JP7478576B2 - ゴム補強用アラミド繊維コード - Google Patents

ゴム補強用アラミド繊維コード Download PDF

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Description

本発明は、ゴム補強用アラミド繊維コードに関する。
アラミド繊維は、高強度、高弾性率、高耐熱性、非導電性、錆びない等の高い機能性と、有機繊維特有のしなやかさと軽量性を併せ持った合成繊維であることから、各種タイヤ、ベルト、コンベヤ等のゴム補強用繊維として用いられている。しかし、アラミド繊維をゴムと接着させる場合は、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(以下、RFLと言うことがある)等の接着剤で処理する必要がある。
ところが、RFLはアラミド繊維への付着性が劣っているため、従来のゴム補強用アラミド繊維コードでは、アラミド繊維表面をエポキシ化合物で前処理した後、接着剤を1浴目と2浴目で処理する、所謂2浴処理が一般的である。このエポキシ化合物による前処理は、従来から、ポリエステル繊維やアラミド繊維に対し行われている。しかし、アラミド繊維の場合には、エポキシ化合物による前処理で摩擦係数が増加し、繊維の工程通過性が悪化するため、擦過によりフィブリルが発生する問題がある。
また、2浴処理に関して、例えば特許文献1には、接着剤のアラミド繊維への接着性を高めるために、1浴目でブロックドポリイソシアネート化合物に浸漬した後、乾燥・熱処理を行い、2浴目でRFL接着剤に浸漬した後、乾燥・熱処理を行う方法が開示されている。しかし、2浴処理は経済面及び作業環境面から望ましくない。
特許文献2には、繊維コード内部へのRFL接着剤の含浸度を所定の範囲内にすることで、ゴム製品中で使用された時のアラミド繊維コードの耐疲労性が著しく改善され、かつ接着性が実用上十分である繊維コードが得られることが開示されている。1浴目でポリエポキシド化合物とゴムラテックスと珪酸塩化合物分散体からなるプライマー処理剤に浸漬した後、乾燥・熱処理を行い、2浴目でRFL接着剤に浸漬した後、乾燥・熱処理を行う方法であるため、上述した2浴処理と同様、経済面及び作業環境面から望ましくない。
特開昭59-093774号公報(特許請求の範囲等) 特開2017-150105号公報(特許請求の範囲、実施例1~6等)
本発明は、1浴処理で接着剤処理なされたときでも、2浴処理で接着剤処理なされたディップコードと同等のゴム接着性を有するアラミド繊維コードを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意検討を行った。そして、硬化性エポキシ化合物を含むアラミド繊維原糸からなるコードに対して、RFL及びブロックドポリイソシアネート化合物を含む接着剤を、1浴処理液として用いることにより、2浴処理で接着剤処理なされたディップコードと同等のゴム接着性を有するディップコードが得られること、また、RFLを含む接着剤の含浸率を規定範囲になるようにディップ処理することにより、コードのゴム接着性と耐疲労性が両立することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)接着剤処理なされたアラミド繊維コードであって、
前記接着剤がレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)を含み、
前記アラミド繊維コードを構成するアラミド繊維原糸は、硬化性エポキシ化合物が付与されており、前記硬化性エポキシ化合物における、硬化したエポキシ化合物と未硬化のエポキシ化合物の比率(モル比)は、1:0.05~3.3の範囲であり、
アラミド繊維コード(接着剤処理前)に対する該接着剤の付着率が5~30質量%であり、アラミド繊維コード内への該接着剤の含浸率が30%以上70%以下であることを特徴とするアラミド繊維コード。
(2)前記接着剤が、さらにブロックドポリイソシアネート化合物を含む上記(1)に記載のアラミド繊維コード。
(3)前記アラミド繊維原糸は、硬化性エポキシ化合物とポリグリコールエステルとの混合物が付着している上記(1)に記載のアラミド繊維コード。
(4)前記硬化性エポキシ化合物が、グリセロールポリグリシジルエーテルである上記(1)または(3)に記載のアラミド繊維コード。
(5)前記アラミド繊維コードが、1浴で接着剤処理されている上記(1)に記載のアラミド繊維コード。
本発明のアラミド繊維コードは、1浴処理で接着剤処理なされたときでも、2浴処理で接着剤処理なされたディップコードと同等のゴム接着性を有している。RFLを含む接着剤を1浴処理で付着・含浸させることができるため経済性に優れており、ディップ液の使用量減少によって排水量が減少するため、環境面でも望ましい方法で製造できる。本発明のアラミド繊維コードは、撚糸時トラベラ摩耗が無く、破断強力が高く、ゴムとの接着力に優れているため、ベルト、タイヤ、ホース等のゴム製品の補強用コードとして幅広く用いることができる。
