JP3308305B2 - 陽極酸化処理用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

陽極酸化処理用アルミニウム合金板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陽極酸化皮膜の耐食性、
色調の均一性(安定性)、あるいはエッチングしたとき
の外観の均一性を必要とする各種の用途に使用される純
アルミ系合金板。建築用内外装パネル材、日用品、厨房
用品、平版印刷版支持体、装飾用部材などに関する。
【0002】
【従来の技術】純アルミ系合金として工業的に使われる
JIS−A1100、1200ないし1050、106
0、1070および1N00、1N30、1230など
の合金では、その陽極酸化皮膜の耐食性や色調の均一性
は、純アルミ系以外の他の合金系のアルミニウム合金に
比べ優れている。しかし、酸性雨に代表されるように、
最近の地球環境は著しく悪化しており、建築用外装パネ
ルなどに使用した場合、従来の純アルミ系合金よりさら
に高度の耐食性が要求されている。
【0003】一方、色調の均一化についても、ビルなど
を単なる建築構造物としてではなく、都市のファッショ
ンの一部としてみられる今日では、従来より一層優れた
均一化が要求されている。これらの品質特性は、合金中
に含まれる不純物としてのFe、Siに支配されるの
で、一般にFe、Si量、すなわち、純アルミ系合金の
純度を規制することで対処している。
【0004】しかし、アルミ純度を高めることによって
耐食性や陽極酸化皮膜の色調の均一性を向上させること
は、地金コストが上昇し、また、機械的性質、特に硬
さ、強度の低下を招く。耐食性を向上させるために、陽
極酸化皮膜の膜厚を厚くする方法や、アルミ純度を高め
ることによる強度の低下を補うために板厚を厚くする方
法があるが、いずれもコスト上昇を招き好ましくない。
皮膜の色調の均一化に対しては膜厚で調整することが行
なわれるが、膜厚調整に手間取り、コストアップを招
く。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は酸化皮膜を厚
くしたり、板厚を厚くしなくても、耐食性が優れた陽極
酸化皮膜が生成し、かつ、皮膜の色調が均一なアルミニ
ウム合金板の製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】陽極酸化皮膜の耐食性を
損う機構について研究した結果、アルミ合金中に含まれ
るSiが、単独のSi粒子として析出した状態で存在す
るとき、このようなアルミ合金板を陽極酸化処理する
と、Si粒子が皮膜中に残存し、これが、周囲の皮膜と
化学的性質が異るために、塩素イオンを含む腐食媒によ
って、選択的に溶解脱落して皮膜欠陥となり腐食が進行
することが明らかになった。
【0007】また、皮膜の色調は、皮膜中に分布する1
μm以下の細かいSi粒子の粒度分布と陽極酸化処理の
前処理として表面の傷を除くための苛性エッチングの際
のエッチングむらによる光沢差に影響されることが判明
した。
【0008】そこで、このSi粒子の析出を防止する方
法について検討し、適当量のMgを添加してMg2Si
なる化合物として析出させればよいことエッチングむら
を防止する方法としては、適当量のCuを添加すれば均
一に苛性エッチングされ、光沢が均一になることが分っ
た。添加するMg量は、固溶しているSiを化合物Mg
2Siとして形成させるに相当する量で十分である。
【0009】上記研究の結果、本発明の構成は特許請求
の範囲に記載のとおりの色調が均一で耐食性が優れた陽
極酸化皮膜が得られるアルミニウム合金板の製造方法で
ある。
【0010】以下、上記構成について説明する。
【0011】機械的性質、化学的性質が一般的に知られ
る純アルミとして取扱える範囲内にとどめる必要がある
ので、添加する成分、不可避不純物を除いたAl純度は
99.00%以上でなければならない。
【0012】Feは再結晶粒を微細にするために添加さ
れる。0.15%未満ではその効果が小さくなる。0.
