JP3895943B2 - 方向性電磁鋼板の絶縁皮膜形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板に対する付与張力が大きく方向性電磁鋼板の鉄損低減に有効に作用するほう酸アルミニウム皮膜を絶縁皮膜として形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
方向性電磁鋼板は(110)[001]方位を主方位とする結晶組織を有し、通常2%以上のSiを含有する鋼板であり、磁気鉄心材料として多用されており、特にエネルギーロスが少ない鉄損の低い材料が求められている。
Si含有量が5%以下である場合、その磁気異方性の故に、鋼板に張力を付与することにより鉄損が低減するという性質がある。鋼板に半永久的に張力を付与するためには、鋼板表面に地鉄より熱膨張係数の小さい皮膜を高温で形成することが有効である。
【0003】
方向性電磁鋼板の仕上げ焼鈍工程において、通常、自然に形成されるMg2SiO4もしくはMg2SiO4とMgAl2O4を主体とする仕焼鈍皮膜は、焼鈍後の冷却によって、鋼板に対して0.5kgf/mm2程度の張力を付与しており、ある程度の鉄損低減効果を有するが、その効果は十分ではない。
このため、仕上げ焼鈍後の方向性電磁鋼板の絶縁性を高めるために形成する絶縁皮膜によって、さらに張力を付与する努力がなされている。例えば、特開昭48−39338号公報に開示された、コロイド状シリカと燐酸塩を主体とする塗布液を焼き付けて得られる絶縁被膜は、さらに、0.5kgf/mm2程度の張力を付与することができ、現行の市販の方向性電磁鋼板に広く用いられている。
【0004】
発明者らが、方向性電磁鋼板の鉄損値に対する付与張力の影響を調査したところ、仕上げ焼鈍皮膜+上記絶縁皮膜で得られる付与張力は、未だ不十分であり、より付与張力の大なる絶縁皮膜が形成できるならば、方向性電磁鋼板の鉄損値は、さらに低減し得ることが判明した。
そこで、発明者らは、新規なる絶縁被膜の開発に着手し、極めて付与張力の大きい絶縁被膜として、特開平6−65754号公報、特開平6−65755号公報等において、アルミナゾルとほう酸を混合した塗布液を塗布、焼き付けることによって得られるほう酸アルミニウム被膜(AlxByO1.5(x-y))を提案してきた。この絶縁皮膜は従来の絶縁皮膜の1.5〜2倍程度の皮膜張力を与える。
【0005】
しかしながら、上記皮膜の開発を進めて行く過程で、用いるべきアルミナゾルの性状によって、得られる皮膜張力や造膜性、塗布液の安定性が異なることがわかった。例えば、結晶性の低いアルミナゾルは、ほう酸との反応性が良好であるため高い皮膜張力を得ることができる一方、造膜性が劣るために、必要な皮膜厚みを確保することが困難であり、さらには、ほう酸と混合した後の粘度安定性が悪く、ゲル化しやすいと言う性質を有する。
【0006】
一方、結晶性の良好なベーマイト的なアルミナゾルは、造膜性が良好であり、かつ、ほう酸との混合の後の粘度安定性に優れる一方で、ホウ酸との反応性が劣り、得られる皮膜張力が不足する。
そこで、発明者らは、特開平10−287984号公報において、結晶性の良好なアルミナゾルと、結晶性の低いアルミナゾルを混合して用いるという方法を開示した。しかしながら、この方法では、得られる皮膜張力、造膜性、粘度安定性のいずれも十分に満足のゆくものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、方向性電磁鋼板に、ほう酸アルミニウム質の絶縁皮膜を形成するに際し、得られる皮膜張力を低下させることなしに、塗布液の粘度安定性等を確保する方法を開示するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、ほう酸とアルミナゾルを、Al:Bのモル比で1:1〜5:1の範囲で混合した分散液を、仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板に塗布し、500℃以上で焼き付けて、ほう酸アルミニウム皮膜を形成するに当たり、アルミナゾルとして、100℃乾燥後のX線回折測定におけるベーマイト(020)回折線の半価幅が3度以上で、かつ、アルミナゾル中の塩基性塩化アルミニウムおよび塩基性酢酸アルミニウム含有量が、Al量換算で、アルミナゾル中全Al量の30%以下であるアルミナゾルを用いることを特徴とする方向性電磁鋼板の絶縁皮膜形成方法を要旨とする。
