JP4911131B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行中に自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止するようにした車線逸脱防止装置に関するものである。
従来、この種の技術としては、例えば、自車両が走行車線から逸脱傾向にあるときに、走行車線の基準位置から自車両の走行位置までの距離である横ずれ量に応じて、制動力アクチュエータを制御し、左右輪のうち逸脱方向とは反対側の車輪に制動力を付加することで自車両の走行車線からの逸脱を防止するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、このように、左右の車輪に制動力差を与えることにより、車線逸脱を防止するようにしたものにおいては、ドライバの操作によって駆動力が印加されている場合には、駆動力と制動力との間で干渉が生じてしまうことから、例えば、ドライバがアクセルペダル操作を行っている状態では、駆動力及び逸脱回避のための制御の何れか一方を優先して行うようにしたもの等も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−33860号公報 特開2003−306135号公報
上述のように、ドライバによってアクセルペダル操作が行われ駆動力が発生されている場合には、車線逸脱防止のための制動力制御或いは駆動力の発生を行わないようにすることによって、駆動力と制動力との干渉を回避することができる。しかしながら、車線逸脱傾向にある状態でアクセルペダル操作が行われている場合に車線逸脱防止の制御を抑制するということは、すなわちアクセルペダル操作が行われている状態での、車線逸脱防止の制御による逸脱回避効果も低減されることになる。逆に駆動力の発生を抑制するようにした場合は、例えば、車線変更時等意図的に車線逸脱傾向となったときには、アクセルペダルの操作が行われているにも関わらず十分な駆動力が発生せず逆にヨーモーメントが発生することになって、ドライバに違和感を与える場合がある。
また、上述のように、横ずれ量に応じて、制動力アクチュエータを制御し、制動力を付加することで自車両の走行車線からの逸脱を防止するようにした場合、車線逸脱防止のための制動力が付加されるため、特に、登坂路を走行している場合等、走行抵抗が大きい状態で車線逸脱防止のための制動力が付加されたときには、平坦路を走行している場合等、走行抵抗が小さい状態で車線逸脱防止のための制動力が付加される場合に比較して車速の低下量が大きい。このため、走行抵抗が大きい状態で車線逸脱防止の制御介入を行うと、ドライバに与える減速感が大きくなって、違和感を与える場合がある。
これを回避するため、例えば、車線逸脱防止の制御量を抑制すると、ドライバに与える減速感は抑制することができる。しかしながら上述のように、車線逸脱防止の制御量を抑制するということはすなわち、車線逸脱防止の制御効果を十分得ることができないということになる。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、走行抵抗が作用する状況下で車線逸脱防止制御に伴い制動力が生じた場合であっても、ドライバに違和感を与えることなく、車線逸脱防止を行うことの可能な車線逸脱防止装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る車線逸脱防止装置は、逸脱検出手段によって自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかが検出され、車線逸脱傾向にあることが検出されたときには、逸脱回避制御手段によって自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向に自車両の車両挙動が制御される。このとき、自車両が車線逸脱傾向にあるときには、駆動力要求量に応じた駆動力を発生する駆動力発生手段により発生される駆動力は、駆動力抑制手段により、走行抵抗力に応じて抑制される。
本発明に係る車線逸脱防止装置によれば、車線逸脱傾向にあるときには、駆動力発生手段で発生する、駆動力要求量に応じた駆動力を走行抵抗力に応じて抑制するから、駆動力要求量に応じた駆動力が発生されている状態で、逸脱回避制御に伴い生じる駆動力だけでなくさらに走行抵抗力が作用することに伴い、運転者に違和感を与えることを回避することができる。
まず、本発明の参考実施形態を説明する。
図1は、第1の参考実施形態における車線逸脱防止装置の一例を示す車両概略構成図である。なお、この車両は、自動変速機及びコンベンショナルディファレンシャルギヤを搭載した後輪駆動車両であり、制動装置は、前後輪とも、左右輪の制動力を独立に制御可能としている。
図1中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は、ドライバによるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧が、各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給されるようになっているが、このマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御回路7が介挿されており、この制動流体圧制御回路7内で、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
前記制動流体圧制御回路7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものであり、この実施形態では、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を、単独で増減圧することができるように構成されている。この制動流体圧制御回路7は、後述する車両状態コントロールユニット8からの制動流体圧指令値に応じて各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御する。
また、この車両は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比、並びにスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL、5RRへの駆動トルクを制御する駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。エンジン9の運転状態制御は、例えば燃料噴射量や点火時期を制御することによって制御することができるし、同時にスロットル開度を制御することによっても制御することができる。
なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で、駆動輪である後輪5RL、5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、前述した車両状態コントロールユニット8から駆動トルクの指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値を参照しながら駆動輪トルクを制御する。
また、この車両には、自車両の走行車線からの逸脱判断用に走行車線内の自車両の位置を検出するための前方外界認識センサとして、CCDカメラ等で構成される単眼カメラ13及びカメラコントローラ14を備えている。このカメラコントローラ14では、単眼カメラ13で捉えた自車両前方の撮像画像から、例えば白線等のレーンマーカを検出して走行車線を検出すると共に、その走行車線に対する自車両のヨー角θ、すなわち走行車線に対する自車両の向き、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β等を算出することができるように構成されている。
なお、このカメラコントローラ14は、レーンマーカ等を検出するための走行車線検出エリアを用いて走行車線検出を行い、その検出された走行車線に対して前記各データを算出する。走行車線の検出には、例えば特開平11−296660号公報に記載される手法を用いることができる。
具体的には、自車両が走行している走行車線の両側の白線等のレーンマーカを検出し、そのレーンマーカを用いて自車両が走行している走行車線を検出する。ここで、撮像された画像全域で白線等のレーンマーカを検出する(走査する)と、演算負荷も大きいし、時間もかかる。そこで、レーンマーカが存在しそうな領域に、更に小さな検出領域(いわゆるウィンドウ)を設定し、その検出領域内でレーンマーカを検出する。一般に、車線に対する自車両の向きが変わると、画像内に映し出されるレーンマーカの位置も変わるので、例えば前記特開平11−296660号公報では、操舵角δから車線に対する自車両の向きを推定し、画像内のレーンマーカが映し出されているであろう領域に検出領域を設定する。
そして、例えばレーンマーカと路面との境界を際立たせるフィルタ処理などを施し、各レーンマーカ検出領域内において、最もレーンマーカと路面との境界らしい直線を検出し、その直線上の一点(レーンマーカ候補点)をレーンマーカの代表的な部位として検出する。このようにして得られた各ウインドウのレーンマーカ候補点を連続すると、自車両前方に展開している走行車線を検出することができる。
また、この車両には、自車両に発生する前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出する加速度センサ15、自車両に発生するヨーレートφを検出するヨーレートセンサ16、前記マスタシリンダ3の出力圧、いわゆるマスタシリンダ圧Pmを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、即ちアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角δを検出する操舵角センサ19、各車輪5FL〜5RRの回転速度、いわゆる車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RR、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20が備えられ、それらの検出信号は前記車両状態コントロールユニット8に出力される。
