JP3888458B2 - 孔版印刷方法および装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容された複数種類のインク容器が孔版印刷装置本体に装填され、インク容器内のインクを印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法および装置並びにインク容器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、孔版印刷装置において、取り扱いが容易などの理由により、孔版印刷装置に着脱可能な構造を有するインク容器が利用されている。上記のようなインク容器は装置本体に装着され、インク容器内のインクが印刷ドラム内に供給されて孔版印刷が行われ、インクが全て消費された際には、廃棄もしくはリサイクルなどに使用されるため取り外される。そして、再び新しい消耗品が装着されて使用されることにより、継続して孔版印刷を行うことができる。
【０００３】
ここで、上記のようなインク容器を使用する孔版印刷装置においては、従来は、インク容器内のインクの色の種類に関係なくいずれのインク容器も装填することが可能であった。したがって、前に使用したインクの色と異なる色のインクを収容したインク容器を装填した場合には、前に使用したインクが印刷ドラム内に残っているため、異なる色のインクが混ざってしまう不都合が生じていた。そこで、特許文献１においては、インク容器にインクの色毎に形状の異なるリブを設け、前に使用したインク容器のリブの形状を孔版印刷装置に記憶しておき、次に装填されたインク容器のリブの形状が異なる場合には、警告通知する孔版印刷装置が提案されている。また、特許文献２においては、インク容器にインクの色毎に配置が異なるリブを設け、このリブの配置を孔版印刷装置に設けられたスイッチで検知することにより、装填された印刷ドラムにおいて使用可能な色のインク容器であるか否かを識別し、使用不可能な色のインクのインク容器である場合には、印刷ドラムへのインクの供給を禁止する孔版印刷装置が提案されている。また、特許文献２においては、上記のようなインク容器が使用可能であるか否かを識別するため、印刷ドラムにメモリを設け、このメモリに使用可能なインク容器のリブの配置を記憶し、この記憶されたリブの配置と孔版印刷装置のスイッチで検知されたリブの配置とを比較する方法が提案されている。また、特許文献３においては、上記のようにして印刷ドラムに設けられたメモリにインク容器のリブの配置情報を記憶させるための方法として、上記印刷ドラムが装填された孔版印刷装置において操作者が上記配置情報を直接入力する方法が提案されている。
【０００４】
【特許文献１】
実開平９−１００号公報
【０００５】
【特許文献２】
特開２０００−１５９１６号公報
【０００６】
【特許文献３】
特開２００１−１９１６３０号公報
【０００７】
【特許文献４】
特開２００１−１８５０７号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献１および特許文献２のようにインクの色毎に異なる形状や配置のリブを形成するようにしたのでは、色の種類が多くなると、その多種類の色に対応した形状や配置のリブをそれぞれ形成するのが困難であり、コストアップにもなる。したがって、特許文献４には、インク容器にメモリを設け、このメモリにインク容器内のインクの色情報を記憶し、このメモリに記憶されたインクの色情報を孔版印刷装置により読み出して予め設定された印刷ドラムの色情報と比較することによりインク容器が使用可能なものであるか否かを識別する方法が提案されているが、この場合においても孔版印刷装置に予め色情報を設定しておく必要がある。上記特許文献３のように操作者が孔版印刷装置において色情報を設定するようにしたのでは、入力操作が手間であり、色情報として使用されるコードによっては長い文字列などであるため、入力操作が煩雑になるという問題がある。
【０００９】
本発明は、上記のような事情に鑑み、複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器が孔版印刷装置本体に装填され、インク容器内のインクを印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法および装置並びにインク容器において、上記のような操作者の直接の入力作業を必要とすることなく色情報を容易に設定することができる孔版印刷方法および装置並びにインク容器を提供することを目的とするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明の孔版印刷方法は、複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有する印刷ドラムとが孔版印刷装置本体に装填され、インク容器内のインクを印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法において、複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または印刷ドラムが装填された際、インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、その色情報を印刷ドラムの記憶手段に記憶することを特徴とする。
【００１１】
ここで、上記「色情報」とは、インク容器内のインクの色の種類を示す情報であれば如何なるものでもよく、たとえば、インクの色の種類を文字列などによりコード化したものや、ＬＡＢ表色系の座標値やＸＹＺ表色系の座標値などを利用することができる。
【００１２】
また、上記孔版印刷方法においては、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにすることができる。
【００１３】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、警告通知をするようにすることができる。
【００１４】
ここで、上記「警告通知」とは、操作者に印刷ドラムの記憶手段に記憶された色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる旨を知らせるものであれば如何なるものでもよく、たとえば、メッセージを表示させたり、ランプを点灯させたり、警告音を鳴らしたりすることができる。
【００１５】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うことを指示する信号が入力された場合に、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにすることができる。
【００１６】
また、インク容器の記憶手段に記憶された色情報が印刷ドラムの記憶手段に記憶された後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようにすることができる。
【００１７】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させるインク枯らし動作を行うようにすることができる。
【００１８】
ここで、上記「インク枯らし動作」とは、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させることにより印刷ドラム内に残留したインクを印刷ドラム内から排出させる動作のことをいうが、上記と同様の作用を及ぼす動作であれば、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させる動作にその他の動作を組み合せてもよい。
【００１９】
また、上記インク枯らし動作が終了した後、インク容器の記憶手段から読み出された色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶し、その後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようにすることができる。
【００２０】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出し、印刷ドラム内にインクが無いことが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにすることができる。
【００２１】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出し、印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、異常警告通知をするようにすることができる。
【００２２】
ここで、上記「異常警告通知」とは、操作者に、印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された旨を知らせるものであれば如何なるものでもよく、たとえば、メッセージを表示させたり、ランプを点灯させたり、警告音を鳴らしたりすることができる。
【００２３】
本発明の孔版印刷装置は、複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有し、インク容器内のインクが供給される印刷ドラムとが装填される孔版印刷装置本体を備えた孔版印刷装置において、複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または印刷ドラムが装填された際、インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、その色情報を印刷ドラムの記憶手段に記憶させる色情報設定手段を備えたことを特徴とする。
