JP3756135B2 - ダイヤフラム弁構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体の製造ライン等において薬液や純水等の流体の制御に使用されるダイヤフラム弁の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体の製造ラインやあるいは各種薬品の製造ライン等においては、各種の薬液や純水の供給がダイヤフラム弁を介して制御される。添付図面の図10は従来一般に使用されているダイヤフラム弁100であって、バルブボディ101の弁室102内をダイヤフラム部91と弁体部92を有するダイヤフラム弁体90が弁座105に対して進退し、弁室102のオリフィス部103を開閉制御して流出部104から流出する流体の流通を制御する。符号111は流体の流入側流路、112は流出側流路である。
【0003】
図において符号80はダイヤフラム弁体90の作動シリンダ装置を表し、81はシリンダブロック、82はシリンダ室、83は該シリンダ室82と前記弁室102とを区画する区画ブロック、84は前記ダイヤフラム弁体90と連結されたピストン部材、85及び86は前記ピストン部材84を進退させる作動流体の流出入部、87はピストン部材84を常時前方へ付勢するバネ体、88はエア抜き部、89はダイヤフラム弁体90の取付部材である。
【0004】
図示のダイヤフラム弁100は、流出部104を弁室102の横側に形成して流出側流路112を連設したものである。このダイヤフラム弁100の構造によれば、流入側流路111からオリフィス部103を経て弁室102内に流入した流体は、弁室102から流出部104を経て流出側流路112に直線方向に流通する。すなわち、ダイヤフラム弁100を流通する流体は、屈曲部R1及びR2の2ケ所を有する「L」字状に流通する。
【0005】
この従来一般に使用されているダイヤフラム弁100にあっては、図11に示したように、弁体90が略水平な前端面96と該端面96に向かって略45度の角度で傾斜する前部側傾斜面97を有し、略直角に形成された弁座105に前記前部側傾斜面97が着座可能となっている。そして、弁体90が後退するとオリフィス部103が開き、流体はオリフィス側流路F11からダイヤフラム側流路F12を経て弁室102内に流入する。
【0006】
しかるに、このダイヤフラム弁体90にあっては、図12に示すように、弁体90が後退して前部側傾斜面97と弁座105との間の流路がわずかに開かれた状態となった場合、弁体端面96が略水平で弁座105が略直角であることより、流体はオリフィス側流路F11の部分から急に流路幅が狭くなった流路を流通することになる。また、弁座105を通過した流体L12は、流路幅が狭い流路から急激に流路幅が拡がるダイヤフラム側流路F12を流通する。このような流路幅が急激に変化する流路を流体が流通すると、その流路幅の変化に伴って流体に急激な圧力変化が生ずる。
【0007】
流体に急激な圧力変化が起こることにより、いわゆるキャビテーションと呼ばれる空洞化現象が発生しやすくなる。すなわち、急激な圧力変化に伴って、流体である液体中に含有される空気が圧力の低下によって微少な気泡を発生させ、次いで蒸発し、空洞化するのがキャビテーションである。前記のように、弁座105と弁体90の前部側傾斜面97との間の流路の断面積は弁座105で最小となりその前後で大きく増加するが、最小断面部分では流体の流速は最大となり、圧力はその直後で最小となり、この低圧時にキャビテーションが発生する。このキャビテーションによって発生した微少な気泡は、例えば半導体製造にあってはウェハの表面を汚すゴミとして倦厭される。
【0008】
また、図のような弁座105が略直角で弁室102が垂直面によって形成されていると、それらの角隅部において流体の流速に変化が生じ、流体の圧力損失(エネルギー損失)が大きくなって、流通効率が低下するばかりか、流体が流れにくい部分が発生するため、流体の置換特性が悪くなるという問題がある。
【0009】
さらに、この種ダイヤフラム弁100では、オリフィス部103側から弁室102側に流体を流通させるほかに、その流通方向を逆にして、弁室102側からオリフィス部103側に流体を流通させることがある。