JP3679074B2 - 透明積層フィルム、偏光板、液晶表示素子及び液晶表示装置 - Google Patents

透明積層フィルム、偏光板、液晶表示素子及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスティックフィルム基材上に、プラズマCVD法による酸化シリコン膜及び高抵抗を示すITO膜等を形成した透明積層フィルム、偏光板、液晶表示素子及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTなどのコンピューター、ワープロ、テレビ、表示板等に使用される各種ディスプレイや、計器等の表示体、バックミラー、ゴーグル、窓ガラスなどには、ガラスやプラスチックなどの透明な基板が使用されている。そして、それらの透明な基板を通して、文字や図形その他の情報を読み取るため、透明な基板の表面で光が反射すると、それらの情報が読み取り難くなるという欠点がある。
【0003】
それに対して、現在は、上記欠点を解決するために、基材と、ハードコート層と、互いに、屈折率の異なる複数の薄層を積層することにより形成される積層体から成る反射防止フィルムを用い、該反射防止フィルムを前記透明な基板表面に貼ることにより、光の反射を防止することが行なわれている。その反射防止フィルムの代表的な構成は、透明基材フィルム上に、帯電防止等のために酸化インジウム錫(錫をドープしたIn23で、ITOと呼ばれる)等の透明導電性薄膜を積層し、さらにその上に反射防止のために透明導電性薄膜よりも屈折率の低い、低屈折率薄膜、例えばSiO2の薄膜を形成したものが挙げられる。
可視光における透過性が高く、外光における反射を低減した反射防止機能を備えた反射防止フィルムが知られている。(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)
【0004】
【特許文献1】
特開平10−728号公報
【特許文献2】
特開平10−300902号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の反射防止フィルムは、真空蒸着法や熱CVD法、プラズマCVD法では均一性の高い成膜が難しく、反射色相での斑及び明度斑が起こりやすい問題があった。色相斑は色相が近ければ目立ちにくい傾向があるが、明度斑は多少の違いでも特に目立ちやすい。
【0006】
したがって、本発明は、上記の課題を解決すべく、プラスティックフィルムからなる基材上に、反射防止膜を設けた透明積層フィルムにおいて、可視光透過性が高く、外光反射を十分に低減した反射防止機能を備え、且つ反射色相や明度の斑が目立たない透明積層フィルム及びこれを用いた偏光板、液晶表示素子及び液晶表示装置を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の透明積層フィルムは、上記の課題を解決するために、請求項1において、基材上に屈折率が1.55〜1.75(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである中屈折率層、屈折率が1.9〜2.4(波長λ=550nm)、且つ膜厚が20〜150nmである高屈折率層、屈折率が1.4〜1.6(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである低屈折率層の順に積層した透明積層フィルムにおいて、CIE−Lab表色系において、反射色相が青色系(1≦a*≦10、−15≦b*≦−3)を示し、且つ透過色相が無彩色(−2≦a*及びb*≦2)を示し、更に反射の明度が2≦L≦3となることを特徴とする。請求項2として、請求項1に記載する基材と、該基材上に設けた層、すなわち反射防止膜との間にハードコート層が形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3として、請求項1または2に記載する透明積層フィルムの反射防止膜の最表面に防汚層が形成されていることを特徴とする。請求項4として、請求項1〜3のいずれか一つに記載する基材が一軸または二軸延伸ポリエステルフィルム、或いはトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする。
【0009】
請求項5として、請求項4に記載する基材が偏光板保護フィルムとして機能することを特徴とする。請求項6として、請求項1〜5のいずれか一つに記載の透明積層フィルムが液晶装置への組込が可能であることを特徴とする。また、請求項7として、本発明の偏光板は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の透明積層フィルムを、偏光素子と該透明積層フィルムの基材が接するように、偏光素子上にラミネート、また一方で偏光素子の他面に基材フィルムをラミネートしたことを特徴とする。請求項8として、請求項7に記載する偏光板と液晶表示素子とをラミネートした、すなわち透明積層フィルム/偏光素子/基材/液晶表示素子の構成であることを特徴とする。請求項9として、本発明の液晶表示装置は、請求項8に記載する液晶表示素子の偏光素子が設けられている面と反対側の面に、基材/偏光素子/基材からなる層構成の偏光板がラミネートされていることを特徴とする。
【0010】
