JP3826592B2 - ターボ過給機付エンジンの制御装置 - Google Patents

ターボ過給機付エンジンの制御装置 Download PDF

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に搭載されるターボ過給機付エンジンの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平8−338318号公報に示されるように、ディーゼルエンジンの排気ガスを吸気通路内に還流させるEGR通路(排気還流通路)と、このEGR通路に設けられて上記排気還流量を調節するEGR弁(排気還流弁)とを有するディーゼルエンジン用排気還流装置において、NOxを低減しつつスモークの発生を抑制すべく、空気過剰率(空燃比)の目標値を定め、これと検出値との偏差をなくすように、上記EGR弁を制御することが行われている。
【0003】
また、例えば特開平10−47070号公報に示されるように、ターボ過給機のタービンに対して排気流通面積を変化させる可変翼を設けることにより、運転状態に応じて過給状態を制御し得るようにしたターボ過給機付エンジンも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような可変翼を備えたターボ過給機付エンジンにおいて、過給圧をコントロールする制御方法としては、過給機下流の吸気通路に設けた吸気圧力センサにより実吸気圧を検出するとともに、運転状態に応じて目標吸気圧を設定し、この目標吸気圧と実吸気圧との偏差に応じて上記可変翼の開度を制御するための制御量を求め、その制御量を可変翼の駆動手段に出力することにより、実吸気圧が目標吸気圧になるように可変翼をフィードバック制御することが考えられている。
【0005】
ところが、このように吸気圧に応じて可変翼をフィードバック制御する場合、特に上記排気還流装置を備えたエンジンにおいては次のような問題が残されている。
【0006】
すなわち、実吸気圧が目標吸気圧となるように制御されている状態において、例えば加速運転から減速運転に移行する過渡運転時には、負荷の低下に伴い目標吸気圧が急減するが、実吸気圧の低下には応答遅れがあるため、実吸気圧と目標吸気圧との偏差が大きくなり、この偏差に応じた過給圧フィードバック制御により上記可変翼が全開もしくはそれに近い開度に開かれる。
【0007】
一方、排気還流装置においては、運転状態が低負荷側に移行するに伴いEGR量を多くするようにEGR弁の開度が調整されるが、可変翼が全開もしくはそれに近い開度に開かれることにより、排気圧が低下し、排気圧と吸気圧との差圧が小さくなるため、排気系から吸気系へ排気ガスを導出する作用が阻害される。従って、上記過渡運転時に排気還流量が不足してNOx低減効果が不充分となる。
【0008】
さらに、減速運転等への移行時に上記のように可変翼が大きく開かれると、過給効率が低下するため、この状態からの再加速時に吸気圧の上昇が遅れ、加速性能が悪くなるといった問題もある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、実吸気圧が目標吸気圧となるように制御されている状態において目標吸気圧が急減する過渡運転時に、排気還流量が不足することを防止してNOx低減効果を良好に保つことができ、かつ、再加速時の加速性能を向上することができるターボ過給機付エンジンの制御装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、ディーゼルエンジンの排気通路にターボ過給機のタービンへの排気流通面積を変化させる可変翼を備えるとともに、排気通路における上記可変翼の上流と吸気通路とを排気還流通路により連通し、この排気還流通路に排気還流量を調節する排気還流弁を介設したターボ過給機付のディーゼルエンジンにおいて、ターボ過給機のコンプレッサより下流の吸気圧力状態を検出する吸気圧力検出手段と、この吸気圧力検出手段により検出される圧力が目標吸気圧となるように可変翼を制御する過給圧フィードバック制御手段と、目標吸気圧が急減する過渡運転時に上記可変翼の開方向の動作を抑制する抑制手段とを備え、さらに、吸気通路における排気還流通路接続個所の上流に吸気絞り弁を設け、この吸気絞り弁より下流に吸気圧力検出手段を配置するとともに、上記抑制手段は、排気還流が行われる運転領域で、目標吸気圧が急減する過渡運転時に上記吸気絞り弁を絞るようにしたものである。
【0011】
この構成によると、排気還流が行われる運転領域で、目標吸気圧が急減する過渡運転時に、目標吸気圧の変化に対し実吸気圧の変化が遅れることにより過給圧フィードバック制御手段による制御では上記可変翼が大きく開かれる傾向があるのに対し、上記抑制手段により可変翼の開方向の動作が抑制される。つまり吸気圧力検出手段で検出される吸気圧が低下して、目標吸気圧との偏差が小さくなることにより、過給圧フィードバック制御手段によって制御される可変翼の開方向の動作が抑制されることとなる。このため、排気還流通路に作用する排気圧が低くなりすぎることが避けられ、排気系から吸気系への排気ガス導出作用が良好に保たれる。
【0014】
上記抑制手段は、目標吸気圧が急減する過渡運転時に、吸気絞り弁を絞るとともに排気還流弁の開度を大きくするように制御すること(請求項)が好ましく、こうすることにより上記過渡運転時に排気還流量が充分に確保される。
【0015】