また、前記カメラコントローラ14で検出された走行車線に対する自車両のヨー角θ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、駆動トルクコントロールユニット12で制御された車輪軸上での駆動トルクTwも合わせて車両状態コントロールユニット8に出力される。なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、何れも左方向を正方向とする。即ち、ヨーレートφや横加速度Yg、操舵角δ、ヨー角θは、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。
また、運転席近傍には、前記車両状態コントロールユニット8によって車線逸脱が検知された場合にこれをドライバに警告するための、警告用のモニタ23が設けられている。このモニタ23には、音声やブザー音を発生するためのスピーカが内蔵され、表示情報及び音声情報によってドライバに警告を発するようになっている。
次に、前記車両状態コントロールユニット8で行われる演算処理の処理手順を図2のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
この演算処理では、まずステップS1で、前記各センサや各コントローラ、コントロールユニットからの各種データを読込む。具体的には、前記各センサで検出された前後加速度Xg、横加速度Yg、ヨーレートφ、各車輪速度Vwi、アクセル開度Acc、マスタシリンダ圧Pm、操舵角δ、方向指示スイッチ信号、カメラコントローラ14からの走行車線に対する自車両のヨー角θ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β、また駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTwを読込む。
次に、ステップS2に移行し、逸脱推定値として将来の推定横変位Xsを算出する。具体的には、前記ステップS1で読込んだ自車両の走行車線に対するヨー角θ、走行車線中央からの自車両の横変位X、走行車線の曲率β及び自車両の走行速度Vを用い、下記(1)式に従って将来の推定横変位Xsを算出する。
Xs=Tt×V×(θ+Tt×V×β)+X ……(1)
なお、式(1)において、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、車頭時間Ttに自車両の走行速度Vを乗じると前方注視距離になる。つまり、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsとなる。後述するように、本実施形態では、この将来の推定横変位Xsが所定の横変位限界値以上となるときに自車両は走行車線を逸脱する可能性がある、或いは逸脱傾向にあると判断する。
また、前記自車両の走行速度Vは、前記ステップS1で読み込まれた各車輪速度Vwi(i=FL〜RR)のうち、非駆動輪である前左右輪速度VwFL、VwFRの平均値から算出する。
なお、ここでは、前左右輪速度VwFL、VwFRに基づいて走行速度Vを算出するようにした場合について説明したが、例えば、車両に公知のアンチスキッド制御を行うABS制御手段が搭載されており、このABS制御手段によりアンチスキッド制御が行われている場合には、このアンチスキッド制御での処理過程で推定される推定車体速を用いるようにすればよい。
次にステップS3に移行し、自車両が走行車線から逸脱傾向にあるか否かの判断を行う。この判断は、前記ステップS2で算出した逸脱推定値としての将来の推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとの比較結果に応じて行う。
具体的には、推定横変位Xsと逸脱判断しきい値XcとがXs≧Xcである場合には左に逸脱すると判断し、逸脱判断フラグFLDを“ON”に設定する。また、Xs≦−Xcである場合には右に逸脱すると判断し、逸脱判断フラグFLDを“ON”に設定する。また、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しない場合には、逸脱していないと判断し逸脱判断フラグFLDを“OFF”に設定する。
ここで、前記逸脱判断しきい値Xcは定数であって、例えば、走行車線幅Lの半分値から自車両の車幅L0の半分値を減じた値と、例えば、0.8〔m〕とのうちの何れか小さい方を用いることができる。前記走行車線幅Lは固定値(例えば高速道の車線幅3.35〔m〕)としてもよいし、ナビゲーション情報等により自車両の位置を地図データから車線幅の情報として取り込むことで、走行している道路に応じて変更するようにしてもよい。また、インフラシステムにより、道路に埋め込まれたマーカ等に基づいて検出した、自車両の逸脱方向の車線区分線までの距離“L/2−Xs”を、路車間通信等により得ることができる場合には、この情報を用いるようにしてもよい。
また、ここでは、逸脱判断しきい値Xcに基づいて車線逸脱判断を行うようにしているが、例えば、ドライバが車線を変更しているか否かを判断するようにし、さらに車線変更状況をも考慮して車線逸脱判断を行うようにしてもよい。具体的には、前記方向指示スイッチ20からの方向指示スイッチ信号に基づいて方向指示スイッチ20が操作されていると判断され、且つその信号により示される方向が推定横変位Xsの符号から特定される逸脱方向と一致する場合には、ドライバの意図的な車線変更であると判断し逸脱判断フラグFLDを“OFF”に変更する。逆に、方向指示スイッチ信号により特定される方向が推定横変位Xsから特定される逸脱方向と一致しない場合には、車線逸脱である可能性があるので逸脱判断フラグFLDは変更しない。また、方向指示スイッチ20が操作されていない場合であっても、操舵角センサ19からの操舵角δに基づき、ドライバが逸脱方向に操舵していると判定され、且つ操舵角δが予め設定したしきい値以上である場合には、ドライバに車線変更を行う意思があると判断し、逸脱判断フラグFLDを“OFF”に変更する。
次いで、ステップS4に移行し目標駆動力を算出する。なお、ここでは、最終的な目標駆動力に相当するアクセル開度である、擬似アクセル開度Asを算出する。この擬似アクセル開度AsはステップS3で設定した逸脱判断フラグFLDに応じて、ステップS1で読み込んだアクセル開度センサ18からのアクセル開度Accに基づいて算出する。
つまり、図3に示すように、逸脱判断フラグFLDが“ON”である場合には、逸脱判断フラグFLDが“ON”となった時点におけるアクセル開度“Acc”を初期値A0とし、このアクセル開度の初期値A0から徐々に零まで減少する値を擬似アクセル開度Asとして設定する。また、逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合には、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となった時点における擬似アクセル開度Asから逐次読み込まれるアクセル開度Accに一致するまで徐々に増加する値を擬似アクセル開度Asとして設定し、擬似アクセル開度Asがアクセル開度Accと一致したならば、これ以後、逐次読み込まれるアクセル開度Accを擬似アクセル開度Asとして設定する。つまり、車線逸脱と判断されないときには、目標駆動力としてアクセル開度Accに応じた駆動力が設定され、車線逸脱と判断されたときには目標駆動力が徐々に減少しやがて零となるように擬似アクセル開度Asが設定されるようになっている。
このようにして、擬似アクセル開度Asを算出し目標駆動力を特定したならばステップS5に移行し、車線逸脱を抑制するために車両に発生させる目標ヨーモーメントMsを算出する。ここでは、前記逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合には目標ヨーモーメントはMs=0とし、前記逸脱判断フラグFLDが“ON”であるときにのみ、ステップS2で算出した推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとの偏差(つまり逸脱量)に基づき目標ヨーモーメントMsを算出し、Xs≧Xcの場合には次式(2)を参照し、Xs≦−Xcの場合には次式(3)を参照して目標ヨーモーメントMsを算出する。なお、ここでは、反時計周り方向のヨーモーメントを正とする。
Ms=−K1×K2×Kas×(Xs−Xc) ……(2)
Ms=−K1×K2×Kas×(Xs+Xc) ……(3)
なお、式中のK1は車両諸元から決まる比例係数、K2は自車両の走行速度Vに応じて設定される比例係数、KasはステップS4で算出された擬似アクセル開度Asに応じて設定される補正ゲインであって、例えば、図4に示すように設定される。
なお、図4において、横軸はステップS4で算出された目標駆動力に相当する擬似アクセル開度As、縦軸は補正ゲインKasであって、アクセルペダル操作による駆動力と車線逸脱を回避するための制動力との干渉を回避するように設定される。
