JP2002200880A - シャープペンシルの芯保護部材の製造方法 - Google Patents

シャープペンシルの芯保護部材の製造方法

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JP2002200880A
JP2002200880A JP2000400004A JP2000400004A JP2002200880A JP 2002200880 A JP2002200880 A JP 2002200880A JP 2000400004 A JP2000400004 A JP 2000400004A JP 2000400004 A JP2000400004 A JP 2000400004A JP 2002200880 A JP2002200880 A JP 2002200880A
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tip
core
pipe
shaft
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English (en)
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Naoto Yoshihara
直人 吉原
Masaki Shigemori
正樹 重盛
Hidetoshi Kodama
英俊 小玉
Takeshi Nagaki
武 永木
Tsuruo Nakayama
鶴雄 中山
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Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
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  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 残芯を有効に使用することができ、芯の強度
を損ねることもないシャープペンシル用芯保護部材の製
造方法であって、芯保護部材内に、合成樹脂やゴム等を
容易に充填でき、なおかつ、芯の通過孔を容易に精度高
く形成できる製造方法を提供する。 【解決手段】 パイプ先端部近傍に長手方向の孔を設け
た弾性樹脂を配し、該長手方向の孔の内面により芯を軽
く保持するようなした芯保護部材6を有し、軸筒内に配
置した芯繰り出し機構を前進後退させることによって、
芯を軸筒の先端に配置した芯保護部材6より繰り出すよ
うなしたシャープペンシルの芯保護部材の製造方法にお
いて、この製造方法は、先端を縮径部となした軸体12
をパイプ内に挿入する工程と、軸体縮径部とパイプ内面
との間に液状弾性樹脂を充填する工程と、この液状弾性
樹脂を硬化させる工程と、前記軸体12を引き抜く工程
とを含むことを特徴とするシャープペンシルの芯保護部
材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプ先端部近傍
に長手方向の孔を設けた弾性樹脂を配し、該長手方向の
孔の内面により芯を軽く保持するようなした芯保護部材
を有し、軸筒内に配置した芯繰り出し機構を前進後退さ
せることによって、芯を軸筒の先端に配置した芯保護部
材より繰り出すようなしたシャープペンシルの芯保護部
材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1を参照しつつ説明する。この種シャ
ープペンシルは、三つ割チャック、ボールチャックなど
のチャック2と、チャック締め部材3とよりなる芯繰り
出し機構4を用い、芯を繰り出すものである。芯を繰り
出す場合には、チャック締め部材3により芯Lを把持し
た状態でチャック2を弾撥部材(図示省略)の弾撥力に
抗して前進させ、一定距離前進させた後、チャック締め
部材3の移動を阻止(図中の軸筒1に止着した先部材5
の段部5a)し、その後さらにチャック2を前進させる
とチャック2は開放状態となり、この状態で、チャック
2の移動を解除すると弾撥部材の弾撥力によって、チャ
ック2はチャック締め部材3と係合するまで後退するこ
