JP4003321B2 - 自動倉庫用クレーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動倉庫用クレーンに係り、特にクレーンの荷台に設けられ、荷台上の荷物の荷くずれを検出する荷物幅検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3ないし図5は、自動倉庫用クレーンおよび棚列の図であり、図3は正面図、図4は図3のA−A矢視図、図5は図3のB−B矢視図である。これらの図に示すように所定の間隔を置き相対向して設けられた左右の棚列1a、1bの間には、棚列1aと1bとの間に位置するよう、床面2には走行レール3が、また、棚列1a、1b上端部には、上部ガイドレール4が、夫々設けられている。走行レール3と上部ガイドレール4は、棚列1a、1bに沿い直線的に延在し、棚列1bと並列された入出庫台5を越える位置まで延長されている。
【0003】
倉庫用クレーン6(以下、単にクレーン6という。)は、下部フレーム7と、下部フレーム7上にクレーン走行方向へ所定の間隔を置いて立設され、かつ、昇降する荷台8を案内するようにした2本のマスト9と、2本のマスト9の上端を接続するように配置された上部フレーム10とで、フレーム枠11が構成され、荷台8には、棚列1aまたは1bに向って進退動し得るようにしたフォークを有する移載装置12が設置されている。
【0004】
クレーン6の下部フレーム7の前後部には、走行レール3上を転動し得るようにした走行車輪13が取付けられ、上部フレーム10の前後部には、上部ガイドレール4を挟んで転動し得るようにしたガイド車輪14が取付けられている。しかして、クレーン6は、ガイド車輪14を介して上部ガイドレール4にガイドされつつ走行車輪13を介して走行レール3上を走行し得るようになっている。
【0005】
前記荷台8に設置された移載装置12には、図示していないがフォーク進退動用の駆動装置や各種の位置検出センサが取付けられており、該駆動装置や荷物幅検出装置などの各種の位置検出センサと下部フレーム7上に搭載した制御盤15との間は、たとえば、水平断面形状が平形の給電ケーブル16により連結されている。
【0006】
クレーン6は、制御盤15に内蔵されたコンピュータに指示を与えることにより、入出庫台5と棚列1a、1bの所定位置との間を走行し、所定位置で停止するとともに、荷台8が棚列1aまたは1bの所定段まで昇降し、給電ケーブル16から移載装置12の駆動装置へ給電を行うことにより移載装置12のフォークを進退動させて荷17の入出庫、ピッキング等の作業を自動的に行う。
【0007】
この際、各種位置検出センサにより検出した信号は、給電ケーブル16を介して制御盤15へ与えられ、荷台8の昇降位置の制御や移載装置12のフォークの進退動の制御が行われる。
【0008】
図6および図7は、従来の荷物幅検出装置の図面であり、図6は正面図、図7は平面図である。図において、8は荷台、12は移載装置、17は荷物である。18は荷物幅検出装置である。荷物幅検出装置18は入出庫台5から荷物17を荷台8に移載するとき、格納する荷物17がずれているか否かをチェックしている。
【0009】
荷物幅検出装置18は荷台8の4隅に立設した支柱18aと、支柱18aの上端および下端に水平に突設したブラケット18bと、ブラケット18bにピン18dを介して回動可能に取付けられたコ字状のアーム18cとを有してなる。アーム18cは格納する荷物17に向って突出するように付勢されており、アーム18cが回動したときにそれを検出するセンサ(図示せず)が設けられている。
【0010】
対向するアーム18cの先端間の幅寸法は、格納する荷物17の計画幅寸法Mxに対してその両側に所要の隙間eだけ広くなっており、通常の場合は接触することなく荷物17を荷台8に移載することができる。しかし、搬送中に荷物17が荷くずれを起こして計画幅寸法Mxを越えたり、入出庫台5とクレーン6の中心位置がずれたような場合には、荷物17とアーム18cとが接触する。この接触によりアーム18cは回動させられるので、アームの回動を検出するセンサが作動し、制御的に荷物17がずれた状態で荷台8に移載したことが確認でき、荷くずれの検出ができる。
【0011】
以上は入出庫台5から荷台8に移載する場合について説明したが、棚1に格納してある荷物17を荷台8に移載する場合にも荷物幅検出装置18の作用は同じであり、荷くずれや荷のずれを検出している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
一般にクレーン6は、荷物17を積載しているか否かによる慣性力の違い、レール等との摩擦抵抗の違い、停止の最後はブレーキを掛けているが、ブレーキシューの摩耗による停止位置の狂い等により、停止位置を正確に制御することはできない。
【0013】
入出庫台5から荷物17を荷台8に移載するときには、荷物17は正確に入出庫台5に載置されているので、クレーン6が入出庫台5と正確に停止の位置合せができていなくても停止位置の誤差が先に述べた隙間e以内であればアーム18cに接触することなく移載できる。
【0014】
