きい正の第1の所定値dδ1 以下の領域、つまり現状から速やかに左操舵しているときには補正係数Kddは“0”一定であり、前記第2の所定値dδ2 から第1の所定値dδ1 までの領域では、操舵速度dδの増加と共に補正係数Kddがリニアに小さくなるように設定されている。つまり、運転者が車線逸脱を抑制すべく操舵しているときには補正係数Kddが小さくなるので、目標ヨーモーメントMS も小さくなる。これは、前記目標ヨーモーメント基準値MS0によって発生するヨーモーメントと操舵入力によるヨーモーメントとが同一方向に作用しようとしているときであるから、そのようなときには制駆動力制御によるヨーモーメントを操舵入力分だけ小さくすることにより車線逸脱防止効果を適正なものとする。一方、運転者が車線逸脱を抑制すべき操舵をしていないときには補正係数Kddを“1”とし、当初の目標ヨーモーメント基準値MS0と同等の目標ヨーモーメントMS を維持して、車線逸脱防止を確実なものとしている。
【0033】
次にステップS11に移行して、各車輪への目標制動流体圧PSiを算出する。具体的には、前記ステップS1で読込んだマスタシリンダ圧Pm に対し、前後制動力配分に基づく後輪用マスタシリンダ圧をPmRとしたとき、前記逸脱判断フラグFLDがリセット状態にあるときには、前左右輪5FL、5FRのホイールシリンダ6FL、6FRへの目標制動流体圧PSFL 、PSFR は共にマスタシリンダ圧Pm となり、後左右輪5RL、5RRのホイールシリンダ6RL、6RRへの目標制動流体圧PSRL 、PSRR は共に後輪用マスタシリンダ圧PmRとなる。
【0034】
一方、前記逸脱判断フラグFLDがセットされているときでも、前記ステップS10で算出された目標ヨーモーメントMS の大きさに応じて場合分けを行う。即ち、前記目標ヨーモーメントの絶対値|MS |が所定値MS0未満であるときには後左右輪の制動力にだけ差を発生させ、当該目標ヨーモーメントの絶対値|MS |が所定値MS0以上であるときには前後左右輪の制動力に差を発生させる。従って、前記目標ヨーモーメントの絶対値|MS |が所定値MS0未満であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPSFは“0”であり、後左右輪目標制動流体圧差ΔPSRは下記3式で与えられる。同様に、目標ヨーモーメントの絶対値|MS |が所定値MS0以上であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPSFは下記4式で、後左右輪目標制動流体圧差ΔPSRは下記5式で与えられる。なお、式中のTはトレッド(前後輪で同じとする)、KbF、KbRは、夫々、制動力を制動流体圧に換算するための換算係数であり、ブレーキ諸元によって決まる。
【0035】
ΔPSR=2×KbR×|MS |/T ……… (3)
ΔPSF=2×KbF×(|MS |ーMS0)/T ……… (4)
ΔPSR=2×KbR×|MS0|/T ……… (5)
従って、前記目標ヨーモーメントMS が負値であるとき、即ち自車両が左方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧PSiは下記6式で与えられる。
【0036】
PSFL =Pm
PSFR =Pm +ΔPSF
PSRL =Pm
PSRR =Pm +ΔPSR ……… (6)
これに対し、前記目標ヨーモーメントMS が正値であるとき、即ち自車両が右方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧PSiは下記7式で与えられる。
【0037】
PSFL =Pm +ΔPSF
PSFR =Pm
PSRL =Pm +ΔPSR
PSRR =Pm ……… (7)
次にステップS12に移行して、駆動輪の目標駆動力を算出する。本実施形態では、前記逸脱判断フラグFLDがセットされており、車線逸脱防止制御が行われるときには、アクセル操作が行われていてもエンジンの出力を絞って加速できなくする。従って、逸脱判断フラグFLDがセットされているときの目標駆動トルクTrqDSは、前記ステップS1で読込んだアクセル開度Accに応じた値から、前記前後輪の目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和に応じた値を減じた値とする。つまり、アクセル開度Accに応じた値とは、当該アクセル開度Accに応じて自車両を加速する駆動トルクであり、前後輪の目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和に応じた値とは、目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和によって生じる制動トルクである。従って、逸脱判断フラグFLDがセットされており、車線逸脱防止制御が行われるときには、前記目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和によって生じる制動トルク分だけ、エンジンのトルクが低減されることになる。なお、逸脱判断フラグFLDがリセットされているときの目標駆動トルクTrqDSは、前記アクセル開度Accに応じて自車両を加速する駆動トルク分だけとなる。