ととなるが、芯Lはこの間ゴム等より形成した戻り止め
部材Sにより保持されその後退を規制され芯の繰り出し
が行われることとなる。この動作を繰り返すことにより
芯Lは軸筒1(先部材5)先端の芯保護部材6より突出
することとなる。ところが、筆記によって芯が短くなっ
た場合、チャック2によって芯を把持することができな
くなり、芯は、チャック2先端から芯保護部材6の間に
残ることになる。この残った芯(以下、「残芯」とい
う)Lは、戻り止め部材Sに軽く保持されているだけで
あるため、筆記感が悪くなる。従って、残芯は、一般的
には後続芯により押出して排出したり、指などで引き抜
いて破棄してしまうものであった。さらに、戻り止め部
材Sから外れた残芯であると、前述した現象は顕著にみ
られ、芯の自重により落下してしまう場合もあった。
【0003】そこで、この残芯を有効に活用するため
に、芯保護部材に対する提案がなされてきた。例えば、
芯保護部材の内面に突起を形成し、該突起を残芯の表面
に食い込ませ、残芯の自重による落下を防止するもの
(特開昭56−118898号公報、特開昭58−20
3099号公報)が知られている。また、芯保護部材の
内面にゴムなどからなる弾性薄膜を一体に積層し、該弾
性薄膜で残芯との摩擦抵抗を高め、残芯の自重による落
下を防止するもの(実公昭58−32959号公報)が
知られている。
【0004】
【発明が解消しようとする課題】これら従来技術の芯保
護部材には、種々の問題があった。前者には、突起を残
芯に食い込ませて、残芯筆記時における落下を防止する
ため、芯の表面に突起による傷を付けてしまい、細い芯
の強度を著しく損ねてしまうという品質上の問題があっ
た。後者にはこのような問題は発生しないが、製造に当
たって、良好な品質の弾性薄膜を形成することが困難で
あるという問題があった。これは、後者における、芯保
護部材内の弾性膜体形成方法は、芯保護部材内に合成樹
脂やゴム等を圧入充填した後、芯が通過する孔を形成す
るという方法を採用するが、芯保護部材全長に渡って、
合成樹脂やゴム等が充填されるため孔の径がばらついた
り、歪んだりしてしまうためである。更に、シャープペ
ンシルの芯保護部材内径は細いため、芯保護部材内に合
成樹脂やゴム等を圧入充填する事、更に、芯の通過孔を
形成すること自体、精密度の高い技術を必要とされ、高
価な製造設備や、高度な生産技術を必要とした。すなわ
ち、後者の技術は、実施することが困難であるという問
題を有していた。そこで、シャープペンシルの芯保護部
材内に、合成樹脂やゴム等を容易に充填でき、なおか
つ、芯の通過孔を容易に精度高く形成できるシャープペ
ンシルの芯保護部材の製造方法を提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、パイプ先端部
近傍に長手方向の孔を設けた弾性樹脂を配し、該長手方
向の孔の内面により芯を軽く保持するようなした芯保護
部材を有し、軸筒内に配置した芯繰り出し機構を前進後
退させることによって、芯を軸筒の先端に配置した芯保
護部材より繰り出すようなしたシャープペンシルの芯保
護部材の製造方法において、この製造方法は、先端を縮
径部となした軸体をパイプ内に挿入する工程と、軸体縮
径部とパイプ内面との間に液状弾性樹脂を充填する工程
と、この液状弾性樹脂を硬化させる工程と、前記軸体を
引き抜く工程とを含むことを特徴とするシャープペンシ
ルの芯保護部材の製造方法を第1の要旨とし、パイプ先
端部近傍に長手方向の孔を設けた弾性樹脂を配し、該長
手方向の孔の内面により芯を軽く保持するようなした芯
保護部材を有し、軸筒内に配置した芯繰り出し機構を前
進後退させることによって、芯を軸筒の先端に配置した
芯保護部材より繰り出すようなしたシャープペンシルの
芯保護部材の製造方法において、少なくとも先端部の内
径が拡径したパイプに軸体を挿入する工程と、軸体とパ
イプ拡径部との間に液状弾性樹脂を充填する工程と、こ
の液状弾性樹脂を硬化させる工程と、前記軸体を引き抜
く工程とを含むことを特徴とするシャープペンシルの芯
保護部材の製造方法を第2の要旨とし、パイプ先端部近
傍に長手方向の孔を設けた弾性樹脂を配し、該長手方向
の孔の内面により芯を軽く保持するようなした芯保護部
