JP2664326B2 - 低鉄損一方向性珪素鋼板 - Google Patents
低鉄損一方向性珪素鋼板Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、主として変圧器用と
して使用され、特に優れた低鉄損特性を有する一方向性
珪素鋼板に関する。
して使用され、特に優れた低鉄損特性を有する一方向性
珪素鋼板に関する。
【０００２】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板はよく知られているよ
うに、板面を（１１０）面に平行となるように近づけ、
また容易磁化方向である〔００１〕方向を圧延方向にで
きるだけ近づけるように結晶粒を配向させた磁束密度の
高い珪素鋼板である。鋼板の圧延方向に張力を加える
と、著しくその磁気特性が向上することを知られてお
り、工業的には、この張力は表面被膜によって加えられ
ることが多い。またこの張力付与型の被膜以外に、レー
ザービームを照射して、これにより磁区を細分化して鉄
損を低下させる方法が、例えば特開昭５８−２６４０５
号公報に開示されている。
うに、板面を（１１０）面に平行となるように近づけ、
また容易磁化方向である〔００１〕方向を圧延方向にで
きるだけ近づけるように結晶粒を配向させた磁束密度の
高い珪素鋼板である。鋼板の圧延方向に張力を加える
と、著しくその磁気特性が向上することを知られてお
り、工業的には、この張力は表面被膜によって加えられ
ることが多い。またこの張力付与型の被膜以外に、レー
ザービームを照射して、これにより磁区を細分化して鉄
損を低下させる方法が、例えば特開昭５８−２６４０５
号公報に開示されている。
【０００３】さて、一方向性珪素鋼板に関する多岐にわ
たる研究開発では、張力を付与するための被膜材質とそ
の形成方法に関する技術開示が多い。鋼板に高い張力を
付与して、その結果として鉄損値を低滅させるために
は、鋼板表面に形成させる被膜の材質が特に重要であ
る。従来は、燐酸−クロム酸塩系の被膜を形成する技術
が主流で、例えば特公昭５３−２８３７５号公報記載の
方法では、コロイド状シリカと燐酸アルミニウム、無水
クロム酸およびクロム酸塩のうちの１種または２種以上
を添加したコーティング液を塗布し、焼き付け、その後
約８００〜９００℃の温度で熱処理して張力付与型の被
膜を形成させている。この燐酸−クロム酸塩系材質の改
良に関する技術開示は非常に多いが、近年ではまた、被
膜を形成する対象である鋼板の表面状態に関する研究も
数多く行われている。
たる研究開発では、張力を付与するための被膜材質とそ
の形成方法に関する技術開示が多い。鋼板に高い張力を
付与して、その結果として鉄損値を低滅させるために
は、鋼板表面に形成させる被膜の材質が特に重要であ
る。従来は、燐酸−クロム酸塩系の被膜を形成する技術
が主流で、例えば特公昭５３−２８３７５号公報記載の
方法では、コロイド状シリカと燐酸アルミニウム、無水
クロム酸およびクロム酸塩のうちの１種または２種以上
を添加したコーティング液を塗布し、焼き付け、その後
約８００〜９００℃の温度で熱処理して張力付与型の被
膜を形成させている。この燐酸−クロム酸塩系材質の改
良に関する技術開示は非常に多いが、近年ではまた、被
膜を形成する対象である鋼板の表面状態に関する研究も
数多く行われている。
【０００４】一方向性珪素鋼板の製造プロセスを考えた
場合、鋼板表面にＭｇＯを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布してから最終仕上げ焼鈍を施した場合、鋼板表面には
フォルステライト質等の酸化被膜が形成されている。こ
の酸化膜自体に張力付与効果があり、この上にさらに張
力付与型の被膜を形成させて低鉄損化することが行われ
てきた。さらに特公昭５２−２４４９９号公報や特開昭
６４−８３６２０号公報において開示されたように、こ
の仕上げ焼鈍後の酸化物層を除去し、鏡面仕上げを施し