【００２４】
また、上記孔版印刷装置においては、色情報設定手段を、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認するものとし、色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行わせるものとすることができる。
【００２５】
また、色情報設定手段により前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、警告通知をする警告通知手段を有するものとすることができる。
【００２６】
また、色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、インク容器記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うか否かを指示する信号を入力することができる再設定信号入力手段を有するものとし、色情報設定手段を、再設定入力手段によりインク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うことを指示する信号が入力された場合に、インク容器記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行わせるものとすることができる。
【００２７】
ここで、上記「再設定信号入力手段」としては、上記信号を入力できるものであれば如何なるものでもよいが、たとえば、孔版印刷装置に設けられたボタンやタッチパネルなどを利用することができる。
【００２８】
また、色情報設定手段によりインク容器の記憶手段に記憶された色情報が印刷ドラムの記憶手段に記憶された後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようインク供給開始信号を出力するインク供給制御手段を有するようにすることができる。
【００２９】
また、色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させるインク枯らし動作を行うためのインク枯らし動作制御信号を出力するインク枯らし動作制御手段を有するようにすることができる。
【００３０】
また、色情報設定手段を、インク枯らし動作が終了した後、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うものとし、色情報設定手段によりインク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶が行われた後、自動的に前記印刷ドラムにインクの供給を開始するようインク供給開始信号を出力するインク供給制御手段を有するようにすることができる。
【００３１】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出するインク検出手段を有するものとし、色情報設定手段を、インク検出手段により印刷ドラム内にインクが無いことが検出され、かつ色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行わせるものとすることができる。
【００３２】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出するインク検出手段を有するものとし、インク検出手段により印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、異常警告通知をする異常警告手段を有するようにすることができる。
【００３３】
本発明のインク容器は、上記孔版印刷方法の実施に使用されるインク容器であって、そのインク容器内のインクの色情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【００３４】
【発明の効果】
本発明の孔版印刷方法および装置並びにインク容器によれば、インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、その色情報を印刷ドラムの記憶手段に記憶するようにしたので、操作者による色情報の入力作業を必要とすることなく色情報を印刷ドラムの記憶手段に容易に設定することができる。また、操作者がインク容器の色情報を認識してない場合においても、色情報を設定することが可能である。そして、上記のようにして印刷ドラムの記憶手段に設定された色情報とは異なる色情報のインク容器が装填された際には、孔版印刷動作を禁止するなどすることにより、印刷ドラム内で異なる色のインクが混ざり合うのを回避することができる。また、インク容器に設けられたリブの形状などにより色情報を設定する場合と比較すると、多種類の色情報の設定が可能となるので、僅かな色の違いも識別でき、操作者が似たような色のインク容器を装填して誤使用してしまうのを回避することができる。
【００３５】
また、上記孔版印刷方法および装置並びにインク容器において、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段に既に設定されている色情報を書き換えてしまうのを回避することができる。
【００３６】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、警告通知をするようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段に設定された色情報とは異なる色情報の色のインク容器が装填されていることを操作者に明確に知らせることができる。
【００３７】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うことを指示する信号が入力された場合に、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段に設定されている色情報が誤って書き換えられてしまうのを回避することができるとともに、操作者の意思により印刷ドラムの記憶手段に設定されている色情報を変更することが可能である。
【００３８】
また、インク容器の記憶手段に記憶された色情報が印刷ドラムの記憶手段に記憶された後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようにするようにした場合には、操作者が印刷ドラムにインクの供給を開始する信号を入力する手間を省くことができる。
【００３９】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させるインク枯らし動作を行うようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段の色情報が変更された場合において印刷ドラム内に残留しているインクとインク容器から供給されたインクとが混ざり合うのを回避することができる。
【００４０】
また、上記インク枯らし動作が終了した後、インク容器の記憶手段から読み出された色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶し、その後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようにした場合には、操作者が印刷ドラムにインクの供給を開始する信号を入力する手間を省くことができる。
【００４１】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出し、印刷ドラム内にインクが無いことが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにした場合には、たとえば、印刷ドラムの記憶手段への色情報の記憶が正常に行われなかった場合などにおいても、未使用の印刷ドラムであると誤って印刷ドラムの記憶手段に色情報を設定してしまうのを回避することができる。
【００４２】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出し、印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、異常警告通知をするようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段への色情報の記憶が正常に行われていないこと、または印刷ドラムの記憶手段からの色情報の読み出しが正常に行われていないこと、もしくはインクセンサが正常に動作していないなどの異常を操作者が認識することができる。
【００４３】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の孔版印刷方法を実施する孔版印刷装置および上記孔版印刷方法の実施に用いられるインク容器の一実施形態について説明する。図１は本孔版印刷装置の概略構成図である。
【００４４】
本孔版印刷装置１は、図１に示すように、原稿の画像を読み取る読取部１０、読取部１０で読み取られた画像情報に基づいて孔版原紙Ｍに製版処理を施す製版部２０、製版部２０において製版された孔版原紙Ｍを用いて印刷用紙に印刷を施す印刷部３０、印刷部３０に印刷用紙を給紙する給紙部４０、印刷済みの印刷用紙を排出する排紙部５０、および使用済みの孔版原紙Ｍを廃棄する排版部６０を備えている。
【００４５】
読取部１０は、イメージスキャナであり、副走査方向に搬送される原稿の画像の読み取りを行うラインイメージセンサ１２と原稿送りローラ１４とを有している。
【００４６】