9%をこえるFeの添加は、粗大なAl−Fe系および
Al−Fe−Si系化合物を形成し、これが薄板の成形
性を低下させたり、化学的性質の局所的不均一性をもた
らすなどのために好ましくない。
【0013】Siはアルミ地金中に必然的に含まれる分
が通常0.05%以上あり、0.05%未満にすること
は地金コスト上昇を招く。0.5%を越えるSiはFe
による再結晶粒微細化効果を損い、耐食性を低下させ
る。
【0014】{Si+Fe}量は、材料強度をはじめと
する機械的性質、および化学的性質、さらには地金コス
トの観点から調整される。その量を0.30%未満にす
ることは、高純度の地金を使うことになりコスト高にな
り、また材料強度の低下となる。
【0015】{Si+Fe}量が1.0%以上になる
と、Alが99.00%未満となり、純アルミとしての
特性が損なわれる。実際には次に記すCu、Ti、Mg
と不可避不純物との総和が1.0%未満でなければなら
ない。
【0016】Si量がFe量よりも多くなると、Feに
よる再結晶粒の微細化効果が損なわれ、耐食性も低下す
るので、{Fe%}≧{Si%}が必要である。
【0017】Cuは陽極酸化処理の前処理として一般に
行われる苛性エッチングに影響を与える元素である。苛
性エッチングが不均一になると光沢むらとなり、陽極酸
化処理後の色調のばらつきの原因となる。Cuが0.0
5%以上0.5%以下の量で添加されると、苛性エッチ
ングが均一に行われ、光沢むらがなくなる。0.05%
未満ではその効果が得られない。0.5%を越える場
合、陽極酸化処理前の元板の耐食性が劣化するため好ま
しくない。
【0018】Tiは、主として鋳塊の結晶粒微細化のた
めに添加される。0.01%未満では効果小さく、0.
05%を超えると、粗大なAl−Ti化合物を形成し、
圧延板に筋状に分布して陽極酸化皮膜の欠陥となること
がある。
【0019】Tiはまた圧延した板の再結晶粒を微細化
する効果もある。
【0020】結晶粒微細化のためには、Ti単独ではな
く、TiとBの複合添加による方法もある。この場合で
もTi量は0.01〜0.05%の範囲に調整するのが
好ましい。B量は不純物として計上するが、その添加量
は通常では30ppm以下である。
【0021】Mgは本発明の主要点に係る添加成分であ
る。陽極酸化皮膜の耐食性を損うSi粒子はAl−Fe
−Si化合物とならずにAl(マトリックス)中に固溶
するSiが、単独で析出したものである。Si粒子は陽
極酸化処理で溶解しないで皮膜中に残存する。Mgを添
加してMg2Siなる化合物にすれば、陽極酸化処理で
アルミニウムとともに溶解してしまうので皮膜欠陥にな
らなくなる。本合金に含まれる0.05〜0.5%のS
iのうち、一部はFe、Alと結合してAl−Fe−S
i系化合物となっており、この結合したSiは、Si粒
子として析出しない。
【0022】すなわち、Mg2SiとするべきSiは、
Al−Fe−Si化合物とならずにAlマトリックス中
に固溶している分であって、X線マイクロアナライザー
による分析結果から推定すると、その量はSiの添加
量、同時に含まれるFe量、加工熱処理の条件などで変
化するが、Siの全添加量のおよそ20〜60%とみな
される。
【0023】以上の事項を考慮し、本発明の目的を達成
するに必要なMg添加量につき種々検討した結果、0.
