JP2004178158A - 車線逸脱防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者に車線を維持する意思がないときでも走行車線を見失いにくい車線逸脱防止装置を提供する。
【解決手段】運転者の操舵状態が走行車線を維持するものであるか否かを判定し、運転者が走行車線を維持する操舵を行っているときには、操舵角δに基づいてレーンマーカ検出領域を設定し、運転者が走行車線を維持する操舵を行っていないときには、走行車線に対する自車両のヨー角φを走行車線に対する自車両の向きとし、当該対車線ヨー角φに相当する等価操舵角δに基づいてレーンマーカ検出領域を設定する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中に自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止する車線逸脱防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような車線逸脱防止装置としては、例えば自車両が走行車線から逸脱しそうになるのを判断し、走行車線の基準位置に対する自車両の走行位置の横ずれ量に応じて、運転者が容易に打ち勝てる程度の操舵制御トルクを操舵アクチュエータにより出力することで車線逸脱を防止するものがある(例えば特許文献1参照)。また、このような車線逸脱防止装置では、常に車線を検出し続けることが望まれる。そこで、例えば操舵角を道路パラメータとし、その道路パラメータから白線等のレーンマーカモデルを設定するものがある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−96497号公報
【特許文献2】
特開平11−296660号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の車線逸脱防止装置では、操舵アクチュエータを必要とするため、例えばアンチスキッド制御装置や駆動力制御装置を用いて各車輪の制動力或いは駆動力を制御し、その結果、車両にヨーモーメントを発生せしめて自車両の走行方向、或いは走行位置を制御することが考えられる。
【0005】
しかしながら、このように各車輪の制駆動力を制御して車線逸脱防止装置を構成し、運転者が走行車線を維持する操作を行っておらず、前記制駆動力制御によるヨーモーメントによって車線逸脱を防止するような場合には、その制御出力がステアリングホイールに伝達されにくいなどの理由によって、運転者が気付かないままになる恐れがあり、そのような場合には実際の自車両の走行車線に対する向きと操舵角とが無関係となり、結果的に車線を見失う、所謂ロストしてしまう恐れがある。
【0006】
本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発されたものであり、ヨーモーメントによって車線逸脱を防止するにあたり、運転者が走行車線を維持する操作を行っていないときにも、走行車線を見失いにくい車線逸脱防止装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の車線逸脱防止装置は、自車両の走行車線を検出し、自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように車両の挙動を制御すると共に、特に運転者が走行車線を維持する操作を行っていないとき、走行車線に対する自車両の向きに応じて自車両の走行車線を検出することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の効果】
而して、本発明の車線逸脱防止装置によれば、自車両の走行車線を検出し、自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように車両の挙動を制御すると共に、走行車線に対する自車両の向きに応じて自車両の走行車線を検出する構成としたため、特に運転者が走行車線を維持する操作を行っていないときでも、走行車線を見失いにくい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車線逸脱防止装置の第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の車線逸脱防止装置の一例を示す車両概略構成図である。この車両には、自動変速機及びコンベンショナルディファレンシャルギヤを搭載した後輪駆動車両であり、制動装置は、前後輪とも、左右輪の制動力を独立に制御可能としている。
【0010】
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は、運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じ、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧が、各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給されるようになっているが、このマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御回路7が介装されており、この制動流体圧制御回路7内で、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