上記吸気絞り弁は、吸気通路における過給機のコンプレッサの下流にインタークーラが設けられているエンジンにあってはこのインタークーラの下流に配置すること(請求項)が好ましく、このようにすれば、吸気絞り弁より下流にインタークーラが存在する場合と比べ、吸気絞り弁下流の吸気通路の容量が小さくなるので、吸気絞り弁を絞ることに伴う吸気絞り弁下流の吸気圧の低下が速められる。
【0016】
さらに、吸気絞り弁を、吸気通路におけるサージタンクの下流に設ければ(請求項)、吸気絞り弁下流の吸気通路の容量がより小さくなり、吸気絞り弁を絞ることに伴う吸気絞り弁下流の吸気圧の低下が一層速められる。
【0017】
請求項に係る発明は、ディーゼルエンジンの排気通路にターボ過給機のタービンへの排気流通面積を変化させる可変翼を備えるとともに、排気通路における上記可変翼の上流と吸気通路とを排気還流通路により連通し、この排気還流通路に排気還流量を調節する排気還流弁を介設したターボ過給機付のディーゼルエンジンにおいて、ターボ過給機のコンプレッサより下流の吸気圧力状態を検出する吸気圧力検出手段と、この吸気圧力検出手段により検出される圧力が目標吸気圧となるように可変翼を制御する過給圧フィードバック制御手段と、目標吸気圧が急減する過渡運転時に、過給圧フィードバック制御による可変翼の制御量の変化を制限することにより上記可変翼の開方向の動作を抑制する抑制手段とを備え、過給圧フィードバック制御手段は、吸気圧力検出手段により検出される圧力と目標吸気圧との偏差に基づいて演算される制御量により可変翼を制御し、抑制手段は、上記偏差について不感帯を設定し、上記偏差が不感帯の範囲内にあれば過給圧フィードバック制御手段によるフィードバック制御を停止するようになっており、その不感帯の幅は低負荷ほど大きく設定されているものである。
【0018】
この構成によると、過渡運転時であって運転状態が低負荷側に移行するような場合、上記不感帯の範囲が大きくされ、上記偏差がこの不感帯内にあればフィードバック制御が停止されることで可変翼の動作が抑制される。
【0019】
この発明において、上記抑制手段は、さらに、少なくとも目標吸気圧が急減する過渡運転時に、少なくとも可変翼開方向への制御量の変化に対してガード値を設定し、上記制御量がガード値を超えないように制限するようになっていることが好ましい(請求項)。このようにする場合、過給圧フィードバック制御手段は、吸気圧力検出手段により検出される圧力と目標吸気圧との偏差に基づいて演算される制御量により可変翼を制御し、抑制手段は、運転状態に応じた制御量の許容範囲を設定して、上記制御量の演算値が許容範囲から逸脱したときに、ガード値に相当する許容範囲の限界値を制御量とすればよい(請求項)。
【0020】
このようにすれば、可変翼の開方向の動作が上記ガード値に対応する開度までに抑制される。
【0024】
また、排気還流が行われる運転領域で、空燃比が目標空燃比となるように排気還流弁を制御する排気還流弁制御手段を備えていること(請求項)が好ましい。このようにすれば、NOxやスモークの低減に適した空燃比が得られるように排気還流量が制御される。そして、過渡運転時に上記可変翼の開方向の動作が抑制されて、排気還流通路に作用する排気圧が低くなりすぎることが避けられることにより、過渡運転時にも排気還流量の制御が良好に行われる。
【0025】
なお、目標吸気圧が急減する過渡運転時は、例えば、加速運転から定常運転もしくは減速運転への移行時である(請求項)。あるいはまた、エンジンに連結された変速機の変速時である(請求項10)。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る制御装置を備えたターボ過給機付エンジンの実施形態を示している。図示のエンジンはディーゼルエンジンであり、そのエンジン本体1には吸気通路2及び排気通路3が接続されている。また、このエンジンにはターボ過給機5が装備され、このターボ過給機5は、吸気通路2に設けられたコンプレッサ6と、コンプレッサ6を排気エネルギーにより駆動するために排気通路3に設けられたタービン7とを備えるとともに、後述のような可変翼8を具備している。さらにこのエンジンには、排気通路3と吸気通路2とを連通するEGR通路11と、このEGR通路11に介設されたEGR弁(排気還流弁)12とを有するEGR装置(排気還流装置)が設けられている。
【0027】
エンジン各部の構造を具体的に説明すると、エンジン本体1の各シリンダ14には燃焼室内に燃料を噴射する多噴口の燃料噴射弁15が配設されている。これらの燃料噴射弁15の燃料入口側は分配通路16を介してコモンレール(共通管)17に接続され、このコモンレール17が燃料噴射ポンプ18に接続されており、燃料噴射ポンプ18から送給された燃料がコモンレール17で蓄圧された上で各燃料噴射弁15に送られるようになっている。各燃料噴射弁15は、制御信号に応じて燃料噴射時間及び噴射時期の制御が可能な構造となっている。各燃料噴射弁15の燃料出口側はリターン通路19に接続されている。
【0028】
上記吸気通路2には、その上流側から順にエアフローセンサ21と、ターボ過給機5のコンプレッサ6と、インタークーラ22と、吸気絞り弁23と、サージタンク24とが配設されるとともに、サージタンク24に吸気圧力センサ(吸気圧力検出手段)25が設けられている。
【0029】
上記吸気絞り弁23は、特定運転領域でEGR導入促進等のため吸気通路2を絞るものであり、負圧応動式のアクチュエータ23aにより駆動されるようになっている。このアクチュエータ23aは電磁弁26Aを介してバキュームポンプ27に接続されており、上記電磁弁26Aがデューティ制御されることでアクチュエータ23aに対する負圧と大気圧との導入割合が調整され、これにより吸気絞り弁23の開度が制御されるようになっている。