一方、荷物17を荷台8から棚1に移載するときには、クレーン6の停止位置の誤差だけずれた状態で棚1内に格納されるが、その荷物17を棚1から出庫しようとしてクレーン6が荷物17を受取りに走行して停止したとき、クレーンの停止位置に誤差があると、先に述べた棚1内に格納したときの位置のずれと加算される場合があり、こうした状態では格納されている荷物17に荷くずれはないのにアーム18cと接触する可能性がある。
【0015】
すなわち、入出庫台5から荷物17を荷台8に移載する入庫時には、荷物幅検出装置18は荷くずれを検出しているが、棚1から荷物17を荷台8に移載する出庫時には荷くずれ以外の要素を含めて検出していることになる。こうして荷くずれアラームが作動した場合にはその場で停止してブザーを吹奏している。この場合には、実際の荷くずれの場合もあり得るため人が目視で確認してから次の作動に入ることになる。
【0016】
荷台8が20〜30mの高さで停止することもあり、その場合でも人がそこまで昇って確認している。梯子などで昇降するには危険な作業であるし、荷くずれを起こしていない場合には作業時間が無駄である。
【0017】
本発明は、従来技術のかかる問題点に鑑み案出したもので、棚1から荷物17を出庫する際に荷くずれを起していないのにアラームが鳴る機会を少くし、アラームによる停止時間を減少させることのできる自動倉庫用クレーンを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の自動倉庫用クレーンは棚列に沿って走行し、棚内への荷物の入出庫を行う自動倉庫用クレーンであって、該クレーンは1対のマストを有するフレーム枠にマストに沿って昇降する荷台を有し、荷台上に荷物の移載装置を設けるとともに、荷物を荷台上に移載するときにその荷物の幅寸法を検出する荷物幅検出装置を荷台上に設けてなり、該荷物幅検出装置は棚列と並設された入出庫台から荷物をクレーンの荷台に移載する入庫時に作動する入庫時荷物幅検出装置と、棚に格納してある荷物をクレーンの荷台に移載する出庫時に作動する出庫時荷物幅検出装置とからなり、入庫時荷物幅検出装置は、格納する荷物の幅寸法よりも所要の寸法だけ広い幅寸法を検出するように設けてあり、出庫時荷物幅検出装置は入庫時荷物幅検出装置よりもさらに広い幅寸法を検出するように設けられている。
【0019】
荷物幅検出装置は、荷台上の荷物の上方および下方に、かつ、荷物の幅寸法より外側に設けられる投受光センサからなり、荷物が投受光センサの間に入って遮光したとき荷くずれを検出するようになっているのが好ましい。
【0020】
次に本発明の作用を説明する。
入出庫台から荷物をクレーンの荷台に移載するときには、荷物の計画幅寸法よりも所要の寸法だけ広い幅寸法を検出する入庫時荷物幅検出装置が作動するようにしてある。荷物は入出庫台の中心に正確に載置されており、クレーンの停止位置の誤差は上記所要の寸法より小さくなるように制御されているので荷物は入庫時荷物幅検出装置を作動させることなく移載することができ、アラームが吹奏することはない。
【0021】
棚から荷物をクレーンの荷台に移載するときには、入庫時荷物幅検出装置よりもさらに広い幅寸法を検出する出庫時荷物幅検出装置を作動するようにしてある。出庫時荷物幅検出装置は、上記入庫時荷物幅検出装置よりもさらに広い幅寸法、すなわち、入庫時荷物幅検出装置の作動寸法にクレーンの停止位置の誤差と棚に格納してある荷物の位置のずれを加算した幅寸法を検出するようになっているので、荷物は出庫時荷物幅検出装置を作動させることなく移載することができ、アラームが吹奏することはない。なお、荷物が荷くずれを起している場合にはいずれの場合にもアラームが吹奏する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の自動倉庫用クレーンの荷物幅検出装置の正面図であり、図2は図1のA−A矢視図である。なお、これらの図において、従来技術として図3ないし図5で説明したものと共通の部分は同じ符号を用いている。また、自動倉庫用クレーン全体についての説明は省略する。図1および図2において、8は荷台、12は移載装置、17は荷物である。19は荷物幅検出装置である。荷物幅検出装置19は、荷台8上に立設された門型の枠体20と荷台8上とに上下に対向して設けられた投受光センサからなる入庫時荷物幅検出装置21および出庫時荷物幅検出装置22からなる。
【0023】
入庫時荷物幅検出装置21は、図1に示すように計画荷物幅Mxの両側に所要寸法aだけ広い位置に、荷台8上に設けられた前後左右4個の入庫用投光センサ21aと入庫用投光センサ21aの上方に対峙して枠体20に設けられた4個の入庫用受光センサ21bからなる。所要寸法aはクレーン6の停止位置の制御誤差範囲よりもわずかに大きくしておけばよい。
【0024】
出庫時荷物幅検出装置22は、図1に示すように入庫時荷物幅検出措置21よりもさらに所要寸法bだけ広い位置に、荷台8上に設けられた前後左右4個の出庫用受光センサ22bと出庫用受光センサ22bの上方に対峙して枠体20に設けられた出庫用投光センサ22aとからなる。所要寸法bは荷物17を荷台8から棚1に移載するときと、棚1から荷物17を荷台8に移載するときの両方に、クレーン6の停止位置の制御誤差が発生し得るのでそれらの誤差を加えた寸法よりもわずかに大きくしておけばよい。
【0025】