図13に示すように、流体の流通方向を逆にして弁室102からオリフィス部103の方向に流体を流通した場合にも、前記と同様、キャビテーションが発生しやすくなるとともに、圧力損失が大きくなり、流体の置換特性が悪くなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたものであって、流体に急激な圧力変化が起こりにくくキャビテーションの発生を抑止するとともに、流体のスムーズな流通を可能にする、新規なダイヤフラム弁の構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、被制御流体の流路(F1,F2)中にオリフィス部(15)を介して弁座(25)を備えた弁室(20)を有し、前記弁室に外周部(32)を固定されたダイヤフラム部(31)の中心部(33)に前記弁座に対して進退する弁体部(35)を一体に有するダイヤフラム弁体(30)を備えたダイヤフラム弁(10)において、前記弁室は前記オリフィス部より前記ダイヤフラム部の略外周部に至るまで全体として略ロウト状に拡径した面(21)に形成されており、かつ前記弁座は前記拡径面に形成された鈍角面(27)に形成され、前記弁体部は前記弁座に着座可能で先端に向かって傾斜する前部側傾斜面(37)と前記弁体部の軸部(36)に向かって傾斜する後部側傾斜面(38)とを有する駒形状(35S)に形成され、前記ダイヤフラム部は、予めその中心部が弁座方向となるように傾斜して配置されていて、前記ダイヤフラム弁体の後退時にも前記ダイヤフラム部の中心部がその外周部より後方に移動しないように構成されていることを特徴とするダイヤフラム弁構造に係る。
【0012】
請求項2の発明は、前記弁座が前記鈍角面の頂上に形成された微細な突条部(26)からなる請求項1に記載のダイヤフラム弁構造に係る。
【0013】
請求項3の発明は、前記弁体部の前部側傾斜面に前記弁座に着座する微細な突条部(39)が形成されている請求項1に記載のダイヤフラム弁構造に係る。
【0014】
請求項4の発明は、前記鈍角面と前記弁体部の前部側傾斜面によって形成される流体のオリフィス側流路(F3)とダイヤフラム側流路(F4)の角度が略同じに構成された請求項1ないし3のいずれか1項に記載のダイヤフラム弁構造に係る。
【0015】
請求項5の発明は、前記弁体部の最大外周径(r1)が前記ダイヤフラム部のダイヤフラム膜部最大径と膜部最小径を2分した位置における直径距離(r2)よりも大きく形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載のダイヤフラム弁構造に係る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例に係るダイヤフラム弁全体の縦断面図、図2は図1のダイヤフラム弁体を後退させた状態を示す縦断面図、図3は弁体部の前部側傾斜面と弁座の着座状態を拡大して表した部分断面図、図4は同じく弁体部の前部側傾斜面と弁座の他の実施例の着座状態を拡大して表した部分断面図、図5は弁体部の後退時における流体の流通状態を表した部分断面図、図6は同じく流体の他の流通状態を表した部分断面図、図7はダイヤフラム部の外周部と中心部との位置関係を表した断面図、図8はダイヤフラム弁体の弁体部とダイヤフラム部の膜部との関係を表した断面図、図9はこの発明構造をマニホールド弁に用いた実施例の断面図である。
【0017】
図1及び図2は、本発明におけるダイヤフラム弁10の断面図である。図示したダイヤフラム弁10は、バルブボディ11内の被制御流体の流路(流入側流路F1及び流出側流路F2)中にオリフィス部15を介して弁座25を備えた弁室20と、前記弁室20に外周部32を固定されたダイヤフラム部31の中心部33に前記弁座25に対して進退する弁体部35を一体に有するダイヤフラム弁体30を備える。
【0018】
この発明構造に係る弁室20は、前記オリフィス部15より前記ダイヤフラム部の略外周部32に至るまで全体として略ロウト状に拡径した面21に形成されており、かつ弁座25は前記拡径面21に形成された鈍角面27に形成され前記弁体部35は、前記弁座25に着座可能で先端に向かって傾斜する前部側傾斜面37と弁体部35の軸部36に向かって傾斜する後部側傾斜面38を有する駒形状35Sに形成され、前記ダイヤフラム部は、予めその中心部が弁座方向となるように傾斜して配置されていて、前記ダイヤフラム弁体の後退時にも前記ダイヤフラム部の中心部がその外周部より後方に移動しないように構成されていることを特徴とする。
【0019】
図1及び図2において、符号50は前述したと同様のダイヤフラム弁体30を作動するための公知の作動シリンダ装置を表し、51はシリンダブロック、52はシリンダ室、53は該シリンダ室52と前記弁室20とを区画する区画ブロック、54は前記ダイヤフラム弁体30と連結されたピストン部材、55及び56は前記ピストン部材54を進退させる作動流体の流出入部、57はピストン部材54を常時前方へ付勢するバネ体、58はエア抜き部、59はダイヤフラム弁体30の取付部材である。図1はダイヤフラム弁体30が前進して弁体部35の前部側傾斜面37が弁座25に着座して弁が閉じられた状態を表し、図2はダイヤフラム弁体30が前記作動シリンダ装置50の作動によって後退し、流体が弁室20に流通する状態を表す。以下、このダイヤフラム弁10について詳しく説明する。
