JP3162624B2 - 低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた密着性、お
よび平滑性を有し、結果として良好な外観と、鋼板に対
して従来より大きな張力付与により鉄損値を低減、占積
率を向上させた一方向性珪素鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一方向性珪素鋼板は、(100)[00
1]を主方位とする結晶組織を有し、磁気鉄芯材料とし
て多用されており、特にエネルギーロスを少なくするた
めに鉄損の小さい材料が求められている。一方向性珪素
鋼板の鉄損を低減する手段としては、仕上げ焼鈍後の鋼
板表面にレーザービームを照射して局部的な歪を与え、
それによって磁区を細分化する方法が特開昭58−26
405号公報に開示されている。また、鉄芯加工後の歪
取り焼鈍(応力除去焼鈍)を施した後もその効果が消失
しない磁区細分化手段が、たとえば特開昭62−861
75号公報に開示されている。
【0003】一方で、鉄および珪素を含有する鉄合金は
結晶磁気異方性が大きいため、外部張力を付加すると磁
区細分化が起こり、鉄損の主要素である渦電流損失を低
下させることができる。したがって、5%以下の珪素を
含有する一方向性珪素鋼板の鉄損の低減には鋼板に張力
を付与することが有効であり、1.5kgf/mm2 程度まで
の張力付与によって効果的に鉄損が低減できることが知
られている。この張力は、通常、表面に形成された被膜
によって付与される。
【0004】従来、一方向性珪素鋼板には、仕上げ焼鈍
工程で鋼板表面の酸化物と焼鈍分離剤とが反応して生成
するフォルステライトを主体とする1次被膜、および特
開昭48−39338号公報等に開示されたコロイド状
シリカとりん酸塩とを主体とするコーティング液を焼き
付けることによって生成する2次被膜の2層の被膜によ
って、板厚0.23mmの場合で1.0kgf/mm2 程度の張
力が付与されている。したがってこれら現行被膜の場
合、より大きな張力付与による鉄損改善の余地は残され
ているものの、被膜を厚くすることによる付与張力の増
加は、占積率の低下をもたらすため好ましくない。
【0005】また、一方向性珪素鋼板の鉄損を改善する
もうひとつの方法として、仕上げ焼鈍後の鋼板表面の凹
凸や表面近傍の内部酸化層を除去して鏡面仕上げを行
い、その表面に金属メッキを施す方法が特公昭52−2
4499号公報に、さらにその表面に張力被膜を形成す
る方法がたとえば特公昭56−4150号公報、特開昭
61−201732号公報、特公昭63−54767号
公報、特開平2−213483号公報等に開示されてい
る。これらの場合においても、被膜による鋼板への張力
付与効果の大きいほど鉄損改善効果が大きい。これらの
ことから、密着性に優れ、薄くて鋼板に大きな張力が付
与できる被膜が望まれていた。
【0006】これに対して発明者らは、特開平6−65
754号公報、特開平6−65755号公報等におい
て、アルミナゾルとほう酸とを含む微粒子分散液を塗布
し、乾燥・ゲル化後、焼き付けることによる酸化物被膜
の形成方法、およびそれによって得られる酸化アルミニ
ウム−酸化ほう素系複合被膜、ほう酸アルミニウム質被
膜を提案してきた。この被膜は、鋼板に対して高い張力
を付与することができ、結果として鋼板の磁気特性を改
善できることを見いだしている。また、この製造方法に
よると、前述の鏡面化仕上げを行った鋼板に対しても良
好な密着性が確保でき、著しい磁気特性の改善が達成で
きることを見いだしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の被膜
形成方法において、さらに良好な密着性、表面平滑性を
確保することで占積率を、またより高い張力の付与によ
って鋼板の磁気特性を改善する被膜の形成方法、一方向
性珪素鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の通
りである。 (1)仕上げ焼鈍後の鋼板表面に、アルミナゾルとほう
酸を含む微粒子分散液を塗布し、乾燥・ゲル化、焼き付
け工程を経て酸化物被膜を形成せしめる一方向性珪素鋼
板の製造方法において、1次粒子が平板形状を有するア