【0009】
アルミナゾルとは、アルミナ水和物の微粒子から成るコロイドであり、コロイドの組成は、形式的に、Al2O3・xH2Oで表される。アルミナゾルの製法は、各種存在し、各製造法や製造条件によってコロイド粒子の結晶性は様々に変化する。アルミナゾルコロイド粒子の結晶性の比較的良好なものは、第1図に示すように、乾燥ゲルのX線回折パターンの幅が狭く、かつ、各回折ピークはγ−AlOOH(ベーマイト、Al2O3・H2O)的の回折パターンに一致する。結晶性の低下とともに各回折ピークの幅は広がり、ほとんどピークの認められない場合もある。
【0010】
したがって、X線回折のピーク幅は、アルミナゾル中のコロイド粒子の結晶性の評価に適している。また、結晶性の良好なものは、Al2O3・xH2Oで表現した場合のxの値が1〜2程度にあり、結晶性の低下とともにxの値が増大する。これは、結晶性の低下とともにコロイド粒子に結合する水が増えるからであると思われる。一般に100℃程度の乾燥では、結晶水は解放されない。
【0011】
発明者らは、ほう酸との反応性が良好で高い皮膜張力が得られる一方で、造膜性が劣り、かつ、ほう酸との混合の後の粘度安定性に劣る、結晶性の低いアルミナゾルの成分を調査した。その結果、当初、発明者らが用いていた低結晶性アルミナゾル中には、アルミナ水和物コロイド粒子に加えて、塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムが多量に含有されていることが判明した。
【0012】
塩基性塩の存在は、以下のようにして確認した。アルミナゾルコロイド粒子は数百nmの大きさであるのに対し、塩基性塩は水溶液中で重合度の低いポリアルミニウムカチオン(数nm)と酸からなる塩として存在する故、両者は遠心分離と濾過により分離できる。
そこで、当初、発明者らが用いていた低結晶性アルミナゾルにつき、1800rpmで1時間の遠心分離を施し、沈殿物および濾液それぞれにつきAl量を調べたところ、全Al量の内、コロイドとして沈降した量が60%、上澄み中に残存した量が40%であった。さらに、上澄み中の陰イオンを分析したところ、上澄み中Al量に対し1/2〜1/3等量の塩素イオンや酢酸イオンを認めた。
【0013】
したがって、上澄み中のAlは塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムとして存在していることが判明した。よって、このアルミナゾルの組成は、Al換算で60%がコロイド、40%が塩基性アルミニウム塩であったといえる。当初、発明者らが用いていたアルミナゾル中に多量のこれら塩基性アルミニウム塩が含有していた理由は定かではないが、アルミナゾルの製造法に起因するものと思われる。
【0014】
次ぎに、各種塩基性アルミニウム塩単体を準備し、その水溶液を作成して、ほう酸を添加した。その結果、塩基性塩化アルミニウムと塩基性酢酸アルミニウムの場合は、添加攪拌中に水溶液がゲル化したが、塩基性硝酸アルミニウム等、他の塩基性アルミニウム塩の場合では、長時間放置してもゲル化が起こらなかった。
【0015】
上記検討結果より、当初、発明者らが用いていた低結晶性アルミナゾルが、ほう酸との混合後に、液の粘度安定性の点で劣る理由は、コロイド粒子の結晶性が低いことにあるのではなく、たまたま多量に含有されていた塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムの存在によるものと考えられた。
上記予想を確認するために、第1表に示すように、塩基性塩化アルミニウムもしくは塩基性酢酸アルミニウムの含有量がAl換算で全Al量の40%であるアルミナゾル、限外濾過により塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウム含有量をAl換算で全Al量の30%もしくは20%に減少させたもの、さらに、塩基性硝酸アルミニウムをAl換算で全Al量の40%含有するアルミナゾルを用意した。いずれも、ベーマイト(020)回折線の半価幅が3度以上の低結晶性アルミナゾルである。これらアルミナゾルにAl:Bのモル比が2:1となるようほう酸を添加し、24時間放置後の液のゲル化の有無を観察した。