製版部２０は、原紙ロール部２１と、複数個の発熱体が一列配列されてなるサーマルヘッドを有する製版ユニット２２と、原紙送りローラ２３、２４と、原紙案内ローラ２５，２６，２７と、原紙カッタ２８とを有している。
【００４７】
印刷部３０は、多孔金属板、メッシュ構造体などのインク通過性の円筒状の印刷ドラム３１、印刷ドラム３１の内部に配置されたスキージローラ３２とドクターローラ３３とインク供給ポンプ３５（図２参照）とを有するインク供給装置３４、およびプレスローラ３６を有している。印刷ドラムの外周には製版済孔版原紙Ｍが巻き付けられて装着されるようになっている。
【００４８】
印刷ドラム３１には、図２に示すように、所定の情報を記憶する記憶手段８が設けられている。この記憶手段８は電源を供給しなくても一定期間データを記憶できる不揮発性メモリー（ＥＥＰＲＯＭなど）を構成するメモリーＩＣ８１を備え、このメモリＩＣ８１が取り付けられた基板８２の先端に接点８３が設けられている。なお、記憶手段８は印刷ドラム３１に対して回転自在に設置された支持部材に配置されている。
【００４９】
また、印刷部３０において使用されるインクが収容されたインク容器１０は、図２に示すように、その先端部にインクが吐出される開口部１１が設けられており、この開口部１１が印刷ドラム２０内に設置されたインク供給ポンプ３５に接続される。また、インク容器１０には、その先端部に所定の情報を記憶する記憶手段９が設けられている。この記憶手段９は電源を供給しなくても一定期間データを記憶できる不揮発性メモリー（ＥＥＰＲＯＭなど）を構成するメモリーＩＣ９１を備え、このメモリＩＣ９１が取り付けられた基板９２の先端に接点９３が設けられている。この記憶手段９のメモリＩＣ９１には、インク容器１０に収容されたインクの色の種類を示す色情報が記憶されている。メモリＩＣ９１に記憶する色情報としては、たとえば、ＬＡＢ表色系の座標値やＸＹＺ表色系の座標値などを利用することができる。
【００５０】
なお、図２におけるインク容器１０と印刷ドラム３１は説明の都合上模式的に表したものであり、実際には、図３に示すように、インク容器１０は印刷ドラム３１の一方の端部の中心部から矢印Ａの方向に出し入れされ、固定部材３７が矢印Ｂ方向に可動することにより印刷ドラム３１に交換可能に装着される。また、印刷ドラム３１も交換可能な構成となっている。
【００５１】
そして、孔版印刷装置本体２には、図２に示すように、インク容器１０の記憶手段９に記憶された色情報を読み出し、印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶させる色情報設定手段６５が設けられており、この色情報設定手段６５には、インク容器１０記憶手段９の接点９３と電気的に接続されるコネクタ９４と、印刷ドラム３１の記憶手段８の接点８３と電気的に接続されるコネクタ８４とが接続されている。
【００５２】
給紙部４０は、印刷用紙Ｐが載置される給紙台４１と、給紙台４１より印刷用紙Ｐを一枚ずつ取り出すピックアップローラ４２と、印刷用紙Ｐを印刷ドラム３１とプレスローラ３６との間に送り出すタイミングローラ４３とを有している。
【００５３】
排紙部５０は、印刷用紙Ｐを印刷ドラム３１より剥ぎ取る剥取爪５１と、排紙送りベルト部５２と、印刷済みの印刷用紙Ｐが積載される排紙台５３とを有している。
【００５４】
排版部６０は、印刷部３０の一方の側に設けられ、印刷ドラム３１から引き剥がされた使用済みの孔版原紙Ｍが送り込まれる排版ボックス６１と、印刷ドラム３１から使用済み孔版原紙Ｍを引き剥がして排版ボックス６１内へ送り込む排版ローラ６２とを有している。
【００５５】
また、孔版印刷装置本体２は、図２に示すように、色情報設定手段６５によりインク容器１０の記憶手段９から読み出された色情報と印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報とが異なる場合に、そのことを知らせるメッセージを表示する表示手段６６と、上記のような場合に孔版印刷の動作を禁止するように制御する印刷禁止制御手段６７とを備えている。なお、表示手段６６は、所定の信号入力も可能な液晶パネルからなるタッチパネルである。
【００５６】
次に、本孔版印刷装置の作用について説明する。
【００５７】
まず、孔版印刷装置本体２の印刷部３０に未使用の印刷ドラム３１が設置され、印刷ドラム３１の記憶手段８の接点８３とコネクタ８４とが接続される。そして、その後、インク供給装置３４のインク供給ポンプ３５にインク容器１０が設置され、インク容器１０の記憶手段９の接点９３とコネクタ９４とが接続される。
【００５８】
色情報設定手段６５は、まず、インク容器１０の記憶手段９から色情報を読み出す。そして、印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が記憶されているか否かを確認し、まだ色情報が記憶されていない場合には、インク容器１０の記憶手段９から読み出した色情報をコネクタ８４および接点８３を介して印刷ドラム３１の記憶手段８に出力して記憶させる。上記のように印刷ドラム３１の記憶手段８にインク容器１０の色情報を記憶させることにより、その印刷ドラム３１が上記色情報に応じた色のインク用に使用されるものであることを印刷ドラム３１に設定することができる。
【００５９】
一方、原紙ロール部２１におけるマスターホルダーに孔版原紙ロールが設置され、予め設定された１枚の製版分の長さの孔版原紙Ｍが繰り出される。そして、製版部２０において、サーマルヘッド２２の複数個の発熱体が各々個別に選択的に発熱することにより感熱穿孔製版され、その製版済孔版原紙Ｍは、原紙カッタ２８により切断されて印刷ドラム３１に巻着される。
【００６０】
そして、上記のようにして印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が記憶された後、自動的にインク供給装置３４により印刷ドラム３１の内側に、インク容器１０の記憶手段９および印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報に応じた色のインクが供給される。
【００６１】
そして、印刷ドラム３１が図１における反時計回りの方向へ回転駆動されると印刷ドラム３１の回転に同期して所定のタイミングにて印刷用紙Ｐがタイミングローラ４３により図１における左から右へ移動して印刷ドラム３１とプレスローラ３６との間に供給される。そして、印刷用紙Ｐがドラムの外周面に巻き付けられている製版済孔版原紙Ｍに対し、プレスローラ３６によって圧接されることにより印刷用紙Ｐに対して上記色のインクの孔版印刷が行われる。
【００６２】
次に、上記のようにして孔版印刷が行われた後、たとえば、インク容器１０のインクがなくなり新しいインク容器１０が装填された際には、色情報設定手段６５は、再びインク容器１０の記憶手段９から色情報を読み出すとともに、印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が既に記憶されているか否かを確認する。そして、印刷ドラム３１の記憶手段８に既に色情報が記憶されている場合には、これを読み出し、新しいインク容器１０の記憶手段９から読み出した色情報を一致するか否かを確認する。そして、これらが一致する場合には、上記と同様にして引き続き孔版印刷が行われるが、これらが一致しない場合には、そのことを知らせるメッセージを表示手段６６に表示させる。そして、表示手段６６は、上記メッセージとともに、印刷ドラム３１の記憶手段９に記憶された色情報を新しく装填されたインク容器１０の記憶手段９に記憶された色情報に書き換えるか否かを選択して指示することができる再設定ボタンを表示する。また、色情報設定手段６５は、上記のように色情報が一致しないことを印刷禁止制御手段６７に出力し、印刷禁止制御手段６７は、引き続き孔版印刷ができないように装置を制御する。そして、ここで、操作者により色情報を書き換えるよう再設定ボタンが選択された場合には、色情報設定手段６５は、インク容器１０の記憶手段９から読み出した色情報を、印刷ドラム３１の記憶手段８に出力し、色情報を書きかえるともに、印刷禁止制御手段６７に印刷禁止状態を解除するよう信号を出力し、印刷禁止制御手段６７による印刷禁止状態が解除されて引き続き上記と同様にして孔版印刷を行うことができる。一方、操作者により色情報を書き換えないよう再設定ボタンが選択された場合には、色情報設定手段６５はインク容器１０の記憶手段９から読み出した色情報を出力せず、印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報に応じた色のインクのインク容器１０が装填されるか、または、操作者により色情報を書き換えるよう再設定ボタンが選択されて押されるまでは印刷禁止状態が維持される。
【００６３】
また、上記実施形態においては、インク容器１０の記憶手段９に記憶された色情報と印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報が異なる場合、操作者により色情報を書き換えるよう再設定ボタンが選択された場合に、色情報を書き換えて引き続き孔版印刷を続けるようにしたが、孔版印刷動作を再開させる前にインク枯らし動作を行わせるようにしてもよい。インク枯らし動作とは、インク供給ポンプ３５を動作させることなく印刷ドラム３１を回転動作させて印刷を行い、印刷ドラム内にインクが残らないようにする動作である。
【００６４】
