JP4949723B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、版胴のインキクリーニングを実行可能な孔版印刷装置に関する。
製版された孔版原紙を外周に巻き付け装着され、自身の中心軸線周りに回転駆動される円筒状の版胴と、版胴内に設けられて版胴内周面にインキを供給するインキ供給装置と、給紙された印刷用紙を版胴外周面に押圧する印圧装置を有し、孔版原紙の穿孔製版部を通過したインキを印刷用紙上に転移させることで印刷画像を形成する方式の孔版印刷装置は既に知られている。
このような孔版印刷装置に用いられているインキには、空気中で放置しても決して固化乾燥することがないようなものが用いられる。具体的には水相が油相中に均一に分散した状態である油中水型(W/0型)エマルジョン構造のインキが用いられる。このインキは、直接に大気と接触していてもインキの成分が変性したり硬化したりするのを防止できる構造であり、保存安定性を有している。これは孔版印刷装置が、特別な清掃動作もしないで使い終えたままで、長期間使用しないで放置されても、再使用時に特別な熟練操作をしないで直ぐに印刷ができることが求められているためである。このような特性のインキを用いた印刷においては、印刷用紙の上に転移したインキは、印刷用紙の繊維間への浸透とインキ中の水相の蒸発によって擬似的な乾燥を作るようになっているが、あくまでも化学的反応による乾燥ではないので、乾燥(定着)が不十分であった。
このため、孔版印刷装置による印刷物では画像インキ乾燥速度が遅くなるため次のような不具合があった。印刷物の取り出しやそろえ操作時に手指が汚れてしまう。インキが十分に定着(乾燥)していないので印刷物に追加記載したりすると手がインキで汚れてしまう。コート紙のように浸透性が悪い用紙に印刷する場合には印刷ができない。ベタの多い画像を印刷した場合には排紙トレイ上で積載時に画像面のインキがその上の用紙裏面を汚す裏うつりが発生する。
そこで孔版印刷の印刷物画像の乾燥性を向上させるために、これまでにも多数の提案がされてきた。例えば、特許文献1、2には、紫外線硬化型インキに変更して印刷後に印刷物に紫外線を照射して硬化させる方法が提案されている。
また特許文献3には印刷物の画像面をヒーターや遠赤外線等で加熱してインキ中の水相蒸発を促進させる方法が、特許文献4には印刷物の画像面インキに高周波を当ててインキ内部の反応を促進させる方法がそれぞれ提案されてきた。
特許文献5には印刷物に転移した過剰インキを除去する装置を設けることでこすり汚れの低減をはかる方法が記載され、特許文献6には印刷物の上に粉末を塗布する方法が記載されている。また高精度インキや粉体インキを用いて印刷時には加熱等で一時的に軟化低粘度化させて印刷し、印刷用紙上に転移後には温度が低下してインキが硬化する方法も知られている。
特許文献7には空気中に放置することで、または時間が経過することで、インキ中の溶剤成分が気化する作用を利用して乾燥させることや、空気中の酸素と反応して硬化する成分を含むインキについて、印刷用紙に転移して薄膜になったインキ内部の硬化反応促進作用や内部樹脂成分の硬化作用を発揮させる方式のインキを使用する方法が記載されている。これはたとえばヨウ素化を持つ樹脂(酸化重合形態〉を含有する。
特許文献8には、即時性はないが時間経過で完全に乾燥が進むことを期待できるものとして水溶性高分子化合物を含有する水性のインキを使用する事が記載されている。
実公平4−35188号公報 特開平5−6878号公報 特開2001-71617号公報 特開2001−150784号公報 特許第3363260号公報 特開平9−11654号公報 特開2004-149810号公報 特開2001−302955号公報
特許文献1,2に記載されているような、紫外線硬化型インキに変更して印刷後に印刷物に紫外線を照射して硬化させる方法は、紫外線硬化型インキ自体の安全性や匂いの問題や紫外線照射ランプの安全性とオゾン発生の問題があるとともに、インキ自体が高価であり、紫外線照射装置も高価なものが必要になる等、コスト面を考えると、実現が難しい。
特許文献3,4に記載されているように、印刷物の画像面をヒーターや遠赤外線等で加熱してインキ中の水相蒸発を促進させる方法は、印刷装置のような高速印刷を行う場合、用紙自体が保有している水分を蒸発させることに熱が消費されてしまい、インキの乾燥を効果的に行うには非常に大きな熱容量の装置が必要になるとともに、高い熱量を加えてしまうと、高熱で用紙がカールする問題や火災のおそれも懸念しなければならなくなる。
特許文献5に記載のような、印刷物に転移した過剰インキを除去する装置を設ける方法では裏うつりには効果があるが、インキそのものは変化しないので、擦れ汚れを防止するには無理がある。また、画像濃度が低下してしまうという問題点もある。
高粘度インキや粉体インキを用いて印刷時には加熱等で一時的に軟化低粘度化させて印刷する方法は、インキの安定的な供給が困難で、加熱処理部によるインキの軟化が不安定になり安定した乾燥硬化を得ることは難しい。また特許文献6のように印刷物の上に粉末を塗布する方法においても一時的な裏うつり防止程度の効果しか期待することはできないと思われる。
特許文献7に記載のような、インキ中の溶剤成分が気化することで樹脂成分が顔料と一体になって硬化するというようなインキを使用する方法、又は水性成分が蒸発することで樹脂成分が顔料と一体になって硬化するというようなインキを使用する方法は、印刷物の乾燥性や定着性確保の上で効果が大きいが、未使用放置によって円筒状の版胴を構成する多孔質円筒状薄板やスクリーンメッシュがインキの固化で目詰まりを起こしてしまうことが明らかであり、例えば休日明けに印刷しようとした場合、インキが版胴を通過しないので画像が出ない(印刷されない)といった不具合の発生が想定される。
特許文献8に記載のように、水性インキや気化溶剤を含有するインキの場合は、孔版印刷装置が非使用状態に置かれて装置内のインキが開放状態で長期間放置された状態になると、インキ中の水分や溶剤が容易に蒸発して、インキの流動性が失われ、またインキの成分構成や物性が変化してしまうという課題があった。そのため、孔版印刷装置が非使用状態で長期間放置された後の印刷動作性が低下して、印刷直後もしくは印刷再開直前に孔版印刷装置を分解して洗浄しなくては、再び印刷動作を行うことができなくなるとともに、変質したインキでは高品質な画像が得られないという課題がある。
また、従来の孔版印刷装置において水性インキや気化溶剤を含有するインキを用いた場合には、特に多数の孔が設けられた金属薄板円筒状の版胴とその外周面に巻き付け装着されたスクリーンメッシュが保有しているインキが、表面積を大にして空気に触れることで水分や溶剤の蒸発が起こって早期に乾燥して固着が起こり、版胴の開孔部やメッシュが詰まってしまうことが知られている。
本発明は、孔版印刷装置が非使用状態で長期間放置されても洗浄等の作業を行う必要がなく、長期間放置後も放置前と同等の印刷性能が得られ、かつ、熱、光、反応性物質の付与等の特殊な手段、装置、エネルギー等を使用しなくても乾燥性に優れるとともに画像再現性にも優れた印刷物が得られる速乾性インキを用いることが可能な孔版印刷装置を提供することを、その目的とする。
本発明は、印刷物画像の乾燥定着に非常に効果が大きいインキを用いても、円筒状の版胴を構成する多孔質円筒状薄板やスクリーンメッシュがインキの固化による目詰まりを起こすことなく、良好な印刷画像を得られる孔版印刷装置を提供することを、その目的とする。