本発明の透明積層フィルムは、上記のように、最適な光学設計を行うことで、効果的な色度座標を得て、それを構成し得る層構成を案出し、且つ各層の屈折率及び膜厚を規定した。これにより、反射色相及び明度の変化が小さく、且つ視感反射率が低減し、視感透過率が向上する反射防止フィルムが作製可能となる。特に、精密コーティングが可能となるスパッタリング法及びCVD法、イオンプレーティング法において、この効果は著しい。更に、プラスティックフィルム上にシリカ膜を成膜する際に、プラスマCVD法を用いることで、当該フィルムの表面温度を−10〜150℃に保持することが出来、フィルムの分解、伸び、変形を生じることなく、シリカ膜を成膜することが可能となる。しかし、プラズマCVD法では耐湿熱性及び密着性に優れた高屈折率薄膜は得にくい。其処で、高屈折率層として、スパッタリング法で作製した高抵抗ITO膜を用いることで、スパッタリング法や蒸着法のみで作製した場合と比較し、プラズマCVD法の特徴である密着性の良さを備え、且つ耐湿熱性も付与することが可能となる。このように、本発明により形成したフィルムは反射防止フィルムとしての利用に好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、詳細に説明する。
以下、本発明の透明積層フィルムについて説明する。
本発明の透明積層フィルムは、プラスティックフィルム基材上に多層薄膜を形成し、反射色相及び反射明度の斑が少なくなるものであり、基材上に屈折率が1.55〜1.75(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである中屈折率層、屈折率が1.9〜2.4(波長λ=550nm)、且つ膜厚が20〜150nmである高屈折率層、屈折率が1.4〜1.6(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである低屈折率層の順に積層した透明積層フィルムにおいて、CIE−Lab表色系において、反射色相が青色系(1≦a*≦10、−15≦b*≦−3)を示し、且つ透過色相が無彩色(−2≦a*及びb*≦2)を示し、更に反射の明度が2≦L≦3となるように規定した。比較的青みが少しある透明性を有した色相である。この規定は、反射色相及び反射明度の斑を少なくする際、個人的な感覚(官能的な評価)の違いを考慮して、決定したものである。
【0012】
上記の規定におけるCIE−Lab表色系は、国際照明委員会で定義されたもので、明度L値、a*値、b*値は、実際には分光光度計により測定できる。
L、a*及びb*の3つの値によって、測定対象物の色調が表される。Lは明度を表し、この数値が大きいほど明度が高いことを示す。また、a*は赤みを表し数値が大きいほど赤味が強いことを示し、−(マイナス)になると赤味が不足していること、言い換えれば緑色味が強いことを示す。さらに、b*値は黄色味の指標であり、この数値が大きい場合は黄色味が強いことを示し、−(マイナス)になると黄色味が不足して青くなることを示している。そして、a*、b*のいずれも0の場合は、無色を意味している。
【0013】
以下、本発明の透明積層フィルムについて、図面を参照して具体的に説明する。図3は、本発明の透明積層フィルムの一例を示すものである。この例に示される透明積層フィルムは、プラスティックフィルム基材20としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、このPETフィルム上にハードコート層24、中屈折率層23、高屈折率層22、低屈折率層21を順次積層されてなるものである。低屈折率層21の形成位置は、特に限定されるものでなく、高屈折率層22の上層に形成されていても下層に形成されていてもよいが、最外層に低屈折率層21のシリカ膜が形成されるような層構成とすることが好ましい。
今回主として用いているシリカ膜は高屈折率層と比べ屈折率が低く、反射率も小さいことから、透明積層フィルムの最外層として用いた場合に反射防止効果が大きいからである。また、シリカ膜は比較的、その表面エネルギーが小さいため防汚性、撥水性を備えている。従って、透明積層フィルムに防汚性、撥水性をも付与することができるからである。
【0014】
本発明の透明積層フィルムにおいては、上記高屈折率層と低屈折率層との積層が、上記図3に示す例のように、各々一層ずつ形成されたものであってもよいが、例えば、図4に示すような高屈折率層22の酸化チタン膜と、低屈折率層21のシリカ膜とが、高屈折率層22/低屈折率層21/高屈折率層22/低屈折率層21と、各々二層ずつプラスティックフィルム基材20に形成されているもの等の、二層以上の複数層ずつ、形成されたものであってもよい。このような構成とすることにより、反射防止効果が向上するからである。また、本発明においては、上記図3および図4の例に示すようにプラスティックフィルム基材20上に、ハードコート層24を設けてもよい。このようにハードコート層24を設けることにより反射防止膜の機械的強度を増加することができるからである。このハードコート層24の形成位置は、プラスティックフィルム基材20上であって、例えば高屈折率層22の下側の層として(高屈折率層22の基材20側に近い位置で)、形成されることが好ましい。更に、本発明の透明積層フィルムにおいては、例えば図3に示すように、中屈折率層23を形成する。この中屈折率層は、プラスティックフィルムの屈折率と高屈折率層の屈折率との中間の屈折率を有するものであり、このような中屈折率層を酸化チタン膜のような高屈折率層とプラスティックフィルム基材の間に設けることにより、さらに反射防止効果を向上させることができる。次に、上記本発明の透明積層フィルムを構成する各層について説明する。
【0015】
(基材)
本発明の透明積層フィルムの基材20は、プラスティックフィルムが用いられ、透明性が必要であるが、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネイトフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、アクリロニトリルフィルム、メタクリロニトリルフィルム等が挙げられる。さらには、無色透明のフィルムがより好ましく使用できる。中でも、一軸または二軸延伸ポリエステルフィルムが透明性、耐熱性に優れ、好適に用いられ、光学異方性のない点でトリアセチルセルロースも好適に用いられる。プラスティックフィルムの厚みは、通常は6μm〜188μm程度のものが好適に用いられる。
