JP2858068B2 - 陽極酸化処理後の色調が安定な淡色の建材用厚肉アルミニウム合金圧延板およびその製造方法 - Google Patents

陽極酸化処理後の色調が安定な淡色の建材用厚肉アルミニウム合金圧延板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は陽極酸化処理を施して
用いられる、肉厚が3mm以上の厚肉のアルミニウム合金
材に関し、特にビルのカーテンウォールや内装材などの
建材として用いられる厚肉アルミニウム合金板およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にビルのカーテンウォール、その他
の建築外装材、あるいは建築内装材などの建材の用途に
使用されるアルミニウム合金は、主として耐食性の観点
から、陽極酸化処理を施して使用されることが多い。
【0003】従来このように陽極酸化処理を施して用い
られる建材用のアルミニウム合金としては、陽極酸化処
理後の色調が淡灰色系からシルバー系のものが多く、こ
の場合の合金の種類としては、一般にJIS 1050
合金、1100合金、5005合金等が使用されること
が多い。また陽極酸化処理後の色調が灰色のものとして
は、Al−1〜4%Si合金が一般的である。
【0004】なお従来この種のアルミニウム合金の製造
過程においては、冷間圧延の中途もしくは熱間圧延と冷
間圧延との間で中間焼鈍を行なって、この中間焼鈍によ
り結晶組織およびSi析出の量を調整し、これによって
陽極酸化処理後の色調と表面組織を均一化させ、その後
の冷間圧延によって平坦度を調整して、いわゆるH14
テンパー材として製品板とするのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】各種の建材用アルミニ
ウム合金板の用途のうちには、強度面の設計上の要請、
あるいはデザイン上の要請などから、板厚が3mm以上の
厚肉な圧延板を用いることが必要な場合がある。
【0006】ところがこのような厚肉材を製造する場
合、従来の一般的な手法と同様に中間焼鈍を行なえば、
中間焼鈍前の冷間圧延率を余り大きくすることができな
いため、中間焼鈍時の再結晶粒が粗大化して、後の陽極
酸化処理によって表面に荒れが生じて、製品として受入
れることができなくなってしまうおそれがある。また逆
に中間焼鈍を施さない場合には、鋳塊組織や熱間圧延組
織の影響が最終板に残りやすく、そのため表面にムラ
(模様)が生じやすくなり、また析出Si量の変動によ
って陽極酸化処理後の色調の制御が困難となってしまう
問題も生じる。
【0007】一方、板厚3mm以上の厚肉材を得る場合、
冷間圧延を行なわず、熱間圧延上りのまま製品板とする
こともあるが、熱間圧延上りのままでは、鋳塊組織の影
響が製品板に残りやすく、また熱間圧延組織の影響がそ
のまま製品板に残るため、筋目(ストリークス)等の表
面ムラが生じやすく、かつ析出Si量の変動によって陽
極酸化処理後の色調の制御も困難となってしまう。また
このように熱延上りのままでは、表面疵が多く、かつ平
坦度を確保することも困難である。さらに、熱延上りの
ままの板は、冷間圧延によってH14テンパー材とした
板とは表面の転位密度も異なるため、表面の光沢度に相
違が生じ、陽極酸化処理後の表面の色感もH14テンパ
ー材とは異なることとなる。そのため同一の建築物等
に、冷間圧延によりH14テンパー材とした薄板と熱間
圧延上りのままの厚板とを混在させて用いた場合、色感
の統一性がなくなり、建築物の外観を損なうおそれがあ
る。
【0008】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、陽極酸化処理を施して用いられる建材用アル
ミニウム合金圧延板、特に板厚が3mm以上の厚肉板とし
て、陽極酸化処理後の色調が淡色(淡灰色)で安定して
おり、かつ従来のH14テンパー材と同様の色感が得ら
れ、しかも陽極酸化処理後の表面に色ムラや模様、筋目
がなく、さらには表面の荒れも少ない外観特性の優れた
アルミニウム合金圧延板を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するべく本発明者等が鋭意実験・検討を重ねた結果、ア
ルミニウム合金の成分組成を適切に規制するばかりでな
く、熱間圧延条件を適切に制御することにより中間焼鈍
なしで冷間圧延上り板を得るようにし、これによって析
出Si量を適切に調整すると同時に最終板の結晶粒の偏
