JP7303018B2 - ゴムホース補強用アラミド繊維コード - Google Patents
ゴムホース補強用アラミド繊維コード Download PDFInfo
- Publication number
- JP7303018B2 JP7303018B2 JP2019092544A JP2019092544A JP7303018B2 JP 7303018 B2 JP7303018 B2 JP 7303018B2 JP 2019092544 A JP2019092544 A JP 2019092544A JP 2019092544 A JP2019092544 A JP 2019092544A JP 7303018 B2 JP7303018 B2 JP 7303018B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aramid fiber
- fiber cord
- rubber
- cord
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
(1)アラミド繊維コードのアラミド繊維は共重合芳香族ポリアミド繊維である
(2)アラミド繊維コードは2本以上のアラミド繊維を撚り合わされている
(3)解撚後のアラミド繊維コードの糸足差が1.000~1.005である
(4)アラミド繊維コードには、ポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物が付着している
本発明ではアラミド繊維として、共重合芳香族ポリアミド繊維を用いる。好ましいものとしてコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維がある。これは、例えば帝人(株)製テクノーラとして市場で入手できる。
共重合芳香族ポリアミド繊維を用いず、ホモポリマーの芳香族ポリアミド繊維を用いると編組時にコードが擦過を受けるときに単糸切れが起こりやすくコード強力が低下する恐れがある。
アラミド繊維コードにポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物を付着させるために、処理剤を用いる。この処理剤に含有されるポリエポキシド化合物は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を該化合物の100g当たり0.2g当量以上含有する化合物である。このポリエポキシド化合物は、エチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類とエビクロルヒドリンのごときハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、レゾルシン・ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、過酢酸または過酸化水素等で不飽和化合物を酸化して得られるポリエポキシド化合物などである。
処理剤に含有されるブロックドポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とブロック化剤との付加物であり、加熱によりブロック成分が遊離して活性なポリイソシアネート化合物を生ぜしめるものである。
本発明のゴムホース補強用アラミド繊維コードには、ポリエポキシド化合物およびブロックドイソシアネート化合物のほかに、さらにクロロフェノール化合物およびレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスが付着していることが好ましい。この場合の付着量はアラミド繊維コード100重量部あたり、クロロフェノール化合物は例えば1~10重量部、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスは例えば1~10重量部である。
本発明のゴムホース補強用アラミド繊維コードは、撚糸したアラミド繊維コードを、後に説明する第一の処理剤で処理した後、130~180℃の温度で2~5分間、好ましくは1~3分間乾燥し、ついで180~260℃の温度で0.5~5.0分間、好ましくは220~250℃の温度で1~3分間熱処理する。次いで、後に説明する第二の処理剤で処理し、その後130~250℃で0.5~5分間、好ましくは1~3分間乾燥し、次いで150~260℃で0.5~5.0分間、好ましくは220~250℃の温度で1~3分間熱処理することで製造することができる。熱処理温度がこれより低いとゴムとの接着が不十分となりやすく、他方温度がこれより高いと接着剤自体の硬化が起こり、繊維を硬くしたり、強力劣化を起こしたりして実用に供し難くなる。
本発明のアラミド繊維コードの製造に用いる第一の処理剤は、上記のポリエポキシド化合物とブロクッドポリイソシアネート化合物との混合物である。第一の処理剤におけるポリエポキシド化合物とブロクッドポリイソシアネート化合物との配合比率は、ポリエポキシド化合物1重量部に対してブロクッドポリイソシアネート化合物が、例えば1~10重量部、好ましくは2~9重量部である。
本発明のアラミド繊維コードの製造に用いる第二の処理剤として、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(以下、RFLと称することがある)を用いる。これは、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとを混合熟成したものである。このレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスにおけるレゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は、例えば1:0.1~1:8、好ましくは1:0.5~1:5である。ゴムラテックとしては、好ましくはスチレンブタジエンビニルピリジンラテックス(以下、VPラテックスと称することがある)およびクロロプレンラテックスのブレンドを用いる。
(1)糸足差
糸足差は処理後のアラミド繊維コードを解撚した後のアラミド繊維の糸足差である。所定長1000mm長で処理コードを解撚し、アラミド繊維を引き揃え時の糸足差を測定して、これらの比率(最も長い方のアラミド繊維/最も短い方のアラミド繊維×100)を算出した。
(2)硬さ