【0016】
(高屈折率層)
本発明の透明積層フィルムでは、基材上に設ける透明積層膜(反射防止膜)の構成要素として高屈折率層22を利用することができ、低屈折率層である酸化物薄膜と合わせて用いることにより、それぞれの屈折率の違いにより光の反射を効率よく防止することができる。この高屈折率層の透明積層膜中に占める位置は、特に限定するものではないが、低屈折率層と高屈折率層とは互いに接触している方が効率よく光の反射を防止することができ、低屈折率層の下に(低屈折率層よりも基材側に近い位置に)設けることが好ましい。
【0017】
高屈折率層として用いることが可能な薄膜としては、可視光域で透明性を有し、その屈折率を1.9〜2.4(波長λ=550nm)、且つ膜厚が20〜150nmである薄膜であれば特に限定されるものではない。本発明で規定する屈折率は、断りのない限り、試料温度を25℃として、波長λ=550nmにおけるJIS K 7105に基づいて測定したものである。
高屈折率層としては、具体的には、酸化チタン、ITO(インジウム/スズ酸化物)層、Y23層、In23層、Si34層、SnO2層、ZrO2層、HfO2層、Sb23層、Ta25層、ZnO層、WO3層等を挙げることができ、この中でも特に酸化チタン又は高抵抗を示すITO層を用いることが好ましい。
高屈折率層の形成方法は、プラズマCVD法、蒸着法、もしくはスパッタリング法等により形成でき、高屈折率層の膜厚は20〜150nmである。その膜厚が少なすぎると、屈折率の異なる層と積層させて反射防止効果がほとんど期待できなくなり、また膜厚が多すぎると、層の圧力により基材変形や層剥がれの発生する場合があり好ましくない。
【0018】
高屈折率層として、プラズマCVD法により酸化チタン膜を形成する場合、その屈折率は上記における1.9〜2.4(波長λ=550nm)の範囲の中でも、2.0〜2.4(λ=550nm)が好ましく、2.0〜2.3(λ=550nm)が最も好ましい。反射防止フィルムとして透明積層フィルムを形成する際においては、酸化チタン膜の屈折率は他の透明積層膜との関係で相対的に決定することが好ましく、積層膜全体としてのバランスにより反射防止効果を奏するものであるが、一般的な積層構造とした場合における酸化チタン膜の屈折率は上記のような範囲であることが好ましい。
また、本発明ではプラズマCVD法による酸化チタン層に限定されず、スパッタリング法、イオンプレーティング法を用いても、屈折率が1.9〜2.4(波長λ=550nm)、且つ膜厚が20〜150nmである高屈折率層としての特徴が発揮できる場合、例えば、スパッタリング法によるITO層を用いれば、屈折率が1.9〜2.1(波長λ=550nm)の薄膜が得られ、本発明の高屈折率層に使用が可能となる。
【0019】
また、連続的に製造可能、且つプラスティックフィルム基材の温度制御も正確に行うことができる点等の理由から、少なくとも原料ガスが導入される反応室と、温度コントロール可能な成膜用ドラムと、上記成膜用ドラムとの間にプラズマを発生させるプラズマ発生手段を有し、上記成膜用ドラムによりウェッブ状のプラスティックフィルムが連続的に原料ガスが導入された反応室内に搬送されることにより、上記プラスティックフィルムの温度制御が行なわれると同時に上記プラスティックフィルム上に膜が形成されるプラズマCVD装置及びガス供給系、具体的には図1に示すような装置により形成される酸化チタン膜等の高屈折率層を有する透明積層フィルムであることが好ましい。
【0020】
上記のプラズマCVD装置としては、プラスティックフィルムの温度制御が可能なものであれば特に限定されるものでなく、電源周波数やプラズマ生成方式においても特に制限はない。このようなプラズマCVD装置を用いてプラスティックフィルム基材上に酸化チタン膜を例とした高屈折率層を形成する製造方法について、図1を用いて説明する。
まず、ウェッブ状のプラスティックフィルム1が基材巻き出し部2より巻きだされて、真空容器3中のプラズマCVDの反応室4に導入される。この反応容器3の全体は、真空ポンプ5により排気される。また、同時に反応室4には、原料ガス導入口6より規定流量の有機チタン化合物ガスと酸素ガスが供給され、反応室4の内部は、常に一定圧力のこれらのガスで満たされている。
【0021】
次に、基材巻き出し部2より巻き出され、反応室4に導入されたプラスティックフィルム1は、反転ロール7を経て、成膜用ドラム8に巻き付き、成膜用ドラム8の回転と同期しながら反転ロール7’の方向に送られていく。この時、成膜用ドラム8は、温度コントロールが可能であり、この時、プラスティックフィルム1の表面温度と成膜用ドラム8の表面温度はほぼ等しい。従って、プラズマCVD時に酸化チタンが堆積するプラスティックフィルム1の表面温度、すなわちプラズマCVDの成膜温度を任意にコントロールできる。この例においては、プラズマCVDにより酸化チタン膜12をプラスティックフィルム1上に成膜する場合の成膜温度を、その時の成膜用ドラム8の表面温度により表示する。
【0022】
電極9と成膜用ドラム8との間には、電源10によりRF電圧が印加される。このとき、電源の周波数は、ラジオ波に限らず、直流からマイクロ波まで適当な周波数を使用することも可能である。そして、電極9と成膜用ドラム8の間にRF電圧を印加することにより、この両電極の周辺にプラズマ11が発生する。そして、このプラズマ11中で有機チタン化合物ガスと酸素ガスが反応し、酸化チタンを生成して成膜用ドラム8に巻き付いたプラスティックフィルム1上に堆積して、酸化チタン膜12が形成される。その後、酸化チタン膜12が表面に形成されたプラスティックフィルム1は、反転ロール7’を経て、基材巻き取り部2’で巻き取られる。
