JP3685702B2 - 熱機関用シリンダブロック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリング冷凍機等のスターリングサイクル機器、ヴィルミエサイクル機器又はクーク・ヤーボロフサイクル機器の熱機関用のシリンダブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題におけるフロン代替の冷凍装置として、又従来の冷却装置より使用温度が広範囲で、従って、冷凍庫、冷蔵庫、投げ込み式クーラー等の業務用又は家庭用の冷熱利用機器をはじめとして、低温液循環器、低温恒温器、恒温槽、ヒートショック試験装置、凍結乾燥機、温度特性試験装置、血液・細胞保存装置、コールドクーラ、その他各種の冷熱装置等のあらゆる産業分野の冷熱利用機器に適用可能な、コンパクトで、しかも成績係数が高く、エネルギー効率が良好となる冷凍機として、スターリング冷凍機が脚光を浴びている。
【0003】
ところで、スターリング冷凍機では、作動ガスが圧縮室(高温室)と膨張室(低温室)との間を流動し、この流路に沿って配設された吸熱用熱交換器(低温側熱交換器)及び放熱用熱交換器(高温側熱交換器)により、夫々冷熱冷媒及び放熱用冷媒との熱交換が行われる。従来、熱交換器としては、例えば、シェルアンドチューブ式熱交換器やプレートフィン式熱交換器等がある。
【0004】
スターリング冷凍機における熱交換器は、熱交換性能、信頼性を向上させるために、作動ガスの流れが部分的に阻害されるようなことなく均一に流れる流路や、肉厚が均一な精密に形成されたフィン等が要求され、さらに、低コスト化を実現するために熱交換器自体の加工性に優れ、しかもスターリング冷凍機の全体構造を簡単にする構成が要求される。
【0005】
シェルアンドチューブ式熱交換器は組立に手間がかかり低コスト化では問題があり、プレートフィン式熱交換器も、同様にコスト面で問題があった。本発明者等は、上記問題を解決する手段として、外周面及び内周面に周方向のフィン及び作動流体用の長手方向の細溝を一体的にロストワックス鋳造で形成したことを特徴とする熱機関用のシリンダブロックを提案している(特願平10−365364号参照。)。
【0006】
この先行する発明に係る熱機関用のシリンダブロックの特徴を、その一部である放熱用熱交換器(高温側熱交換器)を例に挙げて、図5において簡単に説明する。図5(a)、(b)は放熱用熱交換器の断面及びそのC−C断面図であり、図5(c)は要部拡大図である。この放熱用熱交換器27は、アニュラータイプの熱交換器であり、高温側熱交換ハウジング44内に熱交換器本体45がシール47を介して装着され、さらにその内側シリンダ31が密着するように組立てられている。
【0007】
熱交換器本体45の外周面及び内周面にフィン50及び作動流体用の細溝51が、ロストワックス鋳造により一体的に形成されている。冷却水等の熱交換媒体は、流入口48から流路46内に流入して流出口49から流出する。一方、作動流体は、細溝51と内側シリンダ31で形成される細溝通路を通過する。これにより、作動流体の熱が熱交換媒体に放熱され、熱交換が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記放熱用熱交換器は、熱交換器本体にフィン及び細溝がロストワックス鋳造で一体的に形成される構成であるから、熱交換器全体の構成が簡単となる。ところで、フィンはロストワックス鋳造で比較的精密に形成できるが、作動流体用の細溝は、伝熱性能向上のために細溝の幅を小さくしていくと、ロストワックス鋳造では鋳物のカスやバリ等が残ってしまい、鋳造後のカスやバリ等を取る作業が必要となり、この面での作業性の改善という点では、十分とは言えない。
【0009】