繊維コードを長手方向に2.54cmの長さにカットし、ガーレー式曲げ硬さ試験機を使用して測定した。
(3)コード引抜接着力
コード引抜接着力はアラミド繊維コードとゴムとの引抜接着力を示すものである。接着処理された繊維コードを1cm幅のEPDM系未加硫ゴムに埋め込み、プレス加硫を所定時間行うことでテストピースを作成した。このテストピースにおいて繊維コードをゴムから引き抜くときに要した力(N)をコード引抜接着力とした。
(4)強力
インストロン社製万能試験機を使用し、JIS L1017に準拠して測定した。
(5)編組時スカム脱落
接着処理された繊維コードを、ブレーダーを使用して編組した。このときのガイド付近に発生するディップカスの様子を目視で確認した。スカムがほとんど発生することなく良好な工程通過性を示した場合は○、スカムが発生しブレーダー装置に付着した場合は×とした。
(6)ホース膨張量
JIS D2601「自動車部品-非鉱油系液圧ブレーキホースアセンブリ」に準じて測定した。
第一の処理剤として、ポリエポキシド化合物(ナガセ化成(株)製デナコールEX611 ソルビトールグリシジルエーテル)とブロックドポリイソシアネート化合物(商品名:エラストロンE-37;第一工業製薬(株)製)を、ポリエポキシド化合物とブロックドポリイソシアネート化合物との重量比率で20:80に混合したものを、これらの成分の合計が5重量%の濃度となる水分散液に調製した。
EPDM 100重量部
HAF-カーボンブラック 120重量部
プロセスオイル(パラフィン系) 90重量部
亜鉛華 5重量部
ステアリン酸 3重量部
加硫剤 3.5重量部
加硫促進剤 2.5重量部
得られたアラミド繊維コードおよびゴム繊維複合体の評価結果を表1示す。表中、CRはクロロプレンゴムラテックスを、VPはスチレンブタジエンビニルピリジンラテックスを表す。
コンピュートリーター処理機(CAリツラー(株)製)を用いて前記の第一の処理剤に浸漬したのち、温度150℃で2分間乾燥し、続いて235℃の温度で1分間熱処理した以外は、実施例1と同様にして実施した。得られたアラミド繊維コードには処理剤の固形分が1.1重量%付着していた。
得られたアラミド繊維コードおよび、これを用いた実施例1と同様にして作成したゴム繊維複合体の評価結果を表1示す。
アラミド繊維として帝人(株)製テクノーラ繊維1000デニールのマルチフィラメント2本の合撚糸により、1本の原糸7.5T/10cmの撚りをかけた。このとき、1本の原糸には、もう一方の原糸の約1.5倍のテンションを加えて撚り合わせた。これ以外は、実施例1と同様にして実施した。
得られたアラミド繊維コードおよびゴム繊維複合体の評価結果を表1示す。
第一の処理剤として、ブロックドポリイソシアネート化合物(商品名:エラストロンE-37;第一工業製薬(株)製)を、5重量%の濃度となる水分散液に調製した。
Claims (1)
- 内層ゴム層と外層ゴム層との間に繊維補強層を有する繊維補強ゴムホースの繊維補強層を構成するアラミド繊維コードであって、下記(1)乃至(4)の要件を全て満たすゴムホース補強用アラミド繊維コードの製造方法であって、撚糸したアラミド繊維コードを、ポリエポキシド化合物とブロックドポリイソシアネート化合物との混合物である第一の処理剤で処理した後、130~180℃の温度で1~3分間乾燥し、ついで220~250℃の温度で1~3分間熱処理し次いで、レゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックスである第二の処理剤で処理し、その後150~260℃で0.5~5.0分間熱処理することを特徴とするゴムホース補強用アラミド繊維コードの製造方法。
(1)アラミド繊維コードのアラミド繊維は共重合芳香族ポリアミド繊維である
(2)アラミド繊維コードは2本以上のアラミド繊維を撚り合わされている
(3)解撚後のアラミド繊維コードの糸足差が1.000~1.005である
(4)アラミド繊維コードには、ポリエポキシド化合物およびブロックドポリイソシアネ
ート化合物が付着している
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019092544A JP7303018B2 (ja) | 2019-05-16 | 2019-05-16 | ゴムホース補強用アラミド繊維コード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019092544A JP7303018B2 (ja) | 2019-05-16 | 2019-05-16 | ゴムホース補強用アラミド繊維コード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020186492A JP2020186492A (ja) | 2020-11-19 |
JP7303018B2 true JP7303018B2 (ja) | 2023-07-04 |
Family
ID=73221414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019092544A Active JP7303018B2 (ja) | 2019-05-16 | 2019-05-16 | ゴムホース補強用アラミド繊維コード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7303018B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004316836A (ja) | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Teijin Techno Products Ltd | 繊維補強ゴムホース |
JP2005054304A (ja) | 2003-08-04 | 2005-03-03 | Teijin Techno Products Ltd | ゴムホース補強用ポリエステル接着処理繊維コードおよびゴムホース |
JP2005226199A (ja) | 2004-02-16 | 2005-08-25 | Naigai Seiko Kk | 高機能繊維ロープとその製造方法 |
JP4456825B2 (ja) | 2003-04-17 | 2010-04-28 | 帝人ファイバー株式会社 | 繊維補強ゴムホース |