平度を適切に調整すれば、前述の諸問題を解決し得るこ
とを見出し、この発明をなすに至った。
【0010】具体的には、請求項1の発明の建材用厚肉
アルミニウム合金圧延板は、Fe0.20〜1.3%、
Si0.05〜0.30%を含有し、かつ結晶粒微細化
剤としてTi0.003〜0.15%を単独でもしくは
B0.5〜150ppm またはC0.1〜150ppm と組
合されて含有し、残部がAlおよび不可避的不純物より
なり、しかも析出Si量が0.03%以下であり、さら
に圧延面に平行な面における結晶粒の長さ/幅の比が平
均で3以上であることを特徴とするものである。
【0011】また請求項2の発明の建材用アルミニウム
合金圧延板は、Fe0.20〜1.3%、Si0.05
〜0.30%、Cu0.05〜0.30%を含有し、か
つ結晶粒微細化剤としてTi0.003〜0.15%を
単独でもしくはB0.5〜150ppm またはC0.1〜
150ppm と組合されて含有し、残部がAlおよび不可
避的不純物よりなり、しかも析出Si量が0.03%以
下であり、さらに圧延面に平行な面における結晶粒の長
さ/幅の比が平均で3以上であることを特徴とするもの
である。
【0012】さらに請求項3の発明の建材用アルミニウ
ム合金圧延板の製造方法は、Fe0.20〜1.3%、
Si0.05〜0.30%を含有し、かつ結晶粒微細化
剤としてTi0.003〜0.15%を単独でもしくは
B0.5〜150ppm またはC0.1〜150ppm と組
合されて含有し、さらに必要に応じてCu0.05〜
0.30%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物
よりなる合金を鋳塊中の平均結晶粒径が500μm以下
となるように鋳造し、得られた鋳塊に500〜630℃
で1〜24時間均熱処理を施すとともに、その均熱処理
の前もしくは後に鋳塊に面削を施し、さらに熱間圧延
を、その中途の板厚50mmの段階での板温度が400℃
以下となりかつ熱間圧延終了温度が200〜330℃の
範囲内となるように制御し、その後中間焼鈍を行なうこ
となく、圧延率1%以上の冷間圧延を施して、圧延面に
平行な面における結晶粒の長さ/幅の比が平均で3以上
の圧延板を得ることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】この発明の建材用アルミニウム合金板において
は、基本的には、成分組成、特にFeおよびSiを厳密
に規定すると同時に析出Si量を規制することによって
陽極酸化処理後の色調を淡色(淡灰色)に調整するとと
もに、その色調を安定化させ、さらに最終板の結晶粒の
圧延面に平行な面での長さ/幅の比、すなわち結晶粒の
偏平度を規定することによって、陽極酸化処理時の表面
のムラ、模様を少なくしている。
【0014】またこの発明の建材用厚肉アルミニウム合
金圧延板の製造方法においては、基本的には、鋳塊結晶
粒径を規制して鋳塊組織を微細化するとともに、均熱処
理条件を適切に設定して陽極酸化処理後に淡色の色調が
得られるようになし、さらに熱間圧延条件を適切に規制
して、中間焼鈍を行なうことなくその後に1回の冷間圧
延のみを行なうようにし、これによって陽極酸化処理後
の表面の荒れや色調のムラが生じないようにするととも
に、色感も従来の通常の冷間圧延材(H14テンパー
材)と同様となるようにしている。
【0015】このような本願発明における成分組成の限
定理由について先ず説明する。
【0016】Fe:FeはAl−Fe系の金属間化合物
を生成して、陽極酸化処理後の色調を決定付ける重要な
元素であり、特に均熱処理条件を適切に設定することに
よってAl3 Feの金属間化合物を得、これによって陽
極酸化処理後の色調を淡色化するに寄与する。Feが
0.20wt%未満では全体に色調が薄くなり過ぎて陽極
酸化処理後の表面の光沢が大きくなり、充分な色調が得
られた状態とは言えなくなる。一方Feが1.3wt%を
越えれば、粗大なAl−Fe系金属間化合物晶出物が多
くなって陽極酸化処理後の色調が黄味を帯びるようにな
ってしまう。したがってFe量は0.20〜1.3wt%
の範囲内に限定した。
【0017】Si:Siは強度と陽極酸化処理後の色調
の調整のために添加される。色調に関しては、Siは、
Al3 Fe中に固溶して、色調に影響を与えるととも
に、製造プロセス中の温度条件によっては析出Si相と
して析出し、これも色調に影響を与える。Si量が0.
05wt%未満では、陽極酸化処理後の色調が浅過ぎて表
面の金属光沢が大きくなり、充分な色調が得られない。
一方Si量が0.30wt%を越えれば、αAlFeSi
相が生じて陽極酸化処理後の色調に黄味が強くなるとと
もに色調が変動してしまい、また析出Siが生じて色調
の不安定化を招く。したがってSi量は0.05〜0.
30wt%の範囲内とした。
【0018】Cu:Cuは請求項1の発明のアルミニウ
ム合金圧延板では積極添加しないが、強度を向上させる
有効な元素であるため、請求項2の発明のアルミニウム
合金圧延板で添加することとした。但しCuは陽極酸化
処理後の色調にやや黄色味の色調を与える。Cu量が
0.05wt%未満ではCuの積極添加による強度向上の
効果が得られず、一方0.30wt%を越えれば耐食性が
低下するとともに、陽極酸化処理後の色調の黄味が強く
なって不適当となる。したがって請求項2においてCu
量は0.05〜0.30wt%の範囲内とした。
【0019】Ti,B,C:Tiは鋳塊結晶粒を微細化
して、圧延板のキメ、ストリークスを防止する効果を有
する。一方BはTiと共存して鋳塊結晶粒の微細化効果
を発揮する。またCもTiと共存して鋳塊結晶粒微細化
効果を発揮する。そこで結晶粒微細化剤としてTiを単
独で、またはBと組合せて、あるいはCと組合せて添加
することとした。Tiが0.003wt%未満では結晶粒
微細化の効果が得られず、一方Tiが0.15wt%を越
えればTiAl3 の粗大金属間化合物が生成されてしま
うおそれがあるから、Tiは0.003〜0.15wt%
の範囲内とした。またBが0.5ppm 未満ではTiとの
共存による結晶粒微細化効果が得られず、Bが150pp
m を越えれば粗大TiB2 粒子による線状欠陥が発生す
るから、Tiと組合せて添加する場合のB量は0.5〜
150ppm の範囲内とした。さらにCが0.1ppm 未満
ではTiとの共存による結晶粒微細化効果が得られず、
Cが150ppm を越えれば粗大グラファイトが混入して
欠陥が生じるおそれがあるから、Tiと組合せて添加す
る場合のC量は0.1〜150ppm の範囲内とした。
【0020】以上の各元素のほかは、基本的にはAlお
よび不可避的不純物とすれば良い。但し、一般に鋳造時
の溶湯酸化防止のため、通常のアルミニウム合金では微
量のBeを添加することがあるが、この発明の場合も微
量のBeの添加が他の性能を特に劣化させることはな
く、500ppm 程度以下のBeの添加は許容される。ま
たMg,Znもそれぞれ1.0wt%以下であれば他の性
能を劣化させないから、それぞれ1.0wt%以下は含有
することが許容される。
【0021】さらにこの発明の建材用厚肉アルミニウム
合金圧延板においては、析出Si量を規制していること
が重要である。すなわち、析出Si粒子が存在すれば、
陽極酸化処理後の色調に黄味が強くなり、しかもそれば
かりでなく、多量にSiが析出すればその析出量を制御
することが困難となり、陽極酸化処理後の色調が変動し
やすくなって、色ムラが生じやすくなる。特に析出Si
量が0.03wt%を越えれば陽極酸化処理後に色ムラが
生じやすくなるから、析出Si量を0.03wt%以下に
規制することとした。
【0022】さらにこの発明の建材用厚肉アルミニウム
合金圧延板では、製品板の状態での結晶組織が重要であ
る。すなわち、この発明のアルミニウム合金圧延板は、
熱間圧延後、中間焼鈍を行なうことなく1回の冷間圧延
で製品板とされるものであるが、この場合熱間圧延での
最終板厚もしくはその近くのパスで再結晶が生じれば、
製品板の表面組織が不均一となって陽極酸化処理後の表
面にムラが生じてしまう。このような組織の不均一、陽
極酸化処理後のムラの発生の程度は、製品板の結晶粒の
圧延面に平行な面での長さ/幅の比(偏平度)にほぼ相
関し、その偏平度が3未満では表面組織が不均一となっ
て陽極酸化処理後にムラが発生しやすい。したがってこ