【0038】
次にステップS13に移行して、前記ステップS11で算出された各車輪の目標制動流体圧を前記制動流体圧制御回路7に向けて出力すると共に、前記ステップS12で算出された駆動輪の目標駆動トルクを前記駆動トルクコントロールユニット12に向けて出力してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理によれば、急旋回状態でなく、且つ運転者の意図的な車線変更でもなく、且つ将来の推定横変位XSが横変位限界値XC 以上となったときに、自車両は走行車線から逸脱する傾向にあると判断されて逸脱判断フラグFLDがセットされ、前記将来の推定横変位XSと横変位限界値XC との差に基づいて目標ヨーモーメントMS (目標ヨーモーメント基準値MS0)を算出し、その目標ヨーモーメントMS が達成されるように各車輪の制動力が制御される。これにより、例えば操舵入力が小さいときには、車両に車線逸脱を防止するヨーモーメントが発生して車線逸脱が防止されると共に、制動力によって車両の走行速度が減速されるため、より安全に車線の逸脱を防止することが可能となる。また、この実施形態では、車線逸脱防止制御が行われている間は、エンジンの出力トルクが低減されて自車両の走行速度が減速されるため、更に安全に車線に逸脱を防止することが可能となる。
【0039】
また、この実施形態では、前述のように車線逸脱を抑制する方向への操舵入力があると、即ち制駆動力制御によるヨーモーメントと操舵入力によるヨーモーメントとが同一方向に作用するような場合には、前記自車両の将来の横変位と横変位限界値とに基づく目標ヨーモーメント基準値MS0に対して、車線逸脱を抑制する方向への操舵速度dδが大きいほど補正係数Kddを小さく設定し、この補正係数Kddを前記目標ヨーモーメント基準値MS0に乗じて目標ヨーモーメントMS を算出する構成としたため、図5aに示すような、違和感のない、自然な車線逸脱防止制御が可能となる。ちなみに、図5bは、操舵入力によるヨーモーメントと制駆動力制御によるヨーモーメントとが同一方向に作用しているにもかかわらず、前記目標ヨーモーメント基準値MS0、即ち自車両の将来の横変位と横変位限界値とに基づくヨーモーメント制御を補正しない場合であり、この場合には、運転者が意図している以上に自車両が移動してしまうため、違和感がある。
【0040】
以上より、図1の各センサ及びカメラコントローラ14及び図2の演算処理のステップS1が本発明の走行状態検出手段を構成し、以下同様に、図2の演算処理のステップS7が逸脱判断手段を構成し、図2の演算処理のステップS11及びステップS12が制駆動力制御量算出手段を構成し、図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が制駆動力制御手段を構成し、図2の演算処理のステップS10が制駆動力制御量補正手段を構成している。
【0041】
次に、本発明の車線逸脱防止装置の第2実施形態について説明する。この実施形態の車両概略構成は、前記図1に示す第1実施形態のものと同様である。この実施形態では、前記制駆動力コントロールユニット8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから、図6のものに変更されている。
この図6の演算処理は、前記第1実施形態の図2の演算処理と同等のステップを多く含んでおり、同等のステップには同等の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この図6の演算処理では、前記図2の演算処理のステップS8とステップS10との間にステップS9’が挿入され、ステップS10がステップS10’に変更されている。
【0042】
このうち、ステップS9’では、操舵によるヨーモーメントを推定する。具体的には、例えば前々回の演算処理で検出された操舵角δ(n-2) と前記ステップS1で読込まれた今回の操舵角δ(n) との差から操舵角変化量Δδを算出し、これに、車両諸元から決まる比例定数KS1を乗じて操舵によるヨーモーメントMSTR を算出する。この操舵によるヨーモーメントMSTR は、車両モデルを用いて、タイヤ発生力の非線形域を含むヨーモーメントから求めてもよい。
【0043】
そして、前記ステップS10’では、以下のようにして目標ヨーモーメントMS を補正する。具体的には、前記ステップS3で算出された将来の推定横変位XSと前記ステップS9’で算出された操舵角変化量Δδとの符号が逆方向である場合、即ち車線逸脱を抑制する操舵入力があるときにあって、前記ステップS8で算出された目標ヨーモーメント基準値MS0及び前記ステップS9’で算出された操舵によるヨーモーメントMSTR が共に負値である場合、即ち前記推定横変位XSは正値、前記操舵角変化量Δδは負値であるときには、前記目標ヨーモーメント基準値MS0から操舵によるヨーモーメントMSTR を減じた値と“0”とのうち何れか小さい方の値を目標ヨーモーメントMS とする。逆に、前記将来の推定横変位XSと操舵角変化量Δδとの符号が逆方向である場合、即ち車線逸脱を抑制する操舵入力があるときにあって、前記目標ヨーモーメント基準値MS0及びヨーモーメントMSTR が共に正値である場合、即ち前記推定横変位XSは負値、前記操舵角変化量Δδは正値であるときには、前記目標ヨーモーメント基準値MS0から操舵によるヨーモーメントMSTR を減じた値と“0”とのうち何れか大きい方の値を目標ヨーモーメントMS とする。これに対し、前記ステップS3で算出された将来の推定横変位XSと前記ステップS9’で算出された操舵角変化量Δδとの符号が同方向である場合、即ち車線逸脱を抑制する操舵入力ではないときには、前記目標ヨーモーメント基準値MS0をそのまま目標ヨーモーメントMS に設定する。従って、運転者によって車線逸脱を抑制する操舵入力があるときには、操舵によるヨーモーメントMSTR 分だけ目標ヨーモーメント基準値MS0の大きさを小さくして(絶対値を小さくして)車線逸脱防止効果を適正なものとする。一方、運転者が車線逸脱を抑制すべき操舵をしていないときには、当初の目標ヨーモーメント基準値MS0と同等の目標ヨーモーメントMS を維持して、車線逸脱防止を確実なものとしている。
【0044】
この演算処理によれば、前記第1実施形態と同様に、急旋回状態でなく、且つ運転者の意図的な車線変更でもなく、且つ将来の推定横変位XSが横変位限界値XC 以上となったときに、自車両は走行車線から逸脱する傾向にあると判断されて逸脱判断フラグFLDがセットされ、前記将来の推定横変位XSと横変位限界値XC との差に基づいて目標ヨーモーメントMS を算出し、その目標ヨーモーメントMS が達成されるように各車輪の制動力が制御される。これにより、例えば操舵入力が小さいときには、車両に車線逸脱を防止するヨーモーメントが発生して車線逸脱が防止されると共に、制動力によって車両の走行速度が減速されるため、より安全に車線の逸脱を防止することが可能となる。また、この実施形態では、車線逸脱防止制御が行われている間は、エンジンの出力トルクが低減されて自車両の走行速度が減速されるため、更に安全に車線に逸脱を防止することが可能となる。
【0045】
また、この実施形態では、前述のように車線逸脱を抑制する方向への操舵入力があると、即ち制駆動力制御によるヨーモーメントと操舵入力によるヨーモーメントとが同一方向に作用するような場合には、前記自車両の将来の横変位と横変位限界値とに基づく目標ヨーモーメント基準値MS0に対して、操舵角変化量Δδに応じた操舵によるヨーモーメントMSTR を算出し、この操舵によるヨーモーメントMSTR 分だけ前記目標ヨーモーメント基準値MS0の大きさを小さくして目標ヨーモーメントMS を算出する構成としたため、前記第1実施形態と同様に、違和感のない、自然な車線逸脱防止制御が可能となる。
【0046】
以上より、図1の各センサ及びカメラコントローラ14及び図6の演算処理のステップS1が本発明の走行状態検出手段を構成し、以下同様に、図6の演算処理のステップS7が逸脱判断手段を構成し、図6の演算処理のステップS11及びステップS12が制駆動力制御量算出手段を構成し、図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が制駆動力制御手段を構成し、図6の演算処理のステップS9’、ステップS10’が制駆動力制御量補正手段を構成している。
【0047】
なお、前記実施形態では、車線逸脱判断の閾値となる横変位限界値XC を車幅と走行車線幅とから算出したが、例えば日本国内の高速道路の走行車線幅は3.35mと決まっていることから、例えばこれを0.8mと固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車線逸脱防止装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の制駆動力コントロールユニット内で実行される情報演算処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図3】図2の演算処理に用いられる制御マップである。