【0023】
上記のように、本発明においては、プラズマ11により有機チタン化合物ガスと酸素ガスが化学反応して生成した酸化チタンが、成膜用ドラム8により適切な温度に冷却されたプラスティックフィルム1上に堆積して、酸化チタン膜を形成するので、プラスティックフィルム1が高温にさらされ、伸び、変形、カール等することなく、酸化チタン膜12の形成が可能である。さらに、本発明のプラズマCVD法においては、材料ガス流量・圧力、放電条件、プラスティックフィルム1の送りスピードのコントロールにより、形成される酸化チタン膜12の屈折率、膜厚等を広範囲でコントロールしうるため、材料を変更することなく、所望の光学特性の膜を得ることができる。
【0024】
以下に、上記の酸化チタン膜の形成に使用される材料、条件等を更に詳しく説明する。有機チタン化合物として使用可能な材料としては、Ti(i−OC374(チタンテトラi−プロポキシド)、Ti(OCH34(チタンテトラメトキシド)、Ti(OC254(チタンテトラエトキシド)、Ti(n−OC374(チタンテトラn−プロポキシド)、Ti(n−OC494(チタンテトラn−ブトキシド)、Ti(t−OC494(チタンテトラt−ブトキシド)のチタンアルコキシドが挙げられる。そのなかでも、Ti(i−OC374(チタンテトラi−プロポキシド)、Ti(t−OC494(チタンテトラt−ブトキシド)が蒸気圧が高いという理由で好適である。
【0025】
また、これらの有機チタン化合物は、液体気化器で蒸発されて有機チタン化合物ガスの状態で反応室に導入される。反応室内には、酸素ガスも導入される。この酸素ガスは、有機チタン化合物ガスと反応して酸化チタンを生成するための反応ガスとしての役割を担っている。また、希ガスを有機チタン化合物ガスのキャリアガスとして使用する場合もある。酸素ガスと有機チタン化合物ガスの流量比(酸素ガス/有機チタン化合物ガス)は、5以上であることが望ましい。この範囲より小さいと、膜中に混入する炭素量が増加し、形成された酸化チタン膜の屈折率が減少する。反応室内の好適な圧力は、1Torr以下である。圧力が1Torrより大きくなると、形成された酸化チタン膜の屈折率、機械的強度の低下という問題が生じるからである。また、有機チタン化合物ガスの分圧は、10-1Torr以下であることが好ましい。有機チタン化合物ガスの分圧が10-1Torrより大きくなると、反応室内で有機チタン化合物が液化するという問題が生じる。
【0026】
成膜用ドラムは、温度コントロールが可能なので、プラズマCVD時に酸化チタンが堆積するプラスティックフィルムの表面温度、すなわちプラズマCVDの成膜温度を任意にコントロールできる。この成膜温度は、−10〜150℃の温度で行う。この温度が−10℃より低くなると、形成される酸化チタン膜の屈折率が低下するので好ましくない。また、成膜温度が150℃を超えると、本発明で使用可能な基材のプラスティックフィルムの熱変形温度より高くなってしまうための成膜時の伸び、変形、カール等の問題を生じ好ましくない。
さらに、反射防止フィルムにわずかなうねり、変形、伸びも許されない高品質を要求される場合や、基材のプラスティックフィルムが10μm未満と薄く熱による伸び変形を受け易い場合は、−10℃からプラスティックフィルムのTg以下の温度で酸化チタン膜のプラズマCVD成膜を行うことが特に望ましい。
【0027】
図1に示す例では、成膜用ドラムにプラスティックフィルムを密着させ、この成膜用ドラムの温度を制御することにより、プラスティックフィルムの温度制御を行っていたが、本発明はこれに限定されるものでなく、プラズマCVDによる膜が形成される際のプラスティックフィルムの温度が制御できる方法であれば、例えば、反応室内の雰囲気温度を制御することによりプラスティックフィルムの温度制御を行う方法や、予めプラスティックフィルムを所定の温度とした後反応室内に送入する方法等、特に限定されるものではない。
【0028】
(中屈折率層)
本発明における透明積層フィルムにおける中屈折率層23は、反射防止機能を高めるために用いられる層である。このような中屈折率層は、可視光域で透明であり、かつ屈折率が波長λ=550nmで1.55〜1.75の範囲内となる物質で形成された層であれば特に限定されるものではない。具体的な中屈折率層を形成するための物質としては、例えば、Al2O3、SiN、SiONや、ZrO2、SiO2、ZnO2の微粒子を有機ケイ素化合物等に分散したもの等が好適に用いられる。また、中屈折率層は必ずしも一層である必要もなく、複数の異なった層を積層して全体として上記の屈折率となるような層構成とすることにより、当該積層膜を中屈折率層とすることも可能である。中屈折率層の形成方法は、プラズマCVD法、蒸着法、もしくはスパッタリング法等により形成することができ、中屈折率層の膜厚は10〜200nmの範囲が好ましい。その膜厚が少なすぎると、屈折率の異なる層と積層させて反射防止効果がほとんど期待できなくなり、また膜厚が多すぎると、層の圧力により基材変形や層剥がれの発生する場合があり好ましくない。
【0029】
(低屈折率層)
本発明における低屈折率層21は、上述したように高屈折率層と共にプラスティックフィルム基材上に形成され、これにより反射防止フィルムとしての透明積層フィルムの反射防止効果を向上させるものである。低屈折率層の中でも、酸化シリコン層(シリカ膜)がプラズマCVD法により形成されたものが好ましく、特に好ましくは、プラスティックフィルムの温度が−10〜150℃に制御されてシリカが積層された反射防止フィルムが好ましい。このようにして積層されたシリカ膜は、膜厚分布に優れており、反射防止フィルムとして好適である。また、低屈折率層としては屈折率が1.4〜1.6のものが好ましく、その範囲にあるものとしては、例えば前記シリカ膜以外にも、フッ化マグネシウムや酸フッ化ケイ素等を用いてもよい。光学特性に関し、低屈折率材料に求められる物性はフッ化マグネシウムや酸フッ化ケイ素の方が前記シリカ膜よりも優れている。しかしながら、フッ化マグネシウム等は、機械強度や耐湿性等がシリカ膜に比べ劣るので、その用途によっては、強度層やバリア層を積層する等の手段との併用が好ましい。その点において、シリカ膜については、前記フッ化マグネシウム等の用に併用手段等を特に必要とせず、総合的には最も好適である。