本発明のアラミド繊維コードに用いるアラミド繊維としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維等を挙げることができるが、引張強さに優れているパラ系アラミド繊維が好適に用いられる。パラ系アラミド繊維の市販品としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(米国デュポン社、東レ・デュポン株式会社製、商品名「Kevlar」(登録商標))、コポリパラフェニレン-3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商品名「テクノーラ」(登録商標))等を挙げることができ、これらのパラ系アラミド繊維の中でも、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維が特に好ましい。
これらのアラミド繊維は、公知の方法で製造したものを用いることができる。なお、アラミド繊維は、繊維を形成するポリマーの繰り返し単位中に、通常置換されていても良い二価の芳香族基を少なくとも一個有する繊維であって、アミド結合を少なくとも一個有する繊維であれば特に限定はなく、全芳香族ポリアミド繊維、又はアラミド繊維と称されるものであって良く、「置換されていても良い二価の芳香族基」とは、同一又は異なる1以上の置換基を有していても良い二価の芳香族基を意味する。
本発明で用いるアラミド繊維は、あらかじめ製糸工程において、硬化性エポキシ化合物が、繊維用油剤との混合物として、あるいは、各々が別工程で付与されたものが用いられる。硬化性エポキシ化合物は、紡糸、中和後、又は、紡糸、中和、洗浄後のアラミド繊維を、乾燥して、水分率3~15質量%に調整したアラミド繊維に対して、好ましく付与される。水分率が15質量%以下であれば、アラミド繊維表面の付着水から得られるアルカリイオンを触媒として、付与した硬化性エポキシ化合物の一部が硬化するため、硬化性エポキシ化合物が未硬化の状態でアラミド繊維に含浸もしくは付着している原糸を製造することができる。その後、該原糸を接着剤処理に供する。硬化したエポキシ化合物と未硬化のエポキシ化合物の比率(モル比)は、硬化:未硬化=1:0.05~3.3の範囲が好ましい。より好ましくは1:0.3~2.0、さらに好ましくは1:1.1~1.5の範囲である。なお、アラミド繊維に含浸もしくは付着しているエポキシ化合物(硬化+未硬化)の総量は、「硬化性エポキシ化合物と繊維用油剤」を付着させる前後の加熱重量法による重量変化量に、硬化性エポキシ化合物の混合比率(質量比)を乗じることで求めることができる。総量中の未硬化エポキシ化合物量は、繊維表面に付着している未硬化エポキシ化合物を溶媒(アセトン)で抽出し、溶媒除去後の抽出物残量から求めることができる。
一方で、アラミド繊維の水分率が15質量%を超えると、その後の加工工程にある金属やセラミックロールとの摩擦抵抗が高くなるため擦過毛羽等によって工程通過性が悪化する傾向がある。また、アラミド繊維表面に自由水が付着した状態になり易いため繊維表面に繊維用油剤が付着しにくくなることで、撚糸コードの強力が低下する恐れがある。アラミド繊維の水分率が3質量%未満になると、アラミド繊維表面上に残留水が存在しなくなるため、硬化性エポキシ化合物が硬化し難い(即ち、硬化度が低い)、静電気や擦過による毛羽が発生し易い等の不都合が生じる恐れがある。
硬化性エポキシ化合物は、脂肪族エポキシ化合物及び芳香環を有するエポキシ化合物から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。2種以上を用いる場合は、混合して用いても良く、別々に用いても良い。さらに、工程通過性を向上させるために、硬化性エポキシ化合物と繊維用油剤を混合して付与しても、2段階で付与してもよい。
脂肪族エポキシ化合物としては、グリセロール、ソルビトール、ポリグリセロール等の多価アルコールのグリシジルエーテル化合物から選ばれる1種又は2種以上の混合物が好ましい。例えば、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらのエポキシ化合物の中でも、グリシジル基を2個又は3個有する多官能性エポキシ化合物(ポリエポキシド)がより好ましい。
芳香環を有するエポキシ化合物としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂から選ばれる1種又は2種以上の混合物が好ましい。例えば、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールC]等のグリシジルエーテル化合物が挙げられる。これらの中でも、常温で液状である点より、ビスフェノールA、ビスフェノールFのグリシジルエーテル化合物がより好ましい。