すなわち、例えば図4に示すように、補正ゲインKasは、擬似アクセル開度Asが第1のしきい値As1以下である領域では100〔%〕に設定され、擬似アクセル開度Asが増加するにつれてこれに反比例して補正ゲインKasは減少し、擬似アクセル開度Asが第1のしきい値As1よりも大きい第2のしきい値As2以上の領域では補正ゲインKasは0〔%〕に設定される。つまり、補正ゲインKasは、擬似アクセル開度Asが小さいとき、すなわち車線逸脱傾向にあると判断されているとき又はドライバのアクセルペダル操作量が小さいときには、目標ヨーモーメントMsとして車線逸脱量に応じたヨーモーメントが算出されるように設定され、車線逸脱を確実に回避するためのヨーモーメントが発生されるように設定される。逆に擬似アクセル開度Asが大きく、つまり車線逸脱傾向にないと判断されているときには、ヨーモーメントを発生させる必要がないから目標ヨーモーメントMsを低減するようにしている。そして、第1のしきい値As1及びAs2間では擬似アクセル開度Asの増加に比例して補正ゲインKasを減少させ、目標ヨーモーメントMsを徐々に変化させることにより、車両に付与されるヨーモーメントの変動量を制限し、車両挙動の急な変動を抑制するようにしている。
このようにして、目標ヨーモーメントMsを算出したならばステップS6に移行し、目標制動力を算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだマスタシリンダ圧Pm及び、前記ステップS5で算出した目標ヨーモーメントMsに基づいて、各車輪への目標制動流体圧Psiを算出する。
まず、前記ステップS1で読み込んだマスタシリンダ圧Pmに対し、前後制動力配分に基づく後輪用マスタシリンダ圧をPmRとしたとき、前記逸脱判断フラグがFLD“OFF”である場合には、前左右輪5FL、5FRのホイールシリンダ6FL、6FRへの目標制動流体圧PsFL、PsFRは共に、マスタシリンダ圧Pmとなり、後左右輪5RL、5RRのホイールシリンダ6RL、6RRへの目標制動流体圧PsRL、PsRRは共に後輪用マスタシリンダ圧PmRとなる。
一方、前記逸脱判断フラグLDが“ON”である場合には、前記目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて場合分けを行う。すなわち、前記目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms0未満であるときには後左右輪の制動力にだけ差を発生させ、前記目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms0以上であるときには前後左右輪の制動力に差を発生させる。したがって、前記目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms0未満であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPsFは“0”であり、後左右輪目標制動流体圧差ΔPsRは次式(4)で設定される。なお、式(4)中のTは、トレッド(前後輪で同じとする)、KbF、KbRはそれぞれ、制動力を制動流体圧に換算するための換算係数であり、ブレーキ諸元によって決まる。
ΔPsR=2×KbR×|Ms|/T ……(4)
同様に、目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms0以上であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPsFは次式(5)で、また後左右輪目標制動流体圧差ΔPsRは次式(6)で与えられる。
ΔPsF=2×KbF×(|Ms|−Ms0)/T ……(5)
ΔPsR=2×KbR×Ms0/T ……(6)
なお、ここでは、前後輪をそれぞれ制御するようにした場合について説明したが、例えば前輪のみで制御するようにしてもよく、この場合には、例えば、ΔPsF=2×KbF×|Ms|/Tとすればよい。
したがって、前記目標ヨーモーメントMsが負値であるとき、すなわち、自車両が左方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psiは次式(7)で与えられる。
PsFL=Pm
PsFR=Pm+ΔPsF
PsRL=PmR
PsRR=PmR+ΔPsR ……(7)
これに対し、前記目標ヨーモーメントMsが正値であるとき、すなわち自車両が右方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psiは下記(8)式で与えられる。
PsFL=Pm+ΔPsF
PsFR=Pm
PsRL=PmR+ΔPsR
PsRR=PmR ……(8)
このようにして目標制動力を算出したならばステップS7に移行し、前記ステップS4で算出した擬似アクセル開度Asに応じた目標駆動力を発生するよう駆動トルクコントロールユニット12に制御信号を出力し、擬似アクセル開度Asに応じた駆動力を発生させる。つまり、図3に示すように、逸脱判断フラグFLDが“OFF”であって車線逸脱傾向にない場合にはアクセル開度Accに応じた駆動力が発生されるが、逸脱判断フラグFLDが“ON”であって車線逸脱傾向にある場合にはアクセル開度Accに応じた駆動力よりも小さな駆動力が発生されることになる。
次いで、ステップS8に移行して、前記ステップS6で算出した各車輪の目標制動流体圧を前記制動流体圧制御回路7に向けて出力する。また、前記逸脱判断フラグFLDが“ON”である場合には、警告用のモニタ23を作動させ車線逸脱傾向にあることを通報する等の処理を行う。そして、メインプログラムに復帰する。
次に、上記第1の参考実施形態の動作を説明する。
今、自車両が走行車線中央を走行している場合には、前記ステップS2で算出される推定横変位Xsが、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しないから、逸脱判断フラグFLDは“OFF”に設定される(ステップS3)。したがって、逸脱判断フラグFLDが“OFF”であるから目標ヨーモーメントはMs=0に設定され、逸脱回避用のヨーモーメントは発生されない。また、逸脱判断フラグFLDが“OFF”の場合には擬似アクセル開度Asとして、アクセルペダルの踏込み量に応じたアクセル開度Accが設定されることから、ドライバのアクセルペダルの操作量に応じた目標駆動力が発生されることになり、このとき、前述のようにヨーモーメントは発生されないから、ドライバの運転操作に即した車両挙動となる。
この状態から、自車両が左に逸脱する傾向となり推定横変位Xsが増加し、Xs≧Xcとなると逸脱判断フラグFLDが“ON”に設定される(ステップS3)。このため、図3に示すように、この時点におけるアクセル開度Accを初期値A0として、この初期値A0から徐々に減少する値が擬似アクセル開度Asとして設定され、やがて擬似アクセル開度はAs=0となる。この擬似アクセル開度Asの減少に伴って、図4に示すように、補正ゲインKasは0〔%〕から徐々に増加しやがて100〔%〕となる。
このように擬似アクセル開度Asに応じた駆動力が発生され、また、補正ゲインKasに応じて目標ヨーモーメントMsが算出されることから、車線逸脱と判断されると、アクセルペダルの操作量に対して、発生される駆動力は徐々に減少しやがて零となって駆動力が低減される。一方、目標ヨーモーメントMsは駆動力の低下に伴って徐々に大きくなってやがて車線逸脱量に応じた目標ヨーモーメントMsを発生するよう制動力制御が行われることになる。
つまり、車線逸脱と判断され、これを回避するための目標ヨーモーメントMsを発生させるために制動力が発生されている状態では、アクセルペダルの操作が行われている状態であっても駆動力を低減するようにしているから、アクセルペダルの操作に伴う駆動力と逸脱回避のための制動力とが干渉することはなく、車線逸脱に必要とする十分なヨーモーメントを発生させることができ、逸脱回避のための制御による制御効果を十分得ることができる。
また、このとき、駆動力を徐々に低減させ且つ徐々にヨーモーメントを発生させるようにしているから車線逸脱を回避しつつ、駆動力を確保することができる。
そして、目標ヨーモーメントMsを発生させること、或いはドライバが操舵操作を行う等によって逸脱傾向から回復し、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となると、擬似アクセル開度Asは、逐次読み込まれるアクセル開度Accと一致するように徐々に増加する。このため、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となると、これに伴って目標ヨーモーメントMsが徐々に減少してやがて零となり、逆に、目標アクセルペダルの操作量に対して実際に発生する駆動力が徐々に回復しやがてアクセルペダルの操作量に応じた駆動力が発生される。
このように、車線逸脱傾向にあってヨーモーメントを発生させる場合には、アクセルペダルの操作量に応じた駆動力を発生させるのではなく、駆動力を低減し逆に目標ヨーモーメントMsを確保するようにしているから、目標ヨーモーメントMsを発生させるための制動力と駆動力とが干渉することを回避し、且つ、逸脱回避のための制御による制御効果を十分得ることができる。
また、このとき、車線逸脱傾向にあると判断されたときには、アクセルペダルの操作量に応じた駆動力を徐々に減少させ、且つ、目標ヨーモーメントMsを徐々に増加させ、また、車線逸脱傾向から回復したときには駆動力を徐々に増加させ、且つ目標ヨーモーメントMsを徐々に減少させるようにしている。したがって、駆動力や制動力が大きく変化することによってドライバに違和感を与えることを回避することができる。さらに、ヨーモーメント発生開始時には、駆動力を確保しつつヨーモーメントを発生させ、また、ヨーモーメント発生終了時には、ヨーモーメントを確保しつつ駆動力を回復させることができると共に、駆動力及び制動力との干渉を回避することができる。