の発明のアルミニウム合金板は、前記偏平度が3以上で
あることが必要である。なおこのような製品板の結晶粒
の偏平度は、後述するように熱間圧延条件等の各プロセ
ス条件を適切に調整することにより達成できる。
【0023】次にこの発明の建材用厚肉アルミニウム合
金圧延板の製造方法および各プロセス条件について説明
する。
【0024】先ず前述のような成分組成を有する合金を
DC鋳造法(半連続鋳造法)などによって鋳造する。こ
の鋳造にあたっては、均一で微細な鋳塊組織を得ること
が重要である。すなわち、この発明の製造方法では中間
焼鈍を行なわないため、わずかな組織の不均一が陽極酸
化処理後のムラ、模様に結び付いてしまうから、鋳塊段
階からその組織を均一、微細としておく必要がある。鋳
塊中の結晶粒の粒径が500μmを越える粗大なものと
なれば、前述のように陽極酸化処理後のムラが顕在化し
てしまうから、500μm以下に規制する必要がある。
そしてこのような鋳塊結晶粒の微細化を達成するため、
この発明では前述のように結晶粒微細化剤としてTi、
もしくはTiおよびB、あるいはTiおよびCを添加し
ているが、そのほか鋳造時の鋳造速度も30mm/min 以
上とすることが好ましい。また鋳塊断面に、陽極酸化処
理によって外側の濃色部分と内側の淡色部分との境界が
樅の木状を示すような組織、すなわちいわゆる樅の木組
織が生じた場合や、羽毛状晶あるいは浮遊晶が生じた場
合には、最終圧延板の陽極酸化処理後に模様やムラが生
じるから、これらの異常組織が生じないように制御する
ことが望ましい。
【0025】鋳造後には、鋳塊表面に面削を施してから
後述する均熱処理を施すか、または均熱処理を施してか
ら面削を施す。すなわち、鋳塊表面に存在するチル層や
粗大セル層が残存すれば、これらも陽極酸化処理後に模
様、ムラを生じさせる原因となるから、これらのチル層
や粗大セル層を除去するために面削を施す必要がある。
なお一般にチル層や粗大セル層が存在する厚みは10mm
前後であり、したがって面削は表面から15mm程度行え
ば充分である。またこの面削は、通常は鋳塊の幅広な2
面のみで行えば良い。
【0026】また均熱処理は、500〜630℃の範囲
内の温度で1〜24時間の条件とする。この均熱処理
は、一般的な鋳塊組織均質化の目的から必要であるばか
りでなく、陽極酸化処理後の色調として淡色の色調を得
るために重要である。すなわち、鋳造時に晶出した金属
間化合物Al6 Feを均熱処理によってAl3 Feに変
態させ、このAl3 Feの存在によって陽極酸化処理後
の色調として淡色(淡灰色)の色調を呈することができ
る。均熱処理の温度が500℃未満ではAl6 Fe晶出
物が残留し、製品板の陽極酸化処理後に淡色の色調が得
られなくなり、一方630℃を越えれば結晶粒が粗大化
して、最終板に陽極酸化処理を施した状態でもムラ、模
様が生じてしまう。また均熱処理の時間が1時間未満で
は前述の効果が充分に得られず、一方24時間を越える
長時間の均熱は経済的に無駄となるだけである。
【0027】均熱処理後(均熱処理後に面削を施す場合
は面削後)には、冷却することなく均熱処理による保有
熱を利用して熱間圧延を開始するか、または一旦冷却し
てから再加熱し、熱間圧延を行なう。この熱間圧延の条
件は、中間焼鈍を施さないこの発明の製造プロセスでは
極めて重要である。すなわち、この発明のプロセスでは
中間焼鈍を行なわないため、熱間圧延時に粗大な再結晶
が生じれば、その粗大再結晶粒の影響が最終圧延板まで
残留し、陽極酸化処理後にムラ、模様を生じさせること
になり、特に熱間圧延の最終段階に近いパスで粗大再結
晶が生じれば、その影響が強く残って陽極酸化処理後の
ムラ、模様が生じやすくなる。また熱間圧延後の巻取時
やその後のコイル状態で部分的に再結晶が生じた場合に
も、その影響が強く残って陽極酸化処理後のムラ、模様
が生じやすくなる。このような問題を解決するために
は、熱間圧延工程中において微細に再結晶させること、