【0030】
本発明においては、上述した高屈折率層の酸化チタン膜と同様の理由から、少なくとも原料ガスが導入される反応室と、温度コントロール可能な成膜用ドラムと、上記成膜用ドラムとの間にプラズマを発生させるプラズマ発生手段を有し、例えば、上記成膜用ドラムによりウェッブ状のプラスティックフィルム基材が連続的に原料ガスが導入された反応室内に搬送されることにより、上記プラスティックフィルムの温度制御が行なわれると同時に、上記プラスティックフィルム上に膜が形成されるプラズマCVD装置により形成された低屈折層を有する透明積層フィルムであることが好ましい。
中でも、上記反応室が成膜用ドラムの外周に沿って少なくとも2室形成されたCVD装置、具体的には図2に示すようなプラズマCVD装置により形成された低屈折率層を有する透明積層フィルムであることが好ましい。上記反応室にそれぞれ酸化チタン膜用の原料と、低屈折率層用の原料を導入して透明積層フィルムの製造を行うことにより、一回の処理で高屈折率層と低屈折率層とが形成された反射防止フィルムを形成することができるからである。
【0031】
プラズマCVD装置を用い、−10〜150℃の範囲内に制御されたプラスティックフィルム上に高屈折率層の酸化チタン膜に加えて、低屈折率のシリカ膜を形成する方法は、酸化チタン膜と同様である。
本発明においてシリカ膜を形成するための原料としては、シラン、ジシラン、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、メチルトリメトキシシラン(MTMOS)、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、テトラメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラエトキシシラン等のSi系化合物を用いることが可能である。
【0032】
また、酸化チタン、シリカ膜の作製には、図2に示すようなプラズマCVD装置を用いることができる。当該プラズマCVD装置は容量結合型のプラズマCVD装置であり、その基本的構造及び原理は図1の装置と同様である。従って、当該装置においてもウェッブ状のプラスティックフィルム1は基材巻き出し部2より巻きだされて、真空容器3中の反応室(a,b,c)に導入される。そして、当該反応室内の成膜用ドラム8上で所定の膜が形成され、基材巻き取り部2’により巻き取られる。
【0033】
図2に示す装置と図1に示す装置との差は、図1に示す装置においては、フィルム上に酸化チタン膜を形成するための反応室は一つしか設置されていないが、図2に示すプラズマCVD装置は、複数(3つ)の反応室を有している点にある。夫々の反応室(a,b,c)は隔離壁13で隔離されることで形成されている。ここで、以下の説明の便宜上、当該3つの反応室を右側から反応室a、反応室b、反応室cとする。そして、各反応室には、夫々電極版a1、b1、c1及び原料ガス導入口a2、b2、c2が設置されている。
各反応室(a,b,c)は、成膜用ドラム8の外周に沿って設置されている。これは、積層膜が形成されるプラスティックフィルムは、図1に示す例で説明したように成膜用ドラム8と同期しながら反応室内に挿入され、かつ成膜用ドラム上において積層膜を形成するものであることから、このように配置することにより連続して各膜を積層することができるからである。なお、図2に示す装置では反応室の数を3室としたが、本発明の透明積層フィルムを製造する方法で用いるプラズマCVD装置としてはこれに限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0034】
上述したようなプラズマCVD装置によれば、各反応室へ導入する原料ガスを変化させることにより、夫々の反応室内で独立して膜を形成することが可能であることから、例えば、酸化チタン膜とシリカ膜との積層膜をプラスティックフィルム上に形成する場合は、反応室aに有機チタン化合物を含むガスを導入し、反応室bと反応室cにはケイ素を含むガスを導入することにより、プラスティックフィルム1が成膜用ドラム8を経て基材巻き取り部2’へ巻き取られるまでに当該プラスティックフィルム1上に酸化チタン膜とシリカ膜とが形成された積層フィルムを形成することが可能となる。
さらに、上記の場合において反応室bと反応室cとに導入されたガスは、ケイ素を含むガスであるが、各々の反応室内の条件、例えばガスの流量や圧力、放電条件等を変化させることにより、反応室bと反応室cとで形成されるシリカ膜の特性を変化させることも可能である。当該装置により酸化チタン膜、シリカ膜、またこれらの膜の厚さや屈折率等を自在に組み合わせることが可能となる。
【0035】
また、必ずしも夫々の反応室に異なる原料ガスを導入する必要もなく、例えば図2に示す反応室a,b,c全てに有機チタン化合物を含むガスを導入することで酸化チタン膜を形成し、その後に一旦反応室a,b,cに導入されたガスを全て抜き、改めてケイ素を含むガスを反応室a,b,cに導入して上記酸化チタン膜の上にシリカ膜を形成することも可能である。