また、このとき図3に示すように、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となって擬似アクセル開度Asをアクセル開度Accまで増加させる際に、擬似アクセル開度Asを速やかに変化させることによって、例えば、車線逸脱から回復したときには速やかに駆動力を回復させ、逆にヨーモーメントの発生を抑制することで、車線逸脱から回復したにも関わらずヨーモーメントが作用することを回避することができる。また、車線逸脱初期時には緩やかに擬似アクセル開度Asを低減させることによって、例えば意図して一時的に車線逸脱傾向となった場合等に、駆動力が必要以上に低減されることを回避し、その後、車線逸脱傾向から回復したときには、駆動力を速やかに回復させることができる。
なお、上記第1の参考実施形態においては、図3に示すように、車線逸脱傾向にあると判断されたときには擬似アクセル開度Asを零まで低減するようにした場合について説明したが、必ずしも零まで低減する必要はなく、逸脱回避のためのヨーモーメントを発生させるための制動力と駆動力とが干渉しない程度の目標駆動力に相当するアクセル開度まで低減するようにすればよい。
次に、第2の参考実施形態を説明する。
この第2の参考実施形態は、上記第1の参考実施形態において、車両状態コントロールユニット8で実行される演算処理の処理手順が異なること以外は同様であるので同一部の詳細な説明は省略する。
この第2の参考実施形態では、図5のフローチャートに示す手順で演算処理を行う。まず、ステップS11で、上述の図2のステップS1の処理と同様にして各種データを読み込むと共に、アクセル開度Accに応じたドライバ要求駆動力(以後、要求駆動力ともいう。)τmを算出する。
次いで、ステップS12に移行し、上記第1の参考実施形態と同様にして推定横変位Xsを算出し、次いで車線逸脱判断を行う(ステップS13)。
そして、ステップS14に移行し、車線逸脱を回避するために必要な減速量を得るための制動力を作用させた場合に、要求駆動力τmに応じて発生される駆動力と互いに反発すると予測される反発力に相当する制駆動力反発力τcを算出する。具体的には、逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合には、制駆動力反発力τc=0とする。また逸脱判断フラグFLDが“ON”である場合には、推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとの偏差に応じて設定し、Xs≧Xcである場合には次式(9)に基づいて算出し、Xs≦−Xcである場合には次式(10)に基づいて算出する。
τc=K11×K12×|Xs−Xc| ……(9)
τc=K11×K12×|Xs+Xc| ……(10)
なお、式中のK11は、車両諸元によって定まる比例係数である。また、K12は車速に応じて変動する比例係数であって、例えば、車速が高くなるにしたがって小さくなるように設定される。
次いで、ステップS15に移行し、目標駆動力τsを算出する。この目標駆動力τsは、前記ステップS11で算出した要求駆動力τm、ステップS14で算出した制駆動力反発力τcに基づいて算出する。具体的には、制駆動力反発力τcが、ドライバの要求駆動力τmを零以上の範囲で制限すること及びエンジンブレーキ力を発生させることで達成可能な範囲である場合には、ドライバの要求駆動力τmから制駆動力反発力τcを差し引いて算出し、達成可能な範囲以上である場合には目標駆動力τsとしてエンジンブレーキ力相当でリミットをかけ、不足分については、制動力を制御することによって達成する。
つまり、逸脱判断フラグFLDが“OFF”のときには、駆動力を制限する必要はないから目標駆動力τsとしてアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmを設定する。一方、逸脱判断フラグFLDが“ON”の場合には、場合分けを行い、制駆動力反発力がτc≦τm+τeを満足する場合には、目標駆動力τsを次式(11)により算出し、τc>τm+τeを満足する場合には、次式(12)により算出する。
なお、τeは、この時点で期待することの可能なエンジンブレーキ力の絶対値であって、この時点におけるエンジンの運転状態、自動変速機、スロットル開度等に基づいて算出する。
τs=τm−τc ……(11)
τs=−τe ……(12)
次いで、ステップS16に移行し、目標制動力τbを算出する。具体的には、前記ステップS14で算出した制駆動力反発力τcのうち、ステップS16における駆動力制限を行ったとしても不足する制駆動力反発力相当分を、目標制動力τbとする。つまり、逸脱判断フラグFLDが“ON”の場合、制駆動力反発力τcが、τc≦τm+τeの場合には、目標制動力はτb=0とする。逆に、τc>τm+τeの場合には、目標制動力τbは、次式(13)から算出する。
τb=τc−(τm+τe) ……(13)
そして、このようにして算出した目標制動力τb、前記ステップS11で読み込んだマスタシリンダ圧Pmに基づいて、各車輪への目標制動流体圧Psiを算出する。
この場合も、上記第1の参考実施形態と同様に、前記ステップS11で読み込んだマスタシリンダ圧Pmに対し、前後制動力配分に基づく後輪用マスタシリンダ圧をPmRとしたとき、前記逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合には、前左右輪5FL、5FRのホイールシリンダ6FL、6FRへの目標制動流体圧PsFL、PsFRは共に、マスタシリンダ圧Pmとなり、後左右輪5RL、5RRのホイールシリンダ6RL、6RRへの目標制動流体圧PsRL、PsRRは共に後輪用マスタシリンダ圧PmRとなる。
一方、前記逸脱判断フラグFLDが“ON”である場合には、各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psiは次式(14)で与えられる。
PsFL=Pm+KbF×τb
PsFR=Pm+KbF×τb
PsRL=PmR+KbR×τb
PsRR=PmR+KbR×τb ……(14)
なお、ここでは、各車輪の目標制動流体圧Psとして目標制動力τbから換算される制動流体圧とマスタシリンダ圧Pmとの和とした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、目標制動流体圧Psとマスタシリンダ圧Pmとのうちの何れか大きい方を選択するようにしてもよい。
このようにして目標制動力を算出したならば、ステップS17に移行し、前記ステップS15で算出した目標駆動力τsを発生するよう駆動力制御信号を前記駆動トルクコントロールユニット12に向けて出力する。
次いで、ステップS18に移行して、前記ステップS16で算出した各車輪の目標制動流体圧を前記制動流体圧制御回路7に向けて出力する。また、前記逸脱判断フラグFLDが“ON”である場合には、警告用のモニタ23を作動させる等の処理を行う。そして、メインプログラムに復帰する。
次に、第2の参考実施形態の動作を説明する。
この第2の参考実施形態においては、車線逸脱傾向にない場合には、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となるから、制駆動力反発力τcは零(ステップS14)、目標駆動力はτs=τm(ステップS15)、目標制動力はτb=0(ステップS16)に設定される。したがって、車線逸脱回避のための減速は行われず、また、アクセルペダルの操作量に応じた要求駆動力τmが発生されることになって、ドライバの操作に即した走行状態となる。
この状態から、車線逸脱傾向となり逸脱判断フラグFLDが“ON”となると、このときの車線逸脱量(Xs−Xc)に基づいて、制駆動力反発力τcが算出される。そして、この制駆動力反発力τcが、ドライバの要求駆動力τmとエンジンブレーキ力τeとの和以下である場合には、目標制動力τsとしてτs=τm−τcとして設定され、また、目標制動力τbは零として設定され、これに応じて制動力及び駆動力が発生されることになる。
したがって、アクセルペダルが操作されており、本来ならば、要求駆動力τmが発生されるはずであるが、このときの自車両の車線逸脱量を抑制するために必要な減速量に相当する制駆動力反発力τc分を、要求駆動力τmから差し引いた値を目標駆動力τsとしているから、結果的に、車線逸脱回避に必要な減速量が車両に作用することになり、また、要求駆動力τmのうち、逸脱回避用減速量相当分を差し引いた駆動力は発生されることになるから、車線逸脱回避のための制動力とドライバ要求による駆動力とが干渉することはなく、車線逸脱回避用の減速量を確保しつつ、ドライバ要求による駆動力の発生をも行うことができる。
このとき、自車両の車線逸脱量が大きく、且つドライバのアクセルペダルの操作量が少ない場合等、制駆動力反発力τcが、要求駆動力τmとエンジンブレーキ力τeとの和よりも大きい場合には、目標駆動力τsとしてエンジンブレーキ力τeが設定され、また、要求駆動力τmとエンジンブレーキ力τeとの和を、制駆動力反発力τcから差し引いた値が目標制動力τbとして設定される。
つまり、要求駆動力τmを制限し且つエンジンブレーキ力τeを発生させるようにしたとしても制駆動力反発力τcに相当する制動力を発生させることができない場合には、駆動力をエンジンブレーキτe相当の駆動力まで低減し、駆動力を発生させつつ不足分を制動力により補うようにしたから、結果的に、制駆動力反発力τcに相当する減速量を車両に作用させることができる。そして、この場合も、要求駆動力τmを低減しつつ不足分を制動力を発生することで補うようにしているから、駆動力と制動力とが干渉することを回避し、車線逸脱回避のための制動力を確実に確保しつつ、可能な範囲で駆動力を発生させることができる。
また、この第2の参考実施形態においては、自車両の車線逸脱量に応じた制駆動力反発力τc相当分に応じて駆動力低減を行い、また必要に応じて制動力を発生させるようにしているから、車線逸脱量の変化に即して滑らかに駆動力或いは制動力を変化させることができ、また、車線逸脱量の回復時にはこれに伴って駆動力を速やかに回復することができる。