本発明は、このように細溝の幅を狭くした場合に生じる先行発明の改善点を解決することを目的とするものであり、ロストワックス鋳造による外周面のひれを含めて一体的に形成することで高温側及び低温側熱交換器を夫々簡単な構造とするとともに、内周面に幅の狭い細溝でも溝内にカスやバリ等が残ることなく精密に形成可能として、作動ガスの流れが部分的に阻害するようなことが解消し、冷却用熱交換器の熱交換性能、信頼性が向上するとともに、加工性を改善し低コスト化を図ることを具体的な課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、頂壁及び側壁を有する円筒状の頂部熱交換ハウジングと、該頂部熱交換ハウジング内に配設され、熱機関のピストン又はディスプレーサが摺動する内側シリンダとを有するシリンダブロックであって、上記頂部熱交換ハウジングの先端側には、頂部熱交換ハウジング内筒が圧入されて設けられており、上記頂部熱交換ハウジングの内筒の内周面には、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガス用の流路を形成する軸方向に直線状の細溝が機械加工で形成されており、上記頂部熱交換ハウジングの基端側の内周面は、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガスの再生器用の環状流路を構成していることを特徴とする熱機関用のシリンダブロックを提供する。
【0011】
そして、本発明は上記課題を解決するために、熱機関のピストン又はディスプレーサが摺動する内側シリンダを有するシリンダブロックであって、上記内側シリンダの外側には、円筒状の環状熱交換ハウジングとその内側に挿入固定された熱交換器本体とから成る熱交換器が配設されており、上記熱交換器本体の外周面には、熱交換用のフィンが形成されており、上記熱交換器本体の内側には熱交換器内筒が圧入されて設けられており、上記熱交換器内筒の内周面には、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガス用の流路を形成する軸方向に直線状の細溝が機械加工で形成されており、上記環状熱交換ハウジングと上記熱交換器本体との間の空間が冷媒通路とされ、該冷媒通路が連通するように、上記環状熱交換ハウジングに冷媒入口及び冷媒出口が形成されていることを特徴とする熱機関用のシリンダブロックを提供する。
【0012】
そして、本発明は上記課題を解決するために、頂壁及び側壁を有する円筒状の頂部熱交換ハウジングと、該頂部熱交換ハウジング内に配設され、熱機関のピストン又はディスプレーサが摺動する内側シリンダとを有するシリンダブロックであって、上記頂部熱交換ハウジングの先端側には、頂部熱交換ハウジング内筒が圧入されて設けられており、上記頂部熱交換ハウジングの内筒の内周面には、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガス用の流路を形成する軸方向に直線状の細溝が機械加工で形成されており、上記頂部熱交換ハウジングの基端側の内周面は、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガスの再生器用の環状流路を形成しており、上記内側シリンダの外側には、円筒状の環状熱交換ハウジングとその内側に挿入固定された熱交換器本体とから成る熱交換器が配設されており、上記熱交換器本体の外周面には、熱交換用のフィンが形成されており、上記熱交換器本体の内側には熱交換器内筒が圧入されて設けられており、上記熱交換器内筒の内周面には、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガス用の流路を形成する軸方向に直線状の細溝が機械加工で形成されており、上記環状熱交換ハウジングと上記熱交換器本体との間の空間が冷媒通路とされ、該冷媒通路が連通するように、上記環状熱交換ハウジングに冷媒入口及び冷媒出口が形成されていることを特徴とする熱機関用のシリンダブロックを提供する。
【0013】
上記頂部熱交換ハウジングは、その先端側外周面に、上記頂部熱交換ハウジングと一体にロストワックス鋳造又は鋳鉄で成形されたフィン、又は別体に形成され後付けされたフィンを有する構成としてもよい。
【0014】
