JP3188639B2 - 高圧ホース補強用ポリエステル繊維の処理方法 - Google Patents

高圧ホース補強用ポリエステル繊維の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル繊維
とゴムの複合体に関し、詳しくはエチレンプロピレン系
ゴム(EPDM)との接着性に優れた高圧ホース用ポリ
エステル繊維の接着処理方法に関する。本発明の接着処
理方法の適用可能な製品としては、繊維補強層や繊維基
布を有する、ゴムホース、ダイヤフラム、Vベルト、コ
ンベヤベルトなどの製品を挙げることができるが、コー
ド形態で処理を行なうものが好ましく、特にコード中の
空隙部が少ないことが重要な圧力流体の流路に使用され
る高圧ゴムホースの補強用ポリエステル繊維に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート繊維で代表
されるポリエステル繊維は、高強度、高ヤング率を有し
ており、それを活かしてタイヤ、ホース、ベルト等のゴ
ム補強用繊維として広く利用されている。しかしなが
ら、ホース、ベルト分野においては、自動車のエンジン
ルームの温度が高くなるためゴム材質の面からも高温特
性に優れたものに変化しつつある。その一つとしてエチ
レンプロピレン系ゴムがあるが、該ゴムは化学構造に二
重結合が少なく、反応性に乏しいために従来の方法では
満足できる接着力を得ることができていないのが現状で
ある。さらに、エチレンプロピレン系ゴムにポリエステ
ル繊維を接着する場合、ポリエステル繊維は比較的不活
性であり、ゴムマトリックスとの接着が不十分である。
そこで、種々の薬品を用いた化学処理法、例えばエポキ
シ化合物、イソシアネート化合物等の反応性の強い化学
薬品でポリエステル繊維を処理する方法が提案されてい
る(特開昭54−77794号公報、特開昭60−99
076号公報、特開昭60−21924号公報など)。
【0003】また、高圧ホース用途においては、ホース
使用時の加圧条件下にホース金具部内でホース端面から
補強繊維層内へ加圧媒体である各種液体が浸透するのを
防ぐことにより、ホースの寿命を大幅に向上させると同
時に速やかに圧力を伝達させることができる。そのため
にはコード自体が締った形態で使用されることが重要で
あり、ヤーンの状態であらかじめ第1処理剤を処理する
方法(特開平7−138880号公報)や、処理剤浸漬
中にニップローラーでニップする方法(特開平7−21
6755号公報)などが提案されている。しかしなが
ら、これらの方法では工程が繁雑になるなどの問題があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
を背景としてなされたものであり、本発明の目的とする
ところは、特にエチレンプロピレン系ゴムマトリックス
からなる高圧ホースの補強繊維として、コード自体が締
った形態で使用可能であり、しかもエチレンプロピレン
系ゴムマトリックスとの接着性に優れ、さらにホース成
形においては編組性に優れた柔軟なコードが得られるポ
リエステル繊維の処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記本発明の課題は、「ポリエステル繊維をポリエ
ポキシド化合物、ブロックドポリイソシアネート化合物
およびポリウレタン化合物を含む第1処理剤で処理し、
次いでレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RF
L)、ブロックドポリイソシアネート化合物および特殊
クロロフェノール化合物を含む第2処理剤で処理するこ
とを特徴とする高圧ホース補強用ポリエステル繊維の処
理方法。」により達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明でいうポリエステル繊維と
は、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから構
成されるポリマーからなる繊維であるが、特にエチレン
グリコール又はテトラメチレングリコールをグリコール
成分とし、テレフタル酸又はナフタレンジカルボン酸を
主たる酸成分とする、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンナフタレートなどからなるポリエステ
ル繊維が好ましい。ポリエステル繊維の単糸繊度、フィ
ラメント数、断面形状、繊維物性、微細構造、添加剤含
有の有無、及びポリマー特性(平均分子量、末端カルボ
キシル基濃度等)は任意であり特に限定する必要はな
い。
【0007】本発明の第1処理剤に含まれるポリエポキ
シド化合物は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキ
シ基を該化合物100gあたり0.2g当量以上含有す
る化合物である。例えば、エチレングリコール、グリセ
ロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエ
チレングリコール等の多価アルコール類とエピクロルヒ
ドリンのごときハロゲン含有エポキシド類との反応生成
物、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメ
チルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾ
ルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類と
前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、過酢酸
または過酸化水素等で不飽和化合物を酸化して得られる
ポリエポキシド化合物などであり、具体例としては3,
4−エポキシシクロヘキセンエポキシド、3,4−エポ
キシシクロヘキセンメチル−3,4−エポキシシクロヘ
キセンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6
−メチル−シクロヘキシルメチル)アジペートなどが挙
げられる。特に多価アルコールとエピクロロヒドリンの
反応生成物、すなわち多価アルコールのポリグリシジル
エーテル化合物が優れた性能を発現するので好ましい。
【0008】かかるポリエポキシド化合物は、通常乳化
液として使用する。乳化液または溶液とするには、例え
ばかかるポリエポキシド化合物をそのまま、あるいは必
要に応じて少量の溶媒に溶解したものを、公知の乳化
剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ジオク
チルスルホサクシネートナトリウム塩、ノニルフェノー
ルエチレンオキサイド付加物等を用いて乳化または溶解
する。
【0009】また第1処理剤に含まれるブロックドポリ
イソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物と
ブロック化剤との付加反応性生物であり、加熱によりブ
ロック成分が遊離して活性なポリイソシアネート化合物
を生ぜしめるものである。
【0010】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ばトリレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニル
ポリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート等のポリイソシアネート、あるいはこれらポリイ
ソシアネートと活性水素原子を2個以上有する化合物例
えばトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
とをイソシアネート基(−NCO)とヒドロキシル基
(−OH)の比が1を越えるモル比で反応させて得られ
る末端イソシアネート基含有のポリアルキレングリコー
ルアダクトポリイソシアネートなどが挙げられる。特に
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートの
如き芳香族ポリイソシアネートが優れた性能を発現する
ので好ましい。
【0011】ブロック化剤としては、例えばフェノー
ル、チオフェノール、クレゾール、レゾルシノール等の
フェノール類、ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香
族第2級アミン類、フタル酸イミド類、カプロラクタ
ム、バレロラクタム等のラクタム類、アセトキシム、メ
チルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシム等
のオキシム類および酸性亜硫酸ソーダなどがある。
【0012】なかでも下記一般式で表される水溶性のブ
ロックドポリイソシアネート化合物が接着性能も高い
上、単糸間への浸透性及び皮膜形成性が良く好ましい。
【0013】
【化3】
【0014】さらにAがフェニルイソシアネートのポリ
メチレン縮合体残基、Xがカプロラクタム残基、Yがβ
−アミノエチルスルホン酸金属塩残基、及びBがエチレ
ンオキサイド付加ビスフェノール残基であるとき、特に
好ましい。
【0015】次に本発明の第1処理剤に含まれるポリウ
レタン化合物とは、ポリイソシアネートとポリオールを
主原料として重付加反応で合成させたものである。該ポ
リイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート
などに代表される芳香族イソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートのような脂肪族イソシアネート及び
脂環族イソシアネートなど、どの様なイソシアネート化
合物であってもよい。また該ポリオールとしては、通常
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリエステル系ポリオール等が用いられる。さら
に、イソシアネート成分の末端を適当なブロック剤を用
いてプレポリマーとしておき、後で熱をかけて重合させ
てポリウレタン化合物にすることも可能である。
【0016】なかでも平均分子量が1000〜2500
の水溶性ウレタンプレポリマーは、処理剤の単糸間への
浸透が良好なので好ましい。さらにエステル系ポリウレ
タン化合物が、接着性の点で好ましい。
【0017】本発明の第1処理剤は、エポキシ化合物
(A)、ブロックドポリイソシアネート化合物(B)お
よびポリウレタン化合物(C)を含み、(A)、
(B)、(C)各成分の配合重量比が(A)/〔(A)
+(B)〕は0.06〜0.3、(C)/〔(A)+
(B)〕は0.2〜7となるようにして使用するのが望
ましい。特に(A)/〔(A)+(B)〕が0.08〜
0.2、(C)/〔(A)+(B)〕が0.5〜5の範
囲となるように配合するのが好ましい。
【0018】ここで(A)/〔(A)+(B)〕が上記
範囲を外れると、ポリエステル繊維へのゴム付着率が悪
くなり、接着性が低下する傾向があり、また(C)/
〔(A)+(B)〕が上記範囲より小さくなると、処理
したポリエステル繊維が硬くなり、耐疲労性の低下を招
くおそれがある。一方上記範囲より大きくなると接着性
が低下してくる。
【0019】エポキシ化合物、ブロックドポリイソシア
ネート化合物およびポリウレタン化合物を含む全固形分
濃度は0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%
になるようにして使用する。濃度が高すぎると、粘度も
高くなり、付着量のコントロールが難しくなる。
【0020】第1処理剤中のエポキシ化合物を水乳化物
として用いる際の乳化剤、すなわち界面活性剤の適当な
量は、固形分に対し、25重量%以下、好ましくは15
重量%以下であり、上記範囲を越えると接着性が若干低
下する傾向にある。
【0021】次に本発明の第2処理剤に含まれるレゾル
シン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)は、レゾ
ルシンとフォルマリンとをアルカリまたは酸性触媒下で
反応させて得られる初期縮合物(RF)とゴムラテック
スの混合物であり、レゾルシン、フォルマリン、および
ゴムラテックスの配合比率については公知技術のいずれ
を適用しても効果は得られる。通常は、レゾルシンとフ
ォルマリンのモル比は1:0.1〜1:8、好ましくは
1:0.5〜1:5である。またRFの使用量は、後述
する特殊クロロフェノール化合物の使用量によって変わ
るが、通常はRFと特殊クロロフェノール化合物の合計
量とゴムラテックスが、固形分重量比で1:1〜1:1
5、好ましくは1:3〜1:12にあることが望まし
い。ゴムラテックスの配合比率が少なくなりすぎると処
理後のポリエステル繊維は硬くなって耐疲労性が低下し
やすく、逆に多くなりすぎると接着性能が低下しやす
い。
【0022】なお、ここで用いられるゴムラテックスと
しては、例えば天然ゴムラテックス、ポリブタジエンラ
テックス、スチレン・ブタジエンコポリマーゴムラテッ
クス、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリ
マーラテックスなどがあり、これらを単独または併用し
て使用する。これらの中では、ビニルピリジン・スチレ
ン・ブタジエンターポリマーラテックスもしくはポリブ
タジエンラテックスを単独使用するか、またはこれらを
併用した場合、特に7:3〜3:7の割合で併用した場
合に優れた性能を示す。
【0023】また第2処理剤に含まれる特殊クロロフェ
ノール化合物とは、クロルフェノール類、好ましくはパ
ラクロロフェノールとレゾルシンとをホルムアルデヒド
と共縮合したクロロフェノール・レゾルシン・フォルマ
リン共縮合物であり、なかでも下記構造式(化4)で表
される、3核体(I)、5核体(II)、7核体(III)を
主成分とするものが好ましく、特にその固形分濃度が2
0重量%でPH10のアルカリ性水溶液の粘度が70〜
150センチポイズの範囲内にあるものが好ましい。
【0024】
【化4】
【0025】特殊クロロフェノール化合物とレゾルシン
・ホルマリン・ゴムラテックスの配合比率は、被着ゴム
の配合により微妙に変化するが、一般的にはRFL/特
殊クロロフェノール化合物が50/50〜80/20
(固形分重量比)の範囲が適当である。また前述のRF
と特殊クロロフェノール化合物の比は、通常前者/後者
(固形分重量比)が3/1〜1/1の範囲が適当であ
る。
【0026】次に第2処理剤中に含まれるブロックドポ
リイソシアネート化合物は、先に第1処理剤出述べたと
同一のブロックドポリイソシアネート化合物を用いれば
よい。かかるブロックドポリイソシアネート化合物の第
2処理剤注の配合量は、その種類及び被着ゴムの配合に
よって異なってくるが、前述のRFL固形分に対して通
常は5〜40重量%、好ましくは10〜20重量%が適
当である。上記の第2処理剤は通常、全固形分を10〜
25重量%含有するように調整される。
【0027】第1処理剤および第2処理剤をポリエステ
ル繊維材料へ付着せしめるには、ローラーとの接触もし
くはノズルからの噴霧による塗布、または処理剤中への
浸漬などの任意の方法を採用することができる。ポリエ
ステル繊維に対する固形分付着量は第1処理剤固形分と
して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量
%、第2処理剤固形分として0.5〜10重量%、好ま
しくは1〜5重量%付着せしめるのが好適である。該繊
維に対する固形分付着量を制御するために圧接ローラー
による絞り、スクレイパー等によるかき落とし、空気吹
き付けによる吹き飛ばし、吸引、ビーターによる叩き等
の手段を用いてもよい。
【0028】本発明においては、ポリエステル繊維を第
1処理剤で処理した後、50〜180℃で0.5〜5分
間、好ましくは1〜3分間乾燥し、ついで180℃ない
し該ポリエステル繊維の融点より10℃低い温度、好ま
しくは200〜240℃の温度で0.5〜5.0分間、
好ましくは1〜3分間熱処理し、さらに、第2処理剤の
RFLを含む処理剤で処理後、80〜180℃で0.5
〜5分間、好ましくは1〜3分間乾燥し、ついで150
〜260℃、好ましくは220〜250℃の温度で0.
5〜5.0分間、好ましくは1〜3分間熱処理する。熱
処理温度が低すぎるとゴム類との接着が不十分となり、
一方温度が高すぎるとポリエステル繊維が溶融、融着し
たり著しく硬くなったり、強力劣化を起こし実用に供し
得なくなる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例における評価項目は下記方法にしたが
った。
【0030】<AD性(エアーディフージョン性)>ゴ
ム中にコードを4本束にして置き、加硫を行なった後、
加硫ブロックの端面に露出しているコード束(1500
デニール×4本)の一方から、空気を2kg/cm2
圧力で5分間流し、そのときの空気透過量を水柱圧力変
化から算出した。AD性は、ホースブレード層の空気透
過性、すなわちコード中の空隙部を空気が通り抜ける程
度を評価するものである。
【0031】<コード硬さ>ガーレー式にしたがって測
定した。この値が大きいほど硬いことを示す。
【0032】<剥離接着力>ホースを長さ1インチに切
断し、その外側のゴムをホースの周長に沿って剥離した
時の剥離強力を測定した。
【0033】<ゴム付着率>上記剥離接着力の測定にお
いて、外側ゴム剥離後の、ブレードコード上へのゴムの
残存付着率を判定した。
【0034】[実施例1〜3、比較例1〜3]デナコー
ルEX−611(ナガセ化成工業(株)製、ソルビトー
ルポリグリシジルエーテル)に界面活性剤として、ネオ
コールSW−30(第一工業製薬(株)製、ジオクチル
スルホサクシネートナトリウム塩30重量%水溶液)を
固形分比で25重量%加え、約30倍の水に撹拌しなが
ら均一に溶解する。ついでエラストロンBN−04(第
一工業製薬(株)製、水溶性ブロックドポリイソシアネ
ート化合物33重量%水溶液)を前記エポキシと固形分
比率で1:8、エラストロンE−37(第一工業製薬
(株)製、水溶性ウレタン化合物25重量%水溶液)を
同じく1:12となるように加えて均一に混合し、得ら
れた配合液を5重量%濃度に調整して第1処理剤とし
た。
【0035】一方、苛性ソーダ水溶液,アンモニア水溶
液を加えた水に、酸性触媒で反応せしめたレゾルシン・
ホルマリン初期縮合物スミカノール700S(住友化学
(株)製、65重量%水溶液)を添加して十分に撹拌し
分散させる。次にニッポール2518FS(日本ゼオン
(株)製、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンター
ポリマー40重量%水乳化物)およびニッポールLX−
111NF(日本ゼオン(株)製、ポリブタジエンゴム
ラテックス55重量%水乳化物)を、上記レゾルシン・
ホルマリン初期縮合分散液と固形分比率で1:4(ビニ
ルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマー/ポリ
ブタジエンゴムラテックス=3:7(重量比))、さら
にホルマリンをR/F比が1:2(モル比)となるよう
添加して均一に混合する。次にこのRFL混合液中にエ
ラストロンBN−69(第一工業製薬(株)製、ジフェ
ニルメタンジイソシアネートメチルエチルケトオキシム
ブロック33重量%水分散物)を、固形分比としてRF
L/ブロックドポリイソシアネート=1/6となるよう
に加えて混合したものを20℃で24時間熟成させた。
使用直前にデナボンドE(ナガセ化成工業(株)製、特
殊クロロフェノール化合物20重量%溶液)を、固形分
比としてRF/特殊クロロフェノール化合物=2/1と
なるように添加し、15%濃度に調整して第2処理剤と
した。
【0036】ポリエチレンテレフタレート繊維(帝人
(株)製、固有粘度0.89、1500デニール/25
0フィラメント)のマルチフィラメント1本を10T/
10cmで撚糸しコードを得た。
【0037】このコードをコンピュートリーター処理機
(CAリツラー(株)製、タイヤコード処理機)を用い
て、前記第1処理剤中に浸漬した後、130℃で2分間
乾燥し、引き続き230℃で1分間熱処理する。次い
で、第2処理剤に浸漬した後、170℃で2分間乾燥し
続いて240℃で1分間熱処理する。得られた処理ポリ
エステルコードには第1処理剤の固形分が1.0重量
%,第2処理剤の固形分が2.0重量%付着していた。
【0038】得られた処理コードを交差角108度でブ
レードし、エチレンプロピレン系未加硫ゴムを用いてホ
ースに成形し、150℃で40分間蒸気加硫を行なっ
た。用いたゴムの配合組成は以下のとおりである。 EPDM 100部 HAF−カーボンブラック 120部 プロセスオイル(パラフィン系) 90部 亜鉛華 5部 ステアリン酸 3部 加硫剤 3.5部 加硫促進剤 2.5部 評価結果を表1に示す。なお、実施例2〜3および比較
例1〜3は、第1処理剤中のポリエポキシド化合物、ブ
ロックドポリイソシアネート化合物およびポリウレタン
化合物の配合比を表1に記載のとおり変更する以外は実
施例1と同様にした。結果を表1に合わせて示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、本発明によれ
ば、AD性、接着性、コード硬さにおいてバランス良く
良好である。
【0041】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、ポリエステ
ル繊維は単糸間まで浸透した柔軟で皮膜形成性の高い第
1処理剤で被覆されることにより締った形態を有するこ
とができる。さらに、エポキシ基を含む該第1処理剤で
繊維表面が被覆され、ついで第2処理剤に被着ゴムであ
るエチレンプロピレン系ゴムとの親和性の高いハロゲン
を含有する特殊クロロフェノール化合物からなる接着剤
で処理されているので、まず第1処理剤ではポリエステ
ル繊維と接着剤層の結合が強固になされ、かつ該処理剤
が単糸間まで入り込んで強固な皮膜を形成することから
繊維束内部の空隙が少なくなり、その上に第2処理剤を
処理するため、エアーディフュージョン性を低下させる
ことが可能となり、併せてゴムとの接着性も良好なコー
ドを得ることができる。
【0042】また、第1処理剤が形成する皮膜はポリウ
レタン化合物を使用しているため柔軟であり、得られる
コードも非常に柔軟となり、例えば高圧ホース用途にお
いてホース成形時に均一な編組が可能であり、ブレード
されたコードの間隙も少なくすることができる。したが
って、本発明によれば、ホース使用時の加圧条件下、ホ
ース金具部内でホース端面より補強繊維層内へ加圧媒体
である各種液体が浸透するのを防ぐことが可能になり、
ホースの寿命を大幅に向上させると同時に、速やかに圧
力などを伝達することができる高圧ホース補強に適した
処理コードが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−238473(JP,A) 特開 昭57−51877(JP,A) 特開 平7−216755(JP,A) 特開 昭63−126973(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/00 - 15/715

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維をポリエポキシド化合
    物、ブロックドポリイソシアネート化合物およびポリウ
    レタン化合物を含む第1処理剤で処理し、次いでレゾル
    シン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)、ブロッ
    クドポリイソシアネート化合物および特殊クロロフェノ
    ール化合物を含む第2処理剤で処理することを特徴とす
    る高圧ホース補強用ポリエステル繊維の処理方法。
  2. 【請求項2】 第1処理剤中に含まれるポリウレタン化
    合物が、平均分子量1000〜2500の水溶性ウレタ
    ンプレポリマー化合物である請求項1に記載の高圧ホー
    ス補強用ポリエステル繊維の処理方法。
  3. 【請求項3】 第1処理剤中に含まれるブロックドポリ
    イソシアネート化合物が、下記一般式(化1)で表され
    る水溶性ブロックドポリイソシアネート化合物である請
    求項1に記載の高圧ホース補強用ポリエステル繊維の処
    理方法。 【化1】
  4. 【請求項4】 第2処理剤中に含まれる特殊クロロフェ
    ノール化合物が、パラクロロフェノールとレゾルシンと
    ホルムアルデヒドとを共縮合した化合物であって、下記
    構造式(化2)で表される3核体(I) 、5核体(II)、7
    核体(III) を主成分として含み、その固形分濃度が20
    重量%でPH10のアルカリ水溶液の粘度が70〜15
    0センチポイズである請求項1に記載の高圧ホース補強
    用ポリエステル繊維の処理方法。 【化2】
JP34976596A 1996-12-27 1996-12-27 高圧ホース補強用ポリエステル繊維の処理方法 Expired - Fee Related JP3188639B2 (ja)

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