なお、上記第2の参考実施形態においては、制駆動力反発力τcを算出し、要求駆動力τmを調整し、さらに不足分を制動力で補うことにより制駆動力反発力τcに相当する減速量を確保するようにした場合について説明したが、前記要求駆動力τmのみを低減するようにすることも可能である。この場合、制駆動力反発力τcに比較して要求駆動力τmが小さい場合には制駆動力反発力τcに相当する減速量を確保することはできないが、要求駆動力τmと、車線逸脱回避に必要な減速量とが干渉することを回避することができ、十分ではない場合もあるものの、車線逸脱回避のための制御による制御効果を得ることができる。
次に、本発明の第1の実施の形態を説明する。
この第1の実施の形態は、上記第1の参考実施形態において、車両状態コントロールユニット8で実行される演算処理の処理手順が異なっている。また、車両状態コントロールユニット8には、駆動トルクコントロールユニット12で制御された車輪軸上での駆動トルクTwと共に、駆動トルクコントロールユニット12で検出された、エンジントルクτa及びアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが出力されるようになっている。
図6は、第1の実施の形態において、車両状態コントロールユニット8で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6において、ステップS21からステップS23の処理は、上記第1の参考実施形態における図2のステップS1からステップS3の処理と同様であって、前記駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTwと共にエンジントルクτa及びドライバ要求駆動力τmを含む各種データを読み込み(ステップS21)、推定横変位Xsを算出し(ステップS22)、推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとを比較して逸脱判断を行う(ステップS23)。
次いで、ステップS24に移行し、自車両の現時点における走行抵抗力τrを算出する。具体的には、まず、駆動トルクコントロールユニット12で検出されたエンジントルクτaから、次式(15)にしたがって車両の推定駆動力τhを算出する。
τh=τa×Kg ……(15)
なお、式(15)中のKgは、エンジントルクτaを、駆動軸での駆動力に換算するための係数であって、車両諸元によって定まる総ギヤ比である。
次に、走行速度Vを用いて、次式(16)から、車両に発生している実駆動力τvを算出する。
τv=(dV/dt)×Kt ……(16)
なお、式(16)中のKtは、加速度を駆動力に換算するための係数であって、車両諸元によって定まる。
次に、(15)式から算出した推定駆動力τhと、(16)式から算出した実駆動力τvとから、次式(17)にしたがって走行抵抗力τrを算出する。なお、この走行抵抗力τrは、走行抵抗が大きいほど大きくなる値である。つまり登坂勾配が大きいときほど走行抵抗力τrは大きな値となる。
τr=τh−τv ……(17)
このようにして、走行抵抗力τrを算出したならばステップS25に移行し、目標駆動力τsを算出する。この目標駆動力τsは、逸脱判断フラグFLDに応じて、要求駆動力τmと、ステップS24で算出した走行抵抗力τrとに応じて設定する。
具体的には、逸脱判断フラグFLDが“ON”であり、且つ要求駆動力τmが走行抵抗力τr相当の駆動力よりも大きいとき(τm>τr)には、図7に示すように、逸脱判断フラグFLDが“ON”となった時点における要求駆動力τmを初期値τm0とし、この要求駆動力の初期値τm0から徐々に走行抵抗力τr相当の駆動力まで減少する値を、目標駆動力τsとして設定する。なお、下り坂を走行している場合等、算出された走行抵抗力τrが負値である場合には、目標駆動力τsを、要求駆動力τmから零となるまで徐々に減少させる。
なお、ここでいう駆動力とは、駆動輪を駆動させる力であって、加速を行うための力ではない。したがって、一定速走行している場合であっても駆動力が発生していることになる。
また、逸脱判断フラグFLDが“ON”であり、且つ要求駆動力τmが走行抵抗力τr相当の駆動力以下のとき(τm≦τr)には、図8に示すように、要求駆動力τmを目標駆動力τsとする。
一方、逸脱判断フラグFLDが“OFF”の場合には、逸脱判断フラグFLDが、“ON”から“OFF”に切り換わったときの目標駆動力τsから、逐次読み込まれる要求駆動力τmに一致するまで徐々に増加する値を目標駆動力τsとして設定し、目標駆動力τsが要求駆動力τmと一致したならば、これ以後、逐次読み込まれる要求駆動力τmを目標駆動力τsとして設定する。つまり、車線逸脱と判断されないときには、目標駆動力τsとしてアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが設定され、車線逸脱と判断されたときには、目標駆動力τsとして走行抵抗力τr相当の駆動力に抑制され、車線逸脱と判断された場合であっても、要求駆動力τmが走行抵抗力τr以下である場合には、要求駆動力τmが目標駆動力τsとして設定されるようになっている。
このようにして、目標駆動力τsを設定したならばステップS26に移行し、車線逸脱を抑制するために車両に発生させる目標ヨーモーメントMsを算出する。具体的には、逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合には目標ヨーモーメントはMs=0とし、逸脱判断フラグFLDが“ON”であるときにのみ、ステップS22で算出した推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとの偏差(つまり逸脱量)に基づき目標ヨーモーメントMsを算出し、Xs≧Xcの場合には次式(18)を参照し、Xs≦−Xcのときには次式(19)を参照して目標ヨーモーメントMsを算出する。なお、ここでは反時計周り方向のヨーモーメントを正とする。なお式(18)及び(19)中の比例係数K1及びK2は、上記(2)式及び(3)式中の比例係数K1及びK2と同様である。
Ms=−K1×K2×(Xs−Xc) ……(18)
Ms=−K1×K2×(Xs+Xc) ……(19)
このようにして、目標ヨーモーメントMsを算出したならば、ステップS27に移行し、目標制動力を算出する。具体的には、ステップS21で読み込んだマスタシリンダ圧Pm及び前記ステップS26で算出した目標ヨーモーメントMsに基づいて、上記第1の参考実施形態と同様の手順で各車輪への目標制動流体圧Psiを算出する。
次いで、ステップS28に移行し、ステップS25で算出した目標駆動力τsを発生するよう駆動トルクコントロールユニット12に制御信号を出力する。つまり、図7及び図8に示すように、逸脱判断フラグFLDが“OFF”であって、車線逸脱傾向にない場合にはアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが発生されるが、逸脱判断フラグFLDが“ON”であって車線逸脱傾向にある場合には、要求駆動力τmが走行抵抗力τrよりも大きいときには、要求駆動力τmよりも小さい走行抵抗力τr相当の駆動力が発生され、要求駆動力τmが走行抵抗力τr以下であるときには、要求駆動力τm相当の駆動力が発生されることになる。
次いで、ステップS29に移行し、ステップS27で算出した各車輪の目標制動流体圧Psiを制動流体圧制御回路7に向けて出力する。また、逸脱判断フラグFLDが“ON”である場合には、警告用のモニタ23を作動させ車線逸脱傾向にあることを通報する等の処理を行う。そして、メインプログラムに復帰する。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
今、自車両が走行車線中央を走行している場合には、ステップS22で算出される推定横変位Xsが、Xs≧Xc及びXs≦−Xcのいずれも満足しないから、逸脱判断フラグFLDは“OFF”に設定される(ステップS23)。したがって、目標ヨーモーメントはMs=0に設定され、車線逸脱回避用のヨーモーメントは発生されない。また、逸脱判断フラグFLDが“OFF”の場合には、アクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが目標駆動力τsとして設定されることから、ドライバのアクセルペダルの操作量に応じた目標駆動力が発生されることになり、このとき、前述のようにヨーモーメントは発生されないから、ドライバの運転操作に則した車両挙動となる。
この状態から、自車両が左に逸脱する傾向となり推定横変位Xsが増加し、Xs≧Xcとなると逸脱判断フラグFLDが“ON”に設定される(ステップS23)。
このとき、自車両が登坂路を走行している場合であって、アクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが走行抵抗力τrよりも大きいときには、図7に示すように、逸脱判断フラグFLDが“ON”に切り換わった時点における要求駆動力τmを初期値τm0として、この初期値τm0から徐々に減少する値が目標駆動力τsとして設定され、目標駆動力τsが走行抵抗力τr相当の駆動力まで減少したとき、これ以後、走行抵抗力τr相当の駆動力が目標駆動力τsとして設定される。
このため、逸脱判断フラグFLDが“ON”に切り換わると、図7に示すように、要求駆動力τm相当の駆動力が発生されている状態から、駆動力は徐々に減少し、走行抵抗力τr相当の駆動力が発生されることになる。一方、逸脱判断フラグFLDが“ON”に切り換わることから、推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとの偏差つまり逸脱量に応じた目標ヨーモーメントMs相当のヨーモーメントが発生されることになる。
ここで、登坂路を走行している場合等、走行抵抗が大きな状態で左右輪の制動力制御を行い車線逸脱回避のためのヨーモーメントを発生させると、走行抵抗が小さい場合に比較して車速の低下量が大きくなり、ドライバに大きな減速感を与え、ドライバが違和感を覚える場合がある。