特に最終パスに近い段階の粗大な再結晶の発生を防止
し、かつ熱延終了後の板の巻取中、巻取後における部分
的な再結晶を防止することが重要である。そこでこの発
明の製造方法では、熱間圧延中途の板厚が50mmの段階
で板の温度が400℃以下となるように、かつ熱間圧延
終了温度を200〜330℃の範囲内となるように制御
することとした。このように熱間圧延中途の50mmの厚
みの段階での温度を低くしかつ熱間圧延終了温度を低く
することによって、粗大な再結晶や部分的再結晶の影響
によって製品板の陽極酸化処理後に表面の均一性が損な
われて、ムラや模様が生じることを有効に防止すること
が可能となった。
【0028】ここで、熱間圧延中途の板厚が50mmの段
階で400℃を越える高温の場合には、その後のパスで
大きな再結晶粒が生じ、これが製品板まで残留して、前
述のようなムラ、模様の原因となる。また熱間圧延終了
温度が330℃を越える高温では、圧延を終了した板の
巻取中あるいは巻取後に部分的に再結晶が生じて、陽極
酸化処理後の表面の均一性が損なわれ、ムラ、模様が生
じてしまう。一方熱間圧延終了温度が200℃未満で
は、コイル巻取中や巻取後にSiが析出し、また圧延に
よる疵等が発生しやすくなる。なお上述のように板厚が
50mmの段階での板温度が400℃以下となるように制
御するためには、熱間圧延開始温度を低目にしたり、あ
るいは熱間圧延中途で冷却する等の手法を適用すれば良
い。なおまた、熱間圧延に供される鋳塊の厚みは、通常
は300〜700mm程度、熱間圧延終了時の板厚は通常
は3〜15mm程度である。
【0029】熱間圧延終了後には、中間焼鈍を施すこと
なく1%以上の冷間圧延を行なって製品板とする。この
ように冷間圧延を施すことによって、板の平坦度が向上
するとともに、熱間圧延時の表面疵を消失させることが
でき、さらに表面に冷間加工が加わるため、表面の転位
組織が従来の薄肉材に適用されているH14テンパー材
と同様となり、そのため陽極酸化処理後の色感もH14
テンパー材と同様となるため、同じ建築物にH14テン
パーの薄肉材と混在させても全体的な色感の統一が崩れ
ることがない。
【0030】ここで、仮に中間焼鈍を行なえば、この発
明の場合最終板が厚肉材のため、中間焼鈍前の冷間加工
率を大きく取ることができず、そのため中間焼鈍時に結
晶粒が粗大化し、陽極酸化処理後の表面が荒れてしまう
問題が生じる。一方、冷間圧延を行なわず、熱間圧延の
まま製品板とすれば、板の平坦度が不充分となり、また
熱間圧延時の表面の疵がそのまま残ってしまう。さらに
熱間圧延のままでは表面の転位組織が従来の薄肉材に適
用されているH14テンパー材と異なるため、陽極酸化
処理後の表面の色感がH14テンパー材と異なってしま
う。したがってこの発明では、熱間圧延後に、中間焼鈍
を行なうことなく冷間圧延を施すこととした。なお冷間
圧延率が1%未満では上述の効果が得られないから、1
%以上の冷間圧延率とすることが必要であり、好ましく
は5%以上の冷間圧延率とする。なお冷間圧延率の上限
は特に定めないが、3mm以上の厚肉材を得るとの目的、
および熱延板の板厚から考慮すれば、通常は30%以下
とする。
【0031】以上のようなプロセスを経て得られた圧延
板(製品板)は、結晶粒の偏平度(圧延面に平行な面で
の長さ/幅の比)が3以上の組織を有しており、陽極酸
化処理後の表面が均一で、ムラ、模様等が生じるおそれ
が少なく、かつ色調が淡色(淡灰色)で安定したものと
なる。
【0032】なお陽極酸化処理は、常法にしたがって行
なえば良いが、硫酸電解浴を用いることが経済性および
耐食性の点から有利であり、前述のようにして得られた
圧延板では、硫酸電解浴を用いた陽極酸化処理によって
前述のように淡色(淡灰色)の色調を得ることができ
る。
【0033】陽極酸化処理にあたっては、予め表面の汚
れおよび表面の欠陥を除去しておくため、脱脂およびエ
ッチングを行なうのが一般的である。エッチングは、苛