上述した目的を達成するために、請求項1の発明では、製版された孔版原紙がその外周面に巻着され、インキ供給装置によってその内周面にインキが供給される版胴を回転させ、版胴に向かって給紙された印刷用紙を前記版胴外周面に印圧手段で押圧することで孔版原紙の穿孔製版部を通過したインキを前記印刷用紙上に転移させて印刷を行う孔版印刷装置において、版胴が保有するインキを除去するインキクリーニングモードを設定するクリーニングモード設定手段と、印刷用紙を版胴と印圧手段との間に形成される印刷部に向かって給紙する給紙手段と、版胴内周面へのインキ供給量を調整するインキ供給量調整手段と、クリーニングモード設定手段によりインキクリーニングモードが設定されている場合、版胴が保有するインキを除去するインキクリーニング処理を実行すべく、給紙手段により印刷用紙を給紙するとともに版胴と印圧手段のそれぞれの動作を制御する制御手段とを有し、制御手段は、インキクリーニングモードが設定されている場合、版胴内周面へのインキ供給量を減少又は停止するようにインキ供給量調整手段の動作を制御することを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の孔版印刷装において、表示手段と、版胴内のインキの種類を判別するインキ種類判別手段を有し、制御手段は、インキ種類判別手段が乾燥定着性向上型インキを検出した場合には、インキクリーニングモードを設定するか否かを表示手段に表示することを特徴としている。
請求項3の発明は、製版された孔版原紙がその外周面に巻着され、インキ供給装置によってその内周面にインキが供給される版胴を回転させ、版胴に向かって給紙された印刷用紙を版胴外周面に印圧手段で押圧することで、孔版原紙の穿孔製版部を通過したインキを印刷用紙上に転移させて印刷を行う孔版印刷装置において、版胴が保有するインキを除去するインキクリーニングモードを設定するクリーニングモード設定手段と、印刷用紙を版胴と印圧手段との間に形成される印刷部に向かって給紙する給紙手段と、表示手段と、版胴内のインキの種類を判別するインキ種類判別手段と、クリーニングモード設定手段によりインキクリーニングモードが設定されている場合、版胴が保有するインキを除去するインキクリーニング処理を実行すべく、給紙手段により印刷用紙を給紙するとともに版胴と印圧手段のそれぞれの動作を制御する制御手段とを有し、制御手段は、インキ種類判別手段が乾燥定着性向上型インキを検出した場合には、インキクリーニングモードを設定するか否かを表示手段に表示することを特徴としている。
請求項の発明は、請求項1、2または3記載の孔版印刷装置において、孔版原紙に画像データに応じた穿孔製版するとともに版胴に向かって孔版原紙を搬送する機能を備えた製版装置を有し、制御手段は、インキクリーニングモードが設定されている場合、予め設定された画像データに基づいて孔版原紙の所定範囲の画像エリアにクリーニング画像を製版し、この製版された孔版原紙を版胴外周面に巻着するように製版装置と版胴の動作を制御することを特徴としている。
請求項の発明は、請求項記載の孔版印刷装置において、印刷用紙のサイズを検出する用紙サイズ検出手段と、サイズ不良を警告する警告手段を有し、制御手段は、インキクリーニングモードが設定されている場合、用紙サイズ検出手段からの検出情報に基づき用紙サイズを判断し、所定範囲の画像エリアに対応するサイズの印刷用紙が検出されない場合には警告手段を作動させて用紙サイズ不良を警告することを特徴としている。
請求項の発明は、請求項1ないし5の何れか1項に記載の孔版印刷装置において、版胴が保有するインキ量を検出するインキ量検出手段を有し、制御手段は、インキ量検出手段からの検出情報に基づきインキクリーニング処理の回数を変更することを特徴としている。
請求項の発明は、請求項記載の孔版印刷装置において、制御手段は、インキ量検出手段からの検出情報が、予め設定された目標インキ残量に達しない場合には、インキクリーニング処理の回数を増加させることを特徴としている。
請求項の発明は、請求項1ないし7の何れかに記載の孔版印刷装置において、装置不使用経過時間を測定する測定手段を有し、制御手段は、測定手段による測定時間が予め設定された所定時間に達した場合には、前記インキクリーニング処理を実行させることを特徴としている。
請求項の発明は、請求項1ないし8の何れか1つに記載の孔版印刷装置において、版胴内周面へのインキ供給量を調整するインキ供給量調整手段を有し、制御手段は、インキクリーニングモードが設定されている場合、版胴内周面へのインキ供給量を減少又は停止するようにインキ供給量調整手段の動作を制御することを特徴している。
発明によれば、クリーニングモード設定手段によりインキクリーニングモードが設定されている場合、版胴が保有するインキを除去するインキクリーニング処理を実行すべく、給紙手段により印刷用紙が給紙するとともに版胴と印圧手段のそれぞれを動作するので、版胴が保有するインキが印刷用紙に転移してその量が減少し、放置時のインキ乾燥による版胴の目詰まりを防止することができる。このため、孔版印刷における印刷物画像の乾燥定着に非常に効果が大きいインキを用いることが可能になり、紫外線硬化型のような特別インキを使用せず安価な従来型に近い孔版印刷インキを使用しながらも、印刷画像の乾燥性が良好で時間経過とともに完全に定着した印刷画像を得ることができる。
発明によれば、インキクリーニングモードが設定されている場合、予め設定された画像データに基づいて孔版原紙の所定範囲の画像エリアにクリーニング画像を製版し、この製版された孔版原紙が版胴外周面に巻着されるので、インキクリーニングのために特別な原稿を必要とせずに最適なインキ消費のためのサイズとパターンの画像を製版して、版胴が保有するインキを効率的に印刷用紙に転移させて消費しながらも、印刷物の排出トラブル発生を防止することができる。
発明によれば、インキクリーニングモードが設定されている場合、用紙サイズ検出手段からの検出情報に基づき用紙サイズが判断されて、所定範囲の画像エリアに対応するサイズの印刷用紙が検出されない場合には用紙サイズ不良が警告手段で警告されるので、インキクリーニングの印刷画像エリアよりも用紙サイズが小さくなって、インキが用紙サイズから外にはみ出すことで印圧手段をインキで汚してしまうというトラブルの発生を、未然に防止することができる。
発明によれば、インキ量検出手段からの検出情報に基づきインキクリーニング処理の回数を変更するので、オペレータが特別な観察や操作をしなくとも版胴のインキ残量に応じたインキクリーニング処理を行え、放置時のインキ乾燥による版胴の目詰まりを防止しながら装置の使い勝手が良くなる。特に、インキ量検出手段からの検出情報が予め設定された目標インキ残量に達しない場合はインキクリーニング処理回数が増加するので、インキの消費を確実に行いながらも要最小限の用紙枚数に抑えられ、インキ回収不足による版胴の目詰まりをより防止しながらコスト抑制と廃棄物低減を図ることができる。
発明によれば、測定手段による測定時間が予め設定された所定時間に達した場合には、インキクリーニング処理が実行されるので、オペレータがインキクリーニングモードの実施を忘れても、放置時のインキ乾燥による版胴の目詰まりを防止することができ、孔版印刷における印刷物画像の乾燥定着に非常に効果が大きいインキを用いることが可能になり、紫外線硬化型のような特別インキを使用せず安価な従来型に近い孔版印刷インキを使用しながらも、印刷画像の乾燥性が良好で時間経過とともに完全に定着した印刷画像を得ることができる。
発明によれば、インキクリーニングモードが設定されている場合、インキ供給量調整手段の動作が制御されて版胴内周面へのインキ供給量が減少又は停止するので、通紙枚数や孔版原紙消費枚数を極力少なく抑えることができるとともに、インキクリーニングモード実施時間の短縮化を図ることができる。
発明によれば、インキ種類判別手段がエマルジョンインキを検出した場合にはインキクリーニングモードが無効になるので、硬化乾燥度合いの要求に応じて印刷インキの種類として最適なインキを用いることが可能になり、エマルジョンインキであるのに間違ってインキクリーニングモードが実施されることを防止でき、不要な通紙印刷による用紙の無駄使いや孔版原紙の無駄使いを防止することができる。