本発明のシリンダブロックが適用できる熱機関としては、スターリングサイクル機器、ヴィルミエサイクル機器又はクーク・ヤーボロフサイクル機器等がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して以下に説明する。図1〜図5は、本発明に係る熱機関用シリンダブロックの実施例を説明する図であり、図1は、本発明に係る熱機関用シリンダブロックが適用される熱機関の一例であるスターリング冷凍機1を説明する全体図である。スターリング冷凍機1のハウジング2は、鋳物で形成され、その内部は半密閉状態に保持される。このハウジング2内は、区画壁3によってモータ室4とクランク室5とに区画されている。
【0016】
このモータ室4には正逆回転可能なモータ6が配設されており、又クランク室5には、モータ6の回転動作を往復動に変換するクランクシャフト7と、コンロッド8と、クロスガイドヘッド9が配設され、スターリング冷凍機1の駆動手段として機能している。
【0017】
クランクシャフト7の二つのクランク部10、11は、モータ6の正転時にクランク部11がクランク部10より先行して移動するように、位相差を付けて形成されている。この位相差は、一般的には約90度の位相差が採用される。
【0018】
クランク室5の上部には、圧縮シリンダ12と、圧縮シリンダ12の若干上方に伸びて位置した膨張シリンダ13とが配設されている。圧縮シリンダ12と膨張シリンダ13、並びにハウジング2内には、作動ガスとして、例えば、ヘリウム、水素、窒素等が封入されている。圧縮シリンダ12は、ハウジング2にボルト等によって固定される圧縮シリンダブロック14を有し、この圧縮シリンダブロック14の空間内を圧縮ピストン15が往復する。この空間の上部(圧縮空間)が高温室16であり、この中の作動ガスは圧縮されて高温となる。
【0019】
圧縮ピストンロッド17は、圧縮ピストン15とクロスガイドヘッド9を連結し、圧縮シリンダ12とクランク室5の間をオイルシール19を通って伸びている。往復動する圧縮ピストン15は上死点及び下死点で摺動方向が反転するため、速度がゼロになり、上死点及び下死点付近では速度が遅く単位時間当たりの容積の変化量も小さく、下死点から上死点及び上死点から下死点に向かって移動するときの夫々の中間点で最高速度になり、単位時間当たりの圧縮ピストン15の移動による容積の変化量も最大となる。
【0020】
一方、膨張シリンダ13は、ハウジング2にボルト等によって固定される膨張シリンダブロック20を有し、この膨張シリンダブロック20の空間内を膨張ピストン21が往復摺動して、この空間の上部(膨張空間)が低温室22であり、この中の作動ガスが膨張し低温となる。膨張ピストンロッド23は、膨張ピストン21とクロスガイドヘッド18とを連結し、膨張シリンダ13とクランク室5との間をオイルシール25を通って伸びている。膨張ピストン21は、圧縮ピストン15より90度の位相だけ先行して移動する。
【0021】
膨張シリンダブロック20には、圧縮シリンダ12の圧縮空間に作動ガスが流入流出するマニホールド26が連通するように設けられており、さらに放熱用熱交換器(高温側熱交換器)27、再生器28及び冷却用熱交換器(低温側熱交換器)29が互いに順次連通して環状に配設されている。
【0022】
圧縮シリンダブロック14の上端部近くには、高温室16とマニホールド26を連通する連通孔30が形成されており、これにより、高温室16と低温室22は、連通孔30、マニホールド26、放熱用熱交換器27、再生器28及び冷却用熱交換器29を介して互いに順次連通するように構成されている。
【0023】
本発明に係る熱機関用シリンダブロックを、その一例として、上記膨張シリンダブロック20により、図2〜図4により詳細に説明する。図2において、膨張シリンダブロック20は、内側シリンダ31と、内側シリンダ31の下部外側に同心的に配設された、放熱用熱交換器27及びその上に配設された低温側熱交換ハウジング(頂部熱交換ハウジング)32とから構成される。内側シリンダ31は、膨張ピストン21の往復するシリンダ空間を形成しており、上部33及び下部34がOリング24を介して組み合わされて構成さるれか、又は一体に製造してもよい。