【0030】
また、上記排気通路3には、ターボ過給機5のタービン7と、触媒コンバータ28とが配設されている。
【0031】
上記ターボ過給機5は、図2に示すようにタービン7の周囲にノズルを形成する多数の可変翼8を備えたVGT(バリアブルジオメトリーターボ)からなっている。すなわち、このターボ過給機5(以下、VGT5と呼ぶ)は、可変翼8の角度調節により、図2(a)に示す全閉(流通面積最小)から図2(b)に示す全開(流通面積最大)までにわたり可変翼8の開度つまりノズル開口面積(タービンへの排気流通面積)が可変となり、これによってタービン効率が制御されるように構成されている。
【0032】
図1中に示すように上記可変翼8は負圧応動式のアクチュエータ8aにより駆動され、このアクチュエータ8aは電磁弁26Bを介してバキュームポンプ27に接続されている。そして、上記電磁弁26Bがデューティ制御されることでアクチュエータ8aに対する負圧と大気圧との導入割合が調整され、これによりVGT5の可変翼開度が制御されるようになっている。
【0033】
また、上記EGR通路11は、その一端部が排気通路3におけるタービン7の上流側、例えば排気マニフォールドの集合部に接続されるとともに、他端部が上記吸気通路2における吸気絞り弁23の下流側、例えばサージタンク24もしくはその上流に接続されている。このEGR通路11に介設されたEGR弁12は、デューティ制御可能な電磁弁26Cを介してバキュームポンプ27に接続され、上記電磁弁26Cがデューティ制御されることでEGR弁12の負圧室に対する負圧と大気圧との導入割合が調整され、これによりEGR弁12の開度が制御されるようになっている。
【0034】
上記燃料噴射弁15及び上記各電磁弁26A,26B,26Cにはコントロールユニット(ECU)30から制御信号が出力される。このECU30には、上記エアフローセンサ21及び吸気圧力センサ25からの信号が入力され、さらに、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ31、エンジンのクランク角を検出するクランク角センサ32、上記コモンレール17内の燃料圧力を検出するコモンレール圧力センサ33等からの信号も入力されるようになっている。
【0035】
そして、上記ECU30から燃料噴射弁15に出力される制御信号により燃料噴射弁15からの燃料噴射量及び噴射時期が制御され、また電磁弁26A,26B,26Cに出力される制御信号(デューティ信号)により吸気絞り弁23、VGT5の可変翼8及びEGR弁12がそれぞれ制御されるようになっている。
【0036】
上記ECU30は、図3に示すように、燃料噴射弁15の燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段35と、コモンレール17内の燃料圧力を制御するコモンレール圧制御手段36と、EGR弁12を制御するEGR制御手段(排気還流弁制御手段)41と、VGT5の可変翼開度を制御することによって過給圧を制御する過給圧フィードバック制御手段42と、吸気絞り弁23を制御する吸気絞り弁制御手段43とを有している。
【0037】
上記燃料噴射量制御手段35は、アクセル開度センサ31によって検出されたアクセル開度Accelと、エンジン回転数検出手段51によってクランク角信号の周期の計測等により検出されたエンジン回転数Neとに基づき、予め設定されたマップ37からエンジンの目標トルクTrqsolを読み出すとともに、この目標トルクTrqsolと、エンジン回転数Neと、上記エアフローセンサ21によって検出された実新気量FAirとに基づき、予め設定された三次元マップ38から目標燃料噴射量Fsolを読み出し、この目標燃料噴射量Fsolと、コモンレール圧力センサ21によって検出されたコモンレール17内の燃料圧力CRPとに基づいて燃料噴射弁15の励磁時間を調節することにより、燃料噴射量を制御するように構成されている。
【0038】
コモンレール圧力制御手段36は、上記目標トルクTrqsolとエンジン回転数Neとに基づき、予め設定されたマップ39から目標コモンレール圧力CRPsolを読み出し、この目標コモンレール圧力CRPsolと検出された燃料圧力CRPとに基づいて燃料系に設けられた図外の燃料圧力調整手段を制御するようになっている。
【0039】
また、EGR制御手段41は、EGRを行う運転領域で、空燃比が目標空燃比A/FsolとなるようにEGR弁12をフィードバック制御する。すなわち、フィードバック制御時には、上記目標トルクTrqsolとエンジン回転数Neとに基づいて予め設定されたマップ44から目標空燃比A/Fsolが読み出され、この目標空燃比A/Fsolと上記目標燃料噴射量Fsolとに基づき、目標新気量演算部45によりエンジン本体1の燃焼室に吸入される新気の目標新気量FAsolが演算され、この目標新気量FAsolの演算値とエアフローセンサ33で検出された実新気量FAirとがEGR弁制御手段41に入力される。
【0040】
そして、EGR弁制御手段41により、目標新気量FAsolと実新気量FAirとの偏差に応じた制御信号(デューティ信号)がEGR弁駆動用の電磁弁26Cに出力されることにより、上記偏差をなくすようにEGR弁12の開度がフィードバック制御される。このような制御を以下にエアフローフィードバック制御と呼ぶ。