上記のエポキシ化合物の中でも、粘度が低く紡糸工程で付与することができ、また工程通過性を向上させることができる点より、脂肪族エポキシ化合物が好ましく、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル等のグリセロール系ポリエポキシドが特に好ましい。
繊維用油剤としては、硬化性エポキシ化合物との相溶性の面から、水溶性油剤が好ましい。水溶性油剤としては、硬化性エポキシ化合物と相溶性が高く、繊維油剤として必要な平滑性が高く、アラミド繊維を撚糸する際にトラベラとの摩耗を減少させることができる点より、ポリグリコールエステルが好ましい。なかでも好ましいポリグリコールエステルとしては、脂肪酸ポリグリコールエステルが挙げられる。該脂肪酸ポリグリコールエステルは、一般式(I)及び/又は一般式(II)で表わされる、脂肪酸とポリアルキレングリコールのエステル化合物を挙げることができる。一般式(I)はモノエステル型、一般式(II)はジエステル型の化合物である。
Figure 0007478576000001
(式中、Rは炭素原子数5~30のアルキル基もしくはアルケニル基である。Rは炭素原子数2~3のアルキレン基、mはオキシアルキレン基(R-O)の平均付加モル数を表す整数である。なお、(R-O)においては、同一のオキシアルキレン基が付加していても、2種類以上のオキシアルキレン基が付加していても良い。)
Figure 0007478576000002
(式中、R及びRは、共に炭素原子数5~30のアルキル基もしくはアルケニル基であり、同一であっても異なっていても良い。Rは炭素原子数2~3のアルキレン基、nはオキシアルキレン基(R-O)の平均付加モル数を表す整数である。なお、(R-O)においては、同一のオキシアルキレン基が付加していても、2種類以上のオキシアルキレン基が付加していても良い。)
上記一般式(I)又は(II)において、R及びRの炭素原子数が、5未満の場合はアラミド繊維の収束性が低いため工程通過性が悪くなり、30を超える場合はエステル化合物の疎水性が高くなるため、硬化性エポキシ化合物と混合できない、もしくは親和性が低くなる場合がある。エステル化合物のゴムに対する接着性及び硬化性エポキシ化合物との溶解性を考慮すると、R及びRの炭素原子数は7~28が好ましく、より好ましくは9~26、さらに好ましくは11~24、特に好ましくは13~22である。
一般式(I)又は(II)で示されるエステル化合物を構成する脂肪酸の具体例としては、飽和又は不飽和の脂肪酸を挙げることができ、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸や、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、エライジン酸、アルケン酸等の不飽和脂肪酸や、12-ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、エステル化合物の粘性が極端に高くなることがなく取扱性に優れている点では炭素数13~22の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましい。
上記一般式(I)又は(II)において、m及びn(オキシアルキレン基の平均付加モル数)は5~100が好ましい。5未満であると、硬化性エポキシ化合物と混合することが困難となり、接着剤処理コードのゴムとの接着力が低くなる。100を超えると、油剤の粘度が高くなることで油剤の付与性が悪くなる。m及びnは、5~50が好ましく、より好ましくは9~30である。
ポリアルキレングリコールとしては、酸化エチレンの重合体であるポリエチレングリコール、酸化プロピレンの重合体であるポリプロピレングリコール、酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体等が挙げられるが、これらの中でも、硬化性エポキシ化合物の溶解性に優れるエステル化合物が得られる点より、ポリエチレングリコールが好ましい。
ポリエチレングリコールの重量平均分子量(Mw)は、400~1,300が好ましく、より好ましくは400~920、さらに好ましくは480~840、特に好ましくは570~750である。ポリエチレングリコールの重量平均分子量(Mw)が400以上であると、ポリグリコールエステルの親水性が高くなることにより、硬化性エポキシ化合物との混合が容易となる。一方、ポリエチレングリコールの重量平均分子量(Mw)が1,300を超えると、ポリグリコールエステルの粘度が高くなり、工程での油剤付与性が低下し、また工程通過性が悪化する。尚、ポリエチレングリコールの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
