JP4040787B2 - 陽極酸化処理後の色調が灰色で安定なアルミニウム合金圧延板およびその製造方法 - Google Patents

陽極酸化処理後の色調が灰色で安定なアルミニウム合金圧延板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は陽極酸化処理を施して使用される用途のアルミニウム合金圧延板、特に建築内装材などの建材、あるいは器物、容器、各種電気機器・計測器の筐体、電気機械装置のパネル、装飾品などに使用されるアルミニウム合金圧延板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に建材などに使用されるアルミニウム合金圧延板は、耐食性の観点から陽極酸化処理を施すのが通常である。またこのような用途では、美観のために陽極酸化処理後の色調として灰色系の色調が求められることが多い。そしてこのような要望を満たすため、通常の陽極酸化処理のままで灰色系の色調が得られるアルミニウム合金圧延板の製造方法として、既に特許第2544233号に示される「陽極酸化処理後の色調が青灰色のアルミニウム合金およびその製造方法」の発明が提案され、また特開平9−71831号に示される「陽極酸化処理後の色調が黄みと赤みの少ないグレー色のアルミニウム合金板およびその製造方法」の発明が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで建材の用途のうちでも、カーテンウォールやそのほかの外装材などにおいては、高い耐食性が求められるため、一般に20μm程度と比較的厚く陽極酸化皮膜を形成することが行なわれているが、内装材などに使用する場合、外装材ほどには耐食性が要求されないため、外装材の場合の1/2程度、すなわち10μm程度の陽極酸化皮膜厚みで充分とされている。しかるに、厚み20μm程度の比較的厚い陽極酸化皮膜を形成する場合は、前記各提案の方法で得られたアルミニウム合金圧延板でも、通常の陽極酸化処理を適用することにより安定して灰色の色調の陽極酸化皮膜を得ることが可能であるが、前記各提案の方法により得られたアルミニウム合金圧延板に対して、通常の陽極酸化処理により厚み10μm程度の薄い陽極酸化皮膜を生成させた場合、灰色の色調を得ることは困難であり、せいぜい淡い灰色(淡灰色)を呈するに過ぎない。このように耐食性の観点からは陽極酸化皮膜厚が10μm程度で足りる内装材の場合も、安定した灰色の色調を得るにやむを得ず20μm程度の厚い陽極酸化皮膜を生成させていたのが実情である。
【0004】
また内装材の用途では、外装材などと比較して精細でかつより立体的なデザインが要求されることが多く、例えば陽極酸化処理の前工程として90°曲げ以上の100〜180°の苛酷な曲げ加工が必要とされることが多い。このように苛酷な曲げ加工が要求される用途に対して前記各提案の方法により得られたアルミニウム合金圧延板を適用した場合、強度が不足したり曲げ加工時に割れたり肌荒れが生じたりすることがある。また内装材の用途では、外装材などと比較して、外観品質についてもより高品質であることが求められることが多いが、前述の各提案の方法により得られたアルミニウム合金圧延板では、この点でも不充分であった。
【0005】
すなわち、前記各提案の方法により得られたアルミニウム合金圧延板の場合、鋳塊加熱処理温度が低い領域では、比較的大きなAl−Mn系針状析出物が不均一に析出し、それに起因して陽極酸化処理後の表面に筋目状の模様、すなわちいわゆる「筋目不良」と称される外観不良が生じたり、またMg量が少ない領域では結晶粒が大きくなって曲げ加工時に肌荒れ不良を生じたり、中間焼鈍後の冷間圧延率の大小によっては強度と伸びのバランスが崩れて、強度不足が生じたり逆に苛酷な曲げ条件下での曲げ加工時に割れが生じたりすることがある。
【0006】
そこで本発明者は、20μm未満の例えば10μm程度の薄い陽極酸化皮膜を生成した場合でも、陽極酸化皮膜の色調として安定に灰色を呈し、しかも筋目不良が生じにくく、さらには従来材と同等以上の強度で曲げ加工性を従来よりも格段に向上させたアルミニウム合金圧延板を製造する方法を特願平10−050139に提案した。