た後、或いはまたさらにその上に金属めっきを施した後
に、絶縁被膜を形成させることにより低鉄損化する方法
が提案されている。
場合、鋼板表面にＭｇＯを主成分とする焼鈍分離剤を塗
布してから最終仕上げ焼鈍を施した場合、鋼板表面には
フォルステライト質等の酸化被膜が形成されている。こ
の酸化膜自体に張力付与効果があり、この上にさらに張
力付与型の被膜を形成させて低鉄損化することが行われ
てきた。さらに特公昭５２−２４４９９号公報や特開昭
６４−８３６２０号公報において開示されたように、こ
の仕上げ焼鈍後の酸化物層を除去し、鏡面仕上げを施し
た後、或いはまたさらにその上に金属めっきを施した後
に、絶縁被膜を形成させることにより低鉄損化する方法
が提案されている。
【０００５】また例えば、特公昭５６−４１５０号公
報、特開昭６１−２０１７３２号公報、特公昭６３−５
４７６７号公報、特開平２−２１３４８３号公報等は真
空蒸着、化学蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング等による被膜形成方法が、また特開平２−２４３７
７０号公報、特開平３−１３０３７６号公報にはゾル−
ゲル法による被膜形成方法が開示されている。
報、特開昭６１−２０１７３２号公報、特公昭６３−５
４７６７号公報、特開平２−２１３４８３号公報等は真
空蒸着、化学蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング等による被膜形成方法が、また特開平２−２４３７
７０号公報、特開平３−１３０３７６号公報にはゾル−
ゲル法による被膜形成方法が開示されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の進歩にも
かかわらず、低鉄損化を始めとする磁気特性に対するよ
り一層の特性要求は依然として強い。この問題点を解決
するために、一方向性珪素鋼板により低鉄損化を達成す
ることが本発明の目的である。
かかわらず、低鉄損化を始めとする磁気特性に対するよ
り一層の特性要求は依然として強い。この問題点を解決
するために、一方向性珪素鋼板により低鉄損化を達成す
ることが本発明の目的である。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、燐酸−ク
ロム酸塩系ではない新しい張力付与型の被膜素材を鋭意
研究した結果、本発明を完成させるに至った。またこの
張力付与型被膜は同時に絶縁被膜としての役割も果たし
ている。以下に本発明の要旨を記載する。
ロム酸塩系ではない新しい張力付与型の被膜素材を鋭意
研究した結果、本発明を完成させるに至った。またこの
張力付与型被膜は同時に絶縁被膜としての役割も果たし
ている。以下に本発明の要旨を記載する。
【０００８】（１）仕上げ焼鈍済みの一方向性珪素鋼板
の表面に、該表面と強固に被着したＡｌとＢを主成分と
して含む酸化物層を備えてなる鉄損の低い一方向性珪素
鋼板。 （２）（１）において、ＡｌとＢを主成分として含む酸
化物層が結晶質である低鉄損一方向性珪素鋼板。 （３）（２）において、結晶質がＡｌx Ｂy Ｏ3(x+y)/2
（０．１＜（ｙ／ｘ）＜５）なる化学式で表わされる低
鉄損一方向性珪素鋼板。
の表面に、該表面と強固に被着したＡｌとＢを主成分と
して含む酸化物層を備えてなる鉄損の低い一方向性珪素
鋼板。 （２）（１）において、ＡｌとＢを主成分として含む酸
化物層が結晶質である低鉄損一方向性珪素鋼板。 （３）（２）において、結晶質がＡｌx Ｂy Ｏ3(x+y)/2
（０．１＜（ｙ／ｘ）＜５）なる化学式で表わされる低
鉄損一方向性珪素鋼板。
【０００９】次に本発明の詳細な説明をする。鋼板表面
に酸化物被膜を形成させた場合、下地の鋼板との間の熱
膨張差を利用して張力を付与させる技術はよく知られた
ところである。本発明者らは、この酸化物被膜としてＡ
ｌ2 Ｏ3 −Ｂ2 Ｏ3 系に注目した。ＡｌとＢの割合を変