しかしながら、上述のように、要求駆動力τmを抑制し、発生させる駆動力を走行抵抗力τr相当の駆動力まで抑制し、駆動力がより小さく抑制されたためその分制動力が作用した場合にドライバに与える減速感がより小さい状態で、車線逸脱回避のための制動力を作用させるようにしているから、走行抵抗が大きな路面を走行している状態であっても、制動力が作用することに起因してドライバに与える減速感を抑制することができる。
また、要求駆動力τmを抑制する際には走行抵抗力τr相当の駆動力を下限値とし、走行抵抗力τr相当の駆動力は発生させるようにしているから、走行抵抗力τrが作用していない場合と同等の走行状況、つまり走行抵抗のない平坦路を走行している場合と同等の走行状況を実現することができる。このように、平坦路を走行している状態で車線逸脱回避のための制御を行う場合と同等の走行状況を実現することができるから、この状態で車線逸脱回避のための制動力を発生させた場合、平坦路を走行している場合と同等程度の車速の低下が生じることになり、走行抵抗が大きい走行状況で車線逸脱回避のための制御を実行した場合であっても、ドライバに与える減速感を抑制することができる。
また、このとき、走行抵抗力τr相当の駆動力は発生させるようにしているから、駆動力が走行抵抗力τr相当値よりも小さくなって駆動力不足により減速傾向となることに起因して、ドライバに減速感を与えることを回避することができる。
また、このように駆動力を抑制した状態で、目標ヨーモーメントMsを発生させるようにしているから、駆動力と目標ヨーモーメントMsを発生させるための制動力とが干渉することを抑制することができ、車線逸脱回避のための制御による制御効果を十分得ることができる。
また、駆動力を抑制する場合には、図7に示すように、徐々に減少させるようにしているから、駆動力の急な変化を防止し車両挙動が急に変化することを防止することができる。
そして、目標ヨーモーメントMsを発生させること、或いはドライバが操舵操作を行うこと等によって自車両が逸脱傾向から回復し、逸脱判断フラグFLDが“OFF”となると、目標駆動力τsは、逐次読み込まれるアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmと一致するように徐々に増加する。このため、逸脱判断フラグFLDが“OFF”になると、目標ヨーモーメントMsの発生が停止されると共に、アクセルペダルの操作量に対して実際に発生する駆動力が徐々に回復しやがてアクセルペダルの操作量に応じた駆動力が発生され、アクセルペダルの操作に応じた走行状態に復帰することになる。
ここで、駆動力を増加させる場合には、図7に示すように、徐々に増加させるようにしているから、駆動力の急な変化を防止し車両挙動が急に変化することを防止することができる。
一方、逸脱判断フラグFLDが“ON”になったときに、自車両が平坦路を走行している場合、或いは緩斜面を登っている場合等、要求駆動力τmが走行抵抗力τr以下である場合には、引き続き要求駆動力τmが目標駆動力τsとして設定され、駆動力の抑制は行われない。このため、駆動力の抑制は行われず、要求走行抵抗力τrよりも小さい要求駆動力τm相当の駆動力が発生されることになり、この状態で自車両の車線からの逸脱量に応じた目標ヨーモーメントMs相当のヨーモーメントが発生されることになる。この場合、要求駆動力τmは走行抵抗力τr相当の駆動力以下であって、発生される駆動力は比較的小さいから、この状態で制動力が作用したとしても、ドライバに与える減速感は比較的小さく、また、要求駆動力τmが走行抵抗力τr相当の駆動力以下であって、ドライバは車速の低下を予測していることから、この状態で、ヨーモーメントを発生させることにより車速の低下が生じたとしても、ドライバに違和感を与えることはない。
また、要求駆動力τmが走行駆動力τr相当の駆動力以下であって、減速傾向にあることから、目標ヨーモーメントMsを発生させるための制動力と要求駆動力τm相当の駆動力とが干渉し、車線逸脱回避のための制御による制御効果が多少減少したとしても、走行駆動力τr以下の駆動力しか発生されないことにより減速傾向となることで、結果的に車線逸脱回避のための制御による制御効果を十分得ることができる。
また、例えば、自車両が下り坂を走行している場合等、算出される走行抵抗力τrが負値となり、加速方向に走行抵抗が作用する場合には、アクセル開度Accに応じた要求駆動力τmは、常に走行抵抗力τr相当の駆動力よりも大きくなる。このため、逸脱判断フラグFLDが“ON”に切り換わった時点における要求駆動力τmを初期値τm0として、この初期値τm0から徐々に減少する値が目標駆動力τsとして設定され、目標駆動力τsが零相当まで減少したとき、これ以後、目標駆動力τsは零として設定される。
このため、逸脱判断フラグFLDが“ON”に切り換わると、要求駆動力τm相当の駆動力が発生されている状態から、駆動力は徐々に減少しやがて零となり、これと共に、自車両の車線からの逸脱量に応じた目標ヨーモーメントMs相当のヨーモーメントが発生されることになる。
したがって、下り坂で車線逸脱傾向となり、車線逸脱回避のための制御介入が行われ制動力が発生された場合、場合によってはドライバに減速感を与える場合があるが、車線逸脱を検出したときには、駆動力が抑制されることから、ドライバに与える減速感を低減しつつ、車線逸脱の抑制を図ることができる。また、駆動力と車線逸脱回避のためのヨーモーメントを発生させるための制動力との干渉を抑制することができ、この干渉による車線逸脱回避のための制御による制御効果の低減を抑制することができる。
このように、自車両の車線からの逸脱量に応じた目標ヨーモーメントMs相当のヨーモーメントを発生させ、車両に作用する走行抵抗を考慮して駆動力を抑制するようにしたから、車線逸脱回避のための制御による制御効果を確保しつつ、ヨーモーメントを発生させるための制動力が作用することによる減速感を抑制することができる。
なお、上記第1の実施の形態では、目標ヨーモーメントMsはそのままで、要求駆動力τmのみを抑制するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、この場合も上記第1の参考実施形態と同様に、駆動力の抑制度合に応じて目標ヨーモーメントMsを調整するようにしてもよい。
ここで、上記第1の実施の形態において、図6のステップS23の処理が逸脱検出手段に対応し、ステップS26、ステップS27、ステップS29の処理が逸脱回避制御手段に対応し、駆動トルクコントロールユニット12及びエンジン9が駆動力発生手段に対応し、駆動トルクコントロールユニット12でアクセル開度センサ18からのアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmを算出する処理が駆動力要求量検出手段に対応し、図6のステップS24の処理が走行抵抗力検出手段に対応し、ステップS27の処理で走行抵抗力の大きさに応じて駆動力を抑制する処理が駆動力抑制手段に対応している。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、上記第1の参考実施形態において、車両状態コントロールユニット8で実行される演算処理の処理手順が異なっている。また、車両状態コントロールユニット8には、駆動トルクコントロールユニット12で制御された車輪軸上での駆動トルクTwと共に駆動トルクコントロールユニット12で検出されたエンジントルクτa及び、アクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが出力されるようになっている。
図9は、第2の実施の形態で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9において、ステップS31からステップS34の処理は、上記第1の実施の形態における図6のステップS21からステップS24の処理と同様であって、前記駆動トルクコントロールユニット12から駆動トルクTwと共にエンジントルクτa及びドライバ要求駆動力τmを含む各種データを読み込み(ステップS31)、推定横変位Xsを算出し(ステップS32)、推定横変位Xsと逸脱判断しきい値Xcとを比較して逸脱判断を行った後(ステップS33)、自車両の現時点における走行抵抗力τrを算出する(ステップS34)。
次いで、ステップS35に移行し、ドライバの加速意志の有無を判断する。具体的には、ステップS31で読み込んだドライバの要求駆動力τmが、予め設定した加速意図判断用のしきい値τth以上であるとき(τm≧τth)、ドライバに加速意志があると判断し加速意志フラグFacを“ON”に設定する。一方、要求駆動力τmがしきい値τthよりも小さいときには(τm<τth)、加速意志はないものと判断し、加速意志フラグFacを“OFF”に設定する。
次いで、ステップS36に移行し、目標駆動力τsを算出する。まず、逸脱判断フラグFLDが“ON”ある場合には、加速意志フラグFacに応じて場合分けをして設定する。まず、加速意志フラグFacが“ON”の場合には、目標駆動力τsとして要求駆動力τmを設定する。なお、逸脱判断フラグFLD及び加速意志フラグFacが共に“ON”となった時点で、目標駆動力τsとして要求駆動力τmが設定されていない場合には、目標駆動力τsを、その現在値から徐々に増加させて要求駆動力τmに一致させる。
一方、逸脱判断フラグFLDが“ON”であり且つ加速意志フラグFacが“OFF”の場合には、要求駆動力τmと走行抵抗力τr相当の駆動力とを比較し、要求駆動力τmが走行抵抗力τr相当の駆動力よりも大きいとき(τm>τr)には、逸脱判断フラグFLDが“ON”であり且つ加速意志フラグFacが“OFF”となったときの要求駆動力τmを初期値τm0として、この初期値τm0から走行抵抗力τr相当の駆動力まで減少させた値を目標駆動力τsとする。なお、自車両が下り坂を走行している場合等、算出した走行抵抗力τrが負値であって、加速方向に作用する力である場合には、要求駆動力τmを零まで徐々に減少させた値を目標駆動力τsとする。