しかしながらこの提案では、Si含有量の規制が一部不適切だったため、また最終板における金属組織状態と陽極酸化処理後の色調の関係を完全に把握できていなかったため、量産を繰り返すと一部において、陽極酸化処理後の色調が変動するものもあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述のような課題を解決するため、本発明者は鋭意実験・研究を重ねた結果、合金の成分組成を適切に設定すると同時に、製造プロセス条件、特に鋳塊加熱条件、熱間圧延条件、中間焼鈍条件、最終冷間圧延条件を適切に選定して、最終板における金属組織状態を適切なものとすることにより、前述の課題を解決し得ることを見出し、この発明をなすに至った。
【0008】
具体的には請求項1の発明の陽極酸化処理後の色調が灰色で安定なアルミニウム合金圧延板は、 Mn1.3〜1.5%(重量%、以下同じ)、Mg0.4〜1.2%、Fe0.05%を超え0.2%以下を含有し、Si0.05%未満に規制し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、かつ、1μm未満の大きさのAl−Mn−Si系粒状析出物の析出がなく、1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物が1000〜4000個/0.2mm2 の範囲内の密度で析出しており、しかも平均結晶粒径が80μm以下で、耐力が95N/mm2 以上であることを特徴とする。
【0009】
そして、請求項2の発明では、アルミニウム合金に、前記各成分のほか、さらに0.003〜0.15%のTiを単独でもしくは0.0001〜0.01%のBと組合されて含有することを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3の発明の陽極酸化処理後の色調が灰色で安定なアルミニウム合金圧延板の製造方法は、請求項1または請求項2記載の化学組成を有するAl合金の鋳塊に、580〜630℃の範囲内の温度で1〜24時間保持する加熱処理を施し、次いで前記加熱処理における処理温度以下で熱間圧延を開始して、その熱間圧延を300℃以下で終了し、その後1〜50℃/秒の昇温速度で400〜600℃の範囲内の温度に加熱して0〜10分保持した後1〜50℃/秒の冷却速度で冷却する中間焼鈍を施し、さらに2〜30%の圧延率で冷間圧延を施し、これにより1μm未満の大きさのAl−Mn−Si系粒状析出物の析出がなく、1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物が1000〜4000個/0.2mm2 の範囲内の密度で析出しており、しかも平均結晶粒径が80μm以下で、耐力が95N/mm2 以上であることを特徴とする。
【0011】
さらにまた請求項4の発明は、請求項3に記載のアルミニウム合金圧延板の製造方法において、熱間圧延後、中間焼鈍の前に一次冷間圧延を施すことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
先ずこの発明における成分組成の限定理由について説明する。
【0013】
Mn:
MnはAl−Mn系の金属間化合物析出物を生成して、陽極酸化処理後の色調を決定するために重要な元素である。すなわち、Mnは鋳造時に鋳塊のマトリックス中に固溶し、その後の鋳塊加熱時にAl−Mn系金属間化合物として析出し、この析出物が最終板まで残存し、陽極酸化処理後も皮膜中に残存して灰色の色調を呈するに寄与する。ここで、10μm程度の厚みの陽極酸化皮膜においては、1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物の密度が1000個/0.2mm2 未満では充分な灰色とならずに淡灰色となり、一方4000個/0.2mm2 を越えれば灰色が濃過ぎて濃灰色〜黒色となり、したがって安定した灰色の色調を得るためには、1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物の密度が1000〜4000個/0.2mm2 の範囲内となることが必要である。そして、1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物の密度が1000個/0.2mm2 未満となるのは合金中のMn量が1.3%未満となる場合であり、一方その密度が4000個/0.2mm2 を越えるのは合金中のMn量が1.5%を越える場合であり、したがって陽極酸化処理後の色調を安定した灰色とすべく1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物の密度を1000〜4000個/0.2mm2 とするためには、Mn量を1.3〜1.5%の範囲内とする必要がある。