えた被膜を珪素鋼板上に形成させたところ、いずれの組
成においても、強固に密着した被膜を得ることができ
た。P. J. M. Gielisseand W. R. Foster (Nature, 195
[4836] 70, 1962)らによって報告されているＡｌ2 Ｏ
3 −Ｂ2 Ｏ3 系の状態図によれば、Ａｌ2 Ｏ3 とＢ2 Ｏ
3 は容易に反応し、間の組成域では、平衡相としてＡｌ
18Ｂ4 Ｏ33およびＡｌ4 Ｂ2 Ｏ9 なる化学式で表わされ
る相が存在する。
に酸化物被膜を形成させた場合、下地の鋼板との間の熱
膨張差を利用して張力を付与させる技術はよく知られた
ところである。本発明者らは、この酸化物被膜としてＡ
ｌ2 Ｏ3 −Ｂ2 Ｏ3 系に注目した。ＡｌとＢの割合を変
えた被膜を珪素鋼板上に形成させたところ、いずれの組
成においても、強固に密着した被膜を得ることができ
た。P. J. M. Gielisseand W. R. Foster (Nature, 195
[4836] 70, 1962)らによって報告されているＡｌ2 Ｏ
3 −Ｂ2 Ｏ3 系の状態図によれば、Ａｌ2 Ｏ3 とＢ2 Ｏ
3 は容易に反応し、間の組成域では、平衡相としてＡｌ
18Ｂ4 Ｏ33およびＡｌ4 Ｂ2 Ｏ9 なる化学式で表わされ
る相が存在する。
【００１０】そこで種々のＡｌとＢの濃度比からなる被
膜を形成させてＸ線回折により調べたところ、ガラス成
分と結晶質の混在したものであることが判った。さらに
同一組成であっても、製造条件によってその状態は異な
り、ガラス成分が少なく、結晶質相を主体にしてなる被
膜が形成された時の方が、より低鉄損化の達成ができる
ことが判った。本発明の酸化物被膜によって鋼板に付与
される張力は、１．０kgf/mm2 以上が可能である。
膜を形成させてＸ線回折により調べたところ、ガラス成
分と結晶質の混在したものであることが判った。さらに
同一組成であっても、製造条件によってその状態は異な
り、ガラス成分が少なく、結晶質相を主体にしてなる被
膜が形成された時の方が、より低鉄損化の達成ができる
ことが判った。本発明の酸化物被膜によって鋼板に付与
される張力は、１．０kgf/mm2 以上が可能である。
【００１１】次に結晶質の構造については、平衡相であ
るＡｌ18Ｂ4 Ｏ33およびＡｌ4 Ｂ2Ｏ9 が出現している
場合もあるが、必ずしも報告されている結晶構造では説
明がつかず、両者の中間組成或いは、両者の近傍の組成
比をとっている結晶相と考える方が妥当である。これ
は、Ａｌ18Ｂ4 Ｏ33およびＡｌ4 Ｂ2 Ｏ9 がともに斜方
晶であり、格子定数が近く、容易にＡｌイオンサイトに
Ｂイオンが入り込んだ結果として、中間組成物を準安定
相として形成するためと考えている。
るＡｌ18Ｂ4 Ｏ33およびＡｌ4 Ｂ2Ｏ9 が出現している
場合もあるが、必ずしも報告されている結晶構造では説
明がつかず、両者の中間組成或いは、両者の近傍の組成
比をとっている結晶相と考える方が妥当である。これ
は、Ａｌ18Ｂ4 Ｏ33およびＡｌ4 Ｂ2 Ｏ9 がともに斜方
晶であり、格子定数が近く、容易にＡｌイオンサイトに
Ｂイオンが入り込んだ結果として、中間組成物を準安定
相として形成するためと考えている。
【００１２】このような基礎的な知見から、本発明にお
いては、優れた張力付与型の結晶質被膜として、０．１
＜（ｙ／ｘ）＜５の範囲で記述できるＡｌx Ｂy Ｏ
3(x+y)/2なる化学式を持つ酸化物被膜を発明するにいた
った。またこの範囲においては、結晶質として必ずしも
Ａｌx Ｂy Ｏ3(x+y)/2の単一相ではなく、結晶質のアル
ミナや、異なったｙ／ｘの値を持った複数の結晶相から
なる場合もある。ここで、ｙ／ｘの範囲を、０．１＜
（ｘ／ｙ）＜５の範囲に限定したのは、０．１より小さ
い時は密着性は得られるものの、張力が十分得られず、
また５より大きい場合は、密着性は得られるもののＢ2
Ｏ3 量が増えすぎて吸湿性が問題となり、十分に安定な