3×{Si%}≦Mg≦1.0×{Si%}の範囲にM
g量を制御することが必要であることが判った。
【0024】但し、{Si%}は含有Si量(%)とす
る。
【0025】尚、Mgが少ないと、固溶Siが残り、S
i粒子として析出する。
【0026】また、過剰なMgはAlマトリックス中に
固溶し、陽極酸化皮膜中には残らないので、耐食性や色
調には影響しない。僅かに材料強度を高め、あるいは化
学的性質を変化させるが、その影響は軽微である。
【0027】次に製造方法について述べる。
【0028】所定の組成に配合したアルミニウム合金
を、通常の方法により鋳塊とし、表面偏析層が最終製品
の品質上有害であれば、これを切削除去する。切削除去
するのは、均質化熱処理の後、熱間圧延の前でもよい。
【0029】つぎに、鋳塊は鋳造組織の均質化と、F
e、SiをAl−Fe−Si系化合物とするために熱処
理される。450℃より低温、あるいは600℃より高
温では、この化合物の形成が起りにくい。熱処理時間は
長い方が好ましいが、生産性(経済性)から20時間以
内とする。実用上3〜10時間で問題はない。
【0030】この熱処理のあと、室温に冷却して表層切
削除去後再加熱するか、あるいは冷却することなく、4
00℃〜550℃で熱間圧延を開始し、多パスの圧延を
行なって、終了時材料温度が200〜300℃になるよ
うに圧延を終了する。
【0031】開始温度が400℃より低温だと圧延が困
難で、550℃より高温では、Al−Fe−Si化合物
が分解する可能性があり、圧延板面の酸化が進むなど好
ましくない。
【0032】終了温度は結晶組織の微細化のために規制
する。200℃より低温では、圧延油が蒸発しきれずに
板面に残留して表面汚れや腐食を招く。300℃より高
温では、再結晶粒が粗大に成長し、最終板で帯状の組織
による色調(光沢)のムラになる。これらの温度範囲内
で、最適温度は、最終板の結晶組織、機械的性質の異方
性などを最適化するように決定される。
【0033】熱間圧延をこのような温度範囲で行なうこ
とは、圧延中および圧延後の冷却中にMg2Siを形成
させるためにも重要である。
【0034】熱間圧延のあと、冷間圧延と中間熱処理を
行なう。中間熱処理の前に冷間圧延を加えることで、中
間熱処理での再結晶粒が微細になり最終板をエッチング
したときの結晶粒に起因する筋状の色調(光沢)ムラが
防止される。熱間圧延終了温度が250℃より低いと冷
間圧延と同様の効果がある。中間熱処理を400℃以下
でかつ30分以上で行なうのは、固溶しているSiとM
gをMg2Siの化合物にするためである。400℃よ
り高温または30分未満では、この化合物が生成されに
くい。通常は、この中間熱処理で冷間圧延による加工組
織を再結晶させるので、300℃以上に加熱するが、再
結晶させる必要のない場合は300℃より低温でもよ
い。
【0035】中間熱処理のあとに行なう30%以上の最
終冷間圧延は、最終板の機械的性質を調整するためで、
その加工度が大きければ強度、硬さが増す。最適値は最
終板の用途にもとづいて選定される。
【0036】用途によっては、伸びの大きい焼なまし材
の方がよいことがある。このためには、最終冷間圧延の
あと、200〜400℃で熱処理を加えればよい。20
0℃より低温では、機械的性質の変化が遅い。400℃
より高温では、再結晶粒が粗大化する。また、形成され
ていたMg2Siの分解が起こり、MgとSiが再溶解
するので好ましくない。
【0037】中間熱処理を平均昇温速度10℃/秒の急
速加熱によって行なえば、再結晶粒が微細になり、成形
加工性やエッチングしたときの外観などが改善される。
再結晶させるには400℃以上に5秒間以上加熱するこ
とが必要である。この熱処理温度が500℃より高温で
あったり、保持時間が長すぎると、熱間圧延の後半およ
び終了後の冷却中に形成されたMg2Siの分解、再固
溶が起こる。規定した条件内であれば、実用上無害であ
る。
【0038】こうして得られた最終板は、例えば苛性ソ
ーダ水溶液によりエッチングし、中和処理してから硫酸
水溶液中で陽極酸化処理して、美観および耐食性を附与
して使用される。
【0039】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0040】実施例1 表1に示す化学成分をもつアルミニウム合金を溶解鋳造
し、鋳塊とした。表面偏析層を切削除去した後、500