本発明においては、上述した図1に示すような装置で複数回プラスティックフィルムを処理することにより、プラスティックフィルム上に酸化チタン膜とシリカ膜とが形成された積層フィルムを形成するようにしてもよいし、上述したように図2に示す装置を用いて一回でプラスティックフィルムを処理することにより、プラスティックフィルム上に酸化チタン膜とシリカ膜とが形成された積層フィルムを形成するようにしてもよい。また、図2に示す装置を用いて複数回プラスティックフィルムを処理することにより、酸化チタン膜とシリカ膜とが交互に複数層積層された積層フィルムを得ることも可能である。
尚、上記の説明では、高屈折率層として酸化チタン膜を、また低屈折率層としてシリカ膜(酸化シリコン層)を例として説明したが、各屈折率層で説明したような他の材料で構成することはもちろん可能である。
【0036】
(ハードコート層)
ハードコート層24は、本発明の透明積層フィルムに強度をもたせることを目的として、基材と反射防止膜との間に形成することができる。ハードコート層を形成するための材料は、プラスティックフィルム基材と同様に可視光域で透明な材料であって、透明積層フィルムに強度をもたせることができるものが必要であり、その強度としては、JIS K5400で示す鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すことが好ましい。
【0037】
具体的には、熱硬化型樹脂及び/又は電離放射線硬化型樹脂を用いることが好ましく、さらに具体的には、アクリレート系の官能基をもつもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル、ポリエーテル、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン、ポリチオールポリエン系樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下、アクリレートとメタアクリレートとを(メタ)アクリレートと記載する。)等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈剤であるエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、へキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含むものが使用される。
【0038】
更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重合開始剤として、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して使用することが好ましい。
【0039】
上記の電離放射線硬化型樹脂には、一般式RmSi(OR′)nで表される反応性有機ケイ素化合物(式中のR、R′は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4であり、そしてm及びnはそれぞれ整数である。)を含ませることもできる。このようなケイ素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0040】
以上のようなハードコート層の膜厚は、通常1〜30μmの範囲であり、その形成方法は、通常のコーティング方法を用いることが可能であり、特に限定されるものではない。ハードコート層の厚みが薄すぎると、その上に形成する各層の硬度を維持できなくなり、また厚すぎると、透明積層フィルム全体のフレキシブルさを低下させ、また、硬化に時間がかかる等、生産効率の低下をまねく。
【0041】
(防汚層)
本発明の透明積層フィルムには、最上層に、反射防止フィルムの上面の汚染を防止するための防汚層を設けてよい。防汚層は、ディスプレイパネルの前面に配置した反射防止フィルムにごみや汚れが付着するのを防止し、あるいは付着しても除去しやすくするために形成される。具体的には、反射防止機能を低下させない範囲で、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素系樹脂を含む塗料、シリコーンオイル等の剥離剤、もしくはワックス等をごく薄く塗布し、余剰分を拭い除去しておく。防汚層は、恒久的な層として形成してもよいが、必要の都度、塗布して形成してもよい。防汚層の厚みは、1〜10nm程度が好ましい。
その形成方法は、通常のコーティング方法を用いることが可能であり、特に限定されるものではない。
【0042】
本発明の透明積層フィルムは、その構成する基材が偏光板保護フィルムとして機能することができる。例えば、図5に示すように、本発明の基材フィルム20(トリアセチルセルロースフィルム、略してTACフィルム)/高屈折率層22/低屈折率層21から構成しているような透明積層フィルム25を、偏光素子26と基材フィルム20が接するように、偏光素子26上にラミネートし、また一方で、偏光素子26の他面に基材フィルム20(トリアセチルセルロースフィルム)をラミネートして、偏光板として利用することができる。尚、上記のラミネートには接着剤層を用いることが望ましい。
【0043】
また、本発明の透明積層フィルムは、液晶装置への組込を行なって使用することができる。図6に本発明の反射防止フィルムが使用された液晶表示装置の一例を示す。液晶表示素子27上に、図5に示した偏光板、即ち、TACフィルム20/偏光素子26/反射防止フィルム25からなる層構成の偏光板がラミネートされており、また液晶表示素子27の他方の面には、TACフィルム20/偏光素子26/TACフィルム20からなる層構成の偏光板がラミネートされている。図6の液晶表示装置において、最下面のTACフィルム20側にさらに高屈折率層が、さらにその高屈折率層の外側に低屈折率層が形成されていてもよい。図6に示した液晶表示装置において、バックライトは図6の下側から照射される。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入される。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0044】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明する。