【0020】
まず、弁室20は、図示のように、オリフィス部15よりダイヤフラム部略外周部32に至るまで全体として略ロウト状に拡径した面21に形成される。ロウト状とは前側が狭く後側が徐々に広くなる傾斜形状を意味し、ここではオリフィス部15を有する弁室20の底面部分とダイヤフラム部外周部32が固定された弁室20の壁面部分とが角部を介することなく曲面22でなだらかに連接され、ダイヤフラム部略外周部32に至るまで拡径された面21に形成されている。そして、弁座25はこの拡径面21に形成された鈍角面27に形成される。
【0021】
このように、弁室20の形状をオリフィス部15よりダイヤフラム部の略外周部32に至るまで全体として略ロウト状に拡径した面21に形成することによって、弁室20に角隅部がなくなり、弁室20内を流通する流体の流速を均一化させることができるようになる。従って、これによって、流体の圧力損失を抑止して流通効率を向上させることができ、スムーズな流れによって流体の置換特性が良好となるのである。
【0022】
一方、ダイヤフラム弁体30の弁体部35は、前記弁座25に着座可能で先端に向かって傾斜する前部側傾斜面37と前記弁体部35の軸部36に向かって傾斜する後部側傾斜面38を有する駒形状35Sに形成される。この前部側傾斜面37と後部側傾斜面38とはできるだけ長く形成されることが好ましく、望ましくは図示のように前部側傾斜面37は弁体部35の先端まで形成され、後部側傾斜面38は軸部36まで形成される。なお、図の符号40はダイヤフラム部31の裏当て部材である。
【0023】
このように、弁体部35を前部側傾斜面37と後部側傾斜面38を有する駒形状35Sに形成することによって、弁体部35にかかる一次側圧力と二次側圧力の圧力バランスを図ることができ、より小さい力で弁体30の作動を行うことができるようになる。また、弁体部35にかかる一次側圧力と二次側圧力の圧力バランスを図ることができることによって、オリフィスサイズを大きくすることができ、ダイヤフラム弁10の外形サイズを大きくすることなく、流量を多く流すことができる。さらに、弁体部35を駒形状35Sとすることによって、弁室20を流通する流体は弁体部35の駒形状35に沿って回り込みくまなく流通し、流体の混合やフラッシングを効果的に行うことができる。
【0024】
図1及び図2の例では、請求項2の発明として規定し図3の拡大図に図示したように、弁座25が拡径面21に形成された鈍角面27の頂上に形成された微細な突条部26からなる例が示される。突条部26は弁体部35の弁座25に対する着座性を確実にするためである。また、この着座性を確実にするためには、請求項3の発明として規定し図4の拡大図に図示したように、弁体部35の前部側傾斜面37に弁座25に着座する微細な突条部39を形成してもよい。
【0025】
図3及び図4から理解されるように、この発明構造では、弁室20のロウト状拡径面21の鈍角面27に形成された弁座25と弁体部35の前部側傾斜面37とによって、オリフィス部15から弁室20に至る流路において、鋭角状に狭くなるオリフィス側流路F3と鋭角状に広くなるダイヤフラム側流路F4が形成される。これらの鋭角状のオリフィス側流路F3とダイヤフラム側流路F4によって、図5に図示したように、弁体30が後退して流体が流通する際に、弁座25を流通する流体L1の流路幅が弁座25の前後で徐々に狭くなりかつ徐々に広くなって、急激に変化することを回避することができる。すなわち、弁座25の前後における流体の大きな圧力変化を回避することができるのである。これによって、前記したキャビテーションによる微小な気泡の発生を防止することができる。また、図6のように、流体L2の流通方向を逆にして用いる場合にも、同様に効果的である。
【0026】
なお、図3及び図4に図示し請求項4の発明として規定したように、前記鈍角面27と前記弁体部35の前部側傾斜面37によって形成される流体のオリフィス側流路F3とダイヤフラム側流路F4の角度を略同じに構成することによって、弁座25の前後で徐々に狭くなりかつ徐々に広くなる流路幅が対称となり、圧力変化の回避をさらに効果的に行うことができる。
【0027】
図7はダイヤフラム弁体30におけるダイヤフラム部31の外周部32とその中心部33との位置関係を示したものである。図7各図に示したように、ダイヤフラム部31は予めその中心部33が弁座25方向となるように傾斜して配置されていて(図7(A)の符号A1参照)、ダイヤフラム弁体30の後退時にもダイヤフラム部31の中心部33がその外周部32より後方に移動しないように(図7(B)の符号A2参照)構成されている。