℃×8時間熱処理したのち、そのまま熱間圧延に供し、
終了温度が245±15℃になるように圧延した。熱間
圧延板厚6mmから冷間圧延で3.5mmとしたのち、
360±10℃×2時間の中間熱処理を施してから、冷
間圧延して2.0mm厚みの板とした。最終冷間圧延の
板厚減少率は43%である。これをH14材とする。
【0041】さらに冷間圧延して0.70mm厚み(板
厚減少率80%)にした板をH18材とする。
【0042】さらにこのH18材を250℃×2時間加
熱して半なまし状態にした。(H24材) また、360℃×2時間加熱して完全焼きなまししたも
のを製作した。(O材) これら、各材料の陽極酸化皮膜の耐食性を次のようにし
て評価した。
【0043】まず、10%苛性ソーダ水溶液(40℃)
中で2分間エッチングした。水洗および中和処理のあ
と、15%硫酸浴(25℃)中で1A/dm2の電流密
度で10分間陽極酸化処理を施す。生成する皮膜の厚さ
はおよそ2.5μmである。つぎに、3%食塩水(25
℃)を用いて浸漬10分間、乾燥50分間の交互浸漬を
10サイクル行ない皮膜を腐食させる。次に、飽和硫酸
銅液(25℃)中で、2V×3分間の通電を行なう。こ
れによって、陽極酸化皮膜に微小孔など欠陥があると、
通電によってそこに銅が還元されて析出する。
【0044】
【表1】
【0045】このように処理した板を、光学顕微鏡で拡
大観察すると、点状に析出した銅を認めることができ
る。皮膜の耐食性の評価は、表1に示すNo.4,8,1
2,16(比較材)の皮膜に発生した銅の析出点(皮膜
欠陥)の密度をランク5とし、全く欠陥のない状態をラ
ンク0として、その間をランク4,3,2,1に分類し
た。
【0046】従って、評価は相対評価である。また、陽
極酸化前の元板の耐食性の評価は、JIS Z 237
1塩水噴霧試験法に基づき、35℃の5%食塩水を10
0時間噴霧し、その結果を相対的に比較して次のように
3段階評価により表した。
【0047】JIS A 1050と同等:○ JIS A 1050より若干劣る:△ JIS A 1050より劣る:× なお、H14、H18、H24、O材の調質による元板
の耐食性には大差がなかったため、H14材の結果につ
いて表した。
【0048】評価結果を表2に示す。Mg含有量の少な
い比較材に比べて、Mgを加えた発明材では皮膜の耐食
性が改良されており、Cuが本発明の成分範囲を越える
と、元板の耐食性が悪いことが分る。
【0049】
【表2】
【0050】さらに、陽極酸化皮膜の色調安定性を次の
ようにして評価した。
【0051】表1に示した合金のうち、No.13,1
7,18,19のH18材について、150〜450℃
で各8時間焼なまし処理を施し、6%苛性ソーダ水溶液
(70℃)中で3分間エッチングし、中和したあと、1
5%硫酸浴(20℃)中で1.5A/dm2×40mi
nの陽極酸化処理を行なって(皮膜厚み15μm),常
圧沸騰水中で封孔処理し、皮膜の色調を測定した。
【0052】その結果を表3に示す。MgとCuを添加
した合金(No.13,17)では、200〜400℃の
範囲では焼なまし温度によって陽極酸化皮膜の色調が殆
ど変化しないことが分る。このことは、圧延板の製造工
程で熱間圧延温度や熱処理などの条件が変動した場合で
も、最終板の皮膜色調が殆ど変化せず、安定した色調が
複数のロット間あるいは1コイル内で得られることを示
している。
【0053】
【表3】
【0054】 (注)皮膜色調表示はJISZ8729−1980に準
拠。
【0055】L*は 明るい(大)←→暗い(小) a*は 赤(+)←→緑(−) b*は 黄(+)←→青(−)を表わす。
【0056】実施例2 表4に示す合金、No.20及び21を造塊し、表面偏析
層を除去してから、540℃×4時間加熱して、480
℃に冷却し熱間圧延を開始。終了温度が275±15
℃、厚み5mmになるように熱間圧延し、引きつづいて
厚み2mmに冷間圧延した。ここで中間熱処理条件を種
々変えて処理したあと、板厚減少率50%の冷間圧延を
施して厚み1mmの板(H14材)とした。なお、中間
熱処理での昇温速度を30℃/秒とした。さらに360
℃×2時間の最終熱処理を施した板(0材)を用意し
て、それらの陽極酸化処理後の耐食性を実施例1と同様
にして評価した。また、陽極酸化処理した板面を目視で
外観検査し、結晶粒に起因する筋状の色調(光沢)むら
の程度を外観品質として評価した。評価値は同一合金材
