JP3765073B2 - ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料 - Google Patents

ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種ゴム、特に塩素化ポリエチレンゴムに対する接着性がすぐれたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法、および繊維とゴムとの接着性、柔軟性、耐侯性、難燃性にすぐれると共に、濃硝酸を除く酸、アルカリおよびアルコールに対し安定で、かつ軽量な繊維強化ゴム複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリアミド繊維は、高強度、高モジュラスで、かつ繊維自体の耐熱性にすぐれることから、これらの特性を生かして、近年ではタイヤコード、ベルトおよびホースなどの繊維強化ゴム複合材料におけるゴム補強用繊維として広く使用されている。
【0003】
しかしながら、芳香族ポリアミド繊維は、脂肪族ポリアミド繊維やポリエステル繊維に比較して、ゴムとの接着性が劣るため、従来から芳香族ポリアミド繊維とゴムとの接着性を改良する方法が種々提案されている。
【0004】
例えば特開平2−202569号公報には、芳香族ポリアミド繊維を1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物で処理し、次いでレゾルシン・ホルムアルデヒド・ゴムラテックス混合物(RFL)で処理する方法が記載されている。
【0005】
また、特開平3−40875号公報には、芳香族ポリアミド繊維をポリエポキシド化合物・ブロックドイソシアネート化合物・ゴムラテックスの混合物で処理し、次いでレゾルシン・ホルンムアルデヒド・ゴムラテックス混合物(RFL)に特殊なクロロフェノール化合物を配合した処理液で処理する方法が記載されている。
【0006】
これらの方法によれば、確かにブタジエン系ゴムやクロロプレン系ゴムなどの汎用ゴムと芳香族ポリアミド繊維との接着性は改良されるものの、耐侯性や耐薬品性がすぐれた塩素化ポリエチレンゴムと芳香族ポリアミド繊維との間に強固な接着性を得ることは困難であったため、塩素化ポリエチレンゴムの芳香族ポリアミド繊維強化複合材料への展開は進んでいないのが実情であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
【0008】
したがって、本発明の目的は、各種ゴム、特に塩素化ポリエチレンゴムに対する接着性がすぐれたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法、および繊維とゴムとの接着性、柔軟性、耐侯性、難燃性にすぐれると共に、濃硝酸を除く酸、アルカリおよびアルコールに対し安定で、かつ軽量な繊維強化ゴム複合材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維は、芳香族ポリアミド繊維の表面を、塩化ビニル共重合体ラテックスを含有し、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を含有しない第1処理液で処理し、次いでゴムラテックスおよびレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物との混合物の固形分100重量部に対して、ブロックドイソシアネート化合物またはエチレンイミン化合物を5〜15重量部を配合した組成物を含有する第2処理液で処理したことを特徴とする。
【0010】
上記においては、前記第2処理液が含有するゴムラテックスがクロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックスであること、および前記第1処理液の芳香族ポリアミド繊維に対する固形分付着量が3.0〜10.0重量%であり、前記第2処理液の前記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対する付着量が2.0〜8.0重量%であることが望ましい。
【0011】
また、本発明のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法は、芳香族ポリアミド繊維を、塩化ビニル共重合体ラテックスを含有し、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を含有しない第1処理液で処理し、100℃〜120℃で乾燥した後、140〜160℃で熱処理し、次いでゴムラテックスおよびレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物との混合物の固形分100重量部に対して、ブロックドイソシアネート化合物またはエチレンイミン化合物を5〜15重量部を配合した組成物を含有する第2処理液で処理し、100℃〜150℃で乾燥した後、200℃〜250℃で熱処理することを特徴とする。