状態とはいえないからである。
いては、優れた張力付与型の結晶質被膜として、０．１
＜（ｙ／ｘ）＜５の範囲で記述できるＡｌx Ｂy Ｏ
3(x+y)/2なる化学式を持つ酸化物被膜を発明するにいた
った。またこの範囲においては、結晶質として必ずしも
Ａｌx Ｂy Ｏ3(x+y)/2の単一相ではなく、結晶質のアル
ミナや、異なったｙ／ｘの値を持った複数の結晶相から
なる場合もある。ここで、ｙ／ｘの範囲を、０．１＜
（ｘ／ｙ）＜５の範囲に限定したのは、０．１より小さ
い時は密着性は得られるものの、張力が十分得られず、
また５より大きい場合は、密着性は得られるもののＢ2
Ｏ3 量が増えすぎて吸湿性が問題となり、十分に安定な
状態とはいえないからである。
【００１３】さて、本発明の一方向性珪素鋼板は、従来
公知の方法で仕上げ焼鈍を行って、表面にフォルステラ
イト質等の酸化物被膜が形成された鋼板、またこの表面
に生成している酸化物被膜および内部酸化層を酸に浸漬
して除去した鋼板、さらに例えばそれを水素中で平坦化
焼鈍を施したり、或いは化学研磨、電解研摩等を施して
鏡面化処理を行った鋼板である。
公知の方法で仕上げ焼鈍を行って、表面にフォルステラ
イト質等の酸化物被膜が形成された鋼板、またこの表面
に生成している酸化物被膜および内部酸化層を酸に浸漬
して除去した鋼板、さらに例えばそれを水素中で平坦化
焼鈍を施したり、或いは化学研磨、電解研摩等を施して
鏡面化処理を行った鋼板である。
【００１４】また仕上げ焼鈍時に、被膜生成に対して不
活性なアルミナ粉末等を塗布して、フォルステライト質
等の酸化被膜を生成させない条件下で仕上げ焼鈍を行っ
た後に、平坦化処理を施した鋼板にも効果があり、種々
の一方向性珪素鋼板に対して、低鉄損化を達成すること
ができる。また、従来技術の項で説明したように、最近
は種々の張力付与型被膜の形成方法が提案されている
が、それらの技術でつくられた鋼板の最表面に対して、
本発明の酸化物被膜を形成させて、より一層の低鉄損化
を達成することも可能である。
活性なアルミナ粉末等を塗布して、フォルステライト質
等の酸化被膜を生成させない条件下で仕上げ焼鈍を行っ
た後に、平坦化処理を施した鋼板にも効果があり、種々
の一方向性珪素鋼板に対して、低鉄損化を達成すること
ができる。また、従来技術の項で説明したように、最近
は種々の張力付与型被膜の形成方法が提案されている
が、それらの技術でつくられた鋼板の最表面に対して、
本発明の酸化物被膜を形成させて、より一層の低鉄損化
を達成することも可能である。
【００１５】次に本発明による一方向性珪素鋼板の製造
工程について説明する。一方向性珪素鋼板の表面に本発
明の酸化物被膜を形成させる方法は、ＡｌとＢを含む酸
化物被膜を形成できる手段であれば、特に制限されるも
のではない。また、Ａｌ2 Ｏ3 −Ｂ2 Ｏ3 系では生成温
度を調整して、容易にガラス質或いは結晶質の被膜を得
ることができる。例えば被膜素材として、酸化アルミニ
ウムおよび酸化硼素を選び、それらを鋼板表面に溶液と
して塗布して、５００℃以上の高温で焼き付ける方法が
考えられる。また、ＣＶＤ，ＰＶＤ等の気相法や各種の
ドライコーティングプロセスにより、形成させることが
できる。また鋼板との密着性を高めるために、製造方法
に依存して、若干の金属を、金属塩、或いは金属酸化物
の形で添加することもある。
工程について説明する。一方向性珪素鋼板の表面に本発
明の酸化物被膜を形成させる方法は、ＡｌとＢを含む酸
化物被膜を形成できる手段であれば、特に制限されるも
のではない。また、Ａｌ2 Ｏ3 −Ｂ2 Ｏ3 系では生成温
度を調整して、容易にガラス質或いは結晶質の被膜を得
ることができる。例えば被膜素材として、酸化アルミニ
ウムおよび酸化硼素を選び、それらを鋼板表面に溶液と
して塗布して、５００℃以上の高温で焼き付ける方法が
考えられる。また、ＣＶＤ，ＰＶＤ等の気相法や各種の
ドライコーティングプロセスにより、形成させることが