参考例
図4に示すようにプラスティックフィルム基材20上にハードコート層24、高屈折率層22、低屈折率層21、高屈折率層22、低屈折率層21を順に形成し、反射防止フィルムを作成した。各層の形成条件を以下に記す。
【0045】
<プラスティックフィルム基材(20)>
トリアセチルセルロース 厚さ80μm
<ハードコート層(24)>
紫外線硬化型樹脂 PET−D31(大日精化工業(株))
塗工により形成
紫外線硬化条件 480mJ
厚さ 6μm
<高屈折率層(22)>
スパッタ法を用いて、ITO層を形成。
<低屈折率層(21)>
酸化シリコン層をプラズマCVD法で形成。
【0046】
上記条件で形成した透明積層フィルムは、プラスティックフィルムのわずかな伸び、変形も無く、良好な状態であった。上記条件で作成した透明積層フィルムの反射分光特性を図7に示す。図7より、人間が感知し易い550nm近傍での反射率が低く、反射防止効果が良好であった。このときの視感度反射率は、0.3%と反射防止フィルムとして十分な値を示した。また、反射色相は無彩色(a*=0.5、b*=−0.5)、反射の明度Lは2.7であった。色斑の発生は観られなかった。また、この透明積層フィルムは、透過色相は無彩色(a*=0.5、b*=1.5)であった。
また、その透明積層フィルムの透過分光特性を図8に示す。人間が感知し易い550nm近傍での透過率(視感度透過率)は約95%であり、可視光透過性が高いものである。
【0047】
分光反射率は、以下の装置で測定した。
分光反射率測定 分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
また、透過色相、透過率は、以下の装置で測定した。
分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
なお、上記及び下記の参考例、実施例及び比較例において形成された積層膜の膜厚は、各層の光学特性を考慮して視感度反射率が最小になるように設定した。例えば、参考例に示す高屈折率層や低屈折率層においては、図1に示す装置を用いて各層を形成する際にフィルム送り速度の調整により所望の膜厚を得ている。
【0048】
実施例1
請求項1に示した層構成により、図3に示すようにプラスティックフィルム基材20上にハードコート層24、中屈折率層23、高屈折率層22、低屈折率層21を形成し、反射防止フィルムを作成した。各層の形成条件を以下に記す。
【0049】
<プラスティックフィルム基材(20)>
トリアセチルセルロース 厚さ80μm
<ハードコート層(24)>
紫外線硬化型樹脂 PET−D31(大日精化工業(株))
塗工により形成
紫外線硬化条件 480mJ
厚さ 6μm
<中屈折率層(23)>
炭素含有酸化シリコン層をプラズマCVD法により形成。
<高屈折率層(22)>
スパッタ法を用いて、ITO層を形成。
<低屈折率層(21)>
酸化シリコン層をプラズマCVD法で形成。
【0050】
上記条件で形成した透明積層フィルムは、プラスティックフィルムのわずかな伸び、変形も無く、良好な状態であった。上記条件で作成した透明積層フィルムの反射分光特性を図9に示す。図9より、人間が感知し易い550nm近傍での反射率が低く、反射防止効果が良好であった。このときの視感度反射率は、0.3%と反射防止フィルムとして十分な値を示した。また、反射色相は青色(a*=8、b*=−12)、反射の明度Lは2.5であり、色斑の発生は観られなかった。また、この透明積層フィルムは、透過色相は無彩色(a*=−1.2、b*=0.5)であった。
また、その透明積層フィルムの透過分光特性を図10に示す。人間が感知し易い550nm近傍での透過率(視感度透過率)は約95%であり、可視光透過性が高いものである。
【0051】
分光反射率は、以下の装置で測定した。
分光反射率測定 分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
また、透過色相、透過率は、以下の装置で測定した。
分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
【0052】
(比較例1)
図3に示すようにプラスティックフィルム基材20上にハードコート層24、中屈折率層23、高屈折率層22、低屈折率層21を形成し、反射防止フィルムを作成した。各層の形成条件を以下に記す。
【0053】
<プラスティックフィルム基材(20)>
トリアセチルセルロース 厚さ80μm
<ハードコート層(24)>
紫外線硬化型樹脂 PET−D31(大日精化工業(株))
塗工により形成
紫外線硬化条件 480mJ
厚さ 6μm
<中屈折率層(23)>
炭素含有酸化シリコン層をプラズマCVD法により形成。
<高屈折率層(22)>
スパッタ法を用いて、ITO層を形成。ただし、請求項4に示した定義を考慮せずに行なった。つまり、形成したITO層は屈折率が1.9〜2.4(波長λ=550nm)、且つ膜厚が20〜150nmではない。
<低屈折率層(21)>
酸化シリコン層をプラズマCVD法で形成。
【0054】
以上の条件で形成した反射防止フィルムの視感度透過率、透過色相等の測定結果を以下に示す。
<測定結果>
視感度反射率 0.30%
視感度透過率 92.0%
透過色相 a*=−0.95、b*=3.50
【0055】
<比較例1で使用した装置>
透過色相測定 分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
反射率測定 分光光度計
型番 UV−3100PC メーカー 島津製作所