【0024】
図3(a)は低温側熱交換ハウジング32を示しており、図3(b)は図3(a)のA−A断面であり、図3(c)は要部拡大図である。図2及び図3において、低温側熱交換ハウジング32は、円筒状をしており、頂壁35、側壁36及び下端フランジ部37とから構成される。側壁36の先端側(図中上側)外周面にはフィン38及び中間フランジ38’が形成されている。頂壁35は、フランジ頂壁部35’と中央頂壁部35”とから構成され、中央頂壁部35”は、図2中のWで示すように、側壁36の頂端内面に溶着されて一体化される。又、頂壁35は、側壁36とともに後記するロストワックス鋳造や機械加工等によって一体に形成してもよい。
【0025】
側壁36の先端側内周面には、頂部熱交換ハウジング内筒32’が圧入され、側壁36の一部をなすかのように一体に形成されている。この頂部熱交換ハウジング内筒32’は、側壁36とは別に銅やアルミニウム等の材料で形成される円筒状の部品である。頂部熱交換ハウジング内筒32’の外面には、上記のとおり側壁36の先端側内周面に圧入可能なように滑らかに形成されているが、その内周面には、長軸方向の細溝39が円周方向に間隔をおいて多数本形成されている。
【0026】
この細溝39は、ワイヤカット、ブローチ加工等の機械加工により形成されるもので、図3(c)に示すピッチpは1〜1.5mm程度であり、深さdは1.5〜3mm程度である。そして、頂部熱交換ハウジング内筒32’自体の肉厚tは、5〜6mm程度であり、フィン38より狭いピッチになっている。
【0027】
頂部熱交換ハウジング内筒32’の内面は、内側シリンダ31の外面と密着するように組立てられ、細溝39と内側シリンダ31の外面とにより作動ガスの流路が形成される。このようにして低温側熱交換ハウジング32の頂部(コールドヘッド40)は、冷却用熱交換器(低温側熱交換器)29を形成している。このコールドヘッド40は、空気、水、アルコールその他の冷熱冷媒と接触して、冷熱冷媒の冷却を行う。
【0028】
低温側熱交換ハウジング32の下部内周面には環状の凹部41が形成され、頂部熱交換ハウジング内筒32’の下端部及び内側シリンダ31とともに環状空間42を形成し、その内部に金属メッシュ等の再生器材料が充填され再生器28が形成されている。低温側熱交換ハウジング32の下端のフランジ部37は放熱用熱交換器27の上端のフランジ部43に載置される。
【0029】
本発明の低温側熱交換ハウジング32は、頂部熱交換ハウジング内筒32’を除いて、SUS系等の材料によりロストワックス法などにより鋳造される。即ち、本発明の低温側熱交換ハウジング32は、外周面に冷却フィン38が、内周面に作動ガスの流路用の細溝39が形成されるように、側壁36に頂部熱交換ハウジング内筒32’を圧入して構成するものである。
【0030】
このようにロストワックッス鋳造で製作された低温側熱交換ハウジング32は、その外面に形成される冷却フィン38が細かい襞状に精密に鋳造されるから、きわめて放熱性能に優れており、又内面に形成される軸方向の細溝39は機械加工により、バリを残さず細かく形成することができ、作動ガスの流れを部分的に阻害することなく均一に流れるようにすることができ、冷凍性能を向上させる。
【0031】
図4(b)は、図4(a)のB−B断面であり、図4(c)は要部の拡大図である。放熱用熱交換器27は、図2及び図4に示されるようなアニュラータイプの熱交換器であり、この放熱用熱交換器27は、高温側熱交換ハウジング(環状熱交換ハウジング)44とその中に同心的に挿入された熱交換器本体45とを有している。高温側熱交換ハウジング44は、通常の鋳鉄等により製作される。
【0032】
高温側熱交換ハウジング44と熱交換器本体45との間に冷却水等の熱交換媒体用の流路46が形成され、上下端はシール47に封止されている。この流路46に連通するように、流入口48及び流出口49が形成されている。
【0033】