【0014】
Mg:
Mgは強度向上に寄与する元素である。Mg量が0.4%未満では曲げ加工性は良好であるが、充分な強度が得られず、一方1.2%を越えれば強度が高過ぎて曲げ加工性が不充分となる。したがってMg量は0.4〜1.2%の範囲内とした。
【0015】
Fe:Feは中間焼鈍時において再結晶粒を微細化する有益な作用を有する。この作用はFe含有量0.05 % を超えると発現する。その一方では鋳造時においてAl−Mn−Fe系金属間化合物を生成させて鋳塊マトリックス中へのMn固溶量を減少させ、これにより鋳塊加熱時のAl−Mn系析出物の析出を妨げる有害な作用も有する。特にFe量が0.2%を越えれば鋳塊加熱時におるAl−Mn系析出物の析出が著しく減少し、10μm程度の厚みの陽極酸化皮膜では灰色となりにくい。したがってFe量は0.05%を超え0.2%以下とした。
【0016】
Si:
Siも陽極酸化処理後の色調に影響を与える元素である。Si量が0.05%以上では1μm未満の大きさのAl−Mn−Si系粒状析出物がSi量に比例して増加し、陽極酸化処理後の色調もAl−Mn−Si系粒状析出物の分布密度に比例して黄色味がかった灰色となってしまう。したがって陽極酸化処理後の色調変動を小さくするには1μm未満の大きさのAl−Mn−Si系粒状析出物を析出させないことが必要であり、そのためのSi量は0.05%未満である。
【0017】
このほか一般にAl合金の不可避的不純物としては、Cr,Cu,Zn,Zr,Vなどがあるが、このうちCr,Cuは陽極酸化処理後の色調にある程度影響を与えるから、少量に規制することが好ましい。すなわちCrは0.05%を、Cuは0.1%を越えれば、陽極酸化処理後の色調が黄色味がかるから、不純物としてのCr量は0.05%以下、Cu量は0.1%以下に規制することが好ましい。一方、Zn,Zr,Vはいずれも陽極酸化処理後の色調に本質的な影響を与えないが、Znが1.0%を越えれば耐食性が低下し、またZrおよびVがそれぞれ0.3%を越えれば粗大金属間化合物が生成されて曲げ加工性が阻害されるから、不純物としてのZn量は1.0%以下、Zr量およびV量はそれぞれ0.3%以下に規制することが好ましい。
【0018】
さらに、一般にAl合金においては、鋳塊組織の微細化のためにTiを単独で、あるいはTiをBと組合せて添加する場合があるが、この発明の場合もこれらを添加しても良い。但し、Ti量が0.003%未満では鋳塊組織微細化の効果が得られず、一方Ti量が0.15%を越えればTiAl3 の粗大金属間化合物が生成されて曲げ加工性が阻害されるから、Tiを添加する場合のTi量は0.003〜0.15%の範囲内とする。またTiとともにBを添加する場合のB量は、0.0001%未満では鋳塊組織微細化の効果が得られず、一方0.01%を越えれば粗大なTiB2 が生成されて曲げ加工性が阻害されるから、Tiと組合せてBを添加する場合のB量は0.0001〜0.01%の範囲内とする。
【0019】
またMgを含有する合金において溶湯酸化防止のためにBeを添加することがあるが、本発明においてもBeの添加は許容される。Beを添加する場合のBe量は、0.0001%未満では溶湯酸化防止の効果が得られず、一方0.05%を越えてBeを添加しても上記効果は飽和するだけで経済的に無駄となるから、Beを添加する場合のBe量は0.0001〜0.05%の範囲内とする。
【0020】
さらにこの発明では、最終的に得られる最終板(陽極酸化処理前の板)について、その組織条件および特性値を規定しており、これらについて以下に説明する。
【0021】