【0012】
上記の製造方法においては、前記第2処理液が含有するゴムラテックスとして、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックスを用いること、および前記第1処理液の芳香族ポリアミド繊維に対する固形分付着量を3.0〜10.0重量%とし、前記第2処理液の前記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対する付着量を2.0〜8.0重量%とすることが望ましい。
【0013】
さらに、本発明の繊維強化ゴム複合材料は、上記のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維または上記の方法により得られたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維により、ゴム、特に塩素化ポリエチレンゴムを補強したことを特徴とし、これらはタイヤコード、ベルトおよびホースなどの形態からなることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0015】
本発明で使用する芳香族ポリアミド繊維とは、芳香族ポリ−P−フェニレンテレフタルアミドおよびポリ−P−フェニレン・3−4´ジフェニルエーテルテレフタルアミドを公知の手段で紡糸、延伸してなる繊維を意味する。
【0016】
なお、本発明で用いる芳香族ポリアミド繊維とは、上記芳香族ポリアミドを素材としてなるフィラメント糸の他、このフィラメント糸からなるコード、織物、織布、布帛および不織布などの形態をも含むものであり、下記に述べる接着処理液による処理は、その任意の形態の芳香族ポリアミド繊維に施されればよい。
【0017】
本発明の第1処理液に用いられる塩化ビニル共重合体ラテックスとは、塩化ビニルとエチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエンなどのオレフィン類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルメタクリレートなどのアクリレート類、酢酸ビニル、ビニルラウレート、イソブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどのビニルエステルエーテル類との共重合体の乳化液を挙げることができる。
【0018】
本発明の第2処理液に用いられるレゾルシン・ホルムアルデヒドの初期縮合物(RF)とゴムラテックス(L)との混合物とは、一般にRFLと称されるものである。
【0019】
このRFLに含まれるレゾルシン・ホルムアルデヒド初期縮合物とは、アルカリ触媒または酸触媒の存在下で、レゾルシンとホルムアルデヒドを縮合させたものであって、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比が1:0.3〜1:3.0、特に1:0.75〜1:1.50の範囲であることが好ましい。
【0020】
また、上記RFLに含まれるゴムラテックスとしては、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、クロロプレン系ラテックス、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックス、アクリレート系ゴムラテックス、天然ゴムラテックス、および塩化ビニル共重合体ラテックスなどが挙げられるが、なかでもクロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックスを用いた場合に最も良好な結果が得られる。
【0021】
本発明の第2処理液に用いられるブロックドイソシアネート化合物とは、熱によりブロック剤が遊離して活性なイソシアネート化合物を生じる化合物であり、具体的にはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびトリフェニールメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物とフェノール、クレゾール、レゾルシンなどのフェノール類、ε−カプロラクタム、バレロラクタムなどのラクタム類、アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム類から選ばれたブロック剤との反応生成物などが挙げられ、特にジフェニルメタンジイソシアネートの芳香族化合物が良好な結果を与える。
【0022】
同じく第2処理液に用いられるエチレンイミン化合物としては、ジフェニルメタン−ビス−4,4´−N,N´−ジエチレンイミン、1,6−ヘキサメチレンジエチレンイミン、オクタデシルジエチレンイミン、トリレンジエチレンイミン、ナフチレンジエチレンイミン、およびトリフェニルメタンジエチレンイミンなどの芳香族、脂肪族イソシアネートとエチレンイミンとの反応生成物が挙げられ、特に芳香族エチレンイミン化合物が良好な結果を与える。