一方、要求駆動力τmが走行抵抗力τr以下の場合には、要求駆動力τmを目標駆動力τsとして設定する。
また、逸脱判断フラグFLDが“OFF”の場合には、要求駆動力τmを目標駆動力τsとして設定する。なお、逸脱判断フラグFLDが“OFF”に切り換わったときの要求駆動力τmが、目標駆動力τsとは異なる値である場合には、この時点における目標駆動力τsの値を初期値として徐々に増加する値を目標駆動力τmとして設定する。
このようにして目標駆動力τsを設定したならば、ステップS37に移行し、車線逸脱を抑制するために車両に発生させる目標ヨーモーメントMsを算出する。具体的には、逸脱判断フラグFLDが“OFF”である場合には目標ヨーモーメントはMs=0とし、逸脱判断フラグFLDが“ON”であるときにのみ、ステップS32で算出した推定横変位Xsと、逸脱判断しきい位置Xcとの偏差(つまり偏差量)に基づき目標ヨーモーメントMsを算出し、Xs≧Xcの場合には次式(20)を参照し、Xs≦−Xcのときには次式(21)を参照して、目標ヨーモーメントMsを算出する。なお、ここでは、反時計周りの方向のヨーモーメントを正とする。
Ms=−K1×K2×Kac×(Xs−Xc) ……(20)
Ms=−K1×K2×Kac×(Xs+Xc) ……(21)
なお、式(20)及び式(21)中のKacは、ステップS36で算出された目標駆動力τsに応じて設定される目標駆動力感応ゲインKacであって、例えば図10に示すように設定される。
図10において、横軸は目標駆動力τs、縦軸は目標駆動力感応ゲインKacである。目標駆動力感応ゲインKacは、図10に示すように、目標駆動力τsがステップS34で算出された走行抵抗力τr相当の駆動力以下である領域では100〔%〕に設定され、目標駆動力τsが走行抵抗力τr相当の駆動力よりも大きくなりその差が大きくなるとこれに反比例して所定の減少度合で目標駆動力感応ゲインKacは減少し、目標駆動力感応ゲインKacが0〔%〕に達すると、この時点での目標駆動力τsの値よりも大きな領域では、目標駆動力τsの増加に関わらず目標駆動力感応ゲインKacは0〔%〕に設定される。なお、走行抵抗力τrが負値であって加速方向に作用するときには、目標駆動力感応ゲインKacは0〔%〕とする。
つまり、目標駆動力感応ゲインKacは、目標駆動力τsが走行抵抗力τrよりも小さく、ヨーモーメントを発生させるための制動力を発生させたとしてもそれほど減速感を与えないと予測されるときには、目標ヨーモーメントMsとして車線逸脱量に応じたヨーモーメントが算出されるように設定されて、車線逸脱を確実に回避するためのヨーモーメントが発生される。逆に、目標駆動力τsが走行抵抗力τrよりも大きくヨーモーメントを発生させるための制動力を発生させた場合に比較的大きな減速感を与えると予測されるときには目標ヨーモーメントMsを抑制し、ヨーモーメントを発生させるための制動力を発生させることによりドライバに与える減速感を低減することで、ドライバに与える違和感を抑制するようになっている。また、目標駆動力感応ゲインKacを0〔%〕と100〔%〕との間で切り換える際に目標ヨーモーメントMsが急に変動することを回避するために、目標駆動力τsの変化に応じて目標駆動力感応ゲインKacを徐々に変化させるようになっている。
このようにして、目標ヨーモーメントMsを算出したならばステップS38に移行し、以後、上記第1の参考実施形態における図2のステップS6からステップS8の処理と同様の手順で、各車輪に対する目標制動流体圧Psiを算出し(ステップS38)、ステップS36で算出した目標駆動力を発生するよう駆動トルクコントロールユニット12に制御信号を出力し(ステップS39)、さらにステップS38で算出した目標制動流体圧Psiを制動流体圧制御回路7に向けて出力する(ステップS40)。また、逸脱判断フラグFLDが“ON”である場合には、警告用のモニタ23を作動させ車線逸脱傾向にあることを通報する等の処理を行う。そしてメインプログラムに戻る。
次に、上記第2の実施の形態の動作を説明する。
自車両が走行車線中央を走行している場合には、逸脱判断フラグFLDは“OFF”に設定され、目標ヨーモーメントはMs=0に設定され、また、アクセル開度Accに応じた要求駆動力τmが目標駆動力τsとして設定されることから、ドライバのアクセルペダルの操作量に応じた目標駆動力が発生されることになり、このとき、前述のようにヨーモーメントは発生されないから、ドライバの運転操作に則した車両挙動となる。
この状態から、自車両が左に逸脱する傾向となり推定横変位Xsが増加し、Xs≧Xcとなると逸脱判断フラグFLDが“ON”に設定される(ステップS33)。このとき、ドライバに加速意志があり、アクセルペダルを踏み込んでいると、要求駆動力τmがその加速意志判断しきい値τth以上となった時点で加速意志があると判断され、加速意志フラグFacが“ON”に設定される。
このため、逸脱判断フラグFDLが“ON”、加速意志フラグFacが“ON”であることから目標駆動力τsとして要求駆動力τmが設定される。ここで、逸脱判断フラグFDLが“ON”に切り換わる以前、つまり、逸脱判断フラグFDLが“OFF”である場合には目標駆動力τsとして要求駆動力τmが設定されるから、引き続き要求駆動力τmが目標駆動力τsとして設定されることになり、ドライバのアクセルペダル操作に応じた駆動力が発生されることになる。
そして、目標駆動力τsが走行抵抗力τrよりも大きいときには目標駆動力感応ゲインKacは、目標駆動力τsの大きさに応じて100〔%〕よりも小さな値に抑制されることから、目標ヨーモーメントMsも抑制されることになる。このため、ドライバの加速意志に沿って、アクセルペダル操作量に応じた駆動力が発生されると共に、駆動力の大きさに応じて発生されるヨーモーメントが抑制されることになる。
ここで、自車両が登り坂等を走行している場合、ヨーモーメントを発生させるための制動力が作用すると、場合によっては、ドライバに減速感を与えることがある。しかしながら、上述のように目標駆動力τsの大きさに応じて目標ヨーモーメントMsを抑制しているから、制動力が作用することによりドライバに与える減速感を抑制することができる。
また、このとき、要求駆動力τsが大きいときほど目標ヨーモーメントMsがより小さな値となるように抑制しているから、駆動力が大きく制動力が作用した場合にドライバに与える減速感が大きいと予測されるときほどヨーモーメントをより小さく抑制することで、ドライバに与える減速感を的確に抑制することができる。
したがって、登り坂等であっても、ドライバに減速感を与えることなく、ドライバの加速意志に応じた駆動力を発生させつつ、ヨーモーメントを作用させることで逸脱回避を図ることができる。
一方、逸脱判断フラグFLDが“ON”、加速意志フラグFacが“ON”であり、且つ、目標駆動力τsが走行抵抗力τr以下である場合には、目標駆動力感応ゲインKacは100〔%〕に設定されることから、自車両の逸脱量に応じたヨーモーメントが目標ヨーモーメントMsとして設定される。
このため、要求駆動力τm相当の駆動力が発生されると共に、自車両の逸脱量に応じたヨーモーメントが発生されることになるが、この場合、目標駆動力τsは走行抵抗力τr以下であってドライバは車速の低下を予測していることから、自車両が登り坂等を走行している状態であって、この状態でヨーモーメントの発生により車速の低下が生じた場合であっても、ドライバはそれほど減速感を感じることはない。
また、ドライバに加速意志がない状態で、逸脱判断フラグFLDが“ON”となった場合、このとき、要求駆動力τmが走行抵抗力τr相当の駆動力よりも大きい場合には、目標駆動力τsは要求駆動力τmから徐々に走行抵抗力τrまで減少する。また、目標駆動力τsの低下に伴って、目標駆動力感応ゲインKacは、0〔%〕から100〔%〕に変化する。したがって、目標駆動力τsの低下と共に、目標ヨーモーメンMsは増加し、自車両の車線からの逸脱量に応じたヨーモーメントが発生されることになる。
したがって、ドライバに加速意志がない場合には、自車両の車線逸脱を回避するのに十分なヨーモーメントが発生されると共に、このとき、要求駆動力τmが走行抵抗力τr相当の駆動力よりも大きいときには、目標駆動力τsは走行抵抗力τr相当の駆動力に抑制されるから、自車両が登り坂等を走行している状態でヨーモーメントを発生させるための制動力が作用したとしても、ドライバに与える減速感を低減することができると共に、車線逸脱回避のための制御による制御効果を十分得ることができる。また、このとき、走行抵抗力τr相当の駆動力を発生させるようにしているから、駆動力が走行抵抗力τr以下となることによる駆動力不足によりかえってドライバに減速感を与えることを回避することができる。
一方、ドライバに加速意志がない状態で、逸脱判断フラグFLDが“ON”となり、要求駆動力τmが走行抵抗力τr相当の駆動力以下である場合には、目標駆動力τsは要求駆動力τmに設定される。また、目標駆動力τs(=要求駆動力τm)が走行抵抗力τr相当の駆動力以下であることから、目標駆動力感応ゲインKacは100〔%〕に設定される。
この場合、要求駆動力τmは走行抵抗力τr相当の駆動力よりも小さく、発生される駆動力は比較的小さいから、自車両が登り坂を走行している場合であっても、この状態で制動力が作用したとしても、ドライバに与える減速感は比較的小さい。また、要求駆動力τmが走行抵抗力τr以下であって、ドライバは車速の低下をある程度予測していることから、この状態で、ヨーモーメントを発生させることにより車速の低下が生じたとしても、ドライバに違和感を与えることはない。したがって、ドライバに減速感を与えることなく、車線逸脱回避のための制御による制御効果を得ることができる。