最終板においては、1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物の密度が1000〜4000個/0.2mm2 の範囲内であることと、1μm未満の大きさのAl−Mn−Si系粒状析出物を析出させないことが必要であり、このように1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物の密度範囲の選定と、1μm未満の大きさのAl−Mn−Si系粒状析出物を析出させないことによって、前述のように10μm程度の薄い膜厚の陽極酸化皮膜で灰色で安定な色調を得ることができる。ここで、最終板においては、1μm未満および8μmを超える大きさのAl−Mn系針状析出物は、この発明で規定する成分組成、鋳塊加熱処理条件の範囲内では実質的に存在しない。さらにSi量が0.05%以上では1μm未満のAl−Mn−Si系粒状析出物は存在するが、本発明では、Si量を0.05%未満に規制したのでAl−Mn−Si系粒状析出物は存在しない。
したがってこの発明では、特に大きさが1〜8μmの範囲内のAl−Mn系針状析出物の密度と1μm未満のAl−Mn−Si系粒状析出物を析出させないことを規定したのである。なおここでAl−Mn系針状析出物の「大きさ」とは、その最大長さ方向の長さを意味し、Al−Mn−Si系粒状析出物の「大きさ」とは最大直径を意味するものとする。
【0022】
また最終板における平均結晶粒径は80μm以下である必要がある。平均結晶粒径は曲げ加工時における肌荒れの発生に影響を与え、その値が小さいほど肌荒れが発生しにくくなる。そして特に平均結晶粒径を80μm以下とすることによって、90°曲げ以上の100〜180°の苛酷な曲げ加工でも肌荒れの発生を確実に防止することができる。
【0023】
さらに最終板における耐力は95N/mm2 以上であることが必要である。すなわち耐力が95N/mm2 以上であれば、従来並の強度となり、従来材と同様な用途に適用することが可能となるのである。
【0024】
次にこの発明の製造方法における各プロセスについて説明する。
【0025】
先ず前述のような成分組成のアルミニウム合金を鋳造して鋳塊を得る。この鋳造方法は特に限定されるものではなく、常法に従えば良いが、通常はDC鋳造法(半連続鋳造法)が好ましい。
【0026】
鋳塊に対しては加熱処理を施す。この鋳塊加熱処理は、最終板に対する陽極酸化処理によって灰色の色調を得るに必要なAl−Mn系析出物を析出させるための処理である。この鋳塊加熱処理の温度が580℃未満では、最終板の状態で1〜8μm程度の大きさの針状析出物は分布も粗く不均一なため、陽極酸化処理後に筋目不良が生じるおそれがある。そして鋳塊加熱処理の温度が580℃以上となれば、1〜8μmの針状析出物の分布が均一化されて筋目不良が生じにくくなる。さらに鋳塊加熱処理の温度が630℃を越えれば共晶融解が生じるおそれがある。したがって筋目不良の発生を防止するためには、鋳塊加熱処理温度を580〜630℃の範囲内とする必要がある。鋳塊加熱処理の保持温度は、1時間未満では充分にAl−Mn系析出物が析出されず、一方24時間を越えて長時間加熱保持しても、Al−Mn系析出物の析出は飽和状態となり、経済性を損なうだけである。したがって鋳塊加熱処理の加熱保持時間は1〜24時間とした。ここで、10μm程度の比較的薄い陽極酸化皮膜において安定した灰色を得るためには、既に述べたように最終板における1〜8μmの大きさの針状析出物の分布密度が1000〜4000個/0.2mm2 であることが必要であり、合金のMn量を1.3〜1.5%としかつ上述のような条件の鋳塊加熱処理を施すことによって、Al−Mn系針状析出物の分布密度の要件を満たすことができる。
【0027】
上述のような鋳塊加熱処理の後には、熱間圧延を施す。この熱間圧延は、鋳塊加熱温度以下の温度で開始し、再結晶温度以下で終了させる。この発明で用いている合金の場合、再結晶温度はほぼ300℃であるから、熱間圧延終了温度は300℃以下とする。熱間圧延終了温度が300℃を越える場合、熱間圧延終了後の熱間圧延板に部分再結晶粒や粗大再結晶粒が残り、そのためその後の中間焼鈍で微細な均一再結晶組織が得難くなり、陽極酸化処理後の表面に結晶組織の不均一に起因する筋目不良が生じやすくなるから、熱間圧延は300℃以下で終了させる必要がある。
【0028】
熱間圧延終了後には、直ちに中間焼鈍を施しても良く、また必要に応じて冷間圧延(一次冷間圧延)を施してから中間焼鈍を行なっても良い。すなわち最終板の板幅方向および長さ方向の板厚精度が厳しく要求される場合などには、熱間圧延後に一次冷間圧延を施してから中間焼鈍を行なっても良く、このような中間焼鈍前の冷間圧延はこの発明の目的に対して本質的な影響は与えない。