【0016】
【表1】
【0017】
第1表に示したように、塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムをAl換算で全Al量の40%含有するアルミナゾルを用いた場合には、24時間後に液がゲル化してしまうが、これらの塩基性アルミニウム塩をAl換算で全Al量の30%以下に減らしたものはゲル化が起こっていない。
また、塩基性硝酸アルミニウムを含有するゾルは、その含有量がAl換算で全Al量の40%であっても、ゲル化が起こっていない。
【0018】
したがって、塩基性塩化アルミニウムおよび塩基性酢酸アルミニウム含有量がAl換算で全Al量の30%以下の低結晶性アルミナゾルを用いた塗布液は、粘度安定性の点で問題なく使用できるといえる。
次ぎに、前記塗布液を鋼板に塗布乾燥し、塗布液の造膜性を調査した。造膜性が悪い場合には、塗布量の増大とともに乾燥膜が剥がれやすくなるので、5g/m2塗布した場合に剥離が起こるか否かをもって造膜性の判定基準とした。
【0019】
表1に示すように、塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムを、Al換算で全Al量の40%含有するアルミナゾルを用いた場合には、5g/m2塗布時に剥離が起こるが,これらの塩基性アルミニウム塩を、Al換算で全Al量の30%以下に減らしたものは、剥離が起こっていない。
また、塩基性硝酸アルミニウムを含有するゾルは、その含有量がAl換算で全Al量の40%であっても、剥離が起こっていない。
【0020】
したがって、当初、発明者らが用いていた低結晶性アルミナゾルとほう酸を混合した塗布液の造膜性が劣る理由は、コロイド粒子の結晶性が低いことにあるのではなく、たまたま多量に含有されていた塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムの存在によるものと言える。
以上のように、ほう酸との反応性が良好で高い皮膜張力が得やすい低結晶性アルミナゾルの欠点であった、ほう酸との混合後のゲル化のしやすさ、および、低い造膜性の原因は、アルミナゾルの結晶性自体にあるのではなく、当初、発明者らの用いていたアルミナゾルに、たまたま多量に含有されていた塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムにあると言える。
【0021】
したがって、これら2種の塩基性アルミニウム塩含有量を制御した低結晶性アルミナゾルを用いるならば、結晶性の良好なアルミナゾルと混合しなくとも、すなわち、得られる皮膜張力を犠牲にしなくとも、良好な液安定性や造膜性を得ることができる。
つづいて、アルミナゾルの結晶性と得られる皮膜張力の関係について述べる。特開平10−287984号公報に開示したように、結晶水含有量の比較的良好な、すなわち、結晶性の低いアルミナゾルは、ほう酸との反応性に富み、高い皮膜張力を得ることができる。同公報においては、結晶性の指標として、100℃で乾燥した場合の結晶水含有量(Al2O3・xH2Oで表記した場合のxの値)を用いた。この指標は測定誤差を含むことが判明したため、本発明では、結晶水含有量として、100℃乾燥後のX線回折におけるベーマイト(020)回折線の半価幅を採用することとした。
【0022】
第2図に、本発明における回折線半価幅の定義を示した。第1図に示したように、ベーマイト(020)回折線は、最も強い反射強度を与える回折線であり、格子間隔で約0.6nm付近にあり、CuKα線を用いた場合には、回折角2θ=14度付近となる。
各種アルミナゾルを用意し、塩基性塩化アルミニウムと塩基性酢酸アルミニウムの合計の含有量を、Al換算で全Al量の40%以下に制御した上で、ほう酸と混合し、鋼板に塗布し850℃で焼き付けて得られる皮膜張力を測定した結果は実施例で詳細に述べるが、ベーマイト(020)回折線の回折幅が3度以上のアルミナゾルを用いた場合には高い皮膜張力が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の方向性電磁鋼板の絶縁皮膜形成方法は、結晶性の低いアルミナゾルとほう酸との混合液を、仕上げ焼鈍(二次再結晶焼鈍)が完了した方向性電磁鋼板に塗布し、焼き付けて、ほう酸アルミニウムからなる絶縁皮膜を形成するものである。結晶性の低いアルミナゾルとは、100℃で乾燥した場合のX線回折におけるベーマイト(020)回折線の半価幅が3度以上のアルミナゾルである。
【0024】
3度以上の半価幅を有するアルミナゾルは、ほとんど(020)回折線が認められない、いわゆる無定形ないし非晶質アルミナゾルを含め、ほう酸と混合して焼き付けることにより、高い皮膜張力を鋼板に付与することができる。
ただし、上記アルミナゾル中の塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムの含有量は、Al換算で、アルミナゾル中全Al量の30%以下でなければならない。これら塩基性アルミニウム塩含有量が30%を越えると、ほう酸との混合時の液の粘度安定性が低下しゲル化しやすくなり、また、造膜性が劣化して必要な皮膜厚みを達成できなくなる。
【0025】
市販のアルミナゾルの中には、これら塩基性アルミニウム塩を30%を越えて含有するものがあるが、その場合には、限外濾過等により、塩基性アルミニウム塩の含有量を、Al換算で全Al量の30%以下に減少させて使用することができる。
塗布液中のアルミナゾルとほう酸の混合比は、Al:Bのモル比で1:1〜5:1の範囲とする。この範囲外では、得られる皮膜張力が著しく低下し、特に、ほう酸が過剰の場合には、未反応のB2O3が生成し、耐水性等が劣化する。
【0026】
本発明の塗布液には、上記アルミナゾルとほう酸に、必要に応じ添加物を加えてもよい。例えば、酸化珪素前駆体化合物、遷移金属化合物、アルカリ、あるいは、アルカリ金属化合物、希土類元素化合物、無機酸、有機酸,アンモニア等を必要量添加することができる。
上記塗布液を、5%以下のSiを含有する仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板に、ロールコート法、デップ法、スプレー法、あるいは、電気泳動法など、公知の手段により塗布する。塗布法は、特に限定されず、液性状等に応じて最適な方法を選択すればよい。
【0027】
本発明で言うところの仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板には、(1)一般的に公知の製造法、すなわち、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布して仕上げ焼鈍を行うことによって生ずるMg2SiO4もしくはMg2SiO4とMgAl2O4を主体とする仕焼鈍皮膜を有するものと、(2)これら仕上げ焼鈍皮膜のない方向性電磁鋼板、の2種類があり、本発明は、いずれの方向性電磁鋼板にも適用できる。
【0028】
上記(2)の方向性電磁鋼板の製造方法としては、(a)MgO焼鈍分離剤中に仕上げ焼鈍皮膜形成を阻害する添加物を含有させたり(特開平05−299228号公報)、(b)MgOに代えてAl2O3等、不活性な酸化物等を主体とする焼鈍分離剤として用いることにより意図的に仕上げ焼鈍皮膜を形成させない方法、(c)通常の仕上げ焼鈍を行った後に仕上げ焼鈍皮膜を酸洗等で除去する方法、がある。
【0029】
上記(b)の方法では、特開平8−3648号公報に開示したように、焼鈍分離剤中のアルカリ金属元素濃度を制御することにより、仕上げ焼鈍皮膜がないばかりでなく表面が平滑である方向性電磁鋼板が得られる。また、(c)の製造法を採用した後、化学研磨、電解研磨によって、(b)と同様の表面が平滑な方向性電磁鋼板が得られる。本発明の絶縁皮膜は、特に表面が平滑な方向性電磁鋼板の鉄損値を著しく低減させることに効果的である。
【0030】
一般的な製造法によって製造した、すなわち、仕上げ焼鈍皮膜を有する方向性電磁鋼板の場合、Mg2SiO4もしくはMg2SiO4とMgAl2O4を主体とする仕焼鈍皮膜の上に、直接、本発明の塗布液を塗布焼き付けても特段問題はないが、本発明の塗布液を焼き付ける前に、燐酸塩とコロイダルシリカを主体とする従来の絶縁皮膜をあらかじめ形成すると、極めて耐食性の高い絶縁皮膜となる。
【0031】
仕上げ焼鈍皮膜の無い方向性電磁鋼板に、本発明の塗布液を適用する場合には、特開平06−184762号公報に開示したように、0.001μm以上の膜厚を有するSiO2の膜をあらかじめ形成させることによって、鋼板と絶縁皮膜との間の良好な密着性を得ることができる。
SiO2膜の形成方法には、方向性電磁鋼板の弱酸化性雰囲気中焼鈍により、SiO2外部酸化膜を形成する方法や、CVDやPVD等のドライコーティングにより、SiO2膜を形成する方法がある。
【0032】
いずれの方向性電磁鋼板においても、レーザー照射による点列状の局所歪み導入や溝形成等の、いわゆる、磁区制御と併用すれば、本発明の絶縁皮膜による高い付与張力により、極めて低い鉄損値を有する方向性電磁鋼板が得られる。
本発明の塗布液を塗布した方向性電磁鋼板は、500℃〜1200℃で焼付を行う。500℃未満の場合、アルミナ水和物の脱水が不十分であり、ほう酸アルミニウムが形成し難い。また、1200℃以上の焼付温度は、特に大きな不都合はないものの、経済的ではない。
【0033】
より好ましくは、700〜1200℃であり、この温度範囲では、ほう酸アルミニウムの形成が容易に進行し、高い皮膜張力が得られる。
焼付の雰囲気は、一般的には限定されないが、仕上げ焼鈍皮膜がない方向性電磁鋼板に適用する場合には、絶縁皮膜と鋼板との間の界面の酸化を防止するために、非酸化性雰囲気ないし水素を含有する雰囲気を採用することが望ましい。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
第2表に示すように、結晶性と塩基性アルミニウム塩の種類および含有量の異なる各種アルミナゾルとほう酸を混合し、必要に応じて純水を添加して塗布液を準備した。通常の製造法により製造した仕上げ焼鈍皮膜を有する板厚0.23mmの方向性電磁鋼板を用意し、第2表の塗布液を、片面あたり5g/m2塗布し、850℃で30秒間焼き付けた。塗布液中のAl:Bのモル比は2:1である。その際の塗布液の安定性、造膜性、絶縁皮膜形成後の磁気特性と絶縁皮膜張力を第2表に示した。
【0035】
【表2】
【0036】
塗布液安定性は、24時間放置後のゲル化の有無、造膜性は、乾燥後の皮膜の剥離の有無、皮膜張力は、片面を保護しつつアルカリにより絶縁皮膜を除去した場合の鋼板のそりから算出した。
第2表に示したように、塩基性塩化アルミニウムおよび塩基性酢酸アルミニウムの含有量が、Al換算でアルミナゾル中全Al量の30%を越える塗布液(No.5および8)では、塗布液の粘度が不安定であり、かつ、造膜性が悪く、乾燥後に皮膜の剥離が起こっているが、上記両塩基性アルミニウム塩が30%以下の塗布液では、そのような現象が認められない。
【0037】
さらに、乾燥後の(020)回折線半価幅が3度以上のアルミナゾルを用いた場合には、そうでない場合に比較して、得られる皮膜張力が大きく、鉄損値のより低い方向性電磁鋼板となっている。
(実施例2)
通常の製造法により製造した仕上げ焼鈍皮膜を有する板厚0.23mmの方向性電磁鋼板を用意し、これに、従来のコリダルシリカと燐酸塩を主体とするコーティング液を、5g/m2塗布し850℃で60秒焼き付けたもの、および、コロイダルシリカと燐酸塩を1g/m2塗布して600℃で30秒焼き付けた後、さらに、ほう酸とアルミナゾルからなる塗布液を、さらに、4g/m2塗布して850℃で60秒焼き付けたものを用意した。
【0038】
ほう酸とアルミナゾルからなる塗布液は2種類用意した。すなわち、結晶性の良好なアルミナゾルと低結晶性アルミナゾルを混合したもの、および、低結晶性アルミナゾルのみを用いたものである。いずれのアルミナゾルも、塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムの含有量は、Al換算で全Al量の30%以下である。
【0039】
得られた方向性電磁鋼板の磁気特性、絶縁皮膜張力、耐錆性を調査した。耐錆性は、50℃、5%食塩水を5時間噴霧した後の発錆の有無により判定した。結果を第3表に示す。
コロイダルシリカと燐酸塩を主体とする従来のコーティング液を焼き付けた上に、本発明のコーティング液を焼き付けた方向性電磁鋼板は、従来のコーティング液のみを用いた従来の方向性電磁鋼板に劣らない耐錆性を有し、かつ、鉄損値が著しく改善されている。
【0040】
また、低結晶性アルミナゾルとほう酸からなる塗布液は、従来のコロイダルシリカと燐酸塩を主体とする塗布液や、結晶性良好なアルミナゾルと低結晶性アルミナゾルを混合したうえでほう酸を混入させた場合に比較して、得られる皮膜張力が大きく、その結果、低い鉄損値を与えている。
【0041】
【表3】
【0042】
(実施例3)
特開平8−3648号公報に従って仕上げ焼鈍を行った板厚0.22mmの仕上げ焼鈍皮膜が無く、かつ、表面が平滑である方向性電磁鋼板を用意した。溝付歯車ロールにより、これに、深さ20μm、幅100μmの溝を、5mm間隔で圧延方向にほぼ垂直の方向に形成した。一部の方向性電磁鋼板には、還元性雰囲気中の焼鈍により、10nmの厚さでSiO2膜を形成した。
【0043】
これに、従来のコロイダルシリカと燐酸塩を主体とするコーティング液を5g/m2塗布し850℃で60秒焼き付けたもの、および、ほう酸とアルミナゾルからなる塗布液を5g/m2塗布して850℃で60秒焼き付けたものを用意した。
ほう酸とアルミナゾルからなる塗布液は2種類用意した。すなわち、結晶性の良好なアルミナゾルと低結晶性アルミナゾルを混合したもの、および、低結晶性アルミナゾルのみを用いたものである。
【0044】
いずれのアルミナゾルも、塩基性塩化アルミニウムや塩基性酢酸アルミニウムの含有量は、Al換算で全Al量の30%以下である。
得られた方向性電磁鋼板の磁気特性、絶縁皮膜張力、密着性を調査した。皮膜密着性は、曲率半径10mmの丸棒に鋼板を巻き付けた場合の皮膜の剥離の有無によって判定した。第4表に示すように、SiO2膜を形成することにより、絶縁皮膜の密着性が良好となり、また、低結晶性アルミナゾルとほう酸からなる塗布液は、従来のコロイダルシリカと燐酸塩を主体とする塗布液や、結晶性良好なアルミナゾルと低結晶性アルミナゾルを混合したうえでほう酸を混入させた場合に比較して、得られる皮膜張力が大きく、その結果、極めて低い鉄損値を与えている。
【0045】
【表4】
【0046】
【発明の効果】
本発明によって、従来の絶縁皮膜に比較して格段に大きい張力を方向性電磁鋼板に付与することができるほう酸アルミニウム質の絶縁皮膜を、粘度変化の少ない塗布液を用いて密着性良好に形成することができ、方向性電磁鋼板の鉄損を著しく改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】100℃で乾燥したアルミナゾルのX線回折パターン(CuKα線使用)を示す図である。
【図2】X線回折線の半価幅の定義を示す図である。
Claims (4)
- アルミナゾルとほう酸を、Al:Bのモル比で1:1〜5:1の範囲で混合し、これを仕上げ焼鈍済みの方向性電磁鋼板に塗布し、500℃以上で焼き付けて、ほう酸アルミニウムからなる絶縁皮膜を形成させるに際し、アルミナゾルとして、100℃乾燥後のX線回折測定におけるベーマイト(020)回折線の半価幅が3度以上で、かつ、アルミナゾル中の塩基性塩化アルミニウムおよび塩基性酢酸アルミニウムの合計の含有量が、Al換算で、アルミナゾル中全Al量の30%以下であるものを用いることを特徴とする方向性電磁鋼板の絶縁皮膜形成方法。
- Mg2SiO4もしくはMg2SiO4とMgAl2O4を主体とする仕上げ焼鈍皮膜を有する方向性電磁鋼板に、燐酸塩とコロイダルシリカを主体とする塗布液を塗布した後、乾燥もしくは焼き付けた上で、ほう酸とアルミナゾルからなる混合液を塗布焼き付けることを特徴とする、請求項1記載の方向性電磁鋼板の絶縁皮膜形成方法。
- 仕上げ焼鈍皮膜を除去した方向性電磁鋼板、又は、MgO焼鈍分離剤中に仕上げ焼鈍皮膜形成を阻害する添加物を含有させて仕上げ焼鈍を行うか、もしくは、MgOに代えてAl 2 O 3 を主体とする焼鈍分離剤を用いて仕上げ焼鈍を行った、仕上げ焼鈍被膜のない方向性電磁鋼板に、0.001μm以上のSiO2膜を形成した後、ほう酸とアルミナゾルからなる混合液を塗布焼き付けることを特徴とする、請求項1記載の方向性電磁鋼板の絶縁皮膜形成方法。
- 前記SiO2皮膜の形成方法が、方向性電磁鋼板の弱酸化性雰囲気中での焼鈍、もしくは、方向性電磁鋼板へのドライコーティングのいずれかであることを特徴とする、請求項3記載の方向性電磁鋼板の絶縁皮膜形成方法。
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