JP3793938B2 - ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料 - Google Patents

ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム、たとえばエチレンプロピレン系ゴム(以下EPDMゴムと略称する)に対する接着性が優れたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリアミド繊維は、高強度、高モジュラス、繊維自体の耐熱性に優れ、近年ではタイヤ、ベルト、ホースなどのゴム補強用繊維として広く使用されている。一方EPDMゴムは分子内に不飽和結合を持たないか、あるいは極微量であるため優れた耐熱性、耐候性、耐オゾン性を備え近年、ホース等の自動車部品を中心に広く用いられている。しかし、EPDMゴムはその分子構造ゆえに繊維との接着性が不十分であり接着性を改良する方法が種々提案されている。例えば、特開昭62−131035号公報には、繊維をレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物・クロロスルホン化エチレンラテックスおよび亜鉛華を一定の組成を含有した混合物で処理する方法が記載されている。特開平2−167346号公報には、繊維をレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物・ゴムラテックスで処理し、次いでハロゲン化フェノール化合物とレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とスチレン・ブタジエンゴムラテックス/ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン・ゴムラテックスの混合物で処理方法が記載されている。特開平8−92386号公報には、繊維をレゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックス・ブロックドイソシアネート化合物の混合物で処理する方法が記載されている。特開平9−216954号公報には、繊維をレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とヨウ素価が0〜120であるニトリル基含有飽和ゴムラテックスの混合物で処理する方法が記載されているがこれらの方法では接着性が十分でなく、実用性に乏しいものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果到達されたものである。したがって、本発明の目的はゴム、特にEPDMゴムに対する接着性が優れたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維とゴムとの初期接着性、耐水接着性に優れ、かつ軽量な繊維強化ゴム複合材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は次の手段をとるものである。
【0005】
(1)ゴムラテックス100重量部に対してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を2〜10重量部、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、エチレンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物を20〜40重量部を配合した組成物がゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の表面に2.0〜15.0重量%付着し、さらにその外側に、ゴムラテック100重量部に対してホルムアルデヒド/レゾルシンのモル比が1.24〜3.00のレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を10〜25重量部、エチレンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物を5〜20重量部を配合した組成物が2.0〜8.0重量%付着していることを特徴とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
【0006】
(2) ゴムラテックスがビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスまたはクロロスルホン化ポリエチレンラテックスであることを特徴とする上記(1)記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
【0007】
(3)芳香族ポリアミド繊維を、ゴムラテックス100重量部に対してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を2〜10重量部、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、エチレンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物を20〜40重量部を配合した組成物を含有する第1処理液で処理し、次いでゴムラテック100重量部に対してホルムアルデヒド/レゾルシンのモル比が1.24〜3.00のレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を10〜25重量部,エチレンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物を5〜20重量部を配合した組成物を含有する第2処理液で処理することを特徴とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
【0008】
(4)第1処理液で処理後、100〜150℃で乾燥し、200〜260℃で熱処理を施し、第2処理液で処理後、100〜150℃で乾燥し、170〜230℃で熱処理することを特徴とする上記(3)記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
【0009】
(5) 第1処理液の芳香族ポリアミド繊維に対する固形分付着量を2.0〜15.0重量%とし、第2処理液の前記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対する固形分付着量を2.0〜8.0重量%に制御することを特徴とする上記(3)または上記(4)記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
【0010】
(6) 請求項1または2項記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維または上記(3)〜(5)いずれか記載の方法により得られたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維を用いて、ゴムを補強したことを特徴とする繊維強化ゴム複合材料。
【0011】
(7) ゴムがエチレンプロピレン系ゴムであることを特徴とする上記(6)記載の繊維強化ゴム複合材料。
【0012】
(8) 複合材料がベルトであることを特徴とする上記(6)または上記(7)記載の繊維強化ゴム複合材料。
【0013】
(9) 複合材料がホースであることを特徴とする上記(6)または上記(7)記載の繊維強化ゴム複合材料。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0015】
本発明で使用する芳香族ポリアミド繊維とは、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンから合成されるポリアラミド繊維のことであり、特に芳香族ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)および/またはポリ(p−フェニレン−3,4´−ジフェニルエーテルテレフタルアミド)が好ましい。
【0016】
なお、本発明で用いる芳香族ポリアミド繊維とは、上記芳香族ポリアミドを素材としてなるフィラメント糸の他、このフィラメント糸からなるコード、織物、織布、布帛および不織布などの形態をも含むものであり、下記に述べる接着処理液による処理は、その任意の形態の芳香族ポリアミド繊維に施されればよい。
【0017】
本発明の第1処理液および第2処理液に用いられるレゾルシン−ホルムアルデヒドの初期縮合物(RFと略称する)とゴムラテックス(Lと略称する)との混合物とは、一般にRFLと称されるものである。
【0018】
このRFLに含まれるレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物とは
アルカリ触媒または酸触媒の存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドを縮合させたものであって、第1処理液のホルムアルデヒド/レゾルシンのモル比が0.3〜2.0、特に0.5〜1.25の範囲が望ましい。
【0019】
第2処理液の場合、ホルムアルデヒド/レゾルシンのモル比は1.24〜3.00、特に1.75〜2.25の範囲が望ましい。
【0020】
また上記第1処理液および第2処理液に用いられるゴムラテックスとしてはビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、クロロプレン系ラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンラテックス、アクリレ−トラテックス、塩化ビニル共重合体ラテックス、天然ゴムラテックスなど挙げられるが、なかでもビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスおよびクロロスルホン化ポリエチレンラテックスを用いた場合に最も良好な結果が得られる。
【0021】
本発明における第1処理液に含まれるポリエポキシド化合物とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を含有する化合物であり、具体的にはグリセロ−ル、ペンタエリスリト−ル、ソルビト−ル、エチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル等の多価アルコ−ル類とエピクロルヒドリンの如きハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノ−ル・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノ−ル類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応性生物、ビス−(3,4−エポキシ−6−メチル−ジシクロヘキシルメチル)アジベ−ト、3,4−エポキシシクロヘキセンエポキシド等の不飽和結合部分を酸化して得られるポリエポキシド化合物などが挙げられる。好ましくは多価アルコ−ルのソルビトール・ポリグリシジルエーテルが用いられる。
【0022】
本発明におけるエチレンイミン化合物としては、ジフェニルメタン−ビス−4,4´−N,N´−ジエチレンイミン、1,6−ヘキサメチレンジエチレンイミン、オクタデシルジエチレンイミン、トリレンジエチレンイミン、ナフチレンジエチレンイミン、トリフェニルメタンジエチレンイミン、などの芳香族、脂肪族イソシアネートとエチレンイミンとの反応生成物が挙げられ、特に芳香族エチレンイミン化合物が良好な結果を与える。
【0023】
本発明におけるブロックドイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびトリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物とフェノール、クレゾール、レゾルシンなどのフェノール類、ε−カプロラクタム、バレロラクタムなどのラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム類から選ばれたブロック剤との反応生成物であり、熱処理によりブロック剤が解離し活性イソシアネート基が再生されるものが挙げられ、好ましくはジフェニルメタンジイソシアネートとフェノール類との反応生成物が良好な結果を与える。
【0024】
次に、本発明に係わる第1処理液について説明する。
【0025】
ゴムラテックス100重量部に対してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を2〜10重量部、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、エチレンイミン化合物または、ブロックドイソシアネート化合物を20〜40重量部をを含有する第1処理液は、通常固形分濃度10〜25重量%で使用され、処理時における芳香族ポリアミド繊維への固形分付着量は2.0〜15.0重量%になるように制御される。
【0026】
ここで、第1処理液におけるレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物の配合量がゴムラテックスの固形分100重量部に対し2.0重量部未満では処理液成分がローラーに付着し機械汚れを招く傾向となり10重量部を越えると耐水接着性が悪くなる傾向で好ましくない。
【0027】
ポリエポキシド化合物の配合量がゴムラテックスの固形分100重量部に対し10重量部未満では芳香族ポリアミド繊維とゴムとの接着が悪くなる傾向となり、20重量部を越えると接着性改善効果が飽和しこれ以上添加してもコストアップを招くのみであり好ましくない。
【0028】
エチレンイミン化合物または、ブロックドイソシアネート化合物の配合量がゴムラテックスの固形分100重量部に対し20重量部未満では芳香族ポリアミド繊維とゴムとの接着が悪くなる傾向となり、40重量部を越えると接着性改良効果が飽和しこれ以上添加してもコストアップを招くばかりか、芳香族ポリアミド繊維自体の特性が阻害される傾向となるため好ましくない。
【0029】
芳香族ポリアミド繊維に対する第1処理液の固形分付着量が2.0重量%未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良することができず、15重量%を越えると、芳香族ポリアミド繊維自体の特性が阻害される傾向となるため好ましくない。 また、第1処理液付与後の熱処理は、通常100〜150℃で0.5〜5分間乾燥した後、200〜260℃で0.5〜5分間熱処理することにより行う。
【0030】
第1処理液付与後の乾燥温度が100℃未満では、処理液成分が固化せずローラーに付着し芳香族ポリアミド繊維への付着量が減少するとともに、付着ムラが生じゴムとの接着が悪くなる傾向となり、また150℃以上では、ブリスター (カス)が発生しやすい傾向となる。
【0031】
また、第1処理液付与後の熱処理温度が200℃未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良することができず、260℃を越えるとゴムラテックスが劣化し十分な接着性が得られないため好ましくない。
【0032】
次に第2処理液について説明する。
【0033】
ゴムラテックス100重量部に対してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を10〜25重量部,エチレンイミン化合物または、ブロックドイソシアネート化合物を5〜20重量部を配合した組成物を含有するは、通常固形分濃度10〜25重量%で使用され、処理時における芳香族ポリアミド繊維への固形分付着量は、上記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対し2.0〜8.0重量%になるように制御される。
【0034】
ここで、第2処理液におけるエチレンイミン化合物または、ブロックドイソシアネート化合物の配合量がゴムラテックスの固形分100重量部に対し5重量部未満では、芳香族ポリアミド繊維とゴムとの接着性を十分に改良することができず、また20重量部を越えると、接着性改善効果が飽和しこれ以上添加してもコストアップを招くのみであるため好ましくない。
【0035】
第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対する第2処理液の固形分付着量が2.0重量%未満ではゴムに対する接着性を十分に改良することができず、8.0重量%をこえると芳香族ポリアミド繊維自体の特性が阻害されるばかりか、接着性改善効果が飽和しこれ以上添加してもコストアップを招く傾向となるため好ましくない。
【0036】
また、第2処理液付与後の熱処理は通常100〜150℃で0.5〜5分間乾燥した後、170〜230℃で0.5〜5分間熱処理することにより行う。
【0037】
第2処理液付与後乾燥温度が100℃未満では、処理液成分が固化せずローラーに付着し芳香族ポリアミド繊維への付着量が減少するとともに、付着ムラが生じゴムとの接着が悪くなる傾向となり、また150℃以上では、ブリスター(カス)が発生しやすい傾向となる。
【0038】
第2処理液付与後の熱処理温度が170℃未満または、230℃を越えるとゴム、なかでもEPDMゴムに対する接着性を十分に改良することができないため好ましくない。
【0039】
このようにして、第1処理液および第2処理液による処理および熱処理を施された芳香族ポリアミド繊維を、次いで天然ゴムまたは合成ゴムを主体としたゴム組成物中に埋め込み、加圧下で加硫することにより、被着ゴムと強固に接着された繊維強化ゴム複合材料が得られるが、各種ゴムのなかでも、特にEPDMゴムを使用した場合に優れた効果を得ることができる。
【0040】
なお、上記のように接着処理された芳香族ポリアミド繊維は、繊維強化ゴム複合材料が例えば自動車用ホースの場合には、未加硫のNBRゴム組成物またはEPDMゴム組成物の内管上に編組された後、さらに未加硫ゴムを被覆した状態で加硫される。
【0041】
加硫は、スチーム加硫、プレス加硫などの通常の方法により、140〜170℃で行われる。加硫時間は加硫温度などの加硫条件により、適宜選択すればよい。 かくして、本発明によれば、ゴムと芳香族ポリアミド繊維との間の接着性が優れ、柔軟で製造工程におけるカス発生の不具合を解消した繊維強化ゴム複合材料を効率的に得ることができ、得られた繊維強化ゴム複合材料は、防舷材、動力伝達ベルト、搬送用ベルト、およびゴムホース、なかでもラジエターホース、ヒーターホース、パワーステアリングホース、オイルホースなどの自動車用ホースに適用した場合に優れた性能を発揮する。
【0042】
【実施例】
次に、実施例により、本発明を具体的に説明する。各測定値は次ぎの方法により求めたものである。
【0043】
プライ間剥離接着(ゴム付着率、剥離力)
芳香族ポリアミド繊維の処理コードを28本/インチの密度でトッピングしたEPDMゴムシート2枚を、処理コ−ドが平行になるように張りあわせて、加圧下で160℃、40分間プレス加硫を行う。初期剥離力はゴム組成物を放冷後、両プライを5cm/minの引っ張り速度で剥離測定を行う。耐水剥離力は放冷したゴム組成物を40℃の水中へ7日間浸漬した後に水中から取り出し、両プライを5cm/minの引っ張り速度で即剥離測定を行った。ゴム付着率はEPDMゴムから剥離されたコ−ドを肉眼で観察し、コ−ド表面にEPDMゴムが付着している部分を百分率で表わしたものであり、剥離力は剥離させるに要する力をKg/インチで表わした。
【0044】
実施例1〜
第1浴処理液として、苛性ソ−ダの存在下でレゾルシン1モルに対しホルムアルデヒドを0.20〜1.24モルを反応させて得られたレゾルシン−ホルムアデヒド初期縮合物をビニルピリジン−スチレン−ブタジエンラテックスおよび/または、クロロスルホン化ポリエチレンラテックス100重量部に対し、表1に示した所定の比率で混合し、24時間熟成させた。該液にソルビトールポリグリシジルエ−テルに水を加えてホモジナイザ−を用いて乳化した物とジフェニルメタン−ビス−4,4´−N,N´−ジエチレイミンの水分散液および/または、ブロックドイソシアネート化合物溶液を表1に示した所定の比率で混合し固形分濃度20%の第1浴処理液を得た。第2浴処理液として、第1浴処理液と同様に、苛性ソ−ダの存在下でレゾルシン1モルに対しホルムアルデヒドを0.20〜2.00モルを反応させて得られた初期縮合物とビニルピリジン−スチレン−ブタジエンラテックスおよび/または、クロロスルホン化ポリエチレンラテックス100重量部に対し、表1に示した所定の比率で混合し、24時間熟成させた。該液にジフェニルメタン−ビス−4,4´−N,N´−ジエチレイミンの水分散液および/またはブロックドイソシアネート化合物溶液を表1に示した所定の比率で混合し固形分濃度20%の第2処理液を得た。
【0045】
デュポン社の“ケブラー”1500デニ−ルのマルチフイラメント1本を13回/10cmの撚数で撚糸してコ−ドとし、コンピュ−トリ−タ処理機(リッツラ−社製)を用いて、前記第1浴処理液に浸漬(固形分付着量6.8〜8.3重量%)し、140℃で150秒乾燥し、続いて240℃で60秒間熱処理した。次いで第1処理液を付与したコードを、前記第2処理液に浸漬(固形分付着量2.5〜4.1重量%)120℃で150秒乾燥し、続いて200℃で60秒間熱処理した得られた結果を表1に示した。
【0046】
表1における記号内容は以下の通りである。
【0047】
X :ホルムアルデヒド(F)/レゾルシン(R)のモル比
Y :RF量(重量部)
B :エポキシ化合物(重量部)
CまたはE:エチレン尿素化合物(重量部)および/またはブロックドイソシアネート化合物(重量部)
B、C、E、Yはビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系ラテックスおよび/またはクロロスルホン化ポリエチレンラテックス100重量部に対する重量比である。
【0048】
また各特性の単位は以下の通りである。
【0049】
剥離ゴム付き:%
剥離ゴム剥離力:Kg/インチ
【表1】
Figure 0003793938
比較例1〜6
上記実施例において、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンラテックスおよび/または、クロロスルホン化ポリエチレンラテックス100重量部に対し、レゾルシン−ホルムアデヒド初期縮合物、ポリエポキシ化合物、エチレンイミン化合物および/またはブロックドイソシアネート化合物の配合割合を、表2に示したように変更した以外は実施例と同様の条件で芳香族ボリアミド繊維を処理した。これらの結果を表2に示した。記号内容、各特性の単位は表1と同一である。
【0050】
【表2】
Figure 0003793938
実施例7
実施例1〜5中のエポキシ化合物のソルビト−ルポリグリシジルエ−テルの代替としてポリグリシジルエ−テル、グリセロ−ルポリグリシジルエ−テル、ポリグリセロ−ルポリグリシジルエ−テル等に変更したが、いずれも剥離力に変化はなかった。
【0051】
表1および表2から明らかなように、本発明のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維は、EPDMゴムに対する接着性が優れた繊維強化ゴム複合材料を与える。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維は各種ゴム、特にEPDMゴムに対する接着性が優れており、柔軟で、かつ軽量な特性を有するとともに、製造工程におけるカス発生の不具合を解消したものであり、繊維強化ゴム複合材料として防舷材、動力伝達ベルト、搬送用ベルト、およびゴムホース、なかでもラジエターホース、ヒーターホース、パワーステアリングホース、オイルホースなどの自動車用ホースに適用した場合に優れた性能を発揮する。

Claims (9)

  1. ゴムラテックス100重量部に対してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を2〜10重量部、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、エチレンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物を20〜40重量部を配合した組成物がゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の表面に2.0〜15.0重量%付着し、さらにその外側に、ゴムラテック100重量部に対してホルムアルデヒド/レゾルシンのモル比が1.24〜3.00のレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を10〜25重量部、エチレンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物を5〜20重量部を配合した組成物が2.0〜8.0重量%付着していることを特徴とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
  2. ゴムラテックスがビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスまたはクロロスルホン化ポリエチレンラテックスであることを特徴とする請求項1記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
  3. 芳香族ポリアミド繊維を、ゴムラテックス100重量部に対してレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を2〜10重量部、ポリエポキシド化合物を10〜20重量部、エチレンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物を20〜40重量部を配合した組成物を含有する第1処理液で処理し、次いでゴムラテック100重量部に対してホルムアルデヒド/レゾルシンのモル比が1.24〜3.00のレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を10〜25重量部,エチレンイミン化合物またはブロックドイソシアネート化合物を5〜20重量部を配合した組成物を含有する第2処理液で処理することを特徴とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  4. 第1処理液で処理後、100〜150℃で乾燥し、200〜260℃で熱処理を施し、第2処理液で処理後、100〜150℃で乾燥し、170〜230℃で熱処理することを特徴とする請求項3記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  5. 第1処理液の芳香族ポリアミド繊維に対する固形分付着量を2.0〜15.0重量%とし、第2処理液の前記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対する固形分付着量を2.0〜8.0重量%に制御することを特徴とする請求項3または請求項4記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  6. 請求項1または2項記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維または請求項3〜5のいずれか1項記載の方法により得られたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維を用いて、ゴムを補強したことを特徴とする繊維強化ゴム複合材料。
  7. ゴムがエチレンプロピレン系ゴムであることを特徴とする請求項6記載の繊維強化ゴム複合材料。
  8. 複合材料がベルトであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の繊維強化ゴム複合材料。
  9. 複合材料がホースであることを特徴とする請求項6または請求項7記載の繊維強化ゴム複合材料。
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