発明によれば、インキ種類判別手段が乾燥定着性向上型インキを検出した場合には、インキクリーニングモードを設定するか否かが表示手段に表示されるので、オペレータに対してインキクリーニングモードの実行の確認動作を促すことができ、乾燥定着性向上型インキ使用中でありながら、クリーニングモードの実施を忘れによる長時間放置による版胴の目詰まりというトラブルの発生を確実に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明が適用された製版と排版とが一体型の孔版印刷装置の全体概略図を示している。図1において、符号1は原稿画像を読み取るためのスキャナ装置であり、その上面には開閉可能な圧板2と、複数枚の原稿を自動的に順次送るための自動原稿送り装置3(以下「ADF3」と記す)を有している。スキャナ装置1は最大JIS規格A3サイズまでの原稿を読み取ることが可能なタイプとされている。
符号4は製版装置を示す。製版装置4は、スキャナ装置1の下方に位置する装置本体100内の右側に配置されている。製版装置4では、ロール状に巻かれた孔版原紙5が、プラテンローラ6によってサーマルヘッド7に押し付けられ穿孔製版されながら製版済孔版原紙として後述する搬送駆動部43Bによって駆動される給版ローラ対401によって搬送される。この製版済孔版原紙は、装置本体100の中央に配置され、後述する駆動モータで構成されたドラム駆動制御部48によって回転駆動される版胴となる印刷ドラム8の外周面(以下「ドラム外周面」と記す)8aへと搬送される。そして、ドラム外周面8aに設けられた原紙先端用のクランパ9にその先端をクランプ係止されることでドラム外周面8aに巻き付けられ、カッター10により一版分の長さに切断されて、ドラム外周面8aに巻着される。印刷ドラム8は、ドラムに関連する部品とともに、装置本体100に対して着脱自在にユニット化されていて、これを印刷ドラムユニット101と称する。
本発明における印刷ドラムユニット101は、印刷用のインキが封入されているインキ容器16と、インキ容器16内のインキを印刷ドラム8内部に供給するインキポンプ17を含んでおり、ドラムユニットフレームを兼ねたスライド案内レール部材18を利用して装置本体100に対して着脱自在に構成されている。
符号11は使用済孔版原紙をドラム外周面8aから剥離して搬送収納する排版装置を示す。排版装置11にはドラム外周面8aの使用済み孔版原紙を剥離して搬送するための排版ローラ12,13と、搬送した版を圧縮する圧縮板14と、圧縮された版を収納する排版収納箱15が設けられている。
符号20で示す印刷用紙は、装置本体の右側に配置された給紙装置44を構成する給紙台21上に載置されている。印刷用紙20は給仕台21から給紙手段を構成するコロ22で搬送力を付与され分離コロ23と分離パッド24で順次1枚ずつに分離されて、印刷ドラム8と印圧手段となるプレスローラ28の間に形成される印刷部Nに向けて給紙される。給紙された印刷用紙20は、分離コロ23と印刷ドラム8の間の搬送経路上に配設された一対のレジストローラ25,26でタイミングを合わせて印刷部Nに向かって送り込まれる。給紙台21は、通常A3サイズまでの印刷用紙20がセット可能な大きさとされていている。給紙台21には、印刷用紙20のサイズを検出する用紙サイズ検出手段27が配設されていて、給紙台21にセットされた印刷用紙20のサイズを検出できるように構成されている。
印刷ドラム8の下方には印圧手段を構成するプレスローラ28が配置されている。プレスローラ28は、図示しない接離機構に回転自在に支持されている。この接離機構は、図4に示すように、ソレノイドなどの周知の電磁アクチュエータから構成された印圧駆動制御部45により駆動されることで、プレスローラ28を印刷ドラム8の回転と同期してクランパ9部分を避けるようにドラム外周面8aに対して間欠的に接離動作させる。孔版印刷装置では、プレスローラ28の接離動作によって、レジストローラ25,26によって送り出された印刷用紙20をドラム外周面8aの製版済孔版原紙に対して押し当てて画像形成を行う。本形態では、印圧手段としてプレスローラ28を例示したが、周知の圧胴を印圧手段として用いる形態であっても構わない。
印刷部Nよりも用紙搬送方向下流側の印刷ドラム8の近傍には、ドラム外周面8aから印刷用紙20を剥離する剥離爪29が配置されている。剥離爪29の下方には、印刷部Nで印刷された印刷用紙20を吸引搬送する搬送ベルト装置30が配置されている。搬送ベルト装置30によって吸着搬送される印刷用紙20は、装置本体の左側に配置された排紙トレイ31上に順次排出されて積載される。
図2を用いて印刷ドラム8の構造について説明する。印刷ドラム8は、図2(b)に示すように、印刷画像範囲に多数のインキ通過用孔が設けられた円筒状金属体50と、その外周に巻き付けられた1層または2層の合成樹脂繊維からなるスクリーンメッシュ51とから構成されている。円筒状金属体50の両端にはそれぞれ図示しない側板で塞がれている。このような構成の印刷ドラム8のドラム外周面8aには、通常は製版済孔版原紙52が巻着される。これらインキ通過用孔、スクリーンメッシュ51、製版済孔版原紙52の穿孔画像部には、通常インキが充満されている。図2において、黒く塗りつぶした部分は充填されたインキを示すが、これが乾燥固化すれと目詰まりなどの不具合の原因になる。
印刷ドラム8の内部には、金属性のインキ供給ローラ53が図の矢印方向に回転可能に保持されていると共に、それと平行にわずかの隙間を設けてドクターローラ54が設けられている。これら二つのローラは、インキ溜まり55を形成している。インキ溜まり55には、インキポンプ17によってインキ容器16内から吸引されたインキがインキ吐出管57を介して滴下されて供給される。インキ溜まり55のインキは、インキ供給ローラ53の回転によって印刷ドラム8の内周面8bに供給される。通常の印刷可能状態においては、ドラム内周面8bとインキ供給ローラ53の外周面には一定厚さのインキ膜に覆われている。
印刷ドラム8内部には、インキ溜まり55のインキ量を検出するためのインキ量検出手段となる静電容量式センサ56と、印刷ドラム8が保有するインキ量を検出するインキ量検出手段となる光学センサ46が設けられている。光学センサ46は、インキ供給ローラ53の外周面のインキ有無を検出する反射型光センサで構成されている。本形態のインキ供給ローラ53には、アルミ材が使用されているので、インキのない状態では光の反射率が高い構成とされている。このため、インキが供給されてその表面が覆われると、反射率が低下するので、この反射率の変化を光学センサ46で検出している。
一般に、インキタ溜まり55のインキが消費され、さらにインキ供給ローラ53の外周面のインキもなくなると、それより若干遅れて印刷ドラム8が保有するインキがなくなるので、本形態では、その特性を利用して印刷ドラム8の保有インキの有無を検出している。光学センサ46は、センサがインキで汚れるのを防止するために、検出面を除いてカバー58で覆われている。
本形態では、インキ量検出手段として光学センサ46と静電容量式センサ56の2つを用いて印刷ドラム8の保有インキ量を検出するようにしているが、図2(a)に示すように光学センサ46aでドラム内周面8bのインキ濃度を検出するようにしても良い。
孔版印刷装置で用いるインキには、さまざまな種類がある。これらインキは其の種類ごとに異なるインキ容器16内に収納されている。本形態では、2つのインキに対応するように構成されている。すなわち、1つは従来から使用されている従来型エマルジョン孔版印刷インキ(以下「エマルジョンインキ」と記す)であり、今ひとつは乾燥定着性向上型孔版印刷インキ(以下「乾燥定着性向上型インキ」と記す)である。前者の場合には、印刷終了後にそのままで孔版印刷装置を放置しても印刷ドラム8でインキが硬化して目詰まりする心配はないが、後者の場合には印刷終了後にそのまま孔版印刷装置を放置すると、印刷ドラム8でインキが硬化して目詰まりする心配がある。