の中での相対評価である。結果を表5に示す。中間熱処
理温度が低く短時間であると十分な再結晶が起らず、熱
間圧延で生成した粗大な結晶粒がそのまま圧延されるた
めに、最終板をエッチング、陽極酸化皮膜処理すると筋
状のむらが目立つようになる。中間熱処理温度を500
℃より高くすれば、再結晶が十分起るが、やや粗大化し
て筋状むらを呈し、また皮膜の耐食性が低下する。
【0057】陽極酸化皮膜の耐食性は中間熱処理温度が
低い方が良好であった。
【0058】最終0材では、十分に冷間圧延された板が
再結晶して、筋状むらはH14材より軽微になったが、
中間熱処理の不適当なものではまだその影響が認められ
た。
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】注)外観品質の説明 ○:良好、△:筋状の光沢むらが認められるが軽微、
×:筋状の光沢むらが部分的に認められる、××:筋状
の光沢むらが全面に認められる。
【0062】実施例3 表6に示す合金No.22を造塊して、小さく切断し、均
質化熱処理、熱間圧延、冷間圧延、中間熱処理および冷
間圧延してH14担当材を作製し、その陽極酸化皮膜の
耐食性と皮膜の色調を実施例1と同様にして評価した。
【0063】結果を表7に示す。400℃を越える高温
での長時間の中間熱処理、あるいは450℃未満の低温
での均質化処理では、陽極酸化皮膜の耐食性がよくなか
った。
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【発明の効果】以上、説明したように、従来は、地金純
度を高めて対処した陽極酸化皮膜の耐食性と色調安定性
の改良に対し、少量のMgとCuの添加により純度の良
い合金と同様の効果が得られるので、地金コストの上昇
が避けられ、経済的効果が大きい。同一純度(Si,F
e量)の地金を使う場合は耐食性が向上し、製品寿命が
長くなる。
【0068】また、従来その量を特に管理していなかっ
た不純物扱いのMgを、積極的に添加し調整したことに
よって使用地金によって変動していた耐食性のばらつき
が解消され、品質安定化が達成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22F 1/00 671 C22F 1/00 671 682 682 683 683 685 685Z 686 686B 691 691A 691B 691C 694 694A 694B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22F 1/04 - 1/057 C22C 21/00 - 21/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量基準でSi;0.05〜0.5%、
    Fe;0.15〜0.9%、Si+Fe;0.30%以
    上、1.0%未満、Si%≦Fe%であって、更に、C
    u;0.05〜0.5%、Ti;0.01〜0.05
    %、Mg;{Si%}×{0.3〜1.0}%を含み、
    これらの成分と各0.05%以下の不可避不純物と残部
    が99.00%以上のAlからなるアルミニウム合金
    を、半連続式鋳造によって造塊した後、必要に応じて表
    面偏析層を切削除去し、450℃以上600℃以下で1
    〜20時間熱処理して400℃以上550℃以下で熱間
    圧延を開始して、材料温度が200℃以上300℃以下
    となるよう圧延を終了し、続いて冷間圧延と400℃以
    下で30分以上の中間熱処理を行ない、板厚減少率30
    %以上の最終冷間圧延をすることを特徴とする陽極酸化
    処理用アルミニウム合金板の製造方法
  2. 【請求項2】 中間熱処理を、平均昇温速度10℃/秒
    以上で、400℃を超え500℃以下で5秒以上30秒
    以内の保持とすることを特徴とする請求項1記載の陽極
    酸化処理用アルミニウム合金板の製造方法
  3. 【請求項3】 最終冷間圧延の後に、200〜400℃
    で最終熱処理をすることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の陽極酸化処理用アルミニウム合金板の製造
    方法
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