【0023】
次に、本発明で用いる第1処理液について説明する。
【0024】
塩化ビニル共重合体ラテックスを含有する第1浴処理液は、通常固形分濃度10〜25重量%で使用され、処理時における芳香族ポリアミド繊維への固形分付着量は3.0〜10.0重量%になるように制御される。
【0025】
芳香族ポリアミド繊維に対する第1浴処理液の固形分付着量が3.0重量%未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良することができず、10重量%を越えると、芳香族ポリアミド繊維自体の特性が阻害される傾向となるため好ましくない。
【0026】
また、第1処理液付与後の熱処理は、通常100〜120℃で0.5〜5分間乾燥した後、140〜160℃で0.5〜5分間熱処理することにより行う。
【0027】
第1処理液付与後の乾燥温度が100℃未満では、処理液成分が固化せずローラーに付着して芳香族ポリアミド繊維への付着量が減少すると共に、付着ムラが生じゴムとの接着性が悪くなる傾向となり、また120℃以上では、ブリスター(カス)が発生しやすい傾向となる。
【0028】
また、第1処理液付与後の熱処理温度が140℃未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良することができず、160℃を越えると、ラテックスが熱分解し、十分な接着性が得られないため好ましくない。
【0029】
次に、第2浴処理液は、レゾルシン・ホルムアルデヒドの初期縮合物(RF)とゴムラテックス(L)、特に好ましくはクロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックスとの混合物(RFL)の固形分100重量部に対し、上記ブロックドイソシアネート化合物またはエチレンイミン化合物5〜15重量部を配合した組成物を含有する。
【0030】
ここで、第2処理液におけるブロックドイソシアネート化合物またはエチレンイミン化合物の配合量がRFLの固形分100重量部に対し5重量部未満では、芳香族ポリアミド繊維とゴムとの接着性を十分に改善することができず、また15重量部を越えると、接着性改善効果が飽和しこれ以上添加してもコストアップを招くのみであるため好ましくない。
【0031】
この第2浴処理液は、通常固形分濃度で10〜25重量%で使用され、処理時における芳香族ポリアミド繊維への固形分付着量は、上記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対し2.0〜8.0重量%になるように制御される。
【0032】
上記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対する第2浴処理液の固形分付着量が2.0重量%未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良することができず、8.0重量%を越えると、芳香族ポリアミド繊維自体の特性が阻害される傾向となるため好ましくない。
【0033】
また、第2処理液付与後の熱処理は、通常100〜150℃で0.5〜5分間乾燥した後、200〜250℃で0.5〜5分間熱処理することにより行なう。
【0034】
第2処理液付与後の乾燥温度が100℃未満では、処理液成分が固化せずローラーに付着して芳香族ポリアミド繊維への付着量が減少すると共に、付着ムラが生じゴムとの接着性が悪くなる傾向となり、また150℃以上では、ブリスター(カス)が発生しやすい傾向となる。
【0035】
また、第2処理液付与後の熱処理温度が200℃未満では、ゴムに対する接着性を十分に改良することができず、250℃を越えると、RFLが劣化して、ゴム、なかでも塩素化ポリエチレンゴムとの接着性が低下する傾向となるため好ましくない。
【0036】
このようにして、第1および第2処理液による処理および熱処理を施された芳香族ポリアミド繊維を、次いで天然ゴムまたは合成ゴムを主体としたゴム組成物中に埋め込み、加圧下で加硫することにより、被着ゴムと強固に接着された繊維強化ゴム複合材料が得られるが、各種ゴムのなかでも、特に塩素化ポリエチレンゴムを使用した場合にすぐれた効果を得ることができる。
【0037】
なお、上記のように接着処理された芳香族ポリアミド繊維は、繊維強化ゴム複合材料が例えば自動車用ホースの場合には、未加硫のNBR組成物または塩素化ポリエチレンゴム組成物の内管上に2重に編組された後、さらに未加硫の塩素化ポリエチレンゴムを被覆した状態で加硫される。
【0038】
加硫は、スチーム加硫、プレス加硫などの通常の方法により、150℃〜170℃で行なわれる。加硫時間は、加硫温度などの加硫条件により、適宜選択すればよい。
【0039】