【0011】
前記制動流体圧制御回路7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものであり、この実施形態では、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を、単独で増減圧することができるように構成されている。この制動流体圧制御回路7は、後述する制駆動力コントロールユニット8からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御する。
【0012】
また、この車両は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比、並びにスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL、5RRへの駆動トルクを制御する駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。エンジン9の運転状態制御は、例えば燃料噴射量や点火時期を制御することによって制御することができるし、同時にスロットル開度を制御することによっても制御することができる。なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で、駆動輪である後輪5RL、5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、前述した制駆動力コントロールユニット8から駆動トルクの指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値を参照しながら駆動輪トルクを制御する。
【0013】
また、この車両には、自車両の走行車線逸脱防止判断用に走行車線内の自車両の位置を検出するための外界認識センサとして、CCDカメラ13及びカメラコントローラ14を備えている。このカメラコントローラ14では、CCDカメラ13で捉えた自車両前方の撮像画像から、例えば白線等のレーンマーカを検出して走行車線を検出すると共に、その走行車線に対する自車両のヨー角φ、即ち車線に対する自車両の向き、走行車線中央からの横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L等を算出することができるように構成されている。なお、このカメラコントローラ14は、前記制駆動力コントロールユニット8から走行車線検出エリアが入力された場合には、後述するようにレーンマーカ等を検出するための走行車線検出エリアを用いて走行車線検出を行い、その検出された走行車線に対して前記各データを算出する。
【0014】
また、この車両には、自車両に発生する前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出する加速度センサ15、自車両に発生するヨーレートφ’ を検出するヨーレートセンサ16、前記マスタシリンダ3の出力圧、所謂マスタシリンダ圧Pを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、即ちアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角δを検出する操舵角センサ19、各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vw(i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RR、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20が備えられ、それらの検出信号は前記制駆動力コントロールユニット8に出力される。また、前記カメラコントローラ14で検出された走行車線に対する自車両のヨー角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅L等や、駆動トルクコントロールユニット12で制御された駆動トルクTwも合わせて制駆動力コントロールユニット8に出力される。なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、何れも左方向を正方向とする。即ち、ヨーレートφ’ や横加速度Yg、操舵角δ、ヨー角φは、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。
【0015】
次に、前記制駆動力コントロールユニット8で行われる演算処理のロジックについて、図2のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、例えば10msec. 毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
【0016】
この演算処理では、まずステップS1で、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットからの各種データを読込む。具体的には、前記各センサで検出された前後加速度Xg、横加速度Yg、ヨーレートφ’ 、各車輪速度Vw、アクセル開度Acc、マスタシリンダ圧P、操舵角δ、方向指示スイッチ信号、また駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTwを読込む。また、このステップS1では、合わせて、読込んだ各車輪速度Vwのうち、非駆動輪である前左右輪速度VwFL、VwFRの平均値から自車両の走行速度Vを算出する。なお、この時点では、カメラコントローラ14からの走行車線に対する自車両のヨー角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅Lは未だ読込まない。
【0017】
次にステップS2に移行して、後述する車線維持非操作フラグFが“1”のセット状態であるか否かを判定し、当該車線維持非操作フラグFが“1”のセット状態である場合にはステップS3に移行し、そうでない場合にはステップS4に移行する。
前記ステップS3では、例えば前記特開平11−296660号公報に記載される手法を用い、前記ステップS1で読込んだ操舵角δに基づいて後述する走行車線検出エリアを設定してからステップS5に移行する。
【0018】
また、前記ステップS4では、前回の演算処理時に、後述するステップS5で算出された走行車線に対する自車両の向き、即ち走行車線に対する自車両のヨー角φ(以下、対車線ヨー角φとも記す)と等価な操舵角δを算出し、当該対車線ヨー角等価操舵角δを用いて、前記ステップS3と同様に走行車線検出エリアを設定してから前記ステップS5に移行する。なお、対車線ヨー角等価操舵角δは、前記対車線ヨー角φにステアリングギヤ比を乗じて得られる。
【0019】
前記ステップS5では、例えば前記特開平11−296660号公報に記載される手法を用い、前記ステップS3或いはステップS4で設定された走行車線検出エリアに基づいて自車両が走行している走行車線を検出するように前記カメラコントローラ14に指示し、合わせて当該走行車線に対する自車両のヨー角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線の曲率β、走行車線幅Lを算出し、それらのデータを読込む。
【0020】
次にステップS6に移行して、前記ステップS5で走行車線が検出されたか否かを判定し、走行車線が検出されている場合にはステップS7に移行し、そうでない場合にはステップS8に移行する。
前記ステップS7では、前記ステップS5で算出された自車両の対車線ヨー角φを更新記憶してからステップS11に移行する。
【0021】
前記ステップS11では、運転者(図ではドライバ)の操舵状態を判断してからステップS12に移行する。この運転者の操舵状態とは、例えば操舵角速度や後述する逸脱推定値の前回演算値であり、次のステップS12で、運転者が走行車線を維持するような操舵を行っているかの判定に必要な操舵状態を示す。
前記ステップS12では、運転者が走行車線を維持する操舵を行っているか否かを判定し、車線維持操舵を行っている場合にはステップS10に移行し、そうでない場合にはステップS13に移行する。走行車線を維持する操舵の判定は、例えば本実施形態による車線逸脱防止制御が作動していないとか、後述する車線逸脱推定値が車線逸脱判定の閾値より小さい閾値以下である、つまり自車両が逸脱傾向となりつつあると判定する閾値以下であることにより、車線を維持する操舵が行われていると判定できる。
【0022】
前記ステップS13では、前記車線維持非操作フラグFを“1”のセット状態としてからステップS14に移行する。
また、前記ステップS10では、前記車線維持非操作フラグFを“0”のリセット状態としてから前記ステップS14に移行する。
前記ステップS14では、逸脱推定値として将来の推定横変位XSを算出してからステップS15に移行する。具体的には、前記ステップS5で読込んだ自車両の走行車線に対するヨー角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線の曲率β及び前記ステップS1で算出した自車両の走行速度Vを用い、下記2式に従って将来の推定横変位XSを算出する。
【0023】
XS=Tt×V×(φ+Tt×V×β)+X ……… (2)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、車頭時間Ttに自車両の走行速度Vを乗じると前方注視距離になる。つまり、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位XSとなる。後述するように、本実施形態では、この将来の推定横変位XSが所定の横変位限界値以上となるときに自車両は走行車線を逸脱する可能性がある、或いは逸脱傾向にあると判断するのである。
【0024】
前記ステップS15では、自車両が走行車線から逸脱傾向にあるか否かの判断を行ってから前記ステップS16に移行する。具体的には、前記ステップS14で算出した逸脱推定値としての将来の推定横変位の絶対値|XS|が、前記横変位限界値X以上であるときに自車両が走行車線から逸脱傾向にあるとして逸脱判断フラグFLDをセットし、そうでないときには自車両は走行車線から逸脱傾向にはないとして逸脱判断フラグFLDをリセット状態とする。なお、前記方向指示スイッチ20からの入力によって推定される車線変更方向と、自車両の走行車線からの逸脱方向とが一致するときには逸脱判断フラグFLDをリセット状態とする。また、このステップS15で、自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを警報するか否かの判断を行ってもよい。具体的には、前記ステップS14で算出した逸脱推定値としての将来の推定横変位の絶対値|XS|が、前記ステップS5で読込んだ走行車線幅Lの半分値から自車両の車幅Lの半分値を減じた横変位限界値X以上であるときに警報するとし、そうでないときには警報しないものとするなどの手法が考えられる。
【0025】
一方、前記ステップS8では、前記車線維持非操作フラグFを“0”のリセット状態としてから前記ステップS16に移行する。
前記ステップS16では、車線逸脱防止のための目標ヨーモーメントMを算出設定する。ここでは、前記逸脱判断フラグFLDがセットされているときにだけ目標ヨーモーメントMを設定するので、当該逸脱判断フラグFLDがセットされているときには、車両諸元から決まる比例係数Kと、図3に示す車両走行速度Vに応じて設定される比例係数Kと、前記ステップS14で算出された将来の推定横変位XSと、前記横変位限界値Xとを用いて、下記3式に従って目標ヨーモーメントMを算出する。
【0026】
=−K×K×(XS−X) ……… (3)
なお、前記逸脱判断フラグFLDがリセット状態にあるときには目標ヨーモーメントMは“0”とする。
次にステップS17に移行して、各車輪への目標制動流体圧PSi及び駆動輪の目標駆動力を算出する。具体的には、前記ステップS1で読込んだマスタシリンダ圧Pに対し、前後制動力配分に基づく後輪用マスタシリンダ圧をPmRとしたとき、前記逸脱判断フラグFLDがリセット状態にあるときには、前左右輪5FL、5FRのホイールシリンダ6FL、6FRへの目標制動流体圧PSFL 、PSFR は共にマスタシリンダ圧Pとなり、後左右輪5RL、5RRのホイールシリンダ6RL、6RRへの目標制動流体圧PSRL 、PSRR は共に後輪用マスタシリンダ圧PmRとなる。
【0027】
一方、前記逸脱判断フラグFLDがセットされているときでも、前記ステップS16で算出された目標ヨーモーメントMの大きさに応じて場合分けを行う。即ち、前記目標ヨーモーメントの絶対値|M|が所定値MS0未満であるときには後左右輪の制動力にだけ差を発生させ、当該目標ヨーモーメントの絶対値|M|が所定値MS0以上であるときには前後左右輪の制動力に差を発生させる。従って、前記目標ヨーモーメントの絶対値|M|が所定値MS0未満であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPSFは“0”であり、後左右輪目標制動流体圧差ΔPSRは下記4式で与えられる。同様に、目標ヨーモーメントの絶対値|M|が所定値MS0以上であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPSFは下記5式で、後左右輪目標制動流体圧差ΔPSRは下記6式で与えられる。なお、式中のTはトレッド(前後輪で同じとする)、KbF、KbRは、夫々、制動力を制動流体圧に換算するための換算係数であり、ブレーキ諸元によって決まる。
【0028】
ΔPSR=2×KbR×|M|/T ……… (4)
ΔPSF=2×KbF×(|M|−MS0)/T ……… (5)
ΔPSR=2×KbR×|MS0|/T ……… (6)
従って、前記目標ヨーモーメントMが負値であるとき、即ち自車両が左方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧PSiは下記7式で与えられる。
【0029】
SFL =P
SFR =P+ΔPSF
SRL =P
SRR =P+ΔPSR ……… (7)
これに対し、前記目標ヨーモーメントMが正値であるとき、即ち自車両が右方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧PSiは下記8式で与えられる。
【0030】
SFL =P+ΔPSF
SFR =P
SRL =P+ΔPSR
SRR =P ……… (8)
また、本実施形態では、前記逸脱判断フラグFLDがセットされており、車線逸脱防止制御が行われるときには、アクセル操作が行われていてもエンジンの出力を絞って加速できなくする。従って、逸脱判断フラグFLDがセットされているときの目標駆動トルクTrqDSは、前記ステップS1で読込んだアクセル開度Accに応じた値から、前記前後輪の目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和に応じた値を減じた値とする。つまり、アクセル開度Accに応じた値とは、当該アクセル開度Accに応じて自車両を加速する駆動トルクであり、前後輪の目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和に応じた値とは、目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和によって生じる制動トルクである。従って、逸脱判断フラグFLDがセットされており、車線逸脱防止制御が行われるときには、前記目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和によって生じる制動トルク分だけ、エンジンのトルクが低減されることになる。なお、逸脱判断フラグFLDがリセットされているときの目標駆動トルクTrqDSは、前記アクセル開度Accに応じて自車両を加速する駆動トルク分だけとなる。
【0031】
次にステップS18に移行して、前記ステップS17で算出された各車輪の目標制動流体圧を前記制動流体圧制御回路7に向けて出力すると共に、駆動輪の目標駆動トルクを前記駆動トルクコントロールユニット12に向けて出力してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理によれば、運転者の意図的な車線変更でもなく、且つ将来の推定横変位XSが横変位限界値X以上となったときに、自車両は走行車線から逸脱する傾向にあると判断されて逸脱判断フラグFLDがセットされ、前記将来の推定横変位XSと横変位限界値Xとの差に基づいて目標ヨーモーメントMを算出し、その目標ヨーモーメントMが達成されるように各車輪の制動力が制御される。これにより、例えば操舵入力が小さいときには、車両に車線逸脱を防止するヨーモーメントが発生して車線逸脱が防止されると共に、制動力によって車両の走行速度が減速されるため、より安全に車線の逸脱を防止することが可能となる。また、この実施形態では、車線逸脱防止制御が行われている間は、エンジンの出力トルクが低減されて自車両の走行速度が減速されるため、更に安全に車線に逸脱を防止することが可能となる。
【0032】
また、この実施形態では、前述のように走行車線を見失ったときの逸脱防止制御の作動状態に応じて、走行車線検出エリアの設定が行われる。この走行車線検出エリアは、例えば図4に示すように、前記CCDカメラ13で撮像された画像の中から、白線等のレーンマーカを検出して走行車線とするためのものである。具体的に、撮像された画像全域でレーンマーカを検出する(走査する)と、演算負荷も大きいし、時間もかかる。そこで、レーンマーカが存在しそうな領域に、更に小さな検出領域(所謂ウインドウ)を設定し、その検出領域内でレーンマーカを検出する。一般に、車線に対する自車両の向きが変わると、画像内に映し出されるレーンマーカの位置も変わるので、例えば前記特開平11−296660号公報では、操舵角δから車線に対する自車両の向きを推定し、画像内にレーンマーカが映し出されているであろう領域に検出領域を設定する。
【0033】
一方、例えば図5に示すように、操舵入力がなく(前輪が転舵していない)、自車両が走行車線から右方に逸脱しようとするときには、前記逸脱防止制御による前左輪への制動力によって図示反時計回り、即ち左旋回方向に目標ヨーモーメントMが発生する。このようなとき、操舵角δは、走行車線に対する自車両の向きを正確に表していない。つまり、前記特開平11−296660公報に記載されるように、操舵角δのみに応じて走行車線検出エリアを設定したのでは、かえってレーンマーカ等の走行車線を検出しにくくなってしまう。そこで、本実施形態では、運転者による操舵入力がなく、しかも車線を逸脱しそうなとき、つまり運転者に車線を維持する意思がないときには、前記車線維持非操作フラグFをセットし、そのような場合には前記対車線ヨー角等価操舵角δを用いて走行車線検出エリアを設定する。即ち、先行車両を追従したり、走行車線に沿って自動操舵したりする場合には、勿論、前記目標ヨーモーメントMや操舵入力、走行車線に対する自車両のヨー角等を総合的に考慮して滑らかな車両の挙動が要求されるが、車線を逸脱しないことだけを考えれば、運転者に走行車線を維持する意思がないときには、走行車線に対する自車両のヨー角φに基づいて走行車線検出エリアを設定し、可及的に走行車線を見失わないようにすることの方が重要になる。本実施形態では、このような状況でも、走行車線を見失いにくいという効果が得られる。
【0034】
以上より、図1の各センサ及びカメラコントローラ14及び図2の演算処理のステップS1及びステップS5が本発明の走行状態検出手段を構成し、以下同様に、図2の演算処理のステップS3乃至ステップS8及びステップS10乃至ステップS13が走行車線検出手段を構成し、図2の演算処理のステップS14、ステップS15が逸脱判断手段を構成し、図2の演算処理のステップS16乃至ステップS18及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が車両挙動制御手段を構成し、図2の演算処理のステップS17が制駆動力制御量算出手段を構成し、図2の演算処理のステップS18及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が制駆動力制御手段を構成している。
【0035】
次に、本発明の車線逸脱防止装置の第2実施形態について説明する。この実施形態における車両概略構成は、前記第1実施形態の図1のものと同様である。
本実施形態では、前記制駆動力コントロールユニット8で行われる演算処理が、前記第1実施形態の図2のものから図6のものに変更されている。この図7の演算処理は、前記図2の演算処理に類似しており、同等のステップもある。そこで、同等のステップには同等の符号を附して詳細な説明を省略する。具体的な相違点を挙げると、前記ステップS7とステップS11の間にステップS9が介装されている。
【0036】
前記ステップS9では、前記ステップS1で読込んだ操舵角δの微分値からなる操舵角速度が所定値以上であるか否かを判定し、操舵角速度が所定値以上である場合には前記ステップS10に移行し、そうでない場合には前記ステップS11に移行する。
この演算処理によれば、前記第1実施形態の作用に加え、操舵角速度が所定値以上である、即ち運転者による意図的な操舵入力があると判定されるときには前記車線維持非操作フラグFをリセットし、そうでないときに前記ステップS12による運転者の車線維持操舵判定を行う。従って、運転者による車線維持操作をより一層確実に検出することができ、その分だけ、走行車線を見失いにくい。
【0037】
以上より、図1の各センサ及びカメラコントローラ14及び図6の演算処理のステップS1及びステップS5が本発明の走行状態検出手段を構成し、以下同様に、図6の演算処理のステップS3乃至ステップS13が走行車線検出手段を構成し、図6の演算処理のステップS14、ステップS15が逸脱判断手段を構成し、図6の演算処理のステップS16乃至ステップS18及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が車両挙動制御手段を構成し、図6の演算処理のステップS17が制駆動力制御量算出手段を構成し、図6の演算処理のステップS18及び図1の制動流体圧制御回路7及び駆動トルクコントロールユニット12が制駆動力制御手段を構成している。
【0038】
なお、前記実施形態では、車線逸脱判断の閾値となる横変位限界値Xを車幅と走行車線幅とから算出したが、例えば日本国内の高速道路の走行車線幅は3.35mと決まっていることから、例えばこれを0.8mと固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車線逸脱防止装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の制駆動力コントロールユニット内で実行される情報演算処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図3】図2の演算処理に用いられる制御マップである。
【図4】図2の演算処理の作用の説明図である。
【図5】図2の演算処理の作用の説明図である。
【図6】図1の制駆動力コントロールユニット内で実行される情報演算処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
6FL〜6RRはホイールシリンダ
7は制動流体圧制御回路
8は制駆動力コントロールユニット
9はエンジン
12は駆動トルクコントロールユニット
13はCCDカメラ
14はカメラコントローラ
15は加速度センサ
16はヨーレートセンサ
17はマスタシリンダ圧センサ
18はアクセル開度センサ
19は操舵角センサ
20は方向指示スイッチ
22FL〜22RRは車輪速度センサ

Claims (5)

  1. 自車両の走行車線を検出する走行車線検出手段と、自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記走行車線検出手段で検出された走行車線及び走行状態検出手段で検出された走行状態から自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを検出する逸脱判断手段と、前記逸脱判断手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、前記走行状態検出手段で検出された走行状態に応じて、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように車両の挙動を制御する車両挙動制御手段とを備え、前記走行車線検出手段は、前記走行車線検出手段で検出された走行車線及び走行状態検出手段で検出された走行状態に基づいて得られる走行車線に対する自車両の向きに応じて自車両の走行車線を検出することを特徴とする車線逸脱防止装置。
  2. 前記走行車線検出手段は、運転者が走行車線を維持する操作をしていないときに、前記走行車線に対する自車両の向きに応じて自車両の走行車線を検出することを特徴とする請求項1に記載の車線逸脱防止装置。
  3. 前記走行車線検出手段は、操舵入力が小さいときに、前記走行車線に対する自車両の向きに応じて自車両の走行車線を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車線逸脱防止装置。
  4. 前記走行車線検出手段は、前記走行者線に対する自車両の向きに応じて走行車線検出エリアを設定し、該走行車線検出エリアに基づいて自車両の走行車線を検出することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車線逸脱防止装置。
  5. 前記車両挙動制御手段は、前記自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように各車輪の制駆動力制御量を算出する制駆動力制御量算出手段と、前記制駆動力制御量算出手段で算出された制駆動力制御量に応じて各車輪の制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車線逸脱防止装置。
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