本形態において、印刷ドラムユニット101のうち、エマルジョンインキが収納されたインキパック16Aを備えたユニットを図3(a)に示す印刷ドラムユニット101Aとし、乾燥定着性向上型インキが収納されたインキパック16Bを備えたユニットを図3(b)に示す印刷ドラムユニット101Bと、便宜的に使い分ける。このうち、印刷ドラムユニット101Bに用いられる印刷ドラム8では、インキ溜まり55の大きさ(インキ量)が印刷ドラムユニット101Aのものよりも小さく設定なるようにインキ供給量が調整されている。印刷ドラムユニット101Aと印刷ドラムユニット101Bには、保有するインキの種別を示すバーコードのような識別部190A,190Bがそれぞれ設けられている。
図1に示すように、装置本体100には、装着されている印刷ドラムユニット101が従来型エマルジョンインキを備えたものか乾燥定着性向上型インキを備えたものかを検出してインキの種類を判別するインキ種類判別手段となる種別センサ19が設けられている。この種別センサ19は、印刷ドラムユニット101A、101Bの各識別部からインキ種別を検出するように構成されている。つまり種別センサ19はドラムユニット識別手段としての機能も兼ね備えている。
図4は、図1に示す孔版印刷装置に設けられた操作部となる操作パネル32の一部を示す概略図である。操作パネル32には、印刷設定枚数表示部33と数値入力のためのテンキー34、製版動作を選択する製版キー35、印刷動作を選択するプリントキー36、各種動作を実行させるスタートキー37、孔版印刷装置の動作を停止させるストップキー38、表示手段及び警告手段として機能する液晶表示部39、印刷ドラム8が保有するインキを除去するインキクリーニングモードを設定するクリーニングモード設定手段としてのインキクリーニングモードキー41と、モードが設定されているときに点灯する表示手段となるLEDランプ40が設けられている。液晶表示部39には、孔版印刷装置の状態や各種メッセージが文字で表示される。
孔版印刷装置は、図5に示すように制御手段70を備えている。制御手段70は、CPU、メモリ、タイマなどを備えた周知のコンピュータで構成されている。制御手段70には、スキャナ装置1、排版装置11、インキポンプ17、種別センサ19、用紙サイズ検出センサ27、搬送ベルト装置30、操作パネル32上の各装置、クリーニング用製版画像データが記憶された画像データメモリ42、サーマルヘッド6を駆動するサーマルヘッド駆動制御部43Aと給版ローラ401を回転させる搬送駆動部43B、コロ22及び分離コロ23を回転駆動するモータで構成された用紙搬送駆動部44A、印圧駆動制御部45、光学センサ46、ドラム駆動制御部48及び静電容量式センサ56、装置不使用経過時間を測定する測定手段と下のタイマ57が電気的に接続されている。
クリーニング用製版画像データによるクリーニング画像は、図6に符号62で示すように、孔版原紙5の所定範囲の画像エリアに対して製版されるものである。図6はクリーニング画像が製版された孔版原始52Aの展開図である。本形態において印刷ドラム8はA3サイズの印刷用紙20に印刷できる大きさを有しているので、画像エリアは符号61で示すA3サイズの印刷用紙の余白以外の前面に印刷される大きさとなっている。このクリーニング用製版画像データによって製版されるクリーニング画像は、所定の繰り返しパターンで穿孔製版される。この製版パターンとしては、図6(a)に示すような網点パターン、図6(b)に示すような交差斜線パターン、図6(c)に示すようなひし形繰り返しパターンが挙げられる。インキ消費上では全面ベタ画像が好ましいが、印刷物(印刷された印刷用紙20)の排出時トラブルが考えられるので、上記のようなパターンを採用するのが好ましい。つまり、画像データメモリ42に記憶されたクリーニング用製版画像データは図6(a)から図6(c)の何れか1つのパターンのデータが記憶されている。
制御手段70は、所謂、排版処理から製版・給版処理を経てスキャナ装置1で読み取った原稿画像に対応する印刷処理を行う一般的な印刷モードと、印刷ドラム8が保有するインキを除去するインキクリーニングモードとを備えている。インキクリーニングモードは、インキクリーニングモードキー41が操作されることで設定される。制御手段70は、つい状の印刷モードによる印刷処理とインキクリーニングモードが設定されると以下に説明するインキクリーニング処理を実行すべく、孔版印刷装置の各部の動作を制御する。
まず通常の印刷処理のための操作と動作について説明し、次にインキクリーニング処理の操作と動作について説明する。
通常の印刷処理を実行するには、スキャナ装置1に図示しない原稿をセットして印刷したい枚数をテンキー34で設定する。すると、印刷設定枚数表示部33にその設定印刷枚数が表示される。これでスタートキー37を押すと通常の印刷処理が開始される。なお給紙台21には原稿に対応する印刷用紙20が載置されているものとする。
孔版印刷装置は、このような状態となると、排版装置11を駆動してドラム外周面8aに巻かれている使用済孔版原紙を剥離排版搬送する。次にスキャナ装置1を駆動して原稿をスキャナ装置1で読み取りながら同時に製版装置4のサーマルヘッド駆動制御部43Aと搬送駆動部43Bを駆動して孔版原紙5にサーマルヘッド7による穿孔製版を行いつつ、製版済孔版原紙52として印刷ドラム8に向かって搬送する。搬送された製版済孔版原紙52は、カッター10により所定長さ(一版分の長さ)に切断されるとともに、その先端がドラム外周面8aのクランパ9で係止される。製版済孔版原紙52は、この給版動作に伴い、ドラム駆動制御部48によって印刷ドラム8が低速で回転駆動されることで、ドラム外周面8aに巻き付け装着される。
次に、用紙搬送駆動部44Aの駆動により給紙台21に積載されている印刷用紙20が印刷部Nに向かって搬送されて、印刷部Nにおいて印圧駆動制御部45によって接離動作(印圧動作)するプレスローラ28によってドラム外周面8aに押圧されることで印刷画像が形成される。剥離爪29によってドラム外周面8aから剥離された印刷用紙20は、搬送ベルト装置30の駆動によって吸着搬送されて排紙トレイ31上に排出積載される。こうした印刷動作が、設定印刷枚数分繰り返され、設定印刷枚数が終了すると印刷処理が終了する。
次にインキクリーニング処理の操作と動作について説明する。このインキクリーニング処理には、3つの形態がある。第1の形態は、クリーニング画像を製版して印刷ドラム8に巻着し、所定枚数印刷用紙20を通紙してクリーニング印刷を行う形態である。第2の形態は、クリーニング画像の製版や通紙は行わず、未製版の孔版原始を印刷ドラム8に巻着し、所定回数印圧動作を行う形態。第3の形態は、第1及び第2の形態を複合して行う形態である。
第1の実施形態から第3の実施形態まで以下に説明するが、各形態において制御手段70は、制御内容が異なる以外は同一構成であるので、各形態の制御手段には同一の符号を付し、制御内容やそれにかかわる設定について各形態で述べた後、動作を説明する。
(第1の実施形態)
この形態はおける制御手段70は、請求項1から請求項5及び請求項9,11,12に記載の機能を備えている。すなわち、制御手段70は、種別センサ19で検出されたインキがエマルジョンインキの場合にはインキクリーニングモードを無効とし、乾燥定着性向上型インキを検出した場合には、インキクリーニングモードを設定するか否かを液晶表示部39に表示する機能を備えている。制御手段70は、インキクリーニングモードキー41によりインキクリーニングモードが設定されている場合、インキクリーニング処理を実行すべく、サーマルヘッド駆動制御部43Aと搬送駆動43Bとドラム駆動部48を制御して、画像データメモリ42に記憶されたクリーニング用製版画像データに基づきクリーニング用製版と給版を行いドラム外周面8aに製版済孔版原始52を巻着し、用紙搬送駆動部44Aを駆動して印刷用紙20を給紙し、ドラム駆動制御部48と印圧駆動制御部45を駆動してドラムの回転とプレスローラ28の接離動作を行うクリーニング用印刷処理を行う。制御手段70は、インキクリーニングモードが設定されていて、用紙サイズ検出手段27からの検出情報に基づき用紙サイズを判断し、所定範囲の画像エリア62に対応するサイズの印刷用紙20が検出されない場合には液晶表示部39を作動させて用紙サイズ不良を警告する表示する。また、制御手段70は、光学センサ46と静電容量式センサ56からの検出情報に基づき、インキクリーニング処理の回数を変更する。例えば、光学センサ46と静電容量式センサ56からの検出情報が、予め設定された目標インキ残量に達しない場合には、インキクリーニング処理の回数を増加させるように機能する。制御手段70は、タイマ47による測定時間が予め設定された所定時間に達した場合には、インキクリーニング処理を自動的に実行させるように機能する。このため、第1の形態にかかる制御手段70のROMには、インキ識別判定情報、所定時間、クリーニング印刷の所定回数(通紙枚数情報)、目標インキ残量が予め設定されている。なお、クリーニング印刷動作回数は、通紙枚数を図示しないカウンタできカウントすることで検出する。