WO2018181211A1 (ja) | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 旭化成株式会社 | 有機繊維からなる合撚糸コード |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0726273B2 (ja) * | 1988-02-22 | 1995-03-22 | 東レ株式会社 | プリフォーム製造用縫糸およびその製造方法 |
JPH05287681A (ja) * | 1992-04-08 | 1993-11-02 | Teijin Ltd | ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の処理方法 |
JP3616795B2 (ja) * | 1995-07-20 | 2005-02-02 | 帝人テクノプロダクツ株式会社 | ホース補強用アラミド繊維コード及びそれを用いたホース |
-
2019
- 2019-05-16 JP JP2019092544A patent/JP7303018B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4456825B2 (ja) | 2003-04-17 | 2010-04-28 | 帝人ファイバー株式会社 | 繊維補強ゴムホース |
JP2004316836A (ja) | 2003-04-18 | 2004-11-11 | Teijin Techno Products Ltd | 繊維補強ゴムホース |
JP2005054304A (ja) | 2003-08-04 | 2005-03-03 | Teijin Techno Products Ltd | ゴムホース補強用ポリエステル接着処理繊維コードおよびゴムホース |
JP2005226199A (ja) | 2004-02-16 | 2005-08-25 | Naigai Seiko Kk | 高機能繊維ロープとその製造方法 |
WO2018181211A1 (ja) | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 旭化成株式会社 | 有機繊維からなる合撚糸コード |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020186492A (ja) | 2020-11-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5169640B2 (ja) | ゴム補強用ポリエステル繊維コード | |
JP2009203573A (ja) | ゴム補強用ポリエステル繊維コードの製造方法およびゴムホース | |
JP7303018B2 (ja) | ゴムホース補強用アラミド繊維コード | |
JP3616795B2 (ja) | ホース補強用アラミド繊維コード及びそれを用いたホース | |
JP2007046210A (ja) | ゴム補強用繊維の製造方法 | |
KR20110078380A (ko) | 고무 보강용 폴리에스테르 섬유의 제조방법 | |
JP7332369B2 (ja) | ゴムホース補強用アラミド繊維コードおよび繊維補強ゴムホース | |
JP4456825B2 (ja) | 繊維補強ゴムホース | |
JPH10273877A (ja) | ゴム補強用繊維の製造方法 | |
JP6031917B2 (ja) | ホース補強用ポリエステル繊維コード | |
JP2004100113A (ja) | ゴム補強用炭素繊維コードの製造方法 | |
WO2020031408A1 (ja) | ゴム補強用繊維コード | |
JP4229822B2 (ja) | ベルト補強用アラミド繊維コードの製造方法 | |
JP3627390B2 (ja) | ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法 | |
JP3765072B2 (ja) | ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料 | |
JP2003306874A (ja) | ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の製造方法及び繊維強化ゴム複合材料 | |
JP3231535B2 (ja) | ポリエステル繊維とエチレンプロピレン系ゴムとの接着処理法 | |
JP3793938B2 (ja) | ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維、その製造方法および繊維強化ゴム複合材料 | |
JP2021021149A (ja) | 繊維補強ゴムホース用繊維コード | |
JP2004316836A (ja) | 繊維補強ゴムホース | |
JP4782387B2 (ja) | ブチルゴム製ゴムホース補強用繊維材料の製造方法 | |
JP3188639B2 (ja) | 高圧ホース補強用ポリエステル繊維の処理方法 | |
JPH05148770A (ja) | ゴム補強用ポリエステル繊維の処理方法 | |
JP3188588B2 (ja) | ポリエステル繊維の処理方法 | |
JPH05287681A (ja) | ゴム補強用芳香族ポリアミド繊維の処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220215 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230131 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230310 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230606 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230622 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7303018 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |