JP3812720B2 - モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Hブリッジ回路により例えば電動パワーステアリング装置におけるアシストモータを制御するモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電動パワーステアリング装置は、ハンドル操作によりステアリングシャフトに発生する操舵トルクをトルクセンサにより検出し、それに応じてステアリングシャフト等に取り付けられたアシストモータ(以下、場合により単にモータという)に車両のバッテリーから電流を流して操舵補助トルクを発生させるものである。そのためのモータの電流制御には、通常四つのスイッチング素子(例えば、FET;電界効果トランジスタ)で構成されるHブリッジ回路を用い、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)を含む制御手段の制御で、このHブリッジ回路よりなるモータ駆動回路を介してモータをPWM(パルス幅変調)方式で駆動する構成となっている。
【0003】
また、上記PWM方式の電流制御には、片側PWM駆動方式と、両側PWM駆動方式とがある。片側PWM駆動方式は、Hブリッジ回路において、モータより上流側(高電位電源側)又は下流側(低電位電源側)に接続されたスイッチング素子の一方をPWM変調された信号で駆動し、モータを挟んでその対角側のスイッチング素子を常時オン状態に駆動する方式である。両側PWM駆動方式は、Hブリッジ回路において、モータを挟んで対角に接続されたスイッチング素子の両方をPWM変調された信号で駆動する方式である。
なお、上流側のスイッチング素子をPWM駆動する構成であれば、上流側のスイッチング素子を常時オン駆動する構成に比べて、モータ端子が地絡した場合に流れる大電流が比較的少なくなり易い利点がある。そのため、このような利点を有効利用する観点からは、片側PWM駆動方式を採用する場合に、上流側のスイッチング素子をPWM駆動する構成が通常採用される。
【0004】
そしてこの種の装置では、モータの何れかの端子がグランド電位又は電源の高電位側に短絡する故障(以下、地絡又は天絡という)が発生した場合、正常動作時よりも格段に大きな大電流がHブリッジ回路に流れて、何れかのスイッチング素子が破損するなどの不具合が発生する恐れがある。この地絡故障或いは天絡故障は、配線の短絡によるものだけでなく、上流側又は下流側のスイッチング素子がオン故障した場合(これらスイッチング素子を駆動する駆動回路がオン故障した場合も含む)にも発生し、この場合も同様にスイッチング素子が破損するなどの実害を被る恐れがある。ここで、スイッチング素子のオン故障とは、スイッチング素子をオン駆動する制御が行われていないのに、その抵抗値が正常値(例えば、数MΩ)から許容値以下に低下してしまう故障をいい、特にその抵抗値が正常なオン動作時の値まで低下しない不完全なものを不完全オン故障(或いはリーク故障)という。
なお、スイッチング素子が破損すると、一般的には、モータよりも格段に高価な制御ユニット全体を少なくとも交換する必要があり、修理費も高くなる。
そこで従来では、上述の地絡等が発生しても上記不具合を回避すべく、必要に応じてHブリッジ回路を強制的に停止するなどの故障対応制御(フェールセーフ処置)を実行するために、モータの端子電圧を監視してこのような故障を検出する技術が提案されている。
【0005】
例えば、特願平10−541393号(国際公開番号;WO98/58833)では、電源電圧が所定値以上であり、かつ、すべてのスイッチング素子がオフ状態(即ち、Hブリッジ回路が停止状態)にある(或いはPWM制御のデューティ比が所定値以上である)という判定条件が成立している場合に、モータの各端子電圧が両方とも所定値(一定のしきい値)を下回ると、地絡が発生したと判定し、モータの各端子電圧が両方とも所定値(一定のしきい値)を上回ると、天絡が発生したと判定する技術が提案されている。
また、特願平10−68632号(特開平11−263240号)では、モータの端子間電圧(端子間の電位差)の検出値と推定値との差が、所定時間以上所定値(一定の許容値)を越えたとき、地絡等の故障が発生したと判定する技術が提案されている。
なお、高電位電源側のスイッチング素子をPWM駆動する場合、モータの高電位電源側端子には、PWM信号に同期した矩形波が発生する。そして、PWM信号は例えば20KHZ前後と高速であるため、この場合モータの高電位電源側の端子電圧をそのままマイコンで認識することは不可能である。このため、モータの端子電圧は、上記出願の公報にも記載されているように、ローパスフィルタ回路などによって平滑化処理或いは平均化処理を施した後にマイコンに入力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術は、地絡等の故障(スイッチング素子のオン故障含む)の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定して、地絡等によるスイッチング素子の損傷などを信頼性高く回避する点で不十分であった。
例えば、特願平10−541393号の技術では、モータの各端子電圧を監視し、例えばこれらが両方とも所定値(一定のしきい値)を下回ると、地絡が発生したと判定する構成であるため、PWM制御のデューティ比や電源電圧が低いときには、所定値の設定が困難になり、地絡等の故障判定が不可能になる。というのは、例えば上流側のスイッチング素子をPWM駆動する場合、地絡故障が問題となるモータの上流側端子の平均電圧(Vm上)は、デューティ比ゼロ時の電圧がプルアップ抵抗によって昇圧される場合を除いて、図2(c)に示すように、当然に前記デューティ比に比例する。このため、例えば地絡判定の電圧のしきい値を上述したように単純に一定に設定する構成で、前記デューティ比が小さいときにも値絡判定を行おうとすると、図2(c)に示すように前記デューティ比が大きいときの地絡判定マージン(端子電圧の正常値としきい値との差)が非常に大きくなり、地絡検出の応答性や信頼性が低下して地絡による不具合が確実に回避できなくなる。
【0007】
このことは、電源電圧についても同様であり、電源電圧が低いときにも地絡判定を行うべく、モータ端子電圧のしきい値を低く設定すると、電源電圧が高いときの応答性等が不十分となる。そのために、特願平10−541393号の技術では、前述したように、電源電圧が所定値以上であること、さらには、PWM制御のデューティ比が所定値以上であること、という相当に限定的な判定条件が成立している場合にのみ、モータ駆動中の地絡判定を行う構成となっていると考えられる。また同様の理由から、モータ駆動停止状態(即ち、デューティ比がゼロでHブリッジ回路が停止状態)における地絡判定についても、電源電圧が所定値以上であることという限定的な判定条件が設定されている。
したがって、特願平10−541393号の技術では、PWM制御のデューティ比や電源電圧が低いときに地絡が起こった場合には、その後にデューティ比等が判定条件を満たす値に変化するまで地絡検出が行われず、故障対応制御が有効に行われない可能性が高い。
また、判定のしきい値が一定であり、図2(c)に示すように判定マージンを常に必要最小限の大きさに維持できないので、スイッチング素子の不完全オン故障を高精度かつ確実に判定することができないという問題もある。というのは、不完全オン故障の場合、完全なオン故障の場合よりもモータ端子電圧の変化が当然に僅かであるため、電源電圧の変化等によって上記判定マージンが大きくなっている条件下では、この変化がしきい値を越えずに検知されなくなってしまうからである。
【0008】
一方、特願平10−68632号の技術では、モータの端子間電圧に基づいて地絡判定を行っているので、モータの回転に伴って発生する誘起電圧(逆起電力)の影響が大きくなり、この誘起電圧による誤検出が生じ易くなる。この誘起電圧は、モータの一方の端子電圧を高め、他方の端子電圧を低くする方向に作用するため、モータの端子間電圧は、地絡等の故障が発生していない正常状態でも、この誘起電圧によって推定値(電源電圧とPWM制御のデューティ比から算出した値)から大きくずれる場合があるからである。また、特願平10−68632号で提案された故障判定処理の具体例では、モータの端子電圧を推算する際に回生電流の影響を考慮していないので、その分誤差が大きいという問題もある。
また、特願平10−68632号の具体例では、モータの端子間電圧の推定値VMを求めるに当たって、電源電圧(バッテリ電圧Vb)を使用しているが、このバッテリ電圧Vbの値として検出値(実測値)を使用する旨の記載は見当たらない。このため、実際の電源電圧の変動に対して、モータの端子間電圧の推定値VMが相当大きな誤差を含むことになり、高精度かつ確実な故障判定が困難であるという問題がある。
【0009】
また、上述したようにモータ端子電圧のみを監視することで故障を判定する従来技術では、次のような特殊な故障態様が全く判定できないという問題もあることが、発明者らの研究により判明している。即ち、Hブリッジ回路における上流側のスイッチング素子と、下流側のスイッチング素子の両方が、同時に不完全オン故障を起こし、両者の抵抗値が同程度であった場合、これら抵抗値の比によって決まるモータ端子電圧はなんら変化しない。このため、このような故障態様が発生した場合、モータ端子電圧のみを監視するだけでは、判定のしきい値や判定条件をいかに設定しようとも、その故障発生を検知することが不可能であるという問題がある。
そこで本発明は、上述した故障(前述した地絡故障又は天絡故障、或いは上述したような特殊な故障)の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定して、Hブリッジ回路のスイッチング素子の損傷などを信頼性高く回避できるモータ制御装置、或いはこのようなモータ制御装置を含む電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明によるモータ制御装置は、複数のスイッチング素子をモータに対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路を有し、前記スイッチング素子のうちの少なくとも高電位電源側に接続されたスイッチング素子をPWM駆動することによってモータをPWM制御するモータ制御装置であって、
モータの各端子電圧をそれぞれ検出するモータ端子電圧検出手段と、
前記Hブリッジ回路に供給する電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
前記Hブリッジ回路が駆動状態(PWM制御のデューティ比がゼロでない状態)の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される高電位側の端子電圧が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧、及び前記PWM制御のデューティ比に比例して変化する駆動時しきい値を下回ると、モータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段とを備えたものである。
【0011】
ここで、モータ端子電圧検出手段によって検出される「モータの各端子電圧」は、平滑化されたものである必要があり、好ましくは平均化された電圧であるとよい(他の発明でも同様)。
また、「駆動時しきい値」は、例えば、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧(Vb)、及び前記PWM制御のデューティ比(PWM)から、Hブリッジ回路が駆動状態である場合のモータの高電位側の端子電圧(Vm上)の推定値(理論値)を算出し、この推定値から所定の許容値(例えば一定の地絡判定マージンの値)を差し引いてなる値でよい。この駆動時しきい値は、例えば、地絡判定時に制御手段によって毎回リアルタイムで算出して生成するようにすればよい。また、上記駆動時しきい値を生成するために、モータの高電位側の端子電圧の推定値を算出する際には、PWM信号がオフ状態にある場合の回生電流による電圧降下分(Vf)を考慮する構成とするのが好ましい。具体的には、例えば下記式(1)によって端子電圧(Vm上)の推定値を算出すればよい。
Vm上=(Vb×PWM/100)−(Vf×(1−PWM/100)) (1)
なお、回生電流による電圧降下分(Vf)は、スイッチング素子の寄生ダイオードの順方向電圧降下であるため、スイッチング素子の特性値として得られる。この順方向電圧降下は、厳密には温度によって若干変化するが、その変化は僅かであるため、例えば平均的な温度に対応する値(一定値)を予め設定しておけばよい。なお、上記式(1)は、端子電圧(Vm上)を推算する式の一例であり、これに限定されないことはいうまでもない。回生電流は、PWM信号がオフの期間に常に流れるわけではなく、デューティ比が小さいときには、PWM信号がオフの期間の最初の一時期に流れるのみであるので、このような点をも考慮して、さらに精度の高い推算式を設定してもよい。
また、「故障対応制御」としては、Hブリッジ回路の全てのスイッチング素子を強制的にオフする処理、Hブリッジ回路の通電ライン(例えば高電位電源とHブリッジ回路間、或いはHブリッジ回路とモータ間)に設けたリレーの接点をオフする処理、警報を出力する処理、或いはそれらを組み合わせた処理などがあり得る(他の発明でも同様)。
【0012】
この発明によれば、電源電圧の検出値及びPWM制御のデューティ比に比例して変化する駆動時しきい値に基づいて、モータ駆動時の高電位側のモータ端子電圧の異常な低下が監視され、この端子電圧の低下があったときに、地絡が起きたとして故障対応制御が実行される。即ち、モータ駆動時の地絡判定のための端子電圧のしきい値が、例えば図2(b)に示すように、正常時の実際の端子電圧の変化に応じて変化する。このため、電源電圧や前記デューティ比が変化しても、地絡判定マージンを必要最小限の例えば一定値(例えば、前記許容値)に維持して、地絡判定の応答性や信頼性を常に最大限に維持できる。さらにいうと、ある程度の抵抗をもって地絡した場合(例えば、下流側スイッチング素子が不完全オン故障した場合)でも確実に検出できる可能性が格段に高まる。また、例えば図2(b)に示すように、前記デューティ比が小さいために地絡判定が不可能な領域(しきい値の設定が不可能な地絡判定不能領域)は、従来(図2(c)参照)に比較して格段に小さくなる。このことは、電源電圧が小さい場合についても同様である。
また本発明では、一方の端子電圧(グランドからの電位)の低下のみに基づいて地絡判定を行っているので、端子間電圧(電位差)に基づく場合に比較して、誘起電圧の影響が少なくなる(例えば、略半分になる)。このため、地絡判定マージンをその分小さく設定しても、誤検出が起きなくなり、応答性等が高められる。特に、駆動時しきい値を設定するための端子電圧の推定演算において、前述のように回生電流の影響を考慮する場合には、この回生電流の影響による誤差を解消して、より誤検出の可能性を低下させつつ、応答性をさらに高められる。
したがってこの第1の発明によれば、モータ駆動時において、モータ端子の有害な地絡故障(下流側スイッチング素子のオン故障含む)の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定して、地絡によるスイッチング素子の損傷などを信頼性高く回避できる。
【0013】
次に、本願第2の発明によるモータ制御装置は、第1の発明と同じ基本構成のモータ制御装置であって、
モータの各端子電圧をそれぞれ検出するモータ端子電圧検出手段と、
前記Hブリッジ回路に供給する電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
モータの各端子をそれぞれ前記Hブリッジ回路の高電位側電源ラインに接続するプルアップ抵抗と、
前記Hブリッジ回路が停止状態(スイッチング素子が全て駆動されていない状態)の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の両方又は平均値が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧に比例して変化する停止時しきい値を下回ると、モータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段とを備えたものである。
【0014】
ここで、「停止時しきい値」は、例えば、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧(Vb)に、プルアップ抵抗による分圧比αよりも地絡判定マージン分だけ小さい係数β(β<α)を乗算してなる値(Vb・β)でもよいし、Hブリッジ回路が停止状態である場合のモータの高電位側の端子電圧(Vm上)の推定値(Vb・α)を算出し、この推定値から所定の許容値(例えば一定の地絡判定マージンの値)を差し引いてなる値でもよい。この停止時しきい値は、例えば、地絡判定時に制御手段によって毎回リアルタイムで算出して生成するようにすればよい。
【0015】
この発明によれば、電源電圧の検出値に比例して変化する停止時しきい値に基づいて、モータ駆動停止時のモータ端子電圧の異常な低下が監視され、この端子電圧の低下があったときに、地絡が起きたとして故障対応制御が実行される。即ち、モータ駆動停止時の地絡判定のための端子電圧のちきい値が、実際の端子電圧の変化(電源電圧の変化によるもの)応じて変化する。このため、電源電圧が変化しても、地絡判定マージンを必要最小限の例えば一定値(例えば、前記許容値)に維持して、地絡判定の応答性や信頼性を常に最大限に維持できる。また、電源電圧が小さいために地絡判定が不可能な領域(しきい値の設定が不可能な地絡判定不能領域)は、従来(しきい値が一定値である場合)に比較して格段に小さくなる。
また本発明では、モータの端子電圧の両方又は平均値が、前記停止時しきい値を下回ると、モータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御が実行される。このため、誘起電圧の影響で一方の端子電圧が停止時しきい値よりも低くなったとしても、その影響で地絡が起きたと誤判定されることがなくなる。端子電圧の両方を監視すれば、誘起電圧によって高くなる側の端子電圧がしきい値を下回らないため、地絡判定が誤ってなされないからである。また、各端子電圧の平均値を監視する構成の場合には、誘起電圧の影響が相殺されるからである。これにより、地絡判定マージンをその分小さく設定しても、誤検出が起きなくなり、さらに応答性が高められる。
したがってこの第2の発明によれば、モータ駆動停止時において、モータ端子の有害な地絡故障の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定して、地絡によるスイッチング素子の損傷などを信頼性高く回避できる。
【0016】
次に、本願第3の発明によるモータ制御装置は、前記第1の発明と第2の発明を組み合わせたものである。即ち、前記Hブリッジ回路が駆動状態の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される高電位側の端子電圧が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧、及び前記PWM制御のデューティ比に比例して変化する駆動時しきい値を下回るか、或いは、前記Hブリッジ回路が停止状態の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の両方又は平均値が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧に比例して変化する停止時しきい値を下回ると、モータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段を備えたものである。
このような構成であると、デューティ比がゼロである場合(モータ駆動停止状態)や、電源電圧が小さい場合も含めたほとんど全ての運転範囲で、モータ端子の有害な地絡故障の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定できる。
【0017】
次に、本願第4の発明によるモータ制御装置は、複数のスイッチング素子をモータに対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路を有し、前記スイッチング素子のうちのいずれかを駆動することによってモータを制御するモータ制御装置であって、
前記Hブリッジ回路とモータ間の通電ラインを開閉するモータ側リレーと、
モータの各端子をそれぞれ前記Hブリッジ回路の高電位側電源ラインに接続するプルアップ抵抗と、
モータの各端子をそれぞれグランドに接続するプルダウン抵抗と、
モータの各端子電圧をそれぞれ検出するモータ端子電圧検出手段と、
前記Hブリッジ回路に供給される電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
前記モータ側リレーの接点がオフの状態で、かつ前記Hブリッジ回路が停止状態(スイッチング素子が全て駆動されていない状態)の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の少なくとも一方が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧に予め設定された規定比率を乗算して得られる天絡故障しきい値を上回ると、少なくともモータ端子の天絡故障(上流側スイッチング素子のオン故障含む)が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段とを備えたものである。
【0018】
ここで、「天絡故障しきい値」としては、例えば、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧(Vb1)に、プルアップ抵抗とプルダウン抵抗による分圧比γよりも故障判定マージン分だけ大きい規定比率X(X>γ)を乗算してなる値(Vb1・X)でよい。この天絡故障しきい値は、例えば、故障判定時に制御手段によって毎回リアルタイムで算出して生成するようにすればよい。
なお、前記規定比率X(いいかえると、上記故障判定マージン)は、Hブリッジ回路における高電位電源側のスイッチング素子の抵抗値が許容値を下回るリーク故障(不完全オン故障)が起きたときに、モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の少なくとも一方(即ち、前記リーク故障が起きたスイッチング素子に対応する側の端子電圧)が前記天絡故障しきい値を上回るように、設定されていることが望ましい。
【0019】
この発明によれば、電源電圧の検出値に比例して変化する天絡故障しきい値に基づいて、モータ駆動停止時のモータ端子電圧の異常な増加が監視され、この端子電圧の増加があったときに、天絡が起きたとして故障対応制御が実行される。即ち、モータ駆動停止時の天絡判定のための端子電圧のちきい値が、実際の端子電圧の変化(電源電圧の変化によるもの)に応じて変化する。このため、電源電圧が変化しても、故障判定マージンを必要最小限の例えば一定値に維持して、天絡判定の応答性や信頼性を常に最大限に維持できる。また、電源電圧が小さいために天絡判定が不可能な領域(しきい値の設定が不可能な天絡判定不能領域)は、従来(しきい値が一定値である場合)に比較して格段に小さくなる。また、上述したように前記規定比率Xをスイッチング素子のリーク故障(不完全オン故障)に対応した値に設定することによって、上流側スイッチング素子のリーク故障も信頼性高く判定できるようになる。
また本発明では、モータ側リレーの接点がオフの状態で上記故障判定が実行されるため、仮にタイヤから或いはハンドルからモータが回転させられても、これによる誘起電圧がモータ端子に現れることはなく、この影響で誤判定されることがなくなる。これにより、故障判定マージンをその分小さく設定しても、誤検出が起きなくなり、さらに応答性が高められる。
したがってこの第4の発明によれば、モータ駆動停止時において、モータ端子の天絡故障(上流側スイッチング素子のオン故障含む)の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定して、天絡によるスイッチング素子の損傷などを信頼性高く回避できる。
【0020】
次に、本願第5の発明によるモータ制御装置は、第4の発明と同じ基本構成のモータ制御装置であって、
前記モータ側リレーの接点がオフの状態で、かつ前記Hブリッジ回路が停止状態の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の少なくとも一方が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧に予め設定された規定比率を乗算して得られる地絡故障しきい値を下回ると、モータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段を備えたものである。
ここで、「地絡故障しきい値」としては、例えば、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧(Vb1)に、プルアップ抵抗とプルダウン抵抗による分圧比γよりも故障判定マージン分だけ小さい規定比率Y(Y<γ)を乗算してなる値(Vb1・Y)でよい。この地絡故障しきい値は、例えば、故障判定時に制御手段によって毎回リアルタイムで算出して生成するようにすればよい。
なお、前記規定比率Y(いいかえると、上記故障判定マージン)は、Hブリッジ回路における低電位電源側のスイッチング素子の抵抗値が許容値を下回るリーク故障(不完全オン故障)が起きたときに、モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の少なくとも一方(即ち、前記リーク故障が起きたスイッチング素子に対応する側の端子電圧)が前記地絡故障しきい値を下回るように、設定されていることが望ましい。
この発明によれば、前述の第4の発明と同様の作用により、モータ駆動停止時において、モータ端子の地絡故障(下流側スイッチング素子のオン故障含む)の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定して、地絡によるスイッチング素子の損傷などを信頼性高く回避できる。
【0021】
次に、本願第6の発明によるモータ制御装置は、複数のスイッチング素子をモータに対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路を有し、前記スイッチング素子のうちのいずれかを駆動することによってモータを制御するモータ制御装置であって、
前記Hブリッジ回路の高電位側電源ラインを開閉する電源側リレーと、
前記Hブリッジ回路とモータ間の通電ラインを開閉するモータ側リレーと、
前記電源側リレーの接点に対して並列に接続された電源側抵抗と、
モータの各端子をそれぞれ前記高電位側電源ラインにおける前記電源側抵抗の下流側に接続するプルアップ抵抗と、
モータの各端子をそれぞれグランドに接続するプルダウン抵抗と、
前記高電位側電源ラインにおける前記電源側抵抗の下流側電源電圧を検出する下流側電源電圧検出手段と、
前記高電位側電源ラインにおける前記電源側抵抗の上流側電源電圧を検出する上流側電源電圧検出手段と、
前記電源側リレーとモータ側リレーの接点がオフの状態で、かつ前記Hブリッジ回路が停止状態の場合に、前記下流側電源電圧検出手段により検出される下流側電源電圧が、前記上流側電源電圧検出手段により検出される上流側電源電圧に予め設定された規定比率を乗算して得られる電源電圧しきい値を下回ると、前記スイッチング素子のオン故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段とを備えたものである。
【0022】
ここで、「電源電圧しきい値」としては、例えば、前記上流側電源電圧検出手段により検出される上流側電源電圧(Vb0)に、電源側抵抗とプルアップ抵抗及びプルダウン抵抗による分圧比εよりも故障判定マージン分だけ小さい規定比率Z(Z<ε)を乗算してなる値(Vb0・Z)でよい。この電源電圧しきい値は、例えば、故障判定時に制御手段によって毎回リアルタイムで算出して生成するようにすればよい。
なお、上記規定比率Zは、Hブリッジ回路の高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子の抵抗値が何れも許容値を下回るリーク故障が起きたときに、前記下流側電源電圧が前記電源電圧しきい値を下回るように、設定されていることが望ましい。
【0023】
この発明によれば、電源電圧(上流側電源電圧)の検出値に比例して変化する電源電圧しきい値に基づいて、モータ駆動停止時のHブリッジ回路供給電圧(即ち、下流側電源電圧)の異常な低下が監視され、この供給電圧の低下があったときに、スイッチング素子のオン故障が起きたとして故障対応制御が実行される。このため、Hブリッジ回路の高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子の両方が同時にオン故障を起こしたような場合でも、モータ端子電圧に無関係に確実に故障対応制御が実行でき、前述した特殊な故障態様にも信頼性高く対応できる。というのは、Hブリッジ回路の高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子の両方がオン故障を起こして同程度に抵抗値が下がった場合には、モータ端子電圧が正常状態に対して変化せず、このような場合、例えば前述の第4或いは第5の発明の構成だけ(モータ端子電圧を監視する構成だけ)では、実際には故障が起こっているのにそれを判定できないことになる。しかしこの第6の発明の構成であれば、上述したような特殊な故障態様の場合にも、監視対象であるHブリッジ供給電圧(下流側電源電圧)が低下するので、故障を判定可能となる。特に、前記規定比率Zをスイッチング素子のリーク故障(不完全オン故障)に対応した値に設定することによって、上流側(高電位側)と下流側(低電位側)のスイッチング素子のリーク故障も信頼性高く判定できるようになる。但し、この第6の発明の構成だけでは、例えば上流側又は下流側のスイッチング素子だけがオン故障を起こしたような場合には故障を判定しずらいので、実際には、前述した第4の発明又は/及び第5の発明とこの第6の発明を組み合わせた構成が望ましい。
【0024】
なお、本出願に係わるモータ制御装置は、車両の電動パワーステアリング装置において、車両の操舵系に連結されたアシストモータを駆動制御する制御装置として用いると、特に効果的である。この電動パワーステアリング装置は、車両の操縦性ひいては安全性を左右する重要な装置であるために、特に信頼性が要求されるからである。また、車両走行時の振動などによって、モータ内の導線がグランド電位とされたモータケースに接触して地絡するといった故障が、モータを使った他の一般的な装置よりも発生し易いからである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1形態例)
まず、第1形態例である電動パワーステアリング装置のハード構成を、図1により説明する。本装置は、車両の操舵系に連結されて操舵補助トルクを発生するアシストモータ11(以下、場合により単にモータ11という)と、このモータ11を駆動回路12(Hブリッジ回路12aを含む)を介して制御する制御回路13と、車両の電源(バッテリー)14の出力をもとにこの制御回路13に所定電力を供給する電源回路15と、前記操舵系の操舵トルクを検出するトルクセンサ16と、モータ11の各端子電圧をそれぞれ検出するモータ端子電圧検出回路30a,30b(モータ端子電圧検出手段)とを備える。ここで、制御回路13は、本発明の制御手段に相当する。
【0026】
また、図1において符号17で示すものは、車両のイグニションスイッチであり、本装置においては制御回路13の起動スイッチとして機能する。
また、符号18a,18bで示すものは、電磁リレー(正確には電磁リレーの接点)であり、図示省略した回路を介してこれら電磁リレーのコイルが制御回路13によって駆動制御される構成となっている。
電磁リレー18a(リレーA)は、Hブリッジ回路12aと電源の正極間の通電ラインL1(高電位側電源ライン)を開閉するもので、本発明の電源側リレーに相当する。また、電磁リレー18b(リレーB)は、Hブリッジ回路12aとモータ11間の通電ラインL3を開閉するもので、本発明のモータ側リレーに相当する。
これら電磁リレーは、装置の非稼働状態において開状態に維持されて、例えばバッテリー逆接(車両のバッテリーを反対の極性で接続すること)による大電流の発生等を回避している。また、装置の稼働時に地絡故障などが起きた場合には、この故障に起因する大電流の発生やモータの誤動作、或いは回生ロックの回避のために、上記リレーをやはり開状態に切り換えて各通電ラインを遮断する構成となっている。
なお、ここでいう回生ロックとは、Hブリッジ回路12aを構成する後述のFETの短絡故障(オン故障)などによって、モータのコイルの両端子が接続された状態となり、モータにいわゆる回生制動力が発生して、モータに連結されたハンドルが回転操作困難になるか又は回転操作不能になる現象をいう。そして、このような回生ロックの問題をリレーによって解決しようとすれば、上記電磁リレー18bのように、Hブリッジ回路とモータ間の通電ラインにリレーを設ける必要がある。
【0027】
また、符号19で示すものは、Hブリッジ回路12aのグランド側(即ち、Hブリッジ回路12aと電源14の負極との間の通電ラインL2)に接続された抵抗(シャント抵抗)であり、この抵抗19の電圧降下分に相当する電圧が入力ライン20によって制御回路13に入力されている。なお、この入力ライン20から入力される電圧値は、モータ11の電流(以下、場合により単にモータ電流という)に比例するため、制御回路13ではこの電圧値からモータ電流値を検知可能であり、抵抗19や入力ライン20は、モータ電流の電流検出手段21を実質的に構成している。
なお、駆動回路12、制御回路13、電源回路15などは、ユニット化されてパワーステアリング装置のコントロールユニット22を構成している。
【0028】
ここで、駆動回路12は、この場合4個の電界効果トランジスタSW1〜SW4(以下、FETSW1〜SW4という)をモータ11に対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路12aを含むもので、このHブリッジ回路12aを構成するスイッチング素子である各FETSW1〜SW4は、制御回路13から出力されるPWM駆動信号によって動作する。なお、各FETSW1〜SW4は、この場合、Nチャンネルエンハンスメント型MOSFETであり、その構造上ダイオードD1〜D4(寄生ダイオード)がドレイン・ソース間に作り込まれている。
【0029】
また、制御回路13は、マイコンを含む回路で構成され、トルクセンサ16の検出信号から検知される操舵トルクの値に応じた操舵補助トルクを発生させるべく、前記操舵トルクに応じたモータ電流を実現するデューティ比のPWM駆動信号を生成してHブリッジ回路12aを制御する通常状態(異常状態でない正常な運転状態)での制御機能の他、この場合特に地絡故障を検出して、故障対応制御(FETSW1〜SW4を全てオフにしたり、電磁リレー18a又は18b(リレーA又はB)を開状態とする処理)を実行して過電流によるFETの焼損等を回避するフェールセーフ機能も実現する(詳細後述する)。また、制御回路13は、必要に応じて別途設けられた図示しない電源電圧検出回路(電源電圧検出手段)からの信号を読み取ることによって、電源電圧Vb(この場合、バッテリー14の出力電圧)の値をリアルタイムで認識可能となっている。
ここで、上記電源電圧検出回路は、例えば通電ラインL1に接続された分圧抵抗(図示省略)によって構成することができ、本願発明の電源電圧検出手段及び上流側電源電圧検出手段に相当している。なお、電源回路15が、電源電圧Vbに比例した信号を制御回路13に対して出力する機能を備え、上記電源電圧検出回路として機能する構成でもよい。
【0030】
また、電源回路15は、バッテリー14の電圧(通常、12V〜14V)を所定電圧(例えば、5V)に変換して制御回路13に供給するものである。
なお本形態例の場合、電磁リレー18aは、Hブリッジ回路12aと電源14の負極(即ち、グランド)との間の通電ラインL2に設けられていてもよく、また、電磁リレー18bは、Hブリッジ回路12aとモータ11間の他方の通電ラインL4に設けられていてもよい。また、電磁リレー18aのようなリレーは、通常必ず設けられるものである。しかし本形態例の場合、電磁リレー18bのようなリレーは必ずしも必要ではなく、前述した回生ロックが問題とならない場合(例えば、モータ11と操舵系との間にクラッチが設けられ、モータ11と操舵系の連結が適宜解除できる場合等)には、不要である。
なお、図示省略しているが、ユニット22には、上述した要素の他に、モータ電流が増大したときに電源をバックアップする電解コンデンサや、ノイズ放出を抑制する電波対策用のセラミックコンデンサなどが備えられる。また通常は、PWM駆動信号の設定に使用される車速検出信号が、車両に設けられた車速センサから制御回路13に入力される。
また一般的に、制御回路13内又はその周辺には、Hブリッジ回路12aの各スイッチング素子(FETSW1〜SW4)を制御回路13内のCPU13a(図3に示す)の指令で駆動するためのトランジスタよりなるFET駆動回路13b(図3に示す)や、入力ライン20などから入力される信号を平滑化するフィルタ回路(図示省略)、或いは、入力ライン20やモータ端子電圧検出回路30a,30bなどからの入力信号(アナログ信号)をデジタル化するA/Dコンバータ(図示省略)などが設けられる。
【0031】
また、モータ端子電圧検出回路30a,30bは、この場合、モータ11の各端子を電源の正極に接続するプルアップ抵抗31と、モータ11の各端子とグランド間に順次直列に接続された抵抗32,33(プルダウン抵抗)と、グランド側の抵抗33と並列に接続されたコンデンサ34とよりなり、抵抗33やコンデンサ34の上流側が出力端子となっている。ここで、抵抗32とコンデンサ34は、モータ11の各端子電圧の値を積分して制御回路13に入力する積分回路を構成しており、本願発明のモータ端子電圧検出手段に相当している。また、プルアップ抵抗31を含む各抵抗は、PWM制御のデューティ比がゼロの場合(モータ駆動停止時)でも、モータ11の各端子電圧が適度なプラスの大きさ(例えば、9V程度)を持つようにするための分圧抵抗として機能しており、特にプルアップ抵抗31は、Hブリッジ回路12aの動作(モータ11の駆動動作)に影響を与えないような大きな抵抗値(例えば数KΩ)を持つものとなっている。また、積分回路を構成する各要素(抵抗32及びコンデンサ34)は、モータ11の各端子電圧がこの積分回路により適度に平滑化されて、モータ11の各端子電圧の平均値に応じた出力電圧が制御回路13に入力されるように、その仕様が設定されている。
【0032】
次に、制御回路13の制御処理内容(主に、CPU13aを含むマイコンの処理内容)の一例について説明する。
制御回路13は、起動スイッチであるイグニションスイッチ17がオンされると起動して、以下のような処理を含む一連の動作を、例えばイグニションスイッチ17がオフされるなどして制御回路13の通常の稼働状態が停止するまで、例えば一定周期で繰り返し実行する。
まず、トルクセンサ16の検出信号から検知される操舵トルクの値に応じたモータ電流の目標電流値を演算する処理を行う。この演算は、操舵トルクに応じた(例えば、比例した)目標の操舵補助トルクを発生させるためのモータ電流値を目標電流値として算出するものであるが、操舵トルク以外のパラメータ(例えば、車速)も考慮して目標電流値(即ち、目標の操舵補助トルク)を求めるようにしてもよい。例えば、操舵トルクが同じでも、車速によって目標電流値を異ならせ、車速に応じて操舵補助トルクを若干異ならせるような構成が一般的となっている。
【0033】
次に、制御回路13は、それまでの処理で得られた目標電流値を実現するデューティ比のPWM駆動信号を生成してHブリッジ回路12aの各FETを制御する。具体的には、モータ11の駆動方向に応じて、例えば上流側のFETSW1,SW3のうちの何れか一方(例えば、FETSW1)を上記PWM駆動信号によって間欠動作させ、下流側のFETSW2,SW4のうちのその対角位置のFET(例えば、FETSW4)を常時オン駆動する。これにより、モータ11の所定方向に目標電流値にほぼ等しい電流が流れて、例えば操舵トルクに応じた大きさで操舵トルクと同方向の操舵補助トルクが発生し、ステアリング操作が十分にアシストされる。
ちなみに、このような片側PWM駆動方式によるモータ駆動時において、モータ11の各端子電圧は、正常であれば例えば図2(a)に示すような波形となる。即ち、まず、モータ11の下流側端子電圧Vm下(例えば、通電ラインL4の電圧)は、常にグランド電位(0V)となる。そして、PWM駆動信号がオンのときは、高電位電源側から例えばFETSW1、モータ11、FETSW4の経路で電流が流れて、モータ11の上流側端子電圧Vm上(例えば、通電ラインL3の電圧)は、電源電圧Vb(例えば、13V)に等しくなる。一方、PWM駆動信号がオフのときは、例えばFETSW2、モータ11、FETSW4の経路で回生電流が流れて、モータ11の上流側端子電圧Vm上は、例えば寄生ダイオードD2の電圧降下分Vfだけグランド電位より低くなるか、或いはグランド電位(0V)となる。但し、このような高周波の変動を平均化した上流側端子電圧Vm上の値は、例えば課題を解決するための手段の欄で説明した式(1)で求められる値となる。
【0034】
なお、このような通常の稼働状態において制御回路13は、各電磁リレー18a,18bを当然に閉状態に制御するが、次のような異常の発生を周期的に監視する処理を実行しており、異常が検知された場合には、全てのFETをオフにするか、或いは少なくとも電磁リレー18a(リレーA)を開状態として通電ラインL1を遮断するなどのフェールセーフ機能を有する。
特にこの場合には、モータ端子の地絡故障を検出して、故障対応制御を実行する。
なお、上記地絡故障以外にも各種の異常を検出する機能が備えられていてもよい。例えば、電流検出手段21により検知される実際のモータ電流値が、目標電流値よりも極端に増加して制御不能となり、いずれかのFETが短絡故障を起こしたと推定される場合には、電磁リレー18a(リレーA)を開状態として通電ラインL1を即座に遮断し、モータ11の誤動作や損傷等を回避する。またこの場合には、同時に電磁リレー18b(リレーB)を開状態に制御して通電ラインL3を遮断し、モータ11の回生ロックを回避するといった機能が設けられていることが好ましい。
【0035】
そして、制御回路13は、地絡故障監視のための処理として、例えば、次のような一連の処理を実行する。なおこの場合、これらの処理は、制御回路13の動作プログラムにおける例えばメインルーチンに対するサブルーチンとして、制御回路13が起動している限り周期的に繰り返し実行される。
このサブルーチンが開始されると、まず、地絡故障判定が可能か否かが判断される。地絡故障判定が不可能な場合としては、PWM制御のデューティ比や電源電圧が非常に小さい場合(図2(b)に示す地絡判定不能領域にある場合など)がある。地絡故障判定が不可能な場合には、以下の処理を実行しない。
次いで、モータ駆動停止時(PWM制御のデューティ比がゼロでHブリッジ回路12aが停止状態)であるか否かが判断され、モータ駆動停止時であれば、モータ駆動停止時の地絡故障判定が実行され、モータ駆動停止時でなければ(即ち、モータ駆動時であれば)、モータ駆動時の地絡故障判定が実行される。
【0036】
モータ駆動停止時の地絡故障判定では、まず、その時点で読み取られている電源電圧の検出値から、課題を解決するための手段の欄で説明した停止時しきい値(例えば、Vb・β)が算出される。次いで、その時点でモータ端子電圧検出回路30a及び30bによって入力されている各モータ端子電圧の両方又は平均値が、この停止時しきい値を下回っている異常状態となっているか否か判断する。そして、この異常状態になっている場合には、必要に応じて設定された猶予時間を経過した後に、地絡故障(下流側FETSW2又はFETSW4、或いはこれらを駆動するFET駆動回路13b内のトランジスタのオン故障含む。以下同様)が発生したと判定する。なお、猶予時間が設定されている場合に、この猶予時間内に前記異常状態が解消された場合には、地絡故障が発生したと判定しない。このようにすることで、例えばモータ端子電圧の過渡的な変化によって、地絡故障が誤検出されることが防止される。
一方、モータ駆動時の地絡故障判定では、まず、その時点で読み取られている電源電圧、及びその時点で出力されているPWM信号のデューティ比から、課題を解決するための手段の欄で説明した駆動時しきい値(例えば、前述の式(1)で求めた推定値から一定の許容値を差し引いた値)が算出される。次いで、その時点でモータ端子電圧検出回路30a又は30bによって入力されている上流側のモータ端子電圧(Vm上)が、この駆動時しきい値を下回っている異常状態となっているか否か判断する。そして、この異常状態になっている場合には、必要に応じて設定された猶予時間を経過した後に、地絡故障が発生したと判定する。なお、この猶予時間内に前記異常状態が解消された場合には、モータ駆動停止時と同様に地絡故障が発生したと判定しない。
【0037】
次に制御回路13は、上記モータ駆動停止時或いはモータ駆動時の何れかの地絡故障判定において、地絡故障が発生したと判定された場合には、例えば次のような故障対応制御を実行する。
即ち、各FETSW1〜SW4の全てを強制的にオフさせる駆動制御を実行した後、電磁リレー18a又は/及び電磁リレー18bを開状態に制御して、通電ラインL1又は/及び通電ラインL3を遮断する。
或いは、まず、各FETSW1〜SW4の全てを強制的にオフした後、必要に応じて設定された所定のインターバル時間を経過したときに上記地絡故障判定を再度実行し、地絡故障が起きているとの判定が再度なされた場合には、電磁リレー18a又は/及び電磁リレー18bを開状態に制御して、通電ラインL1又は/及び通電ラインL3を遮断する。そして、地絡故障が起きているとの判定が再度なされない場合には、各FETSW1〜SW4の強制的なオフ状態を解除して、通常の稼働状態に戻る処理でもよい。このような処理とすれば、地絡故障に対して最も弱いFETをまず保護して、FETの焼損を確実に阻止する一方で、地絡故障の判定を再確認して、地絡故障の判定の信頼性をより高めることができる。
【0038】
以上説明したモータ制御装置を含むパワーステアリング装置によれば、モータ駆動時の地絡判定のための端子電圧のちきい値(駆動時しきい値)が、例えば図2(b)に示すように、正常時の実際の端子電圧の変化に応じて変化する。このため、電源電圧や前記デューティ比が変化しても、地絡判定マージンを必要最小限の例えば一定値(前記許容値)に維持して、地絡判定の応答性等を常に最大限に維持できる。また、例えば図2(b)に示すように、前記デューティ比が小さいために地絡判定が不可能な領域(地絡判定不能領域)は、従来(図2(c)参照)に比較して格段に小さくなる。このことは、電源電圧が小さい場合についても同様である。
また本実施の形態では、モータ駆動時において、一方の端子電圧の低下のみに基づいて地絡判定を行っているので、端子間電圧に基づく場合に比較して、誘起電圧の影響が少なくなる(例えば、略半分になる)。このため、地絡判定マージンをその分小さく設定しても、誤検出が起きなくなり、応答性が高められる。特にこの場合には、駆動時しきい値を設定するための端子電圧の推定演算において、前述のように回生電流の影響を考慮しているので、この回生電流の影響による誤差を解消して、より誤検出の可能性を低下させつつ、応答性等をさらに高められる。
【0039】
また、本実施の形態では、モータ駆動停止時の地絡判定のための端子電圧のちきい値(停止時しきい値)が、正常時の実際の端子電圧の変化に応じて変化する。このため、電源電圧が変化しても、地絡判定マージンを必要最小限の例えば一定値(前記許容値)に維持して、地絡判定の応答性を常に最大限に維持できる。また、電源電圧が小さいために地絡判定が不可能な領域(地絡判定不能領域)は、従来(しきい値が一定値である場合)に比較して格段に小さくなる。
また、本実施の形態では、モータの端子電圧の両方又は平均値が、前記停止時しきい値を下回ると、モータ駆動停止時のモータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御が実行される。このため、誘起電圧の影響で一方の端子電圧が停止時しきい値よりも低くなったとしても、その影響で地絡が起きたと誤判定されることがなくなる。これにより、地絡判定マージンをその分小さく設定しても、誤検出が起きなくなり、応答性等が高められる。
したがってこの実施の形態によれば、モータ駆動時においても、またモータ駆動停止時においても、ほとんど全ての運転範囲において、モータ端子の有害な地絡故障の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定して、地絡によるスイッチング素子の損傷などを信頼性高く回避できる。
【0040】
(第2形態例)
次に、第2形態例を図3により説明する。但し、図1の第1形態例と同様の要素については、同符号を付して重複する説明を省略する。
本形態例のハード構成において特徴的なのは(図1と異なる構成は)、図3に示すように、電源側抵抗41と、下流側電源電圧検出回路30cが設けられている点である。
ここで、電源側抵抗41は、電磁リレー18a(電源側リレー)の接点に対して並列に接続された抵抗であり、電磁リレー18aが開状態の場合に、通電ラインL1における電磁リレー18aの下流側の電圧(即ち、下流側電源電圧Vb1)を、通電ラインL1における電磁リレー18aの上流側の電圧(即ち、上流側電源電圧Vb0)に対して所定割合(例えば、数%〜数10%程度)だけ小さい値とするためのものである。なお、上記上流側電源電圧Vb0は、バッテリ電圧Vbに相当し、第1形態例で説明した電源電圧検出回路(図示省略)、即ち上流側電源電圧検出手段によって検出される。また、電磁リレー18aが閉状態の場合、下流側電源電圧Vb1と上流側電源電圧Vb0はいずれもバッテリ電圧Vbであり等しい。
【0041】
一方、下流側電源電圧検出回路30cは、モータ端子電圧検出回路30a,30bと同様の構成よりなり(但し、対応するプルアップ抵抗31は無い)、通電ラインL1における電磁リレー18aの下流側(即ち、電源側抵抗41の下流側)に接続され、下流側電源電圧Vb1を検出するためのものである。この下流側電源電圧検出回路30cにおける抵抗32とコンデンサ34は、下流側電源電圧Vb1の値を積分して制御回路13に入力する積分回路を構成しており、本願発明の下流側電源電圧検出手段に相当している。
なお本形態例の場合も、電磁リレー18bは、Hブリッジ回路12aとモータ11間の他方の通電ラインL4に設けられていてもよい。
次に、この第2形態例における制御回路13は、前述した通常状態での制御機能の他、モータ駆動停止時において、モータ端子の天絡故障(上流側FETのオン故障含む)及び地絡故障(下流側FETのオン故障含む)、さらには上流側及び下流側FETの同時オン故障(前述した特殊な故障態様含む)を検出して、故障対応制御(FETSW1〜SW4を全てオフにしたり、リレーA又はBを開状態とする処理)を実行して過電流によるFETの焼損等を回避するフェールセーフ機能も実現する。
【0042】
即ち、本形態例の制御回路13(主に、CPU13aを含むマイコン)は、故障監視のための処理として、例えば、次のような一連の処理を実行する。なおこの場合、これらの処理は、制御回路13の動作プログラムにおける例えばメインルーチンにおいて、モータ駆動停止時(各FETを駆動していない時)に実行される。
この処理が開始されると、まず、故障判定が可能か否かが判断される。故障判定が不可能な場合としては、上流側電源電圧Vb0(即ち、バッテリ電圧Vb)が非常に小さい場合がある。故障判定が不可能な場合には、対応する故障判定について以下の処理を実行しない。
次いで、各電磁リレー18a,18bが閉状態(接点がオン状態)となっているときには、これらを全て開状態(接点がオフ状態)とする制御を実行する(但し、モータ駆動停止時にこれらリレーが全て開状態に制御されているときには、この処理は不要)。
【0043】
次に、その時点で読み取られている上流側電源電圧Vb0及び下流側電源電圧Vb1の検出値から、課題を解決するための手段の欄で説明した天絡故障しきい値(例えば、Vb1・X)、地絡故障しきい値(例えば、Vb1・Y)、及び電源電圧しきい値(例えば、Vb0・Z)、が算出される。なお、これら演算に使用される規定比率X,Y,Zは、Hブリッジ回路12aのFETがリーク故障(不完全オン故障)を起こしたときにも、故障判定が高精度になされるように設定してあることが望ましい。例えば、規定比率X,Yについては、次式(2),(3)によって求めて予め設定しておけばよい。
X=R1/((R2/RX)+R1) (2)
Y=(R1/RY)/((R1/RY)+R2) (3)
ここで、R1はプルダウン抵抗32,33の抵抗値であり、R2はプルアップ抵抗31の抵抗値であり、RXは上流側スイッチング素子(FETSW1,FETSW3)の許容値(リーク故障した場合に許される最低の抵抗値)、RYは下流側スイッチング素子(FETSW2,FETSW4)の同じく許容値である。
【0044】
次いで、その時点でモータ端子電圧検出回路30a及び30bによって入力されている各モータ端子電圧の少なくとも一方が、上記天絡故障しきい値を上回るか、或いは上記地絡故障しきい値を下回っている異常状態となっているか否か(即ち、天絡故障又は値絡故障が起こっているか否か)を判断する。また同時に、その時点で下流側電源電圧検出回路30cより入力されている下流側電源電圧Vb1が、上記電源電圧しきい値を下回っている異常状態となっているか否か(即ち、上流側及び下流側のFETが同時オン故障となっているか否か)を判断する。
そして、何れかの異常状態になっている場合には、必要に応じて設定された猶予時間を経過した後に、故障が発生したと判定する。なお、猶予時間が設定されている場合に、この猶予時間内に前記異常状態が解消された場合には、故障が発生したと判定しない。このようにすることで、例えばモータ端子電圧等の過渡的な変化によって、故障が誤検出されることが防止される。
次に制御回路13は、上述したように故障が発生したと判定した場合には、例えば次のような故障対応制御を実行する。
即ち、モータを駆動すべき状態となっても、各FETSW1〜SW4の全てを強制的にオフさせる駆動制御を実行し、電磁リレー18a又は/及び電磁リレー18bを開状態に制御して、通電ラインL1又は/及び通電ラインL3を遮断する。
【0045】
以上説明したモータ制御装置を含むパワーステアリング装置によれば、モータ駆動停止時の各故障判定(天絡故障、地絡故障、及び上流側及び下流側スイッチング素子の同時オン故障の判定)のための各しきい値が、実際の電源電圧(Vb0又はVb1)の変動に応じて変化する。このため、電源電圧が変化しても、故障判定マージンを必要最小限の例えば一定値に維持して、各故障判定の応答性等を常に最大限に維持できる。また、電源電圧が小さいために故障判定が不可能な領域は、従来に比較して格段に小さくなる。また、前述したように各規定比率X,Y,Zをスイッチング素子(各FETSW1〜4)のリーク故障(不完全オン故障)に対応した値に設定することによって、各スイッチング素子の許容値を下回るリーク故障も信頼性高く故障として判定できるようになる。
また本実施の形態では、モータ側リレー(電磁リレー18b)の接点がオフの状態で上記故障判定が実行されるため、仮にタイヤから或いはハンドルからモータ11が回転させられても、これによる誘起電圧がモータ端子に現れることはなく、この影響で誤判定されることがなくなる。このため、故障判定マージンをその分小さく設定しても、誤検出が起きなくなり、さらに応答性が高められる。
【0046】
また本実施の形態では、電源電圧Vb(上流側電源電圧Vb0)の検出値に比例して変化する電源電圧しきい値に基づいて、モータ駆動停止時のHブリッジ回路供給電圧(即ち、下流側電源電圧Vb1)の異常な低下が監視され、この供給電圧の低下があったときに、スイッチング素子のオン故障(リーク故障含む)が起きたとして故障対応制御が実行される。このため、Hブリッジ回路の高電位側スイッチング素子(例えば、FETSW1)と低電位側スイッチング素子(例えば、FETSW2)の両方が同時にオン故障を起こしたような場合でも、モータ端子電圧に無関係に確実に故障対応制御が実行でき、前述した特殊な故障態様にも信頼性高く対応できる。というのは、Hブリッジ回路の高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子の両方がオン故障を起こして同程度に抵抗値が下がった場合には、モータ端子電圧が正常状態に対して変化せず、このような場合、モータ端子電圧を監視する構成だけでは、実際には故障が起こっているのにそれを判定できないことになる。しかし本例の構成であれば、上述したような特殊な故障態様の場合にも、監視対象の一つであるHブリッジ供給電圧(即ち、下流側電源電圧Vb1)が電源電圧しきい値を越えて低下するので、故障を判定可能となる。特に、前記規定比率Zをスイッチング素子のリーク故障(不完全オン故障)に対応した値に設定することによって、上流側と下流側のスイッチング素子のリーク故障も信頼性高く判定できるようになる。
したがってこの実施の形態によれば、モータ駆動停止時において、スイッチング素子の損傷などを誘発するHブリッジ回路12aの全ての故障態様(天絡故障、地絡故障、さらには上流側及び下流側スイッチング素子の同時オン故障)の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定して、これら故障によるスイッチング素子の損傷などを信頼性高く回避できる。なお、ここでいう天絡故障や地絡故障には、配線の短絡やスイッチング素子のオン故障(リーク故障含む)によるものが当然に含まれる。また、スイッチング素子のオン故障には、スイッチング素子自身のオン故障のみならず、前述したFET駆動回路13b内のトランジスタがオン故障することによるものも含まれることもいうまでもない。
また、本形態例(第2形態例)や前述の第1形態例のハード構成は、従来の構成に対してなんら特別な回路を付加するものではない。このため、従来に対してほとんどコスト増加が無いという実用上優れた長所も有する。
【0047】
なお、本発明は上記形態例の態様に限られず、各種の態様があり得ることはいうまでもない。
例えば、モータ駆動時の地絡故障判定のみ、或いはモータ駆動停止時の地絡故障判定のみを実施する態様でもよい。また、モータ駆動停止時の天絡故障判定のみ、或いはモータ駆動停止時の特殊故障判定(前述の電源電圧しきい値による故障判定)のみを実施する態様でもよい。但し実際には、これら故障判定を組み合わせ、より多くの故障態様を漏れなく検知する態様(例えば、上述した第1形態例又は第2形態例のような態様、或いは第1形態例と第2形態例を組み合わせたような態様)が好ましい。
また、本発明の思想は、上述したような電動パワーステアリング装置に限られず、Hブリッジ回路によってモータをPWM駆動する装置であれば、適用可能であり同様の効果を奏することができる。
【0048】
【発明の効果】
本願の各発明によれば、モータ駆動時又は/及びモータ駆動停止時において、モータ端子の有害な地絡故障或いは天絡故障等の発生を誤検出なく的確にしかも迅速に判定して、この故障によるスイッチング素子の損傷などを信頼性高く回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置(第1形態例)の全体構成を示す図である。
【図2】同装置の動作や作用効果を説明する図である。
【図3】電動パワーステアリング装置(第2形態例)の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
11 アシストモータ
12 駆動回路
12a Hブリッジ回路
13 制御回路(制御手段)
15 電源回路(電源電圧検出手段、上流流側電源電圧検出手段)
16 トルクセンサ
18a 電磁リレーA(電源側リレー)
18b 電磁リレーB(モータ側リレー)
22 コントロールユニット
30a,30b モータ端子電圧検出回路(モータ端子電圧検出手段)
30c 下流側電源電圧検出回路(下流側電源電圧検出手段)
31 プルアップ抵抗
32,33 プルダウン抵抗
41 電源側抵抗
SW1〜SW4 FET(スイッチング素子)

Claims (13)

  1. 複数のスイッチング素子をモータに対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路を有し、前記スイッチング素子のうちの少なくとも高電位電源側に接続されたスイッチング素子をPWM駆動することによってモータをPWM制御するモータ制御装置であって、
    モータの各端子電圧をそれぞれ検出するモータ端子電圧検出手段と、
    前記Hブリッジ回路に供給する電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    前記Hブリッジ回路が駆動状態の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される高電位側の端子電圧が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧、及び前記PWM制御のデューティ比に比例して変化する駆動時しきい値を下回ると、モータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧、及び前記PWM制御のデューティ比から、Hブリッジ回路が駆動状態である場合のモータの高電位側の端子電圧の推定値を算出し、この推定値から所定の許容値を差し引いてなる値を、前記駆動時しきい値として使用することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御手段は、モータの高電位側の端子電圧の推定値を算出する際、PWM信号がオフ状態にある場合の回生電流による電圧降下分を考慮することを特徴とする請求項2記載のモータ制御装置。
  4. 複数のスイッチング素子をモータに対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路を有し、前記スイッチング素子のうちの少なくとも高電位電源側に接続されたスイッチング素子をPWM駆動することによってモータをPWM制御するモータ制御装置であって、
    モータの各端子電圧をそれぞれ検出するモータ端子電圧検出手段と、
    前記Hブリッジ回路に供給する電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    モータの各端子をそれぞれ前記Hブリッジ回路の高電位側電源ラインに接続するプルアップ抵抗と、
    前記Hブリッジ回路が停止状態の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の両方又は平均値が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧に比例して変化する停止時しきい値を下回ると、モータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧に、前記プルアップ抵抗による分圧比未満の係数を乗算してなる値を、前記停止時しきい値として使用することを特徴とする請求項4記載のモータ制御装置。
  6. 複数のスイッチング素子をモータに対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路を有し、前記スイッチング素子のうちの少なくとも高電位電源側に接続されたスイッチング素子をPWM駆動することによってモータをPWM制御するモータ制御装置であって、
    モータの各端子電圧をそれぞれ検出するモータ端子電圧検出手段と、
    前記Hブリッジ回路に供給する電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    モータの各端子をそれぞれ前記Hブリッジ回路の高電位側電源ラインに接続するプルアップ抵抗と、
    前記Hブリッジ回路が駆動状態の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される高電位側の端子電圧が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧、及び前記PWM制御のデューティ比に比例して変化する駆動時しきい値を下回るか、或いは、前記Hブリッジ回路が停止状態の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の両方又は平均値が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧に比例して変化する停止時しきい値を下回ると、モータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  7. 複数のスイッチング素子をモータに対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路を有し、前記スイッチング素子のうちのいずれかを駆動することによってモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記Hブリッジ回路とモータ間の通電ラインを開閉するモータ側リレーと、
    モータの各端子をそれぞれ前記Hブリッジ回路の高電位側電源ラインに接続するプルアップ抵抗と、
    モータの各端子をそれぞれグランドに接続するプルダウン抵抗と、
    モータの各端子電圧をそれぞれ検出するモータ端子電圧検出手段と、
    前記Hブリッジ回路に供給される電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    前記モータ側リレーの接点がオフの状態で、かつ前記Hブリッジ回路が停止状態の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の少なくとも一方が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧に予め設定された規定比率を乗算して得られる天絡故障しきい値を上回ると、少なくともモータ端子の天絡故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  8. 前記規定比率は、前記Hブリッジ回路における高電位電源側のスイッチング素子の抵抗値が許容値を下回るリーク故障が起きたときに、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の少なくとも一方が前記天絡故障しきい値を上回るように、設定されていることを特徴とする請求項7記載のモータ制御装置。
  9. 複数のスイッチング素子をモータに対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路を有し、前記スイッチング素子のうちのいずれかを駆動することによってモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記Hブリッジ回路とモータ間の通電ラインを開閉するモータ側リレーと、
    モータの各端子をそれぞれ前記Hブリッジ回路の高電位側電源ラインに接続するプルアップ抵抗と、
    モータの各端子をそれぞれグランドに接続するプルダウン抵抗と、
    モータの各端子電圧をそれぞれ検出するモータ端子電圧検出手段と、
    前記Hブリッジ回路に供給される電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
    前記モータ側リレーの接点がオフの状態で、かつ前記Hブリッジ回路が停止状態の場合に、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の少なくとも一方が、前記電源電圧検出手段により検出される電源電圧に予め設定された規定比率を乗算して得られる地絡故障しきい値を下回ると、モータ端子の地絡故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  10. 前記規定比率は、前記Hブリッジ回路における低電位電源側のスイッチング素子の抵抗値が許容値を下回るリーク故障が起きたときに、前記モータ端子電圧検出手段により検出される端子電圧の少なくとも一方が前記地絡故障しきい値を下回るように、設定されていることを特徴とする請求項9記載のモータ制御装置。
  11. 複数のスイッチング素子をモータに対してHブリッジ形に接続してなるHブリッジ回路を有し、前記スイッチング素子のうちのいずれかを駆動することによってモータを制御するモータ制御装置であって、
    前記Hブリッジ回路の高電位側電源ラインを開閉する電源側リレーと、
    前記Hブリッジ回路とモータ間の通電ラインを開閉するモータ側リレーと、
    前記電源側リレーの接点に対して並列に接続された電源側抵抗と、
    モータの各端子をそれぞれ前記高電位側電源ラインにおける前記電源側抵抗の下流側に接続するプルアップ抵抗と、
    モータの各端子をそれぞれグランドに接続するプルダウン抵抗と、
    前記高電位側電源ラインにおける前記電源側抵抗の下流側電源電圧を検出する下流側電源電圧検出手段と、
    前記高電位側電源ラインにおける前記電源側抵抗の上流側電源電圧を検出する上流側電源電圧検出手段と、
    前記電源側リレーとモータ側リレーの接点がオフの状態で、かつ前記Hブリッジ回路が停止状態の場合に、前記下流側電源電圧検出手段により検出される下流側電源電圧が、前記上流側電源電圧検出手段により検出される上流側電源電圧に予め設定された規定比率を乗算して得られる電源電圧しきい値を下回ると、前記スイッチング素子のオン故障が起きたと判断して故障対応制御を実行する制御手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  12. 前記規定比率は、前記Hブリッジ回路の高電位側スイッチング素子と低電位側スイッチング素子の抵抗値が何れも許容値を下回るリーク故障が起きたときに、前記下流側電源電圧が前記電源電圧しきい値を下回るように、設定されていることを特徴とする請求項11記載のモータ制御装置。
  13. 請求項1乃至12の何れかに記載のモータ制御装置を有し、このモータ制御装置により車両の操舵系に連結されたアシストモータを駆動制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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