第1の形態の制御動作について図7に示すフローチャートに沿って説明する。ステップC1では、通常印刷の設定印刷枚数が終了したか否かが、図示しないカウンタの値から判断され、設定印刷枚数が終了している場合には、ステップC2に進む。ステップC2では各種センサ化背の情報の取込みと計測手段となるタイマ47による報知時間の計測を開始してステップC3に進む。ステップC3では、使用インキが乾燥定着性能向上型インキか否かが識別センサ19からの情報で判断される。ここで乾燥定着性能向上型インキである場合にはクリーニングの必要があるものとしてステップC4に進み、乾燥定着性能向上型インキでない場合にはエマルジョンインキであるものとしてステップC5に進む。エマルジョンインキの場合、長期間報知してもクリーニングの必要がないので、ステップC5ではインキクリーニングモードが設定されている場合にはその設定を無効(解除)し、設定されていなければインキクリーニングモードキー41の設定操作を無効にして、この制御を終える。このとき、制御手段70は、LEDランプ40は点灯せず、モード設定を表示する液晶表示部39に、「現在装着のドラムユニットではインキクリーニングモードは機能しません」と表示するようにしても良い。
ステップC4では、表示手段となる液晶表示部39にインキクリーニングモードの設定を確認する内容を表示してオペレータに知らせるとともにステップC6に進む。たとえば、液晶表示部39で「この後印刷機を24時間以上使用しない場合にはインキクリーニングモードを設定してください」と表示する。無論24時間以内に再使用する場合には、すぐにこの表示をキャンセルすることができる。
ステップC6ではインキクリーニングモードが設定されたか否かがインキクリーニングモードキー41の操作の有無から判断される。インキクリーニングモードキー41が押された場合には、インキクリーニングモードキー41が設定されたものとしてステップC7に進み、インキクリーニングモードキー41が設定されていない場合にはステップC8に進む。
ステップC8ではタイマ47による計測時間が所定時間を経過したか否かが判断される。所定時間としては例えば8時間程度とする。計測時間が所定時間を経過している場合には、放置によるインキ乾燥のおそれがあるものとしてステップC7に進み、計測時間が所定時間を経過していない場合には、クリーニングの必要はないのでこの制御を終える。
ステップC7では、給紙台21に所定サイズ(ここではA3サイズ)の印刷用紙がセットされているか否かが用紙サイズ検出センサ27の出力から判断される。用紙サイズが検出されない場合にはステップC10に進んで警告手段として液晶表示部39に警告表示する。例えばLEDランプ40を点灯させるとともに、「給紙台部にA3用紙をセットしてスタートキーを押してください」と警告表示する。所定サイズの用紙サイズが検出された場合には、製版しても問題ないものとしてステップC9に進み、スタートキー37が押されたか否かが判断される。スタートキー37がオペレータにより押された場合にはステップC11に進み、液晶表示部39にクリーニングモード実施表示をしてステップC12に進む。ステップC11では例えば「クリーニング処理を実施します」と表示する。
ステップC12からステップC14まではインキクリーニング処理である。本形態では、クリーニング用の製版の実行に先立ち、ステップC12において排版装置11を駆動してドラム外周面8aの使用済孔版原紙に対する排版処理を行う。押してステップC13において、クリーニング用の製版及び給版処理を実行する。製版処理は、内部画像データメモリ42から所定の繰り返しパターン画像(たとえば図6(a)に示す網点画像を選訳してこの画像情報をサーマルヘッド駆動制御部43に送る。これにより製版装置4は、孔版原紙5にサーマルヘッド7でA3サイズ画像エリア全面に網点画像穿孔製版を行う。こうして製版された製版済孔版原紙52は、給版ローラ41によって印刷ドラム8に向けて搬送されつつカッター10により所定長さに切断され、その先端がドラム外周面8aのクランパ9で係止され、その後印刷ドラム8が回転することでドラム外周面8aに巻き付け装着される。
続いてステップC14では、クリーニング用印刷処理が実施される。ここでは給紙装置44からA3サイズの印刷用紙20を給紙搬送し、プレスローラ28を接離動作させて印刷部Nにてこの印刷用紙のほぼ全面に網点画像印刷が実施され、ベルト搬送装置30によって搬送されて排紙台31に排出積載される。このようなクリーニング用印刷処理は、図示しないカウンタでカウントとされ、ステップC15において所定枚数に達するまで継続される。このようなクリーニング用印刷処理により、印刷ドラム8が保持しているインキは、A3サイズの製版済み孔原紙52とA3サイズの印刷用紙20に吸収されて消費され、その量は印刷が進むに連れて低下する。そしてクリーニング用印刷の枚数が所定枚数になるとステップC16に進む。
ステップC16では、光学センサ46と静電容量式センサ56によって検出される保有インキ量が、予め設定された目標インキ残量以下になったか否かが判断され、目標インキ残量以下の場合には充分に印刷ドラム8内のインキを消費したものとしてこの制御を終える。そして、この場合、液晶表示部39に「インキクリーニング動作は終了しました」と終了の表示を行うようにしても良い。
一方、所定枚数のクリーニング印刷を実行しても印刷ドラム8の保有インキ量が目標インキ残量以下にならない場合には、一連のクリーニング処理によるインキ消費では充分な消費をできないものとしてステップC12に戻り、クリーニング用に製版した孔版原始を排版処理し、ステップC13で再度クリーニング用の製版及び給版処理を実行し、ステップC14,C15においてクリーニング印刷処理を所定枚数となるまで実施する。これは、印刷によるインキ消費量よりも排版動作によって孔版原紙に付着して捨てられるインキ消費量が多いために、インキ消費を有効にする手段として行われる。但し、孔版原紙5は印刷用紙20よりも高価なので、その回数は制限されることになる。このため、基本的には1回のクリーニング処理の印刷で充分なインキ消費ができるだけのクリーニング印刷をするのが好ましく、ステップC15の所定枚数としては例えば30〜50枚が挙げられる。すなわち、試験により印刷枚数がA3サイズの印刷用紙30枚で目標インキ残量以下になるとした場合、所定枚数を15枚として2回のクリーニング処理を実施するよりも、所定枚数を30枚として1回のクリーニング処理を実施する方がコストの面だけでなく、排版処理や製版/給版処理が一度で済むのでクリーニング時間の短縮にもなるので好ましい。
このようなインキクリーニング処理を実行して印刷終了後の印刷ドラム8の保有インキ量を最小限まで除去した状態をつくることで、孔版印刷装置はその後何日放置されても、印刷ドラム8がインキで目詰まりするトラブルは起こらないことになる。このため、孔版印刷における印刷物画像の乾燥定着に非常に効果が大きいインキとなる乾燥定着性向上型インキを用いることが可能になり、紫外線硬化型のような特別インキを使用せず安価な従来型に近い孔版印刷インキを使用しながらも、印刷画像の乾燥性が良好で時間経過とともに完全に定着した印刷画像を得ることができる。そして放置後の印刷時に新しい乾燥定着性向上型インキが供給されれば、すぐに本来の印刷性能を発揮することができる。
また、本形態では、予め設定された画像データに基づいて孔版原紙5の所定範囲の画像エリアにクリーニング画像を製版し、この製版された孔版原紙52がドラム外周面8aに巻着されるので、インキクリーニングのために特別な原稿を必要とせずに最適なインキ消費のためのサイズとパターンの画像を製版して、印刷ドラム8が保有するインキを効率的に印刷用紙20に転移させて消費しながらも、印刷物の排出トラブル発生を防止することができる。また、クリーニング用に製版された孔版原始の所定範囲の画像エリアに対応する用紙サイズがセットされていない場合には用紙サイズ不良がオペレータに警告されることで、インキクリーニングの印刷画像エリアよりも小さな用紙サイズへのクリーニング印刷が防止されるため、インキが用紙サイズから外にはみ出すことがなくなり、プレスローラ28をインキで汚してしまうというトラブルの発生を、未然に防止することができる。
また、保有インキ量が予め設定された目標インキ残量以下に達しない場合はインキクリーニング処理回数を増加するので、インキの消費を確実に行いながらも最小限の用紙枚数に抑えられ、インキ回収不足による印刷ドラム8の目詰まりをより防止しながらコスト抑制と廃棄物低減を図ることができる。さらに、タイマ47による測定時間が予め設定された所定時間に達した場合には、インキクリーニング処理が自動的に実行されるので、オペレータがインキクリーニングモードの設定を忘れても、放置時のインキ乾燥による印刷ドラム8の目詰まりを防止することができる。
(第2の実施形態)
この形態はおける制御手段70は、種別センサ19で検出されたインキがエマルジョンインキの場合にはインキクリーニングモードを無効とし、乾燥定着性向上型インキを検出した場合には、インキクリーニングモードを設定するか否かを液晶表示部39に表示する機能を備えている。制御手段70は、インキクリーニングモードが設定されている場合には、未製版の孔版原紙5をドラム外周面8aに巻着するように搬送駆動部43Bとドラム駆動部48を駆動して製版装置4と印刷ドラム8の動作を制御すると共に、印刷駆動制御部45を制御してプレスローラ28によるクリーニング印圧動作を所定回数行うように制御して、印刷ドラム8が保有するインキを除去するインキクリーニング処理を実行する。制御手段70は、光学センサ46と静電容量式センサ56からの検出情報に基づき、インキクリーニング処理の回数を変更する。例えば、光学センサ46と静電容量式センサ56からの検出情報が、予め設定された目標インキ残量に達しない場合には、インキクリーニング処理の回数を増加させるように機能する。制御手段70は、タイマ47による測定時間が予め設定された所定時間に達した場合には、インキクリーニング処理を自動的に実行させるように機能する。このため、第2の形態にかかる制御手段70のROMには、インキ識別判定情報、所定時間、クリーニング印圧動作の所定回数、目標インキ残量が予め設定されている。なお、クリーニング印圧動作回数は、図示しない図示しないカウンタできカウントすることで検出する。
第2の形態の制御動作について図8に示すフローチャートに沿って説明する。なお、第2及び第3の形態を説明するフローチャートを説明するにあたり、図7のフローチャートと同様の制御内容のステップの説明は、煩雑になるので図7のステップを参照するに留め、詳細な説明は省略する。
図8に示すフローチャートにおいて、ステップD1からD6及びステップD8については、図7のステップC1からC6及びステップC8と同様の内容であるのでステップD7周辺から説明する。本形態と第1の形態の違いは、インキクリーニング処理に際し、製版しない点と印刷用紙20を給紙しない点である。このため、図8のフローチャートでは図7のステップC7が省かれている。
ステップD6ではインキクリーニングモードが設定されたか否かがインキクリーニングモードキー41の操作の有無から判断される。インキクリーニングモードキー41が押された場合には、インキクリーニングモードキー41が設定されたものとしてステップD7に進み、インキクリーニングモードキー41が設定されていない場合にはステップD8に進む。ステップD8ではタイマ47による計測時間が所定時間を経過したか否かが判断される。所定時間としては例えば8時間程度とする。計測時間が所定時間を経過している場合には、放置によるインキ乾燥のおそれがあるものとしてステップD7に進み、計測時間が所定時間を経過していない場合には、クリーニングの必要はないのでこの制御を終える。
ステップD7では、スタートキー37が押されたか否かが判断される。スタートキー37がオペレータにより押された場合にはステップD9に進み、液晶表示部39にクリーニングモード実施表示をしてステップD10に進む。ステップD9では例えば「クリーニング処理を実施します」と表示する。
ステップD10からステップD12までは第2の形態のインキクリーニング処理である。本形態ではステップD11での製版装置4による未製版孔版原始の給版処理の実行に先立ち、ステップD10において排版装置11を駆動してドラム外周面8aの使用済孔版原紙に対する排版処理を行う。押してステップD11において、未製版孔版原始の給版処理を実行する。給版処理では、搬送駆動部43Bを駆動して未製版の孔版原始5を給版ローラ41によって印刷ドラム8に向けて搬送されつつカッター10により所定長さに切断され、その先端がドラム外周面8aのクランパ9で係止され、その後印刷ドラム8が回転することでドラム外周面8aに巻き付け装着される。
続いてステップD12では、クリーニング用印圧処理が実施される。印圧駆動制御部47とドラム駆動制御部48とを駆動して印刷ドラム8を低速で所定回数回転させると共に。プレスローラ28をドラム回転回数に対応させて接離動作する。プレスローラ28がドラム外周面8aに圧接すると、巻着されている未製版の孔版原始5がドラム外周面8aに押圧される。このとき。孔版原紙は穿孔製版されていないので、直接に印刷用紙無しで印圧を加えてもプレスローラ28の表面がインキで汚れることはない。このようにプレスローラ8による押圧力が加わると、印刷ドラム8が保有するインキは孔版原紙5の多孔質支持体中に浸透充満する。このときドラム回転回数として2〜5回程度を想定している。つまりクリーニング印圧胴の所定回数は2回から5回とされている。このようなクリーニング用印圧処理の回数は、図示しないカウンタでカウントとされ、ステップD13において所定枚数に達するまで継続される。このようなクリーニング用印圧処理により、印刷ドラム8が保持しているインキはA3サイズの未製版孔原紙5に吸収されて印刷ドラム8から消費され、その量は印圧回数が連れて低下する。そしてクリーニング用印圧回数が所定枚数になるとステップD14に進む。
ステップD14では、光学センサ46と静電容量式センサ56によって検出される印刷ドラム8の保有インキ量が、予め設定された目標インキ残量以下になったか否かが判断され、目標インキ残量以下の場合には充分に印刷ドラム8内のインキを消費したものとしてこの制御を終える。そして、この場合、液晶表示部39に「インキクリーニング動作は終了しました」と終了の表示を行うようにしても良い。
一方、所定回数のクリーニング印圧動作を実行しても印刷ドラム8の保有インキ量が目標インキ残量以下にならない場合には、一連のクリーニング処理によるインキ消費では充分な消費をできないものとしてステップD10に戻り、クリーニング用に巻着して未製版孔版原始を排版処理し、ステップD11で再度クリーニング用に未製版孔版原始の給版処理を実行し、ステップD12、デー13においてクリーニング印圧回数が所定回数となるまで実施し、目標インキ残量以下となるとこの制御を終了する。
このように、未製版の孔版原紙5がドラム外周面8aに巻着され、プレスローラ28によるクリーニング印圧動作が所定回数実行されるので、印刷用紙20を通紙してインキを消費する第1の形態よりも短時間でより多くのインキを未製版孔版原紙5で吸収することができ、このインキを吸収した孔版原紙5を排版することで、効率的にインキクリーニングを行うことができる。このため、放置時のインキ乾燥による印刷ドラム8の目詰まりを防止することができ、孔版印刷における印刷物画像の乾燥定着に非常に効果が大きい乾燥定着性向上型インキを用いることが可能になり、紫外線硬化型のような特別インキを使用せず安価な従来型に近い孔版印刷インキを使用しながらも、印刷画像の乾燥性が良好で時間経過とともに完全に定着した印刷画像を得ることができる。
また、印刷ドラム8の保有インキ量が予め設定された目標インキ残量以下に達しない場合はインキクリーニング処理回数を増加するので、インキの消費を確実に行いながらも最小限の孔版原始5の使用枚数に抑えられ、インキ回収不足による印刷ドラム8の目詰まりをより防止しながらコスト抑制と廃棄物低減を図ることができる。さらに、タイマ47による測定時間が予め設定された所定時間に達した場合には、インキクリーニング処理が自動的に実行されるので、オペレータがインキクリーニングモードの設定を忘れても、放置時のインキ乾燥による印刷ドラム8の目詰まりを防止することができる
(第3の実施形態)
この形態にかかる制御手段70は、第1及び第2の形態の機能を持ち合わせたものである。その特徴はインキクリーニングモードが設定されていない状態で計測時間が所定時間経過している場合、印刷用紙20のサイズを再度判断し、製版済孔版原始52の画像領域に対応する用紙サイズが装置セットされていない場合には、第2の形態を実行する点にある。
第3の形態の制御動作について図9,10に示すフローチャートに沿って説明する。図10は、図9の端子A、Bにつながるフローチャートである。図9に示すフローチャートにおいて、ステップE1からステップT16までは、図7に示す第1の形態のステップC1からステップC16と同様、製版と通紙を行うインキクリーニング処理に関する部分である。また、図10においてステップE18からステップE23は、図8に示す第2の形態のステップD9からステップD14と同様、未製版孔版原始の給版と、プレスローラ28によるクリーニング印圧処理を行うインキクリーニング処理に関する部分である。このため本形態では、製版と通紙を行うインキクリーニング処理と未製版孔版原始の給版とプレスローラ28によるクリーニング印圧処理の切替部分に主に説明することとする。
図9のステップE6ではインキクリーニングモードが設定されたか否かがインキクリーニングモードキー41の操作の有無から判断される。インキクリーニングモードキー41が押された場合には、インキクリーニングモードキー41が設定されたものとしてステップE7に進み、用紙サイズを検出され、その後スタートキー37が押されると、ステップE12からステップE14において製版と通紙を行うインキクリーニング処理が実行される。
ステップE6においてインキクリーニングモードキー41が設定されていない場合には図10のステップE8に進む。ステップE8ではタイマ47による計測時間が所定時間を経過したか否かが判断される。計測時間が所定時間を経過している場合には、放置によるインキ乾燥のおそれがあるものとしてステップE17に進む。ステップE17では、給紙台21に所定サイズ(ここではA3サイズ)の印刷用紙20がセットされているか否かが用紙サイズ検出センサ27の出力から判断され、所定サイズの用紙サイズが検出された場合には、図9のステップE11に進み、液晶表示部39に例えば「クリーニング処理を実施します」などのクリーニングモード実施表示をしてステップE12からE14のインキクリーニング処理を、印刷ドラム8の保有インキ量が目標インキ残量以下になるまで継続して繰り返し実行され、目標インキ残量以下になるとこの制御を終了する。ここでスターキー37を操作しないでステップE12からE14のインキクリーニング処理を実行するのは、ステップE8において、すでに所定時間経過していてインキクリーニングが必要なため、自動的にインキクリーニング処理を実行するためである。
図10のステップE17において、用紙サイズが検出されない場合にはステップE18に進み、例えば「クリーニング処理を実施します」と液晶表示部39にクリーニングモード実施表示をしてステップE19に進む。そして、ステップE19からE21のインキクリーニング処理が、印刷ドラム8の保有インキ量が目標インキ残量以下になるまで継続して繰り返し実行され、目標インキ残量以下になるとこの制御を終了する。ここでスターキー37を操作しないでステップE19からE21のインキクリーニング処理を実行するのは、ステップE8において、すでに所定時間経過していてインキクリーニングが必要なため、自動的にインキクリーニング処理を実行するためである。
このように、異なる2つのインキクリーニング処理を1つの処理ルーチンの中で選択的に実行するように構成することで、機器の状態にマッチしたインキクリーニングを行うことができる。このため、放置時のインキ乾燥による印刷ドラム8の目詰まりを防止することができ、孔版印刷における印刷物画像の乾燥定着に非常に効果が大きい乾燥定着性向上型インキを用いることが可能になり、紫外線硬化型のような特別インキを使用せず安価な従来型に近い孔版印刷インキを使用しながらも、印刷画像の乾燥性が良好で時間経過とともに完全に定着した印刷画像を得ることができる。
また、放置されている経過時間が所定時間を越えている場合には特別な装置をすることなく自動的に何れかのインキクリーニング処理を実行することができるので、より多様にインキクリーニングを行うことができ、印刷ドラム8の目詰まりをより効果的に効率的に防止することができる。さらに、第1の形態と第2の形態の効果を得ることは言うまでもない。
第1の形態から第3の形態においては、種別センサ19がエマルジョンインキを検出した場合にはインキクリーニングモードが解除されるかキー操作が無効にされるので、硬化乾燥度合いの要求に応じて印刷インキの種類として最適なインキを用いることが可能になり、エマルジョンインキであるのに間違ってインキクリーニングモードが実施されることを防止でき、不要な通紙印刷による印刷用紙20の無駄使いや孔版原紙5の無駄使いを防止することができる。また、種別センサ19が乾燥定着性向上型インキを検出した場合には、インキクリーニングモードを設定するか否かが液晶表示部39に表示されるので、オペレータに対してインキクリーニングモードの実行の確認動作を促すことができ、乾燥定着性向上型インキ使用中でありながら、クリーニングモードの実施を忘れによる長時間放置による印刷ドラム8の目詰まりというトラブルの発生を確実に防止することができる。
上記各形態においては、1回のインキクリーニング処理を実行しても印刷ドラム8の保有するインキ量が充分に低減しないので、そのような場合には安全対策として、複数回のインキクリーニング処理を実行するようにしているが、印刷ドラム8に対するインキ供給量を少なくすれば、インキクリーニング処理の回数を低減でき、より効率的なものとなる。
そこで、図11に示すように、ドラム内周面8bのインキ供給量を調整するインキ供給量調整手段80を設け、インキクリーニングモードが設定されている場合、ドラム内周面8bのインキ供給量を減少又は停止するようにインキ供給量調整手段80の動作を各形態の制御手段70で制御するようにしても良い。
インキ供給量調整手段80は、印刷ドラム8の内部に設けるものである。インキ供給量調整手段80は、インキ溜まり55に対して進退自在に支持されたインキ供給遮断シート81とその駆動機構から構成されている。駆動機構は、駆動モータ82と、駆動モータ82によって回転されるピニオン歯車83が噛合するラック歯部84を供えたスライド部材85から構成されている。インキ供給遮断シート81はラック歯部84に取り付けられていて、ラック歯部84の移動に伴いインキ溜まり55に対して進退自在に移動する。
制御手段70は、インキクリーニングモードが設定されている場合には、インキ供給遮断シート81がインキ溜まり55に侵入する方向に駆動モータ82を駆動させ、インキクリーニングモードが設定されていない場合、あるいは設定が解除された場合には、インキ供給遮断シート81がインキ溜まり55から離脱する方向に駆動モータ82を駆動させるように制御する。ドラム内周面8bに対するインキ供給はインキ供給ローラ53の外周面を介して行われるので、インキ溜まり55に対するインキ供給遮断シート81の侵入量を調整することで、減少あるいは停止させることができる。このような制御手段70によるインキ供給量調整処理は、各形態において、インキクリーニング処理で実行するようにすれば良い。
このようなインキ供給量調整手段80の動作が制御されてドラム内周面8bへのインキ供給量が減少又は停止すように構成することで、通紙枚数や孔版原紙5の消費枚数を極力少なく抑えることができるとともに、インキクリーニング処理の実施時間の短縮化を図ることができる。
なお、乾燥定着向上型インキは印刷ドラム8に浸透してその表面積を拡大することで空気に触れる面積が大になって固化するため、乾燥定着向上型インキであっても、インキ溜まり55として塊の状態でいる場合には固化しにくいので、このような方法が採用できる。
本発明の一構成例を示す孔版印刷装置の概略正面図である。 (a)は印刷ドラムの内部構成を示す拡大図、(b)は(a)の部分領域の拡大図をそれぞれ示す。 印刷ドラムユニットの形態を示す概略図である。 操作パネルの部分拡大図である。 本発明の制御手段とそれにつながる構成のブロック図である。 インキクリーニング用の製版画像が形成された孔版原紙と製版画像のパターンを示す拡大図である。 本発明の第1の形態にかかる制御手段による制御のフローチャートである。 本発明の第2の形態にかかる制御手段による制御のフローチャートである。 本発明の第3の形態にかかる制御手段による制御のフローチャートである。 図9の端子につながるフローチャートである。 インキ供給量調整手段の構成を示す拡大図である。
符号の説明
4 製版装置
5 未製版の孔版原紙
8 版胴
8a 外周面
8b 内周面
19 インキ種類判別手段
20 印刷用紙
22,23 給紙手段
27 用紙サイズ検出手段
28 印圧手段
39 警告手段、表示手段
40 表示手段
41 クリーニングモード設定手段
46,46a,56 インキ量検出手段
52 製版された孔版原紙
53,54 インキ供給装置
57 測定手段
62 所定範囲の画像エリア
70 制御手段
80 インキ供給量調整手段、
N 印刷部

Claims (9)

  1. 製版された孔版原紙がその外周面に巻着され、インキ供給装置によってその内周面にインキが供給される版胴を回転させ、前記版胴に向かって給紙された印刷用紙を前記版胴外周面に印圧手段で押圧することで、前記孔版原紙の穿孔製版部を通過したインキを前記印刷用紙上に転移させて印刷を行う孔版印刷装置において、
    前記版胴が保有するインキを除去するインキクリーニングモードを設定するクリーニングモード設定手段と、
    前記印刷用紙を前記版胴と前記印圧手段との間に形成される印刷部に向かって給紙する給紙手段と、
    前記版胴内のインキの種類を判別するインキ種類判別手段と、
    前記クリーニングモード設定手段によりインキクリーニングモードが設定されている場合、前記版胴が保有するインキを除去するインキクリーニング処理を実行すべく、前記給紙手段により前記印刷用紙を給紙するとともに前記版胴と前記印圧手段のそれぞれの動作を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記インキ種類判別手段がエマルジョンインキを検出した場合には前記インキクリーニングモードを無効にすることを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 請求項1記載の孔版印刷装置において、
    表示手段と、前記版胴内のインキの種類を判別するインキ種類判別手段を有し、
    前記制御手段は、前記インキ種類判別手段が乾燥定着性向上型インキを検出した場合には、前記インキクリーニングモードを設定するか否かを前記表示手段に表示することを特徴とする孔版印刷装置。
  3. 製版された孔版原紙がその外周面に巻着され、インキ供給装置によってその内周面にインキが供給される版胴を回転させ、前記版胴に向かって給紙された印刷用紙を前記版胴外周面に印圧手段で押圧することで、前記孔版原紙の穿孔製版部を通過したインキを前記印刷用紙上に転移させて印刷を行う孔版印刷装置において、
    前記版胴が保有するインキを除去するインキクリーニングモードを設定するクリーニングモード設定手段と、
    前記印刷用紙を前記版胴と前記印圧手段との間に形成される印刷部に向かって給紙する給紙手段と、
    表示手段と、前記版胴内のインキの種類を判別するインキ種類判別手段と、
    前記クリーニングモード設定手段によりインキクリーニングモードが設定されている場合、前記版胴が保有するインキを除去するインキクリーニング処理を実行すべく、前記給紙手段により前記印刷用紙を給紙するとともに前記版胴と前記印圧手段のそれぞれの動作を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記インキ種類判別手段が乾燥定着性向上型インキを検出した場合には、前記インキクリーニングモードを設定するか否かを前記表示手段に表示することを特徴とする孔版印刷装置。
  4. 請求項1、2または3記載の孔版印刷装置において、
    未製版の孔版原紙に画像データに応じた穿孔製版するとともに前記版胴に向かって製版された孔版原紙を搬送する機能を備えた製版装置を有し、
    前記制御手段は、前記インキクリーニングモードが設定されている場合、予め設定された画像データに基づいて前記孔版原紙の所定範囲の画像エリアにクリーニング画像を製版し、この製版された孔版原紙を前記版胴外周面に巻着するように前記製版装置と前記版胴の動作を制御することを特徴とする孔版印刷装置。
  5. 請求項4記載の孔版印刷装置において、
    前記印刷用紙のサイズを検出する用紙サイズ検出手段と、用紙サイズ不良を警告する警告手段を有し、
    前記制御手段は、前記インキクリーニングモードが設定されている場合、前記用紙サイズ検出手段からの検出情報に基づき用紙サイズを判断し、前記所定範囲の画像エリアに対応するサイズの印刷用紙が検出されない場合には前記警告手段を作動させて用紙サイズ不良を警告することを特徴とする孔版印刷装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1項に記載の孔版印刷装置において、
    前記版胴が保有するインキ量を検出するインキ量検出手段を有し、
    前記制御手段は、前記インキ量検出手段からの検出情報に基づき、前記インキクリーニング処理の回数を変更することを特徴とする孔版印刷装置。
  7. 請求項6記載の孔版印刷装置において、
    前記制御手段は、前記インキ量検出手段からの検出情報が、予め設定された目標インキ残量に達しない場合には、前記インキクリーニング処理の回数を増加させることを特徴とする孔版印刷装置。
  8. 請求項1ないしの何れか1項に記載の孔版印刷装置において、
    装置不使用経過時間を測定する測定手段を有し、
    前記制御手段は、前記測定手段による測定時間が予め設定された所定時間に達した場合には、前記インキクリーニング処理を実行させることを特徴とする孔版印刷装置。
  9. 請求項1ないし8の何れか1項に記載の孔版印刷装置において、
    前記版胴内周面へのインキ供給量を調整するインキ供給量調整手段を有し、
    前記制御手段は、前記インキクリーニングモードが設定されている場合、前記版胴内周面へのインキ供給量を減少又は停止するように前記インキ供給量調整手段の動作を制御することを特徴とする孔版印刷装置。
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