ルミナゾル群A、および棒状、針状、羽毛状等の3以上
のアスペクト比を有する形状のアルミナゾル群Bとを混
合して用いることを特徴とする低鉄損一方向性珪素鋼板
の製造方法。
【0009】(2)ゾル中に含まれる固形分換算で、前
記アルミナゾル群Aを10〜95重量%、アルミナゾル
群Bを5〜90重量%の割合で混合することを特徴とす
る(1)に記載の低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一方向性珪素鋼板の製造
方法は、見かけの粒子形状が平板形状であるアルミナゾ
ル群A、および棒状、針状、羽毛状等のアスペクト比が
3以上の細長い形状のアルミナゾル群Bとほう酸とを含
む微粒子分散液を、2次再結晶が完了した珪素鋼板に塗
布し、乾燥・ゲル化の後、焼き付け工程を経て表面に酸
化物被膜を形成する方法である。
【0011】アルミナゾルとは、熱処理をした後に酸化
アルミニウムとなるゾル状物質の総称であり、通常は、
Al OOHの化学式で表わされるベーマイトゾルが最も
一般的であるが、結晶性の良くない擬ベーマイトゾル、
あるいは無定形のゾルも用いられる。さらには、すでに
酸化アルミニウムに近い結晶構造を有するアルミナゾル
も本発明においては好適に用いられる。
【0012】本発明中にアルミナゾル群Aとして記載し
ている、見かけの粒子形状が平板形状であるゾル粒子の
典型的な模式図を図1(a)に示した。図から見て取れ
るように、本発明で述べているところの平板形状とは、
多角形の明瞭な輪郭を有するものであり、厚さは必ずし
も明確ではないが、おおよそ平面方向の大きさの1/2
〜1/10程度である。即ちLは約 1/2〜 1/10 Dとな
る。一方、アルミナゾル群Bと記載している、見かけの
粒子形状が棒状、針状、羽毛状等の3以上のアスペクト
比を有する形状のゾル粒子の典型的な模式図を図1
(b)に示した。図からわかるとおり、細長い形状の粒
子であるが、本明細書中におけるアスペクト比は、長軸
方向の長さ/短軸方向の長さの比で定義する。即ち、
(1)L/D≧3、又は(2)(L1+L2+L3+
…)/(D1+D2+D3+…)≧3となる。
【0013】ここで、ゾル粒子の形状が羽毛状のごとく
複雑に絡み合っている場合、あるいは曲がっていたりす
る場合には、その粒子をまっすぐにのばした場合の長軸
方向の長さ/短軸方向の長さの比で定義する。完全に一
体化した粒子として認識され、かつ枝分かれ的な部分が
ある粒子については、長軸方向において最も長くのびて
いる粒子についてアスペクト比を定義するものとする。
【0014】アルミナゾルの形状の違いは、通常、製造
方法が異なることによって生じる。本発明で述べている
粒子の形状とは見かけの形状、即ち顕微鏡等で観察され
る粒子の形状であり、必ずしも1次粒子である必要はな
い。発明者らの検討によれば、この見かけの粒子形状が
最もゾルの性状を反映するものである。
【0015】一般的には、平板形状の粒子は1次粒子が
見かけの粒子と一致している場合が多いが、棒状、針
状、羽毛状等のアスペクト比を有する形状の場合には、
1次粒子がそのような形状のもの、あるいは、非常に微
細な粒子が直線状につながって上述の形状を示している
ものなど多様であり、本発明においては、そのいずれで
あっても全く支障なく用いることができる。
【0016】本発明のアルミナゾル群A、およびBは単
一の性状であっても一向に差し支えないが、各群におい
て粒子形状以外、例えば粒子の大きさ、粒度分布、気孔
率等が異なる2種類以上を混合して用いることができ
る。これらの性状は特に限定を受けるものではないが、
粒子の大きさに関して述べると、ゾル群Aの場合には板
状の平面方向の最も大きな部分、ゾル群Bの場合には長
手方向の平均粒子径で10〜1000nm、より好ましく
は20〜500nmであり、この範囲内に調整することに
より、乾燥・ゲル化の後もひび割れ、亀裂がなく、光沢
のある高張力被膜が得られる。
【0017】発明者らの検討によると、板状粒子は良好
な密着性を得るのに好適であり、下地の影響、とりわけ
1次被膜の有無にかかわらず密着性の良い被膜が得られ
る。表面を鏡面化した鋼板に対しても、比較的広い範囲
の熱処理条件(温度、時間、雰囲気等)において良好な