材を有し、軸筒内に配置した芯繰り出し機構を前進後退
させることによって、芯を軸筒の先端に配置した芯保護
部材より繰り出すようなしたシャープペンシルの芯保護
部材の製造方法において、この製造方法は、パイプ先端
部近傍に軸体先端が止まるように軸体を挿入する工程
と、パイプ先端部内に液状弾性樹脂を充填する工程と、
この液状弾性樹脂を硬化させる工程と、前記軸体を引き
抜く工程と、前記弾性樹脂の一部を除去し長手方向に孔
を形成する工程とを含むことを特徴とするシャープペン
シルの芯保護部材の製造方法を第3の要旨とする。
【0006】以下、図面に基づき本発明を詳細に説明す
る。図2は、本発明により得られる芯保護部材を用いた
シャープペンシルの縦断面図の一例であり、図3は、そ
の要部分縦断面図の一例である。図2および3におい
て、参照符号1は、シャープペンシルの軸筒であり、該
軸筒1内には、三つ割チャック、ボールチャックなどの
チャック2(図中は三つ割チャック)とチャック締め部
材3(図中はリング。ボールチャックの場合にはボール
を使用)とよりなる芯繰り出し機構4を配置している。
参照符号5は軸筒1に止着した先部材であるが、この先
部材5は軸筒1と一体であってもよい。さらに先部材5
の先端には、芯保護部材6を止着している。また参照符
号7は、芯繰り出し機構4を後方(図中上方)に付勢す
るコイルスプリング等の弾撥部材である。よって、芯繰
り出し機構4は長手方向に前進後退が可能である。尚、
図中においては、従来のシャープペンシルで用いていた
芯戻り止め部材を取り除いた例を示したが、従来と同
様、芯保護部材の後方に芯戻り止め部材を配置してもよ
い。以上の構成は、従来の一般的な後端ノック式シャー
プペンシルの基本的構成と同じである。また、本発明は
先端ノック式、回転ノック式、サイドスライド式、中折
れノック式のような従来公知の構造のシャープペンシル
においても使用できる。
【0007】本発明の特徴は、芯保護部材6の製造方法
にある。図4は、本発明により得られる芯保護部材の縦
断面図の一例であり、図5は、図4のA−A’横断面図
である。
【0008】そこで、芯保護部材6について詳述する。
芯保護部材6の内部には、芯を保持する弾性樹脂からな
る芯保持部材8をパイプ端部近傍に形成したが、この芯
保持部材8の形成によって、芯が長い場合は勿論のこ
と、残芯においても芯を保持することができる。
【0009】この芯保護部材6は、パイプ内に軸体を挿
入する工程と、パイプ内に液状弾性樹脂を充填する工程
と、該樹脂を硬化させる工程と、軸体を引き抜く工程
と、必要に応じて弾性樹脂の一部を除去する工程により
得られるものであり、以下に説明する。
【0010】芯保護部材6の材質としては、アルミニウ
ムまたはその合金、銅またはその合金、鉄またはその合
金、亜鉛またはその合金、マグネシウムまたはその合金
などの金属材料、ABS、AS、アクリル、ポリカーボ
ネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステ
ル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、アルミナ、ジルコ
ニア、陶土などのセラミック材料、木材などの天然材料
など、パイプ形状が形成できるものであれば、特に限定
されない。また、芯保護部材6の外壁及び/又は内壁
に、予め電気めっき法や無電解めっき法、塗装、印刷に
より、ニッケルやクロム、あるいは貴金属、塗膜、印刷
パターンなどを形成してもよい。
【0011】少なくとも先端部の内径が拡径した芯保護
部材を用いる場合には、軸体の先端部がパイプの端部に
達するまで挿入してもよい。拡径形状としては後端から
先端に向かいテーパー状の形状や、後端から先端に向か
い階段状の形状が挙げられるが、特に限定されない。芯
保護部材の径方向に対する形状は、円形、楕円、角形、
星形、花弁状としたものや、内面に長手方向のスリット
を形成したもの、長手方向にリブを設けた形状などが挙
げられるが、特に限定されない。
【0012】パイプ内に挿入する軸体の材質としては、
アルミニウムまたはその合金、銅またはその合金、鉄ま
たはその合金、亜鉛またはその合金、マグネシウムまた