かくして、本発明によれば、ゴムと芳香族ポリアミド繊維との間の接着性がすぐれ、柔軟で製造工程におけるカス発生などの不具合を解消した繊維強化ゴム複合材料を効率的に得ることができ、得られた繊維強化ゴム複合材料は、タイヤコード、動力伝達ベルト、搬送用ベルト、およびゴムホース、なかでもラジエターホース、ヒーターホース、パワーステアリングホースおよびオイルホースなどの自動車ホースに適用した場合にすぐれた性能を発揮する。
【0040】
【実施例】
次に、実施例により、本発明を具体的に説明する。なお、実施例における各測定値は次の方法により求めたものである。
【0041】
[プライ間剥離接着(塩素化ポリエチレンゴム付着率、剥離力)]
芳香族ポリアミド繊維の処理コードを、28本/インチの密度でトッピングした塩素化ポリエチレンゴムシート2枚を、処理コードが平行になるように張り合わせ、加圧下で150℃、40分間プレス加硫を行う。
【0042】
そして、組成物を放冷後、両プライを5cm/minの引張り速度で剥離させるに要する力を測定し、この剥離力をKg/インチで表した。
【0043】
また、塩素化ポリエチレンゴム付着率(剥離ゴム付き)は、塩素化ポリエチレンゴムから剥離されたコードを肉眼で観察し、コード表面に塩素化ポリエチレンゴムが付着している部分を百分率で表した。
【0044】
上記接着評価においては、は、ムーニー粘度(ML1+4 、100℃):80、比重:1.08〜1.20の塩素化ポリエチレン未加硫ゴムを用いた。このゴム組成物の薬剤配合例を表1示した。
【0045】
【表1】
Figure 0003765073
[実施例1〜5]
塩化ビニル共重合体ラテックス(商品名:G151/G351、日本ゼオン社製、重量配合比3:7)に水を加えることにより、表2に示した固形分濃度(10〜25重量%)の第1浴処理液を得た。
【0046】
また、苛性ソ−ダの存在下でレゾルシン1モルに対しホルムアルデヒド2モルを反応させて得られたレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物(RF)と、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックス(CSM……L)とを、RF/L比が1/5.6の重量比となるように混合し、24時間熟成させた。
【0047】
このRFL液の固形分100重量部に対し、ジフェニルメタン−ビス4,4´−N,N´−ジエチレイミン(エチレンイミン化合物……C)の水分散液を表2に示した所定の比率で混合することにより、固形分濃度20重量%の第2処理液を得た。
【0048】
一方、デュポン社製芳香族ポリアミド繊維“ケブラー”の1500デニールマルチフイラメント1本を、下撚9.0回/10cmの撚数で撚糸してコードとし、コンピュートリータ処理機(リッツラー社製)を用いて、前記第1浴処理液に浸漬(固形分付着量4.1〜5.0重量%)し、110℃で150秒乾燥し、続いて150℃で60秒間熱処理した。
【0049】
次いで、第1処理液を付着させたコードを、上記第2処理液に浸漬(固形分付着量4.0〜6.1重量%)し、110℃で150秒乾燥し、続いて235℃で60秒間熱処理した。
【0050】
このようにして得られたコードのプライ間剥離接着評価結果を表2に示した。
【0051】
なお、表2における記号内容は以下の通りである。
C :エチレンイミン化合物
【表2】
Figure 0003765073
[比較例1〜6]
上記実施例と同一のコードを用い、表3に示した組成の第1処理液に浸漬(固形分付着量0.3〜1.0重量%)し、140℃で150秒乾燥した後、続いて240℃で60秒間熱処理した。
【0052】
次いで、第1処理液を付着させた表3に示した組成の第2処理液に浸漬(固形分付着量7.0〜9.1重量%)し、140℃で150秒乾燥し、続いて235℃で60秒間熱処理した。
【0053】
比較例1〜4の第1処理液は、塩化ビニル共重合体ラテックスの代わりに、ポリエポキシ化合物(ソルビトールポリグリシジルエーテル・……B)、またはこのポリエポキシ化合物(B)とエチレンイミン化合物(ジフェニルメタン−ビス4,4´−N,N´−ジエチレイミン……C)との混合物を使用し、固形分濃度を表3に示したように2.5%〜15重量%の範囲で変更したものである。
【0054】
比較例5〜6の第1処理液は、上記実施例2〜4のものと同様またはその固形分濃度を5重量%に変更したもの(比較例5)である。
【0055】
比較例1〜4の第2処理液は、実施例1のものと同様である。
【0056】
また、比較例5、6の第2処理液は、エチレンイミン化合物(D)の配合を省略または3重量%としたものである。
【0057】
なお、表3における記号内容は以下の通りである。
【0058】
A :塩化ビニル共重合体ラテックス(重量部)
B :ポリエポキシ化合物(重量部)
C :エチレンイミン化合物(重量部)
【表3】
Figure 0003765073