この流路46に面して熱交換器本体45の外周壁に多数の放熱フィン50が形成されている。熱交換器本体45は、SUS、銅、アルミニウム、又はその他の材料により、ロストワックス法により鋳造されている。熱交換器本体45の外面に形成される放熱フィン50は襞状に精密に鋳造されるのできわめて放熱性能に優れている。
【0034】
熱交換器本体45の内周面には、熱交換器内側筒45’が圧入され、熱交換器本体45の一部をなすかのように一体に形成されている。この熱交換器内側筒45’は、熱交換器本体45とは別に銅やアルミニウム等の材料で形成される円筒状の部品である。熱交換器内側筒45’の外面は、上記のとおり熱交換器本体45の先端側内周面に圧入可能なように滑らかに形成されているが、その内周面には、長軸方向の細溝51が円周方向に間隔をおいて多数本形成されている。
【0035】
この細溝51は、ワイヤカット、ブローチ加工等の機械加工により形成されるもので、図4(d)に示すピッチpは1〜1.5mm程度であり、深さdは1.5〜3mm程度である。そして、熱交換器内側筒45’自体の肉厚tは、5〜6mm程度であり、放熱フィン50より狭いピッチになっている。
【0036】
熱交換器内側筒45’の内面は、内側シリンダ31の外面と密着するように組立てられ、細溝51と内側シリンダ31の外面とによりヘリウム等の作動ガスの流路が形成される。
【0037】
図1に示すように、放熱用熱交換器27は冷却水循環管路52及び冷却水用ポンプP1を介して放熱器(ラジエータ)53と接続しており、冷却水を循環している。放熱用熱交換器27で熱交換され加熱された冷却水は放熱器53の冷却ファン54より冷却される。冷却水循環管路52は、リザーババルブ55を介して、リザーバタンク56が接続されている。又、放熱器53には、エアー抜き57が接続されていると共に、ドレーンバルブ58が接続されている。
【0038】
次に、本発明の上記実施例のスターリング冷凍機の作用を説明する。モータ6によってクランクシャフト7が正方向に回転し、クランク室5内のクランク部10、11が90度位相がずれて回転する。このクランク部10、11に回動自在に連結されたコンロッド8、8’を介して、クロスガイドヘッド9、18が往復動する。クロスガイドヘッド9、18の夫々に圧縮ピストンロッド17及び膨張ピストンロッド23を介して連結された圧縮ピストン15及び膨張ピストン21が、互いに90度の位相差をもって往復動する。
【0039】
膨張ピストン21が90度先行して上死点付近でゆっくりと移動中、圧縮ピストン15は中間付近を上死点に向かって急速に移動して作動ガスの圧縮動作を行う。圧縮された作動ガスは、連通孔30及びマニホールド26を通り放熱用熱交換器27の熱交換器内側筒45’の内周面に機械加工で形成された細溝51内に流入する。放熱用熱交換器27内で冷却水に放熱した作動ガスは、再生器28で冷却され、冷却用熱交換器29の頂部熱交換ハウジング内筒32’に形成された細溝39内を通って低温室22(膨張空間)内に流入する。
【0040】
圧縮ピストン15が上死点近辺でゆっくりと移動している時に膨張ピストン21は急激に下死点に向かって移動し低温室22(膨張空間)に流入した作動ガスは急激に膨張し冷熱が発生する。これによりコールドヘッド40は冷却され低温となる。
【0041】
そして、コールドヘッド40において、冷却フィン38に接する冷熱冷媒を冷却する。膨張ピストン21が下死点から上死点に移動するときには圧縮ピストン15は中間位置から下死点に向かっており、作動ガスは低温室22よりコールドヘッド40の細溝39を通り再生器28に流入し作動ガスの有する冷熱を再生器28に蓄熱する。再生器28に蓄熱された冷熱は、上記のように高温室16から放熱用熱交換器27を通して送られてくる作動ガスを、再度冷却するために再利用される。
【0042】
そして、コールドヘッド40において冷却された冷熱冷媒は、各種の冷熱利用機器を冷却する。例えば、冷熱冷媒は、冷凍庫等の冷熱利用機器内の冷熱冷媒配管に送られ、冷熱利用機器内で冷凍あるいは冷却作用を行う。コールドヘッド40に循環して戻され、再度冷却される。
【0043】