入庫用投光センサ21aと出庫用投光センサ22aとを上下逆に配置したのは、同じにすると入庫用投光センサ21aが発射した光を入庫用受光センサ21bでなく、出庫用受光センサ22bで受光してしまう恐れがあり、そうすると、誤動作を起すからである。
【0026】
次に本実施形態の作用を説明する。
荷台8上には、伸縮可能な、荷物17の移載装置12が設けられていて、移載する荷物17を移載装置12の伸縮と荷台8の昇降により、入出庫台5から荷台8に受け取ったり、荷台8から棚1に格納したりする。
【0027】
入庫台5から荷物17をクレーン6に移載しようとするとき、荷台8に設けた入庫時荷物幅検出装置21の光23が遮光しないかどうかを監視する。遮光しない場合は荷くずれなしとして、クレーン6は移動し、荷物17を棚1に格納する。荷物17は荷台8上に正確に載置されており、所要寸法aはクレーンの停止位置の制御誤差範囲よりも大きい値になっているので、荷くずれがないのに作動することはない。
【0028】
棚1から荷物17をクレーン6に移載しようとするとき、荷台8に設けた出庫時荷物幅検出装置22の光23が遮光しないかどうかと監視する。遮光しない場合は荷くずれなしとして、クレーン6は移動し、荷物17を入出庫台5に載置する。所要寸法bは荷物17を荷台8から棚1に移載するときと、棚1から荷物17を荷台8に移載するときの両方にクレーン6の停止位置の制御誤差が発生し得るので、それらの誤差を加えた寸法よりもわずかに大きくしてあり、荷くずれがないのに出庫時荷物幅検出装置22が作動することはない。したがって、荷くずれがないのにアラームが吹奏し、確認のため作業員が高所に昇る必要がなくなり、そのための無駄がなくなる。
【0029】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種種の変更が可能である。たとえば、入庫用投光センサ21aと出庫用投光センサ22aとを上下逆に配置したが、投光センサの光の色を変えてそれを受光センサが識別できるのであれば、同じ向きにしてもよい。
【0030】
また、本実施形態では光により荷くずれを検出するようにしたが、たとえば、図6および図7に示すような機械式のものでもよい。すなわち、アーム18cが荷物17と当設して所定の小さな角度(たとえば、30゜)傾いたとき入庫時荷物幅検出装置が作動するようにし、それよりも大きな角度(たとえば、60゜)傾いたとき出庫時荷物幅検出装置が作動するようにしても本発明の作用を発揮する。
【0031】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の自動倉庫用クレーンは、入庫時荷物幅検出装置と出庫時荷物幅検出装置とを有し、出庫時荷物幅検出装置は入庫時荷物幅検出装置よりも広い幅を検出するようにしたので、荷くずれがないのにそれらが作動して作業員が確認のため高所に昇ったりする必要がなくなり、自動倉庫の運転効率が向上するなどの優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動倉庫用クレーンの荷物幅検出装置の正面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】自動倉庫用クレーンおよび棚列の正面図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【図5】図3のB−B矢視図である。
【図6】従来の荷物幅検出装置の正面図である。
【図7】同上の平面図である。
【符号の説明】
1 棚
5 入出庫台
6 自動倉庫用クレーン
8 荷台
9 マスト
11 フレーム枠
17 荷物
19 荷物幅検出装置
21 入庫時荷物幅検出装置
22 出庫時荷物幅検出装置
Claims (2)
- 棚列に沿って走行し、棚内への荷物の入出庫を行う自動倉庫用クレーンであって、該クレーンは1対のマストを有するフレーム枠にマストに沿って昇降する荷台を有し、荷台上に荷物の移載装置を設けるとともに、荷物を荷台上に移載するときに、その荷物の幅寸法を検出する荷物幅検出装置を荷台上に設けてなり、該荷物幅検出装置は、棚列と並設された入出庫台から荷物をクレーンの荷台に移載する入庫時に作動する入庫時荷物幅検出装置と、棚に格納してある荷物をクレーンの荷台に移載する出庫時に作動する出庫時荷物幅検出装置とからなり、入庫時荷物幅検出装置は格納する荷物の計画幅寸法よりも所要の寸法だけ広い幅寸法を検出するように設けてあり、出庫時荷物幅検出装置は、入庫時荷物幅検出装置よりもさらに広い幅寸法を検出するように設けられていることを特徴とする自動倉庫用クレーン。
- 荷物幅検出装置は、荷台上の荷物の上方および下方に、かつ、荷物の幅寸法より外側に設けられる投受光センサからなり、荷物が投受光センサの間に入って遮光したとき荷くずれを検出するようになっている請求項1記載の自動倉庫用クレーン。
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- 1998-11-11 JP JP32065498A patent/JP4003321B2/ja not_active Expired - Fee Related
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