また、上記のようにインク枯らし動作を行う場合には、インク枯らし動作が終了した後、色情報を印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶させるようにし、その後、自動的にインク供給ポンプ３５を動作させてインクの供給を開始させるようにすればよい。インク枯らし動作の終了は操作者が所定の入力手段により信号入力することにより指示するようにしてもよいし、予め設定された所定の時間だけ行うようにしてもよい。
【００６５】
また、上記実施形態においては、たとえば、図４に示すように、スキージローラ３２とドクターローラ３３とに挟まれたインク溜部３にインクを一時的に溜め、このインク溜部３に溜められたインクを検出するインクセンサ４０を設けるようにし、色情報設定手段６５により印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が記憶されていないことが確認され、かつインクセンサ４０により印刷ドラム３１内にインクが有ることが検出されなかった場合に、色情報設定手段６５が、インク容器１０の記憶手段９から読み出された色情報を印刷ドラム３１の記憶手段８に出力して記憶させるようにしてもよい。上記のようにすることにより、たとえば、印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報のデータが破壊されていたり、誤動作により印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が正常に記憶されなかった場合においても、印刷ドラム３１内のインクの有無を確認してから印刷ドラム３１への色情報の記憶を行うので、未使用の印刷ドラム３１であると誤って記憶手段８に色情報を記憶してしまうことを回避することができるとともに、誤って異なる色のインクを印刷ドラム３１に供給してしまうのを回避することができる。
【００６６】
また、上記インクセンサ４０によりインクが有ることが検出され、かつ色情報設定手段６５により印刷ドラムの記憶手段８に色情報が記憶されていることが確認されなかった場合には、上記表示手段６６にそのことを通知するメッセージを表示させるようにしてもよい。上記のようにメッセージを表示させることにより印刷ドラム３１の記憶手段８への色情報の記憶が正常に行われていないこと、または印刷ドラム３１の記憶手段８からの色情報の読み出しが正常に行われていないこと、もしくはインクセンサ４０が正常に動作していないなどの異常を操作者が認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の孔版印刷方法を実施する孔版印刷装置の一実施形態の概略構成図
【図２】図１に示す孔版印刷装置の一部概略構成図
【図３】図１に示す孔版印刷装置の印刷ドラムとインク容器とを示す図
【図４】本発明の孔版印刷装置のその他の実施形態の一部概略構成図
【符号の説明】
１ 孔版印刷装置
８，９ 記憶手段
１０ 読取部
１２ ラインイメージセンサ
１４ 原稿送りローラ
２０ 製版部
２１ 原紙ロール部
２２ 製版ユニット
２８ 原紙カッタ
３０ 印刷部
３１ 印刷ドラム
３５ インク供給ポンプ
３６ プレスローラ
４０ 給紙部
５０ 排紙部
６０ 排版部
６５ 色情報設定手段
６６ 表示手段
６７ 印刷禁止制御手段
８１，９１ メモリＩＣ
８２，９２ 基板
８３，９３ 接点
８４，９４ コネクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容された複数種類のインク容器が孔版印刷装置本体に装填され、インク容器内のインクを印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法および装置並びにインク容器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、孔版印刷装置において、取り扱いが容易などの理由により、孔版印刷装置に着脱可能な構造を有するインク容器が利用されている。上記のようなインク容器は装置本体に装着され、インク容器内のインクが印刷ドラム内に供給されて孔版印刷が行われ、インクが全て消費された際には、廃棄もしくはリサイクルなどに使用されるため取り外される。そして、再び新しい消耗品が装着されて使用されることにより、継続して孔版印刷を行うことができる。
【０００３】
ここで、上記のようなインク容器を使用する孔版印刷装置においては、従来は、インク容器内のインクの色の種類に関係なくいずれのインク容器も装填することが可能であった。したがって、前に使用したインクの色と異なる色のインクを収容したインク容器を装填した場合には、前に使用したインクが印刷ドラム内に残っているため、異なる色のインクが混ざってしまう不都合が生じていた。そこで、特許文献１においては、インク容器にインクの色毎に形状の異なるリブを設け、前に使用したインク容器のリブの形状を孔版印刷装置に記憶しておき、次に装填されたインク容器のリブの形状が異なる場合には、警告通知する孔版印刷装置が提案されている。また、特許文献２においては、インク容器にインクの色毎に配置が異なるリブを設け、このリブの配置を孔版印刷装置に設けられたスイッチで検知することにより、装填された印刷ドラムにおいて使用可能な色のインク容器であるか否かを識別し、使用不可能な色のインクのインク容器である場合には、印刷ドラムへのインクの供給を禁止する孔版印刷装置が提案されている。また、特許文献２においては、上記のようなインク容器が使用可能であるか否かを識別するため、印刷ドラムにメモリを設け、このメモリに使用可能なインク容器のリブの配置を記憶し、この記憶されたリブの配置と孔版印刷装置のスイッチで検知されたリブの配置とを比較する方法が提案されている。また、特許文献３においては、上記のようにして印刷ドラムに設けられたメモリにインク容器のリブの配置情報を記憶させるための方法として、上記印刷ドラムが装填された孔版印刷装置において操作者が上記配置情報を直接入力する方法が提案されている。
【０００４】
【特許文献１】
実開平９−１００号公報
【０００５】
【特許文献２】
特開２０００−１５９１６号公報
【０００６】
【特許文献３】
特開２００１−１９１６３０号公報
【０００７】
【特許文献４】
特開２００１−１８５０７号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献１および特許文献２のようにインクの色毎に異なる形状や配置のリブを形成するようにしたのでは、色の種類が多くなると、その多種類の色に対応した形状や配置のリブをそれぞれ形成するのが困難であり、コストアップにもなる。したがって、特許文献４には、インク容器にメモリを設け、このメモリにインク容器内のインクの色情報を記憶し、このメモリに記憶されたインクの色情報を孔版印刷装置により読み出して予め設定された印刷ドラムの色情報と比較することによりインク容器が使用可能なものであるか否かを識別する方法が提案されているが、この場合においても孔版印刷装置に予め色情報を設定しておく必要がある。上記特許文献３のように操作者が孔版印刷装置において色情報を設定するようにしたのでは、入力操作が手間であり、色情報として使用されるコードによっては長い文字列などであるため、入力操作が煩雑になるという問題がある。
【０００９】
本発明は、上記のような事情に鑑み、複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器が孔版印刷装置本体に装填され、インク容器内のインクを印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法および装置並びにインク容器において、上記のような操作者の直接の入力作業を必要とすることなく色情報を容易に設定することができる孔版印刷方法および装置並びにインク容器を提供することを目的とするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明の孔版印刷方法は、複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有する印刷ドラムとが孔版印刷装置本体に装填され、インク容器内のインクを印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法において、複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または印刷ドラムが装填された際、インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、その色情報を印刷ドラムの記憶手段に記憶することを特徴とする。
【００１１】
ここで、上記「色情報」とは、インク容器内のインクの色の種類を示す情報であれば如何なるものでもよく、たとえば、インクの色の種類を文字列などによりコード化したものや、ＬＡＢ表色系の座標値やＸＹＺ表色系の座標値などを利用することができる。
【００１２】
また、上記孔版印刷方法においては、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにすることができる。
【００１３】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、警告通知をするようにすることができる。
【００１４】
ここで、上記「警告通知」とは、操作者に印刷ドラムの記憶手段に記憶された色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる旨を知らせるものであれば如何なるものでもよく、たとえば、メッセージを表示させたり、ランプを点灯させたり、警告音を鳴らしたりすることができる。
