JP3952448B2 - 積重ねたシートのピックアップ方法と同装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、真空吸着パッドで吸着が可能な積重ねたプラスチック等のシートの最上面から1枚づつシートにダメージを与える事無く、ピックアップする方法と同装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラズマディスプレーや液晶表示装置等で使われる光学フイルムやシートを生産工程で取扱う際、適当な枚数を重ねて加工や包装、搬送を行う事が一般的である。そして1枚づつでの加工や処理を必要とする工程ではその表面に擦り傷などのダメージが生じない様に人手でピックアップし供給する事が一般的に行われている。
【0003】
複写機等で使われている複写紙の自動フィーダーが有るがシートを水平方向に引きずる方式のため光学シートでは摩擦で擦り傷が発生する問題がありピックアップする方法には適さない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の方法では人手で行う場合はダメージの回避は可能であるが、省力化が出来ず工業的競争力を改善できない。既存の自動フィーダーでは擦り傷などのダメージで品質の問題がある。
【0005】
真空吸着パッドで吸着してピックアップする方法は真空吸着パッドがメーカー規格品として販売されており、これを利用してのシートの面を吸着して垂直に持ち上げる方法もカタログ等に記載されているが積重ねたシート類の場合は静電気や真空作用で数枚のシートが一度に持ち上げられ、1枚づつ確実にピックアップする事は容易では無い。本発明はこうした点に鑑がみ創案されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、図1乃至図3を参照して説明する。本発明に係る積重ねたシートを最上面から1枚づつシート面に垂直方向にピックアップする分離方法は、積重ねたシートの最上面を略一定高さに維持する機構を持った自動昇降テーブル(6)にシートが置かれる。図示しないエアーコンプレッサーに接続されているノズル(2)でシートの間に空気AB1を吹き込み、予めシートを分離し易くしておく。図示しない上下及び左右に移動する機構に取り付けられているアーム(3)に複数の真空吸引パッド(4)が取り付けられている。真空吸引パッド(4)の数は最低2個必要であるが、シートのサイズや重量に応じた数量とする事が出来る。その位置はシートの外縁部に近くシートセパレートローラー(5)の内側の部分を吸着する様に配置される。
【0007】
シートをピックアップするためにアーム( 3 )が上方から降りてくる。真空吸引パッド(4)は図示しないバキュームポンプにホースで接続されており、吸引Vaが作用している。図2に示す様に真空吸引パッド(4)の先端部がシートに接触したところでアーム(3)の下降は停止する。シート(1)の最上面のシートは真空吸引パッド(4)に吸着される。
【0008】
次にアーム( 3 )を上昇させる。最上面のシートは真空吸引パッド(4)に吸着されているのでアームの動きに従って上昇する
【0009】
最上部のシートとその下面のシートの間にはノズル(2)からのエアーブローAB1で空気が吹き込まれるが最上面のシートの上昇でその下面は負圧状態となり吸着力が発生する。帯電し易い材料の場合は静電気に依る力も作用し、最上面のシートとその下のシート間には吸着力が発生する。シートの間の負圧は持ち上げる速度に比例するため一定以上の速度ピックアップすると最上面のシートは真空吸引パッド(4)から外れて落下するか、逆に数枚の下面のシートが持ち上がる現象が起きる。
【0010】
このようなな不具合を防止するため、図3に示す様にシート(1)の上面の両端部付近に2個のシートセパレートローラー(5)を設置する。その内側の距離がシートの幅よりも狭く設置されている。図 3 に示す様に上昇時にシートはシートセパレートローラー(5)に当たり、真空吸引パッド(4)で吸着されている最上面のシートは縁部が曲げられ、幅を狭くしてシートセパレートローラー(5)の間を通り抜けるが、その下部のシートも最上面シートとの吸着力で一緒に上昇し、シートセパレートローラー(5)を通り抜けようとする。しかしシートには曲げ剛性あり、シート間に働く吸着力よりも大きな面方向の抵抗力を発生するので最上部のシートとの吸着力に打ち勝ち下部のシートはシートセパレートローラー(5)の間を通り抜ける事無く分離がなされる。