【0041】
過給圧フィードバック制御手段42は、実過給圧(吸気圧力センサにより検出される吸気圧)Bstが目標過給圧(目標吸気圧)Bstsolとなるように、VGT5の可変翼8をフィードバック制御する。すなわち、上記目標トルクTrqsolとエンジン回転数Neとに基づいて予め設定されたマップ46から目標過給圧Bstsolが読み出され、この目標過給圧Bstsolと吸気圧力センサ24で検出された実過給圧Bstとが過給圧フィードバック制御手段42に入力される。そして、過給圧フィードバック制御手段42により、上記実過給圧Bstと目標過給圧Bstsolとの偏差に応じた制御信号(デューティ信号)がVGT駆動用の電磁弁26Cに出力されることにより、上記偏差をなくすように可変翼8の開度がフィードバック制御される。このような制御を以下に過給圧フィードバック制御と呼ぶ。
【0042】
なお、上記エアフローフィードバック制御及び過給圧フィードバック制御は、全運転領域で行うようにしてもよいが、アクセル全開付近の高負荷領域ではEGR弁12を全閉に保ってEGRを停止するとともに、この高負荷領域ではVGT5の可変翼8を低回転側で閉じ、高回転側で開くというように運転状態に応じてオープン制御してもよい。また、空気過剰率の多いアイドル運転領域では、EGR量を多くしてNOx低減を図るべく、VGT5の可変翼8を全閉とするとともに、EGR弁12を全開としておけばよい。
【0043】
また、上記吸気絞り弁制御手段43は、運転状態に応じて吸気絞り弁23を制御する。とく当実施形態では、この吸気絞り弁制御手段43により、目標過給圧が急減する過渡運転時に上記可変翼8の開方向の作動を抑制する抑制手段を構成している。
【0044】
すなわち、吸気絞り弁制御手段43は、目標過給圧が急減する過渡運転時に、上記吸気絞り弁23を通常運転時よりも小さい開度(例えば全閉)に絞ることにより、吸気圧力センサ25で検出される吸気圧の低下を速めるようにしており、こうすることで上記過渡運転時に吸気絞り弁23を絞らない場合と比べ、目標過給圧Bstsolと吸気圧力センサ25で検出される圧力Bstとの偏差が小さくなり、それに伴い、上記偏差に応じて制御される吸気絞り弁23の開方向の作動量が減少するようになっている。
【0045】
上記抑制手段としての機能を果たす吸気絞り弁制御手段43の制御の一例を、図4のフローチャートによって説明する。
【0046】
このフローチャートの処理がスタートすると、まずステップS1でエンジン回転数Ne、燃料噴射量、吸気圧力センサ25で検出される実吸気圧Bst等が読み込まれ、ステップS2で目標吸気圧(目標過給圧)Bstsolが演算される。さらにステップS3で、上記実吸気圧Bstと目標吸気圧Bstsolとの偏差である吸気圧偏差が演算され、続いてステップS4で、上記吸気圧偏差に応じてVGT制御デューティDuBが演算される。この場合、上記吸気圧偏差に応じたPID制御(比例積分微分制御)等のフィードバック制御により、実吸気圧Bstを目標吸気圧Bstsolに近づけるようにVGT5の可変翼開度を変化させるべく、VGT制御デューティDuBが求められる。
【0047】
次にステップS5で、上記吸気圧偏差が予め設定された所定の閾値より大きいか否かが判定される。上記吸気圧偏差が上記閾値よりも小さい場合は、ステップS6で運転状態に応じて吸気絞り弁制御デューティDuAが演算される。この場合、図5に示されるように、排気量が比較的少ない領域A(低回転低負荷から低回転高負荷、中回転中負荷及び高回転低負荷にわたる領域)では、低回転低負荷時に吸気絞り弁23の開度が小さく、回転数や負荷の増加につれて吸気絞り弁23の開度が大きくなるように、運転状態に応じて吸気絞り弁制御デューティDuAが求められる。また、排気量が多い高回転、高負荷の領域Bでは吸気絞り弁23が全開となるように吸気弁制御デューティDuAが定められる。
【0048】
上記ステップS5で上記吸気圧偏差が予め設定された所定の閾値より大きいことが判定された場合は、ステップS7で、吸気絞り弁23が全閉となるように吸気絞り弁制御デューティDuAが定められる。
【0049】
上記ステップS6またはステップS7の処理に続き、ステップS8では、ステップS4で演算されたVGT制御デューティDuBとステップS6またはステップS7で求められた吸気絞り弁制御デューティDuAとがVGT用電磁弁26B及び吸気絞り弁用電磁弁26Aに対してそれぞれ出力される。
【0050】
以上のような当実施形態の装置によると、部分負荷領域等における通常運転時には、エアーフローフィードバック制御により実新気量FAirが目標新気量FAsolになるようにEGR弁12の開度が制御されるとともに、過給圧フィードバック制御により実吸気圧Bstが目標吸気圧BstsolとなるようにVGT5の可変翼開度が制御され、かつ、吸気絞り弁23が図5に示すように運転状態に応じて制御される。
【0051】
目標吸気圧が急減する過渡運転時、例えば加速運転から定常運転もしくは減速運転への移行時には、吸気圧、VGT開度、吸気絞り弁開度及びEGR量が図6に示すように変化する。
【0052】
すなわち、加速運転から減速運転等への移行時点t0で目標吸気圧Bstsolは同図に一点鎖線で示すように急減し、一方、実吸気圧Bstの減少には遅れがあるため、実吸気圧Bstと目標吸気圧Bstsolとの偏差が大きくなる。
【0053】