【0028】
このようなダイヤフラム弁体30の配置構成によって、弁体30の後退時にダイヤフラム部31の中心部33がその外周部32より前方に位置(A2位置)するので、ダイヤフラム部31の中心部33が常に弁室20内に突出した形状配置となる。これによってダイヤフラム部31の中心部33に凹所が形成されることなく、かつ、図7各図からよくわかるように、弁体部35の後部側傾斜面38及び弁室20の拡径面21とによって、断面略三角形状のリング状空間が弁室20に形成され、弁室20内における流体の流通がくまなくスムーズになる。従って、ダイヤフラム部31に気泡がたまりにくく、圧力損失も小さくなり、流体の置換特性も向上する。
【0029】
また、弁体30の移動に伴うダイヤフラム部31の変位は、その外周部32を支点として弁座25側の一方向(下方向)のみとなり、双方向に変位する場合に比して、ダイヤフラム部31の外周部32に加わる屈曲疲労を低減することができ、その耐久性を高めることができる。さらに、弁体の後退時にダイヤフラム部31の中心部33をその外周部32より前方になるように配置することによって、フラッシングなども効果的に行うことができる。
【0030】
図8は、請求項の発明として規定したように、ダイヤフラム弁体30の弁体部35の最大外周径r1が前記ダイヤフラム部31のダイヤフラム膜部34の最大径と膜部最小径を2分した位置における直径距離r2よりも大きく形成されている例を表す。前記したように、弁体部35に前部側傾斜面37と後部側傾斜面38とを有する駒形状35Sに形成することによって、弁体部35にかかる一次側圧力と二次側圧力の圧力バランスを図ることができ、より小さい力で弁体30の作動を行うことができるのであるが、弁体部35の最大外周径r1をダイヤフラム部31のダイヤフラム膜部34の最大径と膜部最小径を2分した位置における直径距離r2よりも大きく形成したものにあっては、特に、二次側からの圧力が高い場合にも弁を閉じる方向の力が弁体部35に働くので、耐圧を高くした場合でも弁体30の開閉をスムーズに行うことができる。なお、ダイヤフラム膜部34とは圧力によって変位する薄膜部分をいう。このことより、高い圧力の場合においても、流体の入口を指定することなく、オリフィス側流路あるいはダイヤフラム側流路のいずれからも使用することが可能となる。通常の場合では、ダイヤフラム側流路から流体を入れると、ダイヤフラム部にかかる圧力により弁体が上方に持上げられるために耐圧を上げることがむずかしかった。
【0031】
上記のように構成されたこの発明のダイヤフラム弁10構造は、例えば図9に図示したように、マニホールド弁Mとして用いることができる。このマニホールド弁Mは、本発明構造に係る複数(ここでは3つ)のダイヤフラム弁部10A,10B,10Cを流路72,73によって横方向に互いに連結し、ダイヤフラム弁部10Aの流路71から流路72,73を経てダイヤフラム弁部10Cの流路74まで貫通状に流通するように構成されている。なお、図示のマニホールド弁Mではそのバルブボディ79を単一として表したが、独立した個別のダイヤフラム弁部を必要に応じて連結することも一般に行われている。
【0032】
そして、各ダイヤフラム弁部10A,10B,10Cの流入部12A,12B,12Cからの流体L12,L13,L14の流通を各ダイヤフラム弁体30A,30B,30Cによって制御するとともに、流路71からの流体L15と混合して、流路74から混合流体L16として流出するのである。これは薬液の混合などに利用される。あるいは、各ダイヤフラム弁体30A,30B,30Cを図のように閉じた状態で、流路71から流体L15として純水等の清浄液体を流通させてフラッシングを行ったりすることもある。
【0033】
この発明構造に係るダイヤフラム弁構造は、このようなマニホールド弁Mにおいて、前述した各部構成が保有する特有の作用により、効果的に液の混合やフラッシングなどを行うことができる。
【0034】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明のダイヤフラム弁構造によれば、まず、弁室形状によって、弁室内を流通する流体の流速を均一化させることができ、流体の圧力損失を抑止して流通効率を向上させることができ、スムーズな流れによって流体の置換特性が良好となる。また、弁体部の形状によって、一次側圧力と二次側圧力の圧力バランスを図ることができ、オリフィスサイズを大きくすることができ、ダイヤフラム弁の外形を大きくすることなく流量を多く流すことができるとともに、流体は弁体部に沿って回り込みくまなく流通して混合やフラッシングを効果的に行うことができる。
【0035】