【0029】
熱間圧延後、あるいは熱間圧延および一次冷間圧延を施した後の中間焼鈍は、組織を微細かつ均一に再結晶させて、曲げ加工時の肌荒れ発生防止のために必要な工程である。この発明で規定する平均結晶粒径80μm以下の微細再結晶粒組織を得るためには、急速昇温、急速冷却の条件で中間焼鈍を行なう必要がある。具体的には、昇温速度、冷却速度が1℃/秒未満では平均結晶粒径80μm以下の微細再結晶粒組織を得ることが困難となり、曲げ加工時に肌荒れが生じやすくなるから、中間焼鈍後の昇温速度、冷却速度はともに1℃/秒以上とする必要がある。一方昇温速度および冷却速度がより高ければ平均結晶粒径が80μm以下の微細再結晶粒組織を得ることは可能であるが、50℃/秒を越えれば焼鈍時における板の変形が生じやすくなり、また量産規模での工業的な実施も困難となる。したがって中間焼鈍の昇温速度、冷却速度はともに1〜50℃/秒の範囲内とした。なおこのような1〜50℃/秒の急速昇温、急速冷却の中間焼鈍は、連続焼鈍炉によって行なうことができる。バッチ炉による焼鈍では、昇温速度、冷却速度がともに20〜60℃/hrと極めて遅く、そのため平均結晶粒径が80μm以下の微細再結晶粒組織が得られず、曲げ加工時に肌荒れが生じるおそれが高い。一方連続焼鈍による中間焼鈍は短時間加熱となるため、中間焼鈍温度が400℃未満では充分に再結晶せず、600℃を越えれば粗大再結晶粒が生じて曲げ加工性が阻害されるから、中間焼鈍温度は400〜600℃の範囲内とする。また400〜600℃の加熱温度での保持が10分を越えれば生産性が低下するから、保持時間は10分以下とする。なお保持を0分、すなわち保持なしとしても良いことはもちろんである。
【0030】
中間焼鈍後には最終板厚とするために冷間圧延を行なう。この冷間圧延は強度向上のために必要な工程である。冷間圧延率が2%未満では最終板の耐力が95N/mm2 を下廻り、一方30%を越えれば強度と曲げ加工性のバランスが崩れて、強度は高くなるものの曲げ加工性が低下し、いずれの場合もこの発明の目的を達成できない。したがって中間焼鈍後の冷間圧延率は2〜30%の範囲内とする。
【0031】
以上のようにして得られた冷間圧延後の最終板厚の圧延板を内装材等に用いるにあたっては、陽極酸化処理を施す。この陽極酸化処理の条件は特に限定されるものではないが、経済性等から最も一般的な硫酸電解浴を用いることが望ましい。具体的には、例えばH2 SO4 濃度が10〜25vol%程度の硫酸浴を用い、浴温10〜30℃程度、電流密度1.0〜2.5A/dm2 程度の条件で陽極酸化処理を施せば良い。陽極酸化処理による皮膜厚は特に限定しないが、この発明の方法の場合、10μm程度の薄い皮膜厚でも灰色で安定な色調が安定して得られることを大きな特徴としており、その意味から、20μm未満の皮膜厚、特に6〜15μmの膜厚の場合にこの発明の効果を最大限に発揮することができる。
【0032】
ここで、陽極酸化処理後の色調については、ハンターの色差式(JIS Z8730参照)による明度指数Lとクロマティクネス指数a,bの値によって評価することができる。すなわち、明度指数のL値は高いほど白く、一方クロマティクネス指数は着色度についてのものであって、そのa値は高いほど赤味が強く、b値は高いほど黄味が強いことをあらわす。
【0033】
そしてこの発明において、陽極酸化皮膜が10μm程度の薄い膜厚でL値変動の小さい安定した灰色を有する色調とは、皮膜厚が6〜15μmの場合のL値が60〜77の範囲内であって、しかも皮膜厚を一定とした場合のL値の変動範囲が3以内、a値およびb値がいずれも−1〜+1の範囲内の無彩色を目標としている。さらに詳細に各皮膜厚での色調のL値、a値、b値の目標値を示せば、
皮膜厚6μmの場合 L値:74〜77、 a値およびb値:−1〜+1
皮膜厚9μmの場合 L値:70〜73、 a値およびb値:−1〜+1
皮膜厚15μmの場合 L値:60〜63、 a値およびb値:−1〜+1
となる。そしてこの発明のアルミニウム合金圧延板に通常の硫酸浴による陽極酸化処理を施せば、上述のような目標値を容易に達成して、特にL値変動が小さく安定した灰色を呈する6〜15μmの厚みの陽極酸化皮膜を得ることができる。
【0034】
【実施例】