一般式(I)又は(II)で示されるエステル化合物の好ましい具体例としては、ポリエチレングリコール(m=10~20)ラウリン酸モノエステル及び/又はジエステル、ポリエチレングリコール(m=10~20)オレイン酸モノエステル及び/又はジエステル、ポリエチレングリコール(m=10~20)ステアリン酸モノエステル及び/又はジエステル等が挙げられる。
硬化性エポキシ化合物及び水溶性油剤を、混合物としてアラミド繊維に付与する場合、(a)硬化性エポキシ化合物と(b)ポリグリコールエステルを、(a)/(b)=50/50~90/10(質量比)の比率で混合することが好ましく、より好ましくは50/50~70/30である。ポリグリコールエステルの比率は、高くなるほど硬化性エポキシ化合物によるゴムとの接着性が阻害され、反対に、低くなるほど摩擦による影響でアラミド繊維の工程通過性が悪化する傾向がある。また、混合物中にポリグリコールエステルが過剰に存在すると、アラミド繊維のゴムに対する接着性が阻害される傾向があるため、(a)/(b)=55/45~65/35の範囲が特に好ましい。
硬化性エポキシ化合物及び繊維用油剤のアラミド繊維への付着量(総量)は、アラミド繊維質量(乾燥基準)に対して0.3~5質量%が好ましく、より好ましくは0.4~3質量%、特に好ましくは0.5~2質量%である。0.3質量%より少ない場合は被覆効果が不十分となり、5質量%を超えると粘着によるロールへの巻きつきが発生しやすい。
硬化性エポキシ化合物及び繊維用油剤を付着させたアラミド繊維は、その後、巻き取り工程でボビンに巻き取られる。巻き上げ後のアラミド繊維は、熱処理及び緊張処理することなく常温で保持され、水分率が3~15質量%に保持される。
上記のようにして得られたアラミド繊維に撚りをかけて、未処理コードとする。該コードの撚りの態様としては、アラミド繊維を1本あるいは複数本を引き揃えてS方向或いはZ方向に片撚りを施しても良いし、該アラミド繊維を1本あるいは複数本を引き揃えてS方向或いはZ方向の片側に下撚りを施した後に、上記のコードを更に複数本引き揃えて、片撚りと同じ方向の上撚り(ラング撚り)、又は反対方向の上撚り(諸撚り)を施しても良い。また、撚り数は、17~47t/10cmが好ましく、より好ましくは22~42t/10cmである。撚り数が17t/10cm未満であると、コードの疲労性が低下する傾向があり、撚り数が47t/10cm以上であると、コードの強力が低下する傾向がある。
本発明のアラミド繊維コードは、上記未処理コードが、RFLを含む接着剤で接着剤処理なされたコードであり、接着剤付着前のアラミド繊維コードに対する接着剤付着量が、5~30質量%であり、かつ、アラミド繊維コード内への接着剤の含侵率が30%以上70%以下である。ここで、接着剤処理回数は1回(1浴処理)である。なお、接着剤処理は、撚りをかける前のアラミド繊維束に対して行っても良い。
上記接着剤付着量が、5質量%未満の場合は、RFL接着剤が定着していないためゴムとの接着性が不良になり、一方、30質量%を超えると、アラミド繊維コードが硬くなり耐疲労性が悪化する。接着剤付着量は、好ましくは12~25質量%であり、より好ましくは10~23質量%、さらに好ましくは13~20質量%である。
同様に、接着剤含浸率が、30%未満の場合は接着剤が定着していないため接着性が不良になり、また70%を超えるとアラミド繊維コードが硬くなり耐疲労性が悪くなる。接着剤含浸率は、好ましくは35%以上68%以下であり、より好ましくは40%以上65%以下、さらに好ましくは50%以上60%以下である。
未処理コードへのRFLを含む接着剤の付与は、接着剤を液体に溶解または分散させた処理液を用いて行うことが好ましい。処理液における接着剤の総固形分濃度は、5~25質量%が好ましく、より好ましくは15~25質量%である。かかる範囲にすると、接着剤を含む処理液の安定性が優れ、アラミド繊維に接着剤を均一に塗布することができる。接着剤には公知の粘度調整剤を添加することもできる。
接着剤を含む処理液をアラミド繊維に付着させるには、浸漬、ノズル噴霧、ローラーによる塗布等の任意の方法を採用することができる。例えば、リッツラー社製コンピュートリータ等を用いて処理することができる。
上記接着剤付着量及び接着剤含浸率の制御は、例えば、接着剤処理液の濃度、接着剤処理液浸漬後の液除去条件、またディップ処理速度や張力等の条件を設定することによって可能である。
通常は、アラミド繊維にRFLを含む接着剤を付与した後、乾燥、熱処理を行う。熱処理条件は、乾燥温度100~160℃、滞留時間0.5~5分、熱処理温度200~260℃、滞留時間0.5~5分が好ましい。
本発明においては、接着剤を付与して乾燥、熱処理を行う際に、0.15g/dtex~0.80g/dtexの張力を掛けて、緊張熱処理を行うことが好ましい。0.15g/dtex以上の張力を掛けて緊張熱処理することにより、上撚りコードのフィラメントの引き揃え状態を最適化することができ、強力を高めることができる。一方、0.80g/dtex以下で張力を掛けて緊張熱処理することにより、上撚りコードに過剰な張力負荷が掛からなくなるため、工程通過時の擦過等による糸へのダメージを最小限に抑え、コード強力をより高値に維持することができる。
かくして得られる本発明のアラミド繊維コードは、接着剤の中に、RFLを必須成分として含み、さらにブロックドポリイソシアネート化合物を含むことが好ましい。RFLは未処理コードに対する浸透性・付着性及びゴムとの接着性に優れている。該RFLとしては、例えば、ゴムラテックス100質量部(固形分換算)に対し、レゾルシン-ホルマリン初期縮合物(固形分換算)を約2~20質量部含有させた混合物を、固形分濃度で約5~25質量%含有するRFL処理液等が挙げられる。
上記のRFLはレゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスの混合物である。レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とは、アルカリ触媒又は酸触媒の存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドを縮合させたものである。また、レゾルシンとホルムアルデヒドをあらかじめ酸触媒又はアルカリ触媒の存在下で反応させて得られるノボラック型樹脂を用いることもできる。レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は、好ましくは1/0.5~1/3であり、より好ましくは1/1~1/3である。なお、レゾルシン及びホルムアルデヒドは、単体で用いることもできる。
上記のゴムラテックスとしては、例えば、ビニルピリジン-スチレン-ブタジエン共重合体ゴムラテックス、スチレン-ブタジエン系ゴムラテックス、アクリロニトリル-ブタジエン系ゴムラテックス、クロロプレン系ゴムラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックス、エチレン-プロピレン-共役ジエン系三元共重合体ゴムラテックス、アクリレート系ゴムラテックス及び天然ゴムラテックス等が挙げられる。
上記のブロックドポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とブロック化剤との反応物であり、常温では水とは反応しないが、加熱によりブロック化剤成分が解離して活性なイソシアネート基を生じるものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等;あるいは、これらのポリイソシアネート化合物と、活性水素原子を2個以上有する化合物(例えば、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)とを、イソシアネート基(-NCO)とヒドロキシル基(-OH)の比が1を超えるモル比で反応させて得られる末端イソシアネート基含有のポリオールアダクトポリイソシアネート化合物等;が挙げられ、芳香族ポリイソシアネート化合物が特に好ましく使用される。また、ブロック化剤としては、フェノール、クレゾール、レゾルシン等のフェノール類;ε-カプロラクタム、バレロラクタム等のラクタム類;アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;エチレンイミン等;が挙げられる。ブロック化剤として、2,4-トルエンジイソシアネート2量体のように、ポリイソシアネート化合物自体がブロック化剤を兼ねている化合物等も挙げられる。
ブロックドポリイソシアネート化合物は、解離温度が140℃~300℃であることが好ましく、より好ましくは170~200℃である。解離温度が140℃未満であると、ゴムとの接着性が不足することがあり、解離温度が300℃を超えると、ゴムの耐疲労性が低下する傾向がある。
(d)ブロックドポリイソシアネート化合物と、上述した(c)RFLとの配合比は、固形分質量比で(c)/(d)=3/1~20/1であることが好ましく、より好ましくは4/1~15/1であるのが良い。(c)/(d)が小さすぎると、コードが硬くなり、(c)/(d)が大きすぎると接着性が低下することがある。
上記のようにして得られたアラミド繊維コードは、6ナイロン、66ナイロン等のナイロン繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ビニロン繊維、ポリケトン繊維等からなる繊維コードと撚り合せ、複合コードとして用いることもできる。
本発明のアラミド繊維コードは、ゴムとの接着性が高く、接着剤含浸率が高いためディップコードとゴムの間で接着剤移行が生じ難く、コード製造過程では接着剤カスが発生しないため、アラミド繊維コードの特性を最大限に引き出すことができる。かかる特性を生かして、自動車、航空機等の各種タイヤのコードやスダレ;伝動ベルト、Vベルト、タイミングベルト等の各種ベルト;ラジエータホース、ヒーターホース、パワステホース等の各種ホース;等のゴム製品の補強用として、好適に用いることができる。
上記のゴムとしては、例えば、アクリルゴム(ACM)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HNBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(AU、EU)、エチレン-プロピレンゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム等が挙げられる。ゴムには、主成分のゴムの他に、通常ゴム業界で用いられるカーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム等の無機充填剤、クマロン樹脂、フェノール樹脂等の有機充填剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤等の各種配合剤が含まれていても良い。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。以下の実施例等において「%」は「質量%」である。なお、実施例中の各測定値は次の方法にしたがった。
(1)アラミド繊維水分率
試料約5gの質量(乾燥前質量)を測定し、300℃×20分間加熱し、25℃65%RHで5分間放置した後、再度質量(乾燥後質量)を測定する。ここで使う水分率は、[乾燥前質量-乾燥後質量]/[乾燥後質量]で得られるドライベース水分率である。
(2)ディップコードの強力
JIS L1017:2002 化学繊維タイヤコード試験法 8.5 a)標準時試験に基づき測定した。
(3)接着剤付着量
一定長さあたりの撚糸コードの質量(A)を予め測定しておき、接着剤処理後の同一長さのコード質量(B)を測定することにより、差分としての以下の計算式により接着剤付着量を求めた。接着剤付着量=[(B-A)/A]×100(%)
(4)接着剤含浸率
エポキシ樹脂の主剤と硬化剤(株式会社三啓製、クリアポキシ2)を混合し、ディップコードに混合したエポキシ樹脂を含侵させた後、25℃で36時間硬化させ、ディップコードの樹脂埋包物を得た。続いて、樹脂埋包物を、研磨材を用いて、ディップコードを長さ方向に対して垂直な方向に研磨した。続いて、20倍の倍率を有する光学顕微鏡を用いて、前記ディップコードの断面を観察し、RGB分解し、赤色成分の画像においてバックグラウンド除去し、大津法で二値化処理した。続いて、下記の式を用いて合撚糸内への接着剤の含浸度Rを算出した。
R = A1/A2
ここで、A1は、二値化処理した画像において明度が低い領域の面積で、撚糸コード断面における接着剤が定着した領域を指す。A2は、バックグラウンド除去した画像において、ディップコードの断面積である。
(5)T-接着力(コードとゴムとの接着力)評価
JIS L 1017:2002の接着力-A法に準じて、処理コ-ドを未加硫ゴムに埋め込み、加圧下で、初期接着力は150℃×30分時間プレス加硫を行い、放冷後、コードをゴムブロックから300mm/minの速度で引き抜き、その引き抜きに要した荷重をN/cmで表示した。
(6)接着剤のゴムへの付着性
T-接着力を評価した後、引き抜き後のゴムへの接着剤の付着状態を観察した。付着がなければ(×)、やや付着していれば(△)、多量に付着していれば(〇)と評価した。
(7)工程通過性
アラミド繊維のコンピュートリータを用いてディップ処理したときの工程通過性を、ガイドへのカスの付着の仕方によって評価した。400mディップ処理し、オーブンの前と後のガイドへのカスの付着があれば(×)、カスのわずかな付着があれば(△)、カスの付着がなければ(〇)と評価した。
(実施例1)
通常の方法で得られたポリパラフェニレンテレフタルアミド(分子量約20,000)1kgを4kgの濃硫酸に溶解し、直径0.1mmのホールを1,000個有する口金からせん断速度30,000sec-1となるよう吐出し、4℃の水中に紡糸した後、10質量%の水酸化ナトリウム水溶液で、10℃×15秒の条件で中和処理し、その後、200℃で加熱乾燥して、水分率50質量%のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(総繊度1,670dtex)原糸を得た。
上記のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束を、グリセロールポリグリシジルエーテルとポリエチレングリコールオレイン酸モノエステルの混合物(質量比:60/40)からなる繊維用油剤を、水分率0%に換算したときの繊維質量に対し0.7%となるよう付与した後、巻き上げてパッケージにした。グリセロールポリグリシジルエーテル付与後における硬化と未硬化の比率(モル比)は1:0.06であった。