【0056】
上記条件で作成した透明積層フィルムの反射分光特性を図11に示す。図11より、人間が感知し易い550nm近傍での反射率は低い。また、その透明積層フィルムの透過分光特性を図12に示す。
以上に示した作製結果の如く、視感度反射率が0.30%となる反射防止フィルムが形成できた。しかし、分光器による測定から透過色相が黄色みを帯び、且つ視感度透過率は、約90%であり、実施例の視感度透過率の約95%と比べ、低下していることが分かった。
【0057】
【発明の効果】
本発明の透明積層フィルムは、プラスティックフィルム基材上に多層薄膜を形成し、反射色相及び反射明度の斑が少なくなるものであり、基材上に屈折率が1.55〜1.75(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである中屈折率層、屈折率が1.9〜2.4(波長λ=550nm)、且つ膜厚が20〜150nmである高屈折率層、屈折率が1.4〜1.6(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである低屈折率層の順に積層した透明積層フィルムにおいて、CIE−Lab表色系において、反射色相が青色系(1≦a*≦10、−15≦b*≦−3)を示し、且つ透過色相が無彩色(−2≦a*及びb*≦2)を示し、更に反射の明度が2≦L≦3となるように規定した。このように、最適な光学設計を行うことで、効果的な色度座標を得て、それを構成し得る層構成を案出し、且つ各層の屈折率及び膜厚を規定した。これにより、反射色相及び明度の変化が小さく、且つ視感反射率が低減し、視感透過率が向上する反射防止フィルムが作製可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマCVD装置の概略図である。
【図2】プラズマCVD装置の他の概略図である。
【図3】本発明の透明積層フィルムである一つの実施形態を示す概略図である。
【図4】本発明の透明積層フィルムである参考の実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明の透明積層フィルムがラミネートされた偏光板の一つの実施形態を示す概略図である。
【図6】本発明の透明積層フィルムがラミネートされた偏光板を使用した液晶表示装置の一つの実施形態を示す概略図である。
【図7】参考例の反射分光特性
【図8】参考例の透過分光特性
【図9】実施例1の反射分光特性
【図10】実施例1の透過分光特性
【図11】比較例1の反射分光特性
【図12】比較例1の透過分光特性
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム基材(被転写体)
2 基材巻き出し部
2’ 基材巻き取り部
3 真空容器
4、a、b、c 反応室
5 真空ポンプ
6、a2、b2、c2 原料ガス導入口
7 反転ロール
7’ 反転ロール
8 成膜用ドラム
9、a1、b1、c1 電極
10 電源
11 プラズマ
12 酸化チタン薄膜
13 隔離壁
20 基材
21 低屈折率層
22 高屈折率層
23 中屈折率層
24 ハードコート層
25 透明積層フィルム(反射防止フィルム)
26 偏光素子
27 液晶表示素子

Claims (9)

  1. 基材上に屈折率が1.55〜1.75(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである中屈折率層、屈折率が1.9〜2.4(波長λ=550nm)、且つ膜厚が20〜150nmである高屈折率層、屈折率が1.4〜1.6(波長λ=550nm)、且つ膜厚が10〜200nmである低屈折率層の順に積層した透明積層フィルムにおいて、CIE−Lab表色系において、反射色相が青色系(1≦a*≦10、−15≦b*≦−3)を示し、且つ透過色相が無彩色(−2≦a*及びb*≦2)を示し、更に反射の明度が2≦L≦3となることを特徴とする透明積層フィルム。
  2. 基材と、該基材上に設けた層、すなわち反射防止膜との間にハードコート層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載する透明積層フィルム。
  3. 前記透明積層フィルムの反射防止膜の最表面に防汚層が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載する透明積層フィルム。
  4. 前記基材が一軸または二軸延伸ポリエステルフィルム、或いはトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載する透明積層フィルム。
  5. 前記基材が偏光板保護フィルムとして機能することを特徴とする請求項4に記載する透明積層フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の透明積層フィルムが液晶装置への組込が可能であることを特徴とする透明積層フィルム。
  7. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の透明積層フィルムを、偏光素子と該透明積層フィルムの基材が接するように、偏光素子上にラミネート、また一方で偏光素子の他面に基材フィルムをラミネートしたことを特徴とする偏光板。
  8. 請求項7に記載する偏光板と液晶表示素子とをラミネートした、すなわち透明積層フィルム/偏光素子/基材/液晶表示素子の構成であることを特徴とする液晶表示素子。
  9. 請求項8に記載する液晶表示素子の偏光素子が設けられている面と反対側の面に、基材/偏光素子/基材からなる層構成の偏光板がラミネートされていることを特徴とする液晶表示装置。
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