できる。また鋼板との密着性を高めるために、製造方法
に依存して、若干の金属を、金属塩、或いは金属酸化物
の形で添加することもある。
【００１６】本発明の一方向性珪素鋼板上の酸化物被膜
の厚みであるが、被膜が厚すぎる場合には占積率が著し
く低下するため、目的に応じてできるだけ薄いものがよ
く、５μｍ以下が望ましい。さらに好ましくは３μｍ以
下である。また張力付与の観点からは、極端に薄すぎて
も効果が十分ではなく、０．１μｍ以上が必要である。
の厚みであるが、被膜が厚すぎる場合には占積率が著し
く低下するため、目的に応じてできるだけ薄いものがよ
く、５μｍ以下が望ましい。さらに好ましくは３μｍ以
下である。また張力付与の観点からは、極端に薄すぎて
も効果が十分ではなく、０．１μｍ以上が必要である。
【００１７】被膜の結晶構造を調べるために、本発明の
酸化物被膜を形成した一方向性珪素鋼板を準備し、その
Ｘ線回折法より構造の評価をした。形成した酸化物被膜
のＡｌとＢの濃度比は０．５であり、この時の被膜のＸ
線回折チャートを図１に示す。この結晶質については、
指数付けはＡｌ4 Ｂ2 Ｏ9 でほぼ説明できた。
酸化物被膜を形成した一方向性珪素鋼板を準備し、その
Ｘ線回折法より構造の評価をした。形成した酸化物被膜
のＡｌとＢの濃度比は０．５であり、この時の被膜のＸ
線回折チャートを図１に示す。この結晶質については、
指数付けはＡｌ4 Ｂ2 Ｏ9 でほぼ説明できた。
【００１８】
実施例１ 厚さ０．２３mmの一方向性珪素鋼板の最終仕上げ焼鈍後
の同一コイルから、試験用の鋼板を採取した。表面には
フォルステライト質からなる酸化膜が被着しているが、
この上に、種々の割合の酸化アルミニウムと硼酸を含む
水溶液ゾルを塗布し、乾燥させた後、８００〜１０００
℃の温度で、水素を含有する窒素雰囲気で焼き付けを行
った。密着力は被膜形成後の珪素鋼板を２０mmφのロー
ル棒を用いて、この棒の周りに１８０度の角度で曲げる
ことにより調べた。また被膜中のＢとＡｌの濃度をＩＣ
Ｐで分析した。それぞれの鋼板の特性を表１に示す。磁
束速度はＢ8 でいずれも１．９３Ｔ程度である。
の同一コイルから、試験用の鋼板を採取した。表面には
フォルステライト質からなる酸化膜が被着しているが、
この上に、種々の割合の酸化アルミニウムと硼酸を含む
水溶液ゾルを塗布し、乾燥させた後、８００〜１０００
℃の温度で、水素を含有する窒素雰囲気で焼き付けを行
った。密着力は被膜形成後の珪素鋼板を２０mmφのロー
ル棒を用いて、この棒の周りに１８０度の角度で曲げる
ことにより調べた。また被膜中のＢとＡｌの濃度をＩＣ
Ｐで分析した。それぞれの鋼板の特性を表１に示す。磁
束速度はＢ8 でいずれも１．９３Ｔ程度である。
【００１９】
【表１】
【００２０】実施例２ 実施例１と同様な珪素鋼板で、フォルステライト質から
なる酸化膜が被着している試験片１、酸洗によりその酸
化膜を除去して鏡面化処理を施した試験片２に対して、
本発明の酸化物被膜を形成した。また比較材として、フ
ォルステライト質からなる酸化膜の上に、コロイダルシ
リカと燐酸塩を主成分とする張力付与型の被膜を形成
し、試験片３とした。被膜形成前後の鋼板の磁気特性を
表２に示す。
なる酸化膜が被着している試験片１、酸洗によりその酸
化膜を除去して鏡面化処理を施した試験片２に対して、
本発明の酸化物被膜を形成した。また比較材として、フ
ォルステライト質からなる酸化膜の上に、コロイダルシ
リカと燐酸塩を主成分とする張力付与型の被膜を形成
し、試験片３とした。被膜形成前後の鋼板の磁気特性を
表２に示す。
【００２１】
【表２】
【００２２】以上の結果から、非常に低鉄損の珪素鋼板
は、本発明のＡｌとＢを主成分として含む酸化物被膜
を、少なくとも０．１〜５．０μｍの厚みで備えてなる
一方向性珪素鋼板により得られることが究明された。
は、本発明のＡｌとＢを主成分として含む酸化物被膜
を、少なくとも０．１〜５．０μｍの厚みで備えてなる
一方向性珪素鋼板により得られることが究明された。