性ソーダ系のアルカリエッチングを行なうのが通常であ
る。そして陽極酸化処理自体は、H2 SO4 濃度が10
〜25 vol%の硫酸浴を用い、浴温度15〜30℃、電
流密度0.5A/dm2 以上3.0A/dm2 未満で行な
い、膜厚10〜30μmの陽極酸化皮膜を生成させるこ
とが望ましい。
【0034】なお陽極酸化処理後の色調については、ハ
ンターの色差式(JIS Z8730参照)による明度
指数Lとクロマティクネス指数a,bの値によって評価
することができる。すなわち、明度指数のL値は高いほ
ど白く、一方クロマティクネス指数は着色度についての
ものであってそのa値は高いほど赤味が強く、b値は高
いほど黄味が強いことをあらわす。そしてこの発明で目
的とする淡色(淡灰色)は、次のように定義される。
【0035】L値>60 −2<a値<2 −2<b値<4
【0036】
【実施例】表1に示される合金No.1〜No.4の各
合金をDC鋳造法によって厚さ450mm、幅1200m
m、長さ4000mmのスラブに鋳造した。なお鋳塊結晶
粒微細化剤としては5%Ti−1%Bを用いた。各スラ
ブの鋳塊組織について調べた結果を表2に示す。
【0037】各合金No.1〜No.4のスラブについ
て、表3中に示す諸条件で均熱処理を施してから、それ
ぞれ幅広な面を15mmの厚さだけ面削し、熱間圧延を施
した。この熱間圧延の熱間圧延開始温度、中途の50mm
の段階での温度、熱間圧延終了温度をそれぞれ表3中に
示す。なお熱間圧延上り板厚は8mmもしくは6mmとし
た。そして8mmの熱延板については、中間焼鈍を行なう
ことなく6mmまで冷間圧延する(製造No.1,2,
3,6,8)か、または390℃×2時間の中間焼鈍を
施して6mmまで冷間圧延した(製造No.4)。6mmの
熱延板については、一部のものはそのまま製品板として
(製造No.7)、他のものは従来の通常の薄板製造プ
ロセスに従って6mmから冷間圧延を施して3.5mm厚で
中間焼鈍(350℃×2時間)を施し、その後2.5mm
厚まで冷間圧延した(製造No.5)。得られた各圧延
板について、析出Si量および結晶粒の偏平度を調べた
ので、その結果を表3中に併せて示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】さらに各圧延板について、10%NaOH
水溶液により化学エッチングし、水洗後、硝酸によりデ
スマット処理した。次いで硫酸濃度10 vol%の硫酸電
解浴を用いて、浴温20℃、電流密度1.5A/dm2
て陽極酸化処理を行ない、それぞれ膜厚20μmの陽極
酸化皮膜を生成させた。
【0042】各圧延板の陽極酸化処理後の表面色調につ
いて、スガ試験機製カラーメータSM−3−MCHを用
いて調べ、ハンターの色差式によるL値、a値、b値で
評価した。また同じく陽極酸化処理後の表面の光沢を調
べるとともに、表面の模様等の外観状況について目視に
よって調べた。これらの調査結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】明らかなように、この発明で規定する成分
組成範囲内の合金(合金No.1〜3)について、この
発明で規定する製造プロセス条件を適用して、最終板の
結晶粒偏平度および析出Si量がこの発明で規定する範
囲を満たした場合(製造No.1,No.3,No.
6)には、いずれも陽極酸化処理後の色調として淡色の
色調を得ることができ、かつ光沢も少なく、さらには筋
目模様、ストリークスなどのムラや表面荒れの発生もな
いことが確認された。これらの結果は、製造番号5の従
来の通常の薄板プロセスに従って得た薄板の場合と同様
である。
【0045】一方熱間圧延における板厚50mmの段階で
の温度および熱間圧延終了温度が高かった製造No.2
の比較例の場合は、最終板の結晶粒の偏平度が小さく、
陽極酸化処理後の表面に筋目が生じて、外観不良と判定
された。また熱間圧延後に中間焼鈍を施した製造No.