放熱用熱交換器27で熱交換された冷却水は、冷却水循環管路52から放熱器に流れ、そこで冷却ファンにより冷却され、再度放熱用熱交換器27へと循環する。
【0044】
以上、本発明の実施例を説明したが、ここで、本発明の特徴について整理すると次の通りである。本発明は、冷却用熱交換器及び放熱用熱交換器の構造をなるべく簡単な構造とするために、冷却用熱交換器を構成する頂部熱交換ハウジングに放熱用熱交換器を構成する熱交換器本体を圧入し、夫々外周面に熱交換用のフィンを、内周面に作動流体の通過する細溝を形成するものである。
【0045】
ところで、フィンは頂部熱交換ハウジング及び熱交換器本体とロストワックス鋳造等で比較的精密に形成できるが、作動流体用の細溝はロストワックス鋳造では鋳物のカスやバリ等が残ってしまい作動流体の流れを阻害し、不均一な流れを生じ、熱交換器の性能及び信頼性を損なう原因となっていた。
【0046】
そこで、本発明では、フィンについては、頂部熱交換ハウジング及び熱交換器本体と夫々一体的にロストワックス鋳造などで形成するが、作動流体用の細溝については、頂部熱交換ハウジング内筒及び熱交換器内側筒の内周面に夫々細溝を形成し、頂部熱交換ハウジング及び熱交換器本体に夫々圧入して形成する。これにより、幅の狭い細溝でも溝内にカスやバリ等が残ることなく精密に機械加工され、作動ガスの流れが部分的に阻害するようなことが解消される。この結果、冷却用熱交換器の熱交換性能、信頼性が向上する。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
本発明のスターリング冷却装置によると、次のような効果を奏することができる。
(1)膨張シリンダーブロックを構成する頂部熱交換ハウジングを、その側壁の外周面に冷熱冷媒冷却用のフィンが一体に形成されるように、ロストワックス等で鋳造されるとともに、その側壁の内周面には機械加工で細溝が形成された頂部熱交換ハウジング内筒を圧入して一体とすることにより、スターリング冷凍機自体の構造が簡単となるとともに、フィンが均一な肉厚を有し精密に形成され、又幅の狭い細溝でも溝内にカスやバリ等が残ることなく精密に機械加工され、作動ガスの流れが部分的に阻害するようなことが解消される。この結果、冷却用熱交換器の熱交換性能、信頼性が向上する。
【0049】
(2)放熱熱交換器を構成する熱交換器本体も、その外周面に放熱用冷却水が接触するフィンが一体に形成されるように、ロストワックス等で鋳造されるとともに、その内周面には機械加工で細溝が形成された熱交換器内側筒を圧入して一体とすることにより、スターリング冷凍機自体の構造が簡単となるとともに、フィンが均一な肉厚を有し精密に形成され、又幅の狭い細溝でも溝内にカスやバリ等が残ることなく精密に機械加工され、作動ガスの流れが部分的に阻害するようなことが解消される。この結果、放熱用熱交換器の熱交換性能、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱機関用シリンダブロックの適用例であるスターリング冷凍機を説明する全体図である。
【図2】本発明に係る熱機関用シリンダブロックの実施例として、膨張シリンダブロックを説明する図であり、その断面図である。
【図3】図2の膨張シリンダブロックの低温側熱交換ハウジング(頂部熱交換ハウジング)を説明する断面図及び平面図である。
【図4】図2の膨張シリンダブロックの高温側熱交換ハウジング(環状熱交換ハウジング)を説明する断面図及び平面図である。
【図5】従来の熱交換器の一例を説明する図である。
【符号の説明】
1 スターリング冷凍機
2 ハウジング
6 モータ
14 圧縮シリンダブロック
15 圧縮ピストン
20 膨張シリンダブロック
21 膨張ピストン
27 放熱用熱交換器
28 再生器
29 冷却用熱交換器
32 低温側熱交換ハウジング(頂部熱交換ハウジング)
32’ 頂部熱交換ハウジング内筒
36 頂部熱交換ハウジングの側壁
38 冷却フィン
38’ 中間フランジ
39、51 細溝
41 再生器用の環状の凹部
44 高温側熱交換ハウジング(環状熱交換ハウジング)
45 熱交換器本体