【００２３】
【発明の効果】本発明のＡｌとＢを主成分として含む酸
化物被膜は、全く新しい張力付与型の被膜であるので、
種々の珪素鋼板に適用できて、低鉄損化を図り、エネル
ギー問題に対して大きな貢献を課すものである。
化物被膜は、全く新しい張力付与型の被膜であるので、
種々の珪素鋼板に適用できて、低鉄損化を図り、エネル
ギー問題に対して大きな貢献を課すものである。
【図１】結晶質の酸化物被膜のＸ線回折チャートであ
る。
る。
Claims (3)
- 【請求項１】 仕上げ焼鈍済みの一方向性珪素鋼板の表
面に、該表面と強固に被着したＡｌとＢを主成分として
含む酸化物層を備えてなる低鉄損一方向性珪素鋼板。 - 【請求項２】 請求項１において、ＡｌとＢを主成分と
して含む酸化物層が結晶質である低鉄損一方向性珪素鋼
板。 - 【請求項３】 請求項２において、結晶質がＡｌx Ｂy
Ｏ3(x+y)/2（０．１＜（ｙ／ｘ）＜５）なる化学式で表
わされる低鉄損一方向性珪素鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5091597A JP2664326B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 低鉄損一方向性珪素鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5091597A JP2664326B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 低鉄損一方向性珪素鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06306628A JPH06306628A (ja) | 1994-11-01 |
| JP2664326B2 true JP2664326B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=14030972
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5091597A Expired - Fee Related JP2664326B2 (ja) | 1993-04-19 | 1993-04-19 | 低鉄損一方向性珪素鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2664326B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4479047B2 (ja) * | 2000-03-30 | 2010-06-09 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 極めて鉄損の低い一方向性電磁鋼板の製造方法 |
| JP7047932B2 (ja) | 2018-10-25 | 2022-04-06 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板用絶縁皮膜を形成するための塗布液、方向性電磁鋼板、及び方向性電磁鋼板の製造方法 |
| KR102628699B1 (ko) * | 2019-01-08 | 2024-01-25 | 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 | 방향성 전자 강판 및 방향성 전자 강판의 제조 방법 |
-
1993
- 1993-04-19 JP JP5091597A patent/JP2664326B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06306628A (ja) | 1994-11-01 |
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