密着性が得られる。また、板状粒子からなるゾルは、比
較的高い濃度であっても粘度の変化が少なく、保管安定
性に優れている。一方で、3以上のアスペクト比を有す
る細長い粒子からなるゾルは被膜形成能に優れ、粉っぽ
さの全くない光沢のある、平滑な被膜が得られる。
【0018】また、雰囲気の遮蔽性に優れるため、比較
的雰囲気の影響を受けにくく、鏡面化鋼板を酸化性の雰
囲気中で焼き付けをする場合であっても、界面の酸化を
かなり抑制することができる。本発明において、2種類
のゾル群を混合する利点は、これら各ゾル群の長所を両
立させるものであり、平滑で光沢のある、かつ密着性の
良好な被膜を得るものである。
【0019】平滑で光沢のある被膜を形成するメリット
としては、良好な外観が得られることはもちろんのこ
と、方向性珪素鋼板の重要な特性のひとつである占積率
(所定枚数の板を積み重ねた場合の全体の長さに対する
磁性体(鉄−珪素合金)の割合)を大きくすることがで
きる。また、一般的な傾向として、被膜表面の平滑性を
向上させることで鋼板の滑り性を高めることができ、ト
ランス製造時の作業性をよくすることができる。
【0020】ゾル群Aおよび、Bの混合割合は塗布する
下地鋼板の性状、目的とする被膜の性状等を総合的に勘
案し、適宜決定すればよいものであるが、通常の方向性
電磁鋼板の場合では、1次被膜が存在する鋼板、1次被
膜を除去して鏡面化仕上げを行った鋼板、のいずれの場
合においても、アルミナゾル群Aを10〜95重量%、
アルミナゾル群Bを5〜90重量%の割合で混合するこ
とで良好な性状の被膜が得られる。さらに望ましい混合
割合としては、アルミナゾル群Aを20〜90重量%、
アルミナゾル群Bが10〜80重量%である。
【0021】アルミナゾル群Aの混合割合が上記範囲を
超えて10%より少なかった場合、きわめて平滑性に優
れた被膜が得られるものの密着性が悪く、逆に95%超
の割合で混合した場合には平滑性のあまり良くない被膜
となり、結果として占積率の低下等の問題が生じる。
【0022】発明者らはこれまでに、ほう酸−酸化アル
ミニウム系複合酸化物被膜、結晶質ほう酸アルミニウム
被膜のほかに結晶質ほう酸アルミニウム−非晶質(ガラ
ス質)被膜、あるいはアルカリ金属、アルカリ土類金
属、遷移金属元素等の微量添加物を含有する高張力被膜
を提案してきた。本発明のゾル混合プロセスは、これら
のいずれであっても特に支障なく用いることができる。
【0023】次に本発明の具体的な被膜形成方法の一例
を示す。ほう酸とアルミナゾルを含む微粒子分散液を準
備するにあたって用いるほう酸は、作業性、価格等の点
からオルトほう酸が最も好適であるが、メタほう酸、酸
化ほう素等、焼き付け工程が完了した後に酸化ほう素と
なる化合物であれば特に支障なく用いることができる。
アルミナゾルについては、前述のように、ベーマイトゾ
ル、擬ベーマイトゾル、酸化アルミニウムゾル等が好適
に用いられる。
【0024】微粒子分散液中には、ほう酸、アルミナゾ
ル以外の成分、添加物等を含んでいてもいっこうに差し
支えない。これらは、その構成成分においてなんら限定
されるものではなく、いかなるものも好適に用いること
ができるが、通常良く用いられる成分として、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物、遷移金属化合
物、希土類元素化合物等があげられる。
【0025】微粒子分散液中に含まれる固形分の量は、
塗布の作業性、液の安定性等から5〜50%、好ましく
は5〜30%程度であるが、本発明においてはこの範囲
外であっても特に支障はない。ほう酸とアルミナゾルの
混合割合は、これまで発明者らが指摘しているとおり、
酸化物換算のB2 3 /Al2 3 のモル率で0.1〜
5が好ましく、より好ましくは0.1〜2、さらに好ま
しくは0.2〜1の範囲である。
【0026】微粒子分散液は、ロールコーター等のコー
ター、ディップ法、室温または加熱した鋼板上へのスプ
レー吹き付け、あるいは電気泳動等によって、従来公知
の方法によって仕上げ焼鈍が完了した一方向性珪素鋼板
表面に塗布する。塗布する厚さは鋼板に必要とされる特
性を考慮して適宜決定すればよいが、通常焼き付け後の
片面の厚さで板厚の0.1〜2%程度、好ましくは0.
