JPH09272981A - 低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法

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JPH09272981A
JPH09272981A JP8086219A JP8621996A JPH09272981A JP H09272981 A JPH09272981 A JP H09272981A JP 8086219 A JP8086219 A JP 8086219A JP 8621996 A JP8621996 A JP 8621996A JP H09272981 A JPH09272981 A JP H09272981A
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Takao Kanai
隆雄 金井
Fumiaki Takahashi
史明 高橋
Yukihiro Yamamoto
幸弘 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板に対して、従来より大きな張力を付与す
るほう酸アルミニウム質被膜を表面に有することで良好
な磁気特性を示し、かつ従来の問題点であった被膜の耐
水性、耐食性を改善した一方向性珪素鋼板の製造方法を
提供する。 【解決手段】 結晶性の良くないベーマイトを原料とし
て用い、特定のベーマイト/ほう酸比率に調整したほう
酸アルミニウム被膜形成用微粒子分散液を、30〜80
℃の温度範囲において液を流動させながら2時間以上保
持し、アルミニウム成分とほう酸成分とが均一に混合さ
れた状態を実現し、しかる後に鋼板に塗布、乾燥・ゲル
化を経て焼き付けることによる低鉄損一方向性珪素鋼板
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板に対して従来
より大きな張力を付与するほう酸アルミニウム質被膜を
表面に有することで鉄損を低減し、かつ耐水性、耐食性
等の化学的安定性に優れた一方向性珪素鋼板の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板は、(100)〔00
1〕を主方位とする結晶組織を有し、磁気鉄芯材料とし
て多用されており、特にエネルギーロスを少なくするた
めに鉄損の小さい材料が求められている。5%以下の珪
素を含有する一方向性珪素鋼板の鉄損の低減には鋼板に
張力を付与することが有効であり、1.5kgf/mm2 程度
までの張力付与によって効果的に鉄損が低減できること
が知られている。この張力は、通常、表面に形成された
被膜によって付与されている。
【0003】従来、一方向性珪素鋼板には、仕上げ焼鈍
工程で鋼板表面の酸化物と焼鈍分離剤とが反応して生成
するフォルステライトを主体とする1次被膜、および特
開昭48−39338号公報等に開示された、コロイド
状シリカとりん酸塩とを主体とするコーティング液を焼
き付けることによって生成する2次被膜の2層の被膜に
よって、板厚0.23mmの場合で1.0kgf/mm2 程度の
張力が付与されている。
【0004】したがってこれら現行被膜の場合、さらに
大きな張力付与による鉄損改善の余地は残されているも
のの、被膜を厚くすることによる付与張力の増加は、占
積率の低下をもたらすため好ましくなく、新しい高張力
被膜が求められていた。
【0005】これに対して発明者らは、特開平6−65
754号公報、特開平6−65755号公報等におい
て、アルミナゾルとほう酸とを含む微粒子分散液を塗布
し、乾燥・ゲル化後、焼き付けることによる酸化物被膜
の形成方法、およびそれによって得られる酸化アルミニ
ウム−酸化ほう素系複合被膜、ほう酸アルミニウム質被
膜を提案してきた。
【0006】この被膜は、鋼板に対して従来以上の高い
張力を付与することができ、結果として鋼板の磁気特性
を改善できることを見いだしている。また、この製造方
法によると、より低鉄損化が期待できる1次被膜のない
鋼板、あるいは鏡面化仕上げを行った鋼板に対しても良