【００１５】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うことを指示する信号が入力された場合に、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにすることができる。
【００１６】
また、インク容器の記憶手段に記憶された色情報が印刷ドラムの記憶手段に記憶された後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようにすることができる。
【００１７】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させるインク枯らし動作を行うようにすることができる。
【００１８】
ここで、上記「インク枯らし動作」とは、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させることにより印刷ドラム内に残留したインクを印刷ドラム内から排出させる動作のことをいうが、上記と同様の作用を及ぼす動作であれば、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させる動作にその他の動作を組み合せてもよい。
【００１９】
また、上記インク枯らし動作が終了した後、インク容器の記憶手段から読み出された色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶し、その後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようにすることができる。
【００２０】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出し、印刷ドラム内にインクが無いことが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにすることができる。
【００２１】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出し、印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、異常警告通知をするようにすることができる。
【００２２】
ここで、上記「異常警告通知」とは、操作者に、印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された旨を知らせるものであれば如何なるものでもよく、たとえば、メッセージを表示させたり、ランプを点灯させたり、警告音を鳴らしたりすることができる。
【００２３】
本発明の孔版印刷装置は、複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有し、インク容器内のインクが供給される印刷ドラムとが装填される孔版印刷装置本体を備えた孔版印刷装置において、複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または印刷ドラムが装填された際、インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、その色情報を印刷ドラムの記憶手段に記憶させる色情報設定手段を備えたことを特徴とする。
【００２４】
また、上記孔版印刷装置においては、色情報設定手段を、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認するものとし、色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行わせるものとすることができる。
【００２５】
また、色情報設定手段により前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、警告通知をする警告通知手段を有するものとすることができる。
【００２６】
また、色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、インク容器記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うか否かを指示する信号を入力することができる再設定信号入力手段を有するものとし、色情報設定手段を、再設定入力手段によりインク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うことを指示する信号が入力された場合に、インク容器記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行わせるものとすることができる。
【００２７】
ここで、上記「再設定信号入力手段」としては、上記信号を入力できるものであれば如何なるものでもよいが、たとえば、孔版印刷装置に設けられたボタンやタッチパネルなどを利用することができる。
【００２８】
また、色情報設定手段によりインク容器の記憶手段に記憶された色情報が印刷ドラムの記憶手段に記憶された後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようインク供給開始信号を出力するインク供給制御手段を有するようにすることができる。
【００２９】
また、色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させるインク枯らし動作を行うためのインク枯らし動作制御信号を出力するインク枯らし動作制御手段を有するようにすることができる。
【００３０】
また、色情報設定手段を、インク枯らし動作が終了した後、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うものとし、色情報設定手段によりインク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶が行われた後、自動的に前記印刷ドラムにインクの供給を開始するようインク供給開始信号を出力するインク供給制御手段を有するようにすることができる。
【００３１】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出するインク検出手段を有するものとし、色情報設定手段を、インク検出手段により印刷ドラム内にインクが無いことが検出され、かつ色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行わせるものとすることができる。
【００３２】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出するインク検出手段を有するものとし、インク検出手段により印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ色情報設定手段により印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、異常警告通知をする異常警告手段を有するようにすることができる。
【００３３】
本発明のインク容器は、上記孔版印刷方法の実施に使用されるインク容器であって、そのインク容器内のインクの色情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする。
【００３４】
【発明の効果】
本発明の孔版印刷方法および装置並びにインク容器によれば、インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、その色情報を印刷ドラムの記憶手段に記憶するようにしたので、操作者による色情報の入力作業を必要とすることなく色情報を印刷ドラムの記憶手段に容易に設定することができる。また、操作者がインク容器の色情報を認識してない場合においても、色情報を設定することが可能である。そして、上記のようにして印刷ドラムの記憶手段に設定された色情報とは異なる色情報のインク容器が装填された際には、孔版印刷動作を禁止するなどすることにより、印刷ドラム内で異なる色のインクが混ざり合うのを回避することができる。また、インク容器に設けられたリブの形状などにより色情報を設定する場合と比較すると、多種類の色情報の設定が可能となるので、僅かな色の違いも識別でき、操作者が似たような色のインク容器を装填して誤使用してしまうのを回避することができる。
【００３５】
また、上記孔版印刷方法および装置並びにインク容器において、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段に既に設定されている色情報を書き換えてしまうのを回避することができる。
【００３６】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、警告通知をするようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段に設定された色情報とは異なる色情報の色のインク容器が装填されていることを操作者に明確に知らせることができる。
【００３７】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うことを指示する信号が入力された場合に、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段に設定されている色情報が誤って書き換えられてしまうのを回避することができるとともに、操作者の意思により印刷ドラムの記憶手段に設定されている色情報を変更することが可能である。
【００３８】