はその合金などの金属材料、ABS、AS、アクリル、
ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リエステル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、アルミ
ナ、ジルコニア、陶土などのセラミック材料、木材など
の天然材料など、軸体が形成できるものであれば、特に
限定されない。弾性樹脂硬化後に軸体を引き抜く工程を
考慮して、軸体の表面には樹脂が接着しないよう、潤滑
剤、界面活性剤などを塗布しておくことが望ましい。
【0013】先端に縮径部を形成した軸体を用いる場合
には、軸体の先端部がパイプの端部に達するまで挿入し
てもよい。縮径形状としては後端から先端に向かいテー
パー状の形状や、後端から先端に向かい階段状の形状が
挙げられるが、特に限定されない。軸体の径方向に対す
る形状は、円形、楕円、角形、星形、花弁状としたもの
や、内面に長手方向のスリットを形成したもの、長手方
向にリブを設けた形状などが挙げられるが、特に限定さ
れない。
【0014】芯保持部材8に用いる弾性樹脂の具体例と
しては、反応硬化型樹脂、熱硬化型樹脂および熱可塑性
樹脂を用いることができる。その具体例としては、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルメラミン樹脂、アク
リル−シリコン樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、塩
化ビニル、酢酸ビニル、塩化−酢酸ビニル共重合体、ビ
ニルブチラール樹脂、シリコーンゴム、ウレタンゴム、
エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アク
リルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴ
ム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、
ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系
エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エ
ラストマー等が挙げられる。さらに紫外線硬化型樹脂を
用いることもでき、その具体例としては、官能基として
末端にアクリロイル基を有するアクリル酸エステル、メ
タアクリル酸エステルの単官能性モノマーや、多官能性
モノマー、光重合性プレポリマーとして、ポリエステル
アクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンア
クリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアク
リレート、アルキッドアクリレートが用いられる。モノ
マーは、単体では用いられず、光重合性プレポリマーと
併用して用いられ、光重合性プレポリマーは1種または
2種以上混合して用いられる。そして、この弾性樹脂
は、充填時には液状のものを用いる。また、これら樹脂
には、発泡剤や粉体などを含ませてもよい。
【0015】発泡剤は、化学発泡剤、物理発泡剤、熱膨
張性マイクロカプセルなどが用いられる。化学発泡剤の
具体例は、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘
導体、セミカルバジド化合物、アジド化合物、トリアゾ
ール化合物などの有機系熱分解型発泡剤、イソシアネー
ト化合物などの有機系反応型発泡剤、重炭酸塩、炭酸
塩、亜硫酸塩、水素化物などの無機系熱分解型発泡剤、
重炭酸ナトリウムと酸の混合物、過酸化水素とイースト
菌との混合物、亜鉛粉末と酸の混合物などの無機系反応
型発泡剤などが挙げられる。物理発泡剤の具体例は、ブ
タン、ペンタン、ヘキサン、ジクロルエタン、ジクロル
メタン、フロン、空気、炭酸ガス、窒素ガス等が挙げら
れる。熱膨張性マイクロカプセルの具体例は、イソブタ
ン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン等の低沸点炭化
水素を芯物質とし、塩化ビニルデン、アクリロニトリ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の共
重合体からなる熱可塑性樹脂をシェルとしたマイクロカ
プセル等が挙げられる。
【0016】粉体の具体例としては、スチレン、ナイロ
ン、ポリオレフィン、シリコン、エポキシ、ポリメタク
リル酸メチルなどの樹脂粉体や、シリカ、アルミナ、ジ
ルコニアなどの無機粉体などが挙げられる。また、それ
らの粉体に、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系など
の粉体塗膜を被覆した複合粉体、さらには、自動乳鉢、
ボールミル、ジェットミル、アトマイザー、ハイブリダ
イザーなどを用いて樹脂粉体にこの樹脂粉体より小さい
無機粉体を吸着させたり、打ち込んだりしたもの等も挙
げられる。また、粉体の形状は特に限定するものではな
く、球状、板状、針状などを用いることができる。これ
ら粉体は1種または2種以上添加してもよい。また、該
樹脂の融点より高い融点の粉体を添加することにより、
レーザービームで樹脂の一部を除去した場合、粉体によ
る凹凸が形成され、芯径のバラツキをより吸収できる。
【0017】芯保護部材6への上記弾性樹脂の充填方法
は、常温、常圧、加温、加圧、真空状態などで充填すれ
ばよく、特に限定しない。充填に当たっては、軸体とし
て、先端に縮径部を形成したものを用い、軸体の先端部
をパイプの端部に達するまで挿入した場合には、軸体縮
径部とパイプ内面との間に液状弾性樹脂を充填すること
になる。また、軸体として、先端に縮径部を形成してい
ないものを用いた場合、パイプ先端部近傍に軸体先端が
止まるように軸体を挿入し、パイプ内壁と軸体先端とで
囲まれた空間に液状弾性樹脂を充填することになる。な
お、軸体として先端に縮径部を形成したものを用いた場
合であっても、パイプ先端部近傍に軸体先端が止まるよ
うに軸体を挿入し、パイプ内壁と軸体先端とで囲まれた
空間及び軸体縮径部とパイプ内面との間に液状弾性樹脂
を充填することもできる。
【0018】充填した弾性樹脂を硬化させる方法は、常
温放置、加熱処理、加圧処理、紫外線照射、電子線照射
などが挙げられるが、使用する弾性樹脂の硬化条件に応
じて適宜選択し、実施すればよい。この硬化工程によっ
て、液状の弾性樹脂は固体状の弾性樹脂となり、パイプ
内に固定される。
【0019】充填し、硬化した樹脂に長手方向の孔が形
成されていない場合、すなわち、パイプ先端部近傍に軸
体先端が止まるように軸体を挿入した場合、長手方向の
孔を形成するために充填した樹脂の一部を除去すること
が必要である。また、充填し、硬化した樹脂に長手方向
の孔が形成されている場合であっても、長手方向の孔の
形状を変形するために充填した樹脂の一部を除去するこ
ともできる。充填した樹脂の一部を除去するに当たって
は、レーザービームを用いることが好ましい。レーザー
ビームで除去し、長手方向に孔9を形成する場合、使用
するレーザービームのレーザー媒質は、前記樹脂を熱で
溶融し、除去できるものであればよく、特に限定しな
い。その具体例は、ルビーレーザー、YAGレーザー、
ガラスレーザー、タングステン酸カルシウムレーザー等
の固体レーザー、He−Neレーザー、Arレーザー、
Krレーザー、CO2レーザー等の気体レーザー、オキ
シ塩化セレンレーザー、キレードレーザー等の液体レー
ザー、Ga−Asレーザー、Ga−Sbレーザー、Cd
−Sレーザー、Zn−Sレーザー等の半導体レーザー、
エキシマレーザー等が挙げられる。これらのレーザー媒
質を用いたレーザー加工機やレーザーマーカ等により孔
を形成すればよい。
【0020】芯保持部材8の横断面形状は円形、楕円、
角形、星形、花弁状としたものや、内面に長手方向のス
リットを形成したもの、長手方向にリブを設けた形状な
どが挙げられるが、特に限定されない。縦断面形状とし
ては、図4に示すように、肉厚が等しい形状や、図6に
示すように後端から先端に向かいテーパー状の形状や、
図7に示すように後端から先端に向かい階段状の形状な
ど各種採用できるが、パイプ内に挿入する軸体の形状や
レーザービームの出力や焦点調整によって作成できる形