また、車線逸脱傾向にあり、且つ目標駆動力τsが走行駆動力τr相当の駆動力以下であって、減速傾向にあることから、目標ヨーモーメントMsを発生させるための制動力と要求駆動力τm相当の駆動力とが干渉し、車線逸脱回避のための制御による制御効果が多少減少したとしても、その分、車両が減速傾向となることで、結果的に車線逸脱回避のための制御による制御効果を十分得ることができる。
また、例えば、車線逸脱傾向にあり(FLD=ON)、且つドライバに加速意志がない状態であって(Fac=OFF)、自車両が下り坂を走行している場合等、算出される走行抵抗力τrが負値となり、加速方向に作用する場合には、アクセル開度Accに応じた要求駆動力τmは、常に走行抵抗力τrよりも大きくなる。このため、逸脱判断フラグFLDが“ON”に切り換わった時点における要求駆動力τmを初期値τm0として、この初期値τm0から徐々に減少する値が目標駆動力τsとして設定され、目標駆動力τsが零相当まで減少したとき、これ以後、目標駆動力τsは零として設定される。また、目標駆動力感応ゲインKacは100〔%〕に設定される。
このため、逸脱判断フラグFLDが“ON”に切り換わると、要求駆動力τm相当の駆動力が発生されている状態から、駆動力は徐々に減少しやがて零となり、これと共に、自車両の車線からの逸脱量に応じた目標ヨーモーメントMs相当のヨーモーメントが発生されることになる。
したがって、下り坂を走行している状態で、車線逸脱回避のための制御の介入により制動力が発生されたとき、場合によってはドライバに減速感を与える場合があるが、駆動力を抑制するようにしているから、ドライバに与える減速感を抑制しつつ、車線逸脱の抑制を図ることができる。また、駆動力が抑制されることから、駆動力とヨーモーメントを発生させるための制動力との干渉を抑制することができ、この干渉による車線逸脱回避のための制御による制御効果の低減を抑制することができる。
このように、この第2の実施の形態においても、自車両の車線からの逸脱量に応じた目標ヨーモーメントMs相当のヨーモーメントを発生させ、車両に作用する走行抵抗を考慮して駆動力を抑制するようにしたから、上記第1の実施の形態と同様に、車線逸脱回避のための制御による制御効果を十分確保しつつ、ヨーモーメントを発生させるための制動力が作用することによる減速感を抑制することができる。
なお、この第2の実施の形態と同様に、上記第1の実施の形態においても、ドライバの加速意志の有無を判断し、これに応じて目標駆動力τs及び目標ヨーモーメントMsを算出するようにしてもよい。
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、目標駆動力τsを抑制する際に、走行抵抗力τr相当の駆動力まで抑制するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、走行抵抗力τr相当の駆動力以上の値に制限することも可能であるが、駆動力が小さいときほど、ヨーモーメントを発生させるための制動力が作用することに起因してドライバに与える減速感を低減することができるから、ドライバに与える減速感を考慮して駆動力の抑制を行うようにすればよい。
また、上記第1及び第2の実施の形態においては、ヨーモーメントを発生させることで、逸脱回避を行うようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、上記第2の参考実施形態と同様に、車線からの逸脱を回避するために必要な減速度を発生させることで、車線からの逸脱を回避するようにした場合であっても適用することができ、要は、制動力を制御することで逸脱回避を図るようにした車線逸脱防止装置であれば、適用することができる。
また、上記各実施の形態においては、左側に車線逸脱をする場合について説明したが、右側に車線逸脱する場合も同様である。
また、上記各実施の形態においては、アクセルペダルの踏込みに応じた駆動力を発生させる場合に適用し、駆動力要求量検出手段としてアクセル開度センサ18を適用し、アクセル開度Accに応じた駆動力を抑制するようにした場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、先行車両との間の車間距離を一定に保って走行したり、或いは定速走行するよう車速制御を行う公知の追従走行制御装置からの駆動トルク指令値に応じた駆動力を発生させる場合等であっても適用することができ、この場合には、駆動力要求量検出手段により駆動トルク指令値を検出し、これに応じた駆動力を抑制するようにすればよい。
ここで、上記第2の実施の形態において、図9のステップS33の処理が逸脱検出手段に対応し、ステップS37、ステップS38、ステップS40の処理が逸脱回避制御手段に対応し、駆動トルクコントロールユニット12及びエンジン9が駆動力発生手段に対応し、駆動トルクコントロールユニット12でアクセル開度センサ18からのアクセル開度Accに応じた要求駆動力τmを算出する処理が駆動力要求量検出手段に対応し、図9のステップS34の処理が走行抵抗力検出手段に対応し、ステップS36の処理で走行抵抗力の大きさに応じて駆動力を抑制する処理が駆動力抑制手段に対応し、ステップS35の処理が加速意志判断手段に対応している。
本発明における車線逸脱防止装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。 図1の車両状態コントロールユニット内で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図2の演算処理で用いられる制御マップである。 図2の演算処理で用いられる制御マップである。 第2の参考実施形態で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態における目標駆動力τsの設定方法を説明するための説明図である。 第1の実施の形態における目標駆動力τsの設定方法を説明するための説明図である。 第2の実施の形態で実行される演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図9の演算処理で用いられる制御マップである。
符号の説明
5FL〜5RR 車輪
6FL〜6RR ホイールシリンダ
7 制動流体圧制御回路
8 車両状態コントロールユニット
9 エンジン
12 駆動トルクコントロールユニット
13 単眼カメラ
14 カメラコントローラ
15 加速度センサ
16 ヨーレートセンサ
17 マスタシリンダ圧センサ
18 アクセル開度センサ
19 操舵角センサ
20 方向指示スイッチ
22FL〜22RR 車輪速度センサ
23 モニタ

Claims (9)

  1. 自車両が車線逸脱傾向にあるかどうかを検出する逸脱検出手段と、
    当該逸脱検出手段で車線逸脱傾向にあることが検出されたとき、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向に自車両の車両挙動を制御する逸脱回避制御手段と、
    動力要求量を検出する駆動力要求量検出手段と、
    記駆動力要求量に応じた駆動力を発生する駆動力発生手段と、
    自車両の走行抵抗力を検出する走行抵抗力検出手段と、
    前記車線逸脱傾向にあることが検出されたとき、前記走行抵抗力検出手段で検出される走行抵抗力に応じて、少なくとも前記走行抵抗力相当の駆動力を発生するように前記駆動力発生手段で発生される駆動力を抑制する駆動力抑制手段と、を備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。
  2. 記駆動力抑制手段は、前記駆動力要求量検出手段で検出された駆動力要求量相当の駆動力が、前記走行抵抗力検出手段で検出された前記走行抵抗力相当の駆動力よりも大きいとき、少なくとも前記走行抵抗力相当の駆動力を発生するように前記駆動力を抑制することを特徴とする請求項1記載の車線逸脱防止装置。
  3. 記駆動力抑制手段は、前記駆動力要求量検出手段で検出された駆動力要求量相当の駆動力が、前記走行抵抗力検出手段で検出された前記走行抵抗力相当の駆動力以下のときには、前記駆動力を抑制しないことを特徴とする請求項1又は請求項記載の車線逸脱防止装置。
  4. ドライバの加速意志の有無を判断する加速意志判断手段を備え、
    記駆動力抑制手段は、前記加速意志判断手段でドライバに加速意志がないと判断されるときにのみ、前記駆動力を抑制することを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
  5. 前記加速意志判断手段は、前記駆動力要求量検出手段で検出される駆動力要求量が、予め設定したしきい値以上の場合に、加速意志があると判断することを特徴とする請求項記載の車線逸脱防止装置。
  6. 前記逸脱回避制御手段は、その制御量を、前記駆動力抑制手段による駆動力の抑制度合に応じて設定することを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
  7. 前記逸脱回避制御手段は、逸脱を回避するためのヨーモーメントを発生させることを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
  8. 記駆動力抑制手段は、前記逸脱検出手段での検出結果に基づき逸脱傾向から回復したと予測されるときには、前記駆動力の抑制を解除することを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
  9. 記駆動力抑制手段は、前記駆動力の抑制又は解除に伴う、前記駆動力発生手段により発生される駆動力の変動量を制限することを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
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