表1に化学組成が示される合金符号A〜Lの各合金の溶湯を常法に従って溶製し、DC鋳造法によって550mm×1200mm×4000mmのスラブを鋳造した。得られた各スラブについて面削後、表2の製造条件番号1〜20に示すような各条件で鋳塊加熱処理を施し、続いてその加熱温度以下の温度で熱間圧延を開始し、表2中に示す温度で熱間圧延を終了させ、板厚4mmの熱延板とした。各熱延板に対し、製造条件番号19,20を除いた製造条件番号1〜18の場合は板厚2.2mmまで一次冷間圧延を施してから中間焼鈍を施した。製造条件番号19,20の場合は一次冷間圧延を行なわずに、熱延板に対し直接中間焼鈍を施した。中間焼鈍は、製造条件番号1〜12,14〜20の場合は、昇温速度、冷却速度が1〜50℃/秒の範囲内の連続焼鈍炉により500℃で保持なしの条件で行ない、製造条件番号13の場合は比較例として400℃×2hrのバッチ焼鈍を適用した。これらの中間焼鈍後、製造条件番号1〜13,16〜18の場合は板厚2.0mmまで冷間圧延を施して最終板とし、製造条件15の場合は板厚1.3mmまで冷間圧延を施して最終板とし、さらに製造条件番号14の場合は冷間圧延を施さずに中間焼鈍のまま最終板とした。また製造条件番号19の場合は中間焼鈍後3.6mmまで、製造条件番号20の場合は3.2mmまで、それぞれ冷間圧延を施して最終板とした。
【0035】
各最終板について、引張試験により耐力を測定し、また曲げ性について、曲げ加工の苛酷な条件の135°曲げ試験(先端半径0.1mmR)により評価し、さらに結晶粒径について、表面の結晶粒を切断法により調べて平均結晶粒径を求めた。さらに、最大長さ1〜8μmのAl−Mn系針状析出物および1μm未満のAl−Mn−Si系粒状析出物の密度を、透過電子顕微鏡と光学顕微鏡とを併用して調べた。
【0036】
さらに各最終板について、10%NaOH水溶液でエッチングし、水洗後硝酸でデスマット処理した後、次のような条件で陽極酸化処理を施した。すなわち、H2 SO4 濃度15vol%の硫酸浴を用いて、浴温20℃、電流密度1.5A/dm2 で陽極酸化処理を行ない、それぞれ9μmの陽極酸化処理皮膜を生成させた。
【0037】
各板の陽極酸化処理皮膜の表面色調について、スガ試験機製多光分光測色計MSC−IS−2DHを用い、色調はハンターの色差式による明度指数L、クロマティクネス指数a,bで評価し、筋目は目視にて評価した。これらの結果を表3に示す。なお表3中において、135°曲げの評価は、○印は割れなし(合格)、△印は肌荒れ発生(不合格)、×印は割れ発生(不合格)を示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004040787
【0039】
【表2】
Figure 0004040787
【0040】
【表3】
Figure 0004040787
【0041】
以下にこれらの個々の結果について説明する。
【0042】
製造条件番号1,4,5,16〜20の各材料は、いずれも成分組成および製造プロセスの両者がこの発明で規定する条件を満たす発明例であり、表3に示すように耐力は95N/mm2 以上の従来材と同等以上の強度を示し、一方曲げ性については、苛酷な135°曲げ試験でも割れや肌荒れが発生せず、しかも9μmと薄い陽極酸化処理皮膜でも灰色で安定した色調が得られる優れた材料となっていることが明らかである。
【0043】
一方製造条件番号2,3,6〜10の材料は、いずれもこの発明で規定する製造プロセス条件は満たしているが、成分組成条件を満たさない比較例である。このうち製造条件番号2はMn量がこの発明で規定する成分範囲よりも低い合金Bを用い、製造条件番号3はMn量がこの発明で規定する成分範囲よりも高い合金Cを用いたものであり、前者の場合はMn量が少ないため1〜8μmのAl−Mn系針状析出物の密度が低過ぎてL値が目標範囲を上廻ってしまい、後者の場合はMn量が多いため1〜8μmのAl−Mn系針状析出物の密度が高過ぎてL値が目標範囲を下廻ってしまった。一方製造条件番号6はMg量がこの発明で規定する成分範囲よりも低い合金Fを用い、製造条件番号7はMg量がこの発明で規定する成分範囲よりも高い合金Gを用いたものであり、前者の場合はMg量が少ないため耐力が95N/mm2 以下の低強度となり、後者の場合はMg量が多いため耐力が高過ぎて曲げ加工性が低下してしまった。さらに製造条件番号8はFe量がこの発明で規定する成分範囲よりも高い合金Hを用い、製造条件番号9および10はSi量がこの発明で規定する成分範囲よりも高い合金IおよびJを用いたものであり、前者の場合はFe量が多いためAl−Mn−Fe系金属間化合物が増加して1〜8μmのAl−Mn系針状析出物の密度が低くなって、L値が目標範囲を上廻ってしまい、後者の場合はSi量が多いため1μm未満の大きさのAl−Mn−Si系粒状析出物が析出してb値が上りL値が目標範囲を下廻ってしまった。