また、インク容器の記憶手段に記憶された色情報が印刷ドラムの記憶手段に記憶された後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようにするようにした場合には、操作者が印刷ドラムにインクの供給を開始する信号を入力する手間を省くことができる。
【００３９】
また、印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、その記憶されている色情報とインク容器から読み出された色情報とが異なる場合、印刷ドラムにインクの供給を行うことなく印刷ドラムを回転させるインク枯らし動作を行うようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段の色情報が変更された場合において印刷ドラム内に残留しているインクとインク容器から供給されたインクとが混ざり合うのを回避することができる。
【００４０】
また、上記インク枯らし動作が終了した後、インク容器の記憶手段から読み出された色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶し、その後、自動的に印刷ドラムにインクの供給を開始するようにした場合には、操作者が印刷ドラムにインクの供給を開始する信号を入力する手間を省くことができる。
【００４１】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出し、印刷ドラム内にインクが無いことが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、インク容器の記憶手段から読み出された色情報の印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うようにした場合には、たとえば、印刷ドラムの記憶手段への色情報の記憶が正常に行われなかった場合などにおいても、未使用の印刷ドラムであると誤って印刷ドラムの記憶手段に色情報を設定してしまうのを回避することができる。
【００４２】
また、印刷ドラム内のインクの有無を検出し、印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、異常警告通知をするようにした場合には、印刷ドラムの記憶手段への色情報の記憶が正常に行われていないこと、または印刷ドラムの記憶手段からの色情報の読み出しが正常に行われていないこと、もしくはインクセンサが正常に動作していないなどの異常を操作者が認識することができる。
【００４３】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の孔版印刷方法を実施する孔版印刷装置および上記孔版印刷方法の実施に用いられるインク容器の一実施形態について説明する。図１は本孔版印刷装置の概略構成図である。
【００４４】
本孔版印刷装置１は、図１に示すように、原稿の画像を読み取る読取部１０、読取部１０で読み取られた画像情報に基づいて孔版原紙Ｍに製版処理を施す製版部２０、製版部２０において製版された孔版原紙Ｍを用いて印刷用紙に印刷を施す印刷部３０、印刷部３０に印刷用紙を給紙する給紙部４０、印刷済みの印刷用紙を排出する排紙部５０、および使用済みの孔版原紙Ｍを廃棄する排版部６０を備えている。
【００４５】
読取部１０は、イメージスキャナであり、副走査方向に搬送される原稿の画像の読み取りを行うラインイメージセンサ１２と原稿送りローラ１４とを有している。
【００４６】
製版部２０は、原紙ロール部２１と、複数個の発熱体が一列配列されてなるサーマルヘッドを有する製版ユニット２２と、原紙送りローラ２３、２４と、原紙案内ローラ２５，２６，２７と、原紙カッタ２８とを有している。
【００４７】
印刷部３０は、多孔金属板、メッシュ構造体などのインク通過性の円筒状の印刷ドラム３１、印刷ドラム３１の内部に配置されたスキージローラ３２とドクターローラ３３とインク供給ポンプ３５（図２参照）とを有するインク供給装置３４、およびプレスローラ３６を有している。印刷ドラムの外周には製版済孔版原紙Ｍが巻き付けられて装着されるようになっている。
【００４８】
印刷ドラム３１には、図２に示すように、所定の情報を記憶する記憶手段８が設けられている。この記憶手段８は電源を供給しなくても一定期間データを記憶できる不揮発性メモリー（ＥＥＰＲＯＭなど）を構成するメモリーＩＣ８１を備え、このメモリＩＣ８１が取り付けられた基板８２の先端に接点８３が設けられている。なお、記憶手段８は印刷ドラム３１に対して回転自在に設置された支持部材に配置されている。
【００４９】
また、印刷部３０において使用されるインクが収容されたインク容器１０は、図２に示すように、その先端部にインクが吐出される開口部１１が設けられており、この開口部１１が印刷ドラム２０内に設置されたインク供給ポンプ３５に接続される。また、インク容器１０には、その先端部に所定の情報を記憶する記憶手段９が設けられている。この記憶手段９は電源を供給しなくても一定期間データを記憶できる不揮発性メモリー（ＥＥＰＲＯＭなど）を構成するメモリーＩＣ９１を備え、このメモリＩＣ９１が取り付けられた基板９２の先端に接点９３が設けられている。この記憶手段９のメモリＩＣ９１には、インク容器１０に収容されたインクの色の種類を示す色情報が記憶されている。メモリＩＣ９１に記憶する色情報としては、たとえば、ＬＡＢ表色系の座標値やＸＹＺ表色系の座標値などを利用することができる。
【００５０】
なお、図２におけるインク容器１０と印刷ドラム３１は説明の都合上模式的に表したものであり、実際には、図３に示すように、インク容器１０は印刷ドラム３１の一方の端部の中心部から矢印Ａの方向に出し入れされ、固定部材３７が矢印Ｂ方向に可動することにより印刷ドラム３１に交換可能に装着される。また、印刷ドラム３１も交換可能な構成となっている。
【００５１】
そして、孔版印刷装置本体２には、図２に示すように、インク容器１０の記憶手段９に記憶された色情報を読み出し、印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶させる色情報設定手段６５が設けられており、この色情報設定手段６５には、インク容器１０記憶手段９の接点９３と電気的に接続されるコネクタ９４と、印刷ドラム３１の記憶手段８の接点８３と電気的に接続されるコネクタ８４とが接続されている。
【００５２】
給紙部４０は、印刷用紙Ｐが載置される給紙台４１と、給紙台４１より印刷用紙Ｐを一枚ずつ取り出すピックアップローラ４２と、印刷用紙Ｐを印刷ドラム３１とプレスローラ３６との間に送り出すタイミングローラ４３とを有している。
【００５３】
排紙部５０は、印刷用紙Ｐを印刷ドラム３１より剥ぎ取る剥取爪５１と、排紙送りベルト部５２と、印刷済みの印刷用紙Ｐが積載される排紙台５３とを有している。
【００５４】
排版部６０は、印刷部３０の一方の側に設けられ、印刷ドラム３１から引き剥がされた使用済みの孔版原紙Ｍが送り込まれる排版ボックス６１と、印刷ドラム３１から使用済み孔版原紙Ｍを引き剥がして排版ボックス６１内へ送り込む排版ローラ６２とを有している。
【００５５】
また、孔版印刷装置本体２は、図２に示すように、色情報設定手段６５によりインク容器１０の記憶手段９から読み出された色情報と印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報とが異なる場合に、そのことを知らせるメッセージを表示する表示手段６６と、上記のような場合に孔版印刷の動作を禁止するように制御する印刷禁止制御手段６７とを備えている。なお、表示手段６６は、所定の信号入力も可能な液晶パネルからなるタッチパネルである。
【００５６】
次に、本孔版印刷装置の作用について説明する。
【００５７】
まず、孔版印刷装置本体２の印刷部３０に未使用の印刷ドラム３１が設置され、印刷ドラム３１の記憶手段８の接点８３とコネクタ８４とが接続される。そして、その後、インク供給装置３４のインク供給ポンプ３５にインク容器１０が設置され、インク容器１０の記憶手段９の接点９３とコネクタ９４とが接続される。
【００５８】
色情報設定手段６５は、まず、インク容器１０の記憶手段９から色情報を読み出す。そして、印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が記憶されているか否かを確認し、まだ色情報が記憶されていない場合には、インク容器１０の記憶手段９から読み出した色情報をコネクタ８４および接点８３を介して印刷ドラム３１の記憶手段８に出力して記憶させる。上記のように印刷ドラム３１の記憶手段８にインク容器１０の色情報を記憶させることにより、その印刷ドラム３１が上記色情報に応じた色のインク用に使用されるものであることを印刷ドラム３１に設定することができる。
【００５９】
一方、原紙ロール部２１におけるマスターホルダーに孔版原紙ロールが設置され、予め設定された１枚の製版分の長さの孔版原紙Ｍが繰り出される。そして、製版部２０において、サーマルヘッド２２の複数個の発熱体が各々個別に選択的に発熱することにより感熱穿孔製版され、その製版済孔版原紙Ｍは、原紙カッタ２８により切断されて印刷ドラム３１に巻着される。
【００６０】
そして、上記のようにして印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が記憶された後、自動的にインク供給装置３４により印刷ドラム３１の内側に、インク容器１０の記憶手段９および印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報に応じた色のインクが供給される。
【００６１】
そして、印刷ドラム３１が図１における反時計回りの方向へ回転駆動されると印刷ドラム３１の回転に同期して所定のタイミングにて印刷用紙Ｐがタイミングローラ４３により図１における左から右へ移動して印刷ドラム３１とプレスローラ３６との間に供給される。そして、印刷用紙Ｐがドラムの外周面に巻き付けられている製版済孔版原紙Ｍに対し、プレスローラ３６によって圧接されることにより印刷用紙Ｐに対して上記色のインクの孔版印刷が行われる。
【００６２】
次に、上記のようにして孔版印刷が行われた後、たとえば、インク容器１０のインクがなくなり新しいインク容器１０が装填された際には、色情報設定手段６５は、再びインク容器１０の記憶手段９から色情報を読み出すとともに、印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が既に記憶されているか否かを確認する。そして、印刷ドラム３１の記憶手段８に既に色情報が記憶されている場合には、これを読み出し、新しいインク容器１０の記憶手段９から読み出した色情報を一致するか否かを確認する。そして、これらが一致する場合には、上記と同様にして引き続き孔版印刷が行われるが、これらが一致しない場合には、そのことを知らせるメッセージを表示手段６６に表示させる。そして、表示手段６６は、上記メッセージとともに、印刷ドラム３１の記憶手段９に記憶された色情報を新しく装填されたインク容器１０の記憶手段９に記憶された色情報に書き換えるか否かを選択して指示することができる再設定ボタンを表示する。また、色情報設定手段６５は、上記のように色情報が一致しないことを印刷禁止制御手段６７に出力し、印刷禁止制御手段６７は、引き続き孔版印刷ができないように装置を制御する。そして、ここで、操作者により色情報を書き換えるよう再設定ボタンが選択された場合には、色情報設定手段６５は、インク容器１０の記憶手段９から読み出した色情報を、印刷ドラム３１の記憶手段８に出力し、色情報を書きかえるともに、印刷禁止制御手段６７に印刷禁止状態を解除するよう信号を出力し、印刷禁止制御手段６７による印刷禁止状態が解除されて引き続き上記と同様にして孔版印刷を行うことができる。一方、操作者により色情報を書き換えないよう再設定ボタンが選択された場合には、色情報設定手段６５はインク容器１０の記憶手段９から読み出した色情報を出力せず、印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報に応じた色のインクのインク容器１０が装填されるか、または、操作者により色情報を書き換えるよう再設定ボタンが選択されて押されるまでは印刷禁止状態が維持される。
【００６３】
また、上記実施形態においては、インク容器１０の記憶手段９に記憶された色情報と印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報が異なる場合、操作者により色情報を書き換えるよう再設定ボタンが選択された場合に、色情報を書き換えて引き続き孔版印刷を続けるようにしたが、孔版印刷動作を再開させる前にインク枯らし動作を行わせるようにしてもよい。インク枯らし動作とは、インク供給ポンプ３５を動作させることなく印刷ドラム３１を回転動作させて印刷を行い、印刷ドラム内にインクが残らないようにする動作である。
【００６４】
また、上記のようにインク枯らし動作を行う場合には、インク枯らし動作が終了した後、色情報を印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶させるようにし、その後、自動的にインク供給ポンプ３５を動作させてインクの供給を開始させるようにすればよい。インク枯らし動作の終了は操作者が所定の入力手段により信号入力することにより指示するようにしてもよいし、予め設定された所定の時間だけ行うようにしてもよい。
【００６５】
また、上記実施形態においては、たとえば、図４に示すように、スキージローラ３２とドクターローラ３３とに挟まれたインク溜部３にインクを一時的に溜め、このインク溜部３に溜められたインクを検出するインクセンサ４０を設けるようにし、色情報設定手段６５により印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が記憶されていないことが確認され、かつインクセンサ４０により印刷ドラム３１内にインクが有ることが検出されなかった場合に、色情報設定手段６５が、インク容器１０の記憶手段９から読み出された色情報を印刷ドラム３１の記憶手段８に出力して記憶させるようにしてもよい。上記のようにすることにより、たとえば、印刷ドラム３１の記憶手段８に記憶された色情報のデータが破壊されていたり、誤動作により印刷ドラム３１の記憶手段８に色情報が正常に記憶されなかった場合においても、印刷ドラム３１内のインクの有無を確認してから印刷ドラム３１への色情報の記憶を行うので、未使用の印刷ドラム３１であると誤って記憶手段８に色情報を記憶してしまうことを回避することができるとともに、誤って異なる色のインクを印刷ドラム３１に供給してしまうのを回避することができる。
【００６６】
また、上記インクセンサ４０によりインクが有ることが検出され、かつ色情報設定手段６５により印刷ドラムの記憶手段８に色情報が記憶されていることが確認されなかった場合には、上記表示手段６６にそのことを通知するメッセージを表示させるようにしてもよい。上記のようにメッセージを表示させることにより印刷ドラム３１の記憶手段８への色情報の記憶が正常に行われていないこと、または印刷ドラム３１の記憶手段８からの色情報の読み出しが正常に行われていないこと、もしくはインクセンサ４０が正常に動作していないなどの異常を操作者が認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の孔版印刷方法を実施する孔版印刷装置の一実施形態の概略構成図
【図２】図１に示す孔版印刷装置の一部概略構成図
【図３】図１に示す孔版印刷装置の印刷ドラムとインク容器とを示す図
【図４】本発明の孔版印刷装置のその他の実施形態の一部概略構成図
【符号の説明】
１ 孔版印刷装置
８，９ 記憶手段
１０ 読取部
１２ ラインイメージセンサ
１４ 原稿送りローラ
２０ 製版部
２１ 原紙ロール部
２２ 製版ユニット
２８ 原紙カッタ
３０ 印刷部
３１ 印刷ドラム
３５ インク供給ポンプ
３６ プレスローラ
４０ 給紙部
５０ 排紙部
６０ 排版部
６５ 色情報設定手段
６６ 表示手段
６７ 印刷禁止制御手段
８１，９１ メモリＩＣ
８２，９２ 基板
８３，９３ 接点
８４，９４ コネクタ
Claims (10)
- 複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、前記色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有する印刷ドラムとが孔版印刷装置本体に装填され、前記インク容器内のインクを前記印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法において、
前記複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または前記印刷ドラムが装填された際、
前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、
前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、
前記インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、該色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶し、
前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、該記憶されている色情報と前記インク容器から読み出された色情報とが異なる場合、前記インク容器の記憶手段から読み出された色情報の前記印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うことを指示する信号が入力された場合に、前記インク容器の記憶手段から読み出された色情報の前記印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うことを特徴とする孔版印刷方法。 - 複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、前記色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有する印刷ドラムとが孔版印刷装置本体に装填され、前記インク容器内のインクを前記印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法において、
前記複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または前記印刷ドラムが装填された際、
前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、
前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、
前記インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、該色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶し、
前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、該記憶されている色情報と前記インク容器から読み出された色情報とが異なる場合、前記印刷ドラムにインクの供給を行うことなく前記印刷ドラムを回転させるインク枯らし動作を行うことを特徴とする孔版印刷方法。 - 前記インク枯らし動作が終了した後、前記インク容器の記憶手段から読み出された色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶し、その後、自動的に前記印刷ドラムにインクの供給を開始することを特徴とする請求項２記載の孔版印刷方法。
- 複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、前記色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有する印刷ドラムとが孔版印刷装置本体に装填され、前記インク容器内のインクを前記印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法において、
前記複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または前記印刷ドラムが装填された際、
前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認するとともに、前記印刷ドラム内のインクの有無を検出し、
前記印刷ドラム内にインクが無いことが検出され、かつ前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、前記インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、該色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶することを特徴とする孔版印刷方法。 - 複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、前記色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有する印刷ドラムとが孔版印刷装置本体に装填され、前記インク容器内のインクを前記印刷ドラムに供給して孔版印刷を行う孔版印刷方法において、
前記複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または前記印刷ドラムが装填された際、
前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認するとともに、前記印刷ドラム内のインクの有無を検出し、
前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、
前記インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、該色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶し、
前記印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、異常警告通知をすることを特徴とする孔版印刷方法。 - 複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、前記色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有し、前記インク容器内のインクが供給される印刷ドラムとが装填される孔版印刷装置本体を備えた孔版印刷装置において、
前記複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または前記印刷ドラムが装填された際、前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、前記インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、該色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶させる色情報設定手段と、
前記色情報設定手段により前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、該記憶されている色情報と前記インク容器から読み出された色情報とが異なる場合、前記インク容器の記憶手段から読み出された色情報の前記印刷ドラムの記憶手段への記憶を行うか否かを指示する信号を入力することができる再設定信号入力手段とを有し、
前記色情報設定手段が、前記再設定入力手段により前記信号が入力された場合に、前記インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、該色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする孔版印刷装置。 - 複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、前記色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有し、前記インク容器内のインクが供給される印刷ドラムとが装填される孔版印刷装置本体を備えた孔版印刷装置において、
前記複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または前記印刷ドラムが装填された際、前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、前記インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、該色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶させる色情報設定手段と、
前記色情報設定手段により前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されていることが確認され、該記憶されている色情報と前記インク容器から読み出された色情報とが異なる場合、前記印刷ドラムにインクの供給を行うことなく前記印刷ドラムを回転させるインク枯らし動作を行うためのインク枯らし動作制御信号を出力するインク枯らし動作制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置。 - 前記色情報設定手段が、前記インク枯らし動作が終了した後、前記インク容器の記憶手段から読み出された色情報の前記印刷ドラムの記憶手段への記憶を行わせるものであり、
前記色情報設定手段により前記インク容器の記憶手段から読み出された色情報の前記印刷ドラムの記憶手段への記憶が行われた後、自動的に前記印刷ドラムにインクの供給を開始するようインク供給開始信号を出力するインク供給制御手段を有することを特徴とする請求項７記載の孔版印刷装置。 - 複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、前記色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有し、前記インク容器内のインクが供給される印刷ドラムとが装填される孔版印刷装置本体を備えた孔版印刷装置において、
前記複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または前記印刷ドラムが装填された際、前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、前記インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、該色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶させる色情報設定手段と、
前記印刷ドラム内のインクの有無を検出するインク検出手段とを有し、
前記色情報設定手段が、前記インク検出手段により前記印刷ドラム内にインクが無いことが検出され、かつ前記色情報設定手段により前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、前記インク容器の記憶手段から読み出された色情報の前記印刷ドラムの記憶手段への記憶を行わせるものであることを特徴とする孔版印刷装置。 - 複数種類の色のインクが色毎にそれぞれ収容され、前記色毎の色情報が記憶された記憶手段を有する複数種類のインク容器と、所定の情報が記憶される記憶手段を有し、前記インク容器内のインクが供給される印刷ドラムとが装填される孔版印刷装置本体を備えた孔版印刷装置において、
前記複数種類のインク容器のうちの１つおよび／または前記印刷ドラムが装填された際、前記印刷ドラムの記憶手段に既に色情報が記憶されているか否かを確認し、前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、前記インク容器の記憶手段に記憶された色情報を読み出し、該色情報を前記印刷ドラムの記憶手段に記憶させる色情報設定手段と、
前記印刷ドラム内のインクの有無を検出するインク検出手段と、
前記インク検出手段により前記印刷ドラム内にインクが有ることが検出され、かつ前記色情報設定手段により前記印刷ドラムの記憶手段にまだ色情報が記憶されていないことが確認された場合、異常警告通知をする異常警告手段とを有することを特徴とする孔版印刷装置。
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