状であれば特に限定しない。
【0021】尚、この形成方法は芯保護部材6に軸体を
挿入した後、芯保持部材8となる弾性樹脂を充填し、該
樹脂の硬化後軸体を引き抜くことにより形成したもので
あるが、先部材5を軸筒1と別体形成する場合、先部材
5の先端に芯保護部材6を圧入もしくはインサート成形
などにより取り付けた後、芯保護部材6に、軸体の挿
入、弾性樹脂の充填、該樹脂の硬化、軸体の引き抜きを
なしてもよい。又、芯保護部材6の芯保持部材8の孔9
の内面には、繰り出された芯が配置することとなるが、
その際、芯保持部材8の孔9の内面により芯を軽く保持
する必要があるため、芯保持部材8は径方向において弾
力性を有する必要がある。従って、前記した芯保持部材
8に用いる樹脂において、径方向において弾力性のない
ものの場合には、弾力性を付与すべく添加剤を加えるこ
とが必要である。芯保持部材8による芯の保持力として
は、残芯が自重で落下しない程度の保持力を有すればよ
いが、芯通過方向に対し10g乃至100gに設定する
ことが好ましい。また、保持力が35g乃至100gの
場合には、残芯での筆記時に発生する芯の回転を抑制で
きるという効果も期待できる。
【0022】また、芯保護部材6は、先端部を塑性変形
させてもよい(図9参照)。また、弾性樹脂の一部除去
は先端部の塑性変形後に行ってもよい(図10参照)
【0023】
【実施例】<実施例1>外径1.07mm、内径0.7
6mm、長さ6.0mmのステンレス製パイプをバレル
研磨した後、溶剤脱脂した。次に先端部から2mmまで
の部分の外径が0.57mm、2mm以降の外径が0.
75mmのステンレス製軸体に界面活性剤を塗布した
後、ステンレス製パイプ内に先端部分を合わせて挿入し
た。シリコーン樹脂(GE東芝シリコーン(株)製、T
SE3221)を、上記ステンレス製パイプとステンレ
ス製軸体の先端部分との間に生じた隙間に加圧充填し
た。その後、150℃、30分の条件で硬化させた。次
にステンレス軸を引き抜き、図4に示すような芯保護部
材を形成した。次に、シャープペンシル(ぺんてる
(株)製、PG305D)の先部材を除去し、別の先部
材(ぺんてる(株)製、A125用先部材)に、この芯
保護部材を圧入固定し、シャープペンシルを得た。
【0024】<実施例2>外径1.07mm、先端部か
ら2mmまでの部分の内径が0.76mm、2mm以降
の内径が0.58mm、長さ6.0mmのステンレス製
パイプをバレル研磨した後、溶剤脱脂した。次に外径が
0.57mmのステンレス製軸体に界面活性剤を塗布し
た後、ステンレス製パイプ内に先端部分を合わせて挿入
した。シリコーン樹脂(GE東芝シリコーン(株)製、
TSE3221)を、上記ステンレス製パイプとステン
レス製軸体の先端部分との間に生じた隙間に加圧充填し
た。その後、150℃、30分の条件で硬化させた。次
にステンレス製軸体を引き抜き、図6に示すような芯保
護部材を形成した。次に、シャープペンシル(ぺんてる
(株)製、PG305D)の先部材を除去し、別の先部
材(ぺんてる(株)製、A125用先部材)に、この芯
保護部材を圧入固定し、シャープペンシルを得た。
【0025】<実施例3>外径1.07mm、内径0.
76mm、長さ6.0mmのステンレス製パイプをバレ
ル研磨した後、溶剤脱脂した。次に先端部分の外径が
0.57mmで先端から2mmの外径が0.75mmの
テーパー状になしたステンレス製軸体に界面活性剤を塗
布した後、ステンレスパイプ内に先端部分を合わせて挿
入した。次にシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・
シリコーン(株)製、SE1701W/C)に専用キャ
タリストを10wt%添加し、撹拌後、上記パイプの内
部に加圧充填した。その後、150℃、30分の条件で
硬化させた。次にステンレス製軸体を引き抜き、図7に
示すような芯保護部材を形成した。次に、シャープペン
シル(ぺんてる(株)製、PG305D)の先部材を除
去し、別の先部材(ぺんてる(株)製、A125用先部
材)に、この芯保護部材を圧入固定し、シャープペンシ
ルを得た。
【0026】<実施例4>外径1.06mm、内径0.
76mm、長さ6.0mmの鉄製パイプをバレル研磨し
た後、溶剤脱脂した。次に外径が0.75mmのステン
レス製軸体に界面活性剤を塗布した後、ステンレス製パ
イプ内に先端から2mm残して挿入した。シリコーン樹
脂(GE東芝シリコーン(株)製、TSE3221)
を、上記鉄製パイプ内面とステンレス製軸体の先端部分
とで囲まれた空間内に加圧充填した。その後、150
℃、30分の条件で硬化させた後、ステンレス製軸体を
引き抜いた。次に、CO2レーザー加工機(三菱電機
(株)製、発振器ML5036D、加工テーブルML2
512HDII、加工レンズf7.5インチ、加工ノズ
ル¢2.0)を用いて、出力200W、処理時間0.5
秒の条件で孔あけを行い、芯保護部材を形成した。次
に、シャープペンシル(ぺんてる(株)製、PG305
D)の先部材を除去し、別の先部材(ぺんてる(株)
製、A125用先部材)に、この芯保護部材を圧入固定
し、シャープペンシルを得た。シャープペンシル(ぺん
てる(株)製、PG305D)の先部材を除去し、別の
先部材(ぺんてる(株)製、A125用先部材)に、こ
の芯保護部材を圧入固定し、シャープペンシルを得た。
【0027】<実施例5>外径1.06mm、内径0.
76mm、長さ6.0mmの鉄製パイプをバレル研磨し
た後、溶剤脱脂した。次に先端部から1mmまでの部分
の外径が0.62mm、1mmから2mmまでの外径が
0.68mm、2mmからの外径が0.75mmの階段
状の形状のステンレス製軸体に界面活性剤を塗布した
後、ステンレス製パイプ内に先端部分を合わせて挿入し
た。シリコーン樹脂(GE東芝シリコーン(株)製、T
SE3221)を、上記鉄製パイプとステンレス製軸体
の先端部分との間に生じた隙間に加圧充填した。その
後、150℃、30分の条件で硬化させた。次に、ステ
ンレス軸を引き抜き、図8に示すような芯保護部材を形
成した。次に、シャープペンシル(ぺんてる(株)製、
PG305D)の先部材を除去し、別の先部材(ぺんて
る(株)製、A125用先部材)に、この芯保護部材を
圧入固定し、シャープペンシルを得た。シャープペンシ
ル(ぺんてる(株)製、PG305D)の先部材を除去
し、別の先部材(ぺんてる(株)製、A125用先部
材)に、この芯保護部材を圧入固定し、シャープペンシ
ルを得た。
【0028】
【発明の効果】本発明は、液状弾性樹脂を、パイプ内面
と、パイプ内に挿入した軸体外壁との間の空間に充填す
るので、パイプ内面に弾性樹脂層を容易に形成できる。
また、弾性樹脂は軸体先端の挿入位置迄しか形成されな
いので、パイプ先端部近傍にのみ弾性樹脂層が形成され
る。そして、弾性樹脂層に形成する孔は、軸体縮径部に
より形成される場合は勿論、後加工による場合であって
も、弾性樹脂層の全長が短いので、精度良く形成するこ
とができる。なお、先端に縮径部を形成した軸体を用い
た場合には、孔の横断面形状などが容易に設定できると
いう効果をも有している。しかも、本発明により得られ
る芯保護部材を用いたシャープペンシルは、落下を防止
するため、芯の表面に突起による傷を付けることがない
から、細い芯の強度を著しく損ねてしまうという問題も
発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のシャープペンシルの要部縦断面図であ
る。
【図2】本発明により得た芯保護管を用いたシャープペ
ンシルの縦断面図である。
【図3】図2の要部縦断面図である。
【図4】本発明により得た芯保護管を用いた芯保護部材
の一例の縦断面図である。
【図5】本発明により得た芯保護管を用いた芯保護部材
の一例の横断面図である。
【図6】本発明により得た芯保護管を用いた芯保護部材
の一例の縦断面図である。
【図7】本発明により得た芯保護管を用いた芯保護部材
の一例の縦断面図である。
【図8】本発明により得た芯保護管を用いた芯保護部材
の一例の縦断面図である。
【図9】本発明により得た芯保護管を用いた芯保護部材
の一例の縦断面図である。
【図10】本発明により得た芯保護管を用いた芯保護部
材の一例の縦断面図である。
【符号の説明】
L 芯(残芯) S 戻り止め部材 1 軸筒 2 チャック 3 チャック締め部材 4 芯繰り出し機構 5 先部材 5a 段部 6 芯保護部材 7 弾撥部材 8 芯保持部材 9 孔 10 芯タンク 11 ノック 12 軸体 13 塑性変形部 14 一部除去部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月5日(2001.1.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永木 武 埼玉県草加市吉町4−1−8 ぺんてる株 式会社草加工場内 (72)発明者 中山 鶴雄 埼玉県草加市吉町4−1−8 ぺんてる株 式会社草加工場内 Fターム(参考) 2C353 FA04 FC11 FE03 FE05 FG02 HA06 MC04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプ先端部近傍に長手方向の孔を設け
    た弾性樹脂を配し、該長手方向の孔の内面により芯を軽
    く保持するようなした芯保護部材を有し、軸筒内に配置
    した芯繰り出し機構を前進後退させることによって、芯
    を軸筒の先端に配置した芯保護部材より繰り出すような
    したシャープペンシルの芯保護部材の製造方法におい
    て、この製造方法は、先端を縮径部となした軸体をパイ
    プ内に挿入する工程と、軸体縮径部とパイプ内面との間
    に液状弾性樹脂を充填する工程と、この液状弾性樹脂を
    硬化させる工程と、前記軸体を引き抜く工程とを含むこ
    とを特徴とするシャープペンシルの芯保護部材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 パイプ先端部近傍に長手方向の孔を設け
    た弾性樹脂を配し、該長手方向の孔の内面により芯を軽
    く保持するようなした芯保護部材を有し、軸筒内に配置
    した芯繰り出し機構を前進後退させることによって、芯
    を軸筒の先端に配置した芯保護部材より繰り出すような
    したシャープペンシルの芯保護部材の製造方法におい
    て、この製造方法は、少なくとも先端部の内径が拡径し
    たパイプに軸体を挿入する工程と、軸体とパイプ拡径部
    との間に液状弾性樹脂を充填する工程と、この液状弾性
    樹脂を硬化させる工程と、前記軸体を引き抜く工程とを
    含むことを特徴とするシャープペンシルの芯保護部材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 パイプ先端部近傍に長手方向の孔を設け
    た弾性樹脂を配し、該長手方向の孔の内面により芯を軽
    く保持するようなした芯保護部材を有し、軸筒内に配置
    した芯繰り出し機構を前進後退させることによって、芯
    を軸筒の先端に配置した芯保護部材より繰り出すような
    したシャープペンシルの芯保護部材の製造方法におい
    て、この製造方法は、パイプ先端部近傍に軸体先端が止
    まるように軸体を挿入する工程と、パイプ先端部内に液
    状弾性樹脂を充填する工程と、この液状弾性樹脂を硬化
    させる工程と、前記軸体を引き抜く工程と、前記弾性樹
    脂の一部を除去し長手方向に孔を形成する工程とを含む
    ことを特徴とするシャープペンシルの芯保護部材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 弾性樹脂の一部を除去するのにレーザー
    ビームを使用する請求項32記載のシャープペンシルの
    芯保護部材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013133016A1 (ja) * 2012-03-07 2013-09-12 三菱鉛筆株式会社 シャープペンシル
JP2022002874A (ja) * 2020-06-23 2022-01-11 株式会社Tokuda−Ard 自動繰り出し式のシャープペンシル

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