1〜1.5%である。
【0027】ここでいう仕上げ焼鈍が完了した鋼板と
は、(1)従来公知の方法で仕上げ焼鈍を行って、表面
にフォルステライト質の1次被膜が形成された鋼板、
(2)1次被膜および付随的に生成している界面酸化層
を酸に浸漬して除去した鋼板、(3)上記(2)で得た
鋼板を水素中で平滑化焼鈍した鋼板、あるいは化学研
磨、電解研磨等の研磨を施した鋼板、(4)被膜生成に
て対して不活性であるアルミナ粉末等、または塩化物等
の微量添加物を添加した従来公知の焼鈍分離剤を塗布
し、1次被膜を生成させない条件下で仕上げ焼鈍を行っ
た鋼板等を指す。
【0028】塗布後の鋼板を乾燥、微粒子分散液をゲル
化させた後、500〜1350℃、好ましくは500〜
1250℃、より好ましくは700〜1100℃の温度
範囲で焼き付けることで、表面に酸化ほう素と酸化アル
ミニムウムを主体とする酸化物被膜、またはほう酸アル
ミニウム被膜を形成する。焼き付け雰囲気は、窒素等の
不活性ガス雰囲気、窒素−水素混合雰囲気等の還元性雰
囲気が好ましく、空気、あるいは酸素を含む雰囲気は鋼
板表面を酸化させる可能性があるため好ましくない。
【0029】雰囲気ガスの露点については特に限定され
ない。焼き付け温度は、500℃未満の場合緻密な被膜
が形成されない場合があり、また焼き付け温度が低いた
めに十分な張力が発現せず好ましくない。一方、135
0℃を超える場合、特に大きな不都合はないものの経済
的でない。
【0030】
【実施例】
(実施例1)市販のほう酸試薬、1次粒子径が60nmで
凝集のほとんどない六角板状のベーマイトゾルA、10
×100nmの大きさの繊維状ベーマイトゾルBを表1に
示した割合に混合して微粒子分散液を作製した。これ
を、Siを3.2%含有する厚さ0.2mmの仕上げ焼鈍
が完了した一方向性珪素鋼板に、焼き付け後の被膜重量
が片面あたり約4g/m2 となるように塗布、乾燥・ゲ
ル化の後H2 を3vol %含有するN2 雰囲気中で850
℃、1分間焼き付けてほう酸アルミニウムを含有する酸
化物被膜を形成した。得られた一方向性珪素鋼板、およ
び表面被膜の特性を表1に示した。
【0031】被膜の密着性は、20mmφの円柱の周囲
に、その角度が180度となるように巻き付け試験を行
い、その剥離状況から評価した。被膜張力、B8 ,W
17/50 は、試験材10枚の平均値とした。表1には、比
較例として本発明の範囲外の被膜性状についても記載し
た。密着性(剥離状況)、外観の評価結果において、本
発明の製造方法による被膜は、いずれもきわめて良好で
あることがわかる。また、本発明の被膜を有する一方向
性珪素鋼板は著しい磁気特性の改善が達成されているこ
とがわかる。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例2)実施例1で用いたほう酸試
薬、六角板状のベーマイトゾルA、繊維状ベーマイトゾ
ルBを表2に示した割合に混合して微粒子分散液を作製
した。これを、Siを3.3%含有し、脱炭焼鈍後、焼
鈍分離剤としてアルミナを塗布して仕上げ焼鈍を行うこ
とによって、1次被膜のない表面が平滑な、厚さ0.2
mmの一方向性珪素鋼板に、焼き付け後の被膜重量が片面
あたり約4g/m2 となるように塗布、乾燥・ゲル化の
後、H2 を10vol %含有するN2 雰囲気中で800
℃、1分間焼き付けてほう酸アルミニウムを含有する酸
化物被膜を形成した。得られた一方向性珪素鋼板、およ
び表面被膜の特性を表2に示した。
【0034】表2には、比較例として本発明の範囲外の
被膜性状についても記載した。密着性(剥離状況)、外
観の評価結果において、本発明の製造方法による被膜
は、いずれもきわめて良好であることがわかる。また、
本発明の被膜を有する一方向性珪素鋼板は著しい磁気特
性の改善が達成されていることがわかる。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明により、平板形状の粒子よりなる
アルミナゾル、および3以上のアスペクト比を有する棒
状、針状、羽毛状等の粒子よりなるアルミナゾルを所定
の割合に混合し、これを出発原料にしてほう酸アルミニ
ウムを含有する酸化物被膜を形成することにより、良好
な外観、優れた密着性の、鋼板に対して従来より大きな
張力を付与する被膜を表面に有し、鉄損改善された一方
向性珪素鋼板の製造方法を提供する。また、出発原料を
変えることを除いては従来と全く同じ製造方法とするこ
とが可能であり、工業的な量産性、汎用性の観点からも
工業的効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はアルミナゾル群Aの模式図、(b)は
アルミナゾル群Bの模式図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−207868(JP,A) 特開 平7−228977(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86 C22C 38/00 303 C23C 26/00 H01F 1/16 H01F 41/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕上げ焼鈍後の鋼板表面に、アルミナゾ
    ルとほう酸を含む微粒子分散液を塗布し、乾燥・ゲル
    化、焼き付け工程を経て酸化物被膜を形成せしめる一方
    向性珪素鋼板の製造方法において、見かけの粒子形状が
    平板形状であるアルミナゾル群A、および棒状、針状、
    羽毛状等の3以上のアスペクト比を有する形状のアルミ
    ナゾル群Bとを混合して用いることを特徴とする低鉄損
    一方向性珪素鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 ゾル中に含まれる固形分換算で、アルミ
    ナゾル群Aを10〜95重量%、アルミナゾル群Bを5
    〜90重量%の割合で混合することを特徴とする請求項
    1に記載の低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法。
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