表2および3の結果から明らかなように、本発明のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維は、塩素化ポリエチレンゴムに対する接着性がすぐれた繊維強化ゴム複合材料を与える。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維は、各種ゴム、特に塩素化ポリエチレンゴムに対する接着性がすぐれており、この繊維で補強した本発明の繊維強化ゴム複合材料、特に繊維強化塩素化ポリエチレンゴム複合材料は、繊維とゴムとの接着性、柔軟性、耐侯性、難燃性にすぐれると共に、濃硝酸を除く酸、アルカリおよびアルコールに対し安定で、かつ軽量な特性を有すると共に、製造工程におけるカス発生などの不具合を解消したものであり、タイヤコード、動力伝達ベルト、搬送用ベルト、およびゴムホース、なかでもラジエターホース、ヒーターホース、パワーステアリングホースおよびオイルホースなどの自動車ホースに適用した場合にすぐれた性能を発揮する。

Claims (11)

  1. 芳香族ポリアミド繊維の表面を、塩化ビニル共重合体ラテックスを含有し、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を含有しない第1処理液で処理し、次いでゴムラテックスおよびレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物との混合物の固形分100重量部に対して、ブロックドイソシアネート化合物またはエチレンイミン化合物を5〜15重量部を配合した組成物を含有する第2処理液で処理したことを特徴とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
  2. 前記第2処理液が含有するゴムラテックスが、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックスであることを特徴とする請求項1に記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
  3. 前記第1処理液の芳香族ポリアミド繊維に対する固形分付着量が3.0〜10.0重量%であり、前記第2処理液の前記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対する付着量が2.0〜8.0重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維。
  4. 芳香族ポリアミド繊維を、塩化ビニル共重合体ラテックスを含有し、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物を含有しない第1処理液で処理し、100℃〜120℃で乾燥した後、140〜160℃で熱処理し、次いでゴムラテックスおよびレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物との混合物の固形分100重量部に対して、ブロックドイソシアネート化合物またはエチレンイミン化合物を5〜15重量部を配合した組成物を含有する第2処理液で処理し、100℃〜150℃で乾燥した後、200℃〜250℃で熱処理することを特徴とするゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  5. 前記第2処理液が含有するゴムラテックスとして、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックスを用いることを特徴とする請求項4に記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  6. 前記第1処理液の芳香族ポリアミド繊維に対する固形分付着量を3.0〜10.0重量%とし、前記第2処理液の前記第1処理液が付着した芳香族ポリアミド繊維に対する付着量を2.0〜8.0重量%とすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム補強用芳香族ポリアミド繊維または請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法により得られたゴム補強用芳香族ポリアミド繊維を用いて、ゴムを補強したことを特徴とする繊維強化ゴム複合材料。
  8. ゴムが塩素化ポリエチレンゴムであることを特徴とする請求項7に記載の繊維強化ゴム複合材料。
  9. タイヤコードであることを特徴とする請求項7または8に記載の繊維強化ゴム複合材料。
  10. ベルトであることを特徴とする請求項7または8に記載の繊維強化ゴム複合材料。
  11. ホースであることを特徴とする請求項7または8に記載の繊維強化ゴム複合材料。
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