この場合、通常時と同様の制御を行うだけでは、同図に破線で示すように、吸気絞り弁23が運転状態に応じた開度に開かれ、実吸気圧Bstの低下が緩慢でこれと目標吸気圧Bstsolとの偏差が大きい状態が比較的長く続くことにより、その間に過給圧フィードバック制御によってVGT5の可変翼8が必要以上に大きく開かれる。一方、エアーフローフィードバック制御によって空燃比が目標空燃比A/FsolとなるようにEGR弁12が制御されることにより、燃料噴射量が減少する減速運転への移行時にはEGR量が増加して新気量が減少するが、上記VGT5の可変翼8が必要以上に大きく開かれている間は排気圧力が低下して吸気圧との差圧が小さくなるため、EGR量の増加が遅れる。
【0054】
これに対し、当実施形態の装置によると、同図中に実線で示すように、上記過渡運転時において上記吸気圧偏差が所定値以上になったときに吸気絞り弁23が絞られることにより、吸気絞り弁下流の吸気圧Bstの低下が速められて、吸気圧偏差が大きくなる状態が軽減され、これに伴い、吸気圧偏差に応じた過給圧フィードバック制御によるVGT5の可変翼8の開方向への動作が抑制される。これによりEGR通路11に作用する排気圧と吸気圧との差圧が確保されるため、エアーフローフィードバック制御によるEGR弁12の制御に応じてEGR量が速やかに適正値まで増加し、NOx低減効果が良好に保たれることとなる。
【0055】
図7は、目標吸気圧が急減する過渡運転時に可変翼8の開方向の動作を抑制する抑制手段としての機能を果たす制御の別の例を、フローチャートで示している。
【0056】
このフローチャートの処理がスタートすると、まずステップS11でエンジン回転数Ne、燃料噴射量、エアフローセンサ21で検出される実吸新気量FAir等が読み込まれ、ステップS12で目標新気量FAsolが演算される。
【0057】
さらにステップS13で、上記実新気量FAirと目標新気量FAsolとの偏差である新気量偏差が演算され、続いてステップS14で、EGR及び吸気絞り弁23の各制御デューティDuC,DuAが演算される。この場合、上記新気量偏差に応じたPID制御(比例積分微分制御)等のフィードバック制御により、実新気量FAirを目標新気量FAsolに近づけるようにEGR弁12の開度を変化させるべく、EGR制御デューティDuCが求められる。また、このEGR制御デューティDuCに応じて吸気絞り弁制御デューティDuAが図8に示すような対応関係で演算され、つまりEGR弁12の開度が大きくなる方向にEGR制御デューティDuCが変化したときはそれに応じて吸気絞り弁23の開度が小さくなる方向に吸気絞り弁制御デューティDuAが変化するような対応関係とされる。
【0058】
ステップS14での演算の後、ステップS15でEGR弁12へ(正確に言えばEGR弁用電磁弁26Cへ)EGR制御デューティDuCが出力されるとともに、ステップS16で吸気絞り弁23へ(正確に言えば吸気絞り弁用電磁弁26Aへ)吸気絞り弁制御デューティDuAが出力される。
【0059】
この制御例によると、過給圧フィードバック制御によるVGT5の可変翼8の制御及びエアーフローフィードバック制御によるEGR弁12の制御が行われるとともに、そのEGR弁12の制御に応じて吸気絞り弁23の制御が行われる。
【0060】
そして、例えば加速運転から定常運転もしくは減速運転へ移行するような過渡運転時には、目標吸気圧Bstsolが急減する状況下で過給圧フィードバック制御が行われるとともに、エアーフローフィードバック制御においては燃料噴射量の減少に伴いEGR量を増加(新気量を減少)させるべく、EGR弁12の開度が大きくなるように制御される。これに応じて吸気絞り弁23は閉方向に作動される。
【0061】
このように、上記過渡運転時にはEGR弁12の開度が大きくされることに応じて吸気絞り弁23が絞られることにより、図4に示す制御例と同様に、吸気絞り弁下流の吸気圧の低下が速められて、過給圧フィードバック制御によるVGT5の可変翼8の開方向への動作が抑制され、エアーフローフィードバック制御によるEGR弁12の制御に応じてEGR量が速やかに適正値まで増加し、NOx低減効果が良好に保たれることとなる。
【0062】
上記実施形態において、上記過渡運転時に吸気絞り弁23を絞ることに応じた吸気圧の低下の応答性を高めるには、吸気絞り弁23下流の吸気通路2の容量が小さい方が好ましい。このため、図1に示すように吸気通路2に比較的大きい容量のインタークーラ22が設けられている場合、このインタークーラ22より下流の吸気通路2に吸気絞り弁23を設け、その下流の吸気通路2にEGR通路11を接続すればよい。
【0063】
あるいはまた、吸気通路2のサージタンク24よりさらに下流に吸気絞り弁を設けるようにすれば、吸気絞り弁下流の吸気通路の容量がより一層小さくなり、吸気絞り弁が絞られることに応じた吸気圧力の低下の応答性が高められる。
【0064】
このようにする場合、図9に示すように、サージタンク24の下流側は気筒別の独立吸気通路となっているので、その各独立吸気通路にそれぞれ吸気絞り弁51を設け、これらを互いに連動させるとともに、共通のアクチュエータ52で駆動するようにしておけばよい。EGR通路11の下流側は気筒別に分岐させて、各独立吸気通路における吸気絞り弁51より下流に接続すればよい。また、吸気絞り弁51より下流の独立吸気通路に吸気圧力センサ53を設ければよい。EGRの分配性向上のためにEGR通路11の途中にはタンク54を介設することが好ましい。
【0065】
図10〜図12はさらに別の制御例を示している。この制御例では、過給圧フィードバック制御手段42が、目標吸気圧が急減する過渡運転時に可変翼8の開方向の動作を抑制する抑制手段の機能を含んでおり、この抑制手段の機能としては上記過渡運転時に過給圧フィードバック制御による可変翼8の制御量の変化を制限し、例えば少なくとも可変翼開方向への制御量の変化に対してガード値を設定し、上記制御量がガード値を超えないように制限している。さらに上記偏差について不感帯を設定して、不感帯の範囲内にあれば過給圧フィードバック制御を停止するようにし、上記過渡運転時に運転状態の移行先となるような運転領域では不感帯を広げるようにしている。
【0066】
すなわち、過給圧フィードバック制御手段42は、図10に示すように、実吸気圧Bstと目標吸気圧Bstsolとの偏差である吸気圧偏差に応じてPID制御によりVGT制御デューティDuBを演算するPID制御部42aを備えるとともに、上記吸気圧偏差に応じた不感帯を設定する不感帯設定手段42bと、制御量のガード値に相当するデューティリミットを設定するデューティリミット設定手段42cとを備えている。
【0067】
上記不感帯設定手段42bは、燃料噴射量Qfとエンジン回転数Neとに基づき、予め設定されたマップから吸気圧偏差の不感帯を求めるようになっている。
【0068】
このマップは、例えば図11に示すような運転領域C,D,E別に不感帯を設定するもので、燃料噴射量が少ない低負荷領域Cで不感帯が最も大きくされ、燃料噴射量がある程度多くなる中負荷領域Dでは低負荷領域Cよりも不感帯が狭められ、燃料噴射量の多い高負荷領域では不感帯がさらに狭められるように設定されている。
【0069】
そして、PID制御部42aの入力側で、吸気圧偏差が上記不感帯設定手段42bにより設定された不感帯の範囲内であれば、PID制御部42aによる制御演算を停止させる処理が行われるようになっている。
【0070】
また、デューティリミット設定手段42cは、燃料噴射量Qfとエンジン回転数Neとに基づき、予め設定されたマップからVGT制御デューティの変動許容範囲の限界であるデューティリミットを求めるようになっている。
【0071】
このデューティリミットのマップを作成する際には、運転状態に応じ、目標吸気圧Bstsolが得られるような可変翼開度に対応するVGT制御デューティDuBを中心として所定の許容範囲が定められ、つまり所定の許容範囲をもったVGT制御デューティDuBの制御目標が運転状態に応じて設定される。このように運転状態に応じて設定された許容範囲の限界値がデューティリミットのマップとしてメモリーに記憶されている。
【0072】
そして、過給圧フィードバック制御においては上記PID制御部42aの出力側で、VGT制御デューティDuBが上記デューティリミット設定手段42cにより設定されたデューティリミットを超えないように制限される。
【0073】
このような制御を、図12に示すフローチャートによって具体的に説明する。
【0074】
このフローチャートの処理がスタートすると、まずステップS21でエンジン回転数Ne、燃料噴射量Qf、吸気圧力センサ25で検出される実吸気圧Bst等が読込まれ、ステップS22で目標吸気圧Bstsolが演算される。さらにステップS23で、上記実吸気圧Bstと目標吸気圧Bstsolとの偏差である吸気圧偏差が演算される。
【0075】
続いてステップS24で、燃料噴射量Qfとエンジン回転数Neとに基づき不感帯マップ(図11参照)から吸気圧制御不感帯幅が算出される。そして、ステップS25で、上記吸気圧偏差が不感帯範囲内か否かが判定され、不感帯範囲内であればPID制御部42aによるVGT制御デューティDuBの演算が停止され、VGT制御デューティDuBの前回演算値がVGT駆動用電磁弁26Bに出力される(ステップS26,S27)。
【0076】
上記ステップS25で吸気圧偏差が不感帯範囲内にないことが判定された場合は、ステップS28で、上記吸気圧偏差に応じてPID制御部42aによるVGT制御デューティDuBの演算が行われるとともに、ステップS29で、燃料噴射量Qf及びエンジン回転数Neに応じ、リミッタマップ(デューティリミットのマップ)からデューティリミットが算出される。
【0077】
続いてステップS30で、VGT制御デューティDuBの演算値が上記デューティリミットで規定される許容範囲内にあるか否かが判定される。そして、許容範囲内にある場合はステップS31でVGT制御デューティDuBの演算値がそのままVGT駆動用電磁弁26Bに出力される。また、上記許容範囲内にない場合は、ステップS32でVGT制御デューティDuBが許容範囲の上限値または下限値に固定され、つまりVGT制御デューティDuBの演算値が上限値を上回る場合は上限値に、下限値を下回る場合は下限値にVGT制御デューティDuBが固定されて、そのデューティDuBがVGT駆動用電磁弁26Bに出力される。
【0078】
このような制御によっても、目標吸気圧Bstsolが急減する過渡運転時に可変翼8の開方向の動作が抑制される。すなわち、上記過渡運転時には目標吸気圧Bstsolの減少に対して実吸気圧Bstの減少が遅れることにより吸気圧偏差が大きくなり、吸気圧偏差に応じてPID制御部42aで演算されるVGT制御デューティDuBはVGT5の可変翼8を開く方向に大きく変化して、デューティリミット設定手段42cにより設定されたガード値(デューティリミット)を越えるが、この場合はVGT制御デューティDuBがガード値に固定され、それ以上に可変翼8が開くことが阻止される。
【0079】
また、吸気圧偏差が不感帯設定手段42bにより設定された不感帯の範囲内であればPID制御部42aによるVGT制御デューティDuBの演算が停止され、とくに過渡運転時において運転状態移行先が図11中の低負荷領域Cであるような場合は上記不感帯が大きくされ、その範囲内であれば実吸気圧Bstが目標吸気圧Bstsolより高くても吸気圧偏差に応じたVGT制御デューティDuBの演算が停止されて、VGT制御デューティDuBが前回値に保たれる。これによっても、可変翼8の開方向の動作が抑制される。
【0080】
このような制御によっても、上記過渡運転時に可変翼8の開方向の動作が抑制されることにより、排気圧の低下によって排気系から吸気系へのEGR導出が阻害されるといった事態が防止され、EGRによるNOx低減効果が良好に保たれる。
【0081】
また、目標吸気圧Bstsolが急減するような減速運転等への移行後に再加速が行われた場合の吸気圧の変化は、過渡運転時に可変翼8の開方向の動作を抑制しない従来の装置では図13に破線で示すようになるのに対し、当実施形態によると実線で示すようになり、再加速時の加速性能が高められる。
【0082】
すなわち、従来の装置では、減速運転等へ移行したときに目標吸気圧Bstsolが急減して吸気圧偏差が大きくなることに伴いVGT5の可変翼8が大きく開かれ、これにより実吸気圧Bstは目標吸気圧Bstsolに対して遅れをもちながらも目標吸気圧Bstsolに近づくように大きく減少し、この状態から再加速が行われたときには吸気圧の上昇が遅れる。これに対し、当実施形態のような制御によると、減速運転等へ移行して目標吸気圧Bstsolが急減しても、可変翼8の開動作が抑制されることで実吸気圧Bstの低下は比較的小さくなるので、この状態から再加速が行われたときは速やかに過給作用が高められて吸気圧が上昇し、過給応答性が高められることとなる。
【0083】
なお、本発明の装置における制御手段等の構成は上記実施形態に限定されず、種々変更可能である。
【0084】
例えば、上記実施形態では、EGR弁12の制御として、空燃比が目標空燃比となるように、エアフローセンサ21で検出される実新気量と目標空燃比等から求められる目標新気量との偏差に応じてEGR制御デューティを求めるようにしているが、ポジションセンサ等でEGR弁12の開度を検出するとともに、運転状態に応じてEGR弁12の目標開度を設定し、実開度が目標開度となるようにEGR弁12を制御するようにしてもよい。
【0085】
また、目標吸気圧が急減する過渡運転時に上記可変翼8の開方向の動作を抑制するための制御としては、上記過渡運転時に無条件に所定時間だけ過給圧フィードバック制御を停止して、VGT制御デューティを特定の固定値(例えば運転状態に応じて予め設定された値)に保持するようにしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態の説明では、目標吸気圧が急減する過渡運転時として加速運転から定常運転もしくは減速運転への移行時を挙げているが、エンジンに連結された変速機の変速時も、アクセルへの踏み込みが解除されてクラッチオフとされるといった変速の際の操作により、加速運転から減速運転への移行時と同様に目標吸気圧が急減する過渡運転となる。このときにも上記各制御例のように可変翼8の開方向の動作を抑制する制御が行われることにより、EGRによるNOx低減効果が良好に保たれるとともに、変速後に加速操作(アクセル踏み込み)が行われたときの過給応答性が高められる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、タービンへの排気流通面積を変化させる可変翼を備えるとともに排気還流通路及び排気還流弁を備えたターボ過給機付エンジンにおいて、ターボ過給機のコンプレッサより下流の吸気圧が目標吸気圧となるように可変翼を制御する過給圧フィードバック制御手段を備えるとともに、目標吸気圧が急減する過渡運転時に上記可変翼の開方向の動作を抑制する抑制手段を備えているため、上記過渡運転時に、実吸気圧と目標吸気圧との偏差が大きくなることに応じたフィードバック制御で可変翼が大きく開きすぎて排気還流通路に作用する排気圧が低くなるといった事態を防止することができる。従って、上記過渡運転時に排気還流量が不足することを防止し、NOx低減効果を良好に発揮させることができる。
【0088】
また、上記過渡運転時に可変翼が大きく開くことにより過給効率の低下を抑制することができるので、その後の再加速時の加速性向上にも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置を備えたターボ過給機付エンジンの実施形態を示す概略図である。
【図2】過給機の一例としてのVGTにおける可変翼配設部分の構造の模式図である。
【図3】エンジンのコントロールユニットの具体的構成を示すブロック図である。
【図4】制御動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】運転状態に応じた吸気絞り弁の制御特性を示す説明図である。
【図6】過渡運転時の吸気圧、VGT開度、吸気絞り弁開度及びEGR量の時間的変化を示すタイムチャートである。
【図7】制御動作の別の例を示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャート中にあるEGR制御デューティと吸気絞り弁制御デューティとの関係を示す図である。
【図9】ターボ過給機付エンジンの別の実施形態を示す概略図である。
【図10】過給圧フィードバック制御手段の別の例を示すブロック図である。
【図11】不感帯のマップを示す図である。
【図12】図10に示す制御手段による制御動作を示すフローチャートである。
【図13】図10の制御手段による場合の過渡運転時の吸気圧の時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体
2 吸気通路
3 排気通路
5 ターボ過給機
8 可変翼
11 EGR通路
12 EGR弁
21 エアフローセンサ
22 インタークーラ
23 吸気絞り弁
25 吸気圧力センサ
30 コントロールユニット
41 EGR制御手段
42 過給圧フィードバック制御手段
43 吸気絞り弁制御手段

Claims (10)

  1. ディーゼルエンジンの排気通路にターボ過給機のタービンへの排気流通面積を変化させる可変翼を備えるとともに、排気通路における上記可変翼の上流と吸気通路とを排気還流通路により連通し、この排気還流通路に排気還流量を調節する排気還流弁を介設したターボ過給機付のディーゼルエンジンにおいて、
    ターボ過給機のコンプレッサより下流の吸気圧力状態を検出する吸気圧力検出手段と、
    この吸気圧力検出手段により検出される圧力が目標吸気圧となるように可変翼を制御する過給圧フィードバック制御手段と、
    目標吸気圧が急減する過渡運転時に上記可変翼の開方向の動作を抑制する抑制手段とを備え
    さらに、吸気通路における排気還流通路接続個所の上流に吸気絞り弁を設け、この吸気絞り弁より下流に吸気圧力検出手段を配置するとともに、
    上記抑制手段は、排気還流が行われる運転領域で、目標吸気圧が急減する過渡運転時に上記吸気絞り弁を絞るようにしたことを特徴とするターボ過給機付エンジンの制御装置。
  2. 抑制手段は、目標吸気圧が急減する過渡運転時に、吸気絞り弁を絞るとともに排気還流弁の開度を大きくするように制御することを特徴とする請求項1記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  3. 吸気通路における過給機のコンプレッサの下流にインタークーラを設けるとともに、このインタークーラの下流に吸気絞り弁を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  4. 吸気絞り弁を、吸気通路におけるサージタンクの下流に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  5. ディーゼルエンジンの排気通路にターボ過給機のタービンへの排気流通面積を変化させる可変翼を備えるとともに、排気通路における上記可変翼の上流と吸気通路とを排気還流通路により連通し、この排気還流通路に排気還流量を調節する排気還流弁を介設したターボ過給機付のディーゼルエンジンにおいて、
    ターボ過給機のコンプレッサより下流の吸気圧力状態を検出する吸気圧力検出手段と、
    この吸気圧力検出手段により検出される圧力が目標吸気圧となるように可変翼を制御する過給圧フィードバック制御手段と、
    目標吸気圧が急減する過渡運転時に、過給圧フィードバック制御による可変翼の制御量の変化を制限することにより上記可変翼の開方向の動作を抑制する抑制手段とを備え、
    過給圧フィードバック制御手段は、吸気圧力検出手段により検出される圧力と目標吸気圧との偏差に基づいて演算される制御量により可変翼を制御し、
    抑制手段は、上記偏差について不感帯を設定し、上記偏差が不感帯の範囲内にあれば過給圧フィードバック制御手段によるフィードバック制御を停止するようになっており、その不感帯の幅は低負荷ほど大きく設定されていることを特徴とするターボ過給機付エンジンの制御装置。
  6. 抑制手段は、少なくとも目標吸気圧が急減する過渡運転時に、少なくとも可変翼開方向への制御量の変化に対してガード値を設定し、上記制御量がガード値を超えないように制限することを特徴とする請求項5記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  7. 抑制手段は、運転状態に応じた制御量の許容範囲を設定して、上記制御量の演算値が許容範囲から逸脱したときに、ガード値に相当する許容範囲の限界値を制御量とすることを特徴とする請求項6記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  8. 排気還流が行われる運転領域で、空燃比が目標空燃比となるように排気還流弁を制御する排気還流弁制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか 1 項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  9. 目標吸気圧が急減する過渡運転時は、加速運転から定常運転もしくは減速運転への移行時であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか 1 項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
  10. 目標吸気圧が急減する過渡運転時は、エンジンに連結された変速機の変速時であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか 1 項に記載のターボ過給機付エンジンの制御装置。
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