【0011】
アーム( 3 )の上下動作はシート面同志が接触でダメージを発生しない限り垂直から角度を持ってもこの発明の効果を発揮できる。
【0012】
シートを吸着したアーム(3)は図示しない機構で目的とする場所へ移動し、真空吸引パッド(4)の真空を切り、必要な場合は真空吸引パッド(4)へ圧縮空気を送る事で真空を瞬時に破壊しシートを放し、目的の場所に供給する。
【0013】
【発明実施の形態】
本発明に係る積重ねたシートを1枚づつピックアップしシート加工機に自動供給する実施の形態を、図1乃至図 3を参照して説明する。この方法は、プラズマディスプレーや液晶表示装置等に使用される図示していない光学シートの加工機にシートを自動供給する物である。シート(1)は自動昇降テーブル(6)に積重ねて置かれる。シート(1)の側面からノズル(2)で空気AB1を吹き込みシート間の分離を促進する。
【0014】
真空吸引パッド(4)は図示しない上下左右に移動するアーム( 3 )に取り付けられており、シート(1)と加工機の間を往復する。シート(1)がピックアップされる事でその上面の高さが変化するため、自動昇降テーブル(6)は常にシート(1)の最上面が所定の高さを維持する様に自動で上昇と下降をする。
【0015】
アーム(3)が下降しそれに取り付けられた真空吸引パッド(4)がシート(1)に接触した所で真空吸引Vaでシート(1)を吸着し、続いて上昇する。シートはシートセパレートローラー(5)に当たり、縁部が曲げられる。真空吸引パッド(4)で吸着されている最上面のシートは縁部が曲げられ、幅を狭くしてシートセパレートローラー(5)の間を通り抜けるが、その下部のシートも最上面シートとの吸着力で一緒に上昇し、シートセパレートローラー(5)を通り抜けようとする。しかしシートには曲げ剛性あり、シート間に働く吸着力よりも大きな面方向の抵抗力を発生するので最上部のシートとの吸着力に打ち勝ち下部のシートはシートセパレートローラー(5)の間を通り抜ける事無く分離がなされる。
【0016】
ピックアップされたシート(1)はアーム(3)で図示しない加工機へ搬送され真空吸引パッド(4)の真空吸引Vaを切る事で加工機に供給される。
【0017】
この動作は、次の理由からシートにダメージを与える事無く行われる。シートがその面に対して垂直に移動する事からシート間の摩擦がなく、擦り傷や塗布物による汚染が発生しない事である。3次元で搬送可能である事から使う上での自由度が高い。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に記載のシート(1)の分離方法は、シート(1)を真空吸着して面に対して垂直方向にピックアップするのでシートにダメージを与える事無く、光学シート等を自動搬送できる分離方法であり生産コストの削減をする事ができる。
【0019】
請求項2に記載のシート(1)の分離装置は、シート(1)を真空吸着して面に対して垂直方向にピックアップするのでシートにダメージを与える事無く、光学シート等を自動搬送できる分離装置であり生産コストの削減をする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明におけるシート(1)を真空吸着する側面図である。
【図3】 本発明におけるシート(1)をピックアップする側面図である。
【符号の説明】
1 シート
2 ノズル
3 アーム
4 真空吸着パッド
5 シートセパレートローラー
6 自動昇降テーブル
AB1 エアーブロー
Va 吸引
Claims (2)
- 積重ねたシート(1)の側面から圧縮空気を吹き付けシートの間に空気層を作るノズル(2)と、シート上面の端部内側上方にシートが持ち上げられる際にシートを曲げて通過させるためのシートセパレートローラー(5)を1対以上備え、最上面のシートを吸着する真空吸着パッド(4)で、シートを1枚づつシート面の垂直方向にピックアップする事を特徴とするシートの分離方法。
- 積重ねたシート(1)の側面から圧縮空気を吹き付けシートの間に空気層を作るノズル(2)と、シート上面の端部内側上方にシートが持ち上げられる際にシートを曲げて通過させるためのシートセパレートローラー(5)を1対以上備え、最上面のシートを吸着する真空吸着パッド(4)で、シートを1枚づつシート面の垂直方向にピックアップする事を特徴とするシートの分離装置。
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