【図4】図2の演算処理に用いられる制御マップである。
【図5】図2の演算処理の作用の説明図である。
【図6】図1の制駆動力コントロールユニット内で実行される情報演算処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
6FL〜6RRはホイールシリンダ
7は制動流体圧制御回路
8は制駆動力コントロールユニット
9はエンジン
12は駆動トルクコントロールユニット
13はCCDカメラ
14はカメラコントローラ
15は加速度センサ
16はヨーレートセンサ
17はマスタシリンダ圧センサ
18はアクセル開度センサ
19は操舵角センサ
20は方向指示スイッチ
22FL〜22RRは車輪速度センサ
Claims (7)
- 自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記走行状態検出手段で検出された走行状態から自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを検出する逸脱判断手段と、前記逸脱判断手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、前記走行状態検出手段で検出された走行状態に応じて、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように各車輪の制駆動力制御量を算出する制駆動力制御量算出手段と、前記制駆動力制御量算出手段で算出された制駆動力制御量に応じて各車輪の制駆動力を制御する制駆動力制御手段と、操舵の状態量を検出する操舵状態量検出手段とを備え、前記制駆動力制御量算出手段は、前記操舵状態量検出手段で検出された操舵状態量に基づいて各車輪の制駆動力制御量を補正する制駆動力制御量補正手段とを備え、前記操舵状態量検出手段は、前記操舵状態量として操舵速度を検出し、前記制駆動力制御量補正手段は、前記操舵状態量が自車両の走行車線からの逸脱を抑制する方向であるとき、前記各車輪の制駆動力制御量によって発生するヨーモーメントと前記操舵状態量によって発生するヨーモーメントとの作用によって適正な車線逸脱防止制御が行われるように、操舵速度が大きいほど前記走行車線逸脱回避方向へのヨーモーメントが減少するように前記各車輪の制駆動力制御量を補正することを特徴とする車線逸脱防止装置。
- 前記制駆動力制御量補正手段は、前記操舵状態量検出手段で検出された操舵状態量が、自車両の走行車線からの逸脱を抑制するものであって、前記操舵速度が所定値より大きいとき、当該操舵速度が大きいほど前記走行車線逸脱回避方向へのヨーモーメントが減少するように前記各車輪の制駆動力制御量を補正することを特徴とする請求項1に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制駆動力制御量補正手段は、前記操舵状態量検出手段で検出された操舵状態量から操舵によるヨーモーメントを推定し、その操舵によるヨーモーメントに応じて前記各車輪の制駆動力制御量を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制駆動力制御量算出手段は、前記走行状態検出手段で検出された自車両の走行状態から推定される将来の自車両の走行車線に対する横変位と横変位限界値との差から目標ヨーモーメントを算出し、この目標ヨーモーメントに基づいて各車輪の制駆動力制御量を算出することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制駆動力制御量補正手段は、前記操舵状態量検出手段で検出された操舵状態量から操舵によるヨーモーメントを推定し、その操舵によるヨーモーメントを前記制駆動力制御量算出手段で算出された目標ヨーモーメントから減じて目標ヨーモーメントを補正し、この補正された目標ヨーモーメントに基づいて各車輪の制駆動力制御量を補正することを特徴とする請求項4に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制駆動力制御手段は、少なくとも左右輪の制動力を個別に制御できることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の車線逸脱防止装置。
- 前記逸脱判断手段は、前記走行状態検出手段で検出された自車両の走行状態から推定される将来の自車両の走行車線に対する横変位が横変位限界値以上となったときに自車両が走行車線から逸脱傾向にあると判断することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の車線逸脱防止装置。
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