45’ 熱交換器内筒
50 放熱用フィン
53 放熱器

Claims (5)

  1. 頂壁及び側壁を有する円筒状の頂部熱交換ハウジングと、該頂部熱交換ハウジング内に配設され、熱機関のピストン又はディスプレーサが摺動する内側シリンダとを有するシリンダブロックであって、
    上記頂部熱交換ハウジングの先端側には、頂部熱交換ハウジング内筒が圧入されて設けられており、
    上記頂部熱交換ハウジング内筒の内周面には、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガス用の流路を形成する軸方向に直線状の細溝が機械加工で形成されており、
    上記頂部熱交換ハウジングの基端側の内周面は、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガスの再生器用の環状流路を構成していることを特徴とする熱機関用のシリンダブロック。
  2. 熱機関のピストン又はディスプレーサが摺動する内側シリンダを有するシリンダブロックであって、
    上記内側シリンダの外側には、円筒状の環状熱交換ハウジングとその内側に挿入固定された熱交換器本体とから成る熱交換器が配設されており、
    上記熱交換器本体の外周面には、熱交換用のフィンが形成されており、上記熱交換器本体の内側には熱交換器内筒が圧入されて設けられており、
    上記熱交換器内筒の内周面には、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガス用の流路を形成する軸方向に直線状の細溝が機械加工で形成されており、
    上記環状熱交換ハウジングと上記熱交換器本体との間の空間が冷媒通路とされ、該冷媒通路が連通するように、上記環状熱交換ハウジングに冷媒入口及び冷媒出口が形成されていることを特徴とする熱機関用のシリンダブロック。
  3. 頂壁及び側壁を有する円筒状の頂部熱交換ハウジングと、該頂部熱交換ハウジング内に配設され、熱機関のピストン又はディスプレーサが摺動する内側シリンダとを有するシリンダブロックであって、
    上記頂部熱交換ハウジングの先端側には、頂部熱交換ハウジング内筒が圧入されて設けられており、
    上記頂部熱交換ハウジング内筒の内周面には、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガス用の流路を形成する軸方向に直線状の細溝が機械加工で形成されており、
    上記頂部熱交換ハウジングの基端側の内周面は、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガスの再生器用の環状流路を形成しており、
    上記内側シリンダの外側には、円筒状の環状熱交換ハウジングとその内側に挿入固定された熱交換器本体とから成る熱交換器が配設されており、
    上記熱交換器本体の外周面には、熱交換用のフィンが形成されており、上記熱交換器本体の内側には熱交換器内筒が圧入されて設けられており、
    上記熱交換器内筒の内周面には、上記内側シリンダの外周面とともに作動ガス用の流路を形成する軸方向に直線状の細溝が機械加工で形成されており、
    上記環状熱交換ハウジングと上記熱交換器本体との間の空間が冷媒通路とされ、該冷媒通路が連通するように、上記環状熱交換ハウジングに冷媒入口及び冷媒出口が形成されていることを特徴とする熱機関用のシリンダブロック。
  4. 上記頂部熱交換ハウジングは、その先端側外周面に、上記頂部熱交換ハウジングと一体にロストワックス鋳造又は鋳鉄で成形されたフィン、又は別体に形成され後付けされたフィンを有することを特徴とする、請求項1又は3記載の熱機関用のシリンダブロック。
  5. 熱機関が、スターリングサイクル機器、ヴィルミエサイクル機器又はクーク・ヤーボロフサイクル機器であることを特徴とする、請求項1、2、3又は4記載の熱機関用のシリンダブロック。
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