好な密着性が確保でき、著しい磁気特性の改善が達成で
きることを見いだしている。
【0007】しかしながらこの被膜においては、製造条
件によっては被膜の耐水性、耐食性等の化学的安定性が
十分でない、という欠点を有していた。この問題に対し
発明者らはすでに、特開平7−252666号公報にお
いて、鉄、セリウム、珪素等の化合物を添加し、被膜中
の残留B2 3 と反応をさせて安定な化合物に代えるこ
とで、また特開平7−278829号公報では、焼き付
け工程の酸素ポテンシャルを制御することで耐水性が改
善できることを開示している。
【0008】これらの方法は、被膜の耐水性を改善する
ことで耐食性、すなわち錆の発生も大きく改善されるも
のの、比較的高温で高い湿度の雰囲気に長時間さらした
場合に、相変わらず錆の発生が認められる場合があり、
この改善が必要であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高張力付与
効果によって従来より鉄損の低い一方向性珪素鋼板が得
られるほう酸アルミニウム被膜の耐水性、耐食性等の化
学的安定性を改善する方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化アルミニ
ウム換算で74〜88重量%のベーマイト(ただし、A
2 3 ・XH2 OでX≧1.2)と酸化ほう素換算で
12〜26重量%のほう酸とからなる微粒子分散液を、
40〜80℃の温度範囲において液を流動させながら2
時間以上保持し、しかる後に5重量%以下のSiを含有
する仕上げ焼鈍済みの一方向性珪素鋼板表面に塗布し、
一連の熱処理工程において乾燥、固化を生ぜしめ、最終
的に不活性ガス、または水素を含有する還元性雰囲気
中、500〜1350℃で焼き付けを行い、ほう素アル
ミニウムからなる絶縁被膜を形成することを特徴とする
低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法、を要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】ほう酸アルミニウム被膜の耐水
性、耐食性の改善にあたって、発明者らはその原因究明
から行った。その結果、被膜表面が水分で濡れるような
環境、あるいは湿潤雰囲気にさらされた場合に、そこか
ら酸性成分が徐々に溶出して酸性環境になることが原因
であることがわかった。
【0012】被膜を有する鋼板から酸性成分が溶出する
原因にはいくつか考えられるが、そのひとつが被膜中に
酸化アルミニウム成分と反応しないで残留している酸化
ほう素/ほう酸であることを突き止めている。特開平7
−252666号公報の技術は、この残留酸化ほう素/
ほう酸を添加物と反応させて化学的に安定な化合物を形
成し、被膜全体の安定性を高めようとする思想に基づい
ている。
【0013】一方で、本発明は未反応物の原因となるほ
う素、アルミニウムの濃度のゆらぎを極力抑制して均一
な混合状態を実現し、より低温、短時間で反応を完結さ
せて未反応の酸化ほう素/ほう酸をなくすという技術思
想に基づいてなされたものである。
【0014】ほう酸アルミニウム被膜を形成する際の比
較的好ましい実施態様として、発明者らは水溶性のほう
酸成分を用いることを明らかにしている。これと水溶性
アルミニウム化合物、アルミナゾル、あるいは焼き付け
後に酸化アルミニウムとなる化合物とを、また必要に応
じて添加物を混合した塗布原料を用いるが、例えば、酸
化アルミニウム源としてベーマイトゾルを用いた場合等
は、乾燥条件によっては乾燥時に単体の粗大なほう酸結
晶が析出し、前述の濃度ゆらぎが生じる。
【0015】粗大なほう酸結晶の析出がもたらす悪影響
は、被膜の化学的安定性のほかに、被膜張力の低下、表
面凹凸の増加による占積率の低下があり、いずれも一方
向性珪素鋼板の特性として重要なものである。加えて、
均一混合を実現した場合、特に低温での焼き付けにおい
て2Al2 3 ・B2 3 結晶の生成量が増加し、残留
するB2 3 量を減少させられるという効果をあわせ持
つ。
【0016】本発明は、濃度ゆらぎの原因となる粗大な
ほう酸結晶の析出を抑制することを狙っており、その根
幹は酸化ほう素源として可溶性のほう酸原料、酸化アル
ミニウム源として比較的結晶性の良くないベーマイトを
用い、40〜80℃の温度範囲において塗布液を流動さ
せながら2時間以上保持する点にある。
【0017】ベーマイトは一般式Al2 3 ・XH2
で表される化合物であり、通常はX=1でAlOOHと
なる。この化合物は、b軸方向に結合力のあまり強くな
い水素結合層を有しており、ここに過剰のH2 O(すな
わちx>1となる)を取り込むことが可能であり、一般
的には擬ベーマイト、あるいは無定形等と呼ばれて存在
する。
【0018】発明者らは、塗布液中にイオンとして存在
しているほう酸をここに取り込むことができれば、乾燥
時の粗大ほう酸結晶の生成を抑制できるのみならず、原
子/分子レベルのほう素、アルミニウムの混合が実現す
ることになり、反応を促進できると考えた。
【0019】この条件を検討した結果、ベーマイトに関
してはb軸方向に比較的結晶性が良くないもの、すなわ
ちX≧1.2であるもの、好ましくはX≧1.5である
ものを用い、かつ40〜80℃の温度範囲において塗布
液を流動させながら2時間以上保持することで、前述し
たベーマイトへのほう酸の取り込みが起こることを確認
し、本発明を完成させるにいたった。
【0020】加熱しながらの撹拌は40℃未満、または
2時間未満では、ベーマイトへの十分なほう酸の取り込
みが生じない。より好ましい加熱温度は50℃以上であ
る。また、80℃超では液からの溶媒の蒸発が激しくな
り、塗布液の性状が劣化する。加熱時間の上限は特にな
い。
【0021】ベーマイトのXの値は以下のように確定す
る。粉末状態のものは表面の吸着水を、ゾルのようにす
でに水に分散してあるものは溶媒を除去するために10
0℃で乾燥させる。その後、約700℃以上、重量変化
が起こらない温度まで加熱し、その前後の重量減少を測
定する。この重量減少の割合からAl2 3 ・XH2
におけるXの値を計算する。
【0022】加熱しながらの撹拌は、塗布液中への所定
成分の投入が完了し、それらが均一に混合された状態か
らさらに2時間以上行うものである。用いるベーマイト
には粉末状のものと、すでにゾル、スラリー状に分散し
ているものがあるが、特に粉末状のものを用いる場合に
は均一混合状態となるまでに所定時間を必要とするが、
本発明の撹拌時間にはこの時間は含まない。
【0023】塗布液中に含有するベーマイトとほう酸と
の割合は、酸化アルミニウム換算で74〜88重量%、
および酸化ほう素換算で12〜26重量%である。これ
は前述の通り、焼き付け後に酸化ほう素/ほう酸成分を
残さないという思想に基づいている。
【0024】焼き付け後の被膜中に、発錆に対して影響
をおよぼさない程度にまで未反応の酸化ほう素/ほう酸
を低減するためには、モル比でAl2 3 /B2 3
ほぼ2以上、重量比で酸化アルミニウム換算で74重量
%以上のベーマイトと酸化ほう素換算で26重量%以下
のほう酸、という組成に設定する必要があることを発明
者らは見いだしている。
【0025】これ以上のほう酸含有量では、酸化アルミ
ニウム成分と反応しないで残存する酸化ほう素量が多く
なり、本発明の撹拌・加温処理を行った塗布液を用いて
も耐食性が改善されない。また、酸化アルミニウム換算
で88重量%超のベーマイト、酸化ほう素換算で12重
量%未満のほう酸、なる組成では、特に低い温度で焼き
付けた場合にγ−Al2 3 が主成分の被膜となるた
め、高い張力が得られない。
【0026】本塗布液中には、酸化アルミニウム前駆体
化合物、可溶性ほう酸以外の成分、例えば微量の添加物
等を含んでいてもいっこうに差し支えない。通常よく用
いられる添加物としては、酸化珪素前駆体化合物、鉄化
合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、
希土類元素化合物等がある。
【0027】上記のように作製した微粒子分散液を、5
重量%以下のSiを含有する仕上げ焼鈍が完了した一方
向性珪素鋼板表面に、ロールコーター等のコーター、デ
ィップ法、スプレー吹き付け、あるいは電気泳動等、従
来公知の方法によって塗布する。塗布方法は特に限定さ
れず、塗布液性状等に応じて最適な方法を選択すればよ
い。
【0028】ここでいう仕上げ焼鈍が完了した鋼板と
は、(1)従来公知の方法で仕上げ焼鈍を行って、表面
にフォルステライト質の1次被膜が形成された鋼板、
(2)1次被膜および付随的に生成している界面酸化層
を酸に浸漬して除去した鋼板、(3)上記(2)で得た
鋼板を水素中で平坦化焼鈍した鋼板、あるいは化学研
磨、電解研磨等の研磨を施した鋼板、(4)被膜生成に
対して不活性であるアルミナ粉末等、または塩化物等の
微量添加物を添加した従来公知の焼鈍分離剤を塗布し、
1次被膜を生成させない条件下で仕上げ焼鈍を行った鋼
板、等を指す。
【0029】本発明の一方向性珪素鋼板最表面の被膜
は、片面あたり鋼板厚さの2%以下となるように両面に
有する。被膜が鋼板厚さの2%を超える場合において
は、張力付与による鉄損低減効果はほとんど一定で飽和
しており、かえって占積率を低下することとなる。より
好ましい被膜厚さは、片面あたり鋼板厚さの1.5%以
下である。
【0030】塗布した鋼板は乾燥することでゲル化・固
化を生ぜしめ、その後、最終的に不活性ガス、または水
素を含有する還元性雰囲気中、500〜1350℃で焼
き付けを行い、ほう酸および酸化アルミニウムの酸化物
からなる絶縁被膜を形成する。酸化性の雰囲気中での焼
き付けは、鋼板が酸化する可能性があるため好ましくな
い。
【0031】焼き付け温度が500℃未満の場合、塗布
したベーマイトおよび/または水酸化アルミニウムの分
解が不十分で酸化物とならない可能性があり、また、1
350℃を超える場合、特に大きな不都合はないものの
経済的でない。より好ましくは550〜1250℃の温
度範囲である。
【0032】500℃近傍の温度で焼き付けを行った場
合、結晶性のほう酸アルミニウムは生成しておらず、ほ
う酸アルミニウム前駆体物質および/またはほう酸と酸
化アルミニウムの混合物となっている場合が多い。この
場合であっても、リン酸アルミニウムとコロイダルシリ
カとを主成分とする被膜と比較して、鋼板にはより大き
な張力が付与される。
【0033】
【実施例】
(実施例1)市販のほう酸試薬、および1次粒子径が約
40nmで凝集のほとんどない六角板状ベーマイトゾル
(Condea社製;X=1.5)と、10×100nm
の繊維状のベーマイトゾル(日産化学社製;X=2.
4)とを、酸化物換算で1/2ずつ混合したゾルをそれ
ぞれの酸化物換算で表1に示した割合に混合して微粒子
分散液を作製した。これを撹拌しながら表1に示した温
度、時間で保持した後、Siを3.2%含有する厚さ
0.2mmのフォルステライト質被膜を有する仕上げ焼鈍
が完了した一方向性珪素鋼板に、焼き付け後の被膜厚さ
が片面あたり約2μmとなるように塗布した。
【0034】その後、最終的にH2 を3 vol%含有する
2 雰囲気中で850℃、30秒間焼き付けてほう酸ア
ルミニウム被膜を形成した。得られた被膜は70%以上
のほう酸アルミニウムを含有しており、かなりの部分が
結晶質(2Al2 3 ・B23 、または9Al2 3
・2B2 3 )であった。表面被膜、および被膜を形成
した一方向性珪素鋼板の特性を表1に示した。
【0035】被膜の密着性は、20mmφの円柱の周囲
に、その角度が180度となるように巻き付け試験を行
い、その剥離状況から評価した。耐水性は沸騰した蒸留
水中に60分間浸漬した試験材の重量変化を測定し、浸
漬被膜量に対する重量減少割合で表示した。耐食性は8
0℃・98%RHの恒温恒湿雰囲気における錆発生開始
時間で評価した。耐水性は1wt%程度以下の重量減少、
耐食性は48h以上錆発生がなければ合格レベルとし
た。被膜張力、B8 ,W17/50 は、試験材10枚の平均
値とした。表1において、No.1〜3,4〜6が本発明
例、他の4種は比較例である。
【0036】
【表1】
【0037】表1から、混合後の塗布液を撹拌しながら
2時間以上加温し、均一混合することで反応性を向上さ
せた結果、主として耐水性、耐食性が向上していること
がわかる。被膜張力、磁気特性は加温処理の有無にかか
わらず良好な値を示しており、2時間以上の加温処理を
行うことで被膜の耐食性、鋼板の磁気特性が両立した一
方向性珪素鋼板が得られている。
【0038】また、同じ塗布成分、条件で、焼鈍分離剤
にアルミナを用いて仕上げ焼鈍を行い、フォルステライ
ト被膜がなく、平滑な表面を有する一方向性珪素鋼板に
変えて実験を行った結果は、素材の影響でB8 とW
17/50 が若干低かった以外は表1とほぼ同等の特性が得
られ、塗布する鋼板によらず良好な被膜特性、鋼板の磁
気特性が得られることがわかった。
【0039】(実施例2)実施例1と同じ塗布液原料を
用いて、加温処理温度の影響を測定した。ほう酸とベー
マイトゾルの混合割合はそれぞれの酸化物換算で25重
量%、75重量%とした。また、処理時間は2時間とし
た。塗布条件、焼き付け条件は実施例1と同様である。
表面被膜、および被膜を形成した一方向性珪素鋼板の特
性を表2に示した。被膜の密着性、耐水性、耐食性は実
施例1と同様に評価した。被膜張力、B8 ,W
17/50 は、同じく試験材10枚の平均値とした。表2に
おいて、No.1〜5が本発明例、他の2種は比較例であ
る。
【0040】
【表2】
【0041】表2から、40℃から80℃の温度範囲で
加温し、均一混合することで反応性を向上させた結果、
主として耐水性、耐食性が向上していることがわかる。
80℃を超える温度でなければ被膜張力、磁気特性は良
好な値を示しており、40℃から80℃の温度範囲で加
温することで、被膜の耐食性、鋼板の磁気特性が両立し
た一方向性珪素鋼板が得られている。
【0042】
【発明の効果】本発明の製造方法による一方向性珪素鋼
板は、従来より大きな張力を付与するほう酸アルミニウ
ム質被膜を表面に有することで良好な磁気特性を示し、
加えて耐水性、耐食性等の化学的安定性に優れている。
また、本発明の一方向性珪素鋼板の製造方法は、従来の
被膜形成方法と同じ塗布・焼き付けによる方法であり、
設備的にも従来のものをそのまま使用することができる
ため、工業的な量産性、汎用性の観点からも工業的効果
は甚大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化アルミニウム換算で74〜88重量
    %のベーマイト(ただし、Al2 3 ・XH2 OでX≧
    1.2)と酸化ほう素換算で12〜26重量%のほう酸
    とからなる微粒子分散液を、40〜80℃の温度範囲に
    おいて液を流動させながら2時間以上保持し、しかる後
    に5重量%以下のSiを含有する仕上げ焼鈍済みの一方
    向性珪素鋼板表面に塗布し、一連の熱処理工程において
    乾燥、固化を生ぜしめ、最終的に不活性ガス、または水
    素を含有する還元性雰囲気中、500〜1350℃で焼
    き付けを行い、ほう素アルミニウムからなる絶縁被膜を
    形成することを特徴とする低鉄損一方向性珪素鋼板の製
    造方法。
JP8086219A 1996-04-09 1996-04-09 低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 Withdrawn JPH09272981A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002309381A (ja) * 2001-04-13 2002-10-23 Nippon Steel Corp 方向性電磁鋼板の絶縁皮膜形成方法
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KR100470645B1 (ko) * 2000-12-07 2005-03-07 주식회사 포스코 절연피막 밀착성이 우수한 방향성 전기강판의 제조방법
JP2019137874A (ja) * 2018-02-06 2019-08-22 日本製鉄株式会社 方向性電磁鋼板とその製造方法

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