パッケージから巻き出したポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束をZ方向に32t/10cmで加撚して下撚りコードを得た後、下撚りコードを2本引き揃えてS方向に32t/10cmで加撚して上撚りコードを得た。
さらに、ブロックドポリイソシアネート化合物を、前記混合物に、固形分質量比が、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスが7、ブロックドポリイソシアネート化合物が1となるように添加し、十分攪拌し、固形分濃度20%の接着剤処理液を得た。
作製したコードを、コンピュートリータ処理機(リッツラー社製)を用いて、RFLとイソシアネート化合物を含む接着剤処理液に浸漬し、100℃で150秒乾燥し、続いて、220℃で123秒間熱処理することにより、ディップ処理アラミド繊維コード(ディップコード)を得た。
コードには接着剤処理液の固形分、すなわち接着剤が15質量%付着していた。コードの接着剤含浸率は50%であった。このようにして得られたコードについて、上記の方法で、T-接着力、接着剤ゴム付着性及び工程通過性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、水分率10%のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束に繊維用油剤を付与した以外は、実施例1と同様の条件で、ディップ処理アラミド繊維コード(ディップコード)を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。グリセロールポリグリシジルエーテル付与後における硬化と未硬化の比率(モル比)は1:1.3であった。
(実施例3)
実施例1において、水分率10%のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束に繊維用油剤を付与し、接着剤処理液をRFLのみを含む接着剤処理液に変更した以外は、実施例1と同様の条件で、ディップ処理アラミド繊維コード(ディップコード)を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で、水分率10%のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を得、得られたポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束に、グリセロールポリグリシジルエーテルとポリエチレングリコールオレイン酸モノエステルの混合物からなる繊維用油剤を、水分率0%に換算したときの繊維質量に対し0.7%となるよう付与した後、巻き取り工程でボビンに巻き取った。
この後、得られたアラミド繊維をボビンから巻き出し、コンピュートリータ処理機(リッツラー社製)を用いて、緊張下で熱処理してパッケージに巻き取り、水分率が6.9重量%のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。
パッケージから巻き出したポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束をZ方向に32t/10cmで加撚して下撚りコードを得た後、下撚りコードを2本引き揃えてS方向に32t/10cmで加撚して上撚りコードを得た。
作製した撚糸コードを、コンピュートリータ処理機(リッツラー社製)を用いて、RFLを含む接着剤処理液に浸漬し、100℃で150秒乾燥し、続いて、220℃で123秒間熱処理することにより、ディップ処理アラミド繊維コード(ディップコード)を得た。
(比較例2)
実施例1と同様の方法で、水分率10%のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を得、得られたポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束に、ポリエチレングリコールオレイン酸モノエステルのみからなる繊維用油剤を、水分率0%に換算したときの繊維質量に対し0.7%となるよう付与した後、巻き上げてパッケージにした。
パッケージから巻き出したポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束をZ方向に32t/10cmで加撚して下撚りコードを得た後、下撚りコードを2本引き揃えてS方向に32t/10cmで加撚して上撚りコードを得た。
作製した撚糸コードを、コンピュートリータ処理機(リッツラー社製)を用いて、硬化性エポキシ化合物と水酸化ナトリウム含有水溶液で処理した後、熱処理、乾燥を行った。続いて、実施例1で用いたものと同じRFLとイソシアネート化合物を含む接着剤処理液に浸漬し、100℃で150秒乾燥し、続いて、220℃で123秒間熱処理することにより、ディップ処理アラミド繊維コード(ディップコード)を得た。