【0044】
一方製造条件番号11〜15はこの発明で規定する成分組成条件を満たした合金(製造条件番号13のみ合金D、他は合金A)を用いてはいるが、製造プロセス条件がこの発明で規定する条件から外れた比較例である。このうち製造条件番号11は鋳塊加熱温度が低過ぎて、1〜8μmのAl−Mn系針状析出物が不均一に分布してその密度が低下したため、L値が目標範囲を上廻り、筋目不良が発生した。また製造条件番号12は熱間圧延終了温度が高過ぎて熱間圧延終了時に部分再結晶が生じ、それが中間焼鈍の再結晶粒にも影響して混粒組織となってしまい、筋目不良が発生した。さらに製造条件番号13は中間焼鈍をバッチ炉で行なったため、再結晶粒が粗大化して曲げ加工時に肌荒れが発生した。そしてまた製造条件番号14は中間焼鈍後に冷間圧延を行なわなかったため耐力が95N/mm2 以下の低強度となってしまった。一方製造条件番号15は冷間圧延率が高過ぎて高耐力となったため、曲げ加工で割れてしまった。
【0045】
【発明の効果】
前述の実施例からも明らかなように、この発明の製造方法によれば、特に曲げ加工性が良好であって強度も耐力95N/mm2 以上と従来材なみで、しかも10μm程度の薄い陽極酸化皮膜でもL値変動の小さい安定した灰色を呈するアルミニウム合金圧延板を得ることができる。そしてこの発明により得られたアルミニウム合金圧延板を陽極酸化処理を施した灰色の建材、特に内装材や、そのほか器物、各種電気機器・計測器の筐体やパネル、装飾品等に使用すれば、厳しい曲げ加工の施工デザインでも可能となり、かつ薄い陽極酸化皮膜でL値変動が小さく安定した灰色を呈するところから、陽極酸化処理コストの低減も可能となる。

Claims (4)

  1. Mn1.3〜1.5%(重量%、以下同じ)、Mg0.4〜1.2%、Fe0.05%を超え0.2%以下を含有し、Si0.05%未満に規制し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、かつ、1μm未満の大きさのAl−Mn−Si系粒状析出物の析出がなく、1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物が1000〜4000個/0.2mm2 の範囲内の密度で析出しており、しかも平均結晶粒径が80μm以下で、耐力が95N/mm2 以上であることを特徴とする、陽極酸化処理後の色調が灰色で安定なアルミニウム合金圧延板。
  2. さらに0.003〜0.15%のTiを単独でもしくは0.0001〜0.01%のBと組合されて含有することを特徴とする、請求項1記載の陽極酸化処理後の色調が灰色で安定なアルミニウム合金圧延板。
  3. 請求項1または請求項2記載の化学組成を有するAl合金の鋳塊に、580〜630℃の範囲内の温度で1〜24時間保持する加熱処理を施し、次いで前記加熱処理における処理温度以下で熱間圧延を開始して、その熱間圧延を300℃以下で終了し、その後1〜50℃/秒の昇温速度で400〜600℃の範囲内の温度に加熱して0〜10分保持した後1〜50℃/秒の冷却速度で冷却する中間焼鈍を施し、さらに2〜30%の圧延率で冷間圧延を施し、これにより1μm未満の大きさのAl−Mn−Si系粒状析出物の析出がなく、1〜8μmの大きさのAl−Mn系針状析出物が1000〜4000個/0.2mm2 の範囲内の密度で析出しており、しかも平均結晶粒径が80μm以下で、耐力が95N/mm2 以上であることを特徴とする、陽極酸化処理後の色調が灰色で安定なアルミニウム合金圧延板の製造方法。
  4. 熱間圧延後、中間焼鈍の前に一次冷間圧延を施すことを特徴とする、請求項3に記載の陽極酸化処理後の色調が灰色で安定なアルミニウム合金圧延板の製造方法。
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