4の比較例の場合は、結晶粒が粗大化して最終板の結晶
粒の偏平度が小さく、陽極酸化処理によって表面荒れが
発生し、外観不良となった。さらに、製造No.7は熱
間圧延終了温度が低く、かつ冷間圧延を行なわずに熱延
板上りとしたものであるが、この場合は、析出Si量が
多く、陽極酸化処理後の表面の色調の黄味が強くなると
ともに、光沢が多くかつ表面疵も多くなってしまった。
そしてまた製造No.8は、鋳塊結晶粒微細化剤が少な
い比較合金(合金No.4)を用いたものであるが、こ
の場合には鋳塊の結晶組織が粗大な羽毛状晶となり、そ
のため陽極酸化処理後の表面にストリークスが発生し外
観不良となった。
【0046】
【発明の効果】この発明の建材用アルミニウム合金圧延
板は、陽極酸化処理を施して用いられる板厚3mm以上の
厚肉板として、陽極酸化処理後の表面の色調として、安
定した淡色でしかも従来の薄肉材として建材に用いられ
ているH14テンパー材と同等の色感を呈することがで
き、さらに陽極酸化処理後の表面の模様、スジ等の発生
も少ないとともに表面荒れも少ないなど、外観特性が著
しく優れており、また平坦度も良好である。
【0047】またこの発明の製造方法によれば、上述の
ような優れた外観特性を有する建材用厚肉アルミニウム
合金圧延板を量産的規模で安定かつ容易に製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C25D 11/04 308 C25D 11/04 308 // C22F 1/00 601 C22F 1/00 601 604 604 613 613 623 623 671 671 673 673 681 681 682 682 683 683 685 685Z 691 691B 691C 694 694A 694B (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 21/00 - 21/18 C22F 1/04 - 1/057 C25D 11/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe0.20〜1.3%(wt%、以下同
    じ)、Si0.05〜0.30%を含有し、かつ結晶粒
    微細化剤としてTi0.003〜0.15%を単独でも
    しくはB0.5〜150ppm またはC0.1〜150pp
    m と組合されて含有し、残部がAlおよび不可避的不純
    物よりなり、しかも析出Si量が0.03%以下であ
    り、さらに圧延面に平行な面における結晶粒の長さ/幅
    の比が平均で3以上であることを特徴とする、陽極酸化
    処理後の色調が安定な淡色の建材用厚肉アルミニウム合
    金圧延板。
  2. 【請求項2】 Fe0.20〜1.3%、Si0.05
    〜0.30%、Cu0.05〜0.30%を含有し、か
    つ結晶粒微細化剤としてTi0.003〜0.15%を
    単独でもしくはB0.5〜150ppm またはC0.1〜
    150ppm と組合されて含有し、残部がAlおよび不可
    避的不純物よりなり、しかも析出Si量が0.03%以
    下であり、さらに圧延面に平行な面における結晶粒の長
    さ/幅の比が平均で3以上であることを特徴とする、陽
    極酸化処理後の色調が安定な淡色の建材用厚肉アルミニ
    ウム合金圧延板。
  3. 【請求項3】 Fe0.20〜1.3%、Si0.05
    〜0.30%を含有し、かつ結晶粒微細化剤としてTi
    0.003〜0.15%を単独でもしくはB0.5〜1
    50ppm またはC0.1〜150ppm と組合されて含有
    し、さらに必要に応じてCu0.05〜0.30%を含
    有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる合金を
    鋳塊中の平均結晶粒径が500μm以下となるように鋳
    造し、得られた鋳塊に500〜630℃で1〜24時間
    均熱処理を施すとともに、その均熱処理の前もしくは後
    に鋳塊に面削を施し、さらに熱間圧延を、その中途の板
    厚50mmの段階での板温度が400℃以下となりかつ熱
    間圧延終了温度が200〜330℃の範囲内となるよう
    に行ない、その後中間焼鈍を行なうことなく、圧延率1
    %以上の冷間圧延を施して、圧延面に平行な面における
    結晶粒の長さ/幅の比が平均で3以上の圧延板を得るこ
    とを特徴とする、陽極酸化処理後の色調が安定な淡色の
    建材用厚肉アルミニウム合金圧延板の製造方法。
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