さらに、この発明構造によれば、弁室の弁座と弁体部によって鋭角状に徐々に狭くなりかつ広くなる流路が形成されるので、弁座の前後を流通する流体の大きな圧力変化を回避することができ、これによって、キャビテーションによる微小な気泡の発生を防止することができる。
【0036】
これに加えて、ダイヤフラム弁体の配置構成の点から、弁室内における流体の流通がくまなくスムーズになり、ダイヤフラム部に気泡がたまりにくく、圧力損失も小さくなり、流体の置換特性も向上する。同時に、ダイヤフラム部の外周部に加わる屈曲疲労を低減することができ、耐久性を高めることができる。
【0037】
また、請求項2及び3の発明によれば、弁室の弁座と弁体部との着座が確実となり、請求項4の発明によれば、弁座の前後を流通する流体の圧力変化をより効果的に回避することができる。
【0038】
さらにまた、請求項の発明によれば、耐圧を高くした場合でも弁体の開閉をスムーズに行うことができ、高い圧力の場合においても、流体の入口を指定することなく、オリフィス側流路あるいはダイヤフラム側流路のいずれからからも使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係るダイヤフラム弁全体の縦断面図である。
【図2】 図1のダイヤフラム弁体を後退させた状態を示す縦断面図である。
【図3】 弁体部の前部側傾斜面と弁座の着座状態を拡大して表した部分断面図である。
【図4】 同じく弁体部の前部側傾斜面と弁座の他の実施例の着座状態を拡大して表した部分断面図である。
【図5】 弁体部の後退時における流体の流通状態を表した部分断面図である。
【図6】 同じく流体の他の流通状態を表した部分断面図である。
【図7】 ダイヤフラム部の外周部と中心部との位置関係を表した断面図である。
【図8】 ダイヤフラム弁体の弁体部とダイヤフラム部の膜部との関係を表した断面図である。
【図9】 この発明構造をマニホールド弁に用いた実施例の断面図である。
【図10】 従来の一般的なダイヤフラム弁の縦断面図である。
【図11】 従来のダイヤフラム弁における要部の断面図である。
【図12】 従来のダイヤフラム弁における流体の流通状態を表す断面図である。
【図13】 従来のダイヤフラム弁における流体の他の流通状態を表す断面図である。
【符号の説明】
10 ダイヤフラム弁
15 オリフィス部
20 弁室
21 (ロウト状)拡径面
25 弁座
26 突条部
27 鈍角面
30 ダイヤフラム弁体
31 ダイヤフラム部
32 外周部
33 中心部
34 ダイヤフラム膜部
35 弁体部
35S 駒形状
37 前部側傾斜面
38 後部側傾斜面
39 突条部
50 作動シリンダ装置
F3 オリフィス側流路
F4 ダイヤフラム側流路

Claims (5)

  1. 被制御流体の流路中にオリフィス部(15)を介して弁座(25)を備えた弁室(20)を有し、前記弁室に外周部(32)を固定されたダイヤフラム部(31)の中心部(33)に前記弁座に対して進退する弁体部(35)を一体に有するダイヤフラム弁体(30)を備えたダイヤフラム弁(10)において、
    前記弁室は前記オリフィス部より前記ダイヤフラム部の略外周部に至るまで全体として略ロウト状に拡径した面(21)に形成されており、かつ前記弁座は前記拡径面に形成された鈍角面(27)に形成され、
    前記弁体部は前記弁座に着座可能で先端に向かって傾斜する前部側傾斜面(37)と前記弁体部の軸部(36)に向かって傾斜する後部側傾斜面(38)とを有する駒形状(35S)に形成され、
    前記ダイヤフラム部は、予めその中心部が弁座方向となるように傾斜して配置されていて、前記ダイヤフラム弁体の後退時にも前記ダイヤフラム部の中心部がその外周部より後方に移動しないように構成されている
    ことを特徴とするダイヤフラム弁構造。
  2. 前記弁座が前記鈍角面の頂上に形成された微細な突条部(26)からなる請求項1に記載のダイヤフラム弁構造。
  3. 前記弁体部の前部側傾斜面に前記弁座に着座する微細な突条部(39)が形成されている請求項1に記載のダイヤフラム弁構造。
  4. 前記鈍角面と前記弁体部の前部側傾斜面によって形成される流体のオリフィス側流路(F3)とダイヤフラム側流路(F4)の角度が略同じに構成された請求項1ないし3のいずれか1項に記載のダイヤフラム弁構造。
  5. 前記弁体部の最大外周径(r1)が前記ダイヤフラム部のダイヤフラム膜部最大径と膜部最小径を2分した位置における直径距離(r2)よりも大きく形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載のダイヤフラム弁構造。
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