(比較例3)
実施例1と同様の方法で、水分率10%のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維を得、得られたポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束に、ポリエチレングリコールオレイン酸モノエステルのみからなる繊維用油剤を、水分率0%に換算したときの繊維質量に対し0.7%となるよう付与した後、巻き上げてパッケージにした。
パッケージから巻き出したポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維の束をZ方向に32t/10cmで加撚して下撚りコードを得た後、下撚りコードを2本引き揃えてS方向に32t/10cmで加撚して上撚りコードを得た。
作製した撚糸コードを、コンピュートリータ処理機(リッツラー社製)を用いて、硬化性エポキシ化合物と水酸化ナトリウム含有水溶液で処理した後、熱処理、乾燥を行った。続いて、実施例1で用いたものと同じRFLとイソシアネート化合物を含む接着剤処理液に浸漬し、比較例2よりもディップ液除去の圧縮空気圧力を高くし、100℃で150秒乾燥し、続いて、220℃で123秒間熱処理することにより、ディップ処理アラミド繊維コード(ディップコード)を得た。
評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 0007478576000003
表1の結果から、本発明のアラミド繊維コード(ディップコード)は、未硬化のエポキシ化合物が付着もしくは含浸しているアラミド繊維(原糸)の撚糸コードに対するディップ液(接着剤)の付着量及び含浸率が高い。また、RFL及びブロックドポリイソシアネート化合物を含む接着剤で処理した後、熱処理することにより、イソシアネート化合物が未反応エポキシ化合物と硬化・架橋反応するため、ディップ液の含浸率が高くなるものと推察される。得られたディップコードは、T-接着力が極めて良好であり、高含浸状態であっても接着剤ゴム付着性及び工程通過性が良好である。
硬化性エポキシ化合物を含む原糸を加熱処理した(未硬化エポキシ化合物を含まない)アラミド繊維未処理コードに、RFLを含む接着剤を付与したディップコード(比較例1)は、接着剤含浸率が30%未満であり、T-接着力、接着剤のゴム付着性が劣っていることが分かる。
硬化性エポキシ化合物を含まないアラミド繊維(原糸)未処理コードに、硬化性エポキシ化合物を付与した後、さらに、RFL及びブロックドポリイソシアネート化合物を含む接着剤を付与したディップコード(比較例2)は、T-接着力、接着剤のゴム付着性及び工程通過性が共に劣っている。硬化性エポキシ化合物を含まない原糸に対し、後工程で硬化性エポキシ化合物を付与しても、ディップ液(接着剤)の含浸率が上がらないことが分かる。
比較例2と同様、硬化性エポキシ化合物を含まないアラミド繊維(原糸)未処理コードに、硬化性エポキシ化合物を付与し、さらに、RFLとイソシアネート化合物を含む接着剤を付与した後、ディップ液の含浸率を下げたディップコード(比較例3)は、工程通過性は良好であるが、接着剤のゴム付着性が劣っていることが分かる。
本発明のアラミド繊維コードは、タイヤ、ベルト、ホース等のゴム製品の補強用コードとして好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 接着剤処理なされたアラミド繊維コードであって、
    前記接着剤がレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)を含み、
    前記アラミド繊維コードを構成するアラミド繊維原糸は、硬化性エポキシ化合物が付与されており、該硬化性エポキシ化合物における、硬化したエポキシ化合物と未硬化のエポキシ化合物の比率(モル比)は、1:0.05~3.3の範囲であり、
    アラミド繊維コード(接着剤処理前)に対する該接着剤の付着率が5~30質量%であり、アラミド繊維コード内への該接着剤の含浸率が30%以上70%以下であることを特徴とするアラミド繊維コード。
  2. 前記接着剤が、さらにブロックドポリイソシアネート化合物を含む請求項1に記載のアラミド繊維コード。
  3. 前記アラミド繊維原糸は、硬化性エポキシ化合物とポリグリコールエステルとの混合物が付着している請求項1に記載のアラミド繊維コード。
  4. 前記硬化性エポキシ化合物が、グリセロールポリグリシジルエーテルである請求項1または3に記載のアラミド繊維コード。
  5. 前記アラミド繊維コードが、1浴で接着剤処理